JP3115215B2 - 低誘電率プラスチック絶縁フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
低誘電率プラスチック絶縁フィルムおよびその製造方法Info
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- JP3115215B2 JP3115215B2 JP07259039A JP25903995A JP3115215B2 JP 3115215 B2 JP3115215 B2 JP 3115215B2 JP 07259039 A JP07259039 A JP 07259039A JP 25903995 A JP25903995 A JP 25903995A JP 3115215 B2 JP3115215 B2 JP 3115215B2
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- H05K1/00—Printed circuits
- H05K1/02—Details
- H05K1/03—Use of materials for the substrate
- H05K1/0313—Organic insulating material
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- Insulating Bodies (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器などのプ
リント配線基板や回転機のスロット絶縁などに用いられ
る耐熱性のある低誘電率プラスチック絶縁フィルム、お
よびその製造方法に関する。
リント配線基板や回転機のスロット絶縁などに用いられ
る耐熱性のある低誘電率プラスチック絶縁フィルム、お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりプラスチックフィルムは、高い
絶縁性能を有するために信頼性の必要な部品、部材とし
て、ケ−ブル被覆絶縁、プリント配線基板、回転機のス
ロット絶縁など電子・電気機器や、フィルムコンデンサ
など電子部品に応用されている。このようなプラスチッ
ク絶縁フィルムの開発の経緯は、機器絶縁としては、耐
環境性に優れたプラスチック材料のフィルム開発が進め
られ、特に耐熱性の優れたエンジニアリングプラスチッ
クの合成開発が進められてきた。また、フィルムコンデ
ンサなど電子部品としては、プラスチック材料の耐熱性
の開発に加えて、さらに高い静電容量を得るために誘電
率の大きな材料開発が進められてきた。
絶縁性能を有するために信頼性の必要な部品、部材とし
て、ケ−ブル被覆絶縁、プリント配線基板、回転機のス
ロット絶縁など電子・電気機器や、フィルムコンデンサ
など電子部品に応用されている。このようなプラスチッ
ク絶縁フィルムの開発の経緯は、機器絶縁としては、耐
環境性に優れたプラスチック材料のフィルム開発が進め
られ、特に耐熱性の優れたエンジニアリングプラスチッ
クの合成開発が進められてきた。また、フィルムコンデ
ンサなど電子部品としては、プラスチック材料の耐熱性
の開発に加えて、さらに高い静電容量を得るために誘電
率の大きな材料開発が進められてきた。
【0003】最近では、高度情報化社会に対応した大量
の情報を蓄積し、高速に処理、高速に伝達するための電
子機器では、プラスチック材料にも高性能化が要求され
ている。特に、高周波化に対応した電気的特性として、
低誘電率化、低誘電正接化が求められている。さらに、
モ−タ等の回転機を有する機器では、高効率化、高機能
化のため精密制御できるインバ−タ制御が行われてい
る。そして、絶縁部材における高周波成分の漏洩電流の
増加が生じるために、電気的特性としてそれを防ぐ低誘
電率化が求められている。
の情報を蓄積し、高速に処理、高速に伝達するための電
子機器では、プラスチック材料にも高性能化が要求され
ている。特に、高周波化に対応した電気的特性として、
低誘電率化、低誘電正接化が求められている。さらに、
モ−タ等の回転機を有する機器では、高効率化、高機能
化のため精密制御できるインバ−タ制御が行われてい
る。そして、絶縁部材における高周波成分の漏洩電流の
増加が生じるために、電気的特性としてそれを防ぐ低誘
電率化が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プラスチックフィルム
材料の高周波化に対応した電気物性として、低誘電率化
が求められている。通常は、誘電率は材料に依存してい
るから、低誘電率化のためには、低い誘電率の材料を選
択する必要があった。しかし、プラスチックのバルク物
性の誘電率は、その分子構造から決定されるため各材料
において固有の値を有しているので、制御には限界があ
る。例えば、小さな誘電率を有するポリエチレン(P
E)で約2.3であり、最も小さな誘電率を有するポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)でも約2.1であ
る。また、耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチッ
クのポリエチレンテレフタレート(PET)では約3.
1、最も耐熱性に優れたポリイミド(PI)では約3.
3である。さらに、誘電率から材料を選択する場合に
は、加工性や耐熱性など他の物性も併せて満たす必要が
ある。しかし、一般にPI、PETなどの耐熱性の優れ
たエンジニアリングプラスチックは、芳香族成分を多く
含み、密度が高いために誘電率の高いものが多い。ま
た、低誘電率の面では優れているPTFEなどのふっ素
樹脂では、耐熱性は十分であるが、成形加工性に問題が
あり、PEなどのオレフィン樹脂では、耐熱性が100
℃以下であり、十分ではなかった。
材料の高周波化に対応した電気物性として、低誘電率化
が求められている。通常は、誘電率は材料に依存してい
るから、低誘電率化のためには、低い誘電率の材料を選
択する必要があった。しかし、プラスチックのバルク物
性の誘電率は、その分子構造から決定されるため各材料
において固有の値を有しているので、制御には限界があ
る。例えば、小さな誘電率を有するポリエチレン(P
E)で約2.3であり、最も小さな誘電率を有するポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)でも約2.1であ
る。また、耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチッ
クのポリエチレンテレフタレート(PET)では約3.
1、最も耐熱性に優れたポリイミド(PI)では約3.
3である。さらに、誘電率から材料を選択する場合に
は、加工性や耐熱性など他の物性も併せて満たす必要が
ある。しかし、一般にPI、PETなどの耐熱性の優れ
たエンジニアリングプラスチックは、芳香族成分を多く
含み、密度が高いために誘電率の高いものが多い。ま
た、低誘電率の面では優れているPTFEなどのふっ素
樹脂では、耐熱性は十分であるが、成形加工性に問題が
あり、PEなどのオレフィン樹脂では、耐熱性が100
℃以下であり、十分ではなかった。
【0005】本発明は、上述のように高周波化に対応す
るために、プラスチック材料の誘電率のバルク物性から
決まる値以下の誘電率を有し、かつ耐熱性、加工性に優
れた低誘電率のプラスチック絶縁フィルムを提供するこ
とを目的とする。本発明は、また低誘電率のプラスチッ
ク絶縁フィルムを製造する方法を提供することを目的と
する。
るために、プラスチック材料の誘電率のバルク物性から
決まる値以下の誘電率を有し、かつ耐熱性、加工性に優
れた低誘電率のプラスチック絶縁フィルムを提供するこ
とを目的とする。本発明は、また低誘電率のプラスチッ
ク絶縁フィルムを製造する方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の低誘電率プラス
チック絶縁フィルムは、空孔率が10vol%以上の独
立気泡を有する発泡構造体である多孔質なプラスチック
を含み、耐熱温度が100℃以上で、かつ誘電率が2.
