JP2006237047A - 微細ポリアミドイミド繊維および/または微細ポリイミド繊維を用いた薄型プリント配線基板用樹脂積層板 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄板化、軽量化、耐クラック性、電気特性及びレーザー加工性に優れた多層プリント配線基板用樹脂積層板を提供する。
【解決手段】繊維直径が0.01μm以上、2μm未満の微細なるポリアミドイミド繊維および/またはポリイミド繊維を主体として構成される不織布に熱硬化性樹脂を含浸させてなるプリプレグを積層することにより達成される。従来に比して著しく薄型化した不織布を補強材として用いるため積層板そのものも薄型で軽量化、高剛性化、誘電率及び誘電損失等の電気的特性及びレーザー加工性に優れたプリント配線基板用樹脂積層板を提供することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】繊維直径が0.01μm以上、2μm未満の微細なるポリアミドイミド繊維および/またはポリイミド繊維を主体として構成される不織布に熱硬化性樹脂を含浸させてなるプリプレグを積層することにより達成される。従来に比して著しく薄型化した不織布を補強材として用いるため積層板そのものも薄型で軽量化、高剛性化、誘電率及び誘電損失等の電気的特性及びレーザー加工性に優れたプリント配線基板用樹脂積層板を提供することができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は多層プリント配線基板に関するものであって、更に詳しくは繊維直径が0.01μm以上、2μm未満の微細ポリアミドイミド繊維および/または微細ポリイミド繊維で構成される不織布を補強材と用いるため従来に比して薄型であって且つ、軽量化、耐クラック性、電気特性及びレーザー加工性に優れた多層プリント配線基板に関する。
近年、電子機器における高性能化は留まることなく進展しており、このうち多機能化、携帯性は今後とも益々重要視される。このため、電子機器内部で用いられるプリント配線板においてはビルトアップ方式をはじめとする各種方式による多層プリント配線板が採用されて久しい。
従来の方式による多層プリント配線板の製造においては層間絶縁材料として樹脂単体あるいはガラス織布基材エポキシ樹脂プリプレグ等を用いている。樹脂単体による絶縁層は樹脂付銅箔をコアプリント配線板表面に加熱加圧成形により一体成形するか、熱硬化樹脂をコアプリント配線板表面に塗布し金属箔を載置して加熱加圧成形により一体成形する。ガラス織布基材エポキシ樹脂プリプレグによる絶縁層は前記プリプレグをコアプリント配線板表面に載置し、更に金属箔を重ねて加熱加圧成形により一体成形する。その後、成形した絶縁層に炭酸ガスレーザーで開けたビア孔内を銅メッキしてプリント配線の層間接続をとる構造が一般的である。
ところでこの従来の多層プリント配線板に多く使われてきたガラス繊維は強度面や樹脂との密着性の面で優れているものの、誘電率が高いという電気的欠点と、比重が重いという物理的欠点を有してきた。また、ガラス繊維そのものが太いため多層プリント配線板を薄くすることが出来ない欠点もあった。
これら欠点に対して、例えば特許文献1に記載されているように、低誘電率、低比重、低吸湿性のポリエステル繊維から成る織布を基材とするプリント配線基板が開示されている。しかしながらこの方法では低比重、非吸水性のプリント配線基板が得られるものの、使用する繊維そのものが太いため薄いプリント配線基板を得ることは不可能であった。
薄型化と高密度実装化は密接なる繋がりがあり、従来のプリント配線基板では基板そのものが厚いため、いわゆる軽薄短小の電子機器を作ることには限界があった。また今後のプリント配線基板の動向としてはよりファインライン化、よりマイクロビア化、そしてより緻密で均一な薄型基板となるであろうことは間違いない。このため、この目的のためにいくつかの手法も開示されている。例えば特許文献2に記載されているように、繊維直径や収縮率を厳しく規定した溶融液晶性ポリエステル繊維を補強材料に使用する方法や、例えば特許文献3に記載されているように、単糸断面が扁平化されたアラミド繊維からなる布帛や不織布を用いる方法などが示されている。しかしながらこれらの方法で用いられる繊維素材はせいぜいシングルミクロンクラスであるため自ずと薄板化には限界がありその効果は限定的であった。繊維の密度を下げることで僅かながらでも薄板化は可能ではあるが、この場合にはプリント配線基板の剛性が不足し、製造時や部品実装時に基板の折れが発生し重大な欠点となる。また多層プリント配線板においては繊維径が太い場合、プリプレグの表面平滑性が不十分でこのために発生する凹凸が高密度ファインライン化を妨げる結果となる。更に繊維径が太いとレーザーによる穴あけ加工で孔壁に繊維の断片が突出したような状況となり層間接続のためのメッキ析出が不完全となるばかりか、金属片脱落による誤動作発生など重大なる欠陥を招いていた。
従来の如くシングルミクロンクラスの繊維では要望される特性を得ることが難しく、サブミクロンクラス以下の繊維を用いた多層プリント配線板が熱望されているのが現状である。
特開昭62−36892号公報
特開2002−64254号公報
特開2003−49388号公報
