JP2008265027A - 積層体及びプリント配線板 - Google Patents

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JP2008265027A JP2007107410A JP2007107410A JP2008265027A JP 2008265027 A JP2008265027 A JP 2008265027A JP 2007107410 A JP2007107410 A JP 2007107410A JP 2007107410 A JP2007107410 A JP 2007107410A JP 2008265027 A JP2008265027 A JP 2008265027A
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Kanji Shimooosako
寛司 下大迫
Taku Ito
卓 伊藤
Masaru Nishinaka
賢 西中
Shigeru Tanaka
田中  滋
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Abstract

【課題】 プリント配線板の製造等に好適に用いることができる積層体であり、無電解めっき皮膜との接着性に優れ、信頼性に優れ、さらには微細配線形成性に優れた積層体とその代表的な利用技術を提供する。
【解決手段】 高分子フィルムの片面若しくは両面に特定構造を有する樹脂を含有する樹脂組成物成分からなる層Aを少なくとも有する、高分子フィルム及び層Aからなる樹脂材料の層A表面に、ピンホールが1平方メートルあたり10個以下である金属層が形成されてなることを特徴とする積層体によって上記課題を解決しうる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プリント配線板、フレキシブルプリント配線板等に使用される、金属と樹脂材料との積層体に関するものであり、ピンホールの少ない積層体に関する。
耐熱性樹脂材料は、例えばプリント配線板(以下、PWBとも言う。)、フレキシブルプリント基板(以下、FPCとも言う。)、テープ自動ボンディング(以下、TABとも言う。)実装用基板等の電子機器部品用の絶縁基板材料として多用されており、このようなPWB、FPC、またはTAB実装用基板は、耐熱性樹脂フィルム表面に金属層として主に銅を形成した銅/耐熱性樹脂フィルムからなる積層体を加工することによって得られる。 耐熱性のみならず、優れた電気絶縁性を有することから、耐熱性樹脂フィルムとしてポリイミド樹脂フィルムが広く使用されている。
上記のような積層体には、ポリイミド樹脂フィルムと金属皮膜を接着剤を介し接合した3層積層体と、ポリイミド樹脂フィルムに直接金属皮膜を形成した2層積層体とがある。

ところで、近年の電子機器の高密度化にともなって配線ピッチが狭いフレキシブル配線板が求められてきている。
フレキシブル配線板を製造する場合、配線部の形成工程でサイドエッチングによって配線の断面形状が裾広がりの台形となる。3層積層体を用いると、配線間の電気的絶縁性を確保するためには接着剤層までエッチングを行わなければならず、結果として、配線ピッチは広くなってしまい、狭ピッチ化には限度がある。このサイドエッチングによる裾広がりは銅箔が厚いほど広がりが大きいので、広がりを小さくし狭ピッチ化をすすめるためには、主流である35μm厚さの銅箔に換えて、18μm、15μm、9μm、5μmなどの薄い銅箔を用いる必要性がでてきた。
特に数μm厚さの薄い銅箔は、それ自身の剛性が小さいため搬送などのハンドリング性が悪く、厚さによってはアルミキャリアを張り合わせて剛性を高くしなければならない。また、膜厚のばらつきやピンホールや亀裂などの被膜欠陥が増加する問題があった。
このような背景から、銅被膜の厚さを任意に形成でき、接着剤層のない2層積層体が注目されている。
これら2層積層体においてポリイミド樹脂フィルム上に直接金属層を形成する方法には、乾式めっき法である蒸着・スパッタリング・イオンプレーティング法、湿式めっき法である無電解めっき法等があり、特に乾式めっき法は工程が単純な事から高い生産性が見込まれている。
乾式めっき法にて金属層を形成する場合、絶縁体フィルムに直接銅被膜を設けると、絶縁体と銅被膜との密着性が悪いので、一般に絶縁体フィルム上にクロム、ニッケルなどの銅以外の金属を下地金属層として50〜200Å(オングストローム)程度成膜した後に、薄い銅層を成膜することで、その上に形成する銅被膜と該絶縁体フィルムの密着性を得ることが多い。
この薄い銅層は、通常0.2から0.5μm程度の厚さに成膜されるが、ピンホールが多数存在し、前記下地金属層が露出している場合が多い。この下地金属層は、前述したように50〜200Åの厚さしかないので、電気銅めっきを行う雰囲気下では、硫酸銅めっきの強酸性と所望の厚さの被膜を得るための電流とによって溶解してしまう。このように下地金属層が溶解した場所には、絶縁体フィルムが露出することになる。この場合、電気銅めっきにより得る銅の皮膜の厚さが15〜35μmであれば、銅皮膜は縦方向だけでなく横方向にも成長するので、前記ピンホールは銅で覆われ、問題は生じない。ところが、銅皮膜の厚さが5μm程度の場合には、銅の横方向への成長が足りずピンホールは埋まらない。このようなピンホールが存在する銅皮膜を金属層とする2層積層体をもとに、例えばサブトラクティブ法でフレキシブル配線板を製造すると、ピンホールが配線部に掛かっていれば、その配線部は欠けてしまうので、不良となるばかりか密着不良等の原因にもなる。
一方、湿式めっき法にて金属層を形成した場合は、金属が樹脂上に堆積するように形成されるので実質的にピンホールは生じない。しかしながら、樹脂上に堆積するように形成されるため、無電解めっき皮膜と絶縁材料との接着性が低いことが問題であった。
上記のような課題を解決するため、絶縁体フィルムに、ニッケル等の下地金属層、乾式めっきにて形成した薄い銅導体層、無電解銅めっき層、及び銅導体層を形成することを特徴とするフレキシブル基板の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、実質的にピンホールは無くなるが、工程が複雑になり、生産性が低下することが問題であった。
特許第31152331号公報
従って、本発明の目的は、ピンホールが無いプリント配線板を得ることが可能な積層体の提供、またその積層体を用いてなるプリント配線板を提供することにある。
