JP3030047B2 - 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

有機半導体固体電解コンデンサの製造方法

Info

Publication number
JP3030047B2
JP3030047B2 JP2082502A JP8250290A JP3030047B2 JP 3030047 B2 JP3030047 B2 JP 3030047B2 JP 2082502 A JP2082502 A JP 2082502A JP 8250290 A JP8250290 A JP 8250290A JP 3030047 B2 JP3030047 B2 JP 3030047B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid electrolytic
organic semiconductor
capacitor
molecule
tcnq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2082502A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03280520A (ja
Inventor
勝則 水富
健二 鹿熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2082502A priority Critical patent/JP3030047B2/ja
Publication of JPH03280520A publication Critical patent/JPH03280520A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3030047B2 publication Critical patent/JP3030047B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は有機半導体固体電解コンデンサの製造方法に
関するものである。更に詳説すると、本発明は電解質と
してTCNQ錯塩を使用する有機半導体固体電解コンデンサ
における等価直列抵抗や漏れ電流を抑制できるコンデン
サの製造方法に関するものである。
(ロ)従来の技術 電解質としてTCNQ錯塩を使用する有機半導体固体電解
コンデンサに関しては、本願出願人より既に種々提案し
ている。即ち、特開昭58−191414号(H01G9/02)等に開
示されているN位をアルキル基で置換したイソキノリン
とのTCNQ錯塩を用いた固体電解コンデンサは、特に優れ
た高周波特性をもっているため、スイッチング電源用な
どに広く採用されている。
次にコンデンサ素子について説明する。第1図は従来
および本発明に使用されているコンデンサ素子を示す。
まず、高純度(99.99%以上)のアルミニウム箔を化学
的処理により粗面化し、実効表面積を増加させるための
いわゆるエッチング処理を行なう。次に電解液中にて、
電気化学的にアルミニウム箔表面に酸化皮膜(酸化アル
ミニウムの薄膜)を形成する(化成処理)。次にエッチ
ング処理、化成処理を行なったアルミニウム箔を陽極箔
(1)とし、対向陰極箔(2)との間にセパレータ
(3)としてマニラ紙を挟み、第1図に示すように円筒
状に巻き取る。こうしてアルミニウム箔に酸化皮膜を形
成した陽極箔(1)及び陰極箔(2)と両電極箔間に介
挿されたセパレータ(3)とを捲回してコンデンサ素子
(6)が形成される。なお(4)(4′)はアルミリー
ド、(5)(5′)はリード線である。
さらにコンデンサ素子(6)に熱処理を施し、セパレ
ータ(3)を構成するマニラ紙を炭化して繊維の細径化
による密度の低下を計る。
第2図はこのコンデンサ素子(6)をアルミケース
(7)内に収納した状態の断面図である。即ち、所定量
のTCNQ錯塩(8)をケース(7)内に入れ、加熱した熱
板上にアルミケース(7)を載置し、本実施例では310
〜315℃にてケース(7)中の粉末状TCNQ錯塩を加熱融
解させる。一方、予め加熱してあるコンデンサ素子
(6)をアルミケース(7)内に挿入して、融解したTC
NQ錯塩の混合液をコンデンサ素子(6)に含浸させ、す
ぐに冷却固化させる。その後、TCNQ錯塩とは反応し難い
樹脂(9)を封入し、さらに外装樹脂(10)を被せる。
前述の如き従来技術においては化成したエッチドアルミ
ニウム箔(1)と陰極箔(2)をセパレータ(3)を介
して巻回したコンデンサ素子(6)を素子形成時に損傷
した陽極箔の化成皮膜修復のため再度アジピン酸アンモ
ニウムの水溶液にて再化成並びに熱処理していた。そし
て該コンデンサ素子に融解液化したTCNQ塩(8)を含浸
し、樹脂(9)又はゴムで封口した後、コンデンサの陽
極リード線(5)と陰極リード線(5′)間に正の定格
直流電圧(順方向)を印加する工程を経て目的とする有
機半導体固体電解コンデンサを完成させていた。
しかし、有機半導体固体電解コンデンサは一般の電解
液を用いたコンデンサに比べ酸化皮膜の修復性が若干弱
く、アジピン酸アンモニウムの再度の化成により形成さ
せた皮膜においてもTCNQ塩含浸時の機械的ストレス、熱
的ストレス或いは化学的なストレスにより化成皮膜には
弱体部が存在することになる。これらの要因により化成
皮膜の弱体部が破壊し、等価直列抵抗や漏れ電流が増大
し、歩留りが低くなるという問題がある。
このような問題を解決するため、従来は有機半導体を
含浸後又は樹脂封口後酸化皮膜を修復し、漏れ電流値を
小さくする目的で100℃前後の高温で電圧処理(エージ
ング)を行なっている。また、このような漏れ電流の問
題を解決するため、本願出願人は特願昭63−264571号
(出願日、昭和63年10月20日)において、コンデンサ素
子に融解液化した有機半導体を含浸させ、冷却固化した
後に、素子の内部に純水を含浸させ、次に素子の水分を
乾燥させる固体電解コンデンサの製造方法を提案した。
そして、この場合、TCNQ塩の含浸した素子内部に純水を
含浸後乾燥させることにより、酸化皮膜の欠損部に入り
こんだ有機半導体は絶縁体化しやすくなり、電圧処理
(エージング)での酸化皮膜の修復性が著しく向上す
る。
しかし乍ら、このような従来の製造方法においては、
水をTCNQ塩含浸済み素子内部に含浸するため、等価直列
