JP3474986B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法

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康朗 吉水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体の電解質を用
いた固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】7,7,8,8−テトラシアノキノジメ
タンの錯塩(以下、TCNQ錯塩と略す。)を電解質と
した固体電解コンデンサに関する技術は、特公平3−7
6573号等に開示されている。
【0003】N位をアルキル基で置換したイソキノリン
のTCNQ錯塩、特にN−n−ブチルイソキノリニウム
・TCNQ2を用いた固体電解コンデンサは、寿命、温
度特性に加え、特に優れた高周波特性を有し、スイッチ
ング電源等に広く採用されている。
【0004】近年、電子機器の小型化の必要性から、こ
の種のコンデンサにも表面実装部品(チップ部品)として
の対応が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術による固体電解コンデンサは、リード端子が取り
付けられた陽極箔と陰極箔とをセパレ−タ紙を介して巻
回したコンデンサ素子に融点が230℃以下のTCNQ
錯塩を含浸し、前記コンデンサ素子を有底筒状のアルミ
ケースに収納し、該ケ−スの開口部をエポキシ樹脂にて
封止したものであったため、チップ部品として必須のは
んだ付け時の熱ストレス(例えば230℃×30秒間)
が加わると電解質としてのTCNQ錯塩が融解し、該融
解TCNQ錯塩が封口樹脂とケ−スとの間、あるいは封
口樹脂とリ−ド端子との間からしみ出すことがある。
【0006】また、前記はんだ付け時の熱ストレスによ
り融解したTCNQ錯塩は、融解している時間、あるい
は融点直下の温度に保たれている時間が長くなると、冷
却再固化した後の電気伝導度が低下し、該TCNQ錯塩
を電解質としたコンデンサの等価直列抵抗(ESR)が
極端に大きくなることがある。
【0007】本発明は、耐熱性が要求される表面実装用
の固体電解コンデンサにおける上述の如き問題点を解決
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による固体電解コ
ンデンサは、陽極箔と陰極箔とをセパレ−タ紙を介して
巻回したコンデンサ素子に固体の電解質を含浸し、有底
筒状のケースに収納した固体電解コンデンサにおいて、
前記電解質が、N位をn−ブチル基で置換したイソキノ
リンのTCNQ錯塩と、N位をエトキシエチル基で置換
したイソキノリンのTCNQ錯塩との混合物からなるこ
とを特徴とするものであり、さらに好ましくは、前記電
解質を含浸したコンデンサ素子の外側面と前記ケースの
内側面との間に中空部を設け、前記ケースの開口部をゴ
ム製の封口部材にて密封したことを特徴とするものであ
る。
【0009】また、本発明による固体電解コンデンサの
製造方法は、有底筒状の第1ケース内で融解液化させた
電解質材料中に陽極箔と陰極箔とをセパレ−タ紙を介し
て巻回したコンデンサ素子を挿入浸漬して前記電解質材
料を前記コンデンサ素子に含浸する工程と、前記コンデ
ンサ素子を前記第1ケ−スから引き抜いて前記コンデン
サ素子に含浸した電解質材料を冷却固化する工程と、前
記コンデンサ素子を有底筒状の第2ケース内に収納して
該第2ケースの開口部をゴム製の封口部材にて密封する
工程とを備え、前記電解質材料として、N位をn−ブチ
ル基で置換したイソキノリンのTCNQ錯塩と、N位を
エトキシエチル基で置換したイソキノリンのTCNQ錯
塩との混合物を用いることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0011】本発明実施例において用いられる固体電解
コンデンサの電解質は、N位をn−ブチル基で置換した
イソキノリンのTCNQ錯塩(N−n−ブチルイソキノ
リニウム・TCNQ2)とN位をエトキシエチル基で置
換したイソキノリンのTCNQ錯塩(N−エトキシエチ
ルイソキノリニウム・TCNQ2)とを混合したもので
あり、その混合比の例(実施例1〜5)を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】そして、本発明実施例による固体電解コン
デンサの製造方法においては、前記表1に示した実施例
1〜5のTCNQ錯塩混合物を有底筒状のアルミケ−ス
(第1のケース)に適量充填し、該アルミニウムケース
を約300℃に加熱してTCNQ錯塩混合物を融解液化
し、その中へ予熱しておいた巻回型のコンデンサ素子を
挿入浸漬し、コンデンサ素子にTCNQ錯塩混合物を含
浸する。
【0014】前記巻回型のコンデンサ素子とは、弁作用
を有するアルミニウム等の金属からなる箔にエッチング
処理及び化成処理を施した陽極箔と、これに対向する陰
極箔とをセパレータ紙を介して巻回したものである。
【0015】その後、コンデンサ素子をアルミケ−スか
ら引き抜いてコンデンサ素子に含浸したTCNQ錯塩混
合物を冷却固化し、該コンデンサ素子を別の有底筒状ア
ルミケ−ス(第2のケース)に収納し、該アルミケース
の開口部をゴム製の封口部材にて密封し、定格電圧、あ
るいはそれより少し高めの直流電圧を印加しながら約1
20℃で1時間のエージング処理を施す。
【0016】前記封口部材用のゴムとしては、外部から
の機械的ストレスがコンデンサ素子に伝わりにくくなる
ように、高硬度ゴム(例えば硬度84程度のブチルゴ
ム)を使用することが望ましい。
【0017】なお、TCNQ錯塩混合物をアルミケ−ス
内で融解液化し、その中へコンデンサ素子を挿入浸漬し
てTCNQ錯塩混合物を含浸した後、前記特公平3−7
6573号等に開示された従来の製法に準じて、アルミ
ケースごと冷却してコンデンサ素子に含浸したTCNQ
錯塩混合物を冷却固化してもよいが、表面実装用に適し
たゴム封口の固体電解コンデンサとするためには、前述