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、特定の樹脂組成物からなる層Aを介することで無電解めっき皮膜と高分子フィルムとの接着性を確保でき、実質的にピンホールの無い積層体を用いることにより上記課題が解決しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
1)高分子フィルムの片面若しくは両面に、下記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有する樹脂を含有する樹脂組成物成分からなる層Aを少なくとも有する、高分子フィルム及び層Aからなる樹脂材料の層A表面に、ピンホールが1平方メートルあたり10個以下である金属層が形成されてなることを特徴とする積層体。
Figure 2008265027
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、Rは、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価のフェニレン基を表す。さらに、n=3〜100であり、mは1〜200の整数である。)。
2)金属層が、めっきにて形成された金属層であることを特徴とする1)に記載の積層体。
3)金属層が、無電解めっきにて形成された金属層であることを特徴とする1)または2)に記載の積層体。
4)高分子フィルムの片面若しくは両面に、下記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有する樹脂を含有する樹脂組成物成分からなる層Aを少なくとも有する、高分子フィルム及び層Aからなる樹脂材料にスルーホールを形成し、その後に、層A表面及びスルーホール壁面に、ピンホールが1平方メートルあたり10個以下である金属層が形成されてなることを特徴とする積層体。
Figure 2008265027
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、Rは、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価のフェニレン基を表す。さらに、n=3〜100であり、mは1〜200の整数である。)。
5)高分子フィルムが、非熱可塑ポリイミドフィルムであることを特徴とする1)〜4)のいずれか1つに記載の積層体。
6)1)〜5)のいずれか1つに記載の積層体を用いてなるプリント配線板。
本発明では、金属層、特に好ましくは無電解めっきにて形成された金属層と、高分子フィルムとの間に層Aを介することにより、金属層と高分子フィルムとの高い接着強度と、実質的にピンホールが無い金属層が形成されることにより、各種プリント配線板の製造に好適に用いることができ、さらには微細配線形成が要求されるフレキシブルプリント配線板の製造等に好適に用いることができる。
本発明の実施の一形態について以下に詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
<本発明の積層体の構成>
本発明にかかる積層体は、高分子フィルムの片面若しくは両面に、特定の構造を有する樹脂を含有する樹脂組成物成分からなる層Aを少なくとも有し、且つ層Aの表面に、ピンホールが1平方メートルあたり10個以下である金属層が形成されてなることを特徴とする。
本発明にかかる積層体は上記構成であればどのような構成でも良く、例えば、高分子フィルム/層A/金属層なる構成や、金属層/層A/高分子フィルム/層A/金属層なる構成を挙げることができるし、高分子フィルムと層Aとの間に別の層が存在していても良い。
また、本発明にかかる積層体は、高分子フィルムの片面若しくは両面に、層Aを少なくとも有する樹脂材料にスルーホールを形成し、その後に、層A表面及びスルーホール壁面に金属層が形成された積層体であっても良い。
<高分子フィルム>
本発明の積層体に用いられる高分子フィルムについて説明する。本発明に用いる高分子フィルムとしては、低熱膨張性、耐熱性並びに機械的特性に優れた材料が好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン;エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル;さらに、ナイロン−6、ナイロン−11、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリケトン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑ポリイミド樹脂、非熱可塑ポリイミド樹脂などのフィルムがあげられる。
ここで、耐熱性、寸法安定性、等の観点から、非熱可塑ポリイミドフィルムが好ましく用いられる。ポリイミドフィルムは、その前駆体であるポリアミド酸重合体溶液から得られる。このポリアミド酸重合体溶液は、当業者が通常用いる方法で製造することができる。すなわち、1種または2種以上のテトラカルボン酸二無水物成分と1種または2種以上のジアミン成分を実質等モル使用し、有機極性溶媒中で重合してポリアミド酸重合体溶液が得られる。
非熱可塑ポリイミドフィルムの製造に用いられる代表的なテトラカルボン酸二無水物成分としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、p−フェニレンジフタル酸無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物等がある。
一方、ジアミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4、4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3、3’−ジアミノジフェニルスルフォン、9、9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、ビスアミノフェノキシケトン、4、4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4、4’−(1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4、4’−ジアミノベンズアニリド、3、3’−ジメチル−4、4’−ジアミノビフェニル、3、3’−ジメトキシ−4、4’−ジアミノビフェニル等の芳香族ジアミン、あるいはその他の脂肪族ジアミンを挙げることができる。
