JP3124259B2 - 仮撚糸およびその製造方法 - Google Patents

仮撚糸およびその製造方法

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JP3124259B2 JP10270491A JP27049198A JP3124259B2 JP 3124259 B2 JP3124259 B2 JP 3124259B2 JP 10270491 A JP10270491 A JP 10270491A JP 27049198 A JP27049198 A JP 27049198A JP 3124259 B2 JP3124259 B2 JP 3124259B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系仮
撚加工糸に関する。より詳細には、本発明は、ソフトな
風合い、バルキー性、及び微細で均一な捲縮形態をあわ
せ持った仮撚糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンテレフタレートを主
たるポリマー成分とするポリエステル系繊維を1段のヒ
ーターで仮撚加工を行う1ヒーター仮撚糸は、非常に大
きな捲縮性が得られるため糸自体のバルキー性に富んで
いるが、一方で捲縮によるいわゆるがさつき感が強く、
熱水収縮率も高いため、製品になったときのソフトな風
合いに欠ける。そこで1ヒーター仮撚した糸を連続して
第2ヒーターで熱弛緩処理を行うことにより、熱水収縮
率と捲縮を減じてがさつき感を低減することを目的とし
た2ヒーター仮撚加工が行われているが、ポリエチレン
テレフタレート系ポリエステル繊維自身が持つ硬さは低
減されないため、ソフト風合いの点ではあまり改善され
ない。
【0003】また、ナイロン繊維の仮撚糸は、熱セット
性に劣るために1ヒーター仮撚糸しか生産ができず、そ
のためバルキー性は高いが捲縮によるがさつき感が強
く、ナイロン繊維自身が持つソフトな風合いを生かせて
いない。本発明者らは特願平9−26110号でポリト
リメチレンテレフタレート繊維を用いた1ヒーター仮撚
糸を提案している。この仮撚糸はヤング率が低いため糸
自体は確かにソフトであるが、1ヒーター仮撚糸では熱
水収縮率や残留トルクが大きく捲縮形態も粗いため、編
地や織物の表面品位が低く、風合いも仮撚糸のソフトさ
が生かし切れずに不十分であるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ソフ
トな風合い、バルキー性、微細で均一な捲縮形態、及び
編地や織物にした際の高い表面品位をあわせ持った仮撚
糸を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々のポ
リエステル仮撚糸について研究した結果、特定の構造の
繊維を用いて特定条件で仮撚加工を施すことにより、従
来達成することのできなかったソフトな風合い、バルキ
ー性、微細で均一な捲縮形態、及び編地や織物にした際
の高い表面品位をあわせ持った仮撚糸を得られることを
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は以下の通りである。 (1)ポリトリメチレンテレフタレート繊維で構成され
た仮撚糸であって、該仮撚糸の伸縮伸長率が5%以上1
00%以下であることを特徴とする仮撚糸。 (2)ポリトリメチレンテレフタレート繊維で構成され
た仮撚糸であって、該仮撚糸の伸縮伸長率が5%以上1
00%以下、残留トルク数が150回/2m以下である
ことを特徴とする仮撚糸。 (3)ポリトリメチレンテレフタレート繊維で構成され
た仮撚糸であって、該仮撚糸の伸縮伸長率が5%以上5
0%以下、残留トルク数が150回/2m以下であるこ
とを特徴とする仮撚糸。 (4)ポリトリメチレンテレフタレート繊維を一対のフ
ィードローラーに供給し、仮撚装置により加撚された状
態で第1ヒーターおよび冷却ゾーンを通過させることに
より加撚ひずみを加え、次いで第1デリベリローラー、
第2ヒーター、第2デリベリローラーを通過させること
により解撚、熱弛緩処理を行うことを特徴とする仮撚糸
の製造方法。 (5)第1ヒーターの出口直後の糸条温度が100℃以
上200℃以下、第2ヒーター温度が100℃以上18
0℃以下、第2ヒーター内のフィード率が+5%以上+
25%以下の条件で(3)の方法で仮撚することを特徴
とする仮撚糸の製造方法。 (6)第1ヒーターの出口直後の糸条温度が130℃以
上170℃以下、第2ヒーター温度が第1ヒーターの出
口直後の糸条温度に対して−30℃以上+0℃以下、第
2ヒーター内のフィード率が+5%以上+25%以下の
条件で(3)の方法で仮撚することを特徴とする仮撚糸
の製造方法。
【0007】なお、本発明における伸縮伸長率(%)、
伸縮弾性率(%)、残留トルク数(回/2m)は次の方
法で測定したものである。 (1)伸縮伸長率、伸縮弾性率:JIS−L−1090
伸縮性試験方法(A法)に準じて伸縮伸長率(%)、
