JP3123772B2 - 有機半導体固体電解コンデンサ - Google Patents

有機半導体固体電解コンデンサ

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JP3123772B2 JP03139066A JP13906691A JP3123772B2 JP 3123772 B2 JP3123772 B2 JP 3123772B2 JP 03139066 A JP03139066 A JP 03139066A JP 13906691 A JP13906691 A JP 13906691A JP 3123772 B2 JP3123772 B2 JP 3123772B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体電解コンデンサに関
するものである。更に詳説すると、本発明は電解質とし
て7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンの錯塩
(以下TCNQ錯塩と略す)を使用する有機半導体固体
電解コンデンサにおける漏れ電流の改善に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、固体電解コンデンサは固体電解質
として有機半導体、特に導電性の高いTCNQ錯塩を用
いることが提案されている(例えば特公昭62−529
39号公報(H01G 9/02)参照)。このような
TCNQ錯塩を用いたアルミ固体電解コンデンサは周波
数特性及び温度特性を著しく改善したものであり、従来
の乾式コンデンサのそれを遥かに凌いだものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、電気機器の小形
化に伴い、TCNQ錯塩を用いたコンデンサにおいても
表面実装用のものが強く要求されている。しかしなが
ら、この種のコンデンサは、表面実装用部品として必須
の半田付け時の熱ストレス(通常230℃)に耐えられ
ず、漏れ電流の増大を招く欠点があり、耐熱性の向上が
強く望まれている。
【0004】本発明は上述の如き半田付け時の熱ストレ
スに対しても、漏れ電流が殆んど変わることのない耐熱
性の優れた固体電解コンデンサを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】実施例1及び3の発明
は、陽極酸化或いは陽極化成により表面に酸化被膜を設
けたアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用を有す
る金属上に、芳香族ニトロ化合物の皮膜を形成し、該芳
香族ニトロ化合物の皮膜上に、TCNQ錯塩を加熱融解
の後冷却固化させて固体電解質層を形成することを特徴
とする有機半導体固体電解コンデンサである。
【0006】また、実施例2及び3の発明は陽極酸化或
いは陽極化成により表面に酸化皮膜を設けたアルミニウ
ム、タンタル、ニオブ等の弁作用を有する金属上に、T
CNQ錯塩と芳香族ニトロ化合物との混合物を加熱融解
の後冷却固化させて固体電解質層を形成することを特徴
とする有機半導体固体電解コンデンサである。
【0007】この時、前記芳香族ニトロ化合物はジニト
ロベンゼンであることが好ましい。
【0008】さらに、実施例4の発明は陽極酸化或いは
陽極化成により表面に酸化被膜を設けたアルミニウム、
タンタル、ニオブ等の弁作用を有する金属上に、植物ゴ
ム質の皮膜を形成し、該植物ゴム質の皮膜上に、TCN
Q錯塩を加熱融解の後冷却固化させて固体電解質層を形
成することを特徴とする有機半導体固体電解コンデンサ
である。
【0009】また、実施例5の発明は陽極酸化或いは陽
極化成により表面に酸化皮膜を設けたアルミニウム、タ
ンタル、ニオブ等の弁作用を有する金属上に、TCNQ
錯塩と植物ゴム質の混合物を加熱融解の後冷却固化させ
て固体電解質層を形成することを特徴とする有機半導体
固体電解コンデンサである。
【0010】この時、前記植物ゴム質はアラビアゴム、
グアールゴム、カラヤゴム、トラガカントゴムの内少な
くとも1種類を含むことが好ましい。
【0011】
【作用】実施例1〜3の発明は、脱電子作用を有する芳
香族ニトロ化合物を使用している。このため、TCNQ
錯塩内の水素を吸引し、TCNQ錯塩の分解を抑制する
ものと思われる。この結果半田付け後においても漏れ電
流特性の安定したコンデンサが得られるものと推察され
る。
【0012】また、漏れ電流が大きくなる原因として酸
化皮膜の欠損が考えられる。そこで、実施例4,5の発
