JP2007063710A5 - - Google Patents

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薄葉織物、それを用いた積層体、プリプレグ、繊維強化樹脂組成物成形品及び防護具
本発明は、高強力有機繊維を用いた薄葉織物、更にそれを用いた積層体、プリプレグ、繊維強化樹脂組成物(成形品)、防護具に関する。更に詳しくは、軽量かつ耐衝撃性に優れた薄葉織物、及び弾丸に対する耐貫通性に優れた積層体、プリプレグ、繊維強化樹脂組成物および防護具に関する。
防弾板、防弾チョッキなどの防護製品には、従来では鉄等の金属板が用いられていたが、高強力有機繊維の出現により、現在では高強力有機繊維のシート状物(織物、一方向引き揃えシート等)を積層した構造体(積層体、繊維強化プラスチック、金属・セラミックとの複合体等)が主に用いられている(特開昭52−66771号公報(特許文献1)、特公平4−65319号公報(特許文献2)など参照)。高強力有機繊維シートを用いることにより、金属製の防護具に較べて軽量であるのみならず、防弾チョッキにおいては柔軟性に優れた防護具が製造できる。しかしながら、高強力有機繊維といえども、弾丸の貫通を防ぐ為には、シートの積層枚数を増やさなければならず、その結果として重量増、かつ柔軟性低下を招き、少なからず装着者に不快感を与えるものであった。
上記問題を解決するため、一般的に、より薄い長繊維シート(織物、一方向引き揃えシート等)を用い、長繊維シートを構成する糸のクリンプを少なくすることにより、糸の強力利用率が向上し、その結果弾丸の貫通に対する抵抗力が増強されると考えられる。
より薄いシートを得る方法として、200〜15000dtexの有機系繊維を製織した後、ロール間で押圧することにより、糸幅と糸厚みとの比を10〜100とした扁平織物を用いる方法が提案されている(特開2004−292992号公報(特許文献3)参照)。もっとも、この特許文献3の実施例には、一旦製織した後、独自の開繊装置により、硬質ロール間で押圧することから扁平織物を得ると記載されているが、糸幅と糸厚みとの比を10〜100とするには相当の高圧下で押圧する必要があり、しかもこの操作により、繊維軸と垂直な方向から外圧を受ける為、繊維が圧縮により損傷する虞がある。損傷を受けた繊維はその機械的強度が失われることはよく知られているうえに、繊維が繊維軸に垂直な方向から圧縮を受けた場合、機械的強力は著しく低下し、それに伴って弾丸の貫通に対する抵抗力も著しく低下する。
特開昭52−66771号公報 特公平4−65319号公報 特開2004−292992号公報
本発明の目的は、軽量かつ耐衝撃性に優れた薄葉織物、弾丸に対する耐貫通性に優れた積層体、プリプレグ、繊維強化樹脂組成物、殊に耐貫通性に優れた防護具を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決する為に、鋭意検討した結果、糸幅と糸厚さの比が100を超え10000以下である糸、すなわちマルチフィラメントを構成する単糸をなるべく重ねずに幅方向に並べた状態で織物とすることにより、経糸、緯糸のクリンプがなくなり、更にそれを積層体、繊維強化プラスチックのシート状の形態とすることから、弾丸に対する耐貫通性が従来よりも飛躍的に向上することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、引張強度が10cN/dtex以上の高強力有機繊維を製織した目付け100g/ 以下、経糸と緯糸の少なくとも一方の糸幅と糸厚さの比が100を超え10000以下、かつ目開き率が7%以下である薄葉織物が提供される。この薄葉織物は弾丸に対する耐貫通性が優れている。
本発明のうち、請求項1に係る発明は、引張強度が10cN/dtex以上の高強力を備えた有機繊維を製織した織物であって、その目付けが100g/ 以下、経糸と緯糸との少なくとも一方の糸幅と糸厚さとの比が100を超え10000以下、かつ目開き率が7%以下であることを特徴とする薄葉織物である。糸幅と糸厚さとの比率が極めて大きい点が特徴の1つとなる薄葉織物である。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の薄葉織物において、高強力有機繊維が、芳香族ポリアミド、超高分子量ポリエチレン、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコール及びポリイミドの群から選ばれる1種または2種以上のものからなる。薄葉織物に適用できる高強力有機繊維を具体的に示している。