伸縮弾性率(%)の測定を行う。試料の前処理方法とし
ては、0.3mg/dの荷重下で乾熱90℃×15分処
理を行い、一昼夜放置する。 (2)残留トルク数:仮撚加工した糸を、トルクが入ら
ないようにチーズから採取し、フックに掛けて2本の糸
を重ね、フックから1m以上の所に0.1g/dの初荷
重をかける。その荷重下でフックから1mの所に0.0
25g/dの荷重をかけて初荷重をはずす。下端をフリ
ーにすると残留トルクにより回転して2本の糸で撚りが
入るため、静止するまで放置する。静止したときの撚数
を検撚機で測定する。5回の平均値で算出し、回/2m
で表示する。
【0008】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明においては、ポリエステル系繊維としてポリトリメチ
レンテレフタレート繊維を使用することが必要である。
ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、ヤング率が低
いため非常にソフトな風合いを有しており、また仮撚加
工による捲縮が強いためにバルキー性に富み、かつ熱セ
ット性が良好なために2ヒーター仮撚加工により捲縮形
態の熱セットが可能であるという特徴を有している。
【0009】本発明において、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位を
主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、ト
リメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好
ましくは70モル%以上、さらには80モル%以上、さ
らに好ましくは90モル%以上のものをいう。従って、
第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成分の
合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以
下、さらには20モル%以下、さらに好ましくは10モ
ル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタ
レートを包含する。
【0010】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレ
フタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコ
ール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当
な反応条件下に縮合せしめることにより合成される。こ
の合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成
分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、
ポリエチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレ
フタレート以外のポリエステル、ナイロンとポリトリメ
チレンテレフタレートを別個に合成した後、ブレンドし
たり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよ
い。
【0011】添加する第三成分としては、脂肪族ジカル
ボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン
酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボ
ン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸
等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール
等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール
等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテ
ルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキ
シカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキ
シ安息香酸等)等が挙げられる。又、1個又は3個以上
のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又
はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内
で使用出来る。
【0012】さらに、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸
等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外
