JP2950898B2 - 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

有機半導体固体電解コンデンサの製造方法

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JP2950898B2 JP2082503A JP8250390A JP2950898B2 JP 2950898 B2 JP2950898 B2 JP 2950898B2 JP 2082503 A JP2082503 A JP 2082503A JP 8250390 A JP8250390 A JP 8250390A JP 2950898 B2 JP2950898 B2 JP 2950898B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、有機半導体固体電解コンデンサの製造方法
に関するものであり、更に詳説すると、有機半導体の一
種であるTCNQ錯塩(ここでTCNQとは7,7,8,8−テトラシ
アノキノジメタンを意味する)を電解質として用いた有
機半導体固体電解コンデンサの製造方法に関するもので
ある。
(ニ)従来の技術 有機半導体の一種であるTCNQ錯塩を電解質として用い
た有機半導体固体電解コンデンサに関しては、本願出願
人が既に種々の技術を提案している。即ち、特開昭58−
191414号(H01G9/02)等に開示されたN位をアルキル基
で置換したイソキノリンとのTCNQ錯塩を用いた固体電解
コンデサは、特に優れた高周波特性を有するため、スイ
ッチング電源等に広く採用されている。
ここで、コンデンサ素子について説明する。第1図は
従来及び本発明において使用されるコンデンサ素子を示
す。まず、高純度のアルミニウム箔を化学的処理(エッ
チング処理)により粗面化し、実効表面積を増加させ
る。次に電解液中にて、アルミニウム箔の表面に電気化
学的に酸化皮膜(酸化アルミニウムの薄膜)を形成する
(化成処理)。次にエッチング処理、化成処理を行った
アルミニウム箔を裁断して陽極箔(1)とし、対向陰極
箔(2)との間にマニラ紙からなるセパレータ(3)を
挟み、第1図に示すように円筒状に巻き取る。こうし
て、アルミニウム箔に酸化皮膜を形成した陽極箔(1)
と対向陰極箔(2)とをセパレータ(3)を介して巻回
したコンデンサ素子(6)が形成される。なお(4)
(4′)はリードタブ、(5)(5′)はリード線であ
る。
このコンデンサ素子(6)には、陽極箔(1)の両端
縁切り口部の化成と、先に形成した化成皮膜の損傷部の
修復とを目的として、再化成処理が施される。更に、セ
パータ(3)を構成するマニラ紙の繊維を細径化してTC
NQ錯塩の含浸を容易にするため、加熱処理(炭化処理)
が施される。
一方で、適量のTCNQ錯塩をアルミケースに装填し、こ
のケースを250〜340℃に加熱してTCNQ錯塩を融解液化さ
せ、予熱しておいたコンデンサ素子(6)をケース内に
挿入して融解液化したTCNQ錯塩に浸漬する。そして、コ
ンデンサ素子をケースと共に急冷後、ケース開口部にエ
ポキシ樹脂等を充填する。
最後に、陽極リード線(5)と陰極リード線(5′)
の間に定格電圧を印加しながら100℃前後の高温でエー
ジング処理を行い、有機半導体固体電解コンデンサが完
成する。
しかし、有機半導体固体電解コンデンサは、電解液を
用いた一般の電解コンデンサに比べて酸化皮膜の修復性
が若干弱く、前述の如く再化成処理を施したコンデンサ
素子を用いても、TCNQ錯塩含浸時の機械的ストレス、熱
的ストレス或いは化学的ストレスにより化成皮膜に弱体
部が生じ、漏れ電流が増大するという問題があった。
このような漏れ電流の問題を解決するため、本願出願
人は特願昭63−264571号(出願日:昭和63年10月20日)
において、コンデンサ素子に融解液化したTCNQ錯塩を含
浸させ、冷却固化した後に、素子の内部に純水を含浸さ