5以下である。特に、優れた性能を有する低誘電率プラ
スチック絶縁フィルムは、耐熱温度が120℃以上で、
かつ誘電率が2以下である。空孔率が10vol%以上
である多孔質なプラスチックは、プラスチックフィルム
全体の50vol%以上、98vol%以下の範囲であ
るのが適している。さらに、空孔を有さないか、あるい
は空孔率10vol%以下のスキンフィルム層を有し、
このスキンフィルム層の厚さがプラスチックフィルムの
表層両面から1%以上、25%以下の範囲であるのが特
に適している。また、プラスチックフィルムは、空孔率
10vol%以上の多孔質なプラスチックフィルムと、
空孔を有さないプラスチックフィルムまたは空孔率10
vol%以下の多孔質なプラスチックフィルムとを一体
化した多層フィルムが、特に適している。ここで、空孔
率10v ol%以上の多孔質なプラスチックは、平均
孔径が10μm以下であるのが好ましい。
チック絶縁フィルムは、空孔率が10vol%以上の独
立気泡を有する発泡構造体である多孔質なプラスチック
を含み、耐熱温度が100℃以上で、かつ誘電率が2.
5以下である。特に、優れた性能を有する低誘電率プラ
スチック絶縁フィルムは、耐熱温度が120℃以上で、
かつ誘電率が2以下である。空孔率が10vol%以上
である多孔質なプラスチックは、プラスチックフィルム
全体の50vol%以上、98vol%以下の範囲であ
るのが適している。さらに、空孔を有さないか、あるい
は空孔率10vol%以下のスキンフィルム層を有し、
このスキンフィルム層の厚さがプラスチックフィルムの
表層両面から1%以上、25%以下の範囲であるのが特
に適している。また、プラスチックフィルムは、空孔率
10vol%以上の多孔質なプラスチックフィルムと、
空孔を有さないプラスチックフィルムまたは空孔率10
vol%以下の多孔質なプラスチックフィルムとを一体
化した多層フィルムが、特に適している。ここで、空孔
率10v ol%以上の多孔質なプラスチックは、平均
孔径が10μm以下であるのが好ましい。
【0007】さらに、本発明の低誘電率プラスチック絶
縁フィルムは、空隙容積率10vol%以上のプラスチ
ック部材を、少なくとも2つのプラスチックフィルムで
挟んで一体化した多層フィルムであって、耐熱温度が1
00℃以上で、かつ誘電率が2.5以下である。また、
特に優れた性能を有する低誘電率プラスチック絶縁フィ
ルムは、耐熱温度が120℃以上で、かつ誘電率が2以
下である。
縁フィルムは、空隙容積率10vol%以上のプラスチ
ック部材を、少なくとも2つのプラスチックフィルムで
挟んで一体化した多層フィルムであって、耐熱温度が1
00℃以上で、かつ誘電率が2.5以下である。また、
特に優れた性能を有する低誘電率プラスチック絶縁フィ
ルムは、耐熱温度が120℃以上で、かつ誘電率が2以
下である。
【0008】本発明に適した具体的なプラスチック材料
としては、芳香族ポリエステル、シンジオタクチックポ
リスチレン、ポリアミド、ポリイミド、テトラフルオロ
エチレンを含んで共重合された部分フッ素化樹脂のいず
れかであるのが好ましい。ここで、誘電率は周波数によ
る分散があるが、少なくとも60Hzから1MHzの周
波数範囲で2.5以下の値を有すればよい。また、耐熱
温度は連続耐熱温度で100℃以上の条件を有すればよ
く、IEC規格の耐熱区分Y種以上であればよい。
としては、芳香族ポリエステル、シンジオタクチックポ
リスチレン、ポリアミド、ポリイミド、テトラフルオロ
エチレンを含んで共重合された部分フッ素化樹脂のいず
れかであるのが好ましい。ここで、誘電率は周波数によ
る分散があるが、少なくとも60Hzから1MHzの周
波数範囲で2.5以下の値を有すればよい。また、耐熱
温度は連続耐熱温度で100℃以上の条件を有すればよ
く、IEC規格の耐熱区分Y種以上であればよい。
【0009】本発明の低誘電率プラスチック絶縁フィル
ムの製造方法は、独立気泡を有する空孔率10vol%
以上の多孔質プラスチックフィルムまたは空隙容積率1
0vol%以上のプラスチック部材を、少なくとも2つ
のプラスチックフィルムで挟んでラミネートする工程を
有する。さらに、本発明の低誘電率プラスチック絶縁フ
ィルムの製造方法は、発泡剤を含有してなるプラスチッ
クフィルムを少なくとも2つのプラスチックフィルムで
挟んで構成するラミネート工程、および前記ラミネート
工程中または前記ラミネート工程の後に、発泡剤を発泡
させて空孔率10vol%以上の独立気泡を有する多孔
質層を形成する発泡工程を有する。ここで、発泡工程で
用いられる発泡剤は、二酸化炭素であるのが好ましい。
ムの製造方法は、独立気泡を有する空孔率10vol%
以上の多孔質プラスチックフィルムまたは空隙容積率1
0vol%以上のプラスチック部材を、少なくとも2つ
のプラスチックフィルムで挟んでラミネートする工程を
有する。さらに、本発明の低誘電率プラスチック絶縁フ
ィルムの製造方法は、発泡剤を含有してなるプラスチッ
クフィルムを少なくとも2つのプラスチックフィルムで
挟んで構成するラミネート工程、および前記ラミネート
工程中または前記ラミネート工程の後に、発泡剤を発泡
させて空孔率10vol%以上の独立気泡を有する多孔
質層を形成する発泡工程を有する。ここで、発泡工程で
用いられる発泡剤は、二酸化炭素であるのが好ましい。
【0010】プラスチック材料に求められる高周波化に
対応した電気物性として、低誘電率、低誘電正接、高絶
縁耐圧がある。また、絶縁フィルムに使用される際の特
性として、耐熱性、成形加工性が併せて必要である。こ
れらのニーズは、電子・電気機器に用いられる絶縁材料
について以下のような関係が成り立つことから、高周波
化が進む中で重要性が高まっている。まず、プラスチッ
クフィルムが交流機器の絶縁部に用いられる場合には、
その絶縁部で漏洩する電力損失Plossは、式(1)に示
すように周波数f、比誘電率εr、誘電正接tan δの積
に比例する。したがって、周波数が高くなると電力損失
が増加する。それを防ぐためには、比誘電率を低くする
か、誘電正接を小さくする必要がある。また、以下でも
同様であるが、誘電率や誘電正接は、周波数によって値
が異なる誘電分散を有するために、使用周波数範囲にお
いて変化が小さいことも必要である。
対応した電気物性として、低誘電率、低誘電正接、高絶
縁耐圧がある。また、絶縁フィルムに使用される際の特
性として、耐熱性、成形加工性が併せて必要である。こ
れらのニーズは、電子・電気機器に用いられる絶縁材料
について以下のような関係が成り立つことから、高周波
化が進む中で重要性が高まっている。まず、プラスチッ
クフィルムが交流機器の絶縁部に用いられる場合には、
その絶縁部で漏洩する電力損失Plossは、式(1)に示
すように周波数f、比誘電率εr、誘電正接tan δの積
に比例する。したがって、周波数が高くなると電力損失
が増加する。それを防ぐためには、比誘電率を低くする
か、誘電正接を小さくする必要がある。また、以下でも
