JPH09316218A - プリプレグ及び積層板 - Google Patents

プリプレグ及び積層板

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JPH09316218A
JPH09316218A JP8133995A JP13399596A JPH09316218A JP H09316218 A JPH09316218 A JP H09316218A JP 8133995 A JP8133995 A JP 8133995A JP 13399596 A JP13399596 A JP 13399596A JP H09316218 A JPH09316218 A JP H09316218A
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JP
Japan
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resin
prepreg
fiber
aromatic polyester
base material
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Application number
JP8133995A
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English (en)
Inventor
Yoshihide Sawa
佳秀 澤
Hideto Misawa
英人 三澤
Koichi Ito
幸一 伊藤
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0366Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics

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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸湿下での耐熱性や電気絶縁信頼性に優れた
プリント配線板の材料となるプリプレグを提供する。 【解決手段】 全芳香族ポリエステル繊維から形成した
基材と樹脂とを複合してプリプレグを作製する。全芳香
族ポリエステル繊維は殆ど吸湿せず、吸湿下での耐熱性
や電気絶縁信頼性を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の
材料として使用されるプリプレグ及び、このプリプレグ
からなる積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器に収納される半導体素子等のチ
ップを搭載するプリント配線板に使用される銅張り積層
板としては、ガラス布を基材とするプリプレグを用いて
製造されるガラス布基材エポキシ樹脂積層板が従来から
汎用されている。しかし近年、軽量化、低誘電率化、レ
ーザー加工性等の要望から、有機繊維を基材とするプリ
プレグを用いたプリント配線板が提案されている。そし
てこの有機繊維の代表的なものとして、アラミド(全芳
香族ポリアミド)繊維がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アラミド繊維は高強力
で耐熱性にも優れているという特性がある。しかしアラ
ミド繊維は吸湿性が高く、プリント配線板の吸湿下での
耐熱性や電気絶縁信頼性に問題が生じるものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、吸湿下
での耐熱性や電気絶縁信頼性に優れたプリント配線板の
材料となるプリプレグ及び積層板を提供することを目的
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプリプレグ
は、次の式(1)の構造式を有する全芳香族ポリエステ
ル繊維から形成した基材と樹脂とを複合して成ることを
特徴とするものである。また請求項2の発明は、全芳香
族ポリエステル繊維の織布あるいは不織布で基材を形成
して成ることを特徴とするものである。
【0005】また請求項3の発明は、全芳香族ポリエス
テル繊維とガラス繊維を併用した織布あるいは不織布で
基材を形成して成ることを特徴とするものである。また
請求項4の発明は、全芳香族ポリエステル繊維とアラミ
ド繊維を併用した織布あるいは不織布で基材を形成して
成ることを特徴とするものである。また請求項5の発明