せ、次に素子の水分を乾燥させるという固体電解コンデ
ンサの製造方法を提案した。
この場合、TCNQ錯塩を含浸した素子の内部に純水を含
浸後、乾燥させることにより、酸化皮膜の欠損部に入り
込んだTCNQ錯塩が絶縁化しやすくなり、通電エージング
処理による酸化皮膜の修復性が著しく向上する。
しかし乍ら、上記特願昭63−264571号に開示された技
術においては、水をTCNQ錯塩含浸済みの素子内部に含浸
さるために、TCNQ錯塩が一時多量の水にさらされ、水の
中にTCNQ錯塩が溶け出すことになる。その結果、酸化皮
膜の修復性は向上するものの、コンデンサの性能を決定
する特性の一つである等価直列抵抗が増大するという問
題がある。
(ハ)発明が解決しようとする課題 本発明は、TCNQ錯塩を電解質とした有機半導体固体電
解コンデンサにおける上述の如き問題に鑑み、漏れ電流
の増大を抑制しながら、等価直列抵抗が増大することも
ないような有機半導体固体電解コンデンサの製造方法を
提案するものである。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明による有機半導体固体電解コンデンサの製造方
法は、弁作用を有する金属からなる箔をエッチングし化
成した陽極箔と対向陰極箔とをセパレータを介して巻回
して形成したコンデンサ素子に、加熱融解可能で且つ冷
却固化後コンデンサ用電解質として使用し得る電導度を
有するTCNQ錯塩を加熱融解して含浸させ、冷却固化させ
た後、脱水縮合により水を発生するフラン樹脂にて前記
コンデンサ素子を被覆することにより、前記フラン樹脂
の脱水縮合過程において発生した水を前記TCNQ錯塩に作
用させることを特徴とするものである。
(ホ)作用 フラン樹脂は、フルフリル・アルコールの樹脂化に代
表されるもので、フラン環を含む高分子である。
フルフリル・アルコールの初期縮合の反応機構は、次
に示すような脱水縮合によるものであり、これによりフ
ルフリル・アルコールは高分子化し、フラン樹脂を形成
するのである。尚、フルフリル・アルコールの縮合によ
って生ずる水はTCNQ錯塩を溶解させる程度の量までには
至らず、このような量ではコンデンサの等価直列抵抗の
劣化はほとんど起こらない。
本発明はこの性質を用いて、即ちフルフリル・アルコ
ールの縮合の過程で遊離する水分子をTCNQ錯塩に作用さ
せることにより、酸化皮膜の修復性の改善を図り、等価
直列抵抗の増大も抑制した有機半導体固体電解コンデン
サを提供するものである。
(ヘ)実施例 以下、本発明の実施例について説明する。
エッチング処理及び化成処理を行ったアルミニウム箔
を陽極箔(1)とし、対向陰極箔(2)との間にセパレ
ータ(3)を挟み、第1図に示すような円筒状に巻き取
ってコンデンサ素子(6)を形成する。この素子を第1
表に示す化成液にて再化成した後、熱処理(炭化)と再
化成を数回(この実験では3回)繰り返す。この実験に
おける再化成の条件は、常温でDC電圧145Vを30分間印加
した。
次にTCNQ錯塩(例えば、N,N−ペンタメチレンルチジ
ニウム・TCNQ4とN−フェネチルルチジニウム・TCNQ2
との等量混合物)の粉末をケースに装填し、320℃でTCN
Q錯塩を融解液化させ、予熱したコンデンサ素子を浸漬
してTCNQ錯塩を含浸させる。含浸後、直ちにケースを冷
却し、コンデンサ素子に含浸したTCNQ錯塩を冷却固化
し、ケース内にコンデンサ素子を固定する。
次にケース内にフラン樹脂(例えば、日立化成工業株
式会社製ヒタフランVF302)を注入し、ケース開口部上
端まで満たす。
そして、105℃にてフラン樹脂を硬化させ、ケースの
開口部を封止する。最後に125℃にて1時間、コンデン
サの定格電圧を印加(エージング)して有機半導体固体
電解コンデンサを完成させる。
本発明の実施例でフラン樹脂にて封止したコンデンサ
と、従来例で水を含浸して乾燥させた後、エポキシ樹脂