同様であるが、誘電率や誘電正接は、周波数によって値
が異なる誘電分散を有するために、使用周波数範囲にお
いて変化が小さいことも必要である。
【0011】
【数1】
【0012】情報通信機器のプリント配線基板、層間絶
縁部材などに用いられる場合には、絶縁材料による誘電
損失αは式(2)に示されるように、周波数f、比誘電
率εrの平方根、誘電正接tan δの積に比例する。した
がって、周波数が高くなると誘電損失が増加する。それ
を防ぐためには、比誘電率を低くするか、誘電正接を小
さくする必要がある。また、式(3)に示すように信号
伝搬遅延時間Td が比誘電率の平方根に比例して長くな
るため、伝搬速度の高速化が要求される高周波機器にお
いて、その短縮をするために誘電率を低くすることが不
可欠となる。なお、式(3)中のLは信号伝搬距離、C
は光速である。
縁部材などに用いられる場合には、絶縁材料による誘電
損失αは式(2)に示されるように、周波数f、比誘電
率εrの平方根、誘電正接tan δの積に比例する。した
がって、周波数が高くなると誘電損失が増加する。それ
を防ぐためには、比誘電率を低くするか、誘電正接を小
さくする必要がある。また、式(3)に示すように信号
伝搬遅延時間Td が比誘電率の平方根に比例して長くな
るため、伝搬速度の高速化が要求される高周波機器にお
いて、その短縮をするために誘電率を低くすることが不
可欠となる。なお、式(3)中のLは信号伝搬距離、C
は光速である。
【0013】
【数2】
【0014】また、高周波化の課題に限らず、プラスチ
ック材料の交流破壊電圧Ebdは、実験的に式(4)で表
される関係式のように、比誘電率が低く、誘電正接が小
さいものほど絶縁耐圧が高いことが知られている。従っ
て、高周波化に伴う材料の低誘電率化は、絶縁性の向上
にも効果が得られる取組みとなる。なお、式(4)中の
A、Bは定数、ρvは体積抵抗率である。次に、プラス
チック材料の誘電率を考えると、誘電率はその分子構造
によって決定される。すなわち、式(5)のクラジウス
−モソッティの式で示される。
ック材料の交流破壊電圧Ebdは、実験的に式(4)で表
される関係式のように、比誘電率が低く、誘電正接が小
さいものほど絶縁耐圧が高いことが知られている。従っ
て、高周波化に伴う材料の低誘電率化は、絶縁性の向上
にも効果が得られる取組みとなる。なお、式(4)中の
A、Bは定数、ρvは体積抵抗率である。次に、プラス
チック材料の誘電率を考えると、誘電率はその分子構造
によって決定される。すなわち、式(5)のクラジウス
−モソッティの式で示される。
【0015】
【数3】
【0016】ここで、式(5)中のaは、a=Pm/Vm
であり、Pmはモル分極、Vmはモル比容である。これら
は、プラスチック材料の分子構造中の各官能基の種類と
その分極率、分子の対称性で決まる。したがって、物質
の誘電率は固有の値として決まっているために、低誘電
率化には通常、材料の選定によって行われていた。しか
し、プラスチック材料を使用するには、耐熱性や成形加
工性など他の特性も必要であるために、単純な材料の置
き換えでは対応できない。しかも、分極率が小さなC−
F結合のみを有し、対称性があるPTFEは、プラスチ
ック材料の中では最も小さな誘電率の値を示すが、その
誘電率は約2.1であり、材料の選択においてさえ限界
がある。
であり、Pmはモル分極、Vmはモル比容である。これら
は、プラスチック材料の分子構造中の各官能基の種類と
その分極率、分子の対称性で決まる。したがって、物質
の誘電率は固有の値として決まっているために、低誘電
率化には通常、材料の選定によって行われていた。しか
し、プラスチック材料を使用するには、耐熱性や成形加
工性など他の特性も必要であるために、単純な材料の置
き換えでは対応できない。しかも、分極率が小さなC−
F結合のみを有し、対称性があるPTFEは、プラスチ
ック材料の中では最も小さな誘電率の値を示すが、その
誘電率は約2.1であり、材料の選択においてさえ限界
がある。
【0017】そこで本発明は、空孔率が10vol%以
上である多孔質なプラスチックを含んだプラスチックフ
ィルムを構成する。これによって、比誘電率が2.5以
下の低誘電率プラスチック絶縁フィルムを得ることがで
きる。空孔率によっては、バルクのプラスチックでは実
現しない比誘電率2以下の値も得ることができる。した
がって、上記のような材料選定の問題を解決し、この構
成を作製できればプラスチック材料の種類によらずに非
常に低い誘電率を得ることができる。さらに、本発明に
よれば、プラスチック材料として、耐熱温度100℃以
上で、かつ成形加工性のある比較的誘電率の高かったエ
ンジニアリングプラスチックを用いることができ、実用
に供する低誘電率のプラスチックフィルムを提供でき
る。この構成では、プラスチック材料中に、固体部分に
比較して誘電率の非常に小さい気体を有する空間部分が
存在するために、フィルムの誘電率はプラスチックのバ
ルクの誘電率より低くなる。その関係は、近似的には式
(6)で示される。
上である多孔質なプラスチックを含んだプラスチックフ
ィルムを構成する。これによって、比誘電率が2.5以
下の低誘電率プラスチック絶縁フィルムを得ることがで
きる。空孔率によっては、バルクのプラスチックでは実
現しない比誘電率2以下の値も得ることができる。した
がって、上記のような材料選定の問題を解決し、この構
成を作製できればプラスチック材料の種類によらずに非
常に低い誘電率を得ることができる。さらに、本発明に
よれば、プラスチック材料として、耐熱温度100℃以
上で、かつ成形加工性のある比較的誘電率の高かったエ
ンジニアリングプラスチックを用いることができ、実用
に供する低誘電率のプラスチックフィルムを提供でき
る。この構成では、プラスチック材料中に、固体部分に
比較して誘電率の非常に小さい気体を有する空間部分が
存在するために、フィルムの誘電率はプラスチックのバ
ルクの誘電率より低くなる。その関係は、近似的には式
(6)で示される。
【0018】
【数4】
【0019】ここで、εr(f)は本発明により構成され
たフィルムの比誘電率、εr(g)は気体の存在する空間
部分の気体の比誘電率(通常は1)、εr(b)はプラス
チック材料のバルクの比誘電率である。また、Vg はプ
ラスチック全体に対する気体の存在する空間部の容積比
率であり、多孔質プラスチックの場合には空孔率に相当
する。耐熱性のあるプラスチック材料を用いた場合に、
高周波化による損失を低減するのに効果のある比誘電率
の値としては、比誘電率2.5以下の値が特に有効であ
る。式(6)から明らかなように、耐熱性や成形加工性
等の特性から選んだプラスチックの材料の違いによって
要求される空孔率は異なる。プラスチック全体が均質に
多孔質である場合には、PETでは比誘電率が約3.1
であり、空孔率約30vol%以上で比誘電率2.5以
下となる。また、比誘電率が2.1で最も低いPTFE
