JP2002348768A - 全芳香族繊維不織布、プリプレグ、積層板及び多層プリント配線板 - Google Patents

全芳香族繊維不織布、プリプレグ、積層板及び多層プリント配線板

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JP2002348768A
JP2002348768A JP2001158346A JP2001158346A JP2002348768A JP 2002348768 A JP2002348768 A JP 2002348768A JP 2001158346 A JP2001158346 A JP 2001158346A JP 2001158346 A JP2001158346 A JP 2001158346A JP 2002348768 A JP2002348768 A JP 2002348768A
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aromatic polyester
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Takehiro Ishida
武弘 石田
Toshiharu Takada
俊治 高田
Kengo Yamanouchi
建吾 山野内
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維不
織布基材を改質し、樹脂ワニス含浸時における強度が高
く、樹脂ワニスの含浸性、耐熱性及びレーザ加工性に優
れた全芳香族繊維不織布を提供する。 【解決手段】 溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維及び
バインダーを主成分として抄紙された全芳香族繊維不織
布に関する。全芳香族繊維不織布の全量に対して、溶融
液晶全芳香族ポリエステル繊維を70〜97質量%及び
バインダーを3〜30質量%含有する混合水性スラリー
を湿式抄紙する。その後、2本のロールで挟み込み、線
圧力1471〜2942N/cm、ロール温度250〜
330℃の範囲で加熱圧縮処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全芳香族繊維不織
布、この全芳香族繊維不織布を用いて作製されるプリプ
レグ、このプリプレグを用いて作製される積層板及び多
層プリント配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、多層プリント配線板を作製するに
あたっては、いわゆるビルドアップ法が行われている。
この方法によれば従来よりも多層プリント配線板の配線
密度を高めることができ、電子機器の小型化、軽量化が
可能となるものである。このため携帯機器などの分野に
おいては、ビルドアップ法によって作製された多層プリ
ント配線板が実用化されているものである。
【0003】上記のビルドアップ法は、絶縁層と導体層
とを交互に積み上げると共に、異なる導体層間の層間接
続を行うことにより多層化するものであり、例えば以下
のようにして行われている。すなわち、予め回路パター
ンが形成された内層用プリント配線板の片面又は両面
に、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を塗工し、光照射又
は加熱して樹脂を硬化させて絶縁層を形成した後、この
絶縁層の表面に無電解銅めっきなどを行って導体層を形
成している。また上記のプリント配線板の片面又は両面
に、樹脂付き銅箔の樹脂の側を重ね、加熱加圧して樹脂
を硬化させて絶縁層を形成すると共に外側の銅箔を導体
層としている。そして、上記のようにして形成した絶縁
層に炭酸ガスレーザなどを用いて穴あけを行ってバイア
ホールを形成すると共に外側の導体層に回路パターンを
形成することにより、絶縁層を介して層間接続が行われ
ているものである。以上の工程を繰り返すことにより、
プリント配線板の多層化を図ることができ、またこのよ
うなビルドアップ法は量産性に優れた方法であるとし
て、多層プリント配線板の作製に広く採用されているも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ビルド
アップ法によって多層プリント配線板を作製する場合
は、電子機器の小型化、軽量化を図るため、絶縁層には
従来のようなガラス布などの基材は含まれず、樹脂のみ
で絶縁層を形成しているものであったが、極薄の多層プ
リント配線板や高い絶縁信頼性が要求される多層プリン
ト配線板にあっては、強度を維持したり信頼性を確保す
るために何らかの基材が必要とされていた。
【0005】そこで、ビルドアップ法において有機繊維
の基材を用いて絶縁層を形成することが行われている。
このようにすると多層プリント配線板の強度や信頼性を
高く得ることができるものであり、これまで実際にいく
つかの例が提案され、実用化されている。そして、有機
繊維のうち耐熱性を有するものの中には、その他に特徴
ある物性を示すものがあり、その特徴を生かした利用方
法が検討されている。例えば、このような有機繊維の一
つとしてアラミド繊維を挙げることができる。このアラ
ミド繊維は優れた耐熱性及び低熱膨張性を有するもので
あり、この繊維の不織布に関する公開特許公報その他の
文献は多数みられる。しかし、アラミド繊維はそれ自体
の吸湿性が高く、しかも価格が非常に高いことから、プ
ロセスや用途が限定されるものであった。
