JP3124750B2 - 高圧抵抗用端子とその組立方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ＣＲＴ(Cathode
Ray Tube 陰極線管）のフォーカス電圧調整用の可変
抵抗器等を絶縁性のケース内に収容した高圧抵抗用端子
とその組立方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＣＲＴのフォーカス電圧調整用の
可変抵抗器が設けられた高電圧抵抗パックいわゆるフォ
ーカスパックには、コンデンサーもケース内に収容して
いるものがあり、そのコンデンサーの接地側のリード線
が、後付け端子に取り付けられる場合がある。その接属
方法は、後付け端子に、コンデンサーから伸びたリード
線を巻き付け、ハンダ付けするというものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の場
合、コンデンサーから伸びたリード線を後付け端子に巻
き付けてハンダ付けしても、巻き付けた部分にリード線
が係合する箇所がないので、ハンダ付けが十分でない
と、外力により端子の長手方向にリード線が移動し易
く、取り付け強度が弱いという欠点があった。また、製
造工数もかかるものであった。

【０００４】この発明は、上記従来の技術に鑑みてなさ
れたもので、端子部の強度やリード線の取り付け強度が
高く、組立作業も容易な高圧抵抗用端子とその組立方法
を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、高電圧がか
けられる可変抵抗器を有し、この可変抵抗器が設けられ
た回路基板が収納されたケースに取り付けられる後付け
端子である高圧抵抗用端子において、上記後付け端子の
上記ケース側の当接部分に凸片を形成し、この凸片の側
面に膨出部を形成し、上記ケースの外壁端縁の端子固定
部には上記凸片が係止される係止部が設けられ、上記凸
片を上記係止部に嵌合させ上記膨出部を係止させる高圧
抵抗用端子である。

【０００６】また、上記ケース端縁の係止部は溝部であ
り、この溝部に上記凸片及び上記膨出部が嵌合し、上記
後付け端子には上記凸片とは反対方向に突出した係止突
起を備え、上記ケースに設けられた電子部品のリード線
を上記係止突起に巻き付けるものである。

【０００７】またこの発明は、高電圧がかけられる可変
抵抗器を有し、この可変抵抗器が設けられた回路基板が
収納されたケースに後付け端子を保持する保持部を設け
た高圧抵抗用端子の組立方法において、上記後付け端子
に、凸片とこの凸片とは反対方向に突出した係止突起を
設け、上記ケース端縁の上記保持部には、上記凸部が嵌
合する溝部と溶融突起が形成され、上記凸片を上記溝部
に嵌合し、上記保持部と上記溶融突起を溶融し、上記後
付け端子と一体に設けられた上記係止突起に、上記ケー
スに設けられた電子部品のリード線を巻き付ける高圧抵
抗用端子の組立方法である。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。図１ないし図８は、この発
明の一実施形態を示すもので、この実施形態の高圧抵抗
用端子は、ＣＲＴのフォーカス電圧およびスクリーン電
圧を調整するためのいわゆるフォーカスパックに用いら
れるもので、ケース１にコンデンサー２および抵抗体基
板１５が収容されている。抵抗体基板１５には、接地端
子３、コンデンサー入力端子４、フォーカスおよびスク
リーン電圧出力端子５が突設されている。そして、抵抗
体基板１５は、フライバックトランス等のコイルに接続
される各端子３〜５が突出している側をケース１の開口
部側にして、ケース１内に収納されている。そして、抵
抗体基板１を収納した状態で、このケース１の開口部に
は、エポキシ樹脂が流し込まれ、抵抗体基板１５を覆っ
てケース１の内部を密閉している絶縁樹脂層６が形成さ
れている。これによって内部の絶縁が確保されるが、抵
抗体基板１５の内側には樹脂が流れず、抵抗体基板１５
の表面の抵抗体には、後述するブラシが摺接可能になっ
ている。

【０００９】そして、コンデンサー２の一方のリード線
７は、ケース１の底部に設けられたリード線係止部８に
係止され、端子４の先端部の図示しない透孔に挿通され
てハンダ付けされている。また他方のリード線７は、ケ
ース１の端縁１ａに形成された保持部１ｂ間に挟まれて
取り付けられた高圧抵抗用端子である後付け端子１０の
係止突起１１に巻き付けられ、ハンダ付けされている。

【００１０】後付け端子１０は、図４ないし図６に示す
ように、基端部にリード線７用の係止突起１１が形成さ
れ、基端部から先端部にかけての端子部１８には、長手
方向に沿って膨出部１７が形成されている。また、後付
け端子１０の中央部には透孔１４が形成され、この透孔
１４の周囲にも、膨出部１７が連続して形成され、膨出
部１７はＹ字状に設けられている。また、係止突起１１
はＴ字状に形成され、そのＴ字状の頭部はリード線７が
巻き付けられて抜けないように係合する係合部１１ａと
なっている。又この後付け端子１０には、係止突起１１
の突出方向と反対方向に一対の凸片１２が設けられてお
り、この凸片１２の側面には、わずかな膨出部１３が形
成されている。

【００１１】そして、この後付け端子１０は、図７に示
すケース１の端縁１ａに形成された係止部である溝部１
ｃに、凸片１２が嵌合し、透孔１４にケース端縁１ａか
ら突出した溶融突起１ｄが挿入され、両側部は保持部１
ｂによって保持される。そして、保持部１ｂ及び溶融突
起１ｄが溶融され、図８に示すように、後付け端子１０
を確実に保持している。