においては、比誘電率が2になる空孔率が9.1vol
%であり、実質的には10vol%以上の値が必要とな
る。このような低い比誘電率は、バルクのプラスチック
では達成できない。
たフィルムの比誘電率、εr(g)は気体の存在する空間
部分の気体の比誘電率(通常は1)、εr(b)はプラス
チック材料のバルクの比誘電率である。また、Vg はプ
ラスチック全体に対する気体の存在する空間部の容積比
率であり、多孔質プラスチックの場合には空孔率に相当
する。耐熱性のあるプラスチック材料を用いた場合に、
高周波化による損失を低減するのに効果のある比誘電率
の値としては、比誘電率2.5以下の値が特に有効であ
る。式(6)から明らかなように、耐熱性や成形加工性
等の特性から選んだプラスチックの材料の違いによって
要求される空孔率は異なる。プラスチック全体が均質に
多孔質である場合には、PETでは比誘電率が約3.1
であり、空孔率約30vol%以上で比誘電率2.5以
下となる。また、比誘電率が2.1で最も低いPTFE
においては、比誘電率が2になる空孔率が9.1vol
%であり、実質的には10vol%以上の値が必要とな
る。このような低い比誘電率は、バルクのプラスチック
では達成できない。
【0020】プラスチックフィルムとしては、多孔質な
プラスチックのみで構成されていてもよいが、実際に絶
縁部材に使用する際には、導体部が接触した状態とな
る。この際に、多孔質部分が表面に多く存在していた
り、表面性が悪い場合などには、導体部との間にできた
ボイド部でコロナ放電などによる絶縁劣化を生じやす
い。また、回転機などでは、潤滑油や液冷媒などの液体
中において使用される場合もある。そのような場合、多
孔質なプラスチックのみで構成されていると、液体が多
孔質プラスチックの空孔部に浸入して、空孔部の誘電率
が増加するために、誘電率が増加してしまうという問題
を生じる。
プラスチックのみで構成されていてもよいが、実際に絶
縁部材に使用する際には、導体部が接触した状態とな
る。この際に、多孔質部分が表面に多く存在していた
り、表面性が悪い場合などには、導体部との間にできた
ボイド部でコロナ放電などによる絶縁劣化を生じやす
い。また、回転機などでは、潤滑油や液冷媒などの液体
中において使用される場合もある。そのような場合、多
孔質なプラスチックのみで構成されていると、液体が多
孔質プラスチックの空孔部に浸入して、空孔部の誘電率
が増加するために、誘電率が増加してしまうという問題
を生じる。
【0021】上述のような使用方法の場合に、本発明の
プラスチック絶縁フィルムでは、空孔率が10vol%
以上である多孔質なプラスチックで構成することに加え
て、その多孔質プラスチック部分をプラスチックフィル
ム全体の50vol%以上、98vol%以下の範囲に
することで効果が発揮される。これは、プラスチック絶
縁フィルムの片面、あるいは両面を空孔率が低く、平滑
な層で構成することで実現できる。特に、両面に空孔を
有さないか、あるいは空孔率10vol%以下のスキン
フィルム層を形成することによって、優れた効果を発揮
することができる。すなわち、このスキンフィルム層の
厚さを、プラスチックフィルムの表層両面からそれぞれ
1%以上、25%以下の範囲であるように構成する。ま
た、プラスチックフィルムを、空孔率10vol%以上
の多孔質なプラスチックフィルムと、空孔を有さないプ
ラスチックフィルムまたは空孔率10vol%以下の多
孔質なプラスチックフィルムとをラミネートなどによっ
て多層化して構成することができる。ここで、空孔率1
0vol%以上の多孔質なプラスチックが、平均孔径が
10μm以下であり、独立気泡を有する発泡構造体であ
れば、特に空孔部への液体物質の浸透を抑制する効果が
発揮できる。さらに、フィルムの側面の空孔部を塞いで
おくことも空孔部への液体物質の浸透を抑制する上でよ
り効果がある。同様な効果を得るため、空隙容積率10
vol%以上のプラスチック部材を、少なくとも2つの
プラスチックフィルムで挟んでラミネートなどで多層化
したプラスチックフィルムを構成することによって、耐
熱温度が100℃以上で、かつ誘電率が2.5以下であ
る低誘電率プラスチック絶縁フィルムを得ることができ
る。
プラスチック絶縁フィルムでは、空孔率が10vol%
以上である多孔質なプラスチックで構成することに加え
て、その多孔質プラスチック部分をプラスチックフィル
ム全体の50vol%以上、98vol%以下の範囲に
することで効果が発揮される。これは、プラスチック絶
縁フィルムの片面、あるいは両面を空孔率が低く、平滑
な層で構成することで実現できる。特に、両面に空孔を
有さないか、あるいは空孔率10vol%以下のスキン
フィルム層を形成することによって、優れた効果を発揮
することができる。すなわち、このスキンフィルム層の
厚さを、プラスチックフィルムの表層両面からそれぞれ
1%以上、25%以下の範囲であるように構成する。ま
た、プラスチックフィルムを、空孔率10vol%以上
の多孔質なプラスチックフィルムと、空孔を有さないプ
ラスチックフィルムまたは空孔率10vol%以下の多
孔質なプラスチックフィルムとをラミネートなどによっ
て多層化して構成することができる。ここで、空孔率1
0vol%以上の多孔質なプラスチックが、平均孔径が
10μm以下であり、独立気泡を有する発泡構造体であ
れば、特に空孔部への液体物質の浸透を抑制する効果が
発揮できる。さらに、フィルムの側面の空孔部を塞いで
おくことも空孔部への液体物質の浸透を抑制する上でよ
り効果がある。同様な効果を得るため、空隙容積率10
vol%以上のプラスチック部材を、少なくとも2つの
プラスチックフィルムで挟んでラミネートなどで多層化
したプラスチックフィルムを構成することによって、耐
熱温度が100℃以上で、かつ誘電率が2.5以下であ
る低誘電率プラスチック絶縁フィルムを得ることができ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例に
ついて説明する。本発明の低誘電率プラスチック絶縁フ
ィルムの1例を図1に示す。この例では、耐熱性100
℃以上のプラスチック3をフィルム材料として用い、気
泡2が形成された空孔率10vol%以上の多孔質なプ
ラスチック部1で構成されている。この構成によって、
電気的特性や成形加工性に優れた、耐熱温度が100℃
以上で、かつ誘電率が2.5以下である低誘電率プラス
チック絶縁フィルムが得られる。図1では、自立したフ
ィルムとして描かれているが、実際には電極が形成され
ていたり、絶縁フィルムとして導体に巻かれていたり、
さらには導体を形成した基材上にコーティングされてい
たりする。また、実際に用いられるフィルムの厚さは、
一般的には0.1μmから1mm位までの範囲のものが
適用できる。空孔を形成し、かつ成形加工性の得られる
厚さとしては、1μmから500μmが適している。
ついて説明する。本発明の低誘電率プラスチック絶縁フ
