JP5430176B2 - コンテナ用frp製パネル、およびそれを用いた航空機用コンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、コンテナ用繊維強化プラスチック(以下、FRP)製パネル、およびそれを用いた航空機用コンテナに関する。
近年、省エネルギーや環境負荷軽減に対する要求が益々高まっており、たとえば輸送機器においては、部材の軽量化が不可避となっている。とくに、輸送機器の中でも軽量化の効果が高い航空機においては、軽量かつ高強度なFRPが様々な部位に使用されており、貨物や乗客の荷物等を運ぶための航空機用コンテナについても、FRPの使用が提案されている。
例えば、特許文献1、2ではFRP製のパネルが考案されており、強化繊維としてガラス繊維や芳香族ポリアミド繊維、炭素繊維を用いることが提案されている。しかしながら、ガラス繊維はリサイクルが困難であり、環境負荷を軽減できないという問題点がある。また、芳香族ポリアミドは密度が低く軽量化には適するものの、破断伸度が高く、かつ弾性率も高いため、コンテナの搬入や搬送の際にフォークリフトのフォークが誤って突き刺さると、パネルを貫通せずに、パネルを支持しているフレームが曲がってしまう。フレームが曲がると、補修コストが高くなったり、フレームを廃棄したりしなければならないという問題が生じる。
炭素繊維は、破断伸度、弾性率の観点からFRP製パネルに適しているが、所定の強度や剛性を達成するための厚みとするために、たとえば織物の形態の炭素繊維布帛を少なくとも2枚は積層する必要があり、炭素繊維の使用量が増えるために重量が増えてしまうとともに、コストも高くなってしまうという問題がある。
特許文献3では、繊維クロスの片面又は両面に樹脂層(フィルム層)を設けた可撓性、さらには可視性を有するプラスチックシートが提案されているが、可撓性を有するパネルは剛性が低すぎて、たとえば飛行中に上下左右方向への加速度が発生した場合に、荷物がパネルを介して機体内壁にぶつかってしまう危険がある。さらに、パネルが可視性を有することは、空港等で航空機用コンテナが直射日光を浴びた際に日光を透過し内容物が腐敗しやすくなるので、防疫上好ましくない。
特開平7−257683号公報 特開平9−328190号公報 特開2007−186228号公報
本発明は、このような問題に対処し、軽量かつフォークリフトのフォークが突き刺さった場合の補修費用を削減できるのみならず、リサイクル性にも優れたコンテナ用FRP製パネルおよびそれを用いた航空機用コンテナを提供することをその課題とする。
上記課題を達成するための本発明は、下記(1)〜(11)のいずれかの構成を特徴とするものである。
(1)ベース層と、該ベース層の少なくとも片面にスキン層を有するFRP製パネルであって、前記FRPは、ガラス繊維の含有量が0.5質量%以下であり、前記ベース層は、炭素繊維からなる炭素繊維布帛を含んでおり、前記スキン層は、破断伸度が前記炭素繊維の5倍以上15倍以下で、かつ、引張弾性率が前記炭素繊維の20分の1以下である合成繊維からなる合成繊維布帛を含むことを特徴とするコンテナ用FRP製パネル。
(2)前記ベース層の両面に前記スキン層を有する、前記(1)に記載のコンテナ用FRP製パネル。
(3)前記合成繊維が、脂肪族ポリアミド繊維またはポリエステル繊維である、前記(1)または(2)に記載のコンテナ用FRP製パネル。
(4)前記合成繊維が、仮撚糸、タスラン加工糸、紡績糸の少なくとも1種を含んでいる、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のコンテナ用FRP製パネル。
(5)前記スキン層の最外層が不織布を含む層である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のコンテナ用FRP製パネル。
(6)前記スキン層の最内層が不織布を含む層である、前記(1)〜(5)のいずれかに記載のコンテナ用FRP製パネル。
(7)前記スキン層がメッシュと不織布を重ねた形態の布帛を含む、前記(6)に記載のコンテナ用FRP製パネル。
(8)前記メッシュと不織布を重ねた形態の布帛が、不織布が前記ベース層と当接するように配置されている、前記(7)に記載のコンテナ用FRP製パネル。
(9)前記炭素繊維布帛が扁平糸織物である、前記(1)〜(8)のいずれかに記載のコンテナ用FRP製パネル。
