JP3593760B2 - 繊維強化プラスチック成形品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維強化プラスチック(以下、FRPという)に関し、とくに、軽量で機械的特性および耐貫通衝撃性に優れ、かつ意匠性を有するFRP成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
釣竿、ゴルフシャフト、ボートなどの船殻、椅子、ヘルメット、トラックなどの車両パネル、コンテナーパネルや刈り払機シャフトなどFRP成形品が最終製品として用いられているケースが多々ある。これらは、意匠性が要求されるので、通常、下記の方法で最終仕上げされているが、種々の欠陥を有する。
【0003】
まず、FRP成形品の最外表面層にゲルコート層を設ける方法がある。これは、均一な色彩となるが、単に表面に光沢があるだけで深みが無く、いかにも着色したという感じは否めなく、高級感が出ない。また、型にゲルコート樹脂を塗布した後、半硬化または硬化するまで1昼夜程度常温に放置することが必要であり、生産効率が極めて悪い。また、本質的に力学的特性に寄与しないゲルコート層を0.3〜0.5mm程度設けるから、軽量なFRP成形品が得られないという欠陥がある。
【0004】
つぎに、椅子やヘルメットなどは、補強繊維材料のマトリックスになる樹脂に、顔料などの着色剤を樹脂に対して5〜15重量%添加して着色させる方法が取られている。
【0005】
この方法は、着色剤を多量に使用するので、樹脂が脆くなり、FRP成形品の耐衝撃性が低下したり、FRP成形品の強度が低下するという問題がある。また、強化繊維がガラス繊維の場合は、均一な色彩となるが、炭素繊維と併用すると、炭素繊維の黒色が隠蔽されず、隠蔽ムラが発生して商品価値が低下するという問題がある。
【0006】
また、FRP層の釣竿やゴルフシャフトは、サンディングによりFRPの表面研削をして、成形の際に使用した離形剤を除去し、表面を平滑にしたのち、透明な塗料で塗装している。透明な塗料を使用しているから、強化繊維が炭素繊維などの場合、炭素繊維の模様が視認され、やや高級感を持たせることはできるが、塗膜が薄いので深い光沢が得られない。また、表面研削の際、成形されたFRP表面の強化繊維も切断されてしまう。また、釣竿やゴルフシャフトは、FRP表面に働く応力が最も大きいので、強化繊維が切断されることによって製品の強度も低下してしまう問題があるし、サンディングや塗装仕上げ加工が必要になり、生産効率も悪い。
【0007】
炭素繊維の色相は、単なる黒色ではなく、烏の黒に似ており、好ましい色とされている。繊維分野でもこの色に限りなく近付けるため、染料や顔料の検討が長年行われているが、まだ実現するにいたっていない。この意匠性に優れる炭素繊維を、FRPのゲルコートや着色剤で見えなくなってしまうことは、まことに残念なことである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような現状に着目し、補強繊維層と炭素繊維層の積層構成、ならびにFRPに使用する樹脂や着色剤の組み合わせにより、機械的特性、耐衝撃性、意匠性に優れ、かつ軽量で安価に製造可能なFRP成形品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成する本発明のFRP成形品は、次の構成からなる。すなわち、 (1)補強繊維材料を、樹脂で強化してなる繊維強化プラスチック成形品において、樹脂は透明性または半透明性を示し、かつ該樹脂のなかに、樹脂重量に対して着色剤が0.1〜1重量%添加されており、補強繊維材料は樹脂含浸状態で透明性または半透明性を示す補強繊維層と、糸幅/糸厚み比が20以上である炭素繊維織物層からなり、少なくとも表面層には繊維強化プラスチックにおいて厚みが0.1〜1.5mmの補強繊維層が位置し、炭素繊維織物層の意匠が成形品の表面層側から視認されることを特徴とする繊維強化プラスチック成形品。
【0012】
)成形品の表面がシボ加工されてなることを特徴とする前記(1)に記載の繊維強化プラスチック成形品。
【0013】
)前記補強繊維層の繊維が、ガラス繊維であることを特徴とする前記(1)ないし()のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
【0014】