【００１２】また、ケース１にはフォーカス電圧および
スクリーン電圧の各調節つまみ９が設けられ、調節つま
み９には、抵抗体基板１５上の抵抗体に摺接するブラシ
１６が取り付けられフォーカスおよびスクリーン電圧の
調整を可能にしている。

【００１３】この実施形態の高圧抵抗用端子は、後付け
端子１０のの端子部１８に膨出部１７を形成したので、
端子部１８の強度が高く、外力により曲がりにくく、正
確な端子位置を維持することができる。また、透孔１４
の周囲にも膨出部１７が延びているので、透孔１４によ
り強度が落ちた部分も不用意に曲がったりすることがな
く、作業性も良い。

【００１４】さらに、コンデンサー２のリード線７を後
付け端子１０の係止突起１１に巻き付け、ハンダ付けし
ているので、係止突起１１の係合部１１ａにリード線７
の巻き付け部分が巻回されて電気的に接続し、リード線
７が係止突起１１から抜けたり移動したりすることがな
いものである。しかも、この巻き付け作業は、係止突起
１１が、ケース１の開口部で外方に突出した状態で設け
られているので、作業し易いものである。また、後付け
端子１０に凸片１２を設け、この凸片１２をケース端縁
１ａの溝部１ｃに嵌入して係止し、保持固定したので、
保持部１ｂによる保持と加えて確実に固定される。さら
に、凸片１２に膨出部１３を形成したので、溝部１ｃに
嵌合した際確実に保持される。

【００１５】なお、この発明の高圧抵抗用端子は、端子
部の形状は問わないものであり、係止突起の形状も係合
部を有していれば良いものであり、係止手段は問わな
い。また、後付け端子は、コンデンサーその他の電子部
品のリード線が接続されるものであれば良く、電子部品
の種類やリード線の接続方法は問わない。また、フォー
カスパック以外の高電圧パックにも利用出来るものであ
る。

【００１６】

【発明の効果】この発明の高圧抵抗用端子は、凸片に膨
出部を形成したので、係止部である溝部に凸片を嵌合し
た際確実に保持される。さらに、ケースの端縁に固定さ
れた後付け端子に係止突起を設け、この係止突起の係合
部にリード線を巻き付けるようにしたので、リード線の
巻き付けが容易且つ確実になり、取り付け強度の高いも
のにすることができる。しかも、後付け端子のケースに
対する取り付け強度も非常に高く、リード線の巻き付け
作業もやり易く、信頼性の高いリード線と端子の取り付
け構造を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の高圧抵抗用端子が設けられた高電圧
抵抗パックの一実施形態の正面図である。

【図２】この実施形態の高電圧抵抗パックの部分破断右
側面図である。

【図３】この実施形態の高電圧抵抗パックの底面図であ
る

【図４】この実施形態の後付け端子の平面図である。

【図５】この実施形態の後付け端子の正面図である

【図６】この実施形態の後付け端子の右側面図である。

【図７】この実施形態のケースの端縁部を示す斜視図で
ある。

【図８】この実施形態の後付け端子の使用状態を示す平
面図である。

【符号の説明】

１ ケース １ａ ケース端縁 １ｂ 保持部 ７ リード線 １０ 後付け端子 １１ 係止突起 １１ａ 係合部 １１ｃ 溝部 １２ 凸片 １３，１７ 膨出部 １４ 透孔 １８ 端子部

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高電圧がかけられる可変抵抗器を有し、
   この可変抵抗器が設けられた回路基板が収納されたケー
   スに取り付けられる後付け端子である高圧抵抗用端子に
   おいて、上記後付け端子の上記ケース側の当接部分に凸
   片を形成し、この凸片の側面に膨出部を形成し、上記ケ
   ースの外壁端縁の端子固定部には上記凸片が係止される
   係止部が設けられ、上記凸片を上記係止部に嵌合させ上
   記膨出部を係止させることを特徴とする高圧抵抗用端
   子。
2. 【請求項２】 上記ケース端縁の係止部は溝部であり、
   この溝部に上記凸片及び上記膨出部が嵌合し、上記後付
   け端子には上記凸片とは反対方向に突出した係止突起を
   備え、上記ケースに設けられた電子部品のリード線を上
   記係止突起に巻き付けることを特徴とする請求項１記載
   の高圧抵抗用端子。
3. 【請求項３】 高電圧がかけられる可変抵抗器を有し、
   この可変抵抗器が設けられた回路基板が収納されたケー
   スに後付け端子を保持する保持部を設けた高圧抵抗用端
   子の組立方法において、上記後付け端子に、凸片とこの
   凸片とは反対方向に突出した係止突起を設け、上記ケー
   ス端縁の上記保持部には、上記凸部が嵌合する溝部と溶
   融突起が形成され、上記凸片を上記溝部に嵌合し、上記
   保持部と上記溶融突起を溶融し、上記後付け端子と一体
   に設けられた上記係止突起に、上記ケースに設けられた
   電子部品のリード線を巻き付けることを特徴とする高圧
   抵抗用端子の組立方法。