近年の電子機器の小型化、軽量化に伴う基板の高密度実装のために薄型かつ軽量・高剛性の多層プリント配線板は切望されているものの、従来のいずれの方式でも解決し得ない問題がある。基板の薄型化のためにはプリプレグ製造の際、補強材として用いる不織布の繊維径を充分に細くする必要があるが全てを満足するに足りる繊維素材が無いことが実情であった点に鑑み本発明者らは鋭意検討を進めてきた結果、遂に本発明を完成させることができたものである。即ち、その課題とするところは、薄型化、軽量化、耐クラック性、電気特性及びレーザー加工性に優れた多層プリント配線基板を提供することにある。
本発明に係る多層プリント配線板は、耐熱性に優れ、その繊維径が著しく微細なポリアミドイミド繊維および/またはポリイミド繊維を必須成分とする少なくとも1種類以上の繊維からなる不織布に熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグ層を加熱加圧成形してなるプリント配線基板用樹脂積層板であるが、本発明における微細ポリアミドイミド繊維および微細ポリイミド繊維は直径が0.01μm以上、2μm未満の微細繊維であることが特徴である。
ポリイミド樹脂は、1960年代に高温・高放射線下に長期間耐える軽量な有機材料として開発された。また、ポリアミドイミド樹脂はポリイミド樹脂の加工性を改良する目的で主鎖にアミド結合を導入した樹脂で、1970年代に初めて開発・上市された。いずれも250℃という厳しい高温環境下でも、連続使用に耐え、高い耐クリ−プ性・疲労特性を示す。電気特性としては、広い温度・周波数領域にわたって、安定した特性を示す。更に高温下においても摺動特性に優れるうえ、脂肪族および芳香族炭化水素、塩素化およびフッ素化炭化水素、及びほとんどの酸に対する優れた耐薬品性を有し、また線膨張係数が小さく、寸法安定性に優れ高精度な機械加工が可能であり、放射線安定性に優れることから各種用途で活用されている。
本発明では、上記の微細ポリアミドイミド繊維および/または微細ポリイミド繊維で構成される不織布を基材としてプリプレグを作成するため、50μm以下の厚さの絶縁層形成を可能にするのである。更に微細ポリアミドイミド繊維で形成した不織布表面は繊維の太さによる凹凸が抑制され、極めて平滑性に富むためこれをプリプレグとして加熱加圧成形した後の絶縁層の表面も同様に平滑である。このことからプリント配線のファインライン化に有利に働くのである。微細ポリアミドイミド繊維および/または微細ポリイミド繊維は絶縁層の樹脂中に緻密に分散するのでビア孔のレーザー加工性も孔壁の平滑性も良好となり、このため層間接続のためのメッキ析出が均一化し、金属片脱落による重大欠陥も防ぐことが可能となる。
また、微細ポリアミドイミド繊維およびポリイミド繊維の電気的特性として低誘電率、誘電損失が挙げられるため、これを多層プリント配線板に用いた場合には信号伝播速度と伝送効率が向上し、高周波への対応が可能となる。また、配線基板を薄板化できると同時に回路幅を広く設計できるメリットがある。
以上のごとく本発明によれば、微細ポリアミドイミド繊維および/または微細ポリイミド繊維からなる不織布に熱硬化性樹脂を含浸させてなるプリプレグを積層することで薄板化が可能であり、且つ軽量・高剛性であって、誘電率と誘電損失等電気的特性に優れ、更に耐クラック性及びレーザー加工性に優れた多層プリント配線基板を提供できるものである。
以下に本発明に係る多層プリント配線板について詳細に説明する。
本発明で用いる微細ポリアミドイミド繊維および微細ポリイミド繊維はそれぞれポリアミドイミド樹脂およびポリイミド樹脂から作られるものである。ポリアミドイミド樹脂およびポリイミド樹脂は特別なものである必要はなく、その製造法にも特別の制約があるものではない。一般的に行われる方法で得られるが、以下にそれを例示し説明する。
ポリアミドイミド樹脂は、芳香族トリカルボン酸一無水物と芳香族ジアミンとの当モル量を有機極性溶媒中、脱水触媒存在下、高温で重縮合・イミド化反応をさせる方法や、無水トリメリット酸モノクロリドに代表される無水芳香族トリカルボン酸モノクロリドと芳香族ジアミンとの当モル量を有機極性溶媒中、低温で重縮合・イミド化反応をさせる方法、または芳香族トリカルボン酸一無水物と芳香族ジイソシアネートとをジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキシド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性の有機溶媒中高温で重縮合・イミド化反応させる方法等によって製造される。尚、これらの有機溶媒とトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、γ−ブチルラクトン等を限定的に併用することも可能である。
いずれの場合もアミド結合をしながら重合し高分子量化してゆくが、一方ではこの成長と同時に又は後からアミド酸部分が分子内イミド化反応も行われ目的のポリアミドイミドとなって該溶媒中に溶解して得られる。従って本発明で言うポリアミドイミド樹脂は基本的にはアミドイミドの構造そのものであるが、しかし或る程度未イミド化のアミド酸部分を含有するものであってもかまわない。
ここで芳香族トリカルボン酸一無水物としてはトリメリット酸一無水物が望ましいが、その一部を他の多塩基酸またはその無水物に置き換えることができる。例えば、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、プロピレングリコールビストリメリテート等のテトラカルボン酸及びこれらの無水物、シュウ酸、アジピン酸、マロン酸、セバチン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、ジカルボキシポリブタジエン、ジカルボキシポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)、ジカルボキシポリ(スチレン−ブタジエン)等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
