JP2840516B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体電解コンデンサに関
するものであり、さらに詳説すれば、電解質としてTC
NQ錯塩を使用する有機半導体固体電解コンデンサにお
ける、漏れ電流特性の安定化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電解質としてTCNQ錯塩を使用する有
機半導体固体電解コンデンサの例は、特公平3−765
73号に開示されている。ここで、TCNQとは、7,
7,8,8−テトラシアノキノジメタンの略称である。
【0003】前記特公平3−76573号に開示され
た、N位をアルキル基で置換したイソキノリンとのTC
NQ錯塩、特にN−n−ブチル・イソキノリニウム・T
CNQ 2 を用いた固体電解コンデンサは、優れた寿命特
性、温度特性に加え、特に優れた高周波特性を有するた
め、スイッチング電源用等として広く活用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
コンデンサは、電圧無印加で高温下に放置されたり、ヒ
ートサイクルテストにかけられたりすると、漏れ電流特
性が不安定になるという問題が生じることがあった。
【0005】本発明は、固体電解コンデンサの電解質を
改善することによって、前記漏れ電流の問題を解決しよ
うとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】固体電解コンデンサの電
解質として、本発明では、N−n−ブチル・イソキノリ
ニウム・TCNQ2 (以下OS−BQと略す)と、N,
N’−1,8−n−オクチル・3,5−ルチジニウム2
・TCNQ4 (以下OS−OLと略す)との混合物を採
用する。
【0007】
【作用】本願発明者は、固体電解コンデンサの電解質と
して上記混合物を採用することにより、従来のOS−B
Q単独使用の場合に比べて漏れ電流の問題が改善され、
高周波特性等が劣化することもないという作用効果を実
験的に見出した。
【0008】一般にTCNQ錯塩型の固体電解コンデン
サにおいては、そのTCNQ錯塩が高融点になればなる
ほど、電圧無印加時の高温放置での漏れ電流は安定化す
る傾向がある。OS−BQ、OS−OLの融点は、それ
ぞれ210〜215℃、225〜230℃であるから、
OS−BQとOS−OLとの混合系での漏れ電流特性の
安定化は、OS−OLの添加による融点の上昇によると
ころが大きいと考えられる。
【0009】一方、OS−OLの融解固化後の電導度約
0.10s/cmは、OS−BQの約0.29s/cm
に比べて劣るため、OS−OLを単独で使用した固体電
解コンデンサでは高周波特性がやや劣化するが、OS−
BQ、OS−OL混合系の電導度は、OS−BQに比べ
て略同等か若干優れた値となるため、従来のOS−BQ
単独使用の場合と同等の優れた高周波特性を確保でき
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明を導き出すに至った実験の経緯
に従いながら、本発明の実施例について説明する。
【0011】まず、2種類のTCNQ錯塩、すなわちO
S−OLとOS−BQとを、表1に示すような比率で混
合してアルミケースに充填し、約300℃の熱盤上で融
解液化させる。
【0012】
【表1】
【0013】そして、あらかじめ加熱しておいた捲回型
コンデンサ素子を前記融液に浸漬させ、直ちに冷却す
る。ここで、前記コンデンサ素子は、陽極用アルミニウ
ム箔の表面を化成処理して酸化被膜を形成させ、セパレ
ータ紙を炭化処理したものである。
【0014】その後、前記アルミケースの開口部をエポ
キシ樹脂にて封止し、約120℃で1時間、定格電圧を
印加してエイジングを行い、固体電解コンデンサを得
る。
【0015】このようにして得られた固体電解コンデン
サの試料を、ヒートサイクル試験、高温無負荷試験にか
けた。その結果を表2、及び表3に示す。
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】ここで、表2に示したヒートサイクル試験
とは、電圧無印加状態で、−55℃に降温して30分間
保持、常温に戻して5分間保持、105℃に昇温して3
0分間保持、常温に戻して5分間保持、というヒートサ
イクルを100回繰り返すものである。
【0019】また、表3に示した高温無負荷試験とは、
105℃に昇温して、通電せずに1000時間放置する
というものである。
【0020】表2、表3において、C(静電容量)及び
