JP2001126534A - 低誘電率フィルム - Google Patents

低誘電率フィルム

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JP2001126534A
JP2001126534A JP30646699A JP30646699A JP2001126534A JP 2001126534 A JP2001126534 A JP 2001126534A JP 30646699 A JP30646699 A JP 30646699A JP 30646699 A JP30646699 A JP 30646699A JP 2001126534 A JP2001126534 A JP 2001126534A
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film
polyamide
dielectric constant
low dielectric
porous
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JP30646699A
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English (en)
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Kenji Fukunaga
謙二 福永
Shigeru Yao
滋 八尾
Yukihiko Asano
之彦 浅野
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より自然的で、空孔が制御されていて、簡素
な工程の製造方法でできる、経済的にも安価である低誘
電率プラスチックフィルムを提供する。 【解決手段】 微細な貫通孔を有する、多孔質構造を持
ち、空孔率35〜85%、孔径0.01〜5μm、膜厚
5〜50μmである多孔質ポリアミドフィルムであっ
て、かつ、膜の断面方向に、微多孔質からなる層と相対
的に大きな空隙または開口部を有する層とが積み重なっ
た構造を有し、且つ上記2層が貫通微細孔により互いに
連結されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速処理の電子分
野に好適に用いられる低誘電率の絶縁ポリマーフィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムは、高い絶縁性能
を有するために信頼性の必要な部品、部材として、ケー
ブル被覆絶縁、プリント配線基板、回転機のスロット絶
縁など電子・電気機器や、フィルムコンデンサなど電子
部品に応用されてきた。このようなプラスチック絶縁フ
ィルムは、耐熱性の優れたプラスチックの出現があっ
た。例えば、ポリイミドなどである。けれども、いかに
耐熱性があっても、有機ポリマーの構造からくる誘電率
は限界があった。また、フィルムコンデンサなど電子部
品としては、プラスチック材料の耐熱性の開発に加え
て、さらに高い静電容量を得るために誘電率の大きな材
料開発が進められてきた。
【0003】最近では、高度情報化社会に対応した大量
の情報を蓄積し、高速に処理、高速に伝達するための電
子機器では、プラスチック材料にも高性能化が要求され
ている。特に、高周波化に対応した電気的特性として、
低誘電率化、低誘電正接化が求められている。さらに、
モータ等の回転機を有する機器では、高効率化、高機能
化のため精密制御できるインバータ制御が行われてい
る。そして、絶縁部材における高周波成分の漏洩電流の
増加が生じるために、電気的特性としてそれを防ぐ低誘
電率化が求められている。
【0004】たとえば、特開平11-144529号公報には、
芳香族ポリアミド繊維とフッ素樹脂からなる低誘電率、
誘電損失で、プリント配線基板に好適な絶縁シートが開
示されている。
【0005】また、特開平11-131385号公報には、芳香
族ポリアミド繊維強化フェノール配線基板が開示されて
いる。
【0006】また、特開平11-106503号公報には、低誘