)前記樹脂は不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂であることを特徴とする前記(1)ないし()のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
【0015】
)引抜き成形法によって成形されてなることを特徴とする前記(1)ないし()のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
【0016】
)プレス成形法によって成形されてなることを特徴とする前記(1)ないし()のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
【0017】
)真空バッグ成形法によって成形されてなることを特徴とする前記(1)ないし()のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
【0018】
)補強繊維および炭素繊維を含めた繊維体積含有率が、30〜70%であることを特徴とする前記(1)ないし()のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を示す図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施例に係るFRP成形品の断面を示している。
【0021】
図1において、1は本発明のFRP成形品の断面を示しており、2は樹脂含浸状態で透明性または半透明性を示す補強繊維材料としての補強繊維層、3は補強繊維材料としての炭素繊維織物層であり、これらには透明または半透明性を示すように着色された樹脂が含浸されており、補強繊維材料を強化している。
【0022】
本発明に使用する樹脂は、硬化または固化状態で透明性または半透明性を示す樹脂であって、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂であってよい。なかでも、不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂は透明性に優れるので、FRPにして炭素繊維の、烏の黒に近い色相をあますことなく発現させることができるので好ましい。
【0023】
本発明に使用する着色剤は染料または顔料であってもよい。染料は鮮明で透明性に優れているが、熱、光および硬化剤の種類によって不安定であり、たとえば、屋外で使用されるFRP成形品には紫外線劣化があってはならず、耐候性に優れる顔料を選択するとよい。また、顔料は有機顔料と無機顔料が用いられるが、有機顔料は一般に耐候性に劣るので無機顔料が好ましく用いられる。
【0024】
白の色調には、顔料として酸化チタンが、黄の色調には顔料としてベンジンイエロー、カドミウムイエロー、チタニュウムイエロー、黄鉛10G、5G、G、ハンザイエロー、およびニッケルアゾイエローが、橙の色調には、顔料としてモリブデートオレンジ、黄鉛R、ベンジンオレンジ、カドミウムオレンジおよびカドミウムスル・ホセレナイドオレンジが、赤の色調には、顔料としてカドミウムレッド、弁柄、ウォッチングレッド、カーミンFB,ボルドー、マルーンおよびキナグリドングレッド、紫の色調には、顔料としてコバルトバイオレッドおよびキナグリドンレッド、緑の色調には、顔料としてフタロシアニングリーン、クロムグリーンおよびクロムオキシドグリーン、青の色調には、顔料として群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、ウルトラマリーンおよびアイアンブルー、黒の色調には、顔料としてカーボンブラックおよび鉄黒、銀の色調には、顔料としてアルミ粉、金の色調には、顔料としてブロンズ粉などが用いられる。なかでも、炭素繊維の色相に近い、青、黒の色調の顔料を用いるとFRP成形品の高級感が強調されるので好ましい。
【0025】
これらは、貯蔵性、樹脂への相溶性、顔料の分散性などの点からモノマー、低粘度不飽和アルキド、不飽和ポリエステルなどの展色料と組み合わせてもよい。また、上記顔料と、硫酸バリュウム、三酸化アンチモンなどの体質顔料を併用することがあってよい。また、硫化亜鉛、硫化亜鉛カドミウムなどの無機蛍光顔料また有機蛍光染料や天然あるいは炭酸鉛が主成分の合成パールエッセンスなども使用することができる。
【0026】
樹脂への着色剤の添加量は、樹脂含浸状態で補強繊維層を通して、炭素繊維織物層が視認できる量で十分であり、着色剤の色調、樹脂の種類およびFRP成形品における補強繊維層の厚さによっても若干異なるが、樹脂重量に対して0.1〜1重量%である。また、色調の異なる顔料や染料を適宜混合してもよい。
