JP2999842B2 - 有機半導体固体電解コンデンサ - Google Patents

有機半導体固体電解コンデンサ

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JP2999842B2 JP7630191A JP7630191A JP2999842B2 JP 2999842 B2 JP2999842 B2 JP 2999842B2 JP 7630191 A JP7630191 A JP 7630191A JP 7630191 A JP7630191 A JP 7630191A JP 2999842 B2 JP2999842 B2 JP 2999842B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機半導体固体電解コン
デサに関するものである。更に詳説すると、本発明は電
解質として7・7・8・8−テトラシアノキノジメタン
の錯塩(以下TCNQ錯塩と略す)を使用する有機半導
体固体電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、固体電解コンデンサの固体電解質
として有機半導体、特にTCNQ錯塩を用いることが提
案されている(例えば特公昭62−52939号公報
(H01G 9/02)参照)。このような従来技術に
おいては、図1に示す如く、エッチング処理、化成処理
を行なったアルミニウム箔を陽極箔(1)とし、対向陰
極箔(2)との間にセパレータ(3)を挟み円筒状に巻
き取り、コンデンサ素子(6)を形成する。なお、
(4)(4’)はアルミリード、(5)(5’)はリー
ド線である。
【0003】次に、図2に示す如くTCNQ塩、例えば
N−n−ブチルイソキノリウムのTCNQ塩((N−n
−ブチルイソキノリウム)+(TCNQ)-(TCN
Q))の粉末(8)をアルミケース(7)に収納し、融
点(210〜230℃)以上の温度、例えば、290℃
〜300℃の温度でTCNQ塩を融解液化する。そし
て、予熱済みのコンデンサ素子(6)をケース(7)内
のTCNQ塩の融解液に浸漬してTCNQ塩を含浸す
る。含浸後ケース(7)を冷却し、コンデンサ素子
(6)に含浸したTCNQ錯塩(8)を冷却固化し、ケ
ース内にコンデンサ素子を固定する。そして、最後にエ
ポキシ系樹脂(9)にて上記ケースの開口部を封口し、
125℃にて1時間ほぼコンデンサの定格電圧を印加
(エージング)して、目的とする固体電解コンデンサを
完成する。
【0004】しかして、このようなTCNQ錯塩を用い
たアルミ固体電解コンデンサは周波数特性及び温度特性
を著しく改善したものであり、従来の乾式コンデンサの
それを遥かに凌いだものである。
【0005】近年、電気機器の小形化に伴い、TCNQ
錯塩を用いたコンデンサにおいても表面実装用のものが
強く要求されている。しかしながら、この種のコンデン
サは、表面実装用部品として必須の半田付け時の熱スト
レス(通常230℃)に耐えられず、漏れ電流の増大を
招く欠点があり、耐熱性の向上が強く望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の如き半
田付け時の熱ストレスに対しても、漏れ電流が殆んど変
わることのない耐熱性の優れた固体電解コンデンサを提
供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はコンデンサ素子
に加熱融解したTCNQ錯塩を含浸する前に、先ず、コ
ンデンサ素子を融点200℃以上の有機ヒドロキシ化合
物が溶解した液中に浸漬し、その後加熱により溶媒を揮
散させ、コンデンサ素子の酸化皮膜上に有機ヒドロキシ
化合物の皮膜を形成させた後、コンデンサ素子に加熱融
解したTCNQ錯塩を含浸する。
【0008】
【作用】本発明はコンデンサ素子の酸化皮膜上に有機ヒ
ドロキシ化合物の皮膜を形成させており、その上に含浸
により附着したTCNQ錯体中のTCNQは特に高温下
では有機ヒドロキシ化合物の影響を受けて分解すると考
えられる。この分解反応により錯体は絶縁化する。而し
て、アルミ箔上の酸化皮膜の欠損部分では漏れ電流が多
く流れ、発生したジュール熱により上述の分解反応が促
進されてTCNQは部分的に絶縁化して行く。そのため
酸化皮膜欠損部における漏れ電流の発生が阻止されると
推測される。このようにして半田付等の熱ストレス後に
おいても漏れ電流の極めて少ないコンデンサが得られ
る。
【0009】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。図1
に示す如くアルミニウムの陽極箔(1)とその対向陰極
箔(2)との間にセパレータ紙(3)を挟み、円筒状に
捲回し、再化成を行い加熱してセパレータ紙を炭化処理
する。そしてこの捲回型コンデンサ素子(6)を有機ヒ
ドロキシ化合物(例えばデンプン、或いはイノシット、
或いはペンタエリトリット)の2%水溶液に浸漬し、8
5℃で乾燥する。その後TCNQ錯塩(例えば、N,
N,−ペンタメチレンルチジニウム2・TCNQ4とN−
フェネチルルチジニウム・TCNQ2 の等量混合物)を
320℃で加熱融解し、あらかじめ予熱してあるコンデ
ンサ素子(6)を含浸し、急冷する。その後、樹脂
(9)にて外装し、電圧処理(エージング)を行ない目
的とするコンデンサを完成させる。
【0010】表1は本発明により作られたコンデンサと
有機ヒドロキシ化合物を使用しない他は本発明品と同様
に作成した従来のコンデンサの半田付け時の熱を想定し