本発明の積層体を構成する高分子フィルムとして非熱可塑ポリイミドフィルムを用いる場合、その前駆体であるポリアミド酸の数平均分子量は10,000〜1,000,000であることが望ましい。数平均分子量が10,000未満ではできあがったフィルムが脆くなる場合がある。他方、数平均分子量が1,000,000を越えるとポリイミド前駆体であるポリアミド酸ワニスの粘度が高くなりすぎ取扱いが難しくなるおそれがある。
また、ポリアミド酸に各種の有機添加剤、或は無機のフィラー類、或は各種の強化材を添加し、複合化された非熱可塑ポリイミドフィルムとすることも可能である。
ポリアミド酸の生成反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒;フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒;あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。これらは単独または混合物として用いるのが望ましい。更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素を前記溶媒に一部混合して使用してもよい。
また、このポリアミド酸は前記の有機極性溶媒中に5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%溶解されているのが取扱いの面から望ましい。
このポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを得るためには熱的に脱水する熱的方法、脱水剤を用いる化学的方法のいずれを用いてもよいが、化学的方法によると生成するポリイミドフィルムの伸び率や引張強度等の機械特性がすぐれたものになるので好ましい。
以下に化学的方法によるポリイミドフィルムの作製についての例を説明する。
上記ポリアミド酸またはその溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒量の第3級アミンを加えた溶液をドラム或はエンドレスベルト上に流延または塗布して膜状とし、その膜を150℃以下の温度で約5〜90分間乾燥し、自己支持性のポリアミド酸の膜を得る。ついで、これを支持体より引き剥し端部を固定する。その後約100〜500℃まで徐々に加熱することによりイミド化し、冷却後端部の固定を解放しポリイミドフィルムを得る。ここで言う脱水剤としては、例えば無水酢酸等の脂肪族酸無水物、無水安息香酸等の芳香族酸無水物などが挙げられる。また触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類などが挙げられる。
また、高分子フィルムは、層Aとの密着性を向上させる目的で各種表面処理を行うことができる。具体的には、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、有機モノマー、カップリング剤等の各種有機物をプライマーとして塗布する方法、金属水酸化物、有機アルカリ等で表面処理する方法、プラズマ処理、コロナ処理する方法、表面をグラフト化させる方法等、高分子フィルムの製造段階で表面処理する方法等が挙げられる。これらの方法を単独でまたは各種組み合わせで高分子フィルム表面の処理を行っても良い。
高分子フィルムの厚みに特に制限はないが、プリント配線板の薄型化を考慮すると、好ましくは1〜70μm、より好ましくは1〜50μm以下である。
<層A>
本発明にかかる層Aについて説明する。層Aは、厚さが10Å以上を有する層のことをいう。
本発明にかかる層Aは、表面が平滑にもかかわらず、金属層、特には無電解めっきにより形成された金属層との高い接着性を有するという特徴を持つため、微細配線形成性に優れる。
微細配線形成性のため、層Aは、カットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さRaで0.5μm以下であることが好ましい。この条件を満たす場合、良好な微細配線形成性を有する。算術平均粗さRaとは、JIS B 0601(平成6年2月1日改正版)に定義されている。特に本発明の算術平均粗さRaの数値は、光干渉式の表面構造解析装置で表面を観察により求められた数値を示す。本発明のカットオフ値とは、上記JIS B 0601に記載されているが、断面曲線(実測データ)から粗さ曲線を得る際に設定する波長を示す。即ち、カットオフ値が0.002mmで測定した値Raとは、実測データから0.002mmよりも長い波長を有する凹凸を除去した粗さ曲線から算出された算術平均粗さである。
本発明の層Aは、無電解めっき皮膜との密着性の観点から、一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有する樹脂を含有する樹脂組成物成分であることが必須である。
Figure 2008265027
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、Rは、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価のフェニレン基を表す。さらに、n=3〜100であり、mは1〜200の整数である。)
また、無電解めっき皮膜との密着性のみならず、耐熱性等の特性バランスを考慮すると、一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有するポリイミド樹脂であることが好ましい。以下に、一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有するポリイミド樹脂について説明する。
本発明の上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有するポリイミド樹脂は、上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有していれば、いかなるポリイミド樹脂を用いても良い。