JP2016125051A - シート状物、このシート状物を用いた振動減衰部材およびその製造方法 - Google Patents

シート状物、このシート状物を用いた振動減衰部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振動減衰性に十分に優れ、製造コストが低い振動減衰部材を製造することができるシート状物、このシート状物を用いた振動減衰部材およびこの振動減衰部材の製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも一方の最表面に、全芳香族ポリエステル繊維およびマトリックス樹脂を含有する層を配したシート状物であって、前記層はその全重量に対して0.1〜80重量%の全芳香族ポリエステル繊維を含有し、前記全芳香族ポリエステル繊維の目付は20〜4000g/mであり、前記マトリックス樹脂はその全重量に対して85重量%以上の熱硬化性樹脂を含み、前記層の厚さは0.03〜50mmである、シート状物。シート状物を、熱硬化性樹脂の軟化点以上であって硬化温度未満の温度で成形した後、硬化温度以上の温度で硬化させてなる振動減衰部材。シート状物を、熱硬化性樹脂の軟化点以上であって硬化温度未満の温度で成形した後、硬化温度以上の温度で硬化させることを含む振動減衰部材の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はシート状物、特に伝達された振動を減衰させることができる振動減衰部材を製造するためのシート状物、このシート状物を用いた振動減衰部材およびその製造方法に関する。
自転車、自動車、鉄道、航空機などの乗り物においては、少なくとも走行時に振動が必然的に発生する。振動は、乗客に不快感を生じさせるだけでなく、ネジが緩むなど安全上の重大な問題を引き起こす。
振動減衰性を備えた成形体として、炭素繊維により補強された全芳香族ポリエステル樹脂成形体が報告されている(特許文献1)。この成形体においては、全芳香族ポリエステル樹脂中に炭素繊維が埋入されているが、全芳香族ポリエステル樹脂および炭素繊維などの材料コストが比較的高いだけでなく、十分な振動減衰性が得られないという問題があった。
一方、耐衝撃性に優れた複合体または成形体として、全芳香族ポリエステル樹脂繊維を含むものが種々の文献で報告されている(例えば、特許文献2〜3)。しかしながら、耐衝撃性に優れているからといって、振動減衰性にも優れているわけではなく、十分な振動減衰性を有する複合体は得られていないのが現状である。
特開2011−84611号公報 特開2011−63636号公報 特許第5498389号
本発明は、振動減衰性に十分に優れ、製造コストが低い振動減衰部材を製造することができるシート状物、このシート状物を用いた振動減衰部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明には以下の好適な実施態様が含まれる。
[1]少なくとも一方の最表面に、全芳香族ポリエステル繊維およびマトリックス樹脂を含有する層を配したシート状物であって、前記層はその全重量に対して0.1〜80重量%の全芳香族ポリエステル繊維を含有し、前記全芳香族ポリエステル繊維の目付は20〜4000g/mであり、前記マトリックス樹脂はその全重量に対して85重量%以上の熱硬化性樹脂を含み、前記層の厚さは0.03〜50mmである、シート状物。
[2]前記シート状物が前記層のみからなる、[1]に記載のシート状物。
[3]前記シート状物が、基材の一方または両方の面に前記層を有する複合体である、[1]に記載のシート状物。
[4]前記基材が、無機繊維およびマトリックス樹脂を含む層または金属板である、[3]に記載のシート状物。
[5]前記全芳香族ポリエステル繊維は、一方向性織物、二方向性織物、三軸織物、多軸織物、または不織布のいずれかを構成する、[1]〜[4]のいずれかに記載のシート状物。
[6]前記全芳香族ポリエステル繊維を構成する全芳香族ポリエステル系ポリマーが40〜150℃において少なくとも1つのtanδのピークを有する、[1]〜[5]のいずれかに記載のシート状物。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載のシート状物を、熱硬化性樹脂の軟化点以上であって硬化温度未満の温度で成形した後、前記硬化温度以上の温度で硬化させてなる、振動減衰部材。
[8][1]〜[6]のいずれかに記載のシート状物を、熱硬化性樹脂の軟化点以上であって硬化温度未満の温度で成形した後、前記硬化温度以上の温度で硬化させることを含む、振動減衰部材の製造方法。
本発明のシート状物によれば、振動減衰性に十分に優れ、かつ製造コストが低い振動減衰部材を製造することができる。しかもこのような優れた振動減衰性は、比較的広い温度範囲(例えば、−30〜100℃、特に−20〜70℃)で達成される。
本発明のシート状物を、基材を含む複合体構造とすることにより、曲げ強度および曲げ弾性率などの物理的性質にも優れた部材を製造することができる。
[シート状物]
本発明のシート状物は、振動を減衰させることができる振動減衰部材を製造するための材料であり、例えば、いわゆるプリプレグとして使用することができる。本発明のシート状物は、後で詳述するように、所定の温度で所望形状に成形した後、また別の所定の温度で硬化させることにより、振動減衰性に十分に優れた振動減衰部材を低コストで製造することができる。
本発明のシート状物は、少なくとも一方の最表面に、特定の有機繊維含有層(以下、単に、「有機繊維含有層」という)が配置されている。詳しくは、本発明のシート状物は、シート形状の一方または両方の最表面が有機繊維含有層から構成されていればよい。シート状物の両方の最表面がともに有機繊維含有層から構成されていない場合には、十分な振動減衰性は得られない。
本発明のシート状物の具体例として、例えば、以下の構造を有するシート状物が挙げられる:
構造(s1);有機繊維含有層のみからなる構造;
構造(s2);基材の一方または両方の面に有機繊維含有層を有する複合体構造;および
構造(s3);2層以上の有機繊維含有層および2層以上の基材を積層してなり、最外層(最下層または最上層)の少なくとも一方の層として有機繊維含有層を有する複合体構造。
構造(s1)には、2層以上の有機繊維含有層を連続して積層してなる態様が含まれる。
構造(s2)には、基材の一方または両方の面に2層以上の有機繊維含有層を連続して積層してなる態様が含まれる。
構造(s3)には、2層以上の連続する層が有機繊維含有層または基材(特に後述する無機繊維含有層)からなる態様が含まれる。
以下、まず、本発明のシート状物を構成し得る有機繊維含有層および基材について説明する。
(有機繊維含有層)
本発明において有機繊維含有層は、全芳香族ポリエステル繊維およびマトリックス樹脂としての熱硬化性樹脂を含む。