請求項3に係る発明は、請求項1記載の薄葉織物を積層して得られる積層体を特定したものである。防護用品等には単独の薄い織物では耐弾丸貫通性が不充分であることがしばしばあり、積層して使用する態様を明示している。
請求項4に係る発明は、請求項1記載の薄葉織物を主材料とし、これに熱硬化性樹脂及び/または熱可塑性樹脂を複合してなるプリプレグである。このプリプレグは全体として厚さが300μm以下であることが望ましく、薄くても耐弾丸貫通性に優れていることが肝心である。
請求項5に係る発明は、請求項4記載のプリプレグを単独に、または更に積層して成形してなる繊維強化樹脂組成物成形品である。これは、例えば防弾チョッキの要部となる部品(成形品)である。
請求項6に係る発明は、請求項1または請求項2記載の薄葉織物を、あるいは請求項4記載のプリプレグを、あるいは請求項5記載の繊維強化樹脂組成物成形品を、防護具(完成品)とするものである。
上述の請求項1乃至6に関る発明は、防護製品における主要な中間品(薄葉織物、その積層体、プリプレグ)、主要な部品(成形加工された防弾機能部分)及び完成品(防護チョッキ等)を対象としている。
以上に説明した本発明の薄葉織物を用いることにより、弾丸に対する耐貫通性を飛躍的に向上させることができる。したがって、該薄葉織物を用いた積層体、プリプレグ、繊維強化プラスチックは、防弾チョッキ、防刃ベスト、防弾板、ヘルメット、装甲、車体のボディ等の防護具における高性能化、及び軽量化に寄与する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明で使用される高強力有機繊維は引張強度が10cN/dtex以上であればどのような繊維を用いても構わないが、このとき繊維には撚りが入っていないことが好ましい。無撚糸を用いることが理想であり、無撚状態を維持することが理想であるが、繊維を製造する工程で捩れ、交絡などが付与されてしまう場合もある。撚が生じた場合、その撚り頻度は5ヶ/m以下であることが好ましく、2ヶ/m以下が更に好ましい。撚り、捩れ、交絡が多い場合には、織物としたとき目開き率が高くなる為好ましくない。また、高強力有機繊維の引張弾性率は250〜3000cN/dtexの範囲であることが好ましく、300〜2500cN/dtexであることがより好ましい。
上記高強力有機繊維としては、例えば、芳香族ポリアミド、超高分子量ポリエチレン、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、芳香族ポリエステル、液晶ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルホン等が挙げられる。これらは1種単独で使用するほか、2種以上を組合せて使用する。また、例に挙げた高強力有機繊維は、その効果を阻害しない範囲内で、10cN/dtex以下の有機繊維を複合してもよい。その複合割合は複合方法にもよるが、織物全重量中10%程度以下であることが好ましい。
更に、本発明の高強力有機繊維は引張強度が10cN/dtex以上であれば、繊維の製造工程もしくは後工程で表面処理剤などの各種機能剤を含んでもよい。
かような機能剤としては、難燃剤、耐光剤、紫外線吸収剤、平滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、離型剤、可塑剤、着色剤、抗菌剤、顔料、導電剤、シランカップリング剤、無機系コーティング剤などが例示できる。
本発明の薄葉織物は前記高強力有機繊維を用いて製造される。製造方法としては、あらかじめ糸を開繊し、開繊した薄葉糸をその形態を保持した状態のままで製織する方法、あるいは織物を製織した後に開繊する方法、の2手段に大別される。糸幅と糸厚さとの比が100を超え10000以下の糸を安定して得るという観点から、前者の方法が好ましい。勿論後者の方法でも構わないが、得られた薄葉織物の糸幅と糸厚さの比が100を超え10000以下の範囲としたときに、繊維が損傷していないかを充分に確認することが必要である。