電率且つ透明なフッ素系芳香族ポリアミドからなる有機
光学部品が開示されている。
【0007】また、特開平07-316291号公報には、ポリ
イミド前駆体、含フッ素芳香族ジアミン化合物、ビスマ
レイミド系硬化樹脂前駆体および電子部品 が開示され
ている。
【0008】また、特開平11-040909号公報には、全芳
香族ポリアミド繊維強化基板からなる配線基板用プリプ
レグが開示されている。
【0009】また、特開平10-338809号公報には、低誘
電率樹脂とパラ配向芳香族ポリアミドとからなる複合フ
ィルムが開示されている。
【0010】また、特開平10-258491号公報には、アラ
ミド繊維と液晶ポリエステルマトリックスからなる積層
体が開示されている。
【0011】また、特開平10-189873号公報には、基板
がシリコン、絶縁体がポリアミド、窒化シリコンなどか
らなる半導体集積回路が開示されている。
【0012】また、特開平10-130594号公報には、低吸
水性、低誘電率の熱可塑性共重合ポリイミドで、誘電率
3以下の耐熱性ボンディングシートが開示されている。
【0013】また、特開平09-100363号公報には、低誘
電率発泡樹脂をフィルムラミネートからなる低誘電率プ
ラスチック絶縁フィルムが開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
は、芳香族ポリアミドおよびフッ素樹脂、フッ素系誘導
体ポリマー、ポリイミド樹脂は、耐熱性も備わっている
が、必ずしも誘電率は、有機分子の領域を越えていな
い。また、気体の発泡により多孔性フィルムを得るとい
うのは、必ずしも、空孔率が制御されたものとはならな
い。気泡を含んだフィルムが、より自然的で、制御され
ていて、工程的に簡素で、経済的にも安価である低誘電
率プラスチックフィルムが望まれていた。
【0015】本発明は、より自然的で、空孔が制御され
ていて、簡素な工程の製造方法でできる、経済的にも安
価である低誘電率プラスチックフィルムに関する。特
に、本発明の低誘電率多孔フィルムは、電子・電気分野
で高周波化に対応した電気的特性として、低誘電率化、
低誘電正接化を可能にし、そして、絶縁部材における高
周波成分の漏洩電流の増加が生じるために、電気的特性
としてそれを防ぐ低誘電率化を可能にするプラスチック
フィルムを提供するのを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、微細な貫通孔
を有する、多孔質構造を持ち、空孔率35〜85%、孔
径0.01〜5μm、膜厚5〜50μmである多孔質ポ
リアミドフィルムであって、かつ、膜の断面方向に、微
多孔質からなる層と相対的に大きな空隙または開口部を
有する層とが積み重なった構造を有し、且つ上記2層が
貫通微細孔により互いに連結されていることを特徴とす
る低誘電率フィルムに関するものである。さらには、相
対的に大きな空隙を有する層側の表面では粒状構造が生
じ、且つ空隙の位置が粒界上に偏っていないことを特徴
とする低誘電率フィルムに関するものである。
【0017】また、本発明は、25℃での誘電率が3.
0以下である低誘電率ポリマーフィルムに関するもので
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の低誘電率フィルムについ
て以下について説明する。本発明の低誘電率フィルム
は、微細な貫通孔を有する、多孔質構造を持つ。微細な
貫通孔は、表面近くに、比較的大きな孔径1〜5μmの
孔を連結するように微細な孔径0.01〜5μmの貫通
孔を有する。貫通孔とは、フィルム膜の一方の面から他
方の面まで、貫通した穴が空いていることである。まっ
すぐな穴でなくてもよい。曲がりくねっていてもよい。
また、空孔率35〜85%、孔径0.01〜5μm、膜
厚5〜50μmである。この構造により、バルクポリマ
ーに較べて、多孔質ポリマーフィルムは誘電率が低いフ
ィルムが得られる。
【0019】また、本発明の低誘電率フィルムは、空孔
率35〜85%、好ましくは40〜80%である。空孔
率が35%より低いと、誘電率が高くなり、空孔率が8