明は、植物ゴム質を使用しているため、コンデンサ素子
中の陽極箔の酸化皮膜の欠損部分が存在する場合、該欠
損部分でジュール熱が発生すると、植物ゴム質によりT
CNQ錯塩の分解反応が進行して部分的に絶縁化してい
くものと推測される。従って、半田付け後においても漏
れ電流特性の安定したコンデンサの実現が可能になると
思われる。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。
【0014】図1に本発明に使用するコンデンサ素子を
示す。まず、高純度(99.99%以上)のアルミニウ
ム箔を化学的処理により粗面化し、実効表面積を増加さ
せるためのいわゆるエッチング処理を行う。次に電解液
中にて、電気化学的にアルミニウム箔表面に酸化皮膜
(酸化アルミニウムの薄膜)を形成する(化成処理)。
次にエッチング処理、化成処理を行ったアルミニウム箔
を陽極箔1とし、対向陰極箔2との間にセパレータ3と
してマニラ紙を挟み、図1に示すように円筒状に巻き取
る。こうしてアルミニウム箔に酸化皮膜を形成した陽極
箔1及び陰極箔2との両電極箔間に介挿されたセパレー
タ3とを巻回してコンデンサ素子6が形成される。なお
4,4’はアルミリード、5,5’はリード線である。
【0015】更にコンデンサ素子6に熱処理及び再化成
処理を施し、セパレータ3を構成するマニラ紙を炭化し
て繊維の細径化による密度の低下を図る。
【0016】なお、セパレータとしてマニラ紙にあらか
じめ所定の温度と時間(例えば240℃、40分間)で
熱処理を施して炭化したものやカーボン不織布を用い、
陽極箔と陰極箔との間に挟んで巻回してもよい。
【0017】(実施例1)まず、上述の如く作製された
巻回型コンデンサ素子6を芳香族ニトロ化合物(例えば
ジニトロベンゼン)の2%メタノール溶液に浸漬し、8
5℃で乾燥する。その後TCNQ錯塩(例えば、N,
N,−ペンタメチレンルチジニウム2・TCNQ4とN−
フェネチルルチジニウム・TCNQ2の等量混合物)を
300℃で加熱融解し、予熱したコンデンサ素子6を含
浸し、急冷する。その後、樹脂にて外装し、電圧処理
(エージング)を行ない、目的とするコンデンサを完成
させる。
【0018】(実施例2)まず、TCNQ錯塩とこの錯
塩の4重量パーセントのジニトロベンゼンを均一になる
ように混合する。そして、その混合物を300℃で加熱
融解し、予熱したコンデンサ素子6を含浸し、急冷す
る。その後、樹脂にて外装し、電圧処理(エージング)
を行ない、目的とするコンデンサを完成させる。
【0019】(実施例3)まず、上述の如く作製された
巻回型コンデンサ素子6をジニトロベンゼンの2%メタ
ノール溶液に浸漬し、85℃で乾燥する。その後TCN
Q錯塩とその錯塩の4重量パーセントのジニトロベンゼ
ンの混合物を300℃で加熱融解し、予熱したコンデン
サ素子6を含浸し、急冷する。その後、樹脂にて外装
し、電圧処理(エージング)を行ない、目的とするコン
デンサを完成させる。
【0020】表1に実施例1,実施例2及び実施例3に
よる本発明品と従来品における表面実装時のハンダ付け
時の熱を想定したリフロー試験前後の静電容量と漏れ電
流の結果を示す。
【0021】
【表1】
【0022】このリフロー試験とはリフロー炉の中でコ
ンデンサを160℃に2分間保持し、それに引き続いて
230℃に30秒間保持する試験である。
【0023】表1において、全てのコンデンサは定格2
5V、容量1.5μFであり、固体電解質はN,N,−
ペンタメチレンルチジニウム2・TCNQ4とN−フェネ
チルルチジニウム・TCNQ2の等量混合物を使用して
いる。
【0024】なお、TCNQ錯塩の融解温度の関係か
ら、芳香族ニトロ化合物の沸点は250℃以上のものが
好ましい。
【0025】(実施例4)まず、上述の如く作製された
巻回型コンデンサ素子6を植物ゴム質(例えばアラビア
ゴム、グアールゴム、カラヤゴム、トラガカントゴム)
の0.5〜2%水溶液に浸漬し、85℃で乾燥する。そ
の後TCNQ錯塩(例えば、N,N,−ペンタメチレン
ルチジニウム2・TCNQ4とN−フェネチルルチジニウ
ム・TCNQ2の等量混合物)を320℃で加熱融解
し、予熱したコンデンサ素子6を含浸し、急冷する。そ
の後、樹脂にて外装し、電圧処理(エージング)を行な
い、目的とするコンデンサを完成させる。
【0026】(実施例5)まず、TCNQ錯塩とその錯
塩の2重量パーセントの植物ゴム質を均一になるように
混合する。そして、その混合物を320℃で加熱融解
し、予熱したコンデンサ素子6を含浸し、急冷する。そ