【0027】
着色剤の添加量が3重量%より多くなると、FRPの炭素繊維織物層の上部に位置する補強繊維層を通して、炭素繊維織物層の意匠が見えにくくなることがあったり、樹脂の中に異物が存在することになるので、異物によって樹脂に応力集中が発生し、樹脂の引張破壊伸度が低下することがある。このような、破壊伸度の小さな樹脂でFRPを成形された成形品に応力が働くと、まず異物付近の樹脂から成形品の破壊が始まり、成形品の強度が低下するし、成形品に衝撃力が作用すると、樹脂による衝撃の吸収が少なくなり、成形品の耐衝撃性が低下することになる。
また、着色剤として顔料を使用すると、単繊維直径が5〜10ミクロンと小さな炭素繊維の集合から構成されている炭素繊維織物層がフイルター層となり、FRP成形品に着色ムラが発生するし、炭素繊維織物層への樹脂の含浸が阻害され、表面層にボイドが発生してFRP成形品の高級感が損なわれるおそれがある。
【0028】
着色剤の添加量が1重量%以下であると、樹脂は色がついているが、樹脂の透明度が大きくなり、補強繊維層を通して、炭素繊維織物層の意匠が鮮明に見え、より高級感を発揮させることができる。
【0029】
本発明に用いる補強繊維は、樹脂含浸状態で透明性または半透明性を示す繊維であり、樹脂と光の屈折率が同程度の繊維が好ましい。そのような繊維としては、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維などがあるが、最も透明性に優れ、成形後のバリ取りや穴開け加工が容易で、また強度および弾性率に優れるということでガラス繊維が好ましい。
【0030】
補強繊維層の形態は、マット状物、織物、組紐や、フィラメンドワインドで巻かれたようなストランド状態であってもよい。なお、補強繊維層が樹脂の硬化収縮によりストランドの交錯している箇所が局部的に凸状となるので、FRP成形品の表面を平滑にするため、マット状物、織物および組紐は、ストランドの太さは細いものが好ましく、200〜500デニール程度が好ましい。
【0031】
なお、マット状物は、切断された単繊維を繊維配向がランダムになるように分散し、バインダーやニードルパンチングなどで一体化したものであってもよいが、ストランドを1/2〜2インチ程度に切断しながらバインダーとともに、繊維配向がランダムになるよう吹き付け、成形品の形にあらかじめ予備賦形したプリフォームや、平面に吹き付けてシート状にしたチョップド・ストランド・マットであってもよいし、連続しているストランドをループ状に配列し、バインダーで形態固定したコンティニュアス・ストランド・マットであってもよい。
【0032】
本発明に用いる炭素繊維は、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維に特に限定しないが、色相が烏の黒に似ているという点からPAN系炭素繊維のほうが意匠性に優れる。
【0033】
炭素繊維織物層の形態は、平織や綾織組織の炭素繊維織物であり、たて糸とよこ糸の交錯によって形成される織目模様による意匠効果が高い。
【0034】
FRP成形品の表面を平滑にするために、特に炭素繊維が交錯する織物場合、糸の交錯による凹凸を小さくする点から、炭素繊維の糸の太さは、600デニール〜4000デニール程度が好ましい。また、4000デニール以上の場合は、炭素繊維の糸が扁平状態、すなわち、撚がなくて、糸幅/糸厚み=20以上となっている織物使用すると糸の交錯による凹凸を防ぐことができる。
【0035】
本発明のFRP成形品における補強繊維層の厚さは0.1mm〜1.5mmが深みのある光沢が得られ、かつ軽量な成形品を得ることができる。0.1mmより小さいと、透明または半透明を示す補強繊維からなるFRP層による光沢の深みが浅くなってしまうことがある。補強繊維層は、深みのある光沢を得るための役割のみならず、同時にFRPの補強も役割とするが、炭素繊維以外の補強繊維は、炭素繊維に比べて引張強度や引張弾性率といった機械的特性に劣るので、補強繊維層の厚さが1.5mmを越えると、補強繊維層のFRP重量が大きくなり、重い成形品となる。
【0036】
なお、本発明における補強繊維層の厚さとは、FRP成形品の断面を顕微鏡で観察し、成形品の表面から炭素繊維織物層までの厚さを指し、炭素繊維織物層が織物のように凸凹している状態の場合は、成形品の表面から炭素繊維織物層の成形品表面側表面の凸部と凸部の頂点を結ぶ線までの距離を指す。