5%を越えると、膜の機械的強度が低くなるので不適当
である。
【0020】また、本発明の低誘電率フィルムは、孔径
0.01〜5μm、好ましくは孔径0.05〜5μmで
ある。孔径が0.01μmより小さいと、孔の大きさが
制御できない。また、孔径が5μmを越えると、プラス
チックフィルムの機械的強度が低くなるので好ましくな
い。
【0021】また、本発明の低誘電率フィルムは、膜厚
5〜50μm、好ましくは膜厚が10〜35μmであ
る。5μmより薄いと、機械的強度が弱いものになって
しまう。また、膜厚50μmを越えると、制御すること
が困難である。
【0022】本発明の低誘電率フィルムは、1枚もしく
は2枚以上合わせて使ってもよいし、あるいは他のプラ
スチックフィルムや繊維と複合して用いてもよい。ま
た。無機粉末を充填してもよい。これらは機械的に補強
したり、誘電率を安定させることができる。
【0023】例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリ
アミド、フッ素系樹脂、ポリオレフィン、ポリカーボネ
ート、液晶樹脂などのフィルム、ガラス繊維、芳香族ポ
リアミド繊維、ポリイミド繊維などの繊維、酸化珪素、
窒化珪素、ガラス粉末、樹脂粉末、またはタルク、マイ
カなどの粉末状のものを用いてもよい。
【0024】本発明の低誘電率フィルムは、膜の断面方
向に、微多孔質からなる層と相対的に大きな空隙または
開口部を有する層とが積み重なった構造を有し、且つ上
記2層が貫通微細孔により互いに連結されている。さら
に、相対的に大きな空隙を有する層側の表面では粒状構
造が生じ、且つ空隙の位置が粒界上に偏っていないこと
を特徴とする。この表面の粒状構造が、空隙の位置が粒
界上に偏っていないことにより、機械的強度及び寸法安
定性に優れていると言える。
【0025】本発明は、25℃での誘電率が3.0以下
である低誘電率ポリマーフィルムである。好ましくは、
誘電率2.8以下である。誘電率が3.0を超えると、
誘電率が大きくて、高速処理を要求される電子分野の用
途に制限を受ける。また、絶縁部材の高周波成分の漏洩
電流の増加を防げない場合がある。
【0026】次に、本発明の低誘電率ポリマーフィルム
の製造方法を以下に説明する。本発明の低誘電率ポリマ
ーフィルムは、ポリアミドと80℃以下に沸点を有する
アルコール系溶媒からなる均一溶液を調製し、該溶液を
基板上へ膜状に流延し、得られた膜状物を膜面内方向に
おける膜状物中のポリアミド濃度に揺らぎを生じさせな
がら乾燥することにより製造される。
【0027】本発明で用いられるポリアミドとしては、
公知の種々のものを挙げることができる。例えば、しゅ
う酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などのジ
カルボン酸とエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、1,4−シクロヘキシルジアミン、m−キシリレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、デカメチレンジア
ミンなどのジアミンを重縮合して得られる結晶性ポリア
ミド、ε−カプロラクタム、ε−アミノカプロン酸、ω
−ラウロラクタム、ω−アミノドデカン酸、ω−アミノ
ウンデカン酸等を重合して得られる結晶性ポリアミド、
及びこれらの共重合体からなる結晶性ポリアミド等が挙
げられる。具体的には、ポリアミド6、ポリアミド6
6、ポリアミド610、ポリアミド12、ポリアミド6
6/6T(Tはテレフタル酸成分を表す)などである。
また上記ポリアミドの混合物であってもよい。
【0028】ポリアミド樹脂の分子量は別に制限はない
が、80℃以下に沸点を有するアルコール系溶媒と均一
溶液をつくることができさえすればよい。好ましくは、
ポリアミド樹脂は数平均分子量9、000〜100,0
00である。数平均分子量が9,000より小さくなる
と、機械的強度が不十分であり、数平均分子量が10
0,000より大きくなると、溶液粘度が高くなりすぎ
るので、均一な多孔質フィルムを形成することが困難で
ある。
