JP3253126B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

Info

Publication number
JP3253126B2
JP3253126B2 JP13592692A JP13592692A JP3253126B2 JP 3253126 B2 JP3253126 B2 JP 3253126B2 JP 13592692 A JP13592692 A JP 13592692A JP 13592692 A JP13592692 A JP 13592692A JP 3253126 B2 JP3253126 B2 JP 3253126B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tcnq
complex
solid electrolytic
tcnq complex
organic semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13592692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05304057A (ja
Inventor
信一 金子
清志 坂本
和芳 遠藤
Original Assignee
マルコン電子株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マルコン電子株式会社 filed Critical マルコン電子株式会社
Priority to JP13592692A priority Critical patent/JP3253126B2/ja
Publication of JPH05304057A publication Critical patent/JPH05304057A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3253126B2 publication Critical patent/JP3253126B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンデンサ素子に含浸
する有機半導体材料を改良した固体電解コンデンサに関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、乾式箔形電解コンデンサは、例
えば高純度アルミニウム箔からなる一対の陽・陰極箔に
同じくアルミニウムからなる一対の引出端子を接続し、
前記一対の陽・陰極箔相互間にスペーサを介在して巻回
してなるコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸してケー
スに収納し、このケース開口部を密閉するかなどの外装
を施してなるものである。
【0003】このように、前記駆動用電解液は、例えば
エチレングリコールなどの有機溶媒にアジピン酸アンモ
ニウムなどの有機カルボン酸塩を使用しているため、t
anδ特性改善に限度があり、また、低温で比抵抗が上
がり低温特性が極度に悪化し、広域温度範囲で使用する
には信頼性に欠けるなど市場要求を満足するためには解
決すべき課題をかかえていた。
【0004】そのため近年、駆動用電解液にかえ、TC
NQ錯体からなる有機半導体を用いたものが種々提案さ
れ一部実用化を迎えている。
【0005】コンデンサ素子にTCNQ錯体を含浸化す
る方法として一般に溶液含浸法、分散含浸法さらには真
空蒸着法があるが、TCNQ錯体の特性はいろいろの条
件で変化し、極めて扱いにくい物質であるため、使用に
当たっては種々の工夫が講じられている。
【0006】特に、固体電解質の条件としては、コンデ
ンサ特性としてのtanδ及び等価直列抵抗に影響する
それ自体としての抵抗値が小さく、かつ温度、特に高温
下でも安定した比抵抗値があることが重要である。
【0007】以上のことから、コンデンサ素子へのTC
NQ錯体の含浸手段として工業的に素子内部へ満遍なく
必要量透過させるには、従来提案されている特許公報又
は技術文献によって加熱溶融液化処理が有効とされてい
る。
【0008】なお、加熱溶融液化処理の具体的手段は、
外装ケースに入れ加熱溶融させた所望のTCNQ錯体液
にあらかじめ加熱してなるコンデンサ素子を収納し、こ
の素子を構成する絶縁紙(スペーサ)の繊維と電極箔の
微細なエッチングピットを介して含浸している。
【0009】以上のようにTCNQ錯体をコンデンサ素
子に含浸するには加熱溶融液化法が最も好ましいが、電
極箔、特に陽極の酸化皮膜はTCNQ錯体の溶融温度に
対して劣化が生じ、また、TCNQ錯体溶融液にコンデ
ンサ素子を浸漬後ケースを水などの冷媒に入れ冷却固化
するときTCNQ錯体が収縮するために酸化皮膜に亀裂
が生じ欠陥部発生による漏れ電流が増大する。一方、T
CNQ錯体は溶融状態で長時間維持すると特性が変化
し、TCNQ錯体の抵抗が大きくなるのでコンデンサ素
子浸漬後は素早く冷却固化させる必要がある。溶融液化
含浸法に使用可能なTCNQ錯体は種々あるが、それら
の固有抵抗が陽極,陰極間に存在するため、抵抗が低け
れば等価直列抵抗,損失が小さくなり、理想的なコンデ
ンサになることは周知である。
【0010】しかし、抵抗が低くなると、陽極の酸化皮
膜の微小な欠陥部でも漏れ電流が増大し、しかも耐圧低
下となり、製造工程においても良品率の低下など問題が
生じてくる。
【0011】この対策としては、近年特許公報又は技術
文献により種々方法がある。例えば、TCNQ錯体と有
機溶媒を混合して含浸する方法や、水の添加によりエー
ジングでの酸化皮膜修復能力を向上する方法などがあ
る。しかし、TCNQ錯体と前記した有機溶媒や水を添
加したものでは、いったんTCNQ錯体を加熱溶融する
と添加した物質の蒸発度合いがバラツキ、漏れ電流の分
布が広くなり、良品率も顕著な効果はみられない。ま
た、このようにして作製した製品を長時間高温信頼性試
験を行った場合、静電容量の減少が大きく、TCNQ錯
体の構造に悪い影響を及ぼすと考えられている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、上記構
成になる固体電解コンデンサは、コンデンサ素子に対す
るTCNQ錯体の抵抗値により漏れ電流が変化する。良
品率向上のため高い抵抗値のものを使用すると等価直列
抵抗値が増大したり、信頼性試験でも静電容量の変化が
大きく減少する。抵抗値が低いTCNQ錯体では、漏れ
電流が増加し、良品率が低下する。また、TCNQ錯体