あらかじめ糸を開繊し、開繊した薄葉糸(開繊糸)をその形態を保持した状態で製織する場合、開繊糸を得る方法としては、従来公知の方法を使用できる。例えば、ロールに接触させる方法、2対のロール間に通して押圧する方法、超音波等の振動を与える方法、空気流や流体流などを繊維軸と垂直方向に吹き付ける方法、特許第3049225号に記載の吸引気流を用いる方法、特許第3382603号に記載の流体流による吸引と超音波を組み合わせる方法などが適用できるが、いずれを方法を用いる場合でも工程中で繊維が損傷しないことが肝要である。
前記の方法にて得た開繊糸を製織する方法としては、製織工程中に開繊糸の形態を変化させることなく織り上げることができれば、いかなる方法を採用してもよい。例えば、特開2002−88608号に記載の開口機構を備えた織機を用いて製織する方法が例示できる。
本発明の薄葉織物は、目開き率が7%以下である必要があり、好ましくは目開き率5%以下である。目開きとは織物を平面方向から見たときに存在する、隣り合う糸同士で形成される隙間のことであり、目開き率は下記式を用いて求められる。
目開き率=A2/A1×100
(但し、A2は空隙部の面積の和、A1は織物全体の面積を示す。)
目開き率が7%を超える場合、織物の均一性が損なわれる為、この織物を用いて防護具としたときに、極端に繊維の少ない部分が存在し、それにより弾丸に対する耐貫通性が著しく低下するため好ましくない。
更に、本発明の織物は目付けが100g/ 以下であることが肝要である。そして織物として厚さも100μm以下であることが望ましい。例えば繊度1680dtex、単糸本数1000本のパラ型芳香族ポリアミド繊維(単糸径12μm)を使用して開繊糸を製造する場合、100μm以下の織物とするためには厚さ方向の単糸の重なりを4層以下にしなければならない。織物厚さが100μmを超える場合、単糸の重なりが大きくなる分、織物を構成する開繊糸のクリンプが大きくなる為、弾丸が高速で織物に接触する際にその衝撃を伝播する効果が低下し、その結果弾丸に対する耐貫通性が低下することを本発明者らは知見している。
前記の方法で得た薄葉織物は、積層して積層体として使用できる。積層体は、薄葉織物を重ね、重ねた薄葉織物を固定することにより得られる。固定方法としては、従来公知の方法、例えば縫製による方法、接着剤などで貼り合わせる方法などが挙げられる。固定箇所及び固定部分の面積については目的に応じて適宜選択すればよい。
また、本発明では、薄葉織物と熱硬化性樹脂及び/または熱可塑性樹脂とを複合してプリプレグとすることができる。そのプリプレグに使用される熱硬化性樹脂には特に制限はなく、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは共重合体、変性体、あるいは2種以上の樹脂を混合した樹脂であってもよい。
プリプレグに使用される熱可塑性樹脂においても特に制限はなく、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素系樹脂、上記のエラストマー樹脂等が挙げられる。これらは同様に共重合体、変性体、あるいは2種以上の樹脂を混合した樹脂組成物であってもよい。また、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を複合してもよい。あるいは樹脂中に前記した機能剤を包含してもよい。
このときプリプレグの厚さは300μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは250μm以下である。300μmを超える場合には、成形して繊維強化樹脂組成物成形品としたときに全重量中に繊維が占める割合が低くなるため、樹脂部分の機械的特性向上効果が小さくなることから好ましくない。
本発明におけるプリプレグの製造方法は特に制限はなく、従来公知の方法を使用すればよい。例えば、樹脂を含む液中に通してディップ(必要に応じて余分な液を絞る)した後に乾燥する方法、ナイフコーターなどのコーターを用いて液状樹脂を塗布する方法、クリアランスを持たせた2つのローラー間から樹脂をコートする方法、Tダイを用いてラミネートする方法、スプレー、ロール、刷毛等で塗布した後に乾燥する方法、樹脂をフィルム状にしたものを張合せて加熱プレスする方法などが挙げられる。