例えば、上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有する酸二無水物成分あるいは上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有するジアミン成分を用いて、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸を製造し、これをイミド化してポリイミド樹脂を製造する方法、官能基を有する酸二無水物成分あるいは官能基を有するジアミン成分を用いて官能基を有するポリアミド酸を製造し、この官能基と反応しうる官能基、及び上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有する化合物を反応させて、(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造が導入されたポリアミド酸を製造し、これをイミド化してポリイミド樹脂を製造する方法、官能基を有する酸二無水物成分あるいは官能基を有するジアミン成分を用いて官能基を有するポリアミド酸を製造し、これをイミド化して官能基を有するポリイミドを製造し、この官能基と反応しうる官能基、及び上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有する化合物を反応させて、(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造が導入されたポリイミド樹脂を製造する方法、などが挙げられる。ここで、上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有するジアミンは比較的容易に入手することが可能であるため、上記の中でも、酸二無水物成分と、上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有するジアミン成分とを反応させて目的とするポリイミド樹脂を製造することが好ましい。
次に、本発明のポリイミド樹脂として、酸二無水物成分と、上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有するジアミン成分とを用いた場合の製造例について説明する。
酸二無水物成分としては特に限定はなく、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンジフタル酸無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)、4,4’−ハイドロキノンビス(無水フタル酸)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)等を挙げることができる。これらは1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
続いて、ジアミン成分について説明する。本発明においては、ジアミン成分として、下記一般式(1)〜(6)で表される構造のうち、1つ以上の構造を有するジアミン成分を含むことが好ましい。
Figure 2008265027
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、Rは、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価のフェニレン基を表す。さらに、n=3〜100であり、mは1〜200の整数である。)
上記一般式(1)で表される構造を有するジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミンや、オクタメチレンジアミンなどを例示することができる。上記一般式(2)で表される構造を有するジアミンとしては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン等を挙げることができる。上記一般式(3)で表される構造を有するジアミンとしては、エラスマー1000P、エラスマー650P、エラスマー250P(イハラケミカル工業(株)製)が挙げられる。また、上記一般式(4)で表される構造を有するジアミンとしては、ポリエーテルポリアミン類、ポリオキシアルキレンポリアミン類を挙げる事ができ、ジェファーミンD−2000、ジェファーミンD−4000(ハンツマン・コーポレーション社製)等を例示することができる。さらに、上記一般式(6)で表される構造を有するジアミンとしては、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,3,3,−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,5,5,−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(3−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(3−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,1,5,5,−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、等が挙げられる。また、一般式(6)で表される構造を有する、比較的入手しやすいジアミンとして、信越化学工業株式会社製のKF−8010、X−22−161A、X−22−161B、X−22−1660B−3、KF−8008、KF−8012、Xー22−9362、等を挙げることができる。上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンは単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
層Aの耐熱性向上等を目的として、上記一般式(1)〜(6)で表される構造のうち、1つ以上の構造を有するジアミンと他のジアミンとを組み合わせて使用することも好ましく用いられる。他のジアミン成分としては、あらゆるジアミンを使用することが可能であり、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルなどを挙げることができる。
ここで、原料の入手の容易さや無電解めっき皮膜との密着といった観点から、上記一般式(1)〜(6)で表される構造のうち、1つ以上の構造を有するジアミンの中でも、下記一般式(6)で表される構造を有するジアミンが含まれることが好ましい。
Figure 2008265027
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表す。さらに、mは1〜200の整数である。)
上記一般式(1)〜(6)で表される構造のうち、1つ以上の構造を有するジアミンは、全ジアミン成分に対して2〜100モル%が好ましく、より好ましくは5〜100モル%である。上記一般式(1)〜(6)で表される構造のうち、1つ以上の構造を有するジアミンが、全ジアミン成分に対して2モル%より少ない場合、表面aと無電解めっき皮膜との接着強度が低くなる場合がある。