(10)前記合成繊維布帛の糸束の幅が、前記炭素繊維布帛の糸束の幅よりも小さい、請求項1〜9のいずれかに記載のコンテナ用FRP製パネル。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載のコンテナ用FRP製パネルを用いた航空機用コンテナ。
本発明のコンテナ用FRP製パネルおよびそれを用いた航空機用コンテナによれば、主としてFRP製パネルのベース層に炭素繊維を用いているため炭素繊維使用量が少ないにも関わらず、フォークリフトのフォークが突き刺さった時の貫通強度が高いことから、軽量低コストであり、かつパネルの補修回数を削減することが可能となる。
また、本発明のコンテナ用FRP製パネルを用いた航空機用コンテナは、フレームに永久変形が発生する前にパネルが破断するために、フレームの補修回数も大幅に削減することが可能であり、メンテナンス性に優れた航空機用コンテナを得ることができる。
さらに、本発明のコンテナ用FRP製パネルおよびそれを用いた航空機用コンテナは、実質的にガラス繊維を有していないため、リサイクル性にも優れている。
本発明の一実施形態を示す航空機用コンテナの概略図である。 本発明の一実施形態を示すFRP製パネルの概略断面図である。 本発明におけるFRP製パネルの断面形状の一例である。 本発明におけるFRP製パネルの断面形状の一例である。
以下、本発明の最良の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、航空機用コンテナ1(以下、コンテナと略記)の概略図であり、図2は、本発明のFRP製パネル2の概略断面図である。
コンテナ1は、FRP製パネル2からなる側板3、天井4、床板5およびアルミニウム合金製フレーム6を有している。コンテナ1は、フォークリフト運搬時に、フォークで持ち上げやすいようにフォーク挿入口を備えたパレット7を有していてもよい。フレーム6は、アルミニウム合金の代替として、軽量化の観点からFRP製とすることが別態様として好ましい。天井4は、コンテナ1を段積みした時に、上に積まれたコンテナ1の下面と擦れ合い、擦り傷が発生しやすいので、アルミニウム合金などの金属製とすることが好ましい。同様に、床板5は、コンテナ1をフォークリフトで運搬する時にフォークが接触するため、アルミニウム合金などの金属製とすることが好ましい。
FRP製パネル2の断面形状としては、図3や図4に示す形状が例示できる。すなわち、図3は、平面形状であり、図4は、凹凸形状である。FRP製パネル2の剛性が不足している場合、図4に例示するように凹凸に形成すると剛性が向上する。
FRP製パネル2は、ベース層8と、該ベース層8の少なくとも片面にスキン層9を有している。なお、図2は、ベース層8の両面にスキン層9を有している態様を示している。該ベース層8の両面にスキン層9を有していると、FRP製パネル2の反りが低減するので好ましい。FRP製パネル2は、実質的にガラス繊維を有しておらず、前記ベース層8は、炭素繊維からなる炭素繊維布帛を含んでおり、前記スキン層9は、破断伸度が前記炭素繊維の5倍以上15倍以下で、かつ、引張弾性率が前記炭素繊維の20分の1以下である合成繊維からなる合成繊維布帛を含んでいる。
本発明におけるFRP製パネル2は、炭素繊維や合成繊維などの強化繊維と、マトリクス樹脂とを含むものであり、実質的にガラス繊維を有していないものである。FRP製パネル2が実質的にガラス繊維を有していないとは、ガラス繊維の含有量が、廃棄する際の環境負荷が実質的にないと考えられる0.5質量%以下であることをいう。
本発明に用いられる炭素繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の少なくとも1種を用いることができるが、FRP製パネル2の補修頻度を低減するために、破断伸度がより高いPAN系炭素繊維を用いることが好ましい。PAN系炭素繊維は、高強度の炭化糸と高弾性の黒鉛化糸に分けることができるが、高強度な炭化糸を用いることがより好ましい。なお、かかる炭素繊維は、主としてFRP製パネル2のベース層8に用いる。炭素繊維は、繊維直交方向からの負荷(せん断力)に対する強度が低いため、ベース層8の片面もしくは両面にスキン層9を有することで、たとえばFRP製パネル2にフォークが突き刺さった瞬間、スキン層9がクッション材のような役割を果たしせん断力が緩和される。なお、本発明のFRP製パネル2を用いたコンテナ1においては、コンテナ1の外側からはフォークの突き刺しが、内側からは積載物の衝突があるためベース層8の両面にスキン層9を有することが好ましい。こうすることで、炭素繊維使用量が少ないにも関わらず、フォークリフトのフォークが突き刺さった時の貫通強度が高いFRP製パネル2が得られ、軽量、低コストでありながら、パネルの補修回数を削減することが可能になる。このような観点から、FRP製パネル2のベース層8に用いられる繊維(マトリクス樹脂中に繊維が含まれている場合は、その繊維も含む)の90質量%以上は炭素繊維であることが望ましく、95質量%以上が炭素繊維であることがさらに望ましい。