また、トリメリット酸化合物の一部をグリコールに置き換えることもできる。グリコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等のアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールや上述のジカルボン酸の1種又は2種以上と上記グリコールの1種又は2種以上とから合成される、末端水酸基のポリエステル等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては3,3′−ジアミノベンゾフェノン、P−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−{3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル}フェニル]エーテル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2′−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。ここで芳香族ジアミン成分が主鎖にアミド結合を持っている場合(例えば前記4,4′−ジアミノベンツアニリド)には、酸成分として芳香族テトラカルボン酸二無水物を組み合わせることができる。
そして芳香族ジイソシアネートとしては前記例示する芳香族ジアミンの2つのアミノ基がイソシアネート基に置換されたものが例示できる。
一方、ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸誘導体と1級ジアミンを反応、重合させてポリイミド前駆体とし、閉環イミド化してポリイミドとするのが一般的である。本発明のポリイミド樹脂またはその前駆体を得るために使用されるテトラカルボン酸誘導体の具体例を挙げると、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジンなどの芳香族テトラカルボン酸及びこれらの二無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4− テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸などの脂環式テトラカルボン酸及びこれらの二無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などの脂肪族テトラカルボン酸及びこれらの二無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物などが挙げられる。
ここでポリイミド樹脂を得るために使用されるジアミンの具体例を挙げれば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジニフェニルエーテル、2,2−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどの芳香族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン及びテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、更にはジアミノシロキサン等が挙げられる。
テトラカルボン酸誘導体とジアミンを反応、重合させポリイミド前駆体とするが、この際用いるテトラカルボン酸誘導体としてはテトラカルボン酸二無水物を用いるのが一般的である。テトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル数の比は0.8から1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応、重合させる方法は、特に限定されるものではなく、一般にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機極性溶媒中にジアミンを溶解し、その溶液中にテトラカルボン酸二無水物を添加、反応させてポリイミド前駆体を合成する。その際の反応温度は−20℃から150℃、好ましくは−5℃から100℃の任意の温度を選択することができる。
前記により製造されるポリアミドイミド樹脂およびポリイミド樹脂の数平均分子量の制御は一般に反応時間を変えることで行得るが、一般的には10000〜100000、好ましくは20000〜80000の範囲が適切である。
次に上記ポリアミドイミド樹脂およびポリイミド系樹脂から直径が0.01μm以上、2μm未満の微細ポリアミドイミド繊維を得る必要があるが、この方法には特別な制約がある訳ではなく、微細化を可能ならしめる方法であれば良い。ここでは一例として容易に微細ポリアミドイミド繊維および微細ポリイミド繊維を得る湿式紡糸法を示す。
先ず、微細ポリアミドイミド繊維については、ポリアミドイミド樹脂と、少なくとも1種類以上の繊維形成性高分子化合物を共通の有機溶剤に溶解した混合物を紡糸原液とし、これを繊維形成性高分子化合物に対して固化能を有する浴中に細孔を通して湿式紡糸した後、乾燥・熱処理を施す方法で易分割性ポリアミドイミド繊維を得て、さらにこの易分割性繊維から繊維形性高分子化合物のみを選択的に溶解することで微細ポリアミドイミド繊維が得ることができる。
