JP2008155304A - 研磨用保持材 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコンウェハの表面の傷の発生を抑制し、効率的に研磨を行うのに有効な樹脂製の研磨用保持材を提供する。
【解決手段】複数の繊維強化型プリプレグ6Bを積層してなる中間層と、その中間層の両面に表面層として形成される樹脂シート6Aと、からなる研磨用保持材であって、樹脂シートが、エラストマー成分を3〜30質量%含有し、繊維基材及び無機充填剤を含まない熱硬化性樹脂組成物を用いて形成されたものである研磨用保持材1。
【選択図】図1B

Description

本発明は、半導体チップに用いられるシリコンウェハ等を両面極微細研磨によって均一な厚みの板に加工する研磨装置に用いられる研磨用保持材に関する。
研磨用保持材は、周囲に歯車を有する円盤からなっており、その円盤には研磨物を配置するための穴が形成されている。この研磨物配置穴にシリコンウェハをセットして研磨を行い、精密な厚さのシリコンウェハに加工する。
研磨用保持材としては、ウェハ研磨装置における上下定盤の間に配置され、ウェハが収納される透孔を有するキャリア、ウェハ研磨装置における研磨ヘッドの下面に装着されるリング状のテンプレートなどがある。
シリコンウェハは、金属の不純物が付着すると重大な動作不良を起こすため、このとき用いられるウェハ保持材は、通常、樹脂製の複合材であり、強度を確保するために、炭素繊維、アラミド繊維、PBO繊維、全芳香族ポリエステル繊維等の繊維により補強したプリプレグを材料とすることが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
また、強化した芯材によるウェハヘの損傷やスクラッチ傷を与えることを防ぐ為に表面層に有機繊維基材や樹脂層を形成する例が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平11−104953号公報 特開2001−38609号公報 特開2003−225857号公報
しかしながら、シリコンウェハでは繊維強化型樹脂製の研磨用保持材を使用して研磨を行う場合は、研磨材や保持材から発生する切りくずによってウェハ表面に傷が発生するため、使用用途が限られていた。
そのため、一部の用途では、唯一、金属で許容される純チタン製のディスクが一般的に用いられているが、この場合には研磨用保持材の製造コストが高くなってしまう点が問題であった。また、金属イオン汚染による製品への影響が懸念されるため限定された工程にしか用いられていない。
また、有機繊維基材や樹脂層を表面に形成する提案はあるが、従来の材料を貼り合わせただけでは表面外観が悪く、反りが大きくなったり、耐摩耗性が劣ったりするという問題があった。
そこで、本発明は、従来の樹脂層の研磨用保持材の欠点を解消するためになされたものであり、シリコンウェハの表面の傷の発生を抑制し、効率的に研磨を行うのに有効な樹脂製の研磨用保持材を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意、検討した結果、研磨用保持材の表面層として、所定の樹脂シートを用いることにより、シリコンウェハの研磨に適した研磨用保持材とすることができることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の研磨用保持材は、複数の繊維強化型プリプレグを積層してなる中間層と、その中間層の両面に表面層として形成される樹脂シートと、からなる研磨用保持材であって、樹脂シートが、エラストマー成分を3〜30質量%含有し、繊維基材及び無機充填剤を含まない樹脂シートであることを特徴とするものである。
本発明の研磨用保持材によれば、反りが小さく、研磨時にスクラッチ傷の発生がなく、研磨対象であるシリコンウェハの表面を平滑で均一に鏡面研磨することを可能とし、研磨用保持材の寿命も長いため、ウェハの製造コストを抑えることができる。
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1Aは、本発明の研磨用保持材(キャリア)の平面図であり、図1Bは、図1Aの研磨用保持材(キャリア)のA−A断面図である。
本発明の研磨用保持材1は、図1A及びBに示したように、例えば、従来と同様に、円盤状の支持部2と、その外周に設けられた歯車3と、支持部2に貫通孔で形成された研磨物配置穴4と、研磨用保持材1の回転の中心となる固定部5と、からなるものである。また図1Bに示したように本実施形態の研磨用保持材は、表面層として樹脂シート6Aと、中間層として繊維等強化型プリプレグ6Bの複数枚とが積層されて構成されたものである。