tanδ(損失角の正接)は120Hzで測定したもの
であり、ESR(等価直列抵抗)は100kHzで測定
したものであり、LC(漏れ電流)は定格電圧を印加し
た後、30秒後に測定したものである。
【0021】また、表2、表3に示された測定値は、特
に最大値と示したもの以外は、LC(漏れ電流)の初期
値が1μA以下で良品と判断される試料10個ずつを準
備して、各試験前後における個々の試料についての測定
値を平均したものである。
【0022】表2、表3からわかるように、OS−OL
とOS−BQとの混合物を用いた実施例1、実施例2、
実施例3においては、OS−BQ単独使用の比較例に比
べて、ヒートサイクル試験や高温無負荷試験による漏れ
電流特性の劣化が著しく少ない。また、C、tanδ
や、高周波特性に影響するESRに関しては、実施例と
比較例でほとんど違いがない。
【0023】このようにして、固体電解コンデンサの電
解質としてOS−OLとOS−BQとの混合物を採用す
れば、従来のOS−BQ単独使用の場合に比べて漏れ電
流の問題が改善され、高周波特性等が劣化することもな
いという本発明の主題が導き出された。
【0024】なお、融解液化後の電導度や融点がOS−
BQと略同等の、N−n−アミル・イソキノリニウム・
TCNQ2 (電導度0.29s/cm、融点215℃)
や、N−iso−アミル・イソキノリニウム・TCNQ
2 (電導度0.25s/cm、融点220℃)をOS−
BQの代わりに用いても、前記実施例と同様な作用効果
が得られるはずである。
【0025】また、前記実施例ではコンデンサ素子の陽
極としてアルミニウム箔を化成したものを用いたが、箔
の代わりにアルミニウム板、アルミニウム粉末しょうけ
つたいなどであってもよく、また他の被膜修復性金属と
して、タンタルやチタンでもよい。
【0026】さらに、OS−OLの結晶組成について、
3,5−ルチジンとTCNQの比率は基本的には2:4
であるが、その比率は合成条件等によっては若干変動す
るものであり、そのような変動は本発明の内容を本質的
に変えるものではない。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、寿命特性、温度特性、
高周波特性に加え、漏れ電流特性にも優れた固体電解コ
ンデンサが得られる。
【0028】また、従来、融解液化処理の可能なTCN
Q錯塩の中では、OS−BQの融解液化処理後の電導度
が最も高い値を示すと考えられており、一般に、融点の
高いTCNQ錯塩ほど、融解液化処理後の電導度は低く
なる傾向にあると考えられていたのに対して、本発明に
よれば、TCNQ錯塩の融点の上昇にもかかわらず、前
記OS−BQと同等の電導度が得られる場合のあること
が実証された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高松 武史 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−275612(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01G 9/028

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N位をn−ブチル、またはn−アミル、
    またはiso−アミルにて置換したイソキノリンとのT
    CNQ錯塩と、N位を1,8−n−オクチルにて置換し
    て結合した2分子の3,5−ルチジンとのTCNQ錯塩
    とを混合し、該混合物を加熱融解したものをコンデンサ
    素子の電解質として含浸させた後、冷却固化してなるこ
    とを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 N−n−ブチル・イソキノリニウム・T
    CNQ2 と、N,N’−1,8−n−オクチル・3,5
    −ルチジニウム2 ・TCNQ4 とを混合し、該混合物を
    を加熱融解したものをコンデンサ素子の電解質として含
    浸させた後、冷却固化してなることを特徴とする固体電
    解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記混合物中に含まれるN,N’−1,
    8−n−オクチル・3,5−ルチジニウム2 ・TCNQ
    4 の割合が、20〜80wt%であることを特徴とする
    請求項2の固体電解コンデンサ。
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