【0006】一方、アラミド繊維と同等レベルの低熱膨
張性及び高い耐熱性を有する有機繊維として、溶融液晶
全芳香族ポリエステル繊維を挙げることができる。この
溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維は、吸湿性が極めて
低いという特徴を有しており、アラミド繊維の欠点を解
消することができる。
【0007】しかし、溶融液晶全芳香族ポリエステル繊
維そのものの耐熱性は高いものであるが、この繊維を用
いて不織布を作製する場合にはバインダーの影響を受け
て十分な耐熱性を得ることができなくなるという問題が
あった。しかも、上記の繊維の不織布を基材として用い
てプリプレグを作製する場合、この基材に関しては、樹
脂ワニスを含浸させる際の強度、樹脂ワニスの含浸性、
レーザ加工性の点において課題が残るものであった。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、従来の溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維不織布
基材を改質し、樹脂ワニス含浸時における強度が高く、
樹脂ワニスの含浸性、耐熱性及びレーザ加工性に優れた
全芳香族繊維不織布及びその作製方法並びにプリプレ
グ、積層板及び多層プリント配線板を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
全芳香族繊維不織布は、溶融液晶全芳香族ポリエステル
繊維及びバインダーを主成分として抄紙された全芳香族
繊維不織布において、全芳香族繊維不織布の全量に対し
て、溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維を70〜97質
量%及びバインダーを3〜30質量%含有する混合水性
スラリーが湿式抄紙された後、2本のロールで挟み込ま
れ、線圧力1471〜2942N/cm、ロール温度2
50〜330℃の範囲で加熱圧縮処理が行われて成るこ
とを特徴とするものである。
【0010】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、加熱圧縮処理後に250〜330℃の範囲で熱処理
が行われて成ることを特徴とするものである。
【0011】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維として、繊
維径が15μm以下であると共に平均繊維長が0.5〜
3.5mmであるものを用いて成ることを特徴とするも
のである。
【0012】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、密度が0.4〜0.8g/cm3
あることを特徴とするものである。
【0013】また請求項5の発明は、請求項2乃至4の
いずれかにおいて、熱処理によって、溶融液晶全芳香族
ポリエステル繊維が互いに部分的に融着されていると共
にバインダーが溶融されて溶融液晶全芳香族ポリエステ
ル繊維が融着されて成ることを特徴とするものである。
【0014】また請求項6の発明は、請求項2乃至5の
いずれかにおいて、ロールによる加熱圧縮処理後に、ロ
ール状に巻いた状態又は連続的に無圧の状態で熱処理が
行われて成ることを特徴とするものである。
【0015】また請求項7の発明は、請求項1乃至6の
いずれかにおいて、バインダーとして、高分子重合体か
らなるファイブリッドを用いて成ることを特徴とするも
のである。
【0016】また請求項8の発明は、請求項1乃至7の
いずれかにおいて、バインダーとして、ポリフェニレン
サルファイド(PPS)樹脂、フルオロ重合体樹脂、ポ
リ−メタ−フェニレン・イソフタルアミド、ポリエーテ
ルエーテルケトンの群から選ばれるものを用いて調製さ
れた水分散性エマルジョン、又は上記の群から選ばれる
ものを叩解機によって溶融液晶全芳香族ポリエステル繊
維よりも小さいサイズの鱗片状にフィブリル化されたも
のを用いて成ることを特徴とするものである。
【0017】また請求項9に係るプリプレグは、請求項
1乃至8のいずれかに記載の全芳香族繊維不織布に熱硬
化性樹脂を含浸すると共に乾燥し半硬化して成ることを
特徴とするものである。
【0018】また請求項10に係る積層板は、請求項9
に記載のプリプレグを1枚以上積層すると共に加熱加圧
成形して成ることを特徴とするものである。
【0019】また請求項11に係る多層プリント配線板
は、請求項9に記載のプリプレグを、予め回路パターン
が形成された内層用プリント配線板の表面に積層すると
共に加熱加圧成形して成ることを特徴とするものであ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0021】本発明において溶融液晶全芳香族ポリエス
テル繊維としては、例えばクラレ(株)製「ベクトラ
ン」に代表されるような、高強力で低吸湿性、優れた耐
熱性を有するポリアリレート繊維を用いることができ
る。この繊維は溶融状態で液晶を形成し、紡糸する際に
高度に配向するため、上記のような性質を示すのであ
る。そして全芳香族繊維不織布(以下、単に「不織布」
ともいう)を作製するにあたって、この溶融液晶全芳香
族ポリエステル繊維は短繊維にして用いることができる
が、特に繊維径が15μm以下であると共に平均繊維長
が0.5〜3.5mmであるものを用いるのが好まし
い。繊維径が15μmより太いと、レーザ加工によって