この研磨用保持材1は、外側のギヤ部分を軸に組み合わせて駆動を伝達、ウェハを研磨用保持材1に明けられた穴にセットした状態で回転し、さらに軸の周りを研磨用保持材自体が回ることにより、上下に接触している研磨穴にセットした状態で回転し、さらに軸の周りを研磨用保持材自体が回ることにより、上下に接触している研磨材によって均一に磨かれる。
このため、研磨用保持材1の反りが大きいと、ウェハが均一に鏡面加工されず、端部が薄くなったり、片側だけ粗くなったりしてしまう。また、研磨用保持材自体も部分的に磨耗してしまい、短いサイクルで交換しなくてはならない。さらには磨耗した研磨用保持材1の表面から発生する削りくずによってウェハ表面にスクラッチ傷が発生してしまう。
したがって、最外層に特定の樹脂組成からなる樹脂シートを使用することで、表面に傷を発生させることなく、均一な鏡面加工を効率よく行うことができ、ウェハ保持材の交換頻度を少なくすることによるウェハ研磨のコストダウン効果も奏する。
ここで、研磨用保持材1の最外層の樹脂シート6Aとしては、エラストマー成分を3〜30質量%含有し、繊維基材及び無機フィラーを含まない樹脂シートが用いられ、このような構成とすることで、被研磨物のスクラッチ傷を減少させることができる。
この樹脂シート6Aの製造に用いる樹脂組成物としては、(A)熱硬化性樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)エラストマーと、を必須成分とする樹脂組成物が挙げられ、この特定の組成からなる樹脂シートに用いられる(A)熱硬化性樹脂としては、質量平均分子量が1万未満のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、変性ポリイミド樹脂等が挙げられ、なかでも強度、成形性の観点からエポキシ樹脂が好ましく用いることができる。このとき使用するエポキシ樹脂としては、その質量平均分子量が700〜2000の範囲のものであることが好ましい。
また、この樹脂シート6Aに用いられる(B)硬化剤及び(C)硬化促進剤としては、(A)熱硬化性樹脂に対して通常用いられているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ樹脂を用いた場合には、硬化剤としては、ジシアンジアミド、芳香族ジアミン等のアミン系硬化剤、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のフェノール系硬化剤、としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸等の酸無水物硬化剤等を用いることができ、また硬化促進剤としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、三フッ化ホウ素アミン錯体、トリフェニルホスフィン等を用いることができる。
また、(D)エラストマー成分としては、質量平均分子量が1万以上のエポキシ樹脂又はフェノキシ樹脂が挙げられる。このエラストマー成分は、樹脂シートの材料となる樹脂組成物中に3〜30質量%配合されるものである。3質量%未満では樹脂シートを成形する際のハンドリング性が悪く、30質量%を超えると成形性が悪くなってしまう。
このとき、その他の成分の配合割合は、樹脂組成物中に(A)熱硬化性樹脂が60〜96質量%、(B)硬化剤が0.5〜35質量%、(C)硬化促進剤が0.05〜5質量%であることが好ましい。
これらの配合成分の他にも、本発明の効果を阻害しない範囲で、適宜必要な添加剤を配合することができる。なお、この樹脂シート6Aとしては、無機フィラーや繊維基材等は実質的に含有することなく構成されるものである。
そして、この樹脂組成物を用いて形成される樹脂シート6Aは、その厚さが、10〜50μmであることが好ましい。厚さが10μm未満では表面保護層が研磨により磨耗し易くなり、50μmを超えると成形時にボイドが残りやすくなってしまう。
また、ここで用いる樹脂シート6Aの鉛筆硬度は4H以上であることが好ましく、中でも6H以上であることがより好ましい。鉛筆硬度が4H未満では耐摩耗性の低下や均一に研磨できない等の問題が生じてしまい、また、表面層に研磨材が残る可能性があり、仕上げ研磨の際に、この残った研磨材がウェハの表面に混入して傷つけるおそれがある。なお、この鉛筆硬度は、JIS−K5600−5−4に準じて測定されるものである。