線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑
剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃
剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤
等が含有されていてもよい。本発明においてポリトリメ
チレンテレフタレート繊維の紡糸については、1500
m/分程度の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.
5倍程度で延撚する方法、紡糸−延撚工程を直結した直
延法(スピンドロー法)、巻取り速度5000m/分以
上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)などの何れを
採用しても良い。
【0013】又、繊維の形態は長さ方向に均一なものや
太細のあるものでもよく、断面においても丸型、三角、
L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン
型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよ
い。本発明で使用するポリトリメチレンテレフタレート
繊維の単糸デニールは、0.1〜5デニール程度とする
のが好ましい。単糸デニールが0.1dよりも小さい場
合には仮撚加工する際に糸切れが発生して加工性が悪化
し、5dよりも大きい場合は風合いが硬くなる。
【0014】次に、本発明は2ヒーター仮撚糸であるこ
とが必要である。ポリトリメチレンテレフタレート繊維
は、1ヒーター仮撚加工では捲縮が強いため非常にバル
キー性には富んでいるが、同時にポリエチレンテレフタ
レート系ポリエステル仮撚加工糸と同様のがさつき感、
ふかつき感があるために、ポリトリメチレンテレフタレ
ート繊維自身の持つソフト風合いが活かされない。2ヒ
ーター仮撚加工を行うことにより、捲縮が若干低下して
バルキー性は1ヒーター加工糸に比べるとやや低下する
ものの、がさつき感、ふかつき感が消失し、実用的には
十分なバルキー性を持ち、かつポリトリメチレンテレフ
タレート繊維自身の持つソフトな風合いを活かした仮撚
糸が得られる。
【0015】また、ポリトリメチレンテレフタレート繊
維の1ヒーター仮撚糸は、残留トルクが大きくかつ単糸
のスナールが発生しやすいため、捲縮形態が粗くなり編
地や織物にした場合布帛表面の凹凸が大きくなって表面
品位が低くなってしまう。2ヒーター仮撚加工を行う
と、残留トルクが減少し、単糸のスナールも消えて微細
で均一な捲縮形態の仮撚糸とすることができ、布帛の表
面品位も極めて高いものが得られる。伸縮伸長率は5%
以上100%以下、好ましくは5%以上50%以下であ
ることが必要である。伸縮伸長率が5%よりも小さいと
実用的なバルキー性が不足し、100%を越えるとがさ
つき感、ふかつき感が残り、また残留トルクの低下も少
なく、捲縮形態も粗い。
【0016】また、本発明の仮撚糸はその伸縮弾性率
(%)の値が80%以上であることが好ましい。伸縮弾
性率は仮撚糸を伸ばした時の戻りやすさを表す値であ
り、この値が80%以上であると、仮撚糸のバルキー性
に優れ、布帛にした際の反撥性、弾力性に優れる。残留
トルク数が大きくなると捲縮形態も粗くなるため、編地
や織物にした時の布帛の斜行が大きくなり、表面の凹凸
が大きくなって表面品位が低くなる場合があるため、残
留トルク数は150回/2m以下であることが好まし
い。
【0017】仮撚加工の方法としては、一般に用いられ
ているピンタイプ、フリクションタイプ、ニップベルト
タイプ、エアー加撚タイプ等いかなる方法によるもので
もよい。加熱ヒーターは、接触式ヒーター、非接触式ヒ
ーターのいずれであってもよいが、第2ヒーターについ
ては熱セット斑を避けるために非接触式ヒーターが好ま
しい。接触式ヒーターの場合は、工業的な糸速度範囲で
はヒーター温度とヒーター出口直後の糸条温度は実質的
に等しい。非接触式ヒーターの場合は、必要な糸条温度
よりもヒーター温度を高く設定する必要があり、糸速度
によって最適なヒーター温度を設定すればよい。
【0018】第1ヒーターの出口直後の糸条温度は10
0℃以上200℃以下、好ましくは120℃以上180
℃以下、特に好ましくは130℃以上170℃以下の範
囲とすることが好ましい。第1ヒーターの出口直後の糸
条温度が100℃より低いと捲縮が十分に付与されず、
バルキー性に劣る。第1ヒーターの出口直後の糸条温度
が200℃よりも高いと、加工性が著しく低下し、繊維
の融着、未解撚が発生し易くなったり、強度が低下した
りするので好ましくない。第2ヒーター温度は100℃
以上180℃以下、好ましくは第1ヒーターの出口直後
の糸条温度に対して−30℃以上+0℃以下の範囲とす
るのが好ましい。第2ヒーター温度が低すぎると、熱セ
ットが足りずにがさつき感、ふかつき感が十分減殺され