の後、樹脂にて外装し、電圧処理(エージング)を行な
い、目的とするコンデンサを完成させる。
【0027】表2に実施例4及び実施例5による本発明
品と従来品における表面実装時のハンダ付け時の熱を想
定したリフロー試験前後の静電容量と漏れ電流の結果を
示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2において、全てのコンデンサは定格1
0V、容量10μFであり、固体電解質はN,N,−ペ
ンタメチレンルチジニウム2・TCNQ4とN−フェネチ
ルルチジニウム・TCNQ2の等量混合物を使用してい
る。
【0030】実施例(4a)〜(4b)は上述の実施例4による
コンデンサ、実施例(5a)〜(5b)は上述の実施例5による
コンデンサである。
【0031】また、表中のtanδ[%](120H
z)は損失角の正接である。
【0032】なお、本発明で使用している植物ゴム質は
上述の実施例において使用されているものに限定される
ものではなく、TCNQ錯塩含浸時の素子余熱、若しく
はTCNQ錯塩溶融時の熱に耐えるものであれば、他の
植物ゴム質でも同様の効果が得られることはいうまでも
ない。
【0033】
【発明の効果】上述の表1及び表2より、リフロー試験
後においても本発明による有機半導体固体電解コンデン
サは優れた漏れ電流特性を有することは明らかである。
即ち、、半田付け後においても漏れ電流特性の極めて優
れた有機半導体固体電解コンデンサを実現すること可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するコンデンサ素子の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 陽極箔 2 陰極箔 3 セパレータ 6 コンデンサ素子

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化或いは陽極化成により表面に酸
    化被膜を設けたアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁
    作用を有する金属上に、芳香族ニトロ化合物の皮膜を形
    成し、該芳香族ニトロ化合物の皮膜上に、TCNQ錯塩
    を加熱融解の後冷却固化させて固体電解質層を形成する
    ことを特徴とする有機半導体固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 陽極酸化或いは陽極化成により表面に酸
    化皮膜を設けたアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁
    作用を有する金属上に、TCNQ錯塩と芳香族ニトロ化
    合物との混合物を加熱融解の後冷却固化させて固体電解
    質層を形成することを特徴とする有機半導体固体電解コ
    ンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記芳香族ニトロ化合物はジニトロベン
    ゼンである請求項1若しくは2に記載の有機半導体固体
    電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 陽極酸化或いは陽極化成により表面に酸
    化被膜を設けたアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁
    作用を有する金属上に、植物ゴム質の皮膜を形成し、該
    植物ゴム質の皮膜上に、TCNQ錯塩を加熱融解の後冷
    却固化させて固体電解質層を形成することを特徴とする
    有機半導体固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 陽極酸化或いは陽極化成により表面に酸
    化皮膜を設けたアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁
    作用を有する金属上に、TCNQ錯塩と植物ゴム質の混
    合物を加熱融解の後冷却固化させて固体電解質層を形成
    することを特徴とする有機半導体固体電解コンデンサ。
  6. 【請求項6】 前記植物ゴム質はアラビアゴム、グアー
    ルゴム、カラヤゴム、トラガカントゴムの内少なくとも
    1種類を含むことを特徴とする請求項4若しくは5に記
    載の有機半導体固体電解コンデンサ。
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