一方、微細ポリイミド繊維については、既にイミド化が終了したポリイミド樹脂がN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒に溶解できる場合が望ましく、ポリイミド系樹脂そのものを紡糸原液の一方として用いることができる。
しかしながらポリイミド系樹脂はその分子量にもよるが一般にイミド化後は有機溶媒に不溶になる場合が多い。この場合には、シロキサン変成等の方法で有機溶剤への溶解性を付与する方法も取り得る。具体的にはポリイミド分子主鎖の中にジアミノシラン等を導入する共重合体とする手法である。
また、ポリイミド前駆体を有機溶媒に溶解したものを繊維形成性高分子化合物と共通の有機溶剤に溶解させたものを紡糸原液として用いても良い。
繊維形性高分子化合物としては二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン及びこれらの共重合体或いはこれらの混合物が上げられる。
例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロースを使用する場合はN−メチル−2−ピロリドンに溶解することが好適である。ポリアクリロニトリルを用いる場合はジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、N−メチル−2−ピロリドン等に溶解することが可能である。その他の繊維形性能高分子化合物についても適宜溶剤を選択すれば良く、更には2種類以上の混合溶剤を用いることも可能である。
続いて、本発明に供せられるポリアミドイミド樹脂およびポリイミド樹脂と高分子化合物から紡糸原液を調整する方法について説明する。この場合、ポリアミドイミド樹脂またはポリイミド樹脂と繊維形成性高分子化合物の両者に溶解能を持つ有機溶剤に溶解した混合物を紡糸原液とする。この混合液を紡糸して生成する易分割性ポリアミドイミド繊維またはポリイミド系繊維中のポリアミドイミド樹脂またはポリイミド樹脂と繊維形成性高分子化合物の割合は使用目的に応じて高分子化合物:ポリアミドイミド樹脂またはポリイミド系樹脂=75:25〜25:75から選択可能である。易分割性ポリアミドイミド繊維および易分割性ポリイミド繊維から微細ポリアミドイミド繊維およびポリイミド系繊維を得るためには海成分の繊維形性高分子化合物のみを選択的に溶解する溶媒に浸漬する等の溶解処理が望ましい。例えば用いた繊維形性高分子化合物が二酢酸セルロースの場合にはアセトンが好適であり、三酢酸セルロースの場合には塩化メチレンが好適である。またポリアクリロニトリルの場合にはジオキサンやチオシアン酸ナトリウム水溶液などに浸漬するなどの方法で容易に微細ポリアミドイミド繊維および微細ポリイミド繊維を得ることができる。
本発明のプリント配線基板用樹脂積層板を得るためには前述の例示等の方法で得た微細ポリアミドイミド繊維および/または微細ポリイミド繊維を用いて不織布を形成する必要があるが、その方法は従来からの公知の手法に従えば良い。不織布は繊維素材を化学的あるいは機械的な手法で交絡させたり接着させてシート状にしたものであるが、その一形態としてはペーパー状であっても良い。その製造には各種の方式があるが、本発明の目的を損なわない限り、いずれの方法も可能である。
一例として湿式法による不織布製造の実施の形態として以下の方法が挙げられる。先に製造した微細ポリアミドイミド繊維および/またはポリイミド繊維を水中で叩解し、水中に均一に分散させ、金網上(長網もしくは丸網)に流下させて脱水し、乾燥させることで不織布を得ることができる。この際、不織布の強度を上げる等の目的で微細ポリアミドイミド繊維および微細ポリイミド繊維以外の繊維素材を混ぜることも可能である。この目的には例えばアラミド繊維、ガラス繊維、ポリエーテルケトン繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリイミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維あるいはポリエステル系繊維などが挙げられるが、本目的に合致するには5μm以下の極力細い繊維であることが好ましく、その配合量も本発明の効果を阻害しない範囲に留めるべきであって、使用する繊維素材全体の30質量%以下、好ましくは10質量%以下が適切である。また後に多層プリント配線板とした場合の電気的特性を考慮して、特に構造中に大きな極性基を有したり、吸水性が極端に高い繊維は誘電率、誘電正接等が大きくなり過ぎる可能性があるので使用には注意が必要である。
このようにして作成した不織布の厚さ斑を補正し、より平滑性を高める目的でカレンダー処理などの平滑加工を行うことは本発明においても有効である。
上記の様に得た微細ポリアミドイミド繊維および/またはポリイミド繊維で構成される不織布を用いて樹脂含浸プリプレグを製造する好ましい形態としては公知の方法で良く、例えば熱硬化性樹脂を含む組成物を不織布に含浸させて130℃〜170℃程度の温度で5〜10分程の乾熱処理を施すこと等が一般的である。熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂が一般的であるが、特に制限されるものではない。例えばエポキシ当量が170〜1000のビスフェノールA型エポキシ樹脂が好適である。ビスフェノールA型エポキシ樹脂は臭素化されたものでも良い。エポキシ当量に関しては1000を超えると含浸性が著しく低下するため望ましくない。