バイアホールを形成する際に繊維残り(フィブリル化)
を生じるおそれがある。また平均繊維長が0.5mmよ
り短くなると、繊維の絡み合いがなくなり、引っ張り強
度が低下するおそれがあり、逆に3.5mmより長くな
ると、作製される不織布の地合いが悪化し、密度のばら
つきが大きくなるおそれがある。なお、繊維径の実質上
の下限は、7μm程度である。
【0022】一方、短繊維同士を結着する接着剤である
バインダーとしては、特に限定されるものではなく、例
えば水溶性のエポキシ樹脂などを用いることができるも
のであるが、以下のような高分子重合体からなるファイ
ブリッドを用いると、不織布の強度を十分に高めること
ができると共に低熱膨張化することができて好ましい。
【0023】すなわち高分子重合体としては、ポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)樹脂、フルオロ重合体樹
脂、ポリ−メタ−フェニレン・イソフタルアミド、ポリ
エーテルエーテルケトンの群から選ばれるものを用いる
のが好ましく、上記のフルオロ重合体樹脂としては、フ
ッ素を含む重合体であれば特に限定されるものではな
い。またファイブリッドとは、微小フィブリルを有する
薄葉状、鱗片状の小片、又はランダムにフィブリル化し
た微小短繊維の総称をいい、本発明において高分子重合
体からなるファイブリッドには、上記の高分子重合体の
群から選ばれるものを叩解機によって、上述した溶融液
晶全芳香族ポリエステル繊維よりも小さいサイズの鱗片
状にフィブリル化したものが含まれる。そして、このフ
ィブリル化したものをバインダーとして用いると、不織
布の強度を高めたり低熱膨張化を図ったりすることがで
きるのはもちろん、樹脂ワニスの含浸性及び耐熱性を向
上させる効果を一層高く得ることができるものである。
しかし、フィブリル化されたもののサイズ(平均繊維長
など)が、溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維のサイズ
と同じ又はこれよりも大きいと、作製される不織布への
樹脂ワニスの含浸が妨げられ、十分な含浸性を得ること
ができないおそれがあり、好ましくない。
【0024】またバインダーとして、上述した高分子重
合体の群から選ばれるものを水に分散させて調製した水
分散性エマルジョンを用いても、高分子重合体からなる
ファイブリッドと同様の効果を得ることができて好まし
い。
【0025】そして、プリプレグを作製するための基材
として全芳香族繊維不織布を作製するにあたっては、以
下のようにして行うことができる。
【0026】すなわち、まず上記の溶融液晶全芳香族ポ
リエステル繊維とバインダーとを共に水に分散させ、混
合水性スラリーを調製する。この混合水性スラリーには
例えば分散剤や粘度調整剤などの公知の添加剤を加える
こともできるが、溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維と
バインダーの配合量は、作製される全芳香族繊維不織布
の全量に対して、溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維が
70〜97質量%、バインダーが3〜30質量%となる
ように設定しておくものである。溶融液晶全芳香族ポリ
エステル繊維の配合量が70質量%より少ないと、上述
したようなこの繊維の特徴が失われてしまうものであ
る。逆に97質量%より多いと、相対的にバインダーの
配合量が少なくなり、短繊維同士の十分な結着を得るこ
とができないものである。またバインダーの配合量が3
質量%より少ないと、短繊維同士の十分な結着を得るこ
とができないものであり、逆に30質量%より多いと、
上述したような溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維の特
徴が失われてしまうものである。
【0027】次に、上記の混合水性スラリーを湿式抄紙
してシート状の原布に形成した後、この原布に加熱圧縮
処理を行うことによって、全芳香族繊維不織布を作製す
ることができる。抄紙して得られる原布は複数枚重ねて
加熱圧縮処理を行うことができるが、このとき例えば2
枚の原布を用いる場合は、それぞれの原布の抄造工程に
おける同一面が対向するように重ね合わせておくのが好
ましい。このように原布を重ね合わせておくと、均一で
反りのない不織布を得ることができるものである。また
上記の加熱圧縮処理は、一般的な加熱ロールを備えたカ
レンダーを用いて行うことができる。
【0028】上記の加熱圧縮処理は、具体的には抄紙し
て得られた原布の1枚又は複数枚を2本のロールで挟み
込み、線圧力1471〜2942N/cm(150〜3
00kgf/cm)の範囲で圧縮すると共に、ロール温
度250〜330℃の範囲で加熱して行うものである。
このような加熱圧縮処理を行うと、溶融液晶全芳香族ポ
リエステル繊維同士の十分な結着を得ることができるも
のであり、またかかる繊維の熱劣化を防止したり、必要
とする密度を得ることができるものである。しかし、線
圧力が1471N/cm(150kgf/cm)未満で
あると、上記繊維同士の十分な結着を得ることができな
いものであり、逆に2942N/cm(300kgf/
cm)を超えると、不織布の密度が高くなり過ぎ、樹脂
ワニスの含浸が損なわれるものである。またロール温度
が250℃未満であると、上記繊維同士の十分な結着を
得ることができないものであり、逆に330℃を超える
と、この繊維の耐熱性を上回り、劣化を引き起こすもの