前記ポリイミドは、対応する前駆体ポリアミド酸を脱水閉環して得られる。ポリアミド酸は、酸二無水物成分とジアミン成分とを実質的に等モル反応させて得られる。
反応の代表的な手順として、1種以上のジアミン成分を有機極性溶剤に溶解または分散させ、そののち1種以上の酸二無水物成分を添加し、ポリアミド酸溶液を得る方法があげられる。各モノマーの添加順序はとくに限定されず、酸二無水物成分を有機極性溶媒に先に加えておき、ジアミン成分を添加し、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよいし、ジアミン成分を有機極性溶媒中に先に適量加えて、つぎに過剰の酸二無水物成分を加え、過剰量に相当するジアミン成分を加えて、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよい。このほかにも、当業者に公知のさまざまな添加方法がある。具体的には下記の方法が挙げられる。
なお、ここでいう「溶解」とは、溶媒が溶質を完全に溶解する場合のほかに、溶質が溶媒中に均一に分散されて実質的に溶解しているのと同様の状態になる場合を含む。反応時間、反応温度は、とくに限定されない。
1)ジアミン成分を有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの酸二無水物成分を反応させて重合する方法。
2)酸二無水物成分とこれに対し過小モル量のジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程において酸二無水物成分とジアミン成分が実質的に等モルとなるようにジアミン成分を用いて重合させる方法。
3)酸二無水物成分とこれに対し過剰モル量のジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここにジアミン成分を追加添加後、全工程において酸二無水物成分とジアミン成分が実質的に等モルとなるように酸二無水物成分を用いて重合する方法。
4)酸二無水物成分を有機極性溶媒中に溶解させた後、実質的に等モルとなるようにジアミン化合物成分を用いて重合させる方法。
5)実質的に等モルの酸二無水物成分とジアミン成分の混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法。
ポリアミド酸の重合反応に用いられる有機極性溶媒としては、たとえば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができる。さらに必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエンなどの芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。
前記方法により得られたポリアミド酸溶液を、熱的または化学的方法により脱水閉環し、ポリイミドを得るが、ポリアミド酸溶液を熱処理して脱水する熱的方法、脱水剤を用いて脱水する化学的方法のいずれも用いることができる。また、減圧下で加熱してイミド化する方法も用いることができる。以下に各方法について説明する。
熱的に脱水閉環する方法として、前記ポリアミド酸溶液を加熱処理によりイミド化反応を進行させると同時に、溶媒を蒸発させる方法を例示することができる。この方法により、固形のポリイミド樹脂を得ることができる。加熱の条件はとくに限定されないが、200℃以下の温度で1秒〜200分の時間の範囲で行なうことが好ましい。
また、化学的に脱水閉環する方法として、前記ポリアミド酸溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒を加えることにより、脱水反応を起こし、有機溶媒を蒸発させる方法を例示することができる。これにより、固形のポリイミド樹脂を得ることができる。脱水剤としては、たとえば、無水酢酸などの脂肪族酸無水物、無水安息香酸などの芳香族酸無水物などがあげられる。また、触媒としては、たとえば、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン類、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソキノリンなどの複素環式第3級アミン類などがあげられる。化学的に脱水閉環する際の条件は、100℃以下の温度が好ましく、有機溶媒の蒸発は、200℃以下の温度で約5分〜120分の時間の範囲で行なうことが好ましい。
また、ポリイミド樹脂を得るための別の方法として、前記の熱的または化学的に脱水閉環する方法において、溶媒の蒸発を行なわない方法もある。具体的には、熱的イミド化処理または脱水剤による化学的イミド化処理を行なって得られるポリイミド溶液を貧溶媒中に投入して、ポリイミド樹脂を析出させ、未反応モノマーを取り除いて精製、乾燥させ、固形のポリイミド樹脂を得る方法である。貧溶媒としては、溶媒とは良好に混合するがポリイミドは溶解しにくい性質のものを選択する。例示すると、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、メチルセロソルブ、メチルエチルケトンなどがあげられるが、これらに限定されない。
つぎに、減圧下で加熱してイミド化する方法であるが、このイミド化の方法によれば、イミド化によって生成する水を積極的に系外に除去できるので、ポリアミド酸の加水分解を抑えることが可能であり、高分子量のポリイミドが得られる。また、この方法によれば、原料の酸二無水物中に不純物として存在する片側または両側開環物が再閉環するので、より一層の分子量の向上効果が期待できる。
減圧下で加熱イミド化する方法の加熱条件は、80〜400℃が好ましいが、イミド化が効率よく行なわれ、しかも水が効率よく除かれる100℃以上がより好ましく、さらに好ましくは120℃以上である。最高温度は目的とするポリイミドの熱分解温度以下が好ましく、通常のイミド化の完結温度、すなわち150〜350℃程度が通常適用される。
減圧する圧力の条件は、小さいほうが好ましいが、具体的には、9×10〜1×10Pa、好ましくは8×10〜1×10Pa、より好ましくは7×10〜1×10Paである。
以上、ポリイミド樹脂について説明したが、市販の上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有するポリイミド樹脂も用いてもよい。本発明の無電解めっき用材料に用いることができる、比較的入手しやすい上記一般式(6)を含むポリイミド樹脂の例として、信越化学工業株式会社製のX−22−8917、X−22−8904、X−22−8951、X−22−8956、X−22−8984、X−22−8985、等を挙げることができる。尚、これらはポリイミド溶液である。