の如く、TCNQ錯塩混合物含浸後のコンデンサ素子を
第1のケースから引き抜いて冷却後、第2のケースに収
納するという製法を採用することが好ましい。
【0018】また、TCNQ錯塩混合物含浸後のコンデ
ンサ素子を第1のケースから引き抜いて冷却後、第2の
ケースに収納するという製法を採用すると、図1に示す
ように、TCNQ錯塩混合物を含浸したコンデンサ素子
1の外側面と第2のケース2の内側面との間に中空部9
が形成され、表面実装はんだ付け時の熱ストレスによっ
てTCNQ錯塩混合物が再融解しても、前記中空部が融
解TCNQ錯塩混合物の溜まり場となるため、該融解T
CNQ錯塩混合物が封口部材3とケ−ス2との間、ある
いは封口部材3とコンデンサ素子のリード端子11との
間からしみ出しにくくなる。
【0019】ここで、前記表1に示した実施例1〜5の
TCNQ錯塩混合物を電解質とした定格10V−4.7
μFの固体電解コンデンサについて、表面実装はんだ付
け時の熱ストレスを想定したリフロ−試験(VPS装置
による230℃×30秒間の熱ストレスの後、自然冷
却)を行い、その前後の静電容量(C)、損失角の正接
(tanδ)及び等価直列抵抗(ESR)を測定した。
その結果を表2に示す。、
【0020】
【表2】
【0021】表2には、N−n−ブチルイソキノリニウ
ム・TCNQ2のみを電解質として用いた点以外は前記
実施例1〜5と同様な仕様、製法にて作製した固体電解
コンデンサ(比較例1)及びN−エトキシエチルイソキ
ノリニウム・TCNQ2のみを電解質として用いた点以
外は前記実施例1〜5と同様な仕様、製法にて作製した
固体電解コンデンサ(比較例2)についてのリフロー試
験の結果も併記している。
【0022】表2に示した特性値は、試料数各20個に
ついての平均値であり、C及びtanδは120Hz
で、ESRは100kHzで測定したものである。ま
た、リフロー試験後の静電容量については、試験前の静
電容量値に対する変化率(ΔC/C)という形式で示し
ており、比較例1のリフロ−試験後の特性については、
ESRの値が極端に大きくなったものがあったため(全
試料数20個の内、ESRの値が1〜5Ωにまで増大し
たものが4個)、平均値の記載を省略している。
【0023】表2をみればわかるように、N−n−ブチ
ルイソキノリニウム・TCNQ2とN−エトキシエチル
イソキノリニウム・TCNQ2との混合物を電解質とし
た実施例1〜5においては、N−n−ブチルイソキノリ
ニウム・TCNQ2のみを電解質とした比較例1の場合
のようなリフロー試験によるESRの極大化現象が起こ
らず、N−エトキシエチルイソキノリニウム・TCNQ
2のみを電解質とした比較例2と比べても、リフロー試
験によるESRの増大が抑制されている。
【0024】なお、実施例1〜5を互いに比較すると、
リフロー試験後の諸特性に若干の差が認められるが、い
ずれも、実用上支障のない値である。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、表面実装のためのリフ
ローはんだ付け等による熱ストレスを経ても、特性が劣
化したり、外観不良が発生したりすることのない固体電
解コンデンサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例による固体電解コンデンサの断面
図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子 11 コンデンサ素子のリード端子 2 第2のケース 3 封口部材 9 中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−260371(JP,A) 特開 平1−165575(JP,A) 実開 平3−27(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/028

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極箔と陰極箔とをセパレ−タ紙を介し
    て巻回したコンデンサ素子に固体の電解質を含浸し、有
    底筒状のケースに収納した固体電解コンデンサにおい
    て、 前記電解質が、N位をn−ブチル基で置換したイソキノ
    リンのTCNQ錯塩と、N位をエトキシエチル基で置換
    したイソキノリンのTCNQ錯塩との混合物からなるこ
    とを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記電解質を含浸したコンデンサ素子の
    外側面と前記ケースの内側面との間に中空部を設け、 前記ケースの開口部をゴム製の封口部材にて密封したこ
    とを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 有底筒状の第1ケース内で融解液化させ
    た電解質材料中に、陽極箔と陰極箔とをセパレ−タ紙を
    介して巻回したコンデンサ素子を挿入浸漬して、前記電
    解質材料を前記コンデンサ素子に含浸する工程と、 前記コンデンサ素子を前記第1ケ−スから引き抜いて、
    前記コンデンサ素子に含浸した電解質材料を冷却固化す
    る工程と、 前記コンデンサ素子を有底筒状の第2ケース内に収納
    し、該第2ケースの開口部をゴム製の封口部材にて密封
    する工程とを備え、 前記電解質材料として、N位をn−ブチル基で置換した
    イソキノリンのTCNQ錯塩と、N位をエトキシエチル
    基で置換したイソキノリンのTCNQ錯塩との混合物を
    用いることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方
    法。
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JPH0327U (ja) * 1989-05-18 1991-01-07
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