これ以外にはノボラック型エポキシ樹脂としてフェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールAノボラック型が挙げられる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂とも単独使用でも良いが、二種類以上を混合使用しても良い。
上記エポキシ樹脂を硬化させるための硬化剤としては特別である必要は無く、通常、好適に用いられるジシアンジアミド、芳香族アミン等のアミン系硬化剤、あるいはフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂等のフェノール系硬化剤等が本発明においても使用可能である。
また、従来からプリント配線基板用樹脂積層板において良く行われている様に、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の難燃剤を添加剤として用いることも本発明では可能である。
続いて、得られた樹脂含浸プリプレグから多層プリント配線基板用樹脂積層板を製造する好ましい形態としては自体が公知の方法で良く、例えば樹脂含浸プリプレグを所望の枚数を積層し、150℃〜220℃程度で圧力2〜6MPa程度の圧力を加えながら40分〜120分程度の加熱加圧成形する方法が一般的である。またこの加熱加圧成形時に銅を代表とする金属箔を同時に積層することで本発明で言うところの少なくとも一方の面に金属箔が一体に張り付けられているプリント配線基板用樹脂積層板を得ることができる。本発明の樹脂含浸プリプレグは加熱加圧成形後に5μm以上40μm以下、好ましくは10μm以上20μm以下である。
本発明によるプリント配線基板用樹脂積層板は高耐熱性の微細ポリアミドイミド繊維および微細ポリイミド繊維が樹脂含浸プリプレグ内に均一、緻密に分布しているため低熱膨張性であるうえ機械加工による応力集中が少なく、故に耐クラック性に優れる。また従来のガラス繊維等に比べ極めて細い繊維であるため孔壁もきれいに仕上がる等、レーザー加工性にも優れる。樹脂含浸プリプレグそのものを薄板化できるため、積層板も薄く、この結果、軽量のプリント配線基板用樹脂積層板を提供することができるのである。
以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
〔微細ポリアミドイミド繊維の調整〕
5Lの反応容器にトリメリット酸無水物325g、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート424g、およびN−メチル−2−ピロリドン1400gを仕込み、攪拌しながら200℃まで約1.5時間で昇温させた。その後、200℃を保ちながら約5時間攪拌を続けて粘調なポリアミドイミド系樹脂溶液を得た。この樹脂の数平均分子量をGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算にて求めたところ約55000であった。このポリアミドイミド系樹脂溶液にN−メチル−2−ピロリドンを加え固形分濃度を15%に調整した。
これとは別に酢化度55%、重合度120の二酢酸セルロース150gを850gのN−メチル−2−ピロリドンに入れ常温で約1時間攪拌した後、更に60℃に昇温し30分の攪拌混合を行い完全に溶解したことを確認し、冷却して二酢酸セルロース溶液(固形分15%)を得た。この二酢酸セルロース溶液と前述のポリアミドイミド系樹脂溶液を固形分の質量比がニ酢酸セルロース:ポリアミドイミド系樹脂=6:4になるように加え、小型ホモジナイザーで攪拌し均一な微黄色透明混合液を得た。
次にこれを孔径0.1mm、ホール数80の紡糸口金から一定吐出量を保ちながら、N−メチル−2−ピロリドン濃度10wt%、25℃の水溶液中に押出した。凝固浴中で延伸倍率が2〜3になるよう巻取りローラーの回転数を調整した。尚、凝固浴中の浸漬時間は約60秒であった。
巻取った糸條は緊張状態を保ったまま室温で5分間の風乾を行った後、窒素雰囲気下250℃で20分の乾燥を行い易分割性ポリアミドイミド系繊維束を得た。この易分割性ポリアミドイミド系繊維束を20mmにカットした後、一部をガラス容器に入れた常温のアセトンに漬け、更にマグネチックスターラーで攪拌を行った。10分間の攪拌の後、約10分間静置したところ容器の底に微細な繊維が沈降した。上澄みのアセトンを除き、新たにアセトンを加え更に10分間の攪拌と約10分間静置を行った。この操作を合計5回繰り返した後、容器の底から採取した微細繊維を走査型電子顕微鏡で確認したところ、繊維径0.05μm〜1μm、繊維長が0.01mm〜20mmの微細ポリアミドイミド繊維であることを確認した。
〔微細ポリイミド繊維の調整〕
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口、および窒素ガス導入口を備えた2Lの四つ口フラスコに、24.5gの4,4′−ジアミノジフェニルメタンおよび437mlの乾燥N−メチル−2−ピロリドンを入れ、乾燥窒素気流下攪拌溶解した。反応系の温度を5〜70℃の範囲内に保ちながら、26.9gのピロメリット酸二無水物を添加して、24時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈殿させた。その後、更にメタノールで洗浄し、減圧下、40℃で24時間乾燥させた。得られたポリイミド系樹脂前駆体(ポリアミック酸)のGPCによる分子量は、75,000であった。このポリイミド系樹脂前駆体にN−メチル−2−ピロリドンを加え固形分濃度を15%に調整した