抵抗の増大を招くという欠点があった。
(ハ)発明が解決しようとする課題 本発明は、TCNQ塩を固体電解質に用いた有機半導体固
体電解コンデンサにおいて、前述の如き問題、即ち、水
をコンデンサ素子内部に含浸することに起因する等価直
列抵抗の増大化を抑制するものである。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明はコンデンサ素子に融解液化したTCNQ塩を含浸
し、冷却固化した後、素子内部に分子における双極子モ
ーメントの値が水分子の値未満である溶媒、例えばメタ
ノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノ
ール、ベンゼン、ヘキサン、四塩化炭素、クロロホル
ム、トルエン等を水に代えて含浸させるものである。
(ホ)作用 詳細な作用については現在の所、判らない部分がある
が、凡そ次のようであると推測される。即ち、TCNQ塩に
液状分子を作用させると、クーロン力、ファンデルワー
ルス力或いは、交換斥力などのTCNQ塩と液状分子間にお
ける相互作用により漏れ電流は低減するものと考えられ
る。しかし液状分子として水又は水分子以上の双極子モ
ーメントの値をもつ極性分子を用いた場合、各分子にお
けるそれぞれのヘテロ原子である酸素などには、非結合
電子対を有するため、TCNQ塩のカチオン側に特にこれら
の相互作用が強く生じる。従って、漏れ電流は低減する
ものの、同時にTCNQ塩のカチオン側への必要以上の配位
のため、半導体としての機能が弱められ、その結果、等
価直列抵抗が増大するものと考えられる。
本発明では双極子モーメントの値が水分子の値未満で
ある分子、即ち水分子に比較し、より無極性に近い液状
分子を用いることによりTCNQ塩のカチオン側への配位を
従来の水の場合より低減し、等価直列抵抗の増大化を抑
制するものである。
(ヘ)実施例 エッチング処理および化成処理を行なったアルミニウ
ム箔を陽極箔(1)とし、対向陰極箔(2)との間にセ
パレータ(3)を挟み円筒上に巻き取り、コンデンサ素
子(6)を形成する。次にTCNQ塩の粉末(8)をケース
に収納し、290〜300℃の温度でTCNQ塩を融解液化し、コ
ンデンサ素子(6)を浸漬してTCNQ塩を含浸する。含浸
後ケース(7)を冷却し、コンデンサ素子に含浸したTC
NQ塩を冷却固化し、ケース(7)内にコンデンサ素子
(6)を固定する。
次に該ケース(7)の開口部まで、分子における双極
子モーメントの値が水分子の値未満である溶媒、例えば
ベンゼン、ヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、トル
エン、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2
−プロパノールの液体を注入し、注入後85℃の温度にて
放置する。そしてケース内に残留するこの液体の消失
後、ケース開口部を樹脂(9)又は、ゴムにて封止し、
125℃にて1時間コンデンサの定格電圧を印加(エージ
ング)して目的とする固体電解コンデンサを完成させ
る。
第1表は分子における双極子モーメントの値が異なる
各種溶媒を使用した場合の漏れ電流値並びに等価直列抵
抗値の比較データを示すものである。
尚L.C.は漏れ電流のデータであり、定格電圧印加10秒
後の値で試料各10個の値の平均値を示している。E.S.R.
は100KHzにおける等価直列抵抗値であり、試料各10個の
値の平均値を示している。
第1表において(a)は定格電圧35V、容量0.68μ
F、TCNQ塩としてN−n−ブチルイソキノリニウム・TC
NQ2を用いたコンデンサ、(b)は定格電圧25V、容量1
μF、TCNQ塩としてN.N−ペンタメチレン・ルチジニウ
・TCNQ4とN−フェネチル・ルチジニウム・TCNQ2
等量混合物を用いたコンデンサである。(A)(B)
(C)(D)(E)(F)(G)(H)(I)は本発明
の実施例であり、分子における双極子モーメントの値が
水分子の値未満である溶媒を使用した場合の製造方法に
よるものである。(J)は従来の水を使用した場合の製
造方法である。参考までに(K)(L)に双極子モーメ
ントの値が水分子の値より大きい分子の溶媒を使用した
場合のデータを示し、また(M)には何も使用しなかっ
た場合のデータを記載する。
第1表より次のことが判かる。即ち、双極子モーメン
トの値に関係なく、液状分子をTCNQ塩に作用させた場
合、漏れ電流は著しく低減している。しかし乍ら等価直
列抵抗については、使用した分子(溶媒)の双極子モー
メントの値によりかなりの差が生じている。即ち水分子
以上の双極子モーメントの値を有した分子(溶媒)の使
用(水の使用を含む)においては急激に等価直列抵抗は
劣化し、一方水分子より小さい双極子モーメントの値を
有する分子(溶媒)の使用においては、等価直列抵抗の
劣化は小さい。特に双極子モーメントの値がゼロ近辺で
ある所謂、無極性分子(溶媒)の使用においては等価直
列抵抗の劣化は殆ど生じていない。これらのことからTC
NQ塩に作用させた分子(溶媒)の双極子モーメントの値
とコンデンサの性能(特に等価直列抵抗の劣化)とは密
接な関係があることが分かる。そして、水分子より小さ
い双極子モーメントの分子(溶媒)をTCNQ塩に作用させ
れば、従来(水の使用時)に比べて、等価直列抵抗の増
大化は著しく抑制される。
尚、本発明はコンデンサ素子として陽極箔と陰極箔と
をセパレータ紙を介して巻回した巻取り素子を使用した
場合に限られるものではなく、コンデンサ素子として弁
作用を有する金属粉末を加圧成形し焼結した焼結素子を
使用した場合にも適用できるものであることは言うまで
もない。
(ト)発明の効果 このように本発明によれば、TCNQ塩を使用する有機半
導体固体電解コンデンサにおいて、水分子より小さい双
極子モーメントの分子(溶媒)をTCNQ塩に作用させるの
で、等価直列抵抗の増大が抑制され、漏れ電流も著しく
低減する。
【図面の簡単な説明】
第1図はコンデンサ素子の斜視図、第2図は固体電解コ
ンデンサの断面図である。 (1)(2)……陽、陰極箔、(3)……セパレータ、
(6)……コンデンサ素子、(7)……アルミケース、
(8)……TCNQ錯塩。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/028