次に、ここで用いられる研磨用保持材1の内層に用いられる繊維強化型プリプレグ6Bとしては、強化繊維を有するプリプレグであれば特に限定されずに用いることができる。ただし、研磨用保持材の曲げ強度に一番影響があるのは最外層のプリプレグであるため、内層においては、例えば、繊維織布強化型プリプレグでもよいし、また、一方向繊維強化型プリプレグやそれを加工したものを用いてもよいが、最外層のプリプレグは、強度に優れる一方向繊維強化型プリプレグとすることが好ましく、さらにこの最外層のプリプレグの内層側に最外層とは配向が異なるように(例えば、それぞれの繊維のなす角が90度となるように)積層することが全方向に渡って強度の差を小さくすることができる点で特に好ましい。
この繊維強化型プリプレグ6Bは、高剛性の繊維を所望の配向となるように繊維を配置して樹脂組成物に含浸し、この樹脂組成物をB−ステージ化するか、このB−ステージ化したものを加工して繊維方向を適宜調整することで得ることができる。このとき、繊維強化型プリプレグとして、繊維を等間隔で配置し、全ての繊維の配向を同じにした一方向繊維強化型プリプレグを使用することによって、反りの優れた研磨用保持材を得ることができる。この一方向繊維強化型プリプレグは、市販のUDプリプレグ(例えば三菱レイヨンCSテープなど)を使用しても良いし、一方向に並べた繊維を樹脂シートと一体加熱圧着して得ることもできる。
ここで用いられる強化用の繊維としては、炭素繊維、アラミド繊維、PBO繊維、全芳香族ポリエステル繊維等が使用できる。
ここで繊維強化型プリプレグ6Bに用いられる強化用の繊維としては、通常強化繊維として用いられるものであれば特に限定されずに用いることができるが、例えば、繊維強化型プリプレグの引張弾性率が230GPa以上、好ましくは400GPa以上のものであることが好ましい。例えば、炭素繊維を例にとると、東レ株式会社製のトレカ系、東邦テナックス株式会社製の炭素繊維等が挙げられる。また、この繊維は、プリプレグ中の質量比率が60質量%以上であることが好ましく、65〜75質量%であることが特に好ましい。
このとき、繊維以外の成分は樹脂成分となるため、樹脂成分は、質量比率が40質量%以下であることが好ましく、35〜25質量%であることが特に好ましい。この比率があまりに低いと、積層した後に表面平滑性が低下するおそれがある。そして、この樹脂成分としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、変性ポリイミド樹脂等の熱硬化型樹脂が挙げられ、なかでもエポキシ樹脂であることが好ましい。
炭素繊維強化型プリプレグ6Bの厚さは、これを複数枚積層して研磨用保持材の積層板とするため、10〜180μmであることが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
そして、研磨用保持材の厚さは、被研磨物の厚さによって適宜調整すればよいが、通常、0.3mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.4〜1.0mmであることがさらに好ましい。また、その研磨用保持材の大きさは支持部となる円盤の直径が250mm以上であると本発明の効果が有効に発揮される。
本発明の研磨用保持材は、上記説明したような繊維強化型のプリプレグを複数枚積層した表面に樹脂シートを積層して形成されるものであり、その製造は、繊維強化型プリプレグを複数枚積層する積層工程と、この積層工程により積層されたプリプレグを離型フィルムを介し、加熱加圧して互いに接着させて積層板とする接着工程と、樹脂シートを表面に重ね合わせ加熱加圧して互いに接着させて積層板とする表面層形成工程により行うことができる。積層板の接着工程は高精度プレスなどであれば方式は特に限定されるものではない。成形条件は使用する樹脂によりそれぞれ異なるが、例えば圧力1MPa、温度125℃で5時間成形などの条件により均一な条件にて積層する。また、樹脂シートの接着工程は高精度プレスまたは熱ロールなどにより行うことができる。
さらには、繊維強化型プリプレグと樹脂シートをすべて重ね合わせ、プレスにて一括成形することも可能である。
離型フィルムは特に限定されるものではなく、成形温度での耐熱性、成形後の離型性、低汚染性などの条件を満たすものであればいずれも使用できる。具体的には、セパニウムフィルム(サン・アルミニウム工業株式会社製)、テドラーフィルム(DuPont製)、OPPフィルム(東レ株式会社)などが挙げられる。
このように、最表層に所定の樹脂シートを配置することにより炭素繊維による被研磨物へのスクラッチ傷発生や炭素粉による汚染を防止することが出来る。
このようにして得られた積層板に、円盤の所定の外径および内穴径で、歯車型に切断、打ち抜き加工を施すことで研磨用保持材(キャリア)が製造できる。
以下、本発明のウェハ保持材について、実施例及び比較例に基づいて説明する。