ィルムの1例を図1に示す。この例では、耐熱性100
℃以上のプラスチック3をフィルム材料として用い、気
泡2が形成された空孔率10vol%以上の多孔質なプ
ラスチック部1で構成されている。この構成によって、
電気的特性や成形加工性に優れた、耐熱温度が100℃
以上で、かつ誘電率が2.5以下である低誘電率プラス
チック絶縁フィルムが得られる。図1では、自立したフ
ィルムとして描かれているが、実際には電極が形成され
ていたり、絶縁フィルムとして導体に巻かれていたり、
さらには導体を形成した基材上にコーティングされてい
たりする。また、実際に用いられるフィルムの厚さは、
一般的には0.1μmから1mm位までの範囲のものが
適用できる。空孔を形成し、かつ成形加工性の得られる
厚さとしては、1μmから500μmが適している。
【0023】この空孔率10vol%以上の多孔質なプ
ラスチックフィルムは、発泡剤や配向処理などによる一
般的な発泡技術によって形成することができる。具体的
な発泡技術の適用できる例としては、次のようなものが
ある。 (1)原料となるプラスチックに発泡剤を含有し、それ
をフィルムに成形した後に、熱などエネルギーを加える
ことで発泡する方法、(2)原料となるプラスチック、
またはそのフィルムを発泡剤によって膨潤させておき、
フィルムの形態において液体を気化させて発泡する方
法、(3)原料となるプラスチックフィルムに、発泡ガ
スを吸収、溶解させておき、減圧、または常圧での圧力
の解放、または熱などエネルギーを加えることによる気
化などによって発泡する方法、(4)原料となるプラス
チックに発泡核を含有し、それをフィルム成形時、また
は成形後に、延伸など配向処理を行うことで空孔を形成
する方法。
ラスチックフィルムは、発泡剤や配向処理などによる一
般的な発泡技術によって形成することができる。具体的
な発泡技術の適用できる例としては、次のようなものが
ある。 (1)原料となるプラスチックに発泡剤を含有し、それ
をフィルムに成形した後に、熱などエネルギーを加える
ことで発泡する方法、(2)原料となるプラスチック、
またはそのフィルムを発泡剤によって膨潤させておき、
フィルムの形態において液体を気化させて発泡する方
法、(3)原料となるプラスチックフィルムに、発泡ガ
スを吸収、溶解させておき、減圧、または常圧での圧力
の解放、または熱などエネルギーを加えることによる気
化などによって発泡する方法、(4)原料となるプラス
チックに発泡核を含有し、それをフィルム成形時、また
は成形後に、延伸など配向処理を行うことで空孔を形成
する方法。
【0024】これら以外にも、プラスチックに機械的に
気体を混入する方法や、プラスチックに他の空孔形成用
の材料を混入しておき、それを溶剤によって除去する方
法など様々な方法がある。また、発泡の際に用いる発泡
ガスとしては、水、低沸点の有機化合物などを用いるこ
とができる。他にはヘリウム、アルゴン、キセノンなど
の不活性ガス、窒素、酸素、空気、二酸化炭素などの気
体を用いることができる。特に二酸化炭素は、プラスチ
ックに対して反応性がなく、プラスチックに対する浸透
性が高いために、高圧液体状態で容易に含浸でき、また
超臨界流体状態で十分にプラスチックに溶解することが
できるために好ましく、常温常圧状態でも比較的吸収量
が多く発泡制御を行いやすいために適している。
気体を混入する方法や、プラスチックに他の空孔形成用
の材料を混入しておき、それを溶剤によって除去する方
法など様々な方法がある。また、発泡の際に用いる発泡
ガスとしては、水、低沸点の有機化合物などを用いるこ
とができる。他にはヘリウム、アルゴン、キセノンなど
の不活性ガス、窒素、酸素、空気、二酸化炭素などの気
体を用いることができる。特に二酸化炭素は、プラスチ
ックに対して反応性がなく、プラスチックに対する浸透
性が高いために、高圧液体状態で容易に含浸でき、また
超臨界流体状態で十分にプラスチックに溶解することが
できるために好ましく、常温常圧状態でも比較的吸収量
が多く発泡制御を行いやすいために適している。
【0025】形成されている空孔は、各空孔が連続的に
つながっている連通気泡でも、互いに独立な独立気泡で
も良いが、液体中に含浸したり、湿度の影響を防いだり
するためには独立気泡である方がよい。独立気泡は、独
立気泡率で80%以上であることが好ましい。すなわ
ち、空孔率10vol%以上の多孔質なプラスチック
が、平均孔径が10μm以下であり、独立気泡を有する
発泡構造体であれば良好な低誘電率プラスチック絶縁フ
ィルムを提供できる。
つながっている連通気泡でも、互いに独立な独立気泡で
も良いが、液体中に含浸したり、湿度の影響を防いだり
するためには独立気泡である方がよい。独立気泡は、独
立気泡率で80%以上であることが好ましい。すなわ
ち、空孔率10vol%以上の多孔質なプラスチック
が、平均孔径が10μm以下であり、独立気泡を有する
発泡構造体であれば良好な低誘電率プラスチック絶縁フ
ィルムを提供できる。
【0026】次に、本発明の低誘電率プラスチック絶縁
フィルムの他の実施例を図2に示す。図1と同様に、耐
熱性100℃以上のプラスチック3をフィルム材料とし
て用い、気泡2が形成された空孔率10vol%以上の
多孔質なプラスチック部1を有する。この構成では、空
孔率10vol%以上の多孔質なプラスチック部1がプ
ラスチックフィルム全体の50vol%以上、98vo
l%以下の範囲にあり、空孔率10vol%以下のスキ
ンフィルム層4がプラスチックフィルムの表層両面から
全体の厚さの1%以上、25%以下の範囲で形成されて
いる。この構成によって、導体部との密着性に優れ、絶
縁性が高く、成形加工性に優れ、耐熱温度が100℃以
上で、かつ誘電率が2.5以下である低誘電率プラスチ
ック絶縁フィルムが得られる。このようなスキンフィル
ム層は、空孔率の異なるフィルムをラミネート、共押出
しなどで一体化することができる。また、空孔形成時に
フィルム両面を平滑な平面の治具にて挟んで作製するこ
とにより、空孔径が傾斜配置した、すなわち、表層部側
で空孔径が小さく、内側では順次空孔径が大きくなるス
キンフィルム層を形成する方法も適用できる。
フィルムの他の実施例を図2に示す。図1と同様に、耐
熱性100℃以上のプラスチック3をフィルム材料とし
て用い、気泡2が形成された空孔率10vol%以上の
多孔質なプラスチック部1を有する。この構成では、空
孔率10vol%以上の多孔質なプラスチック部1がプ
ラスチックフィルム全体の50vol%以上、98vo
l%以下の範囲にあり、空孔率10vol%以下のスキ
ンフィルム層4がプラスチックフィルムの表層両面から
全体の厚さの1%以上、25%以下の範囲で形成されて
いる。この構成によって、導体部との密着性に優れ、絶
縁性が高く、成形加工性に優れ、耐熱温度が100℃以
上で、かつ誘電率が2.5以下である低誘電率プラスチ
ック絶縁フィルムが得られる。このようなスキンフィル
ム層は、空孔率の異なるフィルムをラミネート、共押出