である。
【0029】また、好ましくは上記の加熱圧縮処理を行
った後、さらに以下のような熱処理を行うのが良い。こ
のようにすると、作製される不織布に樹脂ワニスを含浸
させる際の強度を高く得ることができると共に、耐熱性
を向上させることができるものである。具体的にはこの
熱処理は、250〜330℃の範囲で行うのが好まし
く、溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維の溶融(分解)
温度以下で行うのがよい。熱処理温度が250℃未満で
あると、バインダーの溶融、結着による溶融液晶全芳香
族ポリエステル繊維同士の結着、あるいは溶融液晶全芳
香族ポリエステル繊維同士の十分な結着を得ることがで
きないものであり、逆に330℃を超えると、この繊維
の耐熱性を上回り、劣化を引き起こすものである。
【0030】また、熱処理の態様としては、上述した加
熱圧縮処理を行った原布を一旦ロール状に巻いてこの状
態で加熱して行うか、あるいは加熱圧縮処理後の原布を
ロール状に巻かずに連続的に繰り出しながら圧力を掛け
ることなく無圧の状態で加熱して行うのが好ましく、こ
れによって樹脂ワニスを含浸させる際の強度や耐熱性を
一層高く得ることができるものである。なお、この際の
加熱は、例えば熱風式のオーブン、バッチ式の炉、加熱
ロールを用いて行うことができる。そして、好ましくは
上記の熱処理によって、溶融液晶全芳香族ポリエステル
繊維が互いに部分的に融着されると共にバインダーが溶
融されて溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維が融着され
るようにするのが良い。このように、溶融液晶全芳香族
ポリエステル繊維の一部やバインダーを溶かして互いに
付けるようにすると、溶融液晶全芳香族ポリエステル繊
維同士の単なる絡み合いによる結着よりも、作製される
不織布の強度を一層高めることができるものである。
【0031】上記のようにして作製される全芳香族繊維
不織布にあって、その密度は0.4〜0.8g/cm3
であることが好ましい。不織布の密度をかかる範囲に設
定するにあたっては、上述した加熱圧縮処理において、
線圧力及びロール温度を適宜調整することによって行う
ことができる。不織布の密度が0.4g/cm3未満で
あると、プリント配線板用のプリプレグを作製するにあ
たって、含浸させる樹脂量が多い場合は低熱膨張化が妨
げられ、含浸させる樹脂量が少ない場合は表面に存在す
る樹脂が不足し、プリプレグ間において十分な接着力を
得ることができなくなるおそれがある。逆に不織布の密
度が0.8g/cm3を超えると、基材として樹脂ワニ
スを含浸させるには密度が高くなり過ぎ、基材内部にま
で樹脂ワニスが浸透せず、品質の著しい低下を引き起こ
すおそれがある。なお、不織布の密度は上記のように加
熱処理時において調整することができるため、抄紙して
得られる原布の坪量(単位面積当たりの質量)と厚さ
は、任意に設定することができる。
【0032】そして、プリプレグを作製するにあたって
は、基材として上記の全芳香族繊維不織布を用い、まず
この不織布に熱硬化性樹脂を含浸する。この熱硬化性樹
脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、アミノグリシジルエーテル樹
脂、ビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂、臭
素化ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン
型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂などの
エポキシ樹脂の他に、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン
オキサイド(PPO)樹脂、ポリフェニレンエーテル
(PPE)樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド・ト
リアジン(BT)樹脂、フェノール樹脂、ベンゾシクロ
ブテン(BCB)樹脂などの高耐熱性を有する熱硬化性
樹脂を使用することができる。
【0033】また、上記の熱硬化性樹脂には硬化剤や硬
化促進のための触媒を添加し、熱硬化性樹脂組成物とし
て使用することができ、さらにこれを適当な溶剤に溶解
させることによって樹脂ワニスとして使用することもで
きる。硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化させるもの
であれば、特に限定されるものではないが、例えば、ア
ミン類、フェノール、フェノールノボラック樹脂、ビス
フェノールA型ノボラック樹脂、ジシアンジアミド、酸
無水物を使用することができる。なお、不織布に含浸さ
れる樹脂量は50〜70質量%の範囲であることが好ま
しく、より好ましくは50〜60質量%である。
【0034】その後、熱硬化性樹脂が含浸された不織布
を乾燥し半硬化することによって、プリプレグを作製す
ることができる。熱硬化性樹脂と共に溶剤が不織布に含
浸されている場合は、この溶剤を揮発させると共にB−
ステージ(半硬化)状態となるように加熱を行うもので
ある。B−ステージ状態はゲルタイムなどで管理するこ
とができるものであり、好ましくはこのゲルタイムは5
0〜300秒程度であるのが良い。しかし、ゲルタイム
は使用する熱硬化性樹脂の種類によって変動することが
あるため、上記の範囲に限定されるものではない。
【0035】そして、上記のようにして作製したプリプ
レグを1枚以上積層すると共に加熱加圧成形することに
よって、積層板を作製することができる。特に、片面又
は両面に金属箔が張られて形成される金属張積層板は、
上記のプリプレグを1枚以上積層し、その片側又は両側
に銅箔などの導電性金属箔を配し、加熱加圧成形するこ
とによって、作製することができる。成形時における圧
力や温度は、プリプレグに使用されている熱硬化性樹脂
の種類により異なるが、通常は圧力を0.49〜5.8
8MPa(5〜60kgf/cm2)とし、最高温度を
170〜210℃程度として成形を行うのが好ましい。
【0036】また、上記の金属張積層板の片面又は両面
に配された金属箔に、公知の方法によって回路パターン
を形成することにより、プリント配線板を作製すること
ができる。このようなプリント配線板を特に内層用プリ
ント配線板として用い、回路パターンが形成された側の
表面に上記のプリプレグを積層すると共に加熱加圧成形
することによって、多層プリント配線板を作製すること
ができる。この際、外側に銅箔などの導電性金属箔を配
し、この金属箔と内層用プリント配線板とでプリプレグ
を挟み込むようにして、金属張積層板の場合と同様に加
熱加圧成形することもできる。
【0037】上記のようにして作製した多層プリント配
線板にあって、プリプレグが絶縁層を形成し、金属箔が
導体層を形成している。絶縁層にバイアホール用などの
穴を穿設するにあたっては、所定箇所の導体層をエッチ
ングなどによって除去した後、炭酸ガスレーザなどのレ
ーザを照射することによって行うことができる。このと
き絶縁層を形成しているプリプレグには、基材として、
ガラス布ではなく有機繊維である全芳香族繊維不織布が
用いられているため、レーザ加工性に優れており、穿設
後の穴の内面に繊維残りが生じることがなくなるもので
ある。その後、この穴の内面にめっきを行うと共に外側
の導体層に外層用の回路パターンを形成することによ
り、絶縁層を介して内層と外層との層間接続を行うこと
ができる。そして、以上の工程を繰り返してビルドアッ
プ法を行うことにより、さらに多層を有するプリント配
線板を作製することができるものである。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0039】(実施例1)溶融液晶全芳香族ポリエステ
ル繊維(繊維径:13μm、繊維長:3mm、融点:2
84℃、クラレ(株)製「ベクトラン」)と、予め叩解
機により鱗片状に砕いたポリフェニレンサルファイド
(PPS)樹脂との混合水性スラリーから抄紙機によ
り、坪量35g/m2のシート状の原布を抄造した。2
枚の原布を抄紙面を対向させて重ね合わせ、線圧力24
50N/cm、ロール温度280℃で2本のロール間に
通し、加熱圧縮処理を行って溶融液晶全芳香族ポリエス
テル繊維及びバインダー成分を軟化させ、融着させた。
さらに、290℃のオーブンによる熱処理を行って、全
芳香族繊維不織布を作製した。使用した溶融液晶全芳香
族ポリエステル繊維とPPS樹脂の不織布における含有
率はそれぞれ表1に示す通りである。
【0040】(実施例2)溶融液晶全芳香族ポリエステ
ル繊維(繊維径:13μm、繊維長:3mm、融点:2
84℃、クラレ(株)製「ベクトラン」)と、予め叩解
機により鱗片状に砕いたフルオロ重合体樹脂フィルム
(ダイキン工業(株)製「ネオフロン FEPフィルム
NF−0012」)との混合水性スラリーから抄紙機
により、坪量35g/m2のシート状の原布を抄造し
た。2枚の原布を抄紙面を対向させて重ね合わせ、線圧
力2450N/cm、ロール温度280℃で2本のロー
ル間に通し、加熱圧縮処理を行って溶融液晶全芳香族ポ
リエステル繊維及びバインダー成分を軟化させ、融着さ
せた。さらに、285℃のオーブンによる熱処理を行っ
て、全芳香族繊維不織布を作製した。使用した溶融液晶
全芳香族ポリエステル繊維とフルオロ重合体樹脂の不織
布における含有率はそれぞれ表1に示す通りである。
【0041】(実施例3)溶融液晶全芳香族ポリエステ
ル繊維(繊維径:13μm、繊維長:3mm、融点:2
84℃、クラレ(株)製「ベクトラン」)と、予め叩解
機により鱗片状に砕いたポリ−メタ−フェニレン・イソ
フタルアミドとの混合水性スラリーから抄紙機により、
坪量35g/m2のシート状の原布を抄造した。2枚の
原布を抄紙面を対向させて重ね合わせ、線圧力2450
N/cm、ロール温度280℃で2本のロール間に通
し、加熱圧縮処理を行って溶融液晶全芳香族ポリエステ
ル繊維及びバインダー成分を軟化させ、融着させた。さ
らに、290℃のオーブンによる熱処理を行って、全芳
香族繊維不織布を作製した。使用した溶融液晶全芳香族
ポリエステル繊維とポリ−メタ−フェニレン・イソフタ
ルアミドの不織布における含有率はそれぞれ表1に示す
通りである。
【0042】(比較例1)溶融液晶全芳香族ポリエステ
ル繊維(繊維径:13μm、繊維長:3mm、融点:2
84℃、クラレ(株)製「ベクトラン」)と、樹脂バイ
ンダーである水溶性のエポキシ樹脂(ビスフェノールA
型水分散性エポキシ樹脂である大日本インキ化学工業
(株)製「EM85」)との混合水性スラリーから抄紙
機により、坪量35g/m2のシート状の原布を抄造し
た。2枚の原布を抄紙面を対向させて重ね合わせ、線圧
力784N/cm、ロール温度230℃で2本のロール
間に通し、加熱圧縮処理を行って溶融液晶全芳香族ポリ
エステル繊維及びバインダー成分を軟化させ、融着させ
て、全芳香族繊維不織布を作製した。なお、熱処理は行
わなかった。使用した溶融液晶全芳香族ポリエステル繊
維と水溶性のエポキシ樹脂の不織布における含有率はそ
れぞれ表1に示す通りである。
【0043】(比較例2)溶融液晶全芳香族ポリエステ
ル繊維の配合量を65質量%とし、バインダーの配合量
を35質量%とした以外は、実施例1と同様にして全芳
香族繊維不織布を作製した。
【0044】(比較例3)加熱圧縮処理における線圧力
を3724N/cmとし、不織布の密度を0.85g/
cm3とした以外は、実施例3と同様にして全芳香族繊
維不織布を作製した。
【0045】(積層板の作製)大日本インキ化学工業
(株)製臭素化エポキシ樹脂「エピクロン1121」を
固形で65質量部と、東都化成(株)製エポキシ樹脂
「YD128」10質量部に、ビスフェノールAを8質
量部及びテトラブロモビスフェノールA(TBBA)を
6質量部、さらに大日本インキ化学工業(株)製フェノ
ールノボラック樹脂「TD2090」を11質量部硬化
剤として配合し、メチルエチルケトン(MEK)とメチ
ルセロソルブを溶媒として固形分率が63質量%となる
ように溶解した。さらに2−メチルイミダゾールを0.
1phr加えて樹脂ワニスとした。樹脂ワニス固形中の
臭素量は17質量%であり、エポキシ樹脂とフェノール
性硬化剤の当量比率は1:1であった。
【0046】次に、この樹脂ワニスを実施例1〜3及び
比較例1〜3の不織布の基材に含浸させ、樹脂含有率が
50〜55質量%となるようにし、乾燥してB−ステー
ジ化し、プリプレグを作製した。
【0047】そして、B−ステージ(半硬化)状態のプ
リプレグを5枚重ね、両側に銅箔を配して、圧力2.9
4MPa(30kg/cm2)、温度170℃の積層プ
レスにより、両面銅張積層板を作製した。
【0048】一方、予め内層銅箔処理(酸化銅処理)を
施したFR−4の両面銅張積層板に上記のB−ステージ
状態のプリプレグを1枚載せると共に、さらに銅箔を配
して積層成形を行い、レーザ加工性評価用のビルドアッ
プ3層板を作製した。
【0049】(不織布の地合い)不織布の一定面積に一
定光量の光を照射したときの透過光量のばらつき(σ)
をみることによって、不織布の地合いを評価した。6以
下を合格(OK)とし、7以上を不合格(むらあり)と
した(ISO13660(案)による方法に基づく)。
【0050】(溶剤含浸強度)試験片の作製、使用した
測定機器及び測定方法は、JIS P 8111に基づ
く。
【0051】(樹脂の含浸性)この評価は、上記のよう
にして作製したプリプレグや積層板における不織布基材
への樹脂の充填性をみることにより行い、具体的にはか
すれやボイド(未含浸)の有無を観察し、かすれやボイ
ドが無いものを合格とした。
【0052】(260℃半田耐熱性)上記のようにして
作製した両面銅張積層板の表面銅箔をエッチングによっ
て除去し、次にこれを耐圧容器中に入れて、121℃の
飽和水蒸気による処理(PCT処理)を2時間行った。
その後、260℃の半田浴に20秒浸漬して膨れの有無
を観察した。膨れの無いものを合格とした。
【0053】(気中耐熱性(60分))JIS C 6
481に基づき、上記のようにして作製した両面銅張積
層板から銅箔付きのまま50mm×50mmの大きさの
ものを切り取って試験片とした。この試験片を空気循環
装置付きの260℃の恒温槽中に入れて1時間処理し、
銅箔及び積層板の膨れ又は剥がれの有無を目視によって
観察した。膨れや剥がれの無いものを合格(OK)と
し、膨れや剥がれが有るものを不合格(NG)とした。
【0054】(熱膨張係数(x,y))上記のようにし
て作製した両面銅張積層板からx方向及びy方向にサン
プルを切り出し、IPC TM650に従って試験を行
った。
【0055】(CO2レーザ穴加工性)上記のようにし
て作製したビルドアップ3層板の銅箔をエッチングによ
り除去し、これに炭酸ガスレーザ機(三菱電機(株)製
「ML605GTX」)を用いてパルス幅:24μse
c、加工エネルギー:10mJで穴あけ加工を行った。
そして、過マンガン酸デスミア処理を行った後の穴内部
の壁面について、基材残りの状態を観察した。基材残り
が無いものをOKとした。
【0056】
【表1】
【0057】表1にみられるように、実施例1〜3のも
のはいずれについても、樹脂ワニス含浸時における強度
が高く、樹脂ワニスの含浸性、耐熱性及びレーザ加工性
などが優れていることが確認される。
【0058】これに対し、バインダーとして水溶性のエ
ポキシ樹脂を用いた比較例1のものは、低熱膨張化を図
ることができないことが確認される。
【0059】また、溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維
の配合量が少ない比較例2のものは、樹脂の含浸性が低
い上に低熱膨張化が図れないことが確認される。
【0060】さらに、不織布作製時の線圧力が高く密度
が高い比較例3のものは、樹脂ワニスの含浸性、耐熱性
及びレーザ加工性の評価がいずれも悪いことが確認され
る。
【0061】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る全
芳香族繊維不織布は、溶融液晶全芳香族ポリエステル繊
維及びバインダーを主成分として抄紙された全芳香族繊
維不織布において、全芳香族繊維不織布の全量に対し