(参考例1)
炭素繊維プリプレグAの作成
炭素繊維織布(東邦テナックス株式会社製、商品名:W1103、一枚当たりの重量は125g/m)にエポキシ樹脂組成物(京セラケミカル株式会社製、商品名:TEY9750S)を含浸乾燥し一枚当たり樹脂分40質量%の炭素繊維プリプレグAを作成した。
(参考例2)
樹脂シートBの作成
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート1001;質量平均分子量 900) 95質量部、高分子エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート1256;質量平均分子量 50000) 5質量部、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化工業株式会社製、商品名:CUA−4) 0.9質量部、三フッ化ホウ素錯体化合物である三フッ化ホウ素モノメチルアミン錯体を0.5質量部添加し、ニーダーで混練後、メチルエチルケトン(MEK)とメチルセロソルブアセテート(MCA)の混合溶剤で希釈した。これを離型フィルムOPPフィルムに塗布し、150℃で3分間乾燥させて厚さ35μmの樹脂シートBを作成した。
(参考例3)
樹脂シートCの作成
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート1001;質量平均分子量 900) 85質量部、フェノキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:YP−50;質量平均分子量 70000) 15質量部、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化工業株式会社製、商品名:CUA−4) 0.8質量部、三フッ化ホウ素錯体化合物である三フッ化ホウ素モノメチルアミン錯体を0.5質量部添加し、ニーダーで混練後、メチルエチルケトン(MEK)とメチルセロソルブアセテート(MCA)の混合溶剤で希釈した。これを離型フィルムOPPフィルムに塗布し、150℃で3分間乾燥させて厚さ35μmの樹脂シートCを作成した。
(参考例4)
樹脂シートDの作成
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート1001;質量平均分子量 900) 100質量部、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化工業株式会社製、商品名:CUA−4) 0.7質量部、三フッ化ホウ素錯体化合物である三フッ化ホウ素モノメチルアミン錯体を1.0質量部添加し、ニーダーで混練後、メチルエチルケトン(MEK)とメチルセロソルブアセテート(MCA)の混合溶剤で希釈した。これを離型フィルムOPPフィルムに塗布し、150℃で3分間乾燥させて厚さ35μmの樹脂シートDを作成した。
(参考例5)
樹脂シートEの作成
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート1001;質量平均分子量 900) 60質量部、高分子エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート1256;質量平均分子量 50000) 40質量部、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化工業株式会社製、商品名:CUA−4) 0.7質量部、三フッ化ホウ素錯体化合物である三フッ化ホウ素モノメチルアミン錯体を1.0質量部添加し、ニーダーで混練後、メチルエチルケトン(MEK)とメチルセロソルブアセテート(MCA)の混合溶剤で希釈した。これを離型フィルムOPPフィルムに塗布し、150℃で3分間乾燥させて厚さ35μmの樹脂シートEを作成した。
(参考例6)
樹脂シートFの作成
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート1001;質量平均分子量 900) 70質量部、合成ゴム(日本合成ゴム株式会社製、商品名:N−172) 30質量部、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化工業株式会社製、商品名:CUA−4) 0.7質量部、三フッ化ホウ素錯体化合物である三フッ化ホウ素モノメチルアミン錯体を1.0質量部添加し、ニーダーで混練後、メチルエチルケトン(MEK)とメチルセロソルブアセテート(MCA)の混合溶剤で希釈した。これを離型フィルムOPPフィルムに塗布し、150℃で3分間乾燥させて厚さ35μmの樹脂シートFを作成した。
