JP2940711B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は固体電解コンデンサの製造方法に関するもの
である。更に詳説すると、本発明は電解質として7、
7、8、8−テトラシアノキノジメタン(以下TCNQと略
す)の錯塩を使用する有機半導体固体電解コンデンサに
おける漏れ電流や等価直列抵抗の改善に関するものであ
る。
(ロ) 従来の技術 電解質としてTCNQ錯塩を使用する有機半導体固体電解
コンデンサに関しては、本願出願人が既に種々提案して
いる。即ち、特開昭58−191414号(H01G9/02)等に開示
されているN位をアルキル基で置換したイソキノリンと
のTCNQ錯塩を用いた固体電解コンデンサは、特に優れた
高周波特性を持っているため、スイッチング電源用など
に広く採用されている。
さて、このような従来技術では陽極となる酸化皮膜を
有する弁金属への固体電解質となるTCNQ塩の含浸は加熱
融解によるとされ、融解含浸後水中、空気中、アルコー
ル、アセトン、トルエン、DMF等の一般の極性有機溶媒
中或いはフルオロカーボン類中にて急冷することにより
TCNQ塩の結晶を析出させるとしている。しかしながら水
中において冷却した場合水分子の影響により酸化皮膜表
面上には水酸基が形成されることになる。これに対し、
電解質として用いられるTCNQ塩、例えばN位をアルキル
で4級化されたルチジニウムとのTCNQの錯塩は疎水性が
高いために、酸化皮膜上の親水性との関係から含浸性や
付着性に問題が生じることになり、等価直列抵抗が増大
する結果となる。また、空気中で冷却する場合、気体そ
のものの熱伝導率が小さいため、例えば−100℃の窒素
でさえ、水や一般の有機溶媒に比べ熱伝導率の値が1ケ
タ小さい。このため高い冷却効果が得られず、TCNQ塩の
微結晶の十分な析出が困難となり、結果として漏れ電流
が増大するという課題がある。またアルコール、アセト
ン、DMFのような一般的有機溶媒はほとんどの場合、TCN
Q塩に対して溶解或いは化学的な作用を引き起こす。さ
らに1、1、2−トリクロロトリフルオロエタン等のフ
ルオロカーボン類を使用した場合、たしかにTCNQ塩とは
反応や溶解は起こさないが、それ自体、液状を保つ温度
範囲が非常に狭いために被冷却物との間に気相が生じ易
い。このためTCNQ塩の含浸性に問題が生じることにな
る。従ってアルコール、アセトン等の有機溶媒やフルオ
ロカーボン類の液中にて冷却した場合、等価直列抵抗が
著しく劣化するという問題が生じる。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 このようなTCNQ錯塩を用いた固体電解コンデンサにお
ける等価直列抵抗および漏れ電流の増大を抑制すること
である。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、誘電体酸化皮膜を設けたアルミニウム、タ
ンタル、ニオブ等の弁作用を有する金属上に、TCNQ錯塩
を含む固体電解質を加熱融解して含浸させた後、該固体
電解質を冷却固化させる固体電解コンデンサの製造方法
において、前記弁作用を有する金属上に前記加熱融解し
た固体電解質を含浸させた後の冷却固化を、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デ
カンからから選ばれる少なくとも一種の液体中で行うこ
とにより、優れた漏れ電流特性及び等価直列抵抗特性を
有する固体電解コンデンサの実現を可能にするものであ
る。
(ホ) 作用 n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノ
ナン、n−デカンに代表される直鎖飽和炭化水素はそれ
ぞれの炭素がSP3混成軌道の電子配置をとった非極性分
子である。このため極性の高い物質に対して非共有電子
対に起因する陽イオン側への配位などは生じない。従っ
て、TCNQ錯塩とは反応しないし、溶解もしない。またフ
ルオロカーボン類に比べ液体を保つ温度範囲が広いため
TCNQ塩の冷却固化、即ち含浸性においても問題は生じな
い。
本発明は、この性質を利用して誘電体皮膜を有する弁
金属表面にTCNQ塩を溶融含浸した後の冷却媒体として少
なくても、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、n−ノナン、n−デカンから選ばれる一種を陽いて
急冷し、TCNQ塩の微結晶を生成させることにより、漏れ
電流特性及び等価直列抵抗特性の優れたコンデンサを提
供しようとするものである。
(ヘ) 実施例 本発明について説明する。第1図は本発明に使用する
コンデンサ素子を示す。まず、高純度(99.99%以上)
のアルミニウム箔を化学的処理により粗面化し、実効表
面積を増加させるためのいわゆるエッチング処理を行な
う。次に電解液中にて、電気化学的にアルミニウム箔表
面に酸化皮膜(酸化アルミニウムの薄膜)を形成する
(化成処理)。次にエッチング処理、化成処理を行なっ
たアルミニウム箔を陽極箔(1)とし、対向陰極箔
(2)との間にセパレータ(3)としてマニラ紙を挟