しなどで一体化することができる。また、空孔形成時に
フィルム両面を平滑な平面の治具にて挟んで作製するこ
とにより、空孔径が傾斜配置した、すなわち、表層部側
で空孔径が小さく、内側では順次空孔径が大きくなるス
キンフィルム層を形成する方法も適用できる。
【0027】また、本発明の低誘電率プラスチック絶縁
フィルムの他の実施例を図3に示す。図1と同様に、耐
熱性100℃以上のプラスチック3をフィルム材料とし
て用い、気泡2が形成された空孔率10vol%以上の
多孔質なプラスチック部1を有する。この例では、空孔
率10vol%以上の多孔質なプラスチック部1が空孔
を有さないプラスチックフィルム5と多層化された構成
であり、空孔を有さないプラスチックフィルム5は、プ
ラスチックフィルム全体の表層両面から1%以上、25
%以下の厚さの範囲で形成されている。この構成によっ
て、図2の構成と同様に導体部との密着性に優れ、絶縁
性が高く、成形加工性に優れ、耐熱温度が100℃以上
で、かつ誘電率が2.5以下である低誘電率プラスチッ
ク絶縁フィルムが得られる。この際、多孔質なプラスチ
ック部1とプラスチックフィルム5の材質としては、異
なっていても良いが、界面分極などを生じにくいように
同材質のものを使用するのが好ましい。
フィルムの他の実施例を図3に示す。図1と同様に、耐
熱性100℃以上のプラスチック3をフィルム材料とし
て用い、気泡2が形成された空孔率10vol%以上の
多孔質なプラスチック部1を有する。この例では、空孔
率10vol%以上の多孔質なプラスチック部1が空孔
を有さないプラスチックフィルム5と多層化された構成
であり、空孔を有さないプラスチックフィルム5は、プ
ラスチックフィルム全体の表層両面から1%以上、25
%以下の厚さの範囲で形成されている。この構成によっ
て、図2の構成と同様に導体部との密着性に優れ、絶縁
性が高く、成形加工性に優れ、耐熱温度が100℃以上
で、かつ誘電率が2.5以下である低誘電率プラスチッ
ク絶縁フィルムが得られる。この際、多孔質なプラスチ
ック部1とプラスチックフィルム5の材質としては、異
なっていても良いが、界面分極などを生じにくいように
同材質のものを使用するのが好ましい。
【0028】また、本発明の低誘電率プラスチック絶縁
フィルムの他の実施例を図4に示す。この例では、空隙
容積率10vol%以上のプラスチック部材6を有す
る。このプラスチック部材6は、耐熱性100℃以上の
プラスチック繊維8からなる織物で構成され、繊維間に
空隙が形成されている。部材6に、空孔を有さないプラ
スチックフィルム7を一体化することによって空隙容積
率10vol%以上となり、図2の構成と同様に導体部
との密着性に優れ、絶縁性の高く、成形加工性に優れた
耐熱温度が100℃以上で、かつ誘電率が2.5以下で
ある低誘電率プラスチック絶縁フィルムが得られる。こ
の例では、空隙容積率10vol%以上のプラスチック
部材6は、耐熱性100℃以上のプラスチック繊維から
なる織物で構成されており、スクリーン印刷用のポリエ
ステルメッシュなどを用いることができる。この他の部
材としては、例えば、エンボス加工などで凹凸を形成し
て空隙容積率を10vol%以上にしたプラスチックフ
ィルム、プラスチック粒子の充填構造、ハニカム構造、
波形構造、ジグザグ構造などがあり、両面のプラスチッ
クフィルム7によってプラスチック部材を支持体として
空間を維持できる構造であればよい。
フィルムの他の実施例を図4に示す。この例では、空隙
容積率10vol%以上のプラスチック部材6を有す
る。このプラスチック部材6は、耐熱性100℃以上の
プラスチック繊維8からなる織物で構成され、繊維間に
空隙が形成されている。部材6に、空孔を有さないプラ
スチックフィルム7を一体化することによって空隙容積
率10vol%以上となり、図2の構成と同様に導体部
との密着性に優れ、絶縁性の高く、成形加工性に優れた
耐熱温度が100℃以上で、かつ誘電率が2.5以下で
ある低誘電率プラスチック絶縁フィルムが得られる。こ
の例では、空隙容積率10vol%以上のプラスチック
部材6は、耐熱性100℃以上のプラスチック繊維から
なる織物で構成されており、スクリーン印刷用のポリエ
ステルメッシュなどを用いることができる。この他の部
材としては、例えば、エンボス加工などで凹凸を形成し
て空隙容積率を10vol%以上にしたプラスチックフ
ィルム、プラスチック粒子の充填構造、ハニカム構造、
波形構造、ジグザグ構造などがあり、両面のプラスチッ
クフィルム7によってプラスチック部材を支持体として
空間を維持できる構造であればよい。
【0029】本発明の低誘電率プラスチック絶縁フィル
ムを構成する具体的なプラスチック材料としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステ
ル、シンジオタクチックポリスチレン、ナイロン6、ナ
イロン66などのポリアミド、ポリイミド、テトラフル
オロエチレンを含んでエチレンなどと共重合された部分
フッ素化樹脂のいずれかが好ましい。また、ポリエーテ
ルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリフェニレンスルフィド、ポリ3フッ化塩化エチ
レンなどのエンジニアリングプラスチックも同様に効果
が得られる。
ムを構成する具体的なプラスチック材料としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステ
ル、シンジオタクチックポリスチレン、ナイロン6、ナ
イロン66などのポリアミド、ポリイミド、テトラフル
オロエチレンを含んでエチレンなどと共重合された部分
フッ素化樹脂のいずれかが好ましい。また、ポリエーテ
ルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリフェニレンスルフィド、ポリ3フッ化塩化エチ
レンなどのエンジニアリングプラスチックも同様に効果
が得られる。
【0030】具体的な多層構造からなる耐熱温度が10
0℃以上で、かつ誘電率が2.5以下である低誘電率プ
ラスチック絶縁フィルムの製造方法としては、空孔率が
10vol%以上である多孔質なプラスチックフィル
ム、あるいは空隙容積率10vol%以上のプラスチッ
ク部材を、少なくとも2つのプラスチックフィルムで挟
んでラミネートする方法がある。また、他の具体的な製
造方法としては、発泡剤を含有してなるプラスチックフ
ィルムを少なくとも2つのプラスチックフィルムで挟ん
で構成するラミネート工程を有し、そのラミネート工程
中に、あるいはラミネート工程の後に、発泡剤を発泡さ
せて空孔率10vol%以上の多孔質層を形成する発泡
工程を設定する方法がある。この製造方法を用いると、
プラスチックフィルムの発泡時に生じるフィルムの平滑
性の乱れや表面あれなどを防ぐことができ、絶縁性能の
高いフィルムを形成することができる。
0℃以上で、かつ誘電率が2.5以下である低誘電率プ