は、基材は秤量が40〜100g/m2 であることを特
徴とするものである。
【0006】また請求項6の発明は、基材は0.8kg
/cm以上の引張強度を有することを特徴とするもので
ある。また請求項7の発明は、基材と複合する樹脂とし
て、エポキシ樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、
ポリイミド樹脂から選ばれるものを用いることを特徴と
するものである。
【0007】また請求項8の発明は、樹脂の含有率が4
0〜70重量%であることを特徴とするものである。請
求項9に係る積層板は、上記のプリプレグと、金属箔と
が積層成形されて得られたことを特徴とするものであ
る。請求項10に係る積層板は、上記のプリプレグと積
層板とが積層成形されて得られたことを特徴とするもの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明において全芳香族ポリエステル繊維として
は、p−オキシベンゾイルと6−オキシ−2−ナフトイ
ルの共重合物など、ポリアリレートを用いることがで
き、例えば株式会社クラレから「ベクトラン」として提
供されているものを使用することがきる。この全芳香族
ポリエステル繊維は、アラミド繊維とほぼ同等の強度や
弾性率を有すると共に耐熱性はアラミド繊維よりもむし
ろ高いという優れた特性を有し、しかも事実上水分を吸
収せず吸湿率が極めて小さいという性能を有する。
【0009】本発明ではこの全芳香族ポリエステル繊維
から形成した基材を使用するが、全芳香族ポリエステル
繊維の長繊維や数mm程度の短繊維を用いて作製した織
布や不織布によって基材を形成するのがよい。また本発
明ではガラス繊維の持つ剛直性を活用するために、全芳
香族ポリエステル繊維にガラス繊維を併用して基材を形
成することもできる。全芳香族ポリエステル繊維に対す
るガラス繊維の割合は、20〜50重量%の範囲に設定
するのが好ましい。
【0010】さらに本発明ではアラミド繊維の高張力、
高弾性率を活用するために、全芳香族ポリエステル繊維
にアラミド繊維を併用して基材を形成することもでき
る。アラミド繊維は吸湿性が問題にならない範囲で使用
するものであり、全芳香族ポリエステル繊維に対するア
ラミド繊維の割合は、20〜80重量%の範囲に設定す
るのが好ましい。ここで、アラミド繊維としては帝人株
式会社から「テクノーラ」として提供されているものを
用いることができる。
【0011】全芳香族ポリエステル繊維を数mmに切断
した短繊維と、ガラス繊維あるいはアラミド繊維を数m
mに切断した短繊維を混合してスラリーを調製し、この
スラリーを抄造することによって、製紙と同様の方法で
不織布を得ることができる。また全芳香族ポリエステル
繊維の長繊維と、ガラス繊維あるいはアラミド繊維の長
繊維を合撚した糸を織ることによって、また全芳香族ポ
リエステル繊維の糸を縦糸と横糸の一方に、ガラス繊維
あるいはアラミド繊維の糸を縦糸と横糸の他方にして織
ることによって、織布を得ることができる。このときさ
らに各種の繊維を織り込むことによって、各種の繊維を
併用することもできるものである。
【0012】上記の全芳香族ポリエステル繊維からなる
基材、あるいは全芳香族ポリエステル繊維とガラス繊維
やアラミド繊維からなる基材に樹脂を複合することによ
って、本発明に係るプリプレグを得ることができる。こ
の樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェ
ノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂
や、ポリフェニレンオキサイド樹脂、フッ素樹脂等の熱
可塑性樹脂を用いることができ、変性したポリフェニレ
ンオキサイド系樹脂を用いることもできる。これらの中
でも、エポキシ樹脂はコスト及び接着性、電気的特性の
点から好適であり、ポリフェニレンオキサイド系樹脂は
低誘電率である点から好適であり、ポリイミド樹脂は高
耐熱性の点から好適である。
【0013】基材への樹脂の複合化は、基材に液状の樹
脂を含浸して乾燥することによって行なうことができる
ものであり、樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合はこ
の乾燥の際の加熱によって樹脂をBステージ化してプリ
プレグを得ることができるものである。この際、樹脂を
溶剤に溶解してワニスに調製し、このワニスを基材に含
浸・乾燥することによってBステージ化するのが一般的
