JPH06163323A - 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

有機半導体固体電解コンデンサの製造方法

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JPH06163323A
JPH06163323A JP30720492A JP30720492A JPH06163323A JP H06163323 A JPH06163323 A JP H06163323A JP 30720492 A JP30720492 A JP 30720492A JP 30720492 A JP30720492 A JP 30720492A JP H06163323 A JPH06163323 A JP H06163323A
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JP
Japan
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organic semiconductor
electrolytic capacitor
capacitor element
capacitor
semiconductor solid
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Application number
JP30720492A
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English (en)
Inventor
Katsunori Minatomi
勝則 水富
Kenji Kaguma
健二 鹿熊
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リフロー半田付け等による熱ストレスに対し
ても、漏れ電流の増大しない耐熱性に優れた有機半導体
固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的と
する。 【構成】 アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用
を有する金属をエッチングして化成した箔より成る陽極
箔1と、これに対向する陰極箔2とをセパレータ紙を介
して巻回してコンデンサ素子を構成し、下記化学式
(1)または化学式(2)で表される有機ケイ素化合物
をセパレータ紙に導入する。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体電解質として、TC
NQ塩を用いた固体電解コンデンサに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電解質としてTCNQ塩を用いた有機半
導体固体電解コンデンサに関しては、本願出願人が既に
種々提案している。
【0003】すなわち、特開昭58−191414号
(H01G 9/02)等に開示されているN位をアル
キル基で置換したイソキノリンとのTCNQ塩を用いた
固体電解コンデンサは、特に優れた高周波特性を持って
いるため、スイッチング電源用などに広く採用されてい
るが、近年、機器の小型化の必要性から、この種のコン
デンサも表面実装用部品(チップ部品)としての対応を
迫られている。
【0004】しかし、上述の従来技術によるコンデンサ
においては、表面実装用部品として必須の、半田付け時
の熱ストレス(通常230℃程度)には耐えられず、著
しい漏れ電流増大等の特性劣化を招くという欠点があっ
た。
【0005】この欠点を改善するために、本願出願人
は、150℃以上の温度で電圧処理(エージング)を行
うことを提案している。
【0006】これは、特開平2−278807号公報
(H01G 9/04)に記載されているように、コ
ンデンサを150℃以上の所定の温度に加熱した円筒状
穴あき熱板に収納し、定格電圧を印加しながらエージン
グを行うものであり、これによって、漏れ電流による特
性劣化を防ぐものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上述した従
来技術によれば、漏れ電流による特性劣化をある程度防
ぐことは可能ではあるが、リフローによって半田付けを
行った場合、漏れ電流の増大を完全に防止することは困
難であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁
作用を有する金属をエッチングして化成した箔より成る
陽極箔と、これに対向する陰極箔とをセパレータ紙を介
して巻回してコンデンサ素子を構成し、前記コンデンサ
素子に加熱融解したTCNQ錯塩を含浸させて成る有機
半導体固体電解コンデンサの製造方法であって、セパレ
ータ紙に下記化学式(1)または化学式(2)で表され
る有機ケイ素化合物を導入したことを特徴とする有機半