ないためにソフト風合いに欠け、捲縮形態も粗さが残
る。第2ヒーター温度が高すぎると仮撚捲縮が消失して
しまうためにバルキー性に欠けた糸になる。第2ヒータ
ー内のフィード率は、+5%以上+25%以下とするの
が好ましい。フィード率が+5%以下ではがさつき感、
ふかつき感を十分に減殺することができず、フィード率
が+25%以上では糸の走行状態が不安定となって熱セ
ット斑を起こすために好ましくない。
【0019】仮撚加工時の仮撚数Tは、ポリエチレンテ
レフタレート系ポリエステル繊維の仮撚加工で通常に用
いられる範囲でよく、次式で計算される。この場合、仮
撚数の係数Kの値が17600 〜29500 の範囲であることが
好ましく、仮撚加工糸のデニールによって好ましい仮撚
数Tが決定される。 T(T/m) = K/(仮撚加工糸のデニール)1/2 又、必要に応じて、ポリトリメチレンテレフタレート繊
維同志や他の繊維糸条と同時仮撚、位相差仮撚、伸度差
仮撚等公知の複合仮撚手段によって複合仮撚加工糸とな
してもよいし、又、本発明の仮撚加工糸同志や本発明の
仮撚加工糸と各種原糸や加工糸とインターレース交絡し
たり、又いわゆるタスラン加工したり、さらには交撚等
の手段によって複合糸としてもよい。さらには、本発明
の仮撚加工糸や上記の複合糸を撚糸して用いてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例などにより
具体的に説明するが、本発明は実施例などにより何ら限
定されるものではない。なお、実施例における評価、測
定は以下の方法で行った。 (1)風合いの評価 実施例、比較例とも仮撚加工した糸(デニールは50
d)を3本合糸して総繊度150dとし、東平機械社製
筒編み機(22GG/inch)にて筒編地を作成し、10
0℃×30分のボイル処理を行った後、編地のソフト感
を触感により官能評価した。比較例4のポリエステル仮
撚糸の編地を標準編地として、以下の基準で5段階評価
を行い、5人のパネラーの評価結果を平均して判定し
た。 5:極めてソフトな風合い。 3:標準編地と同等の風合い。 1:極めて硬い風合い。
【0021】(2)バルキー性の評価 風合い評価で用いたのと同じ筒編地を用い、以下の基準
で5段階評価を行い、5人のパネラーの評価結果を平均
して判定した。 5:極めてボリューム感が大きい。 3:標準編地と同等のボリューム感。 1:極めてボリューム感が小さい。
【0022】(3)編地表面品位の評価 風合い評価で用いたのと同じ筒編地を用い、以下の基準
で5段階評価を行い、5人のパネラーの評価結果を平均
して判定した。 5:表面が平滑、かつ目面が均一で斜行もなく極めて高
品位。 3:表面の平滑性、目面の均一性が標準編地と同等。 1:表面の凹凸が大きく、目面が不均一で斜行も大き
く、極めて品位が低い。
【0023】
【実施例1〜7】ηsp/c=0.8のポリトリメチレ
ンテレフタレートを紡糸温度265℃、紡糸速度120
0m/分で未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度6
0℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延
伸速度800m/分で延撚して、50d/36fの延伸
糸を得た。延伸糸の強度、伸度、弾性率並びに10%伸
長時の弾性回復率は、各々3.2g/d、46%、30
g/d並びに98%であった。尚、10%伸長時の弾性
回復率は、試料に0.01g/dの初荷重をかけ、毎分
20%の伸びの一定割合の速度で伸ばし、伸度10%に
なったところで今度は逆に同じ速度で収縮させて、応力
−歪曲線を画く。収縮中に、応力が初荷重と等しい0.
01g/dにまで低下した時の残留伸度をLとし、下記
式で算出した。 10%伸長時の弾性回復率=(10−L)/10×10
0(%)
【0024】得られた延伸糸を、三菱工業社製LS−2
仮撚加工機(第1ヒーターは接触式、第2ヒーターは非
接触式、加撚機構はピン方式)を用いて、スピンドル回
転数275000rpm、仮撚数3840T/m、第1
フィード率±0%の条件で、第1ヒーター温度、第2ヒ
ーター温度、第2フィード率は表・1に示す条件で2ヒ
ーター仮撚加工を行った。得られた仮撚加工糸の伸縮伸
長率、伸縮弾性率、残留トルク数を測定するとともに、
筒編地を作成して風合い評価、バルキー性評価、編地表
面品位の評価を行った。評価結果を表・1に示す。
【0025】
【実施例8】実施例1〜7と同じ延伸糸を用い、村田機
械製マッハ33J仮撚機(第1ヒータはヒーター長1.
3mの非接触式、第2ヒーターも非接触式、加撚機構は
ベルトニップ方式)を用いて、糸速度400m/分、ツ
イスター角度102.5度、第1フィード率±0%、第
1ヒーター温度230℃、第2ヒーター温度150℃、
第2フィード率+15%の条件で2ヒーター仮撚加工を
行った。このときの第1ヒーター出口直後の糸条温度
を、TRANSMET−ENGINEERING社製の
糸温度測定器FIBERTEMP(MODEL No.