本発明のFRP製パネル2のベース層8は、上記炭素繊維からなる炭素繊維布帛を有してなるが、かかる炭素繊維布帛としては、平織や綾織、繻子織等の織物や組物、マット等を用いることができる。好適な破断伸度を実現させる観点から、クリンプが小さく炭素繊維の体積含有量が高い扁平糸を用いた織物が好ましい。扁平糸とは、一般的に炭素繊維の糸束の幅/糸束の厚みの比が20以上のものをいう。
本発明のFRP製パネル2のスキン層8に用いられる合成繊維としては、脂肪族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維等を例示できるが、マトリクス樹脂との接着性の観点から、脂肪族ポリアミド繊維が好ましい。また、コンテナ1が屋外で使用される際などに、水濡れしたり乾燥したりすることによって合成繊維が膨潤と乾燥を繰り返し、合成繊維とマトリクス樹脂との界面に剥離を生じると、該隙間を通して例えば降雨時に雨漏りするため、かかる観点から、低吸水性のポリエステル繊維を用いることも好ましい。
かかる合成繊維の破断伸度が上記炭素繊維の5倍未満の場合、例えば、フォークリフトのフォークが突き刺さった瞬間に生じる初期歪みに耐えることができず、容易に破断してしまう。また、合成繊維の破断伸度が炭素繊維の15倍よりも大きいと、スキン層9がFRP製パネル2の強度を保持してしまい、フォークがFRP製パネル2を貫通しないため、FRP製パネル2を支持しているフレーム6が歪んでしまう。さらに、かかる合成繊維の引張弾性率が上記炭素繊維の20分の1よりも大きいと、FRP製パネル2の曲げ剛性が向上し、変形しにくくなるため、FRP製パネル2を支持しているフレーム6が歪んでしまう。このような観点から、FRP製パネル2のスキン層に用いられる繊維(マトリクス樹脂中に繊維が含まれている場合は、その繊維も含む)の90質量%以上は上記合成繊維であることが望ましく、95質量%以上が上記合成繊維であることがさらに望ましい。
合成繊維の糸束は、成形時にマトリクス樹脂を含浸させやすいように撚りが少ないことが好ましく、1mあたり500回転以下の撚りであることが好ましい。500回転を超えると、単糸間にマトリクス樹脂が含浸しにくくなり、合成繊維布帛とマトリクス樹脂との接着性が低下してしまう。また、マトリクス樹脂とのアンカー効果を得ることができるように、仮撚糸、タスラン加工糸、紡績糸の少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
本発明のFRP製パネル2のスキン層9は、上記合成繊維からなる合成繊維布帛を含んでなるが、かかる合成繊維布帛としては、平織や綾織、繻子織等の織物や組物、メッシュ、不織布等を例示できる。
降雨時の雨漏り等の際、コンテナ1内への水の浸入を防止するために、FRP製パネル2の表面においてマトリクス樹脂が部分的に抜け落ちることなく確実に保持されるように、スキン層9の最外層が不織布を含む層であることが好ましい。
また、ベース層8とスキン層9との層間剥離強度を向上させる観点から、スキン層9の最内層が不織布を含む層であること、すなわちベース層8とスキン層9との間に不織布を含んでいることが好ましい。
メッシュと不織布を重ねた形態の布帛は、成形時に取り扱いやすく、かつ、マトリクス樹脂を含浸させやすいため好ましい。さらに、不織布がベース層8と当接することが、ベース層8とスキン層9との層間強度を向上させるため好ましい。
一般に合成繊維は製造の際に油剤等が付与されており、マトリクス樹脂との接着性を低下させるので、油剤等を除去するための晒し加工が施された合成繊維布帛を用いることが好ましい。雨漏りの原因となるピンホールの発生を抑制する観点から、合成繊維布帛の糸束の幅が、炭素繊維布帛の糸束間の隙間量よりも小さいことが好ましい。
マトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリオフィレン樹脂等の熱可塑性樹脂が例示できる。航空機用コンテナは航空機に積載されるため、難燃性の高いマトリクス樹脂、例えば、フェノール樹脂や、難燃性のエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂であることが好ましい。また、マトリクス樹脂は、必要に応じてこれらのうち2種以上用いても良く、また、本発明の目的を損なわない限り、マトリクス樹脂中に、界面活性剤、内部離型剤、色素、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、強化繊維を含めても良い。