【0029】本発明で用いられる沸点80℃以下のフッ
化アルコール系溶媒とは、具体的にはヘキサフルオロイ
ソプロパノール(HFIP)、トリフルオロエタノール
などの弗化アルコール、または上記弗化アルコール40
モル%以上と脂肪族アルコール60モル%以下を混合し
た溶媒である。上記脂肪族アルコールは、具体的には、
メタノール、エタノール、1−ブタノールである。好ま
しいものはメタノール、及びエタノールである。上記弗
化アルコールに混合する脂肪族アルコールの割合が60
モル%を超えると、ポリアミド樹脂の該溶媒への溶解性
が大きく低下するため、上記の割合が好適である。
【0030】本発明における上記ポリアミドと上記アル
コール系溶媒は、ポリアミドが0.5〜7重量%、好ま
しくは2〜5重量%とアルコール系溶媒が99.5〜9
3重量%、好ましくは98〜95重量%の割合で溶解し
てポリアミド溶液に調製される。該ポリアミドの割合が
7重量%より多いと、得られる多孔質膜の透気度が低下
するため適当でなく、該ポリアミドの割合が0.5重量
%より少ないと乾燥工程において膜が基板から不均一に
剥がれて破損しやすくなるため、上記の割合が好適であ
る。
【0031】本発明においては、ポリアミド溶液は、フ
ィルム、繊維、粉末などの充填材を含んでいてもよい。
例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、フッ
素系樹脂、ポリオレフィン、ポリカーボネート、液晶樹
脂などのフィルム、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊
維、ポリイミド繊維などの繊維、酸化珪素、窒化珪素、
ガラス粉末、樹脂粉末、またはタルク、マイカなどの粉
末状のものを用いてもよい。
【0032】本発明においては、上記ポリアミド溶液を
基板上へ膜状に流延し、得られた膜状物を膜面内方向に
おける膜状物中のポリアミド濃度に揺らぎを生じさせな
がら乾燥することによりポリアミド多孔質膜を製造する
ことができる。
【0033】本発明に用いられる基板は、上記ポリアミ
ド溶液を基板上に滴化した際、該溶液をはじかない基板
である。例えば、ガラス板、雲母板、石英板などの板状
または布などが好適である。また、上記基板は平板に限
らず、必要に応じて円筒や複雑形状のものを用いること
ができる。
【0034】ポリアミド溶液の膜状物を基板上に形成す
る方法としては特に制限はないが、該ポリアミド溶液を
基板となる板状物あるいは可動式のベルトの上に流延す
る方法、該ポリアミド溶液に基板を含浸する方法などの
手法を用いることができる。
【0035】基板上に形成されるポリアミド溶液の膜状
物の厚みは、乾燥後の空隙を含んだフィルムの平均厚み
として5〜50μmの範囲、好ましくは10〜35μm
の範囲に調整する。これはポリアミド溶液の濃度と液膜
の厚さにより決まる。平均厚さが5μmより小さいと、
乾燥工程でフィルムの緻密化や破損が生じやすく、平均
厚さが50μmより大きいと得られるフィルムの透気度
が低下するため、上記厚みが好適である。
【0036】基板上に形成したポリアミド溶液の膜状物
の乾燥は、乾燥工程中に該膜の面内方向においてポリア
ミド濃度の揺らぎを生じせしめさせるような条件で行
う。上記ポリアミド濃度の揺らぎは、乾燥途中の上記溶
液膜状物がやや白濁した部分と透明な部分とに約1mm
以下の間隔で分かれることにより知ることができる。ポ
リアミド濃度の揺らぎが生じる条件としては、40℃以
下の温度で、1分以上、好ましくは、2分以上の乾燥時
間で乾燥する条件が挙げられ、例えば結晶性ポリアミド
として数平均分子量1万程度のポリアミド6を用いた場
合、約30℃以下の大気雰囲気で該溶液膜を乾燥させる
と好適である。該膜状物の乾燥を上記濃度揺らぎを生じ
させないような条件で行った場合、得られる膜が緻密化
してしまうので好ましくない。次いで、乾燥された膜を
基板から剥離させることによりポリアミド多孔質膜が得
られる。
【0037】また、シリコン、回路基板などの基板上に
ポリアミド溶液を塗布し、そのまま乾燥して多孔膜を形
成させてもよい。そうすることによって、電子基板を製