【0037】
本発明のFRP製品の表面は、意匠の点から光沢のある鏡面状態であるが、しぼ加工し、光沢のない状態であってもよい。しぼ加工されていると、たとえ、擦過や引掻きによる傷がついても、FRP製品の表面に当たる光は乱反射するので、傷が見えにくくなり、長期間の使用しても意匠性が損なわれることはない。
【0038】
しぼは、たとえば、金型表面に梨地調の凹凸模様をつけておき、成形によりこの模様をFRPに転写することによって得られる。
【0039】
本発明のFRP製品は、意匠性に優れることを特徴とするものであるから、FRPの表面にボイドが多数発生していると、高級感が損なわれてしまう。表面層のボイドを無くするため、本発明のFRP製品の成形品には、薄い透明性または半透明性のゲルコート層が存在してよいが、できれば、ゲルコート層を設けないほうが、FRP製品の軽量化や成形コストが安くできる点で好ましい。
【0040】
ゲルコート層を設けなくとも、表面のボイドを少なくする方法として、補強繊維材料の繊維体積含有率を30%〜70%の高めになるように成形するとよい。このように成形すると、樹脂および補強繊維材料が加圧され、繊維材料への樹脂含浸にともなうボイドや、樹脂中に入っているボイドが脱泡され、表面のボイドを少なくすることができる。
【0041】
このような、成形品は引抜き成形法によって成形することができる。たとえば、補強繊維材料として、補強繊維層を形成する繊維としてガラス繊維からなるストランド、炭素繊維織物層を形成する炭素繊維からなるストランドを用い、少なくともガラス繊維ストランドの1層が最外層で、次の層は炭素繊維ストランド層となるように、適宜糸配列する。これらストランドの集合体に、着色剤が適宜添加された加熱硬化型のシロップ状のビニルエステル樹脂を含浸させ、所定の形状をなした加熱されたダイに通し、ダイのなかで樹脂含浸を促進させると同時に樹脂を硬化させる。これらを引抜くことによって連続的に本発明の成形品を成形することができる。この方法で成形される成形品は、塗装など仕上げ加工をしなくとも、着色され、かつ炭素繊維ストランドが配列した意匠を補強繊維層を通して視認することができ、高級感に富む成形品が得られる。
【0042】
また、本発明のFRP成形品はプレス成形法によって成形することもできる。たとえば、補強繊維材料として、補強繊維層を形成する繊維としてガラス繊維からなるコンティニュアス・ストランド・マットと炭素繊維織物層を形成する炭素繊維織物を、少なくともマットが成形品の最外層に、次の層が炭素繊維織物となるように適宜積層する。これを予め成形品の形に予備賦形してプリフォームを作製し、これを加熱された雌型にセットし、プリフォームの上に着色剤が適宜添加された、加熱硬化型のシロップ状樹脂を流し込み、加熱された雄型で型締めし、加圧する。この状態で樹脂が硬化する所定の時間放置し、脱型することによって本発明のFRP成形品が得られる。
【0043】
また、本発明のFRP成形品は真空バッグ成形法によって成形することもできる。たとえば、補強繊維材料として、補強繊維層を形成するガラス繊維織物と炭素繊維織物層を形成する炭素繊維織物を、少なくともマットが成形品の最外層に、次の層が炭素繊維織物となるように適宜積層する。これに、着色剤が適宜添加された、常温硬化型のシロップ状樹脂を全体に樹脂が行き渡るように塗布し、これを空気漏れがないようにバッグフイルムで覆い、バッグフイルム内を真空ポンプで吸引しながら脱泡し、常温に放置して樹脂を硬化させることによって本発明のFRP成形品が得られる。
【0044】
FRP成形品が薄くて、炭素繊維織物層の糸の隙間が透視されて、商品価値を低下させるようなときには、人間の視線が届きにくい、FRP成形品裏面表面に、たとえば塗料などで半透明性または不透明性の着色層を適宜付与することもできる。
【0045】
【実施例】
実施例1〜4