導体固体電解コンデンサの製造方法を提供せんとするも
のである。
【0009】
【化4】
【0010】
【化5】
【0011】
【作用】上記の如く構成したので、リフロー半田付け等
による熱ストレスに対しても、漏れ電流の増大しない耐
熱性に優れた有機半導体固体電解コンデンサとすること
ができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例につ
いて詳述する。図1は本発明に使用するコンデンサ素子
を示している。
【0013】先ず、高純度(99.99%以上)のアル
ミニウム箔を化学的処理により粗面化し、実効表面積を
増加させるためのいわゆるエッチング処理を行う。
【0014】次に、電解液中にて、電気化学的にアルミ
ニウム箔表面に酸化被膜(酸化アルミニウムの薄膜)を
形成する(化成処理)。
【0015】そして、エッチング処理、化成処理を行っ
たアルミニウム箔を陽極箔1とし、これと対向する陰極
箔2との間にセパレータ紙3としてマニラ紙を挟み、図
1に示すように円筒状に巻き取る。
【0016】このようにしてアルミニウム箔に酸化被膜
を形成した陽極箔1と陰極箔2との両電極箔間にセパレ
ータ紙3を巻回して、コンデンサ素子6が形成される。
尚、4及び5はリード線である。
【0017】さらに、コンデンサ素子6に熱処理を施
し、セパレータ紙3を構成するマニラ紙を炭化すること
によって、繊維の細径化による密度の低下を図る。
【0018】尚、セパレータ紙として、マニラ紙をあら
かじめ所定の温度と時間(例えば240℃、40分)で
熱処理を施して炭化したものや、カーボン不織布を用
い、陽極箔と陰極箔との間にはさんで巻回してもよい。
【0019】このようにして炭化処理したコンデンサ素
子6を、下記化学式(1)または化学式(2)で表され
る有機ケイ素化合物を溶解させた溶液に浸漬し、その後
溶媒を揮発させることによって、セパレータ紙3に有機
ケイ素化合物を導入する。
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】そして図2に示すように、TCNQ塩8を
アルミケース7内において300℃で加熱融解させ、前
記有機ケイ素化合物を導入する処理が済んだコンデンサ
素子6を挿入し、融解したTCNQ塩8をコンデンサ素
子6(セパレータ紙3)に含浸させて急冷する。
【0023】その後、エポキシ樹脂9によって開口部を
封口し、最後に電圧処理(エージング)を行って目的と
するコンデンサを完成させる。
【0024】下表は、本発明によるコンデンサと、従来
のコンデンサ(即ち、セパレータ紙に有機ケイ素化合物
を導入していない)とにおいて、リフロー試験(160
℃で2分間及び230℃で30秒)を行う前とリフロー
試験を行った後の漏れ電流値を示している。
【0025】
【表1】
【0026】上表において、(A)、(B)、(C)、
(D)、(E)、(F)、(G)、(H)は、定格20
V・3.3μFのコンデンサである。その内、(A)、
(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)のコ
ンデンサは、セパレータ紙に有機ケイ素化合物を導入し
たものであり、そして(H)のコンデンサがセパレータ
紙に有機ケイ素化合物を全く導入していない従来のコン
デンサである。
【0027】表中の各漏れ電流値は、定格電圧印加1分
後の値であり、前記(A)〜(H)のコンデンサの各試
料10個毎の平均値をとったものである。
【0028】この表から明らかなように、(A)、
(B)、(C)、(D)、(E)、(F)のコンデンサ
においては、(H)のコンデンサに比べて、リフロー試
験後においても漏れ電流が少ないことが明らかである。
【0029】ここで前記(A)〜(G)のコンデンサに
ついてさらに説明すると、(A)〜(F)のコンデンサ
には、前記化学式(1)または化学式(2)で表される
構造を有する有機ケイ素化合物が用いられているが、
(G)のコンデンサは、前記化学式(1)または化学式
(2)で表される構造を有していない有機ケイ素化合物
を用いたものである。
【0030】上記表から分かるように、(A)〜(F)
のコンデンサに比べ、(G)のコンデンサではリフロー
試験後の漏れ電流が増大しており、このことから、セパ
レータ紙に導入する有機ケイ素化合物は、前記化学式
(1)または化学式(2)で表される構造を有するもの
が良好であることが分かる。
【0031】また、沸点が低い有機ケイ素化合物を用い
た(F)のコンデンサでは、リフロー試験後の漏れ電流
をある程度抑えてはいるものの、その改善効果は小さ
い。このことから、使用する有機ケイ素化合物の沸点は
250℃を越えるものが良好である。
【0032】さらに、(A)〜(C)のコンデンサにお
いては、下記式で表される構造を有する有機ケイ素化合
物を用いており、
【0033】
【化8】
【0034】該各コンデンサにおける漏れ電流の低減効
果は極めて優れている事が分かる。
【0035】続いて、本発明で用いられている有機ケイ