を使用したコンデンサで高圧製品(例えば35V)の作
製が困難であるのもTCNQ錯体と酸化皮膜の界面で問
題があると考えられる。
【0013】本発明は、このような点に鑑みて成された
もので、TCNQ錯体の組成を変更し諸特性良好な固体
電解コンデンサを提供することを目的とするものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の固体電解コンデ
ンサは、弁作用金属からなる陽極箔と陰極箔間にスペー
サを介在して巻回したコンデンサ素子に有機半導体を含
浸してなる固体電解コンデンサにおいて、前記有機半導
体がTCNQ錯体にTCNQを10〜50wt%添加し
たものからなることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】以上の構成によれば、有機半導体がTCNQ錯
体にTCNQを添加したものからなることにより、TC
NQ錯体のバランスが崩れ抵抗値を操作できる。しか
も、TCNQ錯体に対しTCNQであるので溶融液化,
固化では問題なく、信頼性寿命試験においても良好であ
り、溶融含浸により特性、特に漏れ電流改善が容易に可
能となる。また、損失,等価直列抵抗などの劣化要因解
消に有効である。
【0016】なお、TCNQ錯体にTCNQを10〜5
0wt%添加するのは10wt%未満では添加の効果が
小さく、また、50wt%を超えた場合は比抵抗が大き
くなる理由によるものである。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき図面を参照し
て説明する。
【0018】すなわち、図2に示すように、まず例えば
アルミニウム箔表面をエッチング液で粗面化し表面積を
拡大した後、陽極酸化皮膜を生成した陽極箔1と、アル
ミニウム箔表面を前記同様エッチング液で粗面化し表面
積を拡大した陰極箔2間にクラフト紙又はマニラ紙など
からなるスペーサ3を介在し、途中前記陽極箔1及び陰
極箔2の任意な箇所それぞれに陽極引出端子4及び陰極
引出端子5を取着して巻回しコンデンサ素子6を形成す
る。
【0019】次に、図3に示すように、例えばアルミニ
ウムなどからなるケース7内にTCNQ錯体にTCNQ
10〜50wt%添加し加熱溶融し有機半導体溶融液
8とし、図1に示すように前記コンデンサ素子6を予熱
状態で収納し、前記有機半導体溶融液8を前記コンデン
サ素子6内に含浸し、しかる後、冷却固化し、前記ケー
ス7開口部を封口体9にて密閉してなるものである。
【0020】図中、10はケース内に残留固化した有機
半導体である。
【0021】なお、TCNQ錯体にTCNQを10〜5
0wt%添加する理由は、TCNQを10wt%未満と
した場合、TCNQ錯体のみの特性と大差なく、大きな
改善は見られず、TCNQを50wt%を超えて添加し
た場合比抵抗が大きくなり、初期特性での等価直列抵
抗,tanδが増大し、かつ寿命試験での静電容量の減
少が大きくなることによるものである。
【0022】以上の構成になる固体電解コンデンサは、
有機半導体10を構成するTCNQ錯体のアクセプタ
(電子授与体)であるTCNQの適切な存在により、電
子伝導のバランスが崩れ、比抵抗が大きくなり、また、
酸化皮膜の界面においても酸化皮膜欠陥に及ぼす影響も
減少する。
【0023】さらに、有機溶媒,水の混合における溶媒
のバラツキがなく、漏れ電流改善に大きく貢献できるほ
か、静電容量変化,損失増大が信頼性寿命試験で改善で
きる。
【0024】次に、本発明と従来例及び参考例の比較の
一例について述べる。すなわち、本発明はN−nブチル
イソキノリニウムのTCNQ錯体6gの粉末にTCNQ
を0.5g添加した参考例A、1g添加した実施例B、
2g添加した実施例C、6g添加した実施例D、また、
参考例Eは、TCNQ錯体6gの粉末にTCNQ9gを
添加したもので、さらに従来例Fは、N−nブチルイソ
キノリニウムのTCNQ錯体のみとしたものである。
【0025】なお、コンデンサ素子は、いずれも幅3m
m,長さ40mmの陽極箔と、幅3mm,長さ50mm
の陰極箔それぞれに端子を取着し、陽極箔,陰極箔の間
に幅4mmのスペーサ(マニラ紙)を介在させ巻回して
構成し、アルミニウムケースは直径6.3mm,長さ
6.5mmのものを使用し、開口部をエポキシ樹脂で密
閉した。定格はいずれも16V 15μFである。
【0026】しかして、上記した参考例A,実施例B,
実施例C,実施例D,参考例E及び従来例Fにおける漏
れ電流分布、等価直列抵抗分布及び静電容量状況を調べ
た結果、図4〜図6に示すようになった。また、良品歩
留りは表1に示すようになった。
【0027】
【表1】
【0028】図4〜図6及び表1から明らかなように、
参考例A及び従来例Fは漏れ電流特性は高いレベルでば
らつき、かつ良品歩留りが悪く、また、参考例Eは等価
直列抵抗が高いレベルでばらつき、かつ静電容量変化率
が大きいのに対して、実施例B,C,Dはいずれの特性
においても安定した結果を示し、有機半導体としてTC
NQ錯体にTCNQを10〜50wt%添加した本発明
の優れた効果を実証した。
【0029】なお、参考までに上記実施例と同一手段に
よって作製した定格25V 10μF及び35V 4.
7μFの試料についての良品歩留りを調べた結果、表2
に示すように高い電圧のコンデンサにおいても同様な傾
向を示し耐圧向上が望めることがわかった。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
TCNQ錯体にTCNQを10〜50wt%添加するこ
とにより、TCNQ錯体のアクセプタドナーのバランス
が崩れ抵抗値が変化し、酸化皮膜の微小な欠陥部が存在
しても短絡,漏れ電流の増大が抑制され、良品歩留りが
良好になり漏れ電流レベルも低く改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体電解コンデンサを示す断面
図。
【図2】図1に示す固体電解コンデンサを構成するコン
デンサ素子の展開斜視図。
【図3】本発明に係る有機半導体の含浸・冷却固化工程
を示す断面図。
【図4】漏れ電流分布図。
【図5】等価直列抵抗分布図。
【図6】時間−静電容量変化率曲線図。
【符号の説明】
1 陽極箔 2 陰極箔 3 スペーサ 4 陽極引出端子 5 陰極引出端子 6 コンデンサ素子 7 ケース 8 有機半導体溶融液 9 封口体 10 有機半導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/028