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁作用を有する金属をエッチングし化成し
    た箔よりなる陽極箔と金属の薄箔よりなる陰極箔との間
    にセパレータ紙を介して巻回して形成したコンデンサ素
    子に、加熱融解可能で且つ冷却固化後コンデンサ用電解
    質として使用し得る電導度を有するTCNQ塩を加熱して含
    浸させ、冷却固化させてなる有機半導体固体電解コンデ
    ンサにおいて、分子における双極子モーメントの値が水
    分子の値未満である溶媒を前記TCNQ塩の含浸済みコンデ
    ンサ素子内部に含浸させた後、乾燥させる工程を含むこ
    とを特徴とする有機半導体固体電解コンデンサの製造方
    法。
JP2082502A 1990-03-29 1990-03-29 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法 Expired - Fee Related JP3030047B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2082502A JP3030047B2 (ja) 1990-03-29 1990-03-29 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2082502A JP3030047B2 (ja) 1990-03-29 1990-03-29 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03280520A JPH03280520A (ja) 1991-12-11
JP3030047B2 true JP3030047B2 (ja) 2000-04-10

Family

ID=13776276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2082502A Expired - Fee Related JP3030047B2 (ja) 1990-03-29 1990-03-29 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3030047B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03280520A (ja) 1991-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2765462B2 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
US4959753A (en) Solid electrolytic capacitor and method of manufacturing the same
JPH0158856B2 (ja)
JP3030047B2 (ja) 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法
JP2001284174A (ja) 固体電解コンデンサとその製造方法
JP3490868B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
KR970004277B1 (ko) 고체 전해 콘덴서의 제조방법
JPH0536575A (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2755767B2 (ja) 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法
JP3055199B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2950898B2 (ja) 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法
JPH1187178A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2957630B2 (ja) 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法
JP3253126B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP4349558B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JPH09260215A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
KR940005995B1 (ko) 고체전해 콘덴서
JPH0374030B2 (ja)
JPH0744131B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JPH0410730B2 (ja)
JPH03276711A (ja) 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法
JPH0255930B2 (ja)
JPH01105525A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JPH0426534B2 (ja)
JPH0530292B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090204

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees