JP4051744B2 - 多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルム、そのプリプレグならびにプリプレグを使用するプリント回路用基材およびプリント回路用積層板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、引裂強度の改良された多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルム、かかるフィルムからなるプリプレグ、およびそれを使用するプリント回路用基材、プリント回路用積層板に関する。更に詳しくは、短繊維および/またはパルプで補強された多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルム、該フィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸してなるプリプレグ、およびかかるプリプレグを使用するプリント回路用基材、プリント回路用積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器においては、高機能化のための高速信号処理化、デジタル化への要求が一層高まっている。芳香族ポリアミド(以下、アラミドということがある。)の不織布を基体とした積層板は、低誘電率、軽量、低熱線膨張率という特徴を有しており、かかる分野での用途開発が進められている。
【0003】
芳香族アラミドは2種類に大別される。即ち、メタ配向芳香族ポリアミド(以下、メタアラミドということがある。)とパラ配向芳香族ポリアミド(以下、パラアラミドということがある。)である。メタアラミドからなる紙の強度・引裂強度は実用上充分であるが、熱線膨張係数が高くそのままでは回路用基材としては不適である。一方、パラアラミド繊維は高強度、高剛性、高耐熱性および低熱線膨張係数といった優れた性質を有しているが、パラアラミドは溶融しないのでパラアラミドパルプから製造されたパラアラミド紙は膠着部(絡合部ともいう。)を有しない。この結果、パラアラミド紙は強度が低く、回路用基材としては取扱いが困難であった。このため、パラアラミドの紙または不織布に耐熱性樹脂からなるバインダーを施す方法がよく用いられている。
【0004】
例えば、米国特許第5,314,742号明細書には、メタアラミドからなるフィブリルとパラアラミド・フロックとからなる不織布が、低熱線膨張率を有する積層板の基体として有用であると記載されている。また、特開平5−327148号公報には、パラアラミド繊維を50%以上含有するクロス、紙、不織布を基体とすることで、面方向の熱線膨張係数を低減できることが記載されている。しかし、不織布の場合には、製法上の特質として均質な物が得られにくいという欠点があり、改善が望まれていた。
【0005】
また、特開平8ー74195号公報には低分子量パラアラミドのN−メチルピロリドン溶液を、パラアラミド紙のバインダーとする製法で得られたパラアラミド紙は高い強度を有することが記載されている。この場合、パラアラミド紙は低分子量のアラミドにより空隙が埋められるため多孔質にはなり得ず、また紙に本質的な不均一性は改良されないと思われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状において、本発明の課題は、機械的強度が良好で、地合が均一で軽量であり、熱線膨張率が低い短繊維あるいはパルプで補強された多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムと該フィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂(以下、単に樹脂ということがある。)を含浸してなるプリプレグを提供することにある。更に、本発明はかかるプリプレグを使用したプリント回路用基材および積層板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題解決の為に鋭意研究し本発明に到達した。即ち、本発明は、先ず、短繊維および/またはパルプを含有する多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムにおいて、該短繊維および/またはパルプが230℃未満で溶融しない高耐熱の短繊維および/またはパルプであり、該短繊維のアスペクト比が50以上および200〜300℃での熱線膨張係数が±50×10-6/℃以内であり、更に該短繊維はフィルム内に存在しかつフィルム面と平行に配置された構造を有し、また該パルプはフィルム内に存在しかつフィルム内に均一に分散した状態で配置された構造を有する短繊維および/またはパルプ強化多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムに係るものである。
【0008】
次に、本発明は、上記短繊維および/またはパルプ強化多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムにおいて、多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムの部分が、フィブリルの径が1μm以下のフィブリルから構成され、フィブリルが網目状または不織布状に平面に配置されかつ層状に重なっている構造を有し、さらに該フィルムの200〜300℃での熱線膨張係数が±50×10-6/℃以内であり、空隙率が30〜95%である短繊維および/またはパルプ強化多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムに係るものである。
【0009】
さらに本発明は、この補強された多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸してなるプリプレグに係るものである。
【0010】
また、本発明は、上記プリプレグを用いてなるプリント回路用基材、およびかかるプリント回路用基材からなる絶縁層と金属箔とからなる導電層を有するプリント回路用積層板に係るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。本発明においてパラ配向芳香族ポリアミドとは、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ジハライドの縮合重合により得られるものであり、アミド結合が芳香族環のパラ位またはそれに準じた配向位(例えば、4,4’−ビフェニレン、1,5−ナフタレン、2,6−ナフタレン等のような反対方向に同軸または平行に延びる配向位)で結合される繰り返し単位から実質的になるものである。
【0012】
具体的には、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(4,4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレンジアミン/2,6−ジクロロパラフェニレンジアミン/テレフタル酸ジクロライドからなる共重合体等のパラ配向型またはパラ配向型に準じた構造を有するパラアラミドが例示される。また、本発明ではパラアラミドの末端官能基がフェノール性水酸基であるパラアラミドを使用することもできる。
【0013】
末端官能基がフェノール性水酸基であるパラアラミドとは、上記パラ配向芳香族ポリアミドの末端官能基の一部または全部が水酸基である水酸基末端パラ配向芳香族ポリアミドをいう。かかる水酸基末端パラ配向芳香族ポリアミドはパラ配向芳香族ポリアミドの分子鎖末端に一部または全部に水酸基を有する芳香族化合物が結合しているパラ配向芳香族ポリアミドに代表されるものである。
【0014】
本発明において、高耐熱の短繊維とは、アスペクト比(繊維長/繊維径)が50以上であり、200〜300℃での熱線膨張係数が±50×10-6/℃以内、好ましくは、±25×10-6/℃以内であり、かつ温度が230℃未満、好ましくは250℃未満で溶融しない繊維からなる短繊維である。本発明の短繊維の原料となる有機繊維の具体例としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリパラベンズアミドのような芳香族ポリアミド類、ポリパラベンゾエート、ポリパラフェニレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル類、ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール、ポリパラフェニレンビスオキサゾールのような芳香族複素環状ポリマー類などが挙げられる。この中でも、芳香族ポリアミド類が好ましく、特にポリパラフェニレンテレフタルアミドが多孔質フイルムとの馴染みが良いことから好適に使用できる。
【0015】
本発明において、高耐熱のパルプとは、温度が230℃未満、好ましくは250℃未満で溶融しない繊維からなるパルプである。該パルプは、200〜300℃での熱線膨張係数が±50×10-6/℃以内である原料繊維から製造されたものであることが好ましい。本発明のパルプの原料となる有機繊維の具体例としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリパラベンズアミドのような芳香族ポリアミド類、ポリパラベンゾエート、ポリパラフェニレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル類、ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール、ポリパラフェニレンビスオキサゾールのような芳香族複素環状ポリマー類などが挙げられる。この中でも、芳香族ポリアミド類が好ましく、特にポリパラフェニレンテレフタルアミドが多孔質フイルムとの馴染みが良いことから好適に使用できる。
【0016】
また、本発明のプリプレグの用途の一つである多層プリント回路基板の製造工程で、絶縁層間の回路形成のためレーザーで穿孔する場合には不適だが、無機繊維も使用する事ができる。無機繊維ではウィスカーなども含まれるが、繊維の具体例としては、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維などが挙げられる。
【0017】
本発明の短繊維においてアスペクト比が50より小さいと、短繊維による補強効果が十分に得られない。200〜300℃での熱線膨張係数が±50×10-6/℃以内からはずれると、本発明のフィルムの平面方向の熱線膨張係数が大きくなり、寸法安定性が損なわれる。また、本発明のプリプレグから製造されるプリント基板は熱半田浴に浸漬されることがあるので、本発明の短繊維は少なくとも230℃未満で溶融することがあってはならない。
【0018】
本発明のパルプは繊維よりなる幹状部とそこから枝状に分岐したフィブリル部よりなる形状を有し、BET式比表面積(単に比表面積と言うことがある。)が3m2/g以上、50m2/g以下であることが好ましい。また、本発明のプリプレグから製造されるプリント基板は熱半田浴に浸漬されることがあるので、本発明のパルプは少なくとも230℃未満で溶融することがあってはならない。
【0019】
短繊維またはパルプの添加量は特に限定されないが、短繊維および/またはパルプ強化多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムの全重量を100%としたときに、5〜50%が好ましい。5%未満では補強の効果が充分ではなく、50%を越えると短繊維および/またはパルプによるフィルムの凹凸が露になりフィルムとしての平滑性が損なわれる。
【0020】
本発明においては、補強用の短繊維および/またはパルプ以外にも、色々な目的で各種添加材を使用することができる。例えば、誘電率や吸水率を低減する目的で、ポリテトラフルオロエチレンなどの誘電率の低く撥水性の高い物質を針状、微粒状、平板状などの形態で多孔質フィルムの内部または表面に配置してもよい。その他にも、熱伝導率を高める目的では、アルミナ短繊維などの添加も、補強効果に加えて効果的である。
【0021】
また、本発明の短繊維は多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルム(以下、単に多孔質フィルムということもある。)の中に、フィルム面とほぼ平行に配置されている。またパルプはフィルム内で均一に分散した状態で配置された構造を有しており、さらに望ましくはフィブリルが開繊した状態で配置された構造を有しており、このため、引裂強度が特に改良されている。即ち、多孔質フィルムだけでは引裂の開始抵抗はあるが、一旦切れると亀裂が容易に伝搬する。しかし、短繊維がフィルム面と平行に配置されていたり、パルプが均一に分散した状態で配置されていると、亀裂の伝搬に対し効果的に抵抗できるので、引裂抵抗が向上する。
【0022】
本発明にいう多孔質フィルムとは、上記パラ配向芳香族ポリアミドから得られた多孔質のフィルムであり、該フィルムはパラアラミドのフィブリルからなり、微視的に見ると不織布状の形態を有している。即ち、本発明の多孔質フィルムは、パラアラミドからなる径が1μm以下のフィブリルが網目状または不織布状に平面に配置され、かつ層状に重なっている構造を有する。ここで、平面に配置されたとは、フィブリルがフィルム面に平行に配置されていることをいう。
【0023】
また、本発明にいう多孔質フィルムは、フィブリルから構成され、多くの空隙を有しており、その空隙率が30〜95%、好ましくは35〜90%のものである。空隙率が30%未満では、実質的に多孔質とはいえず、後述する熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を溶剤に溶解したワニスの含浸量が不十分となる。一方、95%を越えると多孔質フィルムの強度が不足して取扱いが困難となる。また、本発明の多孔質フィルムは、200〜300℃での熱線膨張係数(平面方向)が±50×10-6/℃以内、好ましくは、±25×10-6/℃以内である。この熱線膨張係数が小さいことは、平面方向の寸法安定性が良いことを示している。
【0024】
本発明でいうプリプレグは、短繊維および/またはパルプ強化多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸してなるものである。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を有する樹脂であれば特に限定されないが、融点が150℃以上の熱可塑性樹脂が好ましい。本発明に係るプリプレグの主用途と考えられるプリント回路用積層板を目的とした場合には電子回路を形成する材料との接着性が充分であるものが好ましい。かかる熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリスルフィドスルフォン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトンから選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂を例示することができる。これらは、単独または適宜組み合わせて使用することができる。
【0025】
一方、熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネート樹脂、アリール変成ポリフェニレンエーテル樹脂から選ばれる少なくとも一種の熱硬化性樹脂を例示することができる。これらは、単独または適宜組み合わせて使用することができる。
【0026】
熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂(以下、単に樹脂ということがある。)の添加量はパラアラミドに対し、樹脂/パラアラミド比(重量比)として1/9〜7/3、好ましくは2/8〜6/4である。樹脂が1/9重量比未満であると、パラアラミドからなる多孔質フィルムの空孔を樹脂で十分に埋めることができない。また7/3重量比を越えると、プリプレグの熱線膨張係数が大きくなり積層板として不適となる。
【0027】
本発明においては、上記のように熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂をそれぞれ単独に使用することができるが、これらを組成物として同時にあるいはプリプレグの製造工程で別々に使用することも可能である。
【0028】
本発明のプレプリグの形態としては、パラアラミドフィルムからなる多孔質フィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂が含浸された形態である。さらに詳しくは、パラアラミドからなる径が1μm以下のフィブリルが網目状または不織布状に平面に配置され、かつ層状に重なっている構造を有し、フィブリルがフィルム面に平行に配置されている多孔質フィルムにおいて、空隙が樹脂で埋められた、すなわち含浸された形態である。この様に、本発明でいうプレプリグの形態は、不織布状の多孔質フィルムに樹脂が含浸されたものであるので、プリプレグの熱線膨張係数においてはパラアラミド多孔質フィルムの熱線膨張係数が支配的となる。この結果、本発明のプリプレグを硬化したシートの200〜300℃での熱線膨張係数(平面方向)は、±70×10-6/℃以内、好ましくは、±35×10-6/℃以内となる。この様に熱線膨張係数が小さいことは、平面方向の寸法安定性が良いことを示しており、プリント回路用積層板として最適の性質である。
【0029】
本発明の方法で製造されるプレプリグは厚みを薄くして薄葉化が可能である。しかし、フィルム厚みが10μm未満では皺ができやすく取り扱いが難しい。具体的には、パラアラミドフィルムの厚みとして10〜150μmが好ましい。さらに、好ましくは30〜100μmである。特に上限は規定しないが、150μmを越えると積層板において重要な軽くて薄いという特徴が失われる。
【0030】
以下に本発明の短繊維および/またはパルプで補強された多孔質フィルムの製造方法の例を詳しく説明する。これらは、単なる例示であり本願発明を何ら制限するものではない。本発明の短繊維および/またはパルプで補強された多孔質フィルムの製造方法の代表例としては下記の(a)〜(c)の工程が挙げられる。なお、下記には短繊維を使用した例を代表として示す。パルプを使用する場合には適宜条件を変更することができる。
(a)極性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒中に、固有粘度が1.0〜2.8dl/gであるパラ配向芳香族ポリアミドを1〜10重量%、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を1〜10重量%、および短繊維を含む溶液から膜状物を形成する工程。
(b)該膜状物を20℃以上または5℃以下の温度に保持し、膜状物からパラ配向芳香族ポリアミドを析出させる工程。
(c)工程(b)で得られた膜状物を水系溶液またはアルコール系溶液に浸漬し、溶媒とアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を溶出させ、次いで乾燥させ多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムを得る工程。
【0031】
工程(a)で使用されるパラアラミド溶液は、例えば、以下に記すような操作により好適に製造できる。すなわち、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を1〜10重量%溶解した極性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒中で、パラ配向芳香族ジアミン1.0モルに対して、パラ配向芳香族ジカルボン酸ハライド0.94〜0.99モルを添加して、温度−20℃〜50℃で縮合重合して、パラアラミド濃度が1〜10重量%であるパラアラミド溶液を製造する。水酸基末端パラアラミドを製造するときには、パラ配向芳香族ジアミンの一部をアミノ基と水酸基を有する芳香族化合物に換え、この時のアミノ基総量1モルに対しカルボン酸ハライドが等モルとなるようにパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドを添加する。この様にして製造されたパラアラミド溶液に所定量の短繊維を混合して、膜状物を形成する原料溶液が製造される。この工程で、他の添加材(前述のポリテトラフルオロエチレン微粒子など)を配合することができる。
【0032】
本発明において、多孔質フィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸させる方法は特に限定されず、従来知られている紙またはガラスクロスへ熱硬化性樹脂を含浸させる方法などを適用することができる。例えば、本発明の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる組成物を溶剤に溶解したワニスを調製し、該多孔質フィルムに塗布して含浸させた後、溶剤を蒸発させてプリプレグを製造することができる。
【0033】
上記のプリプレグは、熱線膨張率が低く、機械的強度に優れ、また金属箔との接着性も良好なことからプリント回路用基材及び積層板として好適に使用できる。かかるプリント回路用基材や積層板は一般に行われている方法(例えば「プリント配線板のすべて」電子技術86年度版6月別冊)により作製することができる。即ち、本発明のプリプレグを絶縁層として用い、さらに金属箔からなる導線層を積層してプリント回路用積層板を作製する。金属箔としては、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等を用いることができる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。これらは単なる例示であり何ら本発明を制限するものではない。なお、実施例及び比較例における試験、評価方法または判定基準は次に示すとおりである。
【0035】
(1)固有粘度
96〜98%硫酸100mlにパラアラミド重合体0.5gを溶解した溶液及び96〜98%硫酸について、それぞれ毛細管粘度計により30℃にて流動時間を測定し、求められた流動時間の比から次式により固有粘度を求めた。
固有粘度=ln(T/T0)/C 〔単位:dl/g〕
ここでT及びTO はそれぞれパラアラミド硫酸溶液及び硫酸の流動時間であり、Cはパラアラミド硫酸溶液中のパラアラミド濃度(g/dl)を示す。
【0036】
(2)空隙率
多孔質フィルムを正方形状に切取り(一辺の長さL:cm)、重量(W:g)、厚み(D:cm)を測定した。パラアラミドの真比重を1.45g/cm3 と仮定して、次式により空隙率(体積%)を求めた。
空隙率(体積%)=100−100×(W/1.45)/(L2×D)
【0037】
(3)引張試験
多孔質フィルム、プリプレグまたはプリプレグを硬化させたシートからダンベル社製ダンベルカッターにて試験片を打ち抜き、インストロンジャパン社製インストロン万能引張試験機モデル4301を用い、JIS K−7127に準じて引張強度を求めた。
【0038】
(4)銅箔との剥離強度
JIS C−6481に準拠して測定した。
【0039】
(5)熱線膨張係数
ASTM D696に従い、セイコー電子(株)製熱分析装置TMA120を用いて測定し、以下の式によって算出した。但し、測定前にアニールしていない測定用試片については、装置内で該試片を一旦300℃まで昇温した後に再測定した結果を測定値とした。
α1=ΔL/L0 ・ΔT
ここで、α1:熱線膨張係数(/℃)
ΔL:試験片の変化長
L0 :試験前の試験片長
ΔT:温度差(℃)
【0040】
(6)誘電率
JIS C−6481に従って、横河・ヒューレット・パッカード(株)製のマルチフレクエンシーメーター4275A(Multi frequency meter 4275A)を用いて測定した。試験片は多孔質フィルムに熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを硬化したシートを10cm角に切り出し、両面に金蒸着したものを用いた。
【0041】
(7)吸水率
プリプレグを70mm角に切出し、硬化させたシートを試験片とし、これを120℃で2時間乾燥後、25℃、相対湿度65%の条件下で、24時間静置し、重量変化を測定した。
【0042】
(8)引裂強度
多孔質フィルム、プリプレグまたはプリプレグを硬化させたシートからダンベル社製のJIS K−7128ー1991C法(直角形引裂法)用ダンベルカッターにて試験片を打ち抜き、インストロンジャパン社製インストロン万能引張試験機モデル4301を用い、JIS K−7128ー1991Cに準じて引裂強度を求めた。
【0043】
(9)引裂エネルギー
引裂強度の測定結果を示すチャート(縦軸は負荷(kg/mm)、横軸は変位(mm))において、測定S−S曲線と負荷0の線および破断を示す縦線で囲まれる面積を引裂エネルギー(単位kg/mmxmm)と定義した。この値を用いて短繊維強化の効果を調べた。
【0044】
(10)BET式比表面積
BET式比表面積はマイクロメリティクス製、フローソーブ2 2300型を用いて比表面積12m2/gのアルミナ標準資料を検定用に用いて測定した。
【0045】
実施例1
1)水酸基末端ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)の合成
撹拌翼、温度計、窒素流入管及び粉体添加口を有する3リットル(l)のセパラブルフラスコを使用してポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)(以下、水酸基末端PPTAと略す。)の合成を行った。フラスコを十分乾燥し,N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す。)2220gを仕込み、200℃で2時間乾燥した塩化カルシウム149.2gを添加して100℃に昇温した。塩化カルシウムが完全に溶解した後室温に戻して、パラフェニレンジアミン(以下、PPDと略す。)67.2gと4−アミノメタクレゾール(以下、4−AMCと略す。)を6.7g添加し完全に溶解させた。この溶液を20±2℃に保ったまま、テレフタル酸ジクロライド(以下、TPCと略す。)130.7gを10分割して約5分おきに添加した。その後溶液を20±2℃に保ったまま1時間熟成し、気泡を抜くため減圧下30分撹拌した。得られた重合液(重合体ドープ)は光学的異方性を示した。一部をサンプリングして水で再沈してポリマーとして取り出し、得られた水酸基末端PPTAの固有粘度を測定したところ2.03dl/gであった。
【0046】
2)短繊維強化多孔質フィルムの作成、フィルムの空隙率及び熱線膨張係数
アラミド短繊維で補強された水酸基末端PPTAからなる多孔質フィルムを上記項1)の重合液から作製した。即ち繊維長1mm、繊維径12μm(アスペクト比83.3)であり、かつ200〜300℃での熱線膨張係数が−3.5×10-6/℃のアラミド短繊維1.2gを、攪拌翼、温度計、窒素注入管及び液体添加口を有する500mlのセパラブルフラスコに秤取し、項1)の重合液100gを添加して窒素気流中で撹拌した。アラミド短繊維が充分分散したので、NMP200gを加えて希釈した。得られた溶液を使用して、テスター産業株式会社製バーコーター(膜厚1.6mm)により、ガラス板上に当該溶液の膜状物を作製し、直ちに、80℃の加熱オーブンに約20分間保持した。この間に、水酸基末端PPTAが析出し、多孔質の膜状物が得られた。この多孔質の膜状物をイオン交換水に浸漬した。3分後に、多孔質の膜状物をガラス板から剥離した。イオン交換水を流しながら十分に水洗した後、水中より多孔質の膜状物を取り出し、遊離水をふき取った。この多孔質の膜状物をアラミド製フェルトに挟み、さらにガラスクロスに挟んだ。多孔質の膜状物を濾紙とガラスクロスではさんだ状態で、アルミ板を乗せ、その上にナイロンフィルムを被せ、ナイロンフィルムとアルミ板とをガムでシールして、減圧のための導管をつけた。全体を熱オーブンに入れ120℃で減圧しながら多孔質の膜状物を乾燥した。得られた短繊維強化多孔質フィルムは厚みが80μmで空隙率が60%であった。また、200〜300℃における熱線膨張係数は−4.5×10-6/ ℃であった。
【0047】
上記多孔質フィルムを少しだけ引き裂いて、引き裂いた部分を走査型電子顕微鏡で観察した結果を図1および図2に示す。図1の100倍の図では、引き裂かれた多孔質フィルムの中からアラミド短繊維がむき出しになっている様子が観察された。該短繊維がフィルム面とは平行に配置されている事も観察された。また、図2の5000倍の図は、斜めに破れた破面を上から観察した写真である。フィブリルからなる層が幾重にも重なっており、それぞれの層はフィブリルが平面状に広がっているのが観察された。
【0048】
3)プリプレグ、プリント回路用基材および積層板の作製
(1)ワニスの調製
下記の組成の混合物に溶媒(メチルエチルケトン、以下、MEKと略す。)を加え、還流管を付けた300mlの三角フラスコ中、マグネチックスターラーで撹拌しながら90分間加熱還流しワニスを得た。
【0049】
(2)プリプレグの作製
項3)で得られた短繊維強化多孔質フィルムをアラミド紙に挟み、さらに0.2mm厚のアルミ板で挟んだ。これをさらにアラミドフェルトと1mm厚アルミ板で挟み込み、280℃・10kg/cm2で10分間プレスして、アニールした。この多孔質フィルムを100mm角に切断し、(1)で調製したワニスを両面に塗布した。ワニスが含浸する間、溶媒が揮発しないようにフッ素フィルム(商品名:トヨフロン50F、東レ(株)製)に挟み、さらに押し付け、一様にワニスを広げた。10分間放置し、ワニスを多孔質フィルムに均一に含浸させた後、ガラスクロス(製品記号:YES−2101、日本板硝子繊維(株)製)上に移して150℃で3分間加熱して溶媒を除去し、エポキシ樹脂を半硬化させてプリプレグを作製した。
【0050】
(3)プリプレグ単身の硬化および銅箔との積層硬化と物性測定
上記4)項のプリプレグを45μmのスペーサーの隙間に置き、テフロン製シートで挟み、175℃でプレス硬化した。また、厚み35μmの銅箔でこのプリプレグを挟んだものを、115μmのスペーサーの隙間に置き、175℃でプレス硬化した。プリプレグ単身の硬化物は吸水率が3.5%で、熱線膨張係数が8.5×10-6/ ℃で、誘電率が3.8であった。また、銅箔との剥離強度は1.0kg/cmであった。
【0051】
(4)強度測定
プリプレグにする前の短繊維強化多孔質フィルムと、プレス硬化したプリプレグ硬化物のそれぞれについて、該フィルムの作製時の塗工方向(MD)と塗工と直角方向(TD)それぞれの引張強度(kg/mm2)と引裂強度(kg/mm)を測定した結果を表1に示す。短繊維で補強することにより引張強度は低下するが、取扱い性において重要な引裂強度は改善される。
【0052】
実施例2
実施例1の2)項において、アラミド短繊維1mmを3mmに替えた以外は、2)項と同じようにして短繊維強化多孔質フィルムを作製し、実施例1の3)の方法で硬化物を得た。繊維長3mmのアラミド短繊維の繊維径は12μm(アスペクト比250)であり、かつ200〜300℃での熱線膨張係数は−3.5×10-6/℃である。強度測定結果を表1に示す。
【0053】
実施例3
実施例1の2)項において、アラミド短繊維1mmを1.5g使用した以外は、2)項と同じようにして短繊維強化多孔質フィルムを作製し、実施例1の3)の方法で硬化物を得た。強度測定結果を表1に示す。
【0054】