本発明では前記薄葉織物、またはプリプレグを単独又は積層した後に、所定の条件にて成形を施し、繊維強化樹脂成形品とすることができる。成形方法は従来公知の方法を用いればよく、目的とする形状や、マトリックス樹脂の種類に応じてハンドレイアップ法、コールドプレス法、レジンインジェクション法、BMC法、SMC法、圧縮成形法、焼結法、加熱ロールでのプレスなどから最適な成形方法を適用すればよい。
このような薄葉織物、積層体、プリプレグ、繊維強化樹脂組成物成形品を所定の形状にカット、及び/または縫製等を行うことにより、防弾チョッキ、防刃ベスト、防弾板、ヘルメット、装甲、車体のボディ等の防護具として使用することができる。
このようにして得られた防護具は、繊維を構成するフィラメント1本1本のクリンプが少なく、その結果弾丸に対する耐貫通性に優れ、それゆえに従来よりも軽量な防護具を提供できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例で用いた試験片の作成方法、及びその評価方法は下記の通りである。
(1)繊維の引張強度
JIS L 1013に準拠して測定した。
(2)糸幅と糸厚さとの比
ノギスを用いて測定した糸幅(単位mm)、厚さ測定器を用いて100gf/cmの圧力下で測定した糸厚さ(単位mm)を測定し、下記式を用いて算出した。更に経糸及び緯糸各10本、合計20本の平均を糸幅と糸厚さとの比とした。
糸幅と糸厚さとの比=糸幅/糸厚さ
(3)織物目付
JIS L 1096に準拠して測定した。
(4)織物の目開き率
織物平面を真上から写真撮影し、所定の面積Sf、及びその領域内に存在する、織物を構成する糸と糸との隙間が形成する空隙部の総和Ssを計測し、下記式を用いて算出した。更に写真10枚について目開き率を計算し、その平均を織物の目開き率とした。
目開き率=Ss/Sf×100(%)
(5)繊維強化熱可塑性(または熱硬化性)樹脂(以下、繊維強化ポリマー、FRPと略称する)の重量繊維含有率
一定面積あたりのFRP重量Wp、同面積あたりの織物重量Wwを計測し、下記式を用いて算出した。
FRPの重量繊維含有率=Ww×積層枚数/Wp×100(%)
(6)耐弾性
NIJ STD−0108.01に基づき、レベルIIIAの条件にてFMJ弾を試射した時のV50(m/s)を測定した。
[実施例1]
繊度3360dtex、フィラメント数2000本のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(テイジントワロン(株)製「トワロン1000」)を用いて、特許第3049225号記載の方法に従い、流送する繊維束にまず上方20mmから200℃の熱風を風速10m/sで吹きつけた後、風速50m/sの吸引気流中に通し、更にエポキシ樹脂水溶液中に繊維を通し、付着量が繊維重量に対して0.8wt%となるようにディップ処理を施した後、乾燥を行って、糸幅8mmの開繊糸を得た。
この開繊糸を110本横一列に並べて経糸とし、筬打ちを行うことなく、緯糸を挿入し、切断後に開繊糸の糸幅分だけ経糸を移動させる。この工程を繰り返し行い、目付87g/m、幅88cmの薄葉平織物を得た。
更に、この薄葉平織物を所定の大きさに裁断した後、織物の経方向と緯方向が交互に重なるように37枚重ね、四方をミシン縫いして積層体を得た。
この繊維、織物及び積層体について前記(1)〜(4)及び(6)の項目について評価した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[実施例2]
実施例1において、開繊糸の糸幅を9mm、薄葉織物の目付を61g/m、積層枚数を53枚とした以外は実施例1と同様に行い、開繊糸、薄葉平織物、及び積層体を得た。この繊維、織物及び積層体について前記(1)〜(4)及び(6)の項目について評価した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[比較例1]
繊度3360dtex、フィラメント数2000本のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(テイジントワロン(株)製「トワロン1000」)を用いて、レピア織機にて回転数100rpmにて経緯共に密度17本/インチ、目付460g/mの平織物を得た。