また、本発明の樹脂組成物成分としては、寸法安定性、耐熱性等の観点から、他の樹脂成分、各種フィラー、等を含んでいても構わない。特に、エポキシ樹脂、シアナートエステル樹脂、等の熱硬化性樹脂を混合することで、高分子フィルムとの接着性が向上するので好ましく用いることができる。このとき、耐熱性、無電解めっきとの接着性等を考慮し、ポリイミド樹脂100重量部に対して、熱硬化性樹脂を1〜50重量部を混合することが好ましい。
<金属層>
本発明にかかる金属層は、実質的にピンホールを有さなければ、どのような金属層でも構わない。例えば、銅箔からなる金属層、乾式めっきからなる金属層、無電解めっきからなる金属層等を挙げることができる。一方で、実質的にピンホールを有さないという目的を達成するのみならず、金属層形成のしやすさや、低コストであるといった観点から、無電解めっきからなる金属層が好ましい。無電解めっきとしては、カーボン、パラジウム触媒、有機マンガン導電膜等を用いるダイレクトプレーティング、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっき、無電解金めっき、無電解銀めっき、無電解錫めっき、等を挙げる事ができ本発明に使用可能であるが、工業的観点、耐マイグレーション性等の電気特性の観点より、ダイレクトプレーティング、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっきが好ましく、特に好ましくは、ダイレクトプレーティング、無電解銅めっきである。本発明の積層体に無電解めっきをする場合、積層体に直接無電解めっきを施してもよいし、デスミア処理等の処理を施した後、無電解めっきを施してもよい。
<積層体の製造方法>
次に本発明にかかる積層体の製造方法について説明するが、これに限定されるものではない。先ず、層Aに含まれる樹脂組成物および必要に応じて他の成分を適当な溶媒に添加し撹拌し、均一に溶解・分散化した層Aを形成する溶液を得る。続いて本発明に用いる高分子フィルム上に層Aを形成する溶液を流延塗布し、乾燥させることにより本発明の層A/高分子フィルム構成の樹脂材料を得る。
上記で得た層A/高分子フィルム構成の積層体の層Aが形成されていない側の高分子フィルム面に再度層Aを形成する溶液を流延塗布し、乾燥させることにより本発明の層A/高分子フィルム/最外層A構成の樹脂材料を得る。
また、高分子フィルム両面に層Aを形成する溶液を塗布、乾燥させることにより本発明の層A/高分子フィルム/層A構成の樹脂材料を得ることも可能である。
また、本発明の積層体には最外層Aと高分子フィルムとの間に他の層が含まれていてもよく、この場合、高分子フィルム上に他の層を形成した後、その層上に層Aを形成することにより樹脂材料を得ることが可能である。
上記で得た各種構成の樹脂材料に、直接無電解めっきを施すか、若しくはデスミア処理を施した後に無電解めっきを施すことにより、層A上に金属層の形成された各種構成の積層体を得ることができる。
(プリント配線板)
本発明の積層体は、プリント配線板用途に好ましく用いる事ができる。
本発明の積層体を用いたフレキシブルプリント配線板について説明する。本発明の積層体を用いたフレキシブルプリント配線板は、フレキシブルプリント配線板に求められる導体層との密着、寸法安定性等の特性に優れるのみならず、無電解めっき皮膜を形成した本発明の積層体に、さらに電解めっきを施すことにより、実質的にピンホールが無く、銅膜厚みを自由に変えられ、且つ柔軟性と剛性に優れた銅膜形成が可能であるため、ファインパターン及び高折り曲げ性を必要とする電子情報機器用途に好適に用いることができるという利点を有する。
本発明のプリント配線板の製造方法の一例を示す。まず本発明の積層体に電解めっきを行い、その後、レジスト形成、エッチング処理、レジスト剥離という工程からなるサブトラクティブ法による配線形成を行うことで、本発明のプリント配線板が得られる。
一方、本発明の積層体にレジスト形成、電解パターンめっき、レジスト剥離、フラッシュエッチングという工程からなるセミアディティブ法による配線形成を行うことで、本発明のプリント配線板が得られる。
両面プリント配線板を製造する場合は、レーザー、メカニカルドリル、パンチング等の公知の方法でスルーホールを形成した後に金属層を形成した、本発明の積層体を用いればよい。
以上、本発明の積層体を用いたプリント配線板とその製造例について説明したが、これに限定されるものではなく、当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
本発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、本発明の積層体の特性として、無電解めっき銅との接着性、表面性、ピンホールの検査、及び微細配線形成性は以下のように評価または算出した。
(接着性評価)
層A/高分子フィルム、若しくは層A/高分子フィルム/層Aからなる樹脂材料の層A表面に下記デスミア、無電解銅めっきを施した。尚、デスミアおよび無電解銅めっきは以下の表1〜2に記載のプロセスで実施した。無電解めっき後に150℃、30分の乾燥処理を行った後、無電解めっき銅上に厚さ18μmの電解めっき銅層を形成して行った。その後、150℃、30分の乾燥処理を行った後、JPCA−BU01−1998(社団法人日本プリント回路工業会発行)に従い、常態接着強度を測定した。
常態接着強度:温度25℃、湿度50%の雰囲気下、24時間放置した後に測定した接着強度。
Figure 2008265027
Figure 2008265027
(表面粗度Ra測定)
上記接着性測定項目のサンプル作製手順において、デスミア前後のサンプルを用い、層A表面の表面粗度Raの測定を行った。測定は、光波干渉式表面粗さ計(ZYGO社製NewView5030システム)を用いて下記の条件で表面aの算術平均粗さを測定した。
(測定条件)
対物レンズ:50倍ミラウ イメージズーム:2
FDA Res:Normal
解析条件:
Remove:Cylinder
Filter:High Pass
Filter Low Waven:0.002mm
(ピンホールの評価)
上記接着性測定項目のサンプル作製手順において、無電解めっき迄施した積層体を15cm角に裁断し、ライトテーブルに乗せて、透過光のある位置を特定し、該特定箇所のピンホールの全てを光学顕微鏡で大きさを測定し、3μm以上の径のピンホールが1平方メートル当たり何個存在するかを算出した。
(微細配線形成性)