み、第1図に示すように円筒状に巻き取る。こうしてア
ルミニウム箔に酸化皮膜を形成した陽極箔(1)及び陰
極箔(2)と両電極箔間に介挿されたセパレータ(3)
とを捲回してコンデンサ素子(6)が形成される。なお
(4)(4′)はアルミリード、(5)(5′)はリー
ド線である。
さらにコンデンサ素子(6)に熱処理を施し、セパレ
ータ(3)を構成するマニラ紙を炭化して繊維の細径化
による密度の低下を計る。
なお、セパレータとしてマニラ紙にあらかじめ所定の
温度と時間(例えば240℃、40分間)で熱処理を施して
炭化したものやカーボン不織布を用い、陽極箔と陰極箔
との間に挟んで巻回してもよい。
次にN,N−ペンタメチレンルチジニウム2TCNQ450重量
部とN−フェネチル・ルチジニウムTCNQ250重量部を混
合してなる電解質(8)をケース(7)内に入れ、加熱
した熱板上にアルミケース(7)に載置し、本実施例で
は320℃にてケース(7)中の粉末状TCNQ錯塩(8)を
加熱融解させる。一方、予め加熱してあるコンデンサ素
子(6)をアルミケース(7)内に挿入して、融解した
TCNQ錯塩の混合物をコンデンサ素子(6)に含浸させた
後、即座に−ヘキサン(n−デカン)に投入して急冷却
固化させる。
そして、この冷却媒体を揮散後、TCNQ錯塩とは反応し
難い樹脂(9)を封入し、必要に応じてさらにエポキシ
樹脂等で成形する。次に125℃にて1時間コンデンサの
定格電圧を印加(エージング)して目的とする固体電解
コンデンサを完成させる。
第1表は本発明の実施例(A)(B)と従来の実施例
(C)(D)(E)(F)(G)(H)(I)の漏れ電
流値及び等価直列抵抗値(E.S.R)の特性データであ
る。尚、同第1表における(A)〜(I)は全て定格25
V、容量1.5μFのコンデンサである。
尚、L.C.は漏れ電流のデータで定格電圧印加15秒後の
値、又、E.S.R.は100kHzの等価直列抵抗の値でそれぞれ
試料各10個の平均値を示している。第1表から本発明実
施例の方が従来より良好な漏れ電流特性と等価直列抵抗
特性を有していることが判り、本発明の優れた効果が実
証されている。
尚また、実施例ではN.N−ペンタメチレンルチジニウ
2TCNQ4とN−フェネチルルチジニウムTCNQ2のそれぞ
れ等量を混合してなる電解質を用いる場合についてのみ
述べたが、他のTCNQ塩を単独で或いは混合して用いた場
合でもよく、実質的に融解可能で熱融解時コンデンサ素
子を含浸できる程度の熱安定性を有するTCNQ塩であれ
ば、同様の効果が得られることは言うまでもなく、本発
明はTCNQ塩の特定の種類に限定されるものではない。
さらに上述の実施例においてはコンデンサ素子として
アルミ箔の巻回型コンデンサについて示したが、アルミ
ニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用を有する金属粉末
を加圧成形し、或いは焼結してなるコンデンサ陽極素子
に上述の本発明のTCNQ錯塩を電解質として使用してもよ
いことは言うまでもない。
(ト) 発明の効果 このように本発明は、TCNQ錯塩からなる固体電解質の
熱融解液内に誘電体皮膜を有する弁金属を含浸した後、
冷却固化をすくなくても、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカンの一種から
選ばれる液体中で行うことによって、固体電解質を上記
弁金属上に付着形成する固体電解コンデンサの製造方法
を提供するものであり、上記液体はTCNQ塩を溶解するこ
と及びそれと反応することなく、TCNQ錯塩の冷却固化を
効率良くできるためTCNQ錯塩の微結晶の酸化皮膜への密
着強度及び含浸率を高めた固体電解コンデンサ、即ち漏
れ電流特性及び等価直列抵抗特性の優れた固体電解コン
デンサが実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に使用するコンデンサ素子の斜視図、第
2図は本発明の固体電解コンデンサの断面図である。 (1)(2)……陽、陰極箔、(3)……セパレータ、 (6)……コンデンサ素子、(7)……アルミケース、 (8)……TCNQ錯塩。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体酸化皮膜を設けたアルミニウム、タ
    ンタル、ニオブ等の弁作用を有する金属上に、TCNQ錯塩
    を含む固体電解質を加熱融解して含浸させた後、該固体
    電解質を冷却固化させる固体電解コンデンサの製造方法
    において、 前記弁作用を有する金属上に前記加熱融解した固体電解
    質を含浸させた後の冷却固化を、下記の式で表わされる
    直鎖飽和炭化水素から選ばれる少なくとも一種の液体中
    で行うことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方
    法。 n−CxH2x+2 (但しx=6、7、8、9、10)
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