該織物を所定の大きさに裁断した後、織物の経方向と緯方向が交互に重なるように7枚重ね、四方をミシン縫いして積層体を得た。
この繊維、織物及び積層体について前記(1)〜(4)及び(6)の項目について評価した諸特性は、表1に示すとおりであった。
[比較例2]
繊度1680dtex、フィラメント数1000本のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(テイジントワロン(株)製「トワロン1000」)を用いて、レピア織機にて回転数100rpmにて経緯共に密度8本/インチ、目付108g/mの平織物を得た。
該織物を用い、下記に示す扁平化処理を行い、糸幅3.2mmの扁平化織物を得た。
<扁平化処理>
金属ロールと硬質ゴムロールからなる2ヶのプレスロールを配置し、更に2ヶのプレスロール間に、直径20mm、表面粗度5Sの固定セラミックバー3本を逆V字型に配置し、10kg/cmの張力下で織物を走行させることで扁平化処理を行った。
この扁平化織物を所定の大きさに裁断した後、織物の経方向と緯方向が交互に重なるように30枚重ね、四方をミシン縫いして積層体を得た。
この繊維、織物、及び積層体について前記(1)〜(4)及び(6)の項目について評価した諸特性は、表1に示すとおりであった。
Figure 2007063710
[実施例3]
実施例1記載の織物を用い、この織物のそれぞれの片面にエポキシ樹脂とフィルム状のポリアミン樹脂とを張り合わせてプリプレグを造った。製作の要領は、離型紙上に塗布した、目付12g/mのビスフェノールA型エポキシ樹脂と、変性ポリアミンを100/20の重量比で混合したフィルムとを、準備し、織物の両側から張り合わせ、温度70℃、圧力5kg/cmで5分間加圧してプリプレグシートを作成した。
更にこのプリプレグシートを33枚積層した後、温度120℃、圧力5kg/cmで2時間圧縮し、FRP(繊維強化熱硬化性高分子)を得た。
このFRPについて前記(5)、(6)の項目について評価した諸特性は、表2に示すとおりであった。
[比較例3]
比較例1記載の織物を用い、離型紙上に塗布した、目付70g/mのビスフェノールA型エポキシ樹脂と、変性ポリアミンを100/20の重量比で混合したフィルムと、を織物の両側から張り合わせ、温度70℃、圧力5kg/cmで5分間加圧してプリプレグシートを作成した。
更にこのプリプレグシートを6枚積層した後、温度120℃、圧力5kg/cmで2時間圧縮し、FRPを得た。
このFRPについて前記(5)、(6)の項目について評価した諸特性は、表2に示すとおりであった。
Figure 2007063710
実施例3のFRPは、比較例3のサンプルと目付けがほぼ同一であるが、耐弾性に優れていることが判った。
以上に説明した本発明の薄葉織物を用いることにより、弾丸に対する耐貫通性を飛躍的に向上させることができる。したがって、該薄葉織物を用いた積層体、プリプレグ、繊維強化プラスチックは、防弾チョッキ、防刃ベスト、防弾板、ヘルメット、装甲、車体のボディ等の防護具における高性能化、及び軽量化に寄与する。

Claims (6)

  1. 引張強度が10cN/dtex以上の高強力有機繊維を製織した目付けが100g/ 以下、経糸と緯糸との少なくとも一方の糸幅と糸厚さの比が100を超え10000以下、かつ目開き率が7%以下であることを特徴とする薄葉織物。
  2. 高強力有機繊維が、芳香族ポリアミド、超高分子量ポリエチレン、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコール及びポリイミドの群より選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の薄葉織物。
  3. 請求項1記載の薄葉織物を積層することを特徴とする積層体。
  4. 請求項1記載の薄葉織物と熱硬化性樹脂及び/または熱可塑性樹脂とを複合してなるプリプレグ。
  5. 請求項4記載のプリプレグを単独または積層して成形することを特徴とする繊維強化樹脂組成物成形品。
  6. 請求項1または請求項2記載の薄葉織物、請求項4記載のプリプレグ、または請求項5記載の繊維強化樹脂組成物成形品を用いることを特徴とする防護具。
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