ラスチック絶縁フィルムの製造方法としては、空孔率が
10vol%以上である多孔質なプラスチックフィル
ム、あるいは空隙容積率10vol%以上のプラスチッ
ク部材を、少なくとも2つのプラスチックフィルムで挟
んでラミネートする方法がある。また、他の具体的な製
造方法としては、発泡剤を含有してなるプラスチックフ
ィルムを少なくとも2つのプラスチックフィルムで挟ん
で構成するラミネート工程を有し、そのラミネート工程
中に、あるいはラミネート工程の後に、発泡剤を発泡さ
せて空孔率10vol%以上の多孔質層を形成する発泡
工程を設定する方法がある。この製造方法を用いると、
プラスチックフィルムの発泡時に生じるフィルムの平滑
性の乱れや表面あれなどを防ぐことができ、絶縁性能の
高いフィルムを形成することができる。
【0031】発泡ガスとしては、前述のように多くのガ
スを用いることができる。殊に、二酸化炭素が好まし
い。二酸化炭素は、プラスチックに対する気体の透過係
数が大きいため、空孔内から比較的早く空気との置換を
生じるのである。また、プラスチック材料の軟化する温
度条件で加熱することで容易に発泡し、均一な気泡分布
を有する多孔質なプラスチックを得ることができる。こ
のようにプラスチックフィルムを多層化する際に、両者
を密着させる方法としては、耐熱性のある接着層を介し
てラミネートしても良いし、併せて熱を加えて溶融押出
しのようにラミネートしても良い。接着層を設けるとき
には、耐熱性のある樹脂成分のものを使用する必要があ
る。
スを用いることができる。殊に、二酸化炭素が好まし
い。二酸化炭素は、プラスチックに対する気体の透過係
数が大きいため、空孔内から比較的早く空気との置換を
生じるのである。また、プラスチック材料の軟化する温
度条件で加熱することで容易に発泡し、均一な気泡分布
を有する多孔質なプラスチックを得ることができる。こ
のようにプラスチックフィルムを多層化する際に、両者
を密着させる方法としては、耐熱性のある接着層を介し
てラミネートしても良いし、併せて熱を加えて溶融押出
しのようにラミネートしても良い。接着層を設けるとき
には、耐熱性のある樹脂成分のものを使用する必要があ
る。
【0032】[実施例1] プラスチック材料としてポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シ
ンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ナイロン6
(PA−6)、ポリイミド(PI)、テトラフルオロエ
チレンを含みエチレンと共重合された部分フッ素化樹脂
(ETFE)(参考例)を用いた。表1に、これらのプ
ラスチックの連続使用時の耐熱温度、周波数60Hzか
ら100kHzの領域の平均的なプラスチックフィルム
のバルクの比誘電率、二酸化炭素などの発泡剤を用いて
フィルム形態から発泡して得られた多孔質なフィルムを
誘電率2.5以下に形成した場合の空孔率、同じく誘電
率2以下に形成した場合の空孔率を示した。それぞれフ
ィルムの厚みは150μm〜200μmの範囲のものを
使用した。これらのプラスチックは、前記の空孔率を有
する多孔質フィルムにおいても耐熱使用温度は維持され
ており、機械強度はフィルムの成形加工に十分なもので
あった。また、前記の空孔率を有する多孔質フィルムの
各孔径は、約5μmから約50μmの範囲であった。そ
して、誘電率2.5以下の空孔率の多孔質フィルムで
は、平均孔径10μmがほとんどであった。
(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シ
ンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ナイロン6
(PA−6)、ポリイミド(PI)、テトラフルオロエ
チレンを含みエチレンと共重合された部分フッ素化樹脂
(ETFE)(参考例)を用いた。表1に、これらのプ
ラスチックの連続使用時の耐熱温度、周波数60Hzか
ら100kHzの領域の平均的なプラスチックフィルム
のバルクの比誘電率、二酸化炭素などの発泡剤を用いて
フィルム形態から発泡して得られた多孔質なフィルムを
誘電率2.5以下に形成した場合の空孔率、同じく誘電
率2以下に形成した場合の空孔率を示した。それぞれフ
ィルムの厚みは150μm〜200μmの範囲のものを
使用した。これらのプラスチックは、前記の空孔率を有
する多孔質フィルムにおいても耐熱使用温度は維持され
ており、機械強度はフィルムの成形加工に十分なもので
あった。また、前記の空孔率を有する多孔質フィルムの
各孔径は、約5μmから約50μmの範囲であった。そ
して、誘電率2.5以下の空孔率の多孔質フィルムで
は、平均孔径10μmがほとんどであった。
【0033】
【表1】
【0034】[実施例2]実施例1と同様にしてPET
を発泡してフィルム厚さ200μm、空孔率36vol
%の多孔質フィルムを得た。この多孔質PETフィルム
の比誘電率は、測定周波数1MHzにおいて2.3であ
った。このフィルムを2枚のフィルム厚さ10μmのP
ETフィルムで挟み、耐熱性120℃以上の飽和ポリエ
ステル系接着層を介して温度150℃でラミネートして
多層化した。こうして得た多層化フィルムは、同じ周波
数にて比誘電率2.4が得られた。表2に本実施例の各
測定条件での電気的特性を元のPETフィルムと比較し
て示す。
を発泡してフィルム厚さ200μm、空孔率36vol
%の多孔質フィルムを得た。この多孔質PETフィルム
の比誘電率は、測定周波数1MHzにおいて2.3であ
った。このフィルムを2枚のフィルム厚さ10μmのP
ETフィルムで挟み、耐熱性120℃以上の飽和ポリエ
ステル系接着層を介して温度150℃でラミネートして
多層化した。こうして得た多層化フィルムは、同じ周波
数にて比誘電率2.4が得られた。表2に本実施例の各
測定条件での電気的特性を元のPETフィルムと比較し
て示す。
【0035】
【表2】
【0036】1MHzにおける電力損失比は、誘電率の
低下に伴って低下した。さらに、絶縁耐圧については、
多孔質なフィルムのみでは、表面性の低下が原因と考え
られる耐圧低下を少し生じているが、実用範囲内であ
り、さらに多層化したことで耐圧の向上が得られた。
低下に伴って低下した。さらに、絶縁耐圧については、
多孔質なフィルムのみでは、表面性の低下が原因と考え
られる耐圧低下を少し生じているが、実用範囲内であ
り、さらに多層化したことで耐圧の向上が得られた。
【0037】[実施例3]直径30μmのポリエステル
繊維が100μm間隔で編まれている織物の両面に、フ
ィルム厚さ8μmのPETフィルム、ポリエステル系接
着層を介してラミネートした。作製されたプラスチック
絶縁フィルムは、空隙率約50vol%のプラスチック
部材をフィルムの中心に有し、全体として空隙率約38
vol%、誘電率2.3の低誘電率プラスチック絶縁フ
ィルムであった。このフィルムの耐熱性は110℃であ