て、溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維を70〜97質
量%及びバインダーを3〜30質量%含有する混合水性
スラリーが湿式抄紙された後、2本のロールで挟み込ま
れ、線圧力1471〜2942N/cm、ロール温度2
50〜330℃の範囲で加熱圧縮処理が行われているの
で、溶融液晶全芳香族繊維不織布とバインダーとを上記
の配合量で配合することによって、樹脂ワニスを含浸さ
せる際の強度を高く得ることができると共に、樹脂ワニ
スの含浸性、耐熱性及びレーザ加工性を向上させること
ができるものであり、しかも低熱膨張化が図られ、また
加熱圧縮処理の際に線圧力とロール温度とを上記の範囲
に設定しておくことによって、溶融液晶全芳香族ポリエ
ステル繊維同士を十分に結着させることができると共
に、繊維の熱劣化を防止したり、必要とする密度を得る
ことができるものである。
【0062】また請求項2の発明は、加熱圧縮処理後に
250〜330℃の範囲で熱処理が行われているので、
樹脂ワニスを含浸させる際の強度を高く得ることができ
ると共に、耐熱性を向上させることができるものであ
る。
【0063】また請求項3の発明は、溶融液晶全芳香族
ポリエステル繊維として、繊維径が15μm以下である
と共に平均繊維長が0.5〜3.5mmであるものを用
いるので、レーザ加工性に優れ、良好な地合いを得るこ
とができると共に、密度のばらつきを小さくすることが
できるものである。
【0064】また請求項4の発明は、密度が0.4〜
0.8g/cm3であるので、樹脂ワニスの含浸性に優
れ、またこの不織布を用いて積層板を作製する場合に、
プリプレグ間において十分な接着力を得ることができる
ものである。
【0065】また請求項5の発明は、熱処理によって、
溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維が互いに部分的に融
着されていると共にバインダーが溶融されて溶融液晶全
芳香族ポリエステル繊維が融着されているので、溶融液
晶全芳香族ポリエステル繊維の一部やバインダーを溶か
して互いに付けることによって、単なる絡み合いによっ
てこれらのものを結着させるよりも、不織布の強度を高
めることができるものである。
【0066】また請求項6の発明は、ロールによる加熱
圧縮処理後に、ロール状に巻いた状態又は連続的に無圧
の状態で熱処理を行われているので、樹脂ワニスを含浸
させる際の強度や耐熱性を一層高く得ることができるも
のである。
【0067】また請求項7の発明は、バインダーとし
て、高分子重合体からなるファイブリッドを用いるの
で、不織布の強度を十分に高めることができる上に、バ
インダーとして従来のような水溶性のエポキシ樹脂を用
いるよりも、低熱膨張化を図ることができると共に、樹
脂ワニスの含浸性及び耐熱性を向上させることができる
ものである。
【0068】また請求項8の発明は、バインダーとし
て、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、フル
オロ重合体樹脂、ポリ−メタ−フェニレン・イソフタル
アミド、ポリエーテルエーテルケトンの群から選ばれる
ものを用いて調製された水分散性エマルジョン、又は上
記の群から選ばれるものを叩解機によって溶融液晶全芳
香族ポリエステル繊維よりも小さいサイズの鱗片状にフ
ィブリル化されたものを用いるので、不織布の強度を高
めたり低熱膨張化を図ったりすることができるのはもち
ろん、樹脂ワニスの含浸性及び耐熱性を向上させる効果
を一層高く得ることができるものである。
【0069】また請求項9に係るプリプレグは、請求項
1乃至8のいずれかに記載の全芳香族繊維不織布に熱硬
化性樹脂を含浸すると共に乾燥し半硬化しているので、
耐熱性及びレーザ加工性に優れており、ビルドアップ法
によってプリント配線板を多層化する際に好適に使用す
ることができるものである。
【0070】また請求項10に係る積層板は、請求項9
に記載のプリプレグを1枚以上積層すると共に加熱加圧
成形しているので、極薄のものであっても、全芳香族繊
維不織布の基材によって、強度を維持したり高い絶縁信
頼性を確保したりすることができるものである。
【0071】また請求項11に係る多層プリント配線板
は、請求項9に記載のプリプレグを、予め回路パターン
が形成された内層用プリント配線板の表面に積層すると
共に加熱加圧成形しているので、極薄のものであって
も、全芳香族繊維不織布の基材によって、強度を維持し
たり高い絶縁信頼性を確保したりすることができると共
に、優れた耐熱性及びレーザ加工性により、ビルドアッ
プ法によってさらに多層化するにあたって、バイアホー
ルなどを形成する際の繊維残りなどの発生を防止するこ
とができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 25/04 D21H 25/04 H05K 1/03 610 H05K 1/03 610T 3/46 3/46 B T // C08L 101:00 C08L 101:00 (72)発明者 山野内 建吾 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA02 AB05 AB29 AD11 AD13 AD26 AD27 AD28 AD29 AD30 AD32 AD42 AD43 AD45 AE01 AF25 AF26 AF28 AF30 AG03 AH31 AJ04 AL13 4L047 AA22 AB02 AB07 BA08 BA13 BA21 BA22 BC11 BC14 CA19 CB01 CB05 CB07 CB10 CC14 EA10 4L055 AF25 AF30 AF33 AF35 AG69 AG77 AG84 AG88 AG97 AH37 BE14 BE20 EA08 EA16 EA20 EA23 EA32 FA13 FA19 FA30 GA02 GA33 GA50 5E346 AA12 CC05 CC09 CC32 DD02 DD12 DD32 EE09 EE33 GG02 GG28 HH11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維及び