全芳香族ポリエステル繊維は、全芳香族ポリエステル系ポリマーから形成される。全芳香族ポリエステル系ポリマーは、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸等より重合されて得られ、その中でも、溶融時に光学的異方性を示す溶融異方性ポリエステルが好ましい。本発明にいう溶融異方性ポリエステルとは、溶融相において光学的異方性(液晶性)を示す芳香族ポリエステルであり、例えば試料をホットステージに載せ窒素雰囲気下で加熱し、試料の透過光を観察することにより認定できる。
本発明で用いられる全芳香族ポリエステル系ポリマーは、例えば、下記(1)〜(11)に示す構成単位の組合せで構成される。
Figure 2016125051
Figure 2016125051
これらのうち、好ましくは、上記反復構成単位の組合せのうち(5)、(6)、(7)および(9)のいずれかの組み合わせからなるポリマーである。
より好ましくは、下記(A)および(B)の反復構成単位からなる部分が、50モル%以上(例えば、55〜95モル%、好ましくは60〜90モル%)である全芳香族ポリエステルが好ましい。さらに、(A)の反復単位に対する(B)の反復単位のモル比は、(A):(B)=100:1〜50、好ましくは(A):(B)=100:1〜45、さらに好ましくは(A):(B)=100:1〜40であってもよい。
Figure 2016125051
本発明で好適に用いる全芳香族ポリエステル系ポリマーの融点は250〜360℃であることが好ましく、より好ましくは260〜320℃である。ここでいう融点とは、JIS K7121試験法に準拠し、示差走差熱量計(DSC;メトラー社製「TA3000」)で測定し、観察される主吸収ピーク温度である。
全芳香族ポリエステル系ポリマーは40〜150℃、好ましくは40〜110℃、より好ましくは40〜100℃、において少なくとも1つ、もしくは2つのtanδのピークを有する。しかも、このピークはブロードである。このため、本発明のシート状物から製造された振動減衰部材は、有意に広い範囲で優れた振動減衰性を示すものと考えられる。
tanδのピークは以下の方法により測定されたグラフから読み取ったものである。
FTレオスペクトラーDVE−V4(レオロジー社製)、引張治具を装着し試験長20mm、測定温度は―150〜300℃、昇温3℃/分条件にて伸張変形を測定した。
全芳香族ポリエステル繊維は、本発明の効果を損なわない範囲内で、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂等の他の熱可塑性ポリマーを含有してもよい。振動減衰性のさらなる向上の観点からは、全芳香族ポリエステル繊維は全芳香族ポリエステル系ポリマーのみからなることが好ましい。
全芳香族ポリエステル繊維は、引張強度が10cN/dtex以上であることが好ましく、より好ましくは10〜100cN/dtex、さらに好ましくは15〜80cN/dtexであってもよい。
全芳香族ポリエステル繊維は、例えば、(株)クラレから「ベクトラン(登録商標)」として上市されている。
有機繊維含有層は、全芳香族ポリエステル繊維以外の他の繊維を含んでもよい。他の繊維としては、特に限定されないが、例えば、炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維;アラミド繊維、PBO繊維(ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維)、ポリエチレン繊維、PVA繊維などの有機繊維などが例示できる。
全芳香族ポリエステル繊維の含有割合は、有機繊維含有層に含有される全繊維に対して、好ましくは90重量%以上である。振動減衰性のさらなる向上の観点からは、有機繊維含有層は、繊維として全芳香族ポリエステル繊維のみを含むことが好ましい。シート状物の製造において2層以上の有機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての有機繊維含有層における全芳香族ポリエステル繊維の含有割合が、当該全ての有機繊維含有層に含有される全繊維に対して、上記範囲内であればよい。
全芳香族ポリエステル繊維は、長繊維または短繊維等のいずれも用いることができる。例えば、チョップドストランドとして、直接マトリックス樹脂に混ぜ合わせてもよいし、または、一旦織編物、不織布、ステッチングシート(例えば、ノンクリンプドファブリック)などの布帛を形成し、その後布帛に対してマトリックス樹脂を含浸させてもよい。本明細書中、「布帛」は、織編物および不織布だけでなく、ノンクリンプドファブリックも包含する概念で用いるものとする。
振動減衰性のさらなる向上の観点から、全芳香族ポリエステル繊維の少なくとも一部、好ましくは全部、が布帛を形成するのが好ましい。布帛としては、後述のような織編物、ステッチングシート、不織布等が挙げられる。布帛の中でも、織編物やステッチングシートであるのがより好ましい。
全芳香族ポリエステル繊維が織編物やステッチングシートを形成する場合、全芳香族ポリエステル繊維は、通常、フィラメント糸(モノフィラメント、マルチフィラメント)や紡績糸などであり、これらのうち、振動減衰性のさらなる向上の観点から、マルチフィラメント糸が好ましい。
全芳香族ポリエステル繊維は、例えば、単繊維繊度が0.1〜600dtex、好ましくは0.25〜500dtexであってもよく、総繊維繊度が100〜5000dtex、好ましくは500〜3000dtexであってもよい。
全芳香族ポリエステル繊維を織編糸や繊維束として用いた織編物やステッチングシートの構造は、全芳香族ポリエステル繊維に関して、一方向性織物、二方向性織物、三軸織物、多軸織物、ノンクリンプドファブリックなどのいずれであってもよい。
より詳細には、全芳香族ポリエステル繊維を織編糸や繊維束として用いた織編物やステッチングシートとしては、全芳香族ポリエステル繊維が、経糸または緯糸のいずれか一方向に配列した一方向性織物;全芳香族ポリエステル繊維が、経糸および緯糸の双方に配列した二方向性織物;全芳香族ポリエステル繊維が縦、横、斜めの三方向に配列した三軸織物;全芳香族ポリエステル繊維を四方向以上の多方向に配列した多軸織物;全芳香族ポリエステル繊維を編糸として用いた編物(たて編物、よこ編物など);全芳香族ポリエステル繊維を繊維束として用い、一方向に揃えられた繊維束を別の糸で留める一方向性ノンクリンプドファブリック;全芳香族ポリエステル繊維を繊維束として用い、複数の方向(例えば二方向)に揃えられた繊維束をそれぞれ積層して別の糸で留める多方向性ノンクリンプドファブリックなどのいずれであってもよい。
これらのうち、減衰性のさらなる向上の観点から、一方向性織物、二方向性織物、一方向性ノンクリンプドファブリック、および二方向性ノンクリンプドファブリックが好ましい。有機繊維含有層は、単数または複数の布帛を用いて形成してもよく、複数の布帛を用いる場合、それぞれの布帛の形状は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