比較例1
実施例1の2)項において、アラミド短繊維を使用しない以外は、2)項と同じようにして多孔質フィルムを作製し、実施例1の3)の方法で硬化物を得た。強度測定結果を表1に示す。短繊維で強化されたフィルムまたは硬化物に比べて、引裂強度が低い。また、一旦引き裂き始めると、殆ど抵抗なく破れた。この現象を数値化するのに引き裂きエネルギーで比較する方法を考案した。結果を表2に示す。
【0055】
実施例4
実施例1の1)項と同様にして重合液を得た。得られた水酸基末端PPTAの固有粘度は2.11dl/gであった。次に、実施例1の2)項において、アラミド短繊維1mmを0.9gと3mmを0.3g使用した以外は、2)項と同じようにして短繊維強化多孔質フィルムを作製し、実施例1の3)の方法で硬化物を得た。引裂エネルギーの値を表2に示す。比較例1との比較で明らかなように、短繊維で補強したものは引裂に対して抵抗力が大きかった。
【0056】
実施例5
実施例3において、アラミド短繊維に加えポリテトラフルオロエチレン微粒子(ダイキン工業(株)製ルブロンL−5F)を1.2g添加した以外は、同じ様にして短繊維強化多孔質フィルムを作製し、硬化物を得た。得られた硬化物の吸水率は1.4%であった。
【0057】
実施例6
1)アミノ基末端ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)の合成
撹拌翼、温度計、窒素流入管及び粉体添加口を有する3リットル(l)のセパラブルフラスコを使用してポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)の合成を行った。フラスコを十分乾燥し、NMP2220gを仕込み、200℃で2時間乾燥した塩化カルシウム163.0gを添加して100℃に昇温した。塩化カルシウムが完全に溶解した後室温に戻して、PPD71.3gを添加し完全に溶解させた。この溶液を20±2℃に保ったままTPC131.2gを10分割して約5分おきに添加した。その後溶液を20±2℃に保ったまま1時間熟成し、気泡を抜くため減圧下30分撹拌した。得られた重合液(重合体ドープ)は光学的異方性を示した。一部をサンプリングして水で再沈してポリマーとして取り出し、得られたポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)(以下、アミノ基末端PPTAと略す。)の固有粘度を測定したところ1.93dl/gであった。
【0058】
2)アラミドパルプ強化多孔質フィルムの作成、フィルムの空隙率及び熱線膨張係数
アラミドパルプで補強されたアミノ基末端PPTAからなる多孔質フィルムを上記1)項の重合液から作製した。即ちアラミドパルプ0.3g(AKZ0 Nobel社製、Twaron1095、比表面積7m2/g、数平均繊維長0.59mm)を、攪拌翼、温度計、窒素注入管及び液体添加口を有する500mlのセパラブルフラスコに秤取し、項1)の重合液100gを添加して窒素気流中で撹拌した。アラミドパルプが充分分散したのち、NMP200gを加えて希釈した。得られた溶液を使用して、テスター産業株式会社製バーコーター(膜厚1.4mm)により、ガラス板上に当該溶液の膜状物を作製し、直ちに、80℃の加熱オーブンに約20分間保持した。この間に、アミノ基末端PPTAが析出し、多孔質の膜状物が得られた。この多孔質の膜状物をイオン交換水に浸漬した。3分後に、多孔質の膜状物をガラス板から剥離した。イオン交換水を流しながら十分に水洗した後、水中より多孔質の膜状物を取り出し、遊離水をふき取った。この多孔質の膜状物をアラミド製フェルトに挟み、さらにガラスクロスに挟んだ。多孔質の膜状物を濾紙とガラスクロスではさんだ状態で、アルミ板を乗せ、その上にナイロンフィルムを被せ、ナイロンフィルムとアルミ板とをガムでシールして、減圧のための導管をつけた。全体を熱オーブンに入れ120℃で減圧しながら多孔質の膜状物を乾燥した。得られたアラミドパルプ強化多孔質フィルムは厚みが57μmで空隙率が55%であった。また、200〜300℃における熱線膨張係数は−6.0×10-6/ ℃であった。
【0059】
上記多孔質フィルムを少しだけ引き裂いて、引き裂いた部分を走査型電子顕微鏡で観察した結果を図3に示す。図3の300倍の図では、引き裂かれた多孔質フィルムの中からアラミドパルプが露出している様子が観察された。すなわち該パルプの幹状部および枝状部がフィブリルからなる複数の層間または層内部に均一に分散している様子が観察された。
【0060】
実施例7
実施例6の2)項において、アラミドパルプをポリエチレンテレフタレート短繊維に変えた以外は2)項と同じようにして多孔質フィルムを得た。即ち実施例6の1)項の重合液100gに、繊維長5mm、繊維径5μm(アスペクト比1000)のポリエチレンテレフタレート短繊維0.3gを添加したこと以外は2)項と同じようにしてアラミドパルプ強化多孔質フィルムを作製した。ポリエチレンテレフタレート短繊維としては帝人(株)製、テピルスTM04PN用いた。得られた短繊維強化多孔質フィルムは厚みが40μmで空隙率が60%であった。また、200〜300℃における熱線膨張係数は−9.0×10-6/ ℃であった。強度測定結果を表3に示す。
【0061】
比較例2
実施例6の2)項において、アラミドパルプを使用しない以外は、2)項と同じようにして多孔質フィルムを作製した。得られた多孔質フィルムは厚みが37μmで空隙率が48%であった。また、200〜300℃における熱線膨張係数は−6.0×10-6/ ℃であった。該多孔質フィルムの引き裂きエネルギーを測定した。結果を表3に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】
本発明により機械的強度が良好で、地合が均一で軽量である短繊維および/またはパルプで補強された多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムが提供される。かかるフィルムは熱線膨張率が低くプリプレグ材料として好適である。更に、かかるプリプレグを使用しプリント回路用基材やプリント回路用積層板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたフィルムの破断面の形状(短繊維強化多孔質フイルムを引き裂いた部分の構造)を示す。図面に代わる写真(倍率100倍の走査型電子顕微鏡写真)
【図2】実施例1で得られたフィルムのフィブリルの形状(短繊維強化多孔質フイルムを引き裂いた部分の破面の構造)を示す。図面に代わる写真(倍率5000倍の走査型電子顕微鏡写真)
【図3】実施例6で得られたフィルムの破断面の形状(パルプ強化多孔質フイルムを引き裂いた部分の構造)を示す。図面に代わる写真(倍率300倍の走査型電子顕微鏡写真)
Claims (9)
- 短繊維および/またはパルプを含有する多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムにおいて、該短繊維および/または該パルプが230℃未満で溶融しない高耐熱の短繊維および/またはパルプであり、該短繊維のアスペクト比が50以上および200〜300℃での熱線膨張係数が−50×10-6/℃以上50×10-6/℃以下であり、更に該短繊維はフィルム内に存在しかつフィルム面と平行に配置された構造を有することを、また該パルプはフィルム内に存在しかつフィルム内に均一に分散した状態で配置された構造を有することを特徴とする短繊維および/またはパルプ強化多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルム。
- 多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムの部分が、フィブリルの径が1μm以下のフィブリルから構成され、フィブリルが網目状または不織布状に平面に配置されかつ層状に重なっている構造を有し、さらに該フィルムの200〜300℃での熱線膨張係数が−50×10-6/℃以上50×10-6/℃以下であり、空隙率が30〜95%であることを特徴とする請求項1記載の短繊維および/またはパルプ強化多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルム。
- 高耐熱の短繊維または高耐熱のパルプが、芳香族ポリアミド類であり、芳香族ポリアミド類が、ポリパラフェニレンテレフタルアミドまたはポリパラベンズアミドである請求項1または2記載の短繊維および/またはパルプ強化多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルム。
- パラ配向芳香族ポリアミドが、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(4,4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレンテレフタルアミド)またはパラフェニレンジアミン/2,6−ジクロロパラフェニレンジアミン/テレフタル酸ジクロライドからなる共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載の短繊維および/またはパルプ強化多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルム。
- 請求項1または2に記載の短繊維および/またはパルプ強化多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸してなることを特徴とするプリプレグ。
- 熱可塑性樹脂が、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリスルフィドスルフォン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミドまたはポリエーテルケトンであることを特徴とする請求項5記載のプリプレグ。
- 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネート樹脂またはアリール変成ポリフェニレンエーテル樹脂であることを特徴とする請求項5記載のプリプレグ。
- 請求項5〜7のいずれかに記載のプリプレグを用いてなることを特徴とするプリント回路用基材。
- 請求項8記載のプリント回路用基材からなる絶縁層と金属箔からなる導電層とを有することを特徴とするプリント回路用積層板。
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