耐候性や意匠性を向上させるために、FRP製パネル2の表面に塗料層やゲルコート層が形成されていてもよい。塗料としては、フェノール樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、シリコン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、フッ素樹脂塗料などが例示できる。ゲルコートとしては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂などが例示できる。
スキン層9がベース層8の両面にあるとき、それぞれのスキン層9aおよび9bの構成(合成繊維の種類、布帛構造、マトリクス樹脂の種類、層厚みなど)は異なっていてもよい。
本発明のFRP製パネル2は、炭素繊維布帛や合成繊維布帛のプリプレグを積層してオートクレーブ成形する方法や、プレス成形する方法のほか、炭素繊維布帛や合成繊維布帛のプリフォーム等を用いてレジントランスファーモールディング法や、ハンドレイアップ法で成形する方法など、通常のFRPの成形方法を用いて製作することができる。
以下、本発明の具体的実施形態を、実施例を用いて説明する。但し、本発明が、実施例に記載の態様に限定されるものではない。なお、各物性の評価は、以下の通りに行った。
[破断伸度および引張弾性率]
炭素繊維の破断伸度および引張弾性率は、JIS R7608−1995に記載の方法による引張試験に従い求めた。合成繊維の破断伸度および引張弾性率は、JIS L1013−1995に記載の方法による引張試験に従い求めた。
[糸束の幅、厚み]
(株)キーエンス製デジタルマイクロスコープ(VHX−100)で布帛の断面を観察し、糸束の幅および厚みを測定して求めた。なお、倍率は50倍で観察した。
(実施例1)
FRP製パネルのベース層の炭素繊維布帛として、炭素繊維「東レ(株)製“トレカ”T700S」の扁平糸(糸束の幅=5.0mm、糸束の厚み=0.1mm、糸束の幅/糸束の厚みの比=50)からなる平織物を用い、スキン層の合成繊維布帛として、脂肪族ポリアミド繊維「東レ(株)製“東レナイロン”A010」(糸束の幅=0.2mm)からなる平織物を用いた。タテ糸は生糸、ヨコ糸はタスラン加工糸とした。各繊維の破断伸度および引張弾性率を表1に示す。本実施例において、スキン層の脂肪族ポリアミド繊維の破断伸度は炭素繊維の約9倍、引張弾性率は炭素繊維の約47分の1(0.021倍)であった。
マトリクス樹脂としては、ビニルエステル樹脂「昭和高分子(株)製“リポキシ”R−802」を用いた。
FRP製パネルは、ハンドレイアップ法で製作した。すなわち、脂肪族ポリアミド繊維平織物、炭素繊維平織物、脂肪族ポリアミド繊維平織物の順に積層し、マトリクス樹脂を含浸、硬化させて製作した。
得られたFRP製パネルを所定の形状に切断し、比較例と同様のフレームに取り付けてコンテナを製作した。FRP製パネルにピンホールの発生はなく、雨漏りもなかった。
本FRP製パネルを用いたコンテナの重量は95kgとなり、比較例に示した従来のアルミニウム合金製パネルを用いたコンテナに比べて、25kg軽量化することができた。
さらに、フォークリフトのフォークが突き刺さったときの貫通強度は150kgとなり、比較例に比べて2.5倍の強度となった。このとき、フレームの変形は発生しなかった。したがって、補修回数を大幅に削減することが可能なコンテナを得ることができた。
(実施例2)
実施例1において、スキン層の合成繊維布帛として、ポリエステル繊維「東レ(株)製東レ“テトロン”C201」(糸束の幅=0.8mm)からなる平織物を用いた。タテ糸およびヨコ糸は仮撚糸とした。繊維の破断伸度および引張弾性率を表1に示す。さらに、スキン層の最外層の合成繊維布帛として、ポリプロピレン繊維不織布「MKVプラテック(株)製“パオパオ”」を用いた。本実施例において、スキン層のポリエステル繊維の破断伸度は炭素繊維の約9.5倍、引張弾性率は炭素繊維の約21分の1(0.047倍)であった。
マトリクス樹脂としては、ビニルエステル樹脂「昭和高分子(株)製“リポキシ”R−802」を用いた。