これとは別に酢化度55%、重合度120の二酢酸セルロース75gを425gのN−メチル−2−ピロリドンに入れ常温で約1時間攪拌した後、更に60℃に昇温し30分の攪拌混合を行い完全に溶解したことを確認し、冷却して二酢酸セルロース溶液(固形分15%)を得た。この二酢酸セルロース溶液と前述のポリアミド系樹脂前駆体溶液を固形分の質量比がニ酢酸セルロース:ポリアミド系樹脂前駆体=6:4になるように加え、小型ホモジナイザーで攪拌し均一な微黄色透明混合液を得た。
次にこれを孔径0.1mm、ホール数80の紡糸口金から一定吐出量を保ちながら、N−メチル−2−ピロリドン濃度4wt%、25℃の水溶液中に押出した。凝固浴中で延伸倍率が2〜3になるよう巻取りローラーの回転数を調整した。尚、凝固浴中の浸漬時間は約60秒であった。
巻取った糸條は緊張状態を保ったまま室温で5分間の風乾を行った後、窒素雰囲気下180℃で5分の乾燥を行った。
引続き窒素雰囲気下220℃で40分の熱処理を行いイミド化し、易分割性ポリイミド系繊維束を得た。この易分割性ポリイミド系繊維束の一部をガラス容器に入れた常温のアセトンに漬け、更にマグネチックスターラーで攪拌を行った。10分間の攪拌の後、約10分間静置したところ容器の底に微細な繊維が沈降した。上澄みのアセトンを除き、新たにアセトンを加え更に10分間の攪拌と約10分間静置を行った。この操作を合計5回繰り返した後、容器の底から採取した微細繊維を走査型電子顕微鏡で確認したところ、繊維径0.1μm〜1μm、繊維長が0.01mm〜1mmの微細ポリイミド系繊維であることを確認した。
〔微細ポリアミドイミド繊維の調整〕
5Lの反応容器にトリメリット酸無水物325g、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート424g、およびN−メチル−2−ピロリドン1400gを仕込み、攪拌しながら200℃まで約1.5時間で昇温させた。その後、200℃を保ちながら約5時間攪拌を続けて粘調なポリアミドイミド系樹脂溶液を得た。この樹脂の数平均分子量をGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算にて求めたところ約55000であった。このポリアミドイミド系樹脂溶液にN−メチル−2−ピロリドンを加え固形分濃度を15%に調整した。
これとは別に酢化度55%、重合度120の二酢酸セルロース150gを850gのN−メチル−2−ピロリドンに入れ常温で約1時間攪拌した後、更に60℃に昇温し30分の攪拌混合を行い完全に溶解したことを確認し、冷却して二酢酸セルロース溶液(固形分15%)を得た。この二酢酸セルロース溶液と前述のポリアミドイミド系樹脂溶液を固形分の質量比がニ酢酸セルロース:ポリアミドイミド系樹脂=6:4になるように加え、小型ホモジナイザーで攪拌し均一な微黄色透明混合液を得た。
次にこれを孔径0.1mm、ホール数80の紡糸口金から一定吐出量を保ちながら、N−メチル−2−ピロリドン濃度10wt%、25℃の水溶液中に押出した。凝固浴中で延伸倍率が2〜3になるよう巻取りローラーの回転数を調整した。尚、凝固浴中の浸漬時間は約60秒であった。
巻取った糸條は緊張状態を保ったまま室温で5分間の風乾を行った後、窒素雰囲気下250℃で20分の乾燥を行い易分割性ポリアミドイミド系繊維束を得た。この易分割性ポリアミドイミド系繊維束を20mmにカットした後、一部をガラス容器に入れた常温のアセトンに漬け、更にマグネチックスターラーで攪拌を行った。10分間の攪拌の後、約10分間静置したところ容器の底に微細な繊維が沈降した。上澄みのアセトンを除き、新たにアセトンを加え更に10分間の攪拌と約10分間静置を行った。この操作を合計5回繰り返した後、容器の底から採取した微細繊維を走査型電子顕微鏡で確認したところ、繊維径0.05μm〜1μm、繊維長が0.01mm〜20mmの微細ポリアミドイミド繊維であることを確認した。
〔微細ポリイミド繊維の調整〕
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口、および窒素ガス導入口を備えた2Lの四つ口フラスコに、24.5gの4,4′−ジアミノジフェニルメタンおよび437mlの乾燥N−メチル−2−ピロリドンを入れ、乾燥窒素気流下攪拌溶解した。反応系の温度を5〜70℃の範囲内に保ちながら、26.9gのピロメリット酸二無水物を添加して、24時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈殿させた。その後、更にメタノールで洗浄し、減圧下、40℃で24時間乾燥させた。得られたポリイミド系樹脂前駆体(ポリアミック酸)のGPCによる分子量は、75,000であった。このポリイミド系樹脂前駆体にN−メチル−2−ピロリドンを加え固形分濃度を15%に調整した
これとは別に酢化度55%、重合度120の二酢酸セルロース75gを425gのN−メチル−2−ピロリドンに入れ常温で約1時間攪拌した後、更に60℃に昇温し30分の攪拌混合を行い完全に溶解したことを確認し、冷却して二酢酸セルロース溶液(固形分15%)を得た。この二酢酸セルロース溶液と前述のポリアミド系樹脂前駆体溶液を固形分の質量比がニ酢酸セルロース:ポリアミド系樹脂前駆体=6:4になるように加え、小型ホモジナイザーで攪拌し均一な微黄色透明混合液を得た。
次にこれを孔径0.1mm、ホール数80の紡糸口金から一定吐出量を保ちながら、N−メチル−2−ピロリドン濃度4wt%、25℃の水溶液中に押出した。凝固浴中で延伸倍率が2〜3になるよう巻取りローラーの回転数を調整した。尚、凝固浴中の浸漬時間は約60秒であった。