造する工程で、容易にポリアミド多孔膜が形成されるこ
とになる。また、平板状のものに限らず、ディッピング
などによって不定形の多孔膜を形成してもよい。
【0038】得られたポリアミド多孔質膜は、膜の断面
方向に、微多孔質からなる層と相対的に大きな空隙また
は開口部を有する層とが積み重なっており、且つ上記2
層が貫通微細孔により互いに連結されている構造を有す
る。さらに、相対的に大きな空隙を有する層側の表面で
は粒状構造が生じ、且つ空隙の位置が粒界上に偏ってい
ない。したがって、従来の製法で得られたポリアミド多
孔質膜と比較して機械的強度及び寸法安定性に優れてい
る。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。参考例、実施例、比較例における試験・評価方法ま
たは判定基準は次に示すとおりである。
【0040】(ポリアミド多孔質フィルムの評価)ポリ
アミド多孔質フィルムの膜厚、空孔率の測定は以下に従
って行った。
【0041】(1)空隙率 所定の大きさに切取った多孔質フィルムの膜厚及び重量
を測定し、目付重量から空隙率を次の式(1)によって
求めた。式(1)のSは多孔質フィルムの面積、dは膜
厚、Wは測定した重量、Dはポリアミドの密度を意味す
る。 空隙率(%)=100−100×(W/D)/(S×d)…………(1)
【0042】(2)引張強さ JIS K 7127に準じて測定した。東洋ボールド
ウィン社製テンシロン万能試験機を使用し、試験速度1
0mm/minで引張強度を測定した。
【0043】(3)突刺強度 試料を直径11.28mm、面積1cm2の円孔ホルダ
ーに固定し、先端形状が0.5R、直径1mmφのニー
ドルを2mm/secの速度で下降させ突刺し、貫通荷
重を測定した。
【0044】(4)乾熱収縮率 JIS K 7100に準じて温度23℃、相対湿度5
0%で状態調節した試料に、所定の長さに目盛りを記し
た後、無拘束状態で160℃に設定したオーブン中で5
分間静置し、取出した後の寸法を測定した。乾熱収縮率
は次の式(2)に従う。式(2)のL1はオーブンから
取出した後のフィルム寸法を意味し、L0は初期のフィ
ルム寸法を意味する。 乾熱収縮率(%)=[1−(L1/L0)]×100 …………(2)
【0045】(5)誘電率 ASTM D150に準じて測定した。温度25℃、乾
燥状態で、周波数60ヘルツの値を用いた。
【0046】実施例1 (ポリアミド多孔フィルムの作製)ポリアミドとして数
平均分子量13000のポリアミド6を用い、80℃以
下に沸点を有するアルコール系溶媒としてHFIPを用
いた。上記ポリアミドが2重量%の濃度になるようにH
FIPに、常温で溶解させることによりポリアミド溶液
を得た。
【0047】得られたポリアミド溶液を、ガラス板上に
該溶液の厚みが300μmになるように流延した。上記
ポリアミド溶液の膜状物を、常温大気圧下にて自然乾燥
させたところ、該膜の面内方向の濃度揺らぎが生じた
後、乾燥した膜が得られた。次いで該膜を上記ガラス板
から剥離することによってポリアミドの多孔質膜を得
た。得られた多孔質膜の膜厚は15μmであり、水やメ
タノール、アセトンなどの液体をフィルム表面に滴下す
ると上記液体が透過した。また走査型電子顕微鏡で観察
したところ、得られた多孔質フィルムは膜の断面方向
に、約3μm以下の孔径の空隙を有する層と約8μm以
上の孔径の相対的に大きな空隙を有する層とが積み重な
った構造を有し、且つ上記2層が約1μm以下の径の貫
通微細孔で互いに連結された構造を有していた。
【0048】得られた多孔質膜のポリアミド6の密度と
して1.13g/cm3を用いて求めた空隙率は51
%、引張強さは1.9kgf/mm2、突刺強度は76
gf、乾熱収縮率は1.0%であった。このフィルムを
PPA1とする。
【0049】実施例2 数平均分子量24000のポリアミド6を2重量%と、
数平均分子量24000のポリアミド12を2重量%含
むポリアミドのHFIP溶液を調製した以外は、実施例
1と同様にしてポリアミド多孔質膜を得た。得られた多
孔質膜の膜厚は31μmであった。 また、ポリアミド