であるが、勿論これに限定されるものではない。
【0014】ここで、プリプレグは樹脂の含有量が40
〜70重量%になるように調製するのが好ましい。樹脂
量が40重量%未満では基材中での樹脂の均一含有性を
確保することが難しく、品質が不安定になってプリント
配線板の用途としての使用に耐えない。逆に樹脂量が7
0重量%を超えると、プリプレグの厚みのばらつきが大
きくなり、製造したプリント配線板の電気特性にばらつ
きが生じるおそれがある。
【0015】また本発明において、基材として用いられ
る織布や不織布は、1枚当たりの単位面積重量(秤量)
が40〜100m2 の範囲が、電気回路設計の上で好ま
しい。すなわち、基材に複合する樹脂量が上記の40〜
70重量%の範囲では、製造されたプリント配線板の板
厚が電気回路設計が容易な約100μmになるからであ
る。また、上記のように基材に樹脂ワニスを含浸・乾燥
してプリプレグを製造する工法では、基材の強度が必要
であるので、織布や不織布としては0.8kg/cm以
上の引張強度を有するものを用いるのが好ましい。引張
強度は高い程好ましいので上限は設定されないが、実用
上、引張強度の可能な範囲は1.5kg/cmである。
【0016】上記のようにして得られたプリプレグを複
数枚重ね、さらにこの片面あるいは両面に銅箔等の金属
箔を重ね、これを加熱加圧成形することによって、金属
箔張りの積層板を得ることができる。加熱加圧条件は、
基材に複合する樹脂の種類によって異なるが、エポキシ
樹脂を一例にとると、温度を170℃前後、圧力を20
〜50kg/cm2 、時間を60〜120分に設定する
のが好ましい。
【0017】そして上記のようにして得た金属箔張り積
層板の金属箔を露光・現像・エッチング加工等して回路
形成することによってプリント配線板に加工することが
できる。またこのように回路形成したプリント配線板を
内層材とし、上記のプリプレグを複数枚重ねると共にさ
らにその上から銅箔等の金属箔を重ね、これを上記と同
様な条件で加熱加圧成形することによって、多層の積層
板を得ることができる。この多層の積層板の表面の金属
箔を露光・現像・エッチング加工等して回路形成するこ
とによって、多層のプリント配線板に加工することがで
きるものである。
【0018】上記のようにして製造した積層板では、基
材は主として有機繊維からなるので、レーザーによる孔
明けや切断の加工が可能になる。従来の一般的なFR−
4タイプの積層板の加工に適用されているNCドリルマ
シンでも加工は可能であるが、レーザーによる加工は生
産性が非常に向上するために好ましい。また基材は主と
して吸湿率が非常に小さい全芳香族ポリエステルからな
るので、基材としてアラミド繊維を使用する場合に比べ
て積層板の吸湿率が小さくなり、吸湿後の絶縁抵抗の低
下を防止するとができると共に吸湿に起因する信頼性の
低下を防止することができるものである。
【0019】さらに、全芳香族ポリエステルは振動減衰
の減衰係数が大きいので、耐振性に優れたプリント配線
板を得ることができるものである。例えば、コンパクト
ディスクプレーヤー等の音響機器では、そのモーター等
の駆動系の影響によりプリント配線板に振動が生じ、ノ
イズとなって音質を低下させる等の問題があり、また携
帯電話などの携帯機器においては、取り扱いの際の落下
時にプリント配線板に実装されたチップが脱落する等の
問題があるが、耐振性に優れたこのようなプリント配線
板を用いれば、これらの問題を低減することができるも
のである。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (実施例1)1500デニールの全芳香族ポリエステル
繊維(株式会社クラレ製「ベクトラン」)を織機を用い
て織成することによって秤量70g/m2 の織布を得
た。この織布の引張強度は3.0kg/cmであった。
【0021】一方、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂(東都化成社製「YDCN−220」)10重量部、
臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製
「YDB−500」)3重量部、硬化剤としてジシアン
ジアミド0.5重量部、硬化促進剤としてベンジルジメ
チルアミン0.2重量部、溶剤としてメチルエチルケト
ン50重量部を配合することによって、エポキシ樹脂ワ
ニスを調製した。
【0022】そして上記の織布を基材として用い、この
エポキシ樹脂ワニスを含浸し、170℃で10分間加熱
することによって、プリプレグを得た。このプリプレグ
の樹脂量は55重量%であった。このプリプレグを10
枚重ね、さらにその両側に35μm厚の銅箔を重ね、こ
れを170℃、30kg/cm2 、120分の条件で加
熱加圧成形することによって、銅張り積層板を得た。こ
の銅張り積層板の板厚は約1.0mmであった。
【0023】(実施例2)ポリイミド樹脂(チバガイギ
ー社製「ケルイミド601」)100重量部を、溶媒と
してN−メチルピロリドン50重量部に溶解することに
よって、ポリイミド樹脂ワニスを調製した。このポリイ
ミド樹脂ワニスを実施例1と同じ全芳香族ポリエステル
繊維の織布に、実施例1と同じ条件で含浸・乾燥するこ
とによって、樹脂量が60重量%のプリプレグを得た。
【0024】このプリプレグを10枚重ね、さらにその
両側に35μm厚の銅箔を重ね、これを200℃、30
kg/cm2 、180分の条件で加熱加圧成形すること
によって、銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の板
厚は約1.0mmであった。 (実施例3)1500デニールの全芳香族ポリエステル
繊維(株式会社クラレ製「ベクトラン」)を約5mm長
に切断し、この短繊維を用いて製紙法で抄造することに
よって、秤量70g/m2 の織布を得た。この織布の引
張強度は1.3kg/cmであった。
【0025】そしてこの不織布を基材として用い、実施
例1と同じエポキシ樹脂ワニスを実施例1と同じ条件で
含浸・乾燥することによって、樹脂量が55重量%のプ
リプレグを得た。後はこのプリプレグを用いて実施例1
と同様にして、板厚約1.0mmの銅張り積層板を得
た。 (実施例4)1500デニールの全芳香族ポリエステル
繊維(株式会社クラレ製「ベクトラン」)を約5mm長
に切断した短繊維を80重量部、2.3デニール/フィ
ラメントのアラミド繊維(デュポン社製「ケブラーK−
49」)を約6mm長に切断した短繊維を20重量部混
合し、水溶性エポキシ樹脂をバインダーとして用いて製
紙法で抄造することによって、秤量70g/m2 の織布
を得た。この織布の引張強度は1.0kg/cmであっ
た。
【0026】そしてこの不織布を基材として用い、実施
例1と同じエポキシ樹脂ワニスを実施例1と同じ条件で
含浸・乾燥することによって、樹脂量が55重量%のプ
リプレグを得た。後はこのプリプレグを用いて実施例1
と同様にして、板厚約1.0mmの銅張り積層板を得
た。 (実施例5)ガラス繊維(Eガラス、長繊維、線径9μ
m)を400本束ねた糸を縦糸に、500デニールの全
芳香族ポリエステル繊維(株式会社クラレ製「ベクトラ
ン」)を200本束ねた糸を横糸にして秤量80g/m
2 の織布を得た。この織布の引張強度は1.8kg/c
mであった。
【0027】そしてこの織布を基材として用い、実施例
1と同じエポキシ樹脂ワニスを実施例1と同じ条件で含
浸・乾燥することによって、樹脂量が55重量%のプリ
プレグを得た。後はこのプリプレグを用いて実施例1と
同様にして、板厚約1.0mmの銅張り積層板を得た。 (実施例6)直径3μmのガラス繊維と、25デニール
の全芳香族ポリエステル繊維(株式会社クラレ製「ベク
トラン」)を、それぞれ300本ずつ合撚し、この合撚
糸を縦糸及び横糸に使用して秤量80g/m2 の織布を
得た。この織布の引張強度は2.0kg/cmであっ
た。
【0028】そしてこの織布を基材として用い、実施例
1と同じエポキシ樹脂ワニスを実施例1と同じ条件で含
浸・乾燥することによって、樹脂量が55重量%のプリ
プレグを得た。後はこのプリプレグを用いて実施例1と
同様にして、板厚約1.0mmの銅張り積層板を得た。 (実施例7)FR−4プリプレグ(松下電工株式会社製
「R1661」;ガラス繊維織布基材エポキシ樹脂プリ
プレグ、厚み0.1mm)を6枚重ね、その両側に実施
例1で得たプリプレグを2枚ずつ(合計4枚)重ね、さ
らにその外側に厚み35μmの銅箔を重ね、後は実施例
1と同じ条件で加熱加圧成形することによって、板厚約
1.0mmの銅張り積層板を得た。
【0029】(実施例8)実施例1で得た銅張り積層板
を用い、銅箔をエッチング加工して電気回路を形成し
た。そしてこれを内層材として用い、その両側に実施例
1で得たプリプレグを2枚ずつ(合計4枚)重ね、さら
にその外側に厚み35μmの銅箔を重ね、170℃、3
0kg/cm2 、120分の条件で加熱加圧成形するこ
とによって、厚み1.6mmの多層積層板を得た。
【0030】(比較例1)ガラス繊維織布(日東紡績株
式会社製「WEA−116E」)を基材として用い、実
施例1と同じエポキシ樹脂ワニスを実施例1と同じ条件
で含浸・乾燥することによって、樹脂量が50重量%の
プリプレグを得た。後はこのプリプレグを用いて実施例
1と同様にして、板厚約1.0mmの銅張り積層板を得
た。
【0031】(比較例2)アラミド繊維(帝人株式会社
製「テクノーラ」)による不織布を基材として用い、こ
れに実施例1と同じエポキシ樹脂ワニスを実施例1と同
じ条件で含浸・乾燥することによって、樹脂量が70重
量%のプリプレグを得た。後はこのプリプレグを用いて
実施例1と同様にして、板厚約1.0mmの銅張り積層
板を得た。
【0032】(比較例3)樹脂量が38重量%になるよ
うにした他は、実施例1と同様にしてプリプレグを得
た。そして実施例1で得た銅張り積層板の銅箔をエッチ
ング加工して電気回路を形成し、これを内層材として用
い、その両側にこのプリプレグを2枚ずつ(合計4枚)
重ね、さらにその外側に厚み35μmの銅箔を重ね、後
は実施例8と同じ条件で加熱加圧成形することによっ
て、厚み1.6mmの多層積層板を得た。
【0033】このものでは、プリプレグの樹脂量が38
重量%と不足するために、多層積層板に二次成形する際
に内層材の回路がプリプレグの樹脂で十分に充填され
ず、多層プリント配線板として製品化することのできな
い品質であった。 (比較例4)樹脂量が72重量%になるようにした他
は、実施例1と同様にしてプリプレグを得た。そして実
施例1で得た銅張り積層板の銅箔をエッチング加工して
電気回路を形成し、これを内層材として用い、その両側
にこのプリプレグを2枚ずつ(合計4枚)重ね、さらに
その外側に厚み35μmの銅箔を重ね、後は実施例8と
同じ条件で加熱加圧成形することによって、厚み1.6
mmの多層積層板を得た。
【0034】このものでは、プリプレグの樹脂量が72
重量%と過多であるために、板厚のばらつきが大きく、
多層積層板の表面に凹凸が発生していた。さらにこれを
破壊検査すると、プリプレグの過剰な樹脂が成形中に移
動して板厚のばらつきを引き起こしていることが判明し
た。上記のようにして実施例1〜8及び比較例1〜4で
得た積層板について、吸湿率、吸湿耐熱性、レーザー加
工性、耐振性、比重、誘電率、吸湿絶縁性を測定した。
【0035】吸湿率の測定は、JIS C−6481に
準拠し、23℃の水中に24時間放置した際の重量増を
計測して行なった。吸湿耐熱性の測定は、JIS C−
6481に準拠し、沸騰水中にサンプルを1時間投入し
た後、半田浴に20秒間浸漬した際にフクレの破壊が生
じる迄の時間を計測して行なった。
【0036】レーザー加工性は、炭酸ガスレーザーにて
直径100μmの孔明け加工をして試験を行ない、孔の
形状が円状の場合を「○」、孔の形状が円から若干変形
するものを「△」、孔の形状が不定形のものを「×」と
評価した。耐振性の測定は図1に示す装置を用いて行な
った。すなわち、図1(b)に示すように250mm×
170mmのサイズに作製した試験片1の4箇所に固定
用孔2を設け、支持台3に立設した支柱4に固定用孔2
を通して30kg/cmトルクで固定することによって
試験片1を図1(a)のように水平に支持し、試験片1
の中央に加速度ピックアップ5を取り付けて、インパク
トハンマー6でコーナーから30mmの箇所を加振し
(加振箇所をイで示す)、加速度ピックアップ5で減衰
係数を測定した。尚、図1(b)の寸法の単位はmmで
ある。
【0037】比重、誘電率はそれぞれJIS C−64
81に準拠して測定を行ない、吸湿絶縁性の測定はJI
S C−6481に準拠して沿層絶縁抵抗を計測するこ
とによって行なった。上記の各測定結果を結果を表1に
示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1及び表2にみられるように、各実施例
のものはアラミド繊維の不織布を基材とする比較例2の
ものに比べて吸湿率が小さく、吸湿耐熱性や吸湿絶縁性
が高いことが確認される。また各実施例のものはガラス
繊維の織布を基材とする比較例1のものに比べてレーザ
ー加工性が優れ、減衰係数が高く、比重が低く、誘電率
が小さいことが確認される。
【0040】
【発明の効果】上記のように本発明は、全芳香族ポリエ
ステル繊維から形成した基材と樹脂とを複合したもので
あり、全芳香族ポリエステル繊維は有機繊維であるため
に、ガラス繊維に比べてレーザー加工性が良好になると
共に軽量化することができ、さらに低誘電率化すること
ができるものであり、しかも全芳香族ポリエステル繊維
は殆ど吸湿せず、吸湿下での耐熱性や電気絶縁信頼性を
高めることができるものである。
【0041】また全芳香族ポリエステル繊維とガラス繊
維を併用すれば、ガラス繊維の剛直性を活用することが
できるものである。また全芳香族ポリエステル繊維とア
ラミド繊維を併用すれば、アラミド繊維の高張力や高弾
性率を活用することができるものである。また基材の秤
量を40〜100g/m2 に形成することによって、プ
リント配線板を電気回路設計が容易な板厚に形成するこ
とが容易になるものである。
【0042】また基材の引張強度を0.8kg/cm以
上に形成することによって、基材にワニスを含浸してプ
リプレグを作製する際に、基材に切断等のトラブルが発
生することがなくなるものである。また基材と複合する
樹脂として、エポキシ樹脂を用いることによって、コス
トや接着性等に優れたプリプレグを作製することがで
き、ポリフェニレンオキサイド系樹脂を用いることによ
って、低誘電率のプリプレグを作製することができ、ポ
リイミド樹脂を用いることによって、耐熱性に優れたプ
リプレグを作製することができるものである。
【0043】またプリプレグの樹脂の含有率を40〜7
0重量%に調整することによって、基材中での樹脂の均
一含有性を確保することができると共にプリプレグの厚
みのばらつきを小さくすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】振動減衰特性の測定を示すものであり、(a)
は測定装置の概略正面図、(b)は試験片の平面図であ
る。
【符号の説明】
1 試験片 5 加速度ピックアップ 6 インパクトハンマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63:04 79:08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全芳香族ポリエステル繊維から形成した
    基材と樹脂とを複合して成ることを特徴とするプリプレ
    グ。
  2. 【請求項2】 全芳香族ポリエステル繊維の織布あるい
    は不織布で基材を形成して成ることを特徴とする請求項
    1に記載のプリプレグ。
  3. 【請求項3】 全芳香族ポリエステル繊維とガラス繊維
    を併用した織布あるいは不織布で基材を形成して成るこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ。
  4. 【請求項4】 全芳香族ポリエステル繊維とアラミド繊
    維を併用した織布あるいは不織布で基材を形成して成る
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ。
  5. 【請求項5】 基材は秤量が40〜100g/m2 であ
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    プリプレグ
  6. 【請求項6】 基材は0.8kg/cm以上の引張強度
    を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに
    記載のプリプレグ。
  7. 【請求項7】 基材と複合する樹脂として、エポキシ樹
    脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリイミド樹脂
    から選ばれるものを用いることを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれかに記載のプリプレグ。
  8. 【請求項8】 樹脂の含有率が40〜70重量%である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のプ
    リプレグ。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載のプリ
    プレグと、金属箔とが積層成形されて得られたことを特
    徴とする積層板。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至8のいずれかに記載のプ
    リプレグと、請求項9の積層板とが積層成形されて得ら
    れたことを特徴とする多層積層板。
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