一方向性織物および二方向性織物である場合、織物密度としては、緯糸密度および/または経糸密度が、8〜50本/2.5cm、10〜45本/2.5cmであってもよい。
全芳香族ポリエステル繊維は、有機繊維含有層の全重量に対して0.1〜80重量%、特に10〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは50〜70重量%の割合で含まれる。全芳香族ポリエステル繊維の含有割合が少なすぎると振動減衰性が低下して、当該含有割合が多すぎると曲げ強度が低下する。シート状物の製造において2層以上の有機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての有機繊維含有層における全芳香族ポリエステル繊維の重量割合が、当該全ての有機繊維含有層の全重量に対して、上記範囲内であればよい。
全芳香族ポリエステル繊維は通常、有機繊維含有層の全体積に対して10〜80体積%、好ましくは30〜70体積%、より好ましくは50〜70体積%の割合で含まれる。シート状物の製造において2層以上の有機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての有機繊維含有層における全芳香族ポリエステル繊維の体積割合が、当該全ての有機繊維含有層の全体積に対して、上記範囲内であればよい。
全芳香族ポリエステル繊維布帛の厚みは、例えば、0.02〜20mmであってもよく、0.08〜10mmが好ましく、より好ましくは0.1〜2mmである。全芳香族ポリエステル繊維布帛を2層以上積層して使用する場合、これらの全繊維の厚みが上記範囲内であればよい。1の有機繊維含有層において全芳香族ポリエステル繊維布帛を2層以上積層して使用してもよく、その場合、これらの全繊維の厚みが上記範囲内であればよい。シート状物の製造において2層以上の有機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての有機繊維含有層における全芳香族ポリエステル繊維の合計厚みが、上記範囲内であればよい。
全芳香族ポリエステル繊維の目付は20〜4000g/mであり、30〜2000g/mが好ましく、100〜2000g/mがより好ましい。全芳香族ポリエステル繊維の目付が小さすぎると、振動減衰性が低下して、当該目付が多すぎると曲げ強度が低下する。1の有機繊維含有層において全芳香族ポリエステル繊維布帛を2層以上積層して使用してもよく、その場合、これらの全繊維の目付が上記範囲内であればよい。シート状物の製造において2層以上の有機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての有機繊維含有層における全芳香族ポリエステル繊維の合計目付が、上記範囲内であればよい。
有機繊維含有層が、全芳香族ポリエステル繊維以外に、前記したようなその他の繊維を含む場合、全芳香族ポリエステル繊維とその他の繊維とは、公知又は慣用の手法により、様々な混合方法で組み合わせることが可能であり、例えば、(i)全芳香族ポリエステル繊維およびその他の繊維から形成したチョップドストランドなどとして樹脂と混練する段階での混合、(ii)全芳香族ポリエステル繊維とその他の繊維とを用いてフィラメント糸(モノフィラメント、マルチフィラメント)や紡績糸などの糸条を形成する段階での混合、(iii)糸条から各種布帛を形成する段階での混合、(iv)複数の布帛を組み合わせる段階での混合など、様々な態様が挙げられる。なお、これらの混合方法は、各種組み合わせて行なってもよい。上記(iv)の場合には、最外層に全芳香族ポリエステル繊維布帛が配置されるように組み合わせるものとする。
有機繊維含有層を構成するマトリックス樹脂は、全芳香族ポリエステル繊維との組み合わせにより振動減衰性を発揮する観点から、熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂の代わりに、熱可塑性樹脂を使用しても、十分な振動減衰性は得られない。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型、ノボラック型、臭素化型、脂環式型など)、フェノール系樹脂(ノボラック型、レゾール型)、ビニルエステル系樹脂(ビスフェノールA型、ノボラック型、臭素化型など)、不飽和ポリエステル樹脂、架橋メタクリル系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。好ましい熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂である。
熱硬化性樹脂のDIN 53015に準じて測定された溶液粘度、すなわち、樹脂濃度10重量%のエタノール溶液を、ヘプラー粘度計を用いて20℃で測定した粘度は、2〜500mPa×s、より好ましくは2〜200mPa×s、さらに好ましくは2〜125mPa×sであってもよい。
熱硬化性樹脂の含有量は、マトリックス樹脂の全重量に対して、85重量%以上であり、好ましくは95重量%以上であり、より好ましくは100重量%である。熱硬化性樹脂の含有量が少なすぎると、十分な振動減衰性が得られない。マトリックス樹脂の全重量とは、熱硬化性樹脂と後述の熱可塑性樹脂の合計重量のことである。シート状物の製造において2層以上の有機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての有機繊維含有層における熱硬化性樹脂の合計含有量が、当該全ての有機繊維含有層におけるマトリックス樹脂の全重量に対して、上記範囲内であればよい。
有機繊維含有層のマトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂とともに、熱可塑性樹脂を含んでもよい。熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体など)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなど)、ポリアミド系樹脂(例えば、ポリアミド6、ポリアミド66などの脂肪族ポリアミド、脂環族ポリアミド、芳香族ポリアミドなど)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレンなど)、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー樹脂(例えば、オレフィン系アイオノマー、フッ素系アイオノマーなど)、熱可塑性エラストマー(スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなど)などが挙げられる。
有機繊維含有層中のマトリックス樹脂含有量(付着量)は、有機繊維含有層の全重量に対する全芳香族ポリエステル繊維の含有割合が前記した範囲内であれば、特に限定されない。
有機繊維含有層の厚さは、0.03〜50mmであり、好ましくは0.09〜15mm、より好ましくは0.09〜10mm、さらに好ましくは0.11〜3mmである。この厚さが薄すぎると、振動減衰性が低下する。当該厚さが厚すぎると、曲げ強度が低下する。シート状物の製造において2層以上の有機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての有機繊維含有層の合計厚さが、上記範囲内であればよい。
有機繊維含有層の目付は、例えば30〜6000g/mであってもよく、45〜3500g/mが好ましく、100〜3500g/mが好ましい。シート状物の製造において2層以上の有機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての有機繊維含有層の合計目付が、上記範囲内であればよい。
有機繊維含有層の密度は、例えば1.1〜1.5g/mであってもよく、1.2〜1.5g/mが好ましく、1.2〜1.45g/mがより好ましい。シート状物の製造において2層以上の有機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての有機繊維含有層の全密度が、上記範囲内であればよい。
有機繊維含有層は、必要に応じて熱硬化性樹脂に対応する硬化剤、硬化促進剤、硬化触媒、さらに必要に応じて、相溶化剤、フィラー、染料や顔料等の着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの各種添加剤などを含有してもよい。
有機繊維含有層は、以下の方法により製造することができる:
(i)溶融または溶解したマトリックス樹脂にチョップドストランドとして全芳香族ポリエステル繊維を混合し、冷却または溶媒蒸発する方法;
(ii)溶融したマトリックス樹脂を、全芳香族ポリエステル繊維布帛に含浸させ、冷却する方法;
(iii)溶解したマトリックス樹脂を、全芳香族ポリエステル繊維布帛に含浸させ、溶媒蒸発する方法;
(iv)全芳香族ポリエステル繊維布帛と、布帛状またはシート状のマトリックス樹脂とを積層し、加熱および冷却する方法;または
(v)マトリックス樹脂を含むエマルジョンを全芳香族ポリエステル繊維布帛に含浸、乾燥後、積層して加熱および冷却する方法。
(i)および(iii)の方法において溶媒蒸発するとき、および(iv)および(v)の方法において加熱するとき、熱プレス法を採用することが好ましい。プレス圧を調整することより、有機繊維含有層の厚さ、目付および密度を制御することができる。
上記いずれの方法を採用する場合においても、加熱する際の加熱温度は通常、熱硬化性樹脂の軟化点以上であって硬化温度未満の温度である。
上記方法のうち、簡便に有機繊維含有層を製造するためには、(iii)および(iv)の方法が好ましく、(iii)の方法がより好ましい。
(基材)
基材は、有機繊維含有層を直接的または間接的に支持可能な材料であれば、いかなる材料からなっていてもよい。基材として、例えば、アルミニウム、ステンレス、クロムモリブデン、ジュラルミン、マグネシウム合金、チタン合金などの金属板;炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維および樹脂を含む層(以下、単に「無機繊維含有層」という)が挙げられる。基材を使用することにより、振動減衰性だけでなく、物理的性質にも優れた振動減衰部材を製造できるシート状物が得られる。シート状物の成形性の観点からは、基材として無機繊維含有層のみを使用することが好ましい。
金属板の厚みは特に限定されるものではなく、例えば、0.5〜20mmが適当である。
無機繊維含有層は、無機繊維およびマトリックス樹脂を含む。
無機繊維は、有機繊維含有層に含まれてもよい他の繊維として例示した同様の無機繊維から選択することができる。好ましい無機繊維は炭素繊維である。
無機繊維は、無機繊維以外の他の繊維を含んでもよい。他の繊維としては、特に限定されないが、例えば、有機繊維含有層に含まれてもよい他の繊維として例示した同様の有機繊維から選択することができる。
無機繊維含有層における無機繊維の含有割合は、無機繊維含有層に含有される全繊維に対して、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。物理的性質のさらなる向上の観点から、無機繊維含有層は繊維として無機繊維のみを含むことが好ましい。シート状物の製造において2層以上の無機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての無機繊維含有層における無機繊維の含有割合が、当該全ての無機繊維含有層に含有される全繊維の全重量に対して、上記範囲内であればよい。
無機繊維は、長繊維または短繊維等のいずれも用いることができる。例えば、チョップドストランドとして、直接マトリックス樹脂に混ぜ合わせてもよいし、または、一旦織編物、不織布、ステッチングシート(例えば、ノンクリンプドファブリック)などの布帛を形成し、その後布帛に対してマトリックス樹脂を含浸させてもよい。
物理的性質のさらなる向上の観点から、無機繊維の少なくとも一部、好ましくは全部が、有機繊維含有層において例示した同様の布帛を形成するのが好ましい。布帛の中でも、織編物やステッチングシートであるのがより好ましい。
無機繊維が織編物やステッチングシートを形成する場合、無機繊維は、通常、フィラメント糸(モノフィラメント、マルチフィラメント)や紡績糸などであり、これらのうち、物理的性質のさらなる向上の観点から、マルチフィラメント糸が好ましい。
無機繊維もまた、有機繊維含有層における全芳香族ポリエステル繊維と同様に、一方向性織物、二方向性織物、三軸織物、多軸織物、不織布またはノンクリンプドファブリックのいずれかの布帛を構成することが好ましい。
無機繊維の無機繊維含有層の全重量に対する含有割合は、特に限定されるものではなく、例えば、20〜90重量%であり、好ましくは30〜80重量%である。シート状物の製造において2層以上の無機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての無機繊維含有層における無機繊維の含有割合が、当該全ての無機繊維含有層の全重量に対して、上記範囲内であればよい。
無機繊維は通常、無機繊維含有層の全体積に対して20〜90体積%、好ましくは30〜80体積%の割合で含まれる。シート状物の製造において2層以上の無機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての無機繊維含有層における無機繊維の含有割合が、当該全ての無機繊維含有層の全体積に対して、上記範囲内であればよい。
無機繊維の厚みは、例えば、0.1〜50mmであってもよく、0.2〜20mmが好ましい。1の無機繊維含有層において無機繊維布帛を2層以上積層して使用してもよく、その場合、これらの全繊維の厚みが上記範囲内であればよい。シート状物の製造において2層以上の無機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての無機繊維含有層における無機繊維の合計厚みが、上記範囲内であればよい。
無機繊維の目付は通常、200〜10000g/mであり、500〜5000g/mが好ましい。1の無機繊維含有層において無機繊維布帛を2層以上積層して使用してもよく、その場合、これらの全繊維の目付が上記範囲内であればよい。シート状物の製造において2層以上の無機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての無機繊維含有層の合計目付が、上記範囲内であればよい。
無機繊維含有層を構成するマトリックス樹脂は、特に限定されず、有機繊維含有層において例示した同様の熱硬化性樹脂であってもよいし、有機繊維含有層において例示した同様の熱可塑性樹脂であってもよいし、またはこれらの混合樹脂であってもよい。製造容易性の向上と振動減衰性のさらなる向上の観点からは、無機繊維含有層のマトリックス樹脂は熱硬化性樹脂が好ましく、特に有機繊維含有層に実際に含まれる熱硬化性樹脂と同じ種類の熱硬化性樹脂が好ましい。
無機繊維含有層における熱硬化性樹脂の好ましい溶液粘度は、有機繊維含有層においてと同様である。
無機繊維含有層の厚みは通常、0.11〜60mmであり、好ましくは0.21〜30mm、より好ましくは0.31〜10mmである。シート状物の製造において2層以上の無機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての無機繊維含有層の合計厚さが、上記範囲内であればよい。
無機繊維含有層の目付は、例えば220〜15000g/mであってもよく、550〜10000g/mが好ましく、550〜5000g/mがより好ましい。シート状物の製造において2層以上の無機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての無機繊維含有層の合計目付が、上記範囲内であればよい。
無機繊維含有層の密度は、例えば1.1〜1.8g/mであってもよく、1.2〜1.7g/mが好ましい。シート状物の製造において2層以上の無機繊維含有層を連続して積層して使用する場合、連続する全ての無機繊維含有層の全密度が、上記範囲内であればよい。
無機繊維含有層は、有機繊維含有層に含有してもよい同様の添加剤を含有してもよい。
無機繊維含有層は、上記した所定の繊維およびマトリックス樹脂を用いること以外、有機繊維含有層と同様の方法により製造することができる。無機繊維含有層の製造方法においては、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂のみを使用する場合、加熱する際の加熱温度は当該熱可塑性樹脂の軟化点以上であれば特に限定されない。
(シート状物の製造方法)
本発明のシート状物が有機繊維含有層のみからなる構造(s1)を有する場合、本発明のシート状物は、前記した有機繊維含有層の製造方法と同様の方法により製造することができる。このような構造において、有機繊維含有層を連続して2層以上積層して使用してもよい。このとき、積層体を熱プレス法で一体化すればよい。2層以上の有機繊維含有層は、それぞれ独立して、前記した有機繊維含有層から選択されてよい。
本発明のシート状物が、基材の一方または両方の面に有機繊維含有層を有する構造(s2)または2層以上の有機繊維含有層および2層以上の基材を積層してなり、かつ最外層(最下層または最上層)の少なくとも一方の層として有機繊維含有層を有する構造(s3)を有する場合、1層以上の有機繊維含有層および1層以上の基材を所定の順序で積層し、積層体を熱プレス法で一体化することにより製造することができる。熱プレス法における加熱温度は通常、有機繊維含有層の熱硬化性樹脂の軟化点以上であって硬化温度未満の温度である。
構造(s2)または(s3)において有機繊維含有層と基材(特に無機繊維含有層)とは交互に積層されることが好ましいが、最外層の少なくとも一方の層として有機繊維含有層を有し、かつ層間の一体化が達成される限り、2層以上の有機繊維含有層が連続して積層されても、または2層以上の無機繊維含有層が連続して積層されてもよい。
構造(s2)または(s3)においてシート状物が2層以上の有機繊維含有層を有する場合、当該2層以上の有機繊維含有層は、それぞれ独立して、前記した有機繊維含有層から選択されてよい。
シート状物が2層以上の基材を有する場合、当該2層以上の基材は、それぞれ独立して、前記した基材から選択されてよいが、好ましくは全ての基材は無機繊維含有層である。
本発明のシート状物が構造(s2)または(s3)を有し、全ての基材が無機繊維含有層であり、かつ全ての有機繊維含有層のマトリックス樹脂と全ての無機繊維含有層のマトリックス樹脂が共通して同じ樹脂である場合、有機繊維含有層および無機繊維含有層をそれぞれ別々に製造することなく、有機繊維含有層用全芳香族ポリエステル繊維および無機繊維含有層用無機繊維から一括して(直接的に)、シート状物を製造してもよい。
例えば、2層以上の全芳香族ポリエステル繊維布帛(有機繊維含有層用)および2層以上の無機繊維布帛(無機繊維含有層用)を所定の順序で積層し、この積層体に一括して共通のマトリックス樹脂溶液を含浸させ、熱プレス法で溶媒を蒸発させて一体化することによりシート状物を製造してもよい。熱プレス法における加熱温度はやはり、マトリックス樹脂に含まれる熱硬化性樹脂の軟化点以上であって硬化温度未満の温度である。
[振動減衰部材およびその製造方法]
本発明の振動減衰部材は、伝達された振動を減衰させる作用を有するものである。振動を減衰させるとは、振動の振幅を減少させるという意味である。
本発明の振動減衰部材は、上記のシート状物を、熱硬化性樹脂の軟化点以上であって硬化温度未満の温度で所望形状に成形した後、硬化温度以上の温度で硬化させることにより、製造することができる。
所望形状は用途に応じてあらゆる2次元形状または3次元形状であってもよい。具体的には、自転車用フレーム形状(例えば、円筒形状)、自動車、鉄道および航空機などの乗り物における内装用パネル形状、ドライヤー、冷蔵庫、電子レンジなどの家庭用電器製品の筐体形状)等が挙げられる。
振動減衰部材は、当該振動減衰部材に振動が伝達されるとき、最初に有機繊維含有層に振動が伝達されるように、使用されることが好ましい。従って、シート状物が一方の最表面にしか有機繊維含有層を有さない場合、振動減衰部材の製造方法においては、振動減衰部材となったときに、当該有機繊維含有層に最初に振動が伝達されるような表裏方向の向きでシート状物を使用することが好ましい。
例えば、一方の最表面にしか有機繊維含有層を有さないシート状物を用いて自転車用フレームを製造する場合、当該有機繊維含有層が自転車用フレームのパイプの外側表面に配置されるように、シート状物を成形する。
また例えば、一方の最表面にしか有機繊維含有層を有さないシート状物を、既存の自転車用フレームの周りに巻き付けて使用する場合、当該シート状物における有機繊維含有層の表面がフレームパイプの外側表面に接触するように巻き付けると、フレームからの振動を減衰することができる。当該シート状物における有機繊維含有層の表面がフレームパイプの外側表面に接触しないように巻き付けると、外部からフレームへの振動を減衰することができる。
両方の最表面に有機繊維含有層を有するシート状物を、既存の自転車用フレームの周りに巻き付けて使用する場合、いずれの最表面がフレームパイプの外側表面に接触するように巻き付けても、フレームからの振動および外部からフレームへの振動を減衰することができる。
また例えば、同様のシート状物を用いて自動車、鉄道および航空機などの乗り物における内装用パネルを製造する場合、当該有機繊維含有層が内装用パネルの室外側表面に配置されるように、シート状物を成形する。
また例えば、同様のシート状物を用いてドライヤー、冷蔵庫、電子レンジなどの家庭用電器製品の筐体を製造する場合、当該有機繊維含有層が筐体の内側表面に配置されるように、シート状物を成形する。
本発明のシート状物は、シート形状の少なくとも一方の最表面が有機繊維含有層から構成されている。
例えば、本発明のシート状物においてシート形状の一方の最表面のみが有機繊維含有層から構成されている場合、他方の最表面に機能層を有していてもよい。
また例えば、本発明のシート状物においてシート形状の両方の最表面が有機繊維含有層から構成されている場合、いずれか一方の最表面に機能層を有していてもよい。
機能層とは、意匠性および/または紫外線防止性の向上を目的として形成される層であり、例えば、塗装層、紫外線防止層が挙げられる。
塗装層は、シート状物の所定の最表面に塗料を塗布し、乾燥させることにより形成される層である。塗料は少なくともポリマーおよび顔料を含有する公知のあらゆる塗料が使用可能である。塗装層は意匠効果を発揮するだけでなく、紫外線防止効果を発揮してシート状物の紫外線劣化を防止することができる。
紫外線防止層は、例えば、炭素繊維などの無機繊維からなる織編物を接着剤により貼り付けることにより形成することができる。接着剤を織編物に含浸させてから当該織編物をシート状物の所定の最表面に貼り付けてもよいし、または接着剤をシート状物の所定の最表面に塗布してから織編物を貼り付けてもよい。紫外線防止層は紫外線防止効果を発揮してシート状物の紫外線劣化を防止することができる。接着剤は公知のあらゆる接着剤が使用可能である。
[対数粘度]
ポリマー試料をペンタフルオロフェノールに0.1質量%溶解し(60〜80℃)、60℃の恒温槽中で、ウベローデ型粘度計で相対粘度(ηrel)を測定し、次式によって計算した。
ηinh=ln(ηrel)/c
ここでcはポリマー濃度(g/dl)である。
[融点]
示差走査熱量計(メトラー社製DSC)で観察される主吸熱ピークのピーク温度を融点Mp(℃)とした。
[織物の厚さ]
織物の厚さをJISL1096に準拠して測定した。
[織物の目付け]
織物の目付けをJISL1096に準拠して測定した。
[有機繊維含有層および無機繊維含有層の厚さ、目付および密度]
有機繊維含有層の厚さおよび目付を試料より測定し、それらの測定値より、密度を算出した。無機繊維含有層の厚さおよび目付を試料より測定し、それらの測定値より、密度を算出した。なお、同じ種類の複合層であっても、異なる値が測定または算出されるのは、測定誤差に基づくものである。
[有機繊維含有層および無機繊維含有層における繊維の重量割合および体積割合]
有機繊維の目付と有機繊維含有層の目付より有機繊維の重量割合を算出した。無機繊維の目付と無機繊維含有層の目付より無機繊維の重量割合を算出した。
体積割合は全芳香族ポリエステル繊維の比重を1.44g/cm、カーボンファイバーの比重を1.76g/cm、アラミドファイバーの比重を1.45g/cm、有機繊維含有層A1(実施例X1)および有機繊維含有層A3(実施例Y2)のマトリックス樹脂の比重を1.40g/cm、有機繊維含有層D1(実施例Y4)のマトリックス樹脂の比重を1.37g/cm、有機繊維含有層D2(比較例Y7)のマトリックス樹脂の比重を1.26g/cmとして、以下の計算式にて算出した。なお、同じ種類の複合層であっても、異なる値が測定または算出されるのは、測定誤差に基づくものである。
体積割合=繊維の体積÷(繊維の体積+樹脂の体積)×100
[曲げ試験]
曲げ強度および弾性率を(JISK7074)に準拠して測定した。
[振動減衰性]
実施例または比較例で得られたシート状物を、そのままのシート形状で真空プレス成形機を用いて170℃にて2MPaの圧力で1時間プレスすることにより、熱硬化性樹脂を硬化させた。硬化した樹脂は一般的なウォータージェットカッターで切断し試験片を作製した。試験片の振動減衰性を中央加振法に基づいて評価した減衰比を算出した。詳しくは、中央支持定常波加振法用装置を恒温槽(KATO社製、SP-43CI-A)内に設置し、所定の温度で測定を行った。シート状物が最表面に有機繊維含有層を有する場合、振動を伝達させる治具先端は有機繊維含有層表面に接触させた。シート状物が最表面に有機繊維含有層を有さない場合、無機繊維含有層または金属板の表面に治具先端を接触させた。
中央支持定常波加振法用装置は以下の機器からなる。
温度計;ND500(CHINO社製)
FFTアナライザー;CF−52202(ONO SOKKI社製)
パワーアンプ;371−A(EMIC社製)
加振器;512−A(EMIC社製)
アンプ;2692−OS2(Bruel & Kjaer社製)
インピーダンスヘッド;8001(Bruel & Kjaer社製)
[実施例X1]
(有機繊維含有層A1の製造)
(1)構成単位(A)と(B)が73/27(モル比)である全芳香族ポリエステルポリマーを用いた。このポリマーの物性は、ηinh=4.6dl/g、融点Mp=280℃であった。このポリマーを通常の溶融紡糸装置を用いて紡糸し、1670dtex/300フィラメントのマルチフィラメントを得た。このマルチフィラメントを窒素雰囲気中で280℃、20時間熱処理し、全芳香族ポリエステルポリマーフィラメント(強度23cN/dtex)を得た。このマルチフィラメントのtanδのピークは60℃と108℃に2つのピークが存在した。
(2)このフィラメントを用いて、緯糸密度13本/2.5cm、経糸密度13本/2.5cmの全芳香族ポリエステル繊維平織物を作製した。この織物の目付は、180g/mであり、厚みは0.29mmであった。
(3)多官能エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL604B80」)130質量部とフェノール型硬化剤(三菱化学(株)製「YLH129」)70質量部とイミダゾール型硬化促進剤(三菱化学(株)製「EMI24」)0.3質量部、およびメチルエチルケトン130質量部を混合しマトリックス樹脂(ワニス;エポキシ樹脂溶液)を調整した。
(4)上記(2)で用意した全芳香族ポリエステル繊維平織物に対して、上記(3)のワニスを含浸させ、100℃で20分間熱処理して有機繊維含有層A1(プリプレグ)を作製した。
(無機繊維含有層B1の製造)
カーボンファイバー織物(東邦テナックス(株)製、「ベスファイト W−3101」平織、繊度2000dtex、緯糸密度12本/2.5cm、経糸密度12本/2.5cm、目付199g/m、厚さ0.25mm)に対して、有機繊維含有層A1の製造方法においてと同様のエポキシ樹脂溶液を含浸させ、100℃で20分間熱処理して無機繊維含有層B1(プリプレグ)を作製した。
(シート状物の製造)
無機繊維含有層B1を4枚連続して積層し、その上に有機繊維含有層A1をさらに4枚連続して積層し、これらを真空プレス成形機を用いて100℃にて0.1MPaの圧力で20分間プレスした。
[実施例X2]
(シート状物の製造)
有機繊維含有層A1を2枚連続して積層し、その上に無機繊維含有層B1を4枚連続して積層し、さらにその上に有機繊維含有層A1を2枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例X1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例X1]
(シート状物の製造)
無機繊維含有層B1を2枚連続して積層し、その上に有機繊維含有層A1を4枚連続して積層し、さらにその上に無機繊維含有層B1を2枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例X1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例X2]
(有機繊維含有層A2の製造)
所定の目付の全芳香族ポリエステル繊維平織物を作製したこと以外、有機繊維含有層A1の製造方法と同様の方法により、有機繊維含有層A2を得た。
(シート状物の製造)
無機繊維含有層B1を8枚連続して積層し、その上に有機繊維含有層A2を1枚積層してプレスしたこと以外、実施例X1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[実施例X3]
(シート状物の製造)
有機繊維含有層A1を1枚積層し、その上に無機繊維含有層B1を8枚連続して積層し、さらにその上に有機繊維含有層A1を1枚積層してプレスしたこと以外、実施例X1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例X3]
(シート状物の製造)
無機繊維含有層B1を4枚連続して積層し、その上に有機繊維含有層A1を2枚連続して積層し、さらにその上に無機繊維含有層B1を4枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例X1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[実施例Y1]
(シート状物の製造)
有機繊維含有層A1を10枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例X1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例Y1]
(シート状物の製造)
無機繊維含有層B1を10枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例Y1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例Y2]
(有機繊維含有層C1の製造)
アラミドファイバー織物(東レ・デュポン(株)製、「ケブラー29」、平織、繊度1670dtex、緯糸密度13本/2.5cm、経糸密度13本/2.5cm、目付175g/m、厚さ0.26mm)を用いたこと以外、有機繊維含有層A1の製造方法と同様の方法により、有機繊維含有層C1を得た。
(シート状物の製造)
有機繊維含有層C1を10枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例Y1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[実施例Y2]
(有機繊維含有層A3の製造)
ビスフェノール−Aとエピクロルヒドリンからなるエポキシ樹脂(ダウ・ケミカル製「DER−383J」)100質量部、酸無水物硬化剤(日立化成(株)製「HN−2000」)90質量部およびN,Nジメチルベンジルアミンエポキシ樹脂硬化触媒(花王(株)製「カオーライザーNo.20」)2質量部を混合しマトリックス樹脂(ワニス;エポキシ樹脂溶液)を調製したこと、およびこのマトリックス樹脂(ワニス;エポキシ樹脂溶液)を用いたこと以外、有機繊維含有層A1の製造方法と同様の方法により、有機繊維含有層A3を得た。
(シート状物の製造)
有機繊維含有層A3を6枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例Y1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例Y3]
(無機繊維含有層B2の製造)
有機繊維含有層A3の製造で使用したマトリックス樹脂を用いたこと以外、無機繊維含有層B1の製造方法と同様の方法により、無機繊維含有層B2を得た。
(シート状物の製造)
無機繊維含有層B2を7枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例Y1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例Y4]
(有機繊維含有層C2の製造)
有機繊維含有層A3の製造で使用したマトリックス樹脂を用いたこと以外、有機繊維含有層C1の製造方法と同様の方法により、有機繊維含有層C2を得た。
(シート状物の製造)
有機繊維含有層C2を8枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例Y1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[実施例Y3]
(シート状物の製造)
有機繊維含有層A1を6枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例Y1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例Y5]
(シート状物の製造)
無機繊維含有層B1を6枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例Y1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例Y6]
(シート状物の製造)
有機繊維含有層C1を6枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例Y1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[実施例Y4]
(有機繊維含有層D1の製造)
エポキシ樹脂溶液の代わりに、以下の方法で調製された混合溶液を用いたこと以外、有機繊維含有層A1の製造方法と同様の方法により、有機繊維含有層D1を得た。
まず、ポリビニルブチラール((株)クラレ製、「Mowital B30H」、水酸基含量20重量%、DIN53015に準じて測定した溶液粘度48mPa×s)10.4質量部をメチルエチルケトン溶液130質量部に溶解した。次いで、この溶液全量と、多官能エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL604B80」)93.6質量部と、フェノール型硬化剤(三菱化学(株)製「YLH129」)63質量部と、イミダゾール型硬化促進剤(三菱化学(株)製「EMI24」)0.27質量部とを混合しマトリックス樹脂(ワニス)を調製した。
(シート状物の製造)
有機繊維含有層D1を6枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例Y1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例Y7]
(有機繊維含有層D2の製造)
エポキシ樹脂溶液の代わりに、以下の方法で調製された混合溶液を用いたこと以外、有機繊維含有層A1の製造方法と同様の方法により、有機繊維含有層D2を得た。
まず、ポリビニルブチラール((株)クラレ製、「Mowital B30H」、水酸基含量20重量%、DIN53015に準じて測定した溶液粘度48mPa×s)52質量部をメチルエチルケトン溶液260質量部に溶解した。次いで、この溶液全量と、多官能エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL604B80」)52質量部と、フェノール型硬化剤(三菱化学(株)製「YLH129」)35質量部と、イミダゾール型硬化促進剤(三菱化学(株)製「EMI24」)0.15質量部とを混合しマトリックス樹脂(ワニス)を調製した。
(シート状物の製造)
有機繊維含有層D2を6枚連続して積層してプレスしたこと以外、実施例Y1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[実施例Z1]
(シート状物の製造)
アルミニウム板(厚さ1mm)の両面に有機繊維含有層A1を1枚づつ配し、これらを熱プレスしたこと以外、実施例X1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例Z1]
(シート状物の製造)
アルミニウム板(厚さ1mm)の両面に有機繊維含有層C1を1枚づつ配し、これらを熱プレスしたこと以外、実施例Z1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例Z2]
(シート状物の製造)
アルミニウム板(厚さ1mm)をそのままシート状物として用いた。
[実施例Z2]
(シート状物の製造)
ステンレス板(厚さ1mm)の両面に有機繊維含有層A1を1枚づつ配し、これらを熱プレスしたこと以外、実施例Z1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例Z3]
(シート状物の製造)
ステンレス板(厚さ1mm)の両面に有機繊維含有層C1を1枚づつ配し、これらを熱プレスしたこと以外、実施例Z1のシート状物の製造方法と同様の方法により、シート状物を得た。
[比較例Z4]
(シート状物の製造)
ステンレス板(厚さ1mm)をそのままシート状物として用いた。
Figure 2016125051
Figure 2016125051
Figure 2016125051
上記実施例または比較例で製造または使用された有機繊維含有層、無機繊維含有層および金属板は略同等の寸法(縦×横)を有し、これらの積層に際しては、厚み方向に重ね合わせて使用した。熱プレスに際しては、積層体の全面に対して所定の圧力および温度を付与した。
本発明のシート状物は、自転車用フレームとして、自動車、鉄道および航空機などの乗り物における内装用パネルとして、ドライヤー、冷蔵庫、電子レンジなどの家庭用電器製品の筐体として、有用である。

Claims (8)

  1. 少なくとも一方の最表面に、全芳香族ポリエステル繊維およびマトリックス樹脂を含有する層を配したシート状物であって、
    前記層はその全重量に対して0.1〜80重量%の全芳香族ポリエステル繊維を含有し、
    前記全芳香族ポリエステル繊維の目付は20〜4000g/mであり、
    前記マトリックス樹脂はその全重量に対して85重量%以上の熱硬化性樹脂を含み、
    前記層の厚さは0.03〜50mmである、シート状物。
  2. 前記シート状物が前記層のみからなる、請求項1に記載のシート状物。
  3. 前記シート状物が、基材の一方または両方の面に前記層を有する複合体である、請求項1に記載のシート状物。
  4. 前記基材が、無機繊維およびマトリックス樹脂を含む層または金属板である、請求項3に記載のシート状物。
  5. 前記全芳香族ポリエステル繊維は、一方向性織物、二方向性織物、三軸織物、多軸織物、または不織布のいずれかを構成する、請求項1〜4のいずれかに記載のシート状物。
  6. 前記全芳香族ポリエステル繊維を構成する全芳香族ポリエステル系ポリマーが40〜150℃において少なくとも1つのtanδのピークを有する、請求項1〜5のいずれかに記載のシート状物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のシート状物を、熱硬化性樹脂の軟化点以上であって硬化温度未満の温度で成形した後、前記硬化温度以上の温度で硬化させてなる、振動減衰部材。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のシート状物を、熱硬化性樹脂の軟化点以上であって硬化温度未満の温度で成形した後、前記硬化温度以上の温度で硬化させることを含む、振動減衰部材の製造方法。
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