層A/高分子フィルム/層Aからなる樹脂材料に炭酸ガスレーザーにてスルーホールを形成した。その後、露出する層A及びスルーホール表面にデスミア、無電解銅めっきを施してめっき銅層を形成し、150℃、30分の乾燥処理を行うまでは接着性評価と同様にして積層体を作製した。その後、ドライフィルムレジスト形成、電解銅パターンめっき、レジスト剥離、クィックエッチングの各工程にて処理してラインアンドスペース=10μm/10μmの微細配線を形成した。尚、電解銅パターンめっきは8μm厚みとなるように実施した。
微細配線の剥がれがなく、また設計通りに良好に形成できたものを○、微細配線が剥がれたり、設計通りに良好に形成できなかったものを×とした。
(ポリイミド樹脂の合成例1)
容量2000mlのガラス製フラスコに、信越化学工業株式会社製KF−8010を37g(0.045mol)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル21g(0.105mol)と、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと呼ぶ)を投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4´−(4,4´−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、20℃で約1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をフッ素コートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、120分、665Paで減圧加熱し、ポリイミド樹脂1を得た。
尚、KF−8010の化学構造を下記に示す。
Figure 2008265027
(式中、m=3〜12である。)。
(ポリイミド樹脂の合成例2)
容量2000mlのガラス製フラスコに、信越化学工業株式会社製KF−8010を62g(0.075mol)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル15g(0.075mol)と、DMFを投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4´−(4,4´−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、20℃で約1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をフッ素コートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、120分、665Paで減圧加熱し、ポリイミド樹脂2を得た。
(層Aを形成する溶液の調合例1)
ポリイミド樹脂1を9g、エポキシ樹脂(NC―3000―H、日本化薬社製)を0.7g、ナフトール・クレゾール樹脂(NC−30、群栄化学工業社製)を0.3g、ジオキソランとトルエンの混合溶媒(混合比=50重量%/50重量%)を190gとを混合、溶解して層Aを形成する溶液(X)を得た。
(層Aを形成する溶液の調合例2)
ポリイミド樹脂2を用いた以外は調合例1と同様にして、層Aを形成する溶液(Y)を得た。
(層Aを形成する溶液の調合例3)
容量2000mlのガラス製フラスコに、1,3−ビスー(3−アミノフェノキシ)ベンゼン87.7g(0.30mol)と、DMFを投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4´−(4,4´−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、20℃で約1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をフッ素コートしたバットにとり、真空オーブンで、180℃、120分、665Paで減圧加熱し、イミドオリゴマーを得た。
ポリイミド樹脂1を9g、エポキシ樹脂(JER152、ジャパンエポキシレジン製)を0.4g、イミドオリゴマーを0.6g、ジオキソランとトルエンの混合溶媒(混合比=50重量%/50重量%)を190gとを混合、溶解して層Aを形成する溶液(Z)を得た。
(非熱可塑ポリイミドフィルムの作製例1)
高分子フィルムとして、25μmの非熱可塑ポリイミドフィルムを作製して用いた。セパラブルフラスコ中でパラフェニレンジアミン(以下PDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下ODA)各1当量をDMFに溶解し、その後p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)(以下TMHQ)1当量を加え30分間攪拌した。その後、ピロメリット酸二無水物(以下PMDA)0.9当量を加え30分間攪拌した。次いで粘度上昇に注意しながらPMDAのDMF溶液(濃度7%)を加え23℃での粘度が2000〜3000ポイズになるように調整し、ポリアミド酸重合体のDMF溶液を得た。なおDMFの使用量はジアミン成分およびテトラカルボン酸二無水物成分のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。また、重合は40℃で行った。上記ポリアミド酸溶液100gに対して、無水酢酸10gとイソキノリン10gを添加し均一に攪拌した後、脱泡を行い、ガラス板上に流延塗布し、約110℃に約5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、自己支持性を持つゲルフィルムを得た。該ゲルフィルムをフレームに固定して、その後約200℃で約1分間、約300℃で約1分間、約400℃で約1分間、約500℃で約1分間加熱し、脱水閉環乾燥し、厚み約25μmの非熱可塑ポリイミドフィルム(H)を得た。
(非熱可塑性ポリイミドフィルムの作製例2)
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−ODA)/パラフェニレンジアミン(p−PDA)/3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)/ピロメリット酸二無水物(PMDA)をモル比25/25/50/30/70の割合で用いてポリアミド酸のDMF溶液(固形分濃度18重量%)を得た。