NCT−4400−3)で測定したところ、170℃で
あった。得られた仮撚加工糸の伸縮伸長率、伸縮弾性
率、残留トルク数を測定するとともに、筒編地を作成し
て風合い評価、バルキー性評価、編地表面品位の評価を
行った。評価結果を表・1に示す。
【0026】
【比較例1】実施例と同じ延伸糸を用い、第2ヒーター
を使用せずに表・1に示す条件で1ヒーター仮撚加工を
行った。得られた仮撚加工糸の伸縮伸長率、伸縮弾性
率、残留トルク数を測定するとともに、筒編地を作成し
て風合い評価、バルキー性評価、編地表面品位の評価を
行った。評価結果を表・1に示す。
【0027】
【比較例2】実施例と同じ延伸糸を用い、表・1に示す
条件で2ヒーター仮撚加工を行った。得られた仮撚加工
糸の伸縮伸長率、伸縮弾性率、残留トルク数を測定する
とともに、筒編地を作成して風合い評価、バルキー性評
価、編地表面品位の評価を行った。評価結果を表・1に
示す。
【0028】
【比較例3】50d/36fのポリエチレンテレフタレ
ート系ポリエステル繊維を、三菱工業社製LS−2仮撚
加工機を用いて、スピンドル回転数275000rp
m、仮撚数3840T/m、第1フィード率±0%、第
2フィード率15%、第1ヒーター温度200℃、第2
ヒーター温度180℃の条件で仮撚加工した。得られた
仮撚加工糸の伸縮伸長率、伸縮弾性率、残留トルク数を
測定するとともに、筒編地を作成して風合い評価、バル
キー性評価、編地表面品位の評価を行った。評価結果を
表・1に示す。
【0029】(比較例4)50d/36fのナイロン繊
維を、三菱工業社製LS−2仮撚加工機を用いて、スピ
ンドル回転数275000rpm、仮撚数3840T/
m、第1フィード率−15%、第1ヒーター温度180
℃の条件で1ヒーター仮撚加工した。得られた仮撚加工
糸の伸縮伸長率、伸縮弾性率、残留トルク数を測定する
とともに、筒編地を作成して風合い評価、バルキー性評
価、編地表面品位の評価を行った。評価結果を表・1に
示す。
【0030】実施例はいずれも適度な伸縮伸長率を有
し、編地はバルキー性に富み、風合いも極めてソフトで
ある。また、残留トルクが小さく、捲縮形態が微細で均
一なため編地の表面品位が極めて高い。比較例1は伸縮
伸長率が大きすぎるため、バルキー性は十分高いが、が
さつき感が強くソフトな風合いに欠ける。また、残留ト
ルクが大きく捲縮形態が粗いために、編地は凹凸や斜行
が大きく品位が低い。比較例2は第2ヒーターでの熱固
定が過度のため、バルキー性に劣る。比較例4はバルキ
ー性は十分であるが、がさつき感が強いためソフトな風
合いに欠ける。また、残留トルクが大きいために、編地
は斜行が大きく品位が低い。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明のポリトリメチレンテレフタレー
ト2ヒーター仮撚糸は、従来のポリエチレンテレフタレ
ート系ポリエステル仮撚糸やナイロン仮撚糸、あるいは
ポリトリメチレンテレフタレート1ヒーター仮撚糸では
達成することのできなかったソフトな風合いとバルキー
性、微細で均一な捲縮形態をあわせ持った極めて優れた
仮撚糸である。本発明の仮撚糸は、いわゆるゾッキや交
編タイプのパンティストッキング、タイツ、ソックス
(裏糸、口ゴム)、三段スムースや四段スムースのスポ
ーツウェア等のジャージー、弾性糸のカバリング糸、交
編パンティストッキング等交編品の伴糸等に有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリトリメチレンテレフタレート繊維で
    構成された仮撚糸であって、該仮撚糸の伸縮伸長率が5
    %以上100%以下、残留トルク数が150回/2m以
    下であることを特徴とする仮撚糸。
  2. 【請求項2】 伸縮伸長率が5%以上50%以下、残留
    トルク数が150回/2m以下であることを特徴とする
    請求項1記載の仮撚糸。
  3. 【請求項3】 ポリトリメチレンテレフタレート繊維を
    一対のフィードローラーに供給し、仮撚装置により加撚
    された状態で第1ヒーターおよび冷却ゾーンを通過させ
    ることにより加撚ひずみを加え、次いで第1デリベリロ
    ーラー、第2ヒーター、第2デリベリローラーを通過さ
    せることにより解撚、熱弛緩処理を行う仮撚糸の製造方
    法であって、第1ヒーターの出口直後の糸条温度が10
    0℃以上200℃以下、第2ヒーター温度が100℃以
    上180℃以下、第2ヒーター内のフィード率が+5%
    以上+25%以下の条件で仮撚することを特徴とする
    求項1又は2記載の仮撚糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1ヒーターの出口直後の糸条温度が1
    30℃以上170℃以下、第2ヒーター温度が第1ヒー
    ターの出口直後の糸条温度に対して−30℃以上+0℃
    以下、第2ヒーター内のフィード率が+5%以上+25
    %以下の条件で仮撚することを特徴とする請求項記載
    の仮撚糸の製造方法。
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