補強繊維材料として、補強繊維層にはEガラス繊維の225デニールのストランドからなる、目付が225g/m2 のコンティニュアス・ストランド・マット、炭素繊維織物層には東レ(株)製PAN系炭素繊維“トレカ”,12,000フイラメント糸をたてとよこの2方向に使用した目付が300g/mの平組織の2方向性扁平炭素繊維織物(炭素繊維織糸の撚数=零、たて糸の糸幅/厚み=32、よこ糸の糸幅/厚み=33)を用いた。これら補強繊維材料を、ガラス繊維と炭素繊維の線膨脹係数の違いによる硬化板の反りを防ぐため、ストランド・マット、炭素繊維織物、ストランド・マット、炭素繊維織物、ストランド・マットの順に、5層を鏡面対象になるように積層した。一方、樹脂として加熱硬化型のビニルエステル樹脂を準備し、これに着色剤として青の色調の顔料を樹脂に対して0%(実施例1)、0.2重量%(実施例2)、1.0重量%(実施例3)、黄の色調の顔料を1.0重量%(実施例4)添加し、これら樹脂、添加量による各々の樹脂を補強繊維材料に含浸した後、80℃に加熱されたプレスで樹脂を硬化させ、各々の本発明の成形品としての硬化板を成形した。得られた硬化板の補強繊維および炭素繊維を含めた繊維体積含有率は37%であった。表面は鏡面のごとくつるつるしており、ボイドはなかった。
【0046】
硬化板の意匠性観察を行うと同時に、断面顕微鏡観察により補強繊維層の厚さを測定した。また、得られた硬化板で、ダイナタップ法によって、各々の硬化板の貫通衝撃によるエネルギー吸収量を測定した。ダイナタップ法による衝撃試験は、100×150mmの硬化板の4隅を支持し、中央に34kgの重りを300mmの高さから落下させ、硬化板の衝撃吸収エネルギーを測定した。これら各々の観察結果、測定結果を表1に示した。
【0047】
【表1】
Figure 0003593760
表1に示したように、本発明のFRP成形品としての硬化板は、補強繊維層であるマットFRP層は透明、また、やや透明性が失われるが、炭素繊維織物をマットFRP層を通して視認でき、深みのある光沢となり、意匠性に富むFRP成形品となった。
【0048】
また、着色のため着色剤として顔料を使用したが、着色剤の使用による衝撃吸収エネルギーの低下はほとんど認められなかった。
【0049】
【発明の効果】
本発明のFRP成形品は、着色され、かつ、厚みのある、透明または半透明の補強繊維層を通して意匠性に優れる炭素繊維織物層が観察される。したがって、真珠の如く深みのある光沢となり、なんともいいがたい意匠をかもしだす。
【0050】
また、本発明のFRP成形品は、塗装の必要がなく、ゲルコート層がなくとも高級感を出せるので、極めて安価に製造することができる。
【0051】
さらにまた、着色材の添加量が少なく、表面研削よる補強繊維の切断もないので、機械的特性や、耐衝撃性に優れるFRP成形品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るFRP成形品の断面を示す。
【符号の説明】
1:FRP成形品
2:補強繊維層
3:炭素繊維織物

Claims (8)

  1. 補強繊維材料を、樹脂で強化してなる繊維強化プラスチック成形品において、樹脂は透明性または半透明性を示し、かつ該樹脂のなかに、樹脂重量に対して着色剤が0.1〜1重量%添加されており、補強繊維材料は樹脂含浸状態で透明性または半透明性を示す補強繊維層と、糸幅/糸厚み比が20以上である炭素繊維織物層からなり、少なくとも表面層には繊維強化プラスチックにおいて厚みが0.1〜1.5mmの補強繊維層が位置し、炭素繊維織物層の意匠が成形品の表面層側から視認されることを特徴とする繊維強化プラスチック成形品。
  2. 成形品の表面がシボ加工されてなることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形品。
  3. 前記補強繊維層の繊維が、ガラス繊維であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
  4. 前記樹脂は不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
  5. 引抜き成形法によって成形されてなることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
  6. プレス成形法によって成形されてなることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
  7. 真空バッグ成形法によって成形されてなることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
  8. 補強繊維および炭素繊維を含めた繊維体積含有率が、30〜70%であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
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