    バインダーを主成分として抄紙された全芳香族繊維不織
    布において、全芳香族繊維不織布の全量に対して、溶融
    液晶全芳香族ポリエステル繊維を70〜97質量%及び
    バインダーを3〜30質量%含有する混合水性スラリー
    が湿式抄紙された後、2本のロールで挟み込まれ、線圧
    力1471〜2942N/cm、ロール温度250〜3
    30℃の範囲で加熱圧縮処理が行われて成ることを特徴
    とする全芳香族繊維不織布。
  2. 【請求項2】 加熱圧縮処理後に250〜330℃の範
    囲で熱処理が行われて成ることを特徴とする請求項1に
    記載の全芳香族繊維不織布。
  3. 【請求項3】 溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維とし
    て、繊維径が15μm以下であると共に平均繊維長が
    0.5〜3.5mmであるものを用いて成ることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の全芳香族繊維不織布。
  4. 【請求項4】 密度が0.4〜0.8g/cm3である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の全
    芳香族繊維不織布。
  5. 【請求項5】 熱処理によって、溶融液晶全芳香族ポリ
    エステル繊維が互いに部分的に融着されていると共にバ
    インダーが溶融されて溶融液晶全芳香族ポリエステル繊
    維が融着されて成ることを特徴とする請求項2乃至4の
    いずれかに記載の全芳香族繊維不織布。
  6. 【請求項6】 ロールによる加熱圧縮処理後に、ロール
    状に巻いた状態又は連続的に無圧の状態で熱処理が行わ
    れて成ることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに
    記載の全芳香族繊維不織布。
  7. 【請求項7】 バインダーとして、高分子重合体からな
    るファイブリッドを用いて成ることを特徴とする請求項
    1乃至6のいずれかに記載の全芳香族繊維不織布。
  8. 【請求項8】 バインダーとして、ポリフェニレンサル
    ファイド(PPS)樹脂、フルオロ重合体樹脂、ポリ−
    メタ−フェニレン・イソフタルアミド、ポリエーテルエ
    ーテルケトンの群から選ばれるものを用いて調製された
    水分散性エマルジョン、又は上記の群から選ばれるもの
    を叩解機によって溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維よ
    りも小さいサイズの鱗片状にフィブリル化されたものを
    用いて成ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    に記載の全芳香族繊維不織布。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の全芳
    香族繊維不織布に熱硬化性樹脂を含浸すると共に乾燥し
    半硬化して成ることを特徴とするプリプレグ。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のプリプレグを1枚以
    上積層すると共に加熱加圧成形して成ることを特徴とす
    る積層板。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のプリプレグを、予め
    回路パターンが形成された内層用プリント配線板の表面
    に積層すると共に加熱加圧成形して成ることを特徴とす
    る多層プリント配線板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008085106A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Kyocera Corp プリント配線板
KR101273898B1 (ko) * 2011-08-17 2013-06-17 웅진케미칼 주식회사 메타아라미드 부직포의 제조방법 및 그로부터 수득되는 메타아라미드 부직포
JP2015528756A (ja) * 2012-06-28 2015-10-01 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 熱伝導性基板物品
CN115302870A (zh) * 2022-07-05 2022-11-08 陕西生益科技有限公司 一种覆铜箔层压板及其应用

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