たリフロー試験(160℃×2分+230℃×30秒の
リフロー炉)前後の漏れ電流値の特性を示している。
【0011】
【表1】
【0012】表1において(A)(B)(C)(D)お
よび(E)は定格25V、容量1.5μFのコンデンサ
である。そして(A)(B)(C)(D)は本発明品で
あり、(A)は2%デンプン水溶液を、(B)は2%イ
ノシット水溶液を、(C)は2%ペンタエリトリット水
溶液を、(D)は2%のペンタエリトリットとイノシッ
トの混合溶液をそれぞれ使用したものである。(E)は
従来品である。尚、漏れ電流値は25V印加1分後の値
で、試料各10個の平均値を示している。また、リフロ
ー試験とはコンデンサをリフロー炉の中で160℃に2
分間保持し、それに引き続いて230℃に30秒間保持
した際の特性を調べる試験である。
【0013】表1から本発明品は従来品に比べリフロー
試験後においても良好な漏れ電流特性を有していること
が判かる。
【0014】このように本発明はコンデンサ素子の酸化
皮膜上に有機ヒドロキシ化合物の皮膜を形成させてお
り、その上に含浸により附着されたTCNQ錯体中のT
CNQは特に高温下では有機ヒドロキシ化合物の影響を
受けて図3に示すように分解すると考えられる。この分
解反応により錯体は絶縁化する。而して、アルミ箔上の
酸化皮膜の欠損部分では漏れ電流が多く流れ、発生した
ジュール熱により上述の分解反応が促進されてTCNQ
は部分的に絶縁化して行く。そのため酸化皮膜欠損部に
おける漏れ電流の発生が阻止されると推測される。この
ようにして半田付等の熱ストレス後においても漏れ電流
の極めて少ないコンデンサが得られる。
【0015】尚、この有機ヒドロキシ化合物の皮膜は極
めて薄く、TCNQ塩含浸時の素子予熱の際には、その
多くが酸化皮膜欠損部に入り込むことが予想されるた
め、静電容量など他の特性についても大きく劣化するこ
とはない。
【0016】上述の実施例においては、有機ヒドロキシ
化合物の例として、融点を示さないデンプン、融点22
5〜227℃のイノシット、および融点260℃のペン
タエリトリットをあげているが、本発明は基本的に含浸
時の素子予熱に耐え得る融点、例えば融点200℃以上
程度の有機ヒドロキシ化合物であればよいが、熱安定性
の点から好ましくは、同一分子内に活性水素並びに不活
性水素を有するものが良い。それ故、上述のデンプン、
イノシット、ペンタエリトリットの実施例だけに限定さ
れるものではない。他の有機ヒドロキシ化合物であって
も、同様の効果が得られることは、言うまでもない。
【0017】また、TCNQ錯体に有機ヒドロキシ化合
物を作用させる方法としては、含浸前にTCNQ錯体に
有機ヒドロキシ化合物を添加物として混入しておくとい
う方法も考えられる。しかしながらこの方法では、TC
NQ錯塩溶融時に急激に反応し、中には発泡する場合が
あるため実用上問題がある。
【0018】尚、本発明に使用する有機ヒドロキシ化合
物の実施例の分子構造の骨格は図4〜図6に示す通りで
あり、図4はデンプン、図5はイノシット、図6はペン
タエリトリットを示す。
【0019】尚また、本発明はコンデンサ素子として陽
極箔と陰極箔とをセパレータ紙を介して捲回した巻取り
素子を使用した場合に限られるものではなく、コンデン
サ素子として弁作用を有する金属粉末を加圧成形し焼結
した焼結素子を使用した場合にも適用されるものであ
る。
【0020】
【発明の効果】このように本発明によれば、有機ヒドロ
キシ化合物の影響を受けて高温においてTCNQ錯塩が
分解反応を起こして絶縁化し、アルミ箔上の酸化皮膜欠
損部における漏れ電流の発生が阻止され、半田付け後に
おいても漏れ電流特性の極めて優れた固体電解コンデン
サが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンデンサ素子の実施例を示す図面である。
【図2】電解質としてTCNQ錯塩を使用した有機半導
体固体電解コンデンサの実施例を示す図面である。
【図3】TCNQの分解反応を示す化学式を示す図面で
ある。
【図4】デンプンの化学式を示す図面である。
【図5】イノシットの化学式を示す図面である。
【図6】ペンタエリトリットの化学式を示す図面であ
る。
【符号の説明】
1 陽極箔 2 陰極箔 3 セパレータ 6 コンデンサ素子 7 アルミケース 8 TCNQ錯塩 9 樹脂

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化或は陽極化成により表面に酸化
    被膜を設けたアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作
    用を有する金属上に、同一分子内に酸素原子に直接結合
    した活性水素を少なくとも1以上有し且つ融点が200
    ℃以上の有機ヒドロキシ化合物の皮膜を形成し、該有機
    ヒドロキシ化合物の皮膜上に、TCNQ錯塩を加熱融解
    の後冷却固化させて固体電解質層を形成することを特徴
    とする有機半導体固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記有機ヒドロキシ化合物はデンプン、
    イノシット、或はペンタエリトリットの内の少なくとも
    1種類を含んでいる請求項1記載の有機半導体固体電解
    コンデンサ。
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