巻取った糸條は緊張状態を保ったまま室温で5分間の風乾を行った後、窒素雰囲気下180℃で5分の乾燥を行った。
引続き窒素雰囲気下220℃で40分の熱処理を行いイミド化し、易分割性ポリイミド系繊維束を得た。この易分割性ポリイミド系繊維束の一部をガラス容器に入れた常温のアセトンに漬け、更にマグネチックスターラーで攪拌を行った。10分間の攪拌の後、約10分間静置したところ容器の底に微細な繊維が沈降した。上澄みのアセトンを除き、新たにアセトンを加え更に10分間の攪拌と約10分間静置を行った。この操作を合計5回繰り返した後、容器の底から採取した微細繊維を走査型電子顕微鏡で確認したところ、繊維径0.1μm〜1μm、繊維長が0.01mm〜1mmの微細ポリイミド系繊維であることを確認した。
[実施例1]
前述の微細ポリアミドイミド繊維を叩解機を用いて水中でスラリーを調整した。このスラリーを丸網抄紙機にて抄紙し、これを110℃で熱風乾燥を行い、微細ポリアミドイミド繊維100%、目付け25g/m2の不織布を作成した。この不織布を更に表面温度150℃、線圧100Kg/cmでカレンダー処理し平滑性向上を図った。
また、多官能エポキシ樹脂(東都化成製YDCN−704)35質量%、二官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製Ep−828)7.8質量%、ビスフェノール類ノボラック樹脂(ジャパンエポキシレジン製YLH−129)17質量%、テトラブロモビスフェノールA17質量%、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2質量%、メチルエチルケトン23質量%の割合で混ぜ合わせて樹脂ワニスを作成した。
この樹脂ワニスを不織布に含浸し、150℃で7分間乾燥して樹脂含有量50質量%のプリプレグを得た。このプリプレグを5枚重ね、その両面に厚さ18μmの銅箔を積層した。この積層板を厚さ10mmのステンレス板(鏡面処理品)2枚の間に挟み、圧力4MPa、温度200℃の条件下100分間加熱加圧処理して厚さ0.20mm〜0.25mmのプリント配線基板を作成した。
前述の微細ポリアミドイミド繊維を叩解機を用いて水中でスラリーを調整した。このスラリーを丸網抄紙機にて抄紙し、これを110℃で熱風乾燥を行い、微細ポリアミドイミド繊維100%、目付け25g/m2の不織布を作成した。この不織布を更に表面温度150℃、線圧100Kg/cmでカレンダー処理し平滑性向上を図った。
また、多官能エポキシ樹脂(東都化成製YDCN−704)35質量%、二官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製Ep−828)7.8質量%、ビスフェノール類ノボラック樹脂(ジャパンエポキシレジン製YLH−129)17質量%、テトラブロモビスフェノールA17質量%、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2質量%、メチルエチルケトン23質量%の割合で混ぜ合わせて樹脂ワニスを作成した。
この樹脂ワニスを不織布に含浸し、150℃で7分間乾燥して樹脂含有量50質量%のプリプレグを得た。このプリプレグを5枚重ね、その両面に厚さ18μmの銅箔を積層した。この積層板を厚さ10mmのステンレス板(鏡面処理品)2枚の間に挟み、圧力4MPa、温度200℃の条件下100分間加熱加圧処理して厚さ0.20mm〜0.25mmのプリント配線基板を作成した。
[実施例2]
前述の微細ポリアミドイミド繊維90質量%、平均繊維径5μm、平均繊維長2mmのパラアラミド繊維10質量%の割合で混合して叩解機を用いて水中でスラリーを調整した。このスラリーを丸網抄紙機にて抄紙し、これを110℃で熱風乾燥を行い、目付け25g/m2の不織布を調整した。この不織布を更に表面温度180℃、線圧120Kg/cmでカレンダー処理し平滑性向上を図った。
この不織布に実施例1で使用した樹脂ワニスを含浸し、150℃で7分間乾燥して樹脂含有量50質量%のプリプレグを得た。このプリプレグを5枚重ね、その両面に厚さ18μmの銅箔を積層した。この積層板を厚さ10mmのステンレス板(鏡面処理品)2枚の間に挟み、圧力4MPa、温度200℃の条件下100分間加熱加圧処理して厚さ0.20mm〜0.25mmのプリント配線基板を作成した。
前述の微細ポリアミドイミド繊維90質量%、平均繊維径5μm、平均繊維長2mmのパラアラミド繊維10質量%の割合で混合して叩解機を用いて水中でスラリーを調整した。このスラリーを丸網抄紙機にて抄紙し、これを110℃で熱風乾燥を行い、目付け25g/m2の不織布を調整した。この不織布を更に表面温度180℃、線圧120Kg/cmでカレンダー処理し平滑性向上を図った。
この不織布に実施例1で使用した樹脂ワニスを含浸し、150℃で7分間乾燥して樹脂含有量50質量%のプリプレグを得た。このプリプレグを5枚重ね、その両面に厚さ18μmの銅箔を積層した。この積層板を厚さ10mmのステンレス板(鏡面処理品)2枚の間に挟み、圧力4MPa、温度200℃の条件下100分間加熱加圧処理して厚さ0.20mm〜0.25mmのプリント配線基板を作成した。
[実施例3]
前述の微細ポリアミドイミド繊維50質量%、微細ポリイミド繊維平均繊維径50質量%の割合で混合して叩解機を用いて水中でスラリーを調整した。このスラリーを丸網抄紙機にて抄紙し、これを110℃で熱風乾燥を行い、目付け18g/m2の不織布を調整した。この不織布を更に表面温度160℃、線圧110Kg/cmでカレンダー処理し平滑性向上を図った。