FRP製パネルは、レジトランスファーモールディング法で製作した。すなわち、ポリプロピレン繊維不織布、ポリエステル繊維平織物、炭素繊維平織物、ポリエステル繊維平織物、ポリプロピレン繊維不織布の順に積層し、マトリクス樹脂を含浸、硬化させて製作した。
得られたFRP製パネルを所定の形状に切断し、比較例と同様のフレームに取り付けてコンテナを製作した。FRP製パネルにピンホールの発生はなく、雨漏りもなかった。ポリエステル繊維を使用したため実施例1に比べて吸水による膨潤乾燥を抑制でき、優れた耐候性を有するFRP製パネルを得た。
本FRP製パネルを用いたコンテナの重量は100kgとなり、比較例に示した従来のアルミニウム合金製パネルを用いたコンテナに比べて、20kg軽量化することができた。
さらに、フォークリフトのフォークが突き刺さったときの貫通強度は140kgとなり、比較例に比べて2.3倍の強度となった。このとき、フレームの変形は発生しなかった。したがって、補修回数を大幅に削減することが可能なコンテナを得ることができた。
(比較例)
従来の航空機用コンテナと同様に、アルミニウム合金A5052−T6製パネルおよびフレームを用いて、LD−3F型の航空機用コンテナを製作した。重量は120kgであった。
フォークリフトのフォークが突き刺さったときの貫通強度は次のようにして求めた。すなわち、コンテナ内に重りを順次積載していき、フォークリフトを2km/hで走行させて、フォークをコンテナの側板に突き刺し、貫通したときの重りの総量を貫通強度とした。従来のアルミニウム合金製パネルを用いたコンテナの貫通強度は60kgであった。
(参考例)
ベース層およびスキン層の布帛として、芳香族ポリアミド繊維「帝人テクノプロダクツ(株)製“テクノーラ”T−240」(破断伸度および引張弾性率を表1に示す。)からなる平織物を用いたFRP製パネルを、比較例および実施例と同様のフレームに取り付けた場合、コンテナの重量は100kgと推定され、比較例に比べて20kg軽量化することができるものの、フォークリフトのフォークが突き刺さるとフレームが曲がってしまい、補修コストが高くなったり、フレームを廃棄したりしなければならなくなる。
Figure 0005430176
本発明のコンテナ用FRP製パネルは、航空機用コンテナに限らず、鉄道、トラック、又は船舶で輸送するコンテナなどにも応用することができ、また、その応用範囲がこれらに限られることはない。
1 航空機用コンテナ
2 FRP製パネル
3 側板
4 天井
5 床板
6 フレーム
7 パレット
8 ベース層
9 スキン層

Claims (11)

  1. ベース層と、該ベース層の少なくとも片面にスキン層を有するFRP製パネルであって、前記FRPは、ガラス繊維の含有量が0.5質量%以下であり、前記ベース層は、炭素繊維からなる炭素繊維布帛を含んでおり、前記スキン層は、破断伸度が前記炭素繊維の5倍以上15倍以下で、かつ、引張弾性率が前記炭素繊維の20分の1以下である合成繊維からなる合成繊維布帛を含むことを特徴とするコンテナ用FRP製パネル。
  2. 前記ベース層の両面に前記スキン層を有する、請求項1に記載のコンテナ用FRP製パネル。
  3. 前記合成繊維が、脂肪族ポリアミド繊維またはポリエステル繊維である、請求項1または2に記載のコンテナ用FRP製パネル。
  4. 前記合成繊維が、仮撚糸、タスラン加工糸、紡績糸の少なくとも1種を含んでいる、請求項1〜3のいずれかに記載のコンテナ用FRP製パネル。
  5. 前記スキン層の最外層が不織布を含む層である、請求項1〜4のいずれかに記載のコンテナ用FRP製パネル。
  6. 前記スキン層の最内層が不織布を含む層である、請求項1〜5のいずれかに記載のコンテナ用FRP製パネル。
  7. 前記スキン層がメッシュと不織布を重ねた形態の布帛を含む、請求項6に記載のコンテナ用FRP製パネル。
  8. 前記メッシュと不織布を重ねた形態の布帛が、不織布が前記ベース層と当接するように配置されている、請求項7に記載のコンテナ用FRP製パネル。
  9. 前記炭素繊維布帛が扁平糸織物である、請求項1〜8のいずれかに記載のコンテナ用FRP製パネル。
  10. 前記合成繊維布帛の糸束の幅が、前記炭素繊維布帛の糸束の幅よりも小さい、請求項1〜9のいずれかに記載のコンテナ用FRP製パネル。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のコンテナ用FRP製パネルを用いた航空機用コンテナ。
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