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁作用金属からなる陽極箔と、陰極箔間に
    スペーサを介在して巻回したコンデンサ素子に有機半導
    体を含浸してなる固体電解コンデンサにおいて、前記有
    機半導体がTCNQ錯体にTCNQを10〜50wt%
    添加したものからなることを特徴とする固体電解コンデ
    ンサ。
JP13592692A 1992-04-27 1992-04-27 固体電解コンデンサ Expired - Fee Related JP3253126B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13592692A JP3253126B2 (ja) 1992-04-27 1992-04-27 固体電解コンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13592692A JP3253126B2 (ja) 1992-04-27 1992-04-27 固体電解コンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05304057A JPH05304057A (ja) 1993-11-16
JP3253126B2 true JP3253126B2 (ja) 2002-02-04

Family

ID=15163090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13592692A Expired - Fee Related JP3253126B2 (ja) 1992-04-27 1992-04-27 固体電解コンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3253126B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05304057A (ja) 1993-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH04229611A (ja) 固体電解コンデンサ
JP3253126B2 (ja) 固体電解コンデンサ
EP0285728B1 (en) Solid electrolytic capacitor, and method of manufacturing same
JPH05304055A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2783932B2 (ja) 有機半導体固体電解コンデンサの製法
KR970004277B1 (ko) 고체 전해 콘덴서의 제조방법
JPH07115042A (ja) 電解コンデンサの製造方法
JP3123772B2 (ja) 有機半導体固体電解コンデンサ
JPH062675U (ja) 固体電解コンデンサ
JP3162738B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JPH0547607A (ja) 電解コンデンサの製造方法
JPH05326344A (ja) 固体電解コンデンサ
JPH03241726A (ja) 電解コンデンサ
JPH0260047B2 (ja)
JP2811640B2 (ja) 固体電解コンデンサのエージング方法
JP2771767B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JPH0744131B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JPH09260215A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JPH01205412A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2919726B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JPH0337854B2 (ja)
JP2022167434A (ja) 固体電解コンデンサ、及び固体電解コンデンサの製造方法
KR0154126B1 (ko) 고체 전해 콘덴서 및 그의 제조방법
JP2950898B2 (ja) 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法
JP2999842B2 (ja) 有機半導体固体電解コンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071122

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees