JP2010142892A - プリプレグ積層体及びこれを用いた研磨用キャリア材及びこれらの製造法 - Google Patents

プリプレグ積層体及びこれを用いた研磨用キャリア材及びこれらの製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い剛性を有して反りの発生が少なく、耐磨耗性の高いプリプレグ積層体およびこのプリプレグ積層体を用いた、被研磨物の表面や外周に傷が付きにくく、研磨時の寿命の長く経済的な研磨用キャリア材を提供すること。
【解決手段】熱硬化性樹脂を融入したガラス繊維織布プリプレグを、熱硬化性樹脂を融入したポリアリレート繊維織布プリプレグで挟持し、全体を圧着一体化してなるプリプレグ積層体を作成し、これを用いて研磨用キャリア材とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリプレグ積層体及びこれを用いた研磨用キャリア及びこれらの製造法に関し、さらに詳しくは、半導体ウエハー、ハードディスク等の製造工程において、これらの表面を研磨するにあたり、これら被研磨物を保持するのに適した研磨用キャリアに関するものである。
従来、有機繊維や無機繊維からなる織布や不織布を基材として、該基材に熱硬化性樹脂ワニスを含浸、乾燥させたプリプレグは各種提案されており、自動車部品、プリント配線板等の用途に広く応用されている。また、表面平滑性が要求される半導体ウエハー、ハードディスク等の研磨用キャリアに用いられている。
半導体ウエハー、ハードディスク等に用いるための板状物の表面を加工するに際しては、平面研磨機の歯車と噛合うギヤを外周に形成した円板にワーク保持用の孔を1個から複数個設けた研磨用キャリアを用い、このワーク保持用の孔に半導体ウエハー等の被研磨物を嵌め込んで保持し、この少なくとも片面に研磨材を配した2つの平面により挟んだ状態で被研磨物およびキャリアを駆動させることにより研磨を行っている。
従来、被研磨物保持のために用いる研磨用キャリアは、例えばガラス繊維基材にエポキシ樹脂ワニスを含浸、乾燥したプリプレグを加熱加圧成形することにより得られた積層板に研磨機の形状に応じた加工を施すことにより製造されていた。
しかしながら、従来のガラスエポキシ基材を使用した研磨用キャリアは、非常に剛性が高いという利点があるが、このようなキャリアを用いて被研磨物の研磨を行うと被研磨物の表面や外周面にスクラッチが付きやすく、またギヤ部の磨耗が発生しやすいため、使用寿命が短いという問題があった。
このような問題を解決するために、様々な構成の研磨用キャリアが提案されている。
例えば、ガラス繊維基材に熱硬化性樹脂ワニスを含浸して乾燥したプリプレグが表面層を形成すると共に、ポリエステル繊維基材に熱硬化性樹脂ワニスを含浸乾燥したプリプレグにて中間層を形成した研磨用キャリア材が提案されているが(特許文献1)、この方法では、中間層をガラススクラッチが付きにくくしている反面、研磨用キャリアが磨耗されやすく、使用寿命は短くなってしまうという問題があった。また、表面層をガラス繊維基材にて形成しているために、被研磨物の表面ではスクラッチの発生が多くなってしまう問題もあった。
また、溶融液晶性全芳香族ポリエステル繊維基材に熱硬化性樹脂ワニスを含浸・乾燥してなるプリプレグを含む複数枚のプリプレグを積層し、加熱加圧成形してなる研磨用キャリアが提案されている(特許文献2)。この発明は、高い剛性を有して反りの発生が少なく、寸法安定性、板厚精度に優れ、耐磨耗性が高く、かつ被研磨物の表面や外周面にスクラッチが付きにくく、さらに製造コストを抑えた研磨用キャリアを得ることができるというものである。上記基材としては織布及び不織布が挙げられているが、不織布を使用した例のみが実施例として取り上げられている。
しかし、その不織布を用いる場合について、特許文献3では次の様に指摘している。「溶融液晶性全芳香族ポリエステル繊維を基材に用いることにより、高い剛性を保持しつつ、低い吸湿率により高い寸法安定性を期待できるが、実用上、溶融液晶性全芳香族ポリエステル繊維は、一般的に樹脂との接着性が低く、基材としてただ単に該繊維からなる不織布を配するだけでは、含浸する樹脂に添加剤を加えたり、含浸する樹脂量を一定以上保つ等の工夫をしないと、該繊維と樹脂との界面では剥離が生じ、結果的に十分な性能を確保することは困難である。」
特許文献3では、溶融液晶性全芳香族ポリエステル繊維からなる特定の不織布を基材に用いた研磨用キャリアが、提案されている。メルトブローン不織布を構成する繊維が特定の形状を有することにより、含浸樹脂と不織布繊維との間に働く保持力を可能な限り高め、スクラッチの発生を最小限に留めるとともに優れた耐久性を実現するキャリア材を得ることができるというものである。
ポリアリレート不織布に代表される溶融液晶性全芳香族ポリエステル不織布を基材に用いることにより、含浸樹脂と不織布との間に働く保持力は高まることが期待できるが、「該メルトブローン不織布を用いて製造したプリプレグを研磨用キャリアに用いる場合、研磨対象物によっては強度が不足する可能性がある」事を指摘し、「メルトブローン不織布の原反膠着回避の目的で、カレンダー加工することが好ましい」とも述べている。つまり、メルトブローン不織布を用いた場合、後の問題を回避する為には、後加工をする事が推奨されている。
特開平6−304859号公報 特開2004−114208号公報 特開2006−249119号公報 特開2007−106933号公報 特開2007−321088号公報
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、すなわち十分な剛性を持ち、耐摩耗性が高い上に、半導体ウエハー、ハードディスク等の被研磨物を保持して研磨するにあたり被研磨物の表面や外周面にスクラッチが付きにくく、更に、繊維と樹脂との間の界面での剥離の問題がなく、プレプリグ積層体の作製後に、追加の工程がなくても、研磨用キャリアとして十分に高い強度を持つ、プレプレグ積層体を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維からなる織布とガラス繊維からなる織布を熱硬化性樹脂ワニスで含浸するのではなく、ワニスの代わりに熱硬化性樹脂シートを用いて、これを前記織布に融入させることによって、上記の課題が解決されることを見出した。
それゆえ、本発明は、熱硬化性樹脂が融入されて形成された1枚または2枚以上のガラス繊維織布プリプレグを芯材層として、及び熱硬化性樹脂が融入されて形成された1枚または2枚以上のポリアリレート繊維織布プリプレグを、上記芯材層を挟持する形で表層として有するプリプレグ積層体、それの製造法及び使用に関する。
本発明で用いられるポリアリレート繊維は、当技術分野で慣用のものを使用することができ、例えば、特許文献2及び3で使用されるような溶融液晶全芳香族ポリエステル繊維が好ましく使用される。好ましいものは、ヒドロキシナフトエ酸類、特に6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する構造単位に基づくものである。コモノマーとしては、好ましくはp−ヒドロキシ安息香酸、1,4−ベンゼンジオール、テレフタル酸、4−アミノフェノール、4,4’−ビフェノールから選択される一種または二種以上が挙げられる。特に好ましいものは、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する構造単位とp−ヒドロキシ安息香酸に由来する構造単位を含むものである。
該ポリアリレート繊維織布を構成する繊維の太さは、特に制限されないが、好ましくは28dtex〜8,300dtex、特に好ましくは220dtex〜560dtexである。このようなポリアクリレート繊維は、例えばベクトランの名称でクラレ社製から販売されている。
本発明では、ポリアクリレート繊維は平織りして織布の形で使用される。それによって、不織布に比べて組織が均質なので、樹脂の分配の不均一さなどを回避することができる。その織布の厚さは、例えば、約110μm±20μmである。
ガラス繊維も当技術分野において慣用のものを使用することができる。通常は、繊維径が約4.0μm〜約10μm、好ましくは約5.0μm〜約7.5μmの範囲のものを使用することができる。本発明においては、ガラス繊維は、平織りして織布の形で用いられる。それによって、ポリアクリレート繊維織布の場合と同様に、樹脂の分配の不均一さなどを回避することができる。ガラス繊維織布の厚さは、通常は約0.170mm〜約0.200mmである。本発明で好ましい実施態様において用いられるガラス繊維織布は、IPCスペック7628 (日東紡社製)であり、厚さ0.180mmである。当該繊維の平均繊維の質量は209g/m、密度はタテ44本/25mm、ヨコ32本/25mmである。
本発明では、熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂フィルムの形で両織布に融入される。この熱硬化性樹脂としては、当技術分野で慣用の任意のものを使用することができ、例えばエポキシ系、ユリア系、メラミン系、ウレタン系等が挙げられる。成形性及びシート操作性の点からエポキシ樹脂、例えばビスフェノールA型のエポキシ樹脂が好ましく用いられる。これらの樹脂を用いてフィルムを製造するには、剥離フィルム基材に硬化性樹脂を塗布した後、加熱して溶剤を除去して形成する事により作成することができ、このフィルムは厚さは通常約10〜約200μmであり、さらに約20〜約80μmであることが好ましい。このような熱硬化性樹脂フィルム自体は、公知であり、例えば特許文献4や、特許文献5などに記載されている。
また、このような樹脂シートは、商業的にも入手が可能であり、例えば日東電工から封止用樹脂シートとして、また、ナガセケムテックス(株)社からシート状エポキシ封止材料として販売されている。
本発明で言う“融入”とは、熱硬化性樹脂シートを、ガラス繊維織布またはポリアリレート繊維織布と重ね、そしてこれに圧力をかけることによって、熱硬化性樹脂をこれらの織布中に均一に押し込み、樹脂シートと織布とを一体化させる作業のことを言う。
この作業は、樹脂ワニスの含浸のように溶剤を用いたり、また圧縮など加熱することなしに行うことができる。好ましくは、一枚の織布に対して一枚の熱硬化性樹脂フィルムを密着させて、ローラーで圧着する。
この融入の作業条件は、熱硬化性樹脂が、織布に十分な深さまで押し込まれ、熱硬化性樹脂シートと織布が、実質剥離不能な程度まで一体化しさえすれば、特に限定はされないが、例えば約10kg/cm〜約35kg/cm、好ましくは約15kg/cm〜25kg/cmの圧力下に行うことができる。
また、別の態様では、上記の“融入”は、独立した工程としてではなく、ガラス繊維織布、ポリアリレート繊維織布、熱硬化性樹脂シートを所定の配置に積層させた後に、加圧、加熱下での圧着工程で行ってもよい。
本発明によるプリプレグ積層体は、芯材層に樹脂融入ガラス繊維織布プリプレグ、及びこの芯材層を挟む形で表層として樹脂融入ポリアリレート繊維織布プリプレグが配置された構造を有する。樹脂融入ガラス繊維織布プリプレグ及び樹脂融入ポリアリレート繊維織布プリプレグは、それぞれ1枚か、または2枚以上使用することができ、好ましくは、樹脂融入ポリアリレート繊維織布プリプレグは2枚ずつ以下で樹脂融入ガラス繊維織布プリプレグ4枚以下を挟持し、キャリア材の厚みとして要求される厚みにする。
本発明のプリプレグ積層体の製造方法は、上記の構造をもたらすものであれば任意の手順を用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂を融入した1枚または2枚以上のガラス繊維織布の上下を、熱硬化性樹脂を融入した1枚または2枚以上のポリアリレート繊維織布で挟持してプリプレグ積層体を作製し、これを加熱、加圧して圧着することができる。また、それぞれ未だ樹脂が融入されていないガラス繊維織布及びポリアリレート繊維織布を、ガラス繊維織布を心材層として、ポリアリレート繊維織布を上記芯材層を挟持する形で表層として重ね、この際、各織布間に熱硬化性樹脂シートを存在させて積層体とし、そしてこれを加熱、加圧下に圧着することもできる。
加熱、加圧下での圧着工程は、例えばオートクレーブのような装置を用いて、約0.25〜約0.45MPaの圧力下におき、さらに圧力下において通常、約10〜約14時間、例えば12時間、加熱維持して行うことができる。この加熱維持時間の間、少なくとも1〜6時間、例えば4時間の間は、110〜140℃の温度に保つことが望ましい。こうすることで、十分な硬化を高い費用効率の下に達成することができる。
また、圧着する前のプリプレグ積層体を、例えば、プラスチック製の袋、例えばポリエチレン製の袋に挿入して、10−3〜10−5Pa下に240〜400秒間減圧に付すことによって前処理することも有利である。こうすることで、各繊維織布間の密着を向上させるだけでなく、内在するエアーの気泡等を取り除き密度を向上させる事ができる。
それゆえ、代表的には、本発明によるプリプレグの製造方法は、一つの態様では、次の工程を含むことができる:
1) ガラス繊維織布の片面に熱硬化性樹脂シートを圧着させガラス繊維織布プリプレグを作成する工程、
2) ポリアリレート繊維織布の片面に熱硬化性樹脂シートを圧着させポリアリレート繊維織布プリプレグを作成する工程、
3) 1枚または2枚以上の前記ガラス繊維織布プリプレグの両面を、1枚または2枚以上の前記ポリアリレート繊維織布プリプレグで挟持して積層体を作成する工程、及び
4) 前記積層体を、加熱加圧することにより前記積層体を圧着させる工程。
また、別の態様では、次の工程を含むことができる:
1’) 1枚または2枚以上の樹脂未融入のガラス繊維織布を芯材層として、及び1枚または2枚以上の樹脂未融入のポリアリレート繊維織布を、上記芯材層を挟持する形で表層として重ね、この際、各織布間に熱硬化性樹脂シートを存在させて、積層体を作成する工程、
2’) 前記積層体を、加熱加圧することにより前記積層体を圧着させる工程。
前記両方法は、前記工程3)と4)の間、及び1’)と2’)の間に、上に説明した積層体を減圧処理する工程を更に含むことができる。
本発明によるプリプレグ積層体は、上記のガラス繊維織布プリプレグ及びポリアリレート繊維織布プリプレグの他に、他の層を含んでいてもよい。しかし、好ましくは、本発明のプリプレグ積層体は、上記のガラス繊維織布プリプレグ及びポリアリレート繊維織布プリプレグのみからなる。
本発明のプリプレグ積層体では、熱硬化性樹脂フィルムを使用するために、ワニスを用いる場合と異なり、溶剤を使用せずにプリプレグ積層体を製造することができる。そのため、溶剤を使用する際に必要な含浸量の調節が不要であり、樹脂量を平均的に融入できるだけでなく、本発明で目的の一つとする研磨用キャリア材のように溶剤の影響を極力避けたいような用途には極めて有用である。
本発明のプリプレグ積層体を用いて研磨用キャリア材を製造するには、ウォタージェット、NCフライス盤、マシニングセンターの様な加工機を用いて切削加工により行うことができる。
該プリピレグ積層体の厚みの調整は、ガラス繊維織布プリプレグ及び/またはポリアリレート繊維織布プリピレグの積層数及び厚みの調整で出来るが、通常0.5〜 4.0mm程度であり、半導体ウェファー、ハードディスク研磨用キャリア材としては特に約0.6〜約1.5mmが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
基材の作成
A. 1m×1m厚さ0.6mmのステンレス鋼を2枚(A)用意する。
B.ポリアリレート繊維織布(クラレ社製、ベクトランHT0235)に約30μmのビスフェノールA型エポキシ樹脂フィルム(特許文献5の実施例1に従い製造したもの、以下同じ)を密着させローラー圧着して、樹脂を織布中に融入した後に、1m×1mに切断した物(基材B)を用意する。
C.ガラス繊維織布(日東紡社製、7628)に約30μmのビスフェノールA型エポキシ樹脂フィルムを密着させローラー圧着して、樹脂を織布中に融入した後に、1m×1mに切断した物(基材C)用意する。
実施例1
金属板Aの表面をアセトンで脱脂し、その上にB-B-B-C-C-B-B-Bの配置で各基材を載せた上に、表面をアセトンで脱脂したもう一方の金属板Aを載せた。乗せ重ねた前述の物を、ポリエチレンフィルムで極力空気が入らないように全体を覆い、これをポリエチレン製の袋の中に入れた。その後、ポリエチレン袋に真空ポンプを取り付けて、袋の中を常温で 300秒間真空(10-3〜10-5Pa)で引き、層間を密着させると共に各プリプレグ内に内在する気泡などを取り除き、プリプレグ積層体を得た。
得られたプリプレグ積層体を、オートクレーブの中に入れ、3.5気圧、130℃、4時間加熱加圧してエポキシ樹脂を硬化させて、キャリア材を得た。このキャリア材を、ウォタージェットによる切削加工方法を用い、ギヤ部、研磨部を加工して、更に、表面をラッピングして研磨用キャリア材を得た。
実施例2
基材の重ね合わせをB−B−C−C−B−Bの配置とした以外は、実施例1と同様の加工方法で加工して、研磨用キャリア材を得た。
実施例3
基材の重ね合わせをB−B−C−C−C−B−Bの配置とした以外は、実施例1と同様の加工方法で加工して、研磨用キャリア材を得た。
実施例4
基材の重ね合わせをB−C−C−C−C−Bの配置とした以外は、実施例1と同様の加工方法で加工して、研磨用キャリア材を得た。
実施例5
金属板Aの表面をアセトンで脱脂し、次の通りのせ重ねる。上記「基板の作成」に記載のベクトランHT0235を2枚、ガラス繊維織布を3枚、ベクトランHT0235を2枚の順で乗せ、それぞれの織布間に上記「基板の作成」に記載のエポキシ樹脂フィルムを差し込んだ。 上部に表面をアセトンで脱脂した金属板Aをのせて例1と同じ方法により真空ポンプで真空引きをし、プリプレグを作らず積層させる。積層した物を例1と同じ方法により、オートクレーブでエポキシ樹脂を硬化させてキャリア材を得た。
比較例1
「基材の作成」に記載の樹脂融入ベクトランHT0235(B)を8層重ねた(B−B−B−B−B−B−B−B)以外は、実施例1と同様の加工方法で加工し、研磨用キャリア材を得た。
比較例2
「基材の作成」に記載の樹脂融入日東紡社製ガラス繊維織布7628(C)を6層重ねた(C−C−C−C−C−C)以外は、実施例1と同様の加工方法で加工し、研磨用キャリア材を得た。
以上の実施例と比較例で作成した研磨用キャリア材を使用して研磨作業を行った。
研磨材料および条件:
被研磨物:6インチ シリコンウェファー
研磨パッド:ニッタ・ハース(株)製SUBA840
スラリー:デュポンエア−プロダクツナノマテリアルズ(株)製 MARZIN SR330を純水で30倍希釈
研磨装置:浜井産業(株)製ラップ・ポリッシュ盤 モデル9BN
回転数:30rpm
キャリアスペック:DP12(歯形) × Z108(歯数)
上記条件下で、一回にキャリア5枚を重ならない様に研磨装置の下定盤にのせて、各キャリアに1枚のウェファーを、ウェファーのサイズにキャリアに穴あけ加工した部分に入れて研磨する状態を1バッチとして、50バッチ(1バッチ20分)を行い次の評価を得た。
クラッシュ発生評価
各バッチ終了後にキャリアの歯部(DP12部)の折れの有無を、合計250枚のキャリアについて調べた。キャリアの歯部(DP12部)が1枚につき1箇所以上折れていれば、クラッシュ1回とした。
チッピング発生評価(率)
各バッチ終了後にキャリアの歯部(DP12部)の傷の有無(合計27,000箇所)を調べた。
チッピング発生率は以下の様に算出した。
チッピング発生率:A
チッピング発生数:B
(発生数は、1歯部に1箇所以上のチッピングが発生した場合、チッピング1回とした。)
合計の歯数(27,000):C
クラッシュ回数:D
キャリア1枚あたりの歯数:108
A =(B÷(C−(D×108)))× 100
ウェファー面スクラッチ評価(率)
ウェファー1枚を4分割し、1バッチ5枚を50バッチ、合計1000箇所のスクラッチ発生の有無を調べた。ウェファー1枚の1分割面に1箇所以上のスクラッチが認められた場合、スクラッチ1回とした。 スクラッチ発生率は以下の様に算出した。
スクラッチ発生率:A
スクラッチ発生面の数:B
総スクラッチ面(1000箇所):C
A =(B÷C)× 100
寿命評価
比較例2のチッピング発生数を標準として、歯部(DP12部)に発生したチッピングの数の比較を行った。1歯部に1箇所以上のチッピングが発生した場合、チッピング1回とした。
Figure 2010142892
寿命は以下の様に算出した。
寿命:A
比較例2のチッピング発生数:B
比較例1(0)および実施例(1〜5)のチッピング発生数:C0〜5
A = B÷C(各々0〜5)
[チッピング発生数B(Bおよび各C)の算出方法]
B =(27,000−(クラッシュ回数×108))× チッピング%
比較例2は、寿命が短くウェファーに傷をつける欠点があった。比較例2を基に、実施例の考察を行った。概ねポリアリレート繊維織布でガラス繊維織布を挟持する事によって、パッドに対する磨耗性が向上し寿命が延び脱落したガラス繊維で生じるスクラッチの発生も抑えられた。比較例1は、アリレート繊維織布だけを積層した物だが、スクラッチの発生は抑えられたが、積層体の強度が低いために寿命が短かった。

Claims (8)

  1. 熱硬化性樹脂が融入されて形成された1枚または2枚以上のガラス繊維織布プリプレグを芯材層として、及び熱硬化性樹脂が融入されて形成された1枚または2枚以上のポリアリレート繊維織布プリプレグを、上記芯材層を挟持する形で表層として有することを特徴とするプリプレグ積層体。
  2. 熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項1に記載のプリプレグ積層体。
  3. 請求項1または2に記載のプリプレグ積層体を用いてなる研磨用キャリア。
  4. 熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項3に記載の研磨用キャリア。
  5. 次の工程を含むことを特徴とする、請求項1または2のプリプレグ積層体の製造法:
    1) ガラス繊維織布の片面に熱硬化性樹脂シートを圧着させガラス繊維織布プリプレグを作成する工程、
    2) ポリアリレート繊維織布の片面に熱硬化性樹脂シートを圧着させポリアリレート繊維織布プリプレグを作成する工程、
    3) 1枚以上の前記ガラス繊維織布プリプレグの両面を、それぞれ1枚以上の前記ポリアリレート繊維織布プリプレグで挟持して積層体を作成する工程、及び
    4) 前記積層体を、加熱加圧することにより前記積層体を圧着させる工程。
  6. 次の工程を含むことを特徴とする、請求項1または2のプリプレグ積層体の製造法:
    1’) 1枚または2枚以上の樹脂未融入のガラス繊維織布を芯材層として、及び1枚または2枚以上の樹脂未融入のポリアリレート繊維織布を、上記芯材層を挟持する形で表層として重ね、この際、各織布間に熱硬化性樹脂シートを存在させて、積層体を作成する工程、
    2’) 前記積層体を、加熱加圧することにより前記積層体を圧着させる工程。
  7. 上記工程3)と4)の間、または上記工程1’)と2’)の間に、積層体を減圧下に処理する工程を更に含むことを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
  8. 請求項6〜7のいずれか一つに記載の方法により製造したプリプレグ積層体をさらに所定の型のプリプレグ積層体に加工することを特徴とする、研磨用キャリアの製造法。
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