り、成形加工性については、織物部分のクッション性に
よってバルクの同じ厚さのフィルムよりも向上してい
た。
繊維が100μm間隔で編まれている織物の両面に、フ
ィルム厚さ8μmのPETフィルム、ポリエステル系接
着層を介してラミネートした。作製されたプラスチック
絶縁フィルムは、空隙率約50vol%のプラスチック
部材をフィルムの中心に有し、全体として空隙率約38
vol%、誘電率2.3の低誘電率プラスチック絶縁フ
ィルムであった。このフィルムの耐熱性は110℃であ
り、成形加工性については、織物部分のクッション性に
よってバルクの同じ厚さのフィルムよりも向上してい
た。
【0038】[実施例4]フィルム厚さ100μmのS
PSに、二酸化炭素を浸透圧力60kg/cm2で浸透
させた。このフィルムを2枚の厚さ20μmのSPSフ
ィルムで挟んで、ラミネート温度200℃でラミネート
した。このラミネート工程において、ラミネートする際
の加熱によって、含浸している二酸化炭素が発泡し多孔
質なプラスチック部が形成された。約60%の発泡部の
厚みの膨張が得られ、全体として空孔率約30vol
%、誘電率約2の低誘電率プラスチック絶縁フィルムが
得られた。
PSに、二酸化炭素を浸透圧力60kg/cm2で浸透
させた。このフィルムを2枚の厚さ20μmのSPSフ
ィルムで挟んで、ラミネート温度200℃でラミネート
した。このラミネート工程において、ラミネートする際
の加熱によって、含浸している二酸化炭素が発泡し多孔
質なプラスチック部が形成された。約60%の発泡部の
厚みの膨張が得られ、全体として空孔率約30vol
%、誘電率約2の低誘電率プラスチック絶縁フィルムが
得られた。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、バルクの
プラスチックフィルムでは得られなかった低誘電率であ
り、かつ耐熱性、成形加工性のある低誘電率プラスチッ
ク絶縁フィルムを提供することができる。これによっ
て、従来より電力損失や電送損失を低減することがで
き、かつ絶縁耐圧に優れた絶縁フィルムが得られる。さ
らに、本発明の製造方法によると、空孔または空隙を有
するプラスチック部材を多層化することによって表面平
滑性、成形加工性を付与し、前記の低誘電率プラスチッ
ク絶縁フィルムの電気的特性を改善することができる。
本発明によって、今後、電気・電子機器の高周波化に対
応して、電力損失や電送損失の少ないプラスチック絶縁
フィルムを提供でき、機器の効率化を進めることが可能
になる。
プラスチックフィルムでは得られなかった低誘電率であ
り、かつ耐熱性、成形加工性のある低誘電率プラスチッ
ク絶縁フィルムを提供することができる。これによっ
て、従来より電力損失や電送損失を低減することがで
き、かつ絶縁耐圧に優れた絶縁フィルムが得られる。さ
らに、本発明の製造方法によると、空孔または空隙を有
するプラスチック部材を多層化することによって表面平
滑性、成形加工性を付与し、前記の低誘電率プラスチッ
ク絶縁フィルムの電気的特性を改善することができる。
本発明によって、今後、電気・電子機器の高周波化に対
応して、電力損失や電送損失の少ないプラスチック絶縁
フィルムを提供でき、機器の効率化を進めることが可能
になる。
【図1】本発明の実施例における低誘電率プラスチック
絶縁フィルムの構成を示す模式図である。
絶縁フィルムの構成を示す模式図である。
【図2】本発明の他の実施例における低誘電率プラスチ
ック絶縁フィルムの構成を示す模式図である。
ック絶縁フィルムの構成を示す模式図である。
【図3】本発明の他の実施例における低誘電率プラスチ
ック絶縁フィルムの構成を示す模式図である。
ック絶縁フィルムの構成を示す模式図である。
【図4】本発明の他の実施例における低誘電率プラスチ
ック絶縁フィルムの構成を示す模式図である。
ック絶縁フィルムの構成を示す模式図である。
1 空孔率10vol%以上の多孔質なプラスチック部 2 気泡 3 耐熱性100℃以上のプラスチック 4 空孔率10vol%以下のスキンフィルム層 5 空孔を有さないプラスチックフィルム 6 空隙容積率10vol%以上のプラスチック部材 7 空孔を有さないプラスチックフィルム 8 織物を構成するプラスチック繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/04 B32B 5/18
Claims (9)
- 【請求項1】 空孔率が10vol%以上の独立気泡を
有する発泡構造体である多孔質なプラスチックを含み、
耐熱温度が100℃以上で、かつ誘電率が2.5以下で
あることを特徴とする低誘電率プラスチック絶縁フィル
ム。 - 【請求項2】 前記多孔質なプラスチックが、プラスチ
ックフィルム全体の50vol%以上、98vol%以
下の範囲である請求項1記載の低誘電率プラスチック絶
縁フィルム。 - 【請求項3】 空孔を有さないか空孔率10vol%以
下のスキンフィルム層を有し、前記スキンフィルム層の
厚さがプラスチックフィルムの表層両面から1%以上、
25%以下の範囲である請求項2記載の低誘電率プラス
チック絶縁フィルム。 - 【請求項4】 プラスチックフィルムが、空孔率10v
ol%以上の多孔質なプラスチックフィルムと、空孔を
有さないプラスチックフィルムまたは空孔率10vol
%以下の多孔質なプラスチックフィルムとを一体化して
なる請求項2記載の低誘電率プラスチック絶縁フィル
ム。 - 【請求項5】 前記多孔質なプラスチックの有する空孔
が、平均孔径10μm以下である請求項1または2に記
載の低誘電率プラスチック絶縁フィルム。 - 【請求項6】 プラスチックが、芳香族ポリエステル、
シンジオタクチックポリスチレン、ポリアミド、ポリイ
ミド、またはテトラフルオロエチレンを含んで共重合さ
れた部分フッ素化樹脂である請求項1または2に記載の
低誘電率プラスチック絶縁フィルム。 - 【請求項7】 独立気泡を有する空孔率10vol%以
上の多孔質プラスチックフィルムまたは空隙容積率10
vol%以上のプラスチック部材を、少なくとも2つの
プラスチックフィルムで挟んでラミネートすることによ
り、耐熱温度100℃以上で、かつ誘電率2.5以下の
多層フィルムを得る低誘電率プラスチック絶縁フィルム
の製造方法。 - 【請求項8】 発泡剤を含有してなるプラスチックフィ
ルムを少なくとも2つのプラスチックフィルムで挟んで
構成するラミネート工程、および前記ラミネート工程中
または前記ラミネート工程の後に、発泡剤を発泡させて
空孔率10vol%以上の多孔質層を形成する発泡工程
により、耐熱温度100℃以上で、かつ誘電率2.5以
下の多層フィルムを得る低誘電率プラスチック絶縁フィ
ルムの製造方法。 - 【請求項9】 発泡剤が、二酸化炭素である請求項8に
記載の低誘電率プラスチック絶縁フィルムの製造方法。
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