この不織布に実施例1で使用した樹脂ワニスを含浸し、150℃で7分間乾燥して樹脂含有量45質量%のプリプレグを得た。このプリプレグを5枚重ね、その両面に厚さ18μmの銅箔を積層した。この積層板を厚さ50mmのステンレス板(鏡面処理品)2枚の間に挟み、圧力4MPa、温度200℃の条件下100分間加熱加圧処理して厚さ0.18mm〜0.20mmのプリント配線基板を作成した。
前述の微細ポリアミドイミド繊維50質量%、微細ポリイミド繊維平均繊維径50質量%の割合で混合して叩解機を用いて水中でスラリーを調整した。このスラリーを丸網抄紙機にて抄紙し、これを110℃で熱風乾燥を行い、目付け18g/m2の不織布を調整した。この不織布を更に表面温度160℃、線圧110Kg/cmでカレンダー処理し平滑性向上を図った。
この不織布に実施例1で使用した樹脂ワニスを含浸し、150℃で7分間乾燥して樹脂含有量45質量%のプリプレグを得た。このプリプレグを5枚重ね、その両面に厚さ18μmの銅箔を積層した。この積層板を厚さ50mmのステンレス板(鏡面処理品)2枚の間に挟み、圧力4MPa、温度200℃の条件下100分間加熱加圧処理して厚さ0.18mm〜0.20mmのプリント配線基板を作成した。
[比較例]
タテ糸40本/25mm、ヨコ糸38本/25mmの織り密度、布重量214g/m2 、平均厚み0.19mmのガラスクロスに実施例1で使用した樹脂ワニスを含浸し、150℃で7分間乾燥して樹脂含有量50質量%のプリプレグを得た。このプリプレグを3枚重ね、その両面に厚さ18μmの銅箔を積層した。この積層板を厚さ50mmのステンレス板(鏡面処理品)2枚の間に挟み、圧力4MPa、温度180℃の条件下100分間加熱加圧処理して厚さ0.8mm〜0.85mmのプリント配線基板を作成した。
以上で得られたプリント配線基板の物性を評価した結果を表1に示す。
タテ糸40本/25mm、ヨコ糸38本/25mmの織り密度、布重量214g/m2 、平均厚み0.19mmのガラスクロスに実施例1で使用した樹脂ワニスを含浸し、150℃で7分間乾燥して樹脂含有量50質量%のプリプレグを得た。このプリプレグを3枚重ね、その両面に厚さ18μmの銅箔を積層した。この積層板を厚さ50mmのステンレス板(鏡面処理品)2枚の間に挟み、圧力4MPa、温度180℃の条件下100分間加熱加圧処理して厚さ0.8mm〜0.85mmのプリント配線基板を作成した。
以上で得られたプリント配線基板の物性を評価した結果を表1に示す。
Claims (3)
- 微細ポリアミドイミド繊維および/または微細ポリイミド繊維を必須成分とする少なくとも1種類以上の繊維からなる不織布に熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグ層を加熱加圧成形してなる薄型プリント配線基板用樹脂積層板。
- 微細ポリアミドイミド繊維および微細ポリイミド繊維の直径が0.01μm以上、2μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の薄型プリント配線基板用樹脂積層板。
- 少なくとも一方の面に金属箔が一体に張り付けられている請求項1もしくは2に記載の薄型プリント配線基板用樹脂積層板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005045182A JP2006237047A (ja) | 2005-02-22 | 2005-02-22 | 微細ポリアミドイミド繊維および/または微細ポリイミド繊維を用いた薄型プリント配線基板用樹脂積層板 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005045182A JP2006237047A (ja) | 2005-02-22 | 2005-02-22 | 微細ポリアミドイミド繊維および/または微細ポリイミド繊維を用いた薄型プリント配線基板用樹脂積層板 |
Publications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009242531A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Nippon Zeon Co Ltd | 複合樹脂成形体、積層体及び多層回路基板 |
JP2019026771A (ja) * | 2017-08-01 | 2019-02-21 | 日立化成株式会社 | 不織布製造用ポリアミドイミド樹脂組成物 |
JP2022011106A (ja) * | 2020-06-29 | 2022-01-17 | 株式会社日立産機システム | モールド電気機器 |
-
2005
- 2005-02-22 JP JP2005045182A patent/JP2006237047A/ja active Pending
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JP2022079518A (ja) * | 2017-08-01 | 2022-05-26 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | 不織布製造用ポリアミドイミド樹脂組成物 |
JP7363945B2 (ja) | 2017-08-01 | 2023-10-18 | 株式会社レゾナック | 不織布製造用ポリアミドイミド樹脂組成物 |
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