の密度として1.09g/cm3を用いて求めたこの膜
の空隙率は56%で、引張強さは0.61kgf/mm
2であり、乾熱収縮率は3.0%であった。このフィル
ムをPPA2とする。
【0050】実施例3 80℃以下に沸点を有するアルコール系溶媒としてHF
IPの49モル%とメタノールの51モル%からなる混
合溶媒を用い、ポリアミド6が3.3重量%の濃度にな
るようにポリアミド溶液を調製した以外は、実施例1と
同様にしてポリアミド多孔質膜を得た。得られた多孔質
膜の膜厚は13μmであった。また、走査型電子顕微鏡
で観察したところ、得られた多孔質膜は膜の断面方向
に、3μm以下の径の空隙を有する層と4μm以上の相
対的に大きな空隙を有する層とが積み重なった構造を有
し、且つ上記2層が2μm以下の径の貫通微細孔で互い
に連結された構造を有していた。また、空隙率は38%
で、引張強さは1.4kgf/mm2であり、乾熱収縮
率は3.0%であった。このフィルムをPPA3とす
る。
【0051】実施例4 (誘電率の測定)実施例1で得られた多孔ポリアミドフ
ィルム(PPA1)を、厚さ250μmに重ね合わせ
て、誘電率を測定した。誘電率は2.5、誘電損失は
0.04であった。
【0052】比較例1 ポリアミド6(宇部興産製UBEナイロン6、1013
B)の穴の空いていないフィルム(厚さ10μm)を厚
さ250μm程度に重ね合わせて誘電率を実施例4と同
様にして測定した。誘電率は4.1、誘電損失は0.0
5であった。
【0053】実施例5 実施例2で得られた多孔ポリアミドフィルム(PPA
2)を、実施例4と同様にして誘電率を測定した。誘電
率は2.4、誘電損失は0.05であった。
【0054】実施例6 実施例3で得られた多孔ポリアミドフィルム(PPA
3)を、実施例4と同様にして誘電率を測定した。誘電
率は2.9、誘電損失は0.03であった。
【0055】実施例7 実施例1で得られた多孔ポリアミドフィルム(PPA
1)と、ポリエチレンテレフタレート(PET)を50
v%づつを厚さ250μmとなるように重ね合わせて、
実施例4と同様に誘電率を測定した。誘電率は2.6
で、誘電損失は0.03であった。
【0056】
【発明の効果】本発明の低誘電率ポリマーフィルムは、
フィルムの断面方向に、微多孔質からなる層と相対的に
大きな空隙または開口部を有する層とが重なった構造を
有するフィルムであって、制御された空孔率をもち、機
械強度にも優れる。これにより、簡素な工程により、経
済的に製造できる低誘電率ポリマーフィルムを提供す
る。本発明は、特に高速処理の電子分野に好適に用いら
れる低誘電率の絶縁ポリマーフィルムに用いることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA71 CB34 CB47 CC10X DA03 DA14 DA23 DA47 DA48 5G305 AA02 AA06 AA07 AB10 BA18 BA25 CA20 5G333 AA03 AB05 AB12 CA03 DA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細な貫通孔を有する、多孔質構造を持
    ち、空孔率35〜85%、孔径0.01〜5μm、膜厚
    5〜50μmである多孔質ポリアミドフィルムであっ
    て、かつ、膜の断面方向に、微多孔質からなる層と相対
    的に大きな空隙または開口部を有する層とが積み重なっ
    た構造を有し、且つ上記2層が貫通微細孔により互いに
    連結されていることを特徴とする低誘電率フィルム。
  2. 【請求項2】 相対的に大きな空隙を有する層側の表面
    では粒状構造が生じ、且つ空隙の位置が粒界上に偏って
    いないことを特徴とする請求項1記載の低誘電率フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 25℃での誘電率が3.0以下である請
    求項1記載の低誘電率フィルム。
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