素化合物の作用について詳述する。コンデンサ素子内に
含浸されている陰極電解質の抵抗Rは、電極面積SとT
CNQ錯塩の厚みdに対して次式のような関係にある。
【0036】
【数1】
【0037】従って、コンデンサの等価直列抵抗を考え
る場合、上記関係式における電極面積Sの値を考えなけ
ればならず、従来はセパレータ紙に低密度のマニラ紙を
使用することで、TCNQ錯塩のセパレータ紙への含浸
率、すなわち極間の充填率を高め、もってTCNQ塩の
電極面積Sを拡大化して等価直列抵抗Rの低減を図って
いた。
【0038】然し、マニラ紙は短繊維であるため、低密
度化あるいは炭化を進めていくと、繊維間の絡合の力は
弱化し、繊維の分布が不均一な構造となる。このため、
TCNQ錯塩を含浸して成る有機半導体固体電解コンデ
ンサにおいては、半田付け(特にリフロー半田付け)時
の強い熱ストレスを受けた後に、極間短絡の発生する割
合が高く、漏れ電流の増大するという欠点が生じていた
ことは、前述した通りである。
【0039】本発明では、前述の化学式(1)で示され
るメトキシ基または化学式(2)で示されるエトキシ基
を有する有機ケイ素化合物をセパレータ紙に導入するこ
とによって、前記の欠点を解決したものであり、セパレ
ータ紙の強度を強化すると共にTCNQ錯塩の含浸率を
高め、漏れ電流の少ないコンデンサを提供するものであ
る。
【0040】セパレータ紙内に導入した有機ケイ素化合
物を、分子内のメトキシ基またはエトキシ基の加水分解
反応によって、下記の化学式の如く重合させ、
【0041】
【化9】
【0042】耐熱性の高分子被膜を形成し、セパレータ
紙を外部からの機械的ストレスや熱ストレスから保護し
ようとするもので、半田付け後においても漏れ電流の少
ないコンデンサとしたものである。
【0043】有機ケイ素化合物の沸点は、TCNQ錯塩
の含浸温度の関係及び熱安定性の点から、250℃以上
のものが好ましく、また、TCNQ錯塩との結合性(酸
化被膜の修復力)の点から、有機ケイ素化合物の分子内
にエポキシ基を有することが望ましい。さらに、作業性
及び安全性の点から、上記有機ケイ素化合物は水溶性で
あることが望まれる。
【0044】尚、本実施例においては、有機ケイ素化合
物のセパレータ紙への導入をコンデンサ素子の炭化処理
後に行う場合について述べたが、これに限らずそれ以前
の工程、例えば、コンデンサ素子形成前(セパレータ紙
の巻回前)でもよく、実質的にTCNQ錯塩のコンデン
サ素子への含浸前であれば、同様の効果を得ることが出
来る。
【0045】
【発明の効果】以上、詳述した如く本発明に依れば、リ
フローによる半田付け後の漏れ電流が極めて少ない有機
半導体固体電解コンデンサとすることが出来、極めて有
益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるコンデンサ素子を示す斜視図。
【図2】本発明の有機半導体固体電解コンデンサの側断
面図。
【符号の説明】
1 陽極箔 2 陰極箔 3 セパレータ紙 4、5 リード線 6 コンデンサ素子 7 アルミケース 8 TCNQ錯塩 9 エポキシ樹脂

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁
    作用を有する金属をエッチングして化成した箔より成る
    陽極箔と、これに対向する陰極箔とをセパレータ紙を介
    して巻回してコンデンサ素子を構成し、前記コンデンサ
    素子に加熱融解したTCNQ錯塩を含浸させて成る有機
    半導体固体電解コンデンサの製造方法であって、セパレ
    ータ紙に下記化学式(1)または化学式(2)で表され
    る有機ケイ素化合物を導入したことを特徴とする有機半
    導体固体電解コンデンサの製造方法。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 前記有機ケイ素化合物は、下記化学式で
    表される構造を有するものであることを特徴とする請求
    項1記載の有機半導体固体電解コンデンサの製造方法。 【化3】
  3. 【請求項3】 前記有機ケイ素化合物は、γ−グリシド
    キシプロピル・トリメトキシシランであることを特徴と
    する請求項2記載の有機半導体固体電解コンデンサの製
    造方法。
JP30720492A 1992-11-17 1992-11-17 有機半導体固体電解コンデンサの製造方法 Pending JPH06163323A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011166043A (ja) * 2010-02-15 2011-08-25 Panasonic Corp 蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの製造方法

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