上記ポリアミド酸溶液100gに対して、無水酢酸19gとイソキノリン7gを添加し均一に攪拌した後、脱泡を行い、ガラス板上に流延塗布し、約110℃に約5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、自己支持性を持つゲルフィルムを得た。該ゲルフィルムをフレームに固定して、その後約200℃で約1分間、約300℃で約1分間、約400℃で約1分間、約500℃で約1分間加熱し、脱水閉環乾燥し、厚み25μmの非熱可塑ポリイミドフィルム(I)を得た。
(実施例1)
表3に示す層Aを形成する溶液を、非熱可塑ポリイミドフィルムの片面に流延塗布した。その後、熱風オーブンにて150℃の温度で2分、さらに180℃、30分乾燥させ、厚み2μmの層A/厚み25μmの非熱可塑ポリイミドフィルムからなる樹脂材料を得た。
該樹脂材料を用いて各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
(実施例2)
表3に示す層Aを形成する溶液を、非熱可塑ポリイミドフィルムの片面に流延塗布した。その後、熱風オーブンにて150℃の温度で2分乾燥させ、厚み2μmの層A/厚み25μmの非熱可塑ポリイミドフィルムからなる樹脂材料を得た。さらに、形成した層Aと反対面にも同様に層Aを形成する溶液を延塗布し、熱風オーブンにて150℃の温度で2分乾燥させ、さらに180℃、30分乾燥させ、厚み2μmの層A/厚み25μmの非熱可塑ポリイミドフィルム/厚み2μmの層Aからなる樹脂材料を得た。
該樹脂材料を用いて各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
(実施例3〜12)
表3に示す層Aを形成する溶液、及び非熱可塑ポリイミドフィルムを用いて、実施例1または実施例2と同様にして樹脂材料を得た。該樹脂材料を用いて各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
(比較例1)
非熱可塑ポリイミドフィルム(H)の表面性を評価した。また該フィルムの両面にニッケルを100Åの厚さに真空蒸着し、その上に銅を0.50μmの厚さに真空蒸着して、た。この積層体を用いて、ピンホールの評価を行った。また該積層体にさらに電解銅めっきを施して金属層を18μm厚みにし、接着性評価を行った。
また、上記の金属層/非熱可塑性ポリイミドフィルム/金属層からなる積層体を用いて、
ドライフィルムレジスト形成、電解銅パターンめっき、レジスト剥離、クィックエッチングの各工程にて処理してラインアンドスペース=10μm/10μmの微細配線を形成した。尚、電解銅パターンめっきは8μm厚みとなるように実施した。このようにして微細配線形成性を評価した。それぞれの評価結果を表4に示す。
(比較例2)
エポキシ樹脂(NC―3000―H、日本化薬社製)を0.7g、ナフトール・クレゾール樹脂(NC−30、群栄化学工業社製)を0.3g、ジオキソランとトルエンの混合溶媒(混合比=50重量%/50重量%)を190gとを混合、溶解して層Aを形成する溶液(J)を得た。この溶液を非熱可塑ポリイミドフィルム(H)の片面に流延塗布した。その後、熱風オーブンにて150℃の温度で2分乾燥させ、厚み2μmの層A/厚み25μmの非熱可塑ポリイミドフィルムからなる樹脂材料を得た。さらに、形成した層Aと反対面にも同様に層Aを形成する溶液を延塗布し、熱風オーブンにて150℃の温度で2分乾燥させ、厚み2μmの層A/厚み25μmの非熱可塑ポリイミドフィルム/厚み2μmの層Aからなる樹脂材料を得た。該樹脂材料を用いて各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 2008265027
Figure 2008265027
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の積層体は、層Aの表面粗度が小さい場合でも無電解めっき皮膜との接着強度が高いため、実質的にピンホールを発生しない無電解めっきにより金属層を形成できるという特徴を有しているため、フレキシブルプリント配線板等のプリント配線板の製造等に好適に用いることができる。それゆえ、本発明は、樹脂組成物や接着剤等の素材加工産業や各種化学産業だけでなく、各種電子部品の産業分野に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 高分子フィルムの片面若しくは両面に、下記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有する樹脂を含有する樹脂組成物成分からなる層Aを少なくとも有する、高分子フィルム及び層Aからなる樹脂材料の層A表面に、ピンホールが1平方メートルあたり10個以下である金属層が形成されてなることを特徴とする積層体。
    Figure 2008265027
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、Rは、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価のフェニレン基を表す。さらに、n=3〜100であり、mは1〜200の整数である。)
  2. 金属層が、めっきにて形成された金属層であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 金属層が、無電解めっきにて形成された金属層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体。
  4. 高分子フィルムの片面若しくは両面に、下記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有する樹脂を含有する樹脂組成物成分からなる層Aを少なくとも有する、高分子フィルム及び層Aからなる樹脂材料にスルーホールを形成し、その後に、層A表面及びスルーホール壁面に、ピンホールが1平方メートルあたり10個以下である金属層が形成されてなることを特徴とする積層体。
    Figure 2008265027
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、Rは、C2Xで表される2価のアルキレン基、または2価のフェニレン基を表す。さらに、n=3〜100であり、mは1〜200の整数である。)。
  5. 高分子フィルムが、非熱可塑ポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体を用いてなるプリント配線板。
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