(及び変性アクリル樹脂)にて封止したコンデンサにつ
いて、漏れ電流値及び等価直列抵抗値の比較データを第
1表に示す。また、TCNQ錯塩の含浸後、水を含浸させず
に即座にエポキシ樹脂(及び変性アクリル樹脂)にて封
止したコンデンサについても、比較データを記載する。
第1表において(A)(B)(C)(D)(E)は、
いずれも定格電圧25V、容量1μFのコンデンサであ
る。(A)は本発明実施例でフラン樹脂を封止材に用い
たコンデンサ、(B)及び(C)は従来例でTCNQ錯塩含
浸後水を含浸し、乾燥させたコンデンサであり、(B)
はエポキシ樹脂を封止材に用いたコンデンサ、(C)は
変性アクリル樹脂を封止材に用いたコンデンサである。
(D)及び(E)は、水を用いることなくTCNQ錯塩含浸
後即座にそれぞれエポキシ樹脂、変性アクリル樹脂にて
封止したコンデンサである。
尚、LCは漏れ電流のデータであり、25V印加10秒後の
値で、試料各10個の値の平均値を示している。ESRは100
kHzにおける等価直列抵抗値で、試料各10個の値の平均
値を示している。
第1表から、本発明品であるフラン樹脂を用いたコン
デサの方が漏れ電流特性及び等価直列抵抗特性ともに良
好な特性を有していることがわかる。
また、上記実施例ではコンデンサ素子をケースに収納
し、フラン樹脂だけでコンデンサ素子を被覆し、ケース
開口部を封止する場合についてのみ述べたが、フラン樹
脂にてコンデンサ素子を被覆後、他の樹脂、例えばエポ
キシ樹脂をその上から二重に被覆し、ケース開口部を封
止してもよい。またその他の封止、例えばケースを用い
ずにコンデンサ素子を全面樹脂被覆する所謂ディップタ
イプを用いることも可能である。本発明はTCNQ錯塩含浸
済素子上に直接フラン樹脂層が形成されたコンデンサで
あれば、その効果は何ら損なわれることがない。また実
施例では、N,N−ペンタメチレンルチジニウム・TCNQ4
とN−フェネチルルチジニウム・TCNQ2との等量混合物
からなる電解質に関してのみ述べたが、他のTCNQ錯塩を
単独で或いは混合して用いた場合でもよく、即ち加熱融
解可能で且つ冷却固化後コンデンサ用電解質として使用
し得る電導度を有するTCNQ錯塩であれば同様の効果が得
られることは明らかであり、本発明はTCNQ錯塩の種類に
限定されるものではない。
(ト)発明の効果 上述の如く、本発明による有機半導体固体電解コンデ
ンサの製造方法は、コンデンサ素子にTCNQ錯塩を融解含
浸して冷却固化後、該コンデンサ素子を脱水縮合により
水を発生する物質、例えばフラン樹脂にて被覆すること
を特徴とするものであり、フラン樹脂形成時に遊離する
水分子がTCNQ錯塩を溶解させることなく、TCNQ錯塩に直
接作用するため、漏れ電流特性及び等価直列抵抗特性の
優れた有機半導体固体電解コンデンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はコンデンサ素子の斜視図である。 (1)……陽極箔、(2)……陰極箔、(3)……セパ
レータ、(6)……コンデンサ素子。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁作用を有する金属からなる箔をエッチン
    グし化成した陽極箔と対向陰極箔とをセパレータを介し
    て巻回して形成したコンデンサ素子に、加熱融解可能で
    且つ冷却固化後コンデンサ用電解質として使用し得る電
    導度を有するTCNQ錯塩を加熱融解して含浸させ、冷却固
    化させた後、 脱水縮合により水を発生するフラン樹脂にて前記コンデ
    ンサ素子を被覆することにより、前記フラン樹脂の脱水
    縮合過程において発生した水を前記TCNQ錯塩に作用させ
    ることを特徴とする有機半導体固体電解コンデンサの製
    造方法。
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