(実施例1)
参考例1で作成した炭素繊維プリプレグAを550mm×550mmに切断したものを6枚重ね合わせ、さらに参考例2で作成した樹脂シートBを550×550mmに切断し、これを表層に1枚ずつ重ね、1MPaの圧力をかけながら、成形温度の160℃まで昇温して、これを60分間保持し、加熱、加圧成形した。その後、30分かけて冷却し、各プリプレグを接着して積層板を得た。
このようにして得られた厚さ0.8mmの積層板に、円盤の外径530mm、内穴径200mmで、図1の歯車型に切断、打ち抜き加工を施すことで研磨用保持材(キャリア)を製造した。
(実施例2)
実施例1で樹脂シートBの代わりに参考例3で作成した樹脂シートCを使用した以外は同様の操作により積層板とし、研磨用保持材(キャリア)を製造した。
(比較例1〜3)
実施例1で樹脂シートBの代わりに参考例4〜6で作成した樹脂シートD〜Fをそれぞれ使用した以外は同様の操作により積層板とし、研磨用保持材(キャリア)を製造した。
(比較例4)
積層板としてFR−4プリプレグ積層板(京セラケミカル株式会社製、商品名:TLP−551)を用いて、これを円盤の外径530mm、内穴径200mmで、図1の歯車型に切断、打ち抜き加工を施すことで研磨用保持材(キャリア)を製造した。
(試験例)
実施例1〜2及び比較例1〜4で得られた研磨用保持材(キャリア)について、外観及び反りについて試験を行った結果と、シリコウェハの研磨を行った後の研磨傷の発生具合及び耐摩耗性について評価した結果を表1に示した。また、各実施例及び参考例で使用した樹脂シートについて、樹脂フロー、ハンドリング性、硬化物硬度についても併せて表1に示した。
Figure 2008155304
*1 樹脂フロー:樹脂シートの材料である樹脂組成物の樹脂フローを、EMMI−1−66に準じて測定した。
*2 ハンドリング性:貼り合わせ作業時における樹脂われの有無によりシート形状維持可能性を評価した。
◎…シート形状維持可能、○…外観不透明だが、シート形状維持可能、△…表面外観凹凸だがシート形状維持可能、×…シート形状維持不可能
*3 硬化物硬度:JIS K5600−5−4に規定する測定方法に基づいて評価した。
*4 外観:成形後の外観を目視により観察し、ボイドの有無と表面層の透明性を次の基準により評価した。
◎…ボイドがなく表面が半透明、○…ボイドはないが表面は不透明、△…微少のボイドがあり表面が不透明、×…多数のボイドがあり表面が不透明
*5 研磨傷:シリコンウェハ200枚を研磨した後に、200枚目のウェハ表面を顕微鏡を用いて100倍の倍率で観察し、次の基準で評価した。
○…研磨傷なし、△…わずかな研磨傷あり、×…多数の研磨傷あり
*6 耐摩耗性:シリコンウェハ200枚を研磨した後に、研磨用保持材表面層の磨耗を目視観察し、次の基準で評価した。
○…ほとんど磨耗なし、×…磨耗量が多い
*7 反り:研磨用保持材を定盤に置き、最大の浮き上がり量を測定した。
本発明のウェハ保持材(キャリア)の平面図である。 図1Aのウェハ保持材(キャリア)のA−A断面図である。
符号の説明
1…研磨用保持材、2…支持部、3…歯車、4…研磨物配置穴、5…固定部、6A…樹脂シート、6B…一方向炭素繊維強化型プリプレグ

Claims (5)

  1. 複数の繊維強化型プリプレグを積層してなる中間層と、その中間層の両面に表面層として形成される樹脂シートと、からなる研磨用保持材であって、
    前記樹脂シートが、エラストマー成分を3〜30質量%含有し、繊維基材及び無機フィラーを含まない樹脂シートであることを特徴とする研磨用保持材。
  2. 前記樹脂シートが、(A)熱硬化性樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)エラストマーと、を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物により形成されたものであることを特徴とする研磨用保持材。
  3. 前記(D)エラストマーが、高分子エポキシ樹脂又はフェノキシ樹脂からなることを特徴とする請求項2記載の研磨用保持材。
  4. 前記樹脂シートの鉛筆硬度が、4H以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の研磨用保持材。
  5. 前記繊維強化型プリプレグが、一方向炭素繊維強化型プリプレグであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の研磨用保持材。
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