JPH10235780A - テープキャリヤーパッケージ用基板 - Google Patents

テープキャリヤーパッケージ用基板

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Publication number
JPH10235780A
JPH10235780A JP4418397A JP4418397A JPH10235780A JP H10235780 A JPH10235780 A JP H10235780A JP 4418397 A JP4418397 A JP 4418397A JP 4418397 A JP4418397 A JP 4418397A JP H10235780 A JPH10235780 A JP H10235780A
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JP
Japan
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substrate
tcp
resin composition
metal layer
tape carrier
Prior art date
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Pending
Application number
JP4418397A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiro Ishida
武弘 石田
Hideto Misawa
英人 三澤
Tomoyuki Fujiki
智之 藤木
Koichi Ito
幸一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP4418397A priority Critical patent/JPH10235780A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法安定性が優れると共に、屈曲性が優れた
テープキャリヤーパッケージを製造することが可能なテ
ープキャリヤーパッケージ用基板を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂組成物を有機基材に含浸し
て硬化させた絶縁層1が、一方の面に露出すると共に、
その絶縁層1と接着した金属層2が、他方の面に露出す
る基板である。また、熱硬化性樹脂組成物を有機基材に
含浸して硬化させた絶縁層1と接着した第一の金属層2
が、一方の面に露出すると共に、その絶縁層1と接着し
た第二の金属層が、他方の面に露出する基板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子を実装
するテープキャリヤーパッケージ(Tape carrierpackag
e)の製造に用いられる基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置をプリント配線板に実装する
方法として、リードピンを用いて実装する方法や、テー
プキャリヤーパッケージ(以下、TCPと記す)を用い
たTAB(Tape automated bonding)実装による方法が
行われている。このTCPを用いる方法は、リードピン
を用いて実装する方法と比較して、ピン間隔を狭くしや
すいことや外形を薄くしやすいこと、及び屈曲性を有す
るため折り曲げて使用される部分の接続に使用すること
が可能であるという特徴があり増加する傾向にある。
【0003】従来このTAB実装に用いられるTCP
は、ポリイミド樹脂やポリエステル樹脂等の樹脂単独の
シートに金属箔を張り付けた基板、またはポリイミド樹
脂やエポキシ樹脂等の樹脂をガラスクロスに含浸してプ
リプレグを製造し、そのプリプレグの少なくとも一方の
最外層に金属箔を重ねた後、加熱・加圧して硬化させた
基板を用いて、表面の金属箔をエッチングすることによ
り導体回路を形成したり、半導体素子を実装するパッド
を形成したり、打ち抜き加工等により実装用リードを形
成して製造されている。
【0004】しかし、基材を用いない樹脂単独のシート
に金属箔を貼り付けた基板を用いてTCPを製造した場
合、導体回路を形成するときの寸法変化が大きく、得ら
れるTCPの寸法安定性が低いという問題があり、ま
た、プリプレグを用いて製造した基板を用いてTCPを
製造した場合、折り曲げ動作を繰り返して屈曲性の評価
を行うと、絶縁層にクラックが発生し、そのクラックが
発生した部分に形成された導体回路の電気的信頼性が低
下する場合があるという問題があった。そのため、寸法
安定性が優れると共に、屈曲性が優れたTCPを製造す
ることが可能な基板が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、寸法安定性が優れると共に、屈曲性が優れたTC
Pを製造することが可能なTCP用基板を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
TCP(テープキャリヤーパッケージ)用基板は、熱硬
化性樹脂組成物を有機基材に含浸して硬化させた絶縁層
が、一方の面に露出すると共に、その絶縁層と接着した
金属層が、他方の面に露出することを特徴とする。
【0007】本発明の請求項2に係るTCP用基板は、
熱硬化性樹脂組成物を有機基材に含浸して硬化させた絶
縁層と接着した第一の金属層が、一方の面に露出すると
共に、その絶縁層と接着した第二の金属層が、他方の面
に露出することを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3に係るTCP用基板は、
請求項1又は請求項2記載のTCP用基板において、T
CP用基板表面の金属層を除去した厚みが、0.05〜
0.3mmであることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項4に係るTCP用基板は、
請求項1から請求項3のいずれかに記載のTCP用基板
において、有機基材が、アラミド繊維製の織布、アラミ
ド繊維製の不織布、液晶ポリエステル繊維製の織布及び
液晶ポリエステル繊維製の不織布から選ばれた少なくと
も1種であることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項5に係るTCP用基板は、
請求項1から請求項4のいずれかに記載のTCP用基板
において、有機基材が、有機系の繊維の交差部を、エポ
キシ系樹脂及び/又はアクリル系樹脂で接着した有機基
材であることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項6に係るTCP用基板は、
請求項1から請求項5のいずれかに記載のTCP用基板
において、有機基材が、プラズマ処理又はコロナ処理さ
れた有機基材であることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項7に係るTCP用基板は、
請求項1から請求項6のいずれかに記載のTCP用基板
において、有機基材が、厚み20〜200μm、重量3
0〜200g/平方mの有機基材であることを特徴とす
る。
【0013】本発明に係るTCP用基板は、有機基材を
用いているため、基材を用いない樹脂単独のシートに金
属箔を貼り付けた基板を用いてTCPを製造した場合と
比較して、導体回路を形成するときのエッチング処理
や、その後の加熱処理等に対して抵抗力が強く、寸法変
化が小さくなって寸法安定性が優れたTCPが得られる
と考えられる。また、このとき用いている基材が有機系
の基材のため、曲げる力に対しての追従性が高くなり、
屈曲性が優れたTCPが得られると考えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係るTCP用基板を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の請求項1に係るT
CP用基板の一実施の形態を説明する図であり、図2は
本発明の請求項2に係るTCP用基板の一実施の形態を
説明する図である。
【0015】本発明の請求項1に係るTCP用基板は、
図1に示すように、熱硬化性樹脂組成物を有機基材に含
浸して硬化させた絶縁層1が、一方の面に露出すると共
に、その絶縁層1と接着した金属層2が、他方の面に露
出する基板である。絶縁層1が、熱硬化性樹脂組成物を
有機基材に含浸して硬化させた絶縁層1であることが重
要であり、このような基板を用いた場合、寸法安定性が
優れると共に、屈曲性が優れたTCPを製造することが
可能となる。
【0016】また、本発明の請求項2に係るTCP用基
板は、図2に示すように、熱硬化性樹脂組成物を有機基
材に含浸して硬化させた絶縁層1と接着した第一の金属
層2aが、一方の面に露出すると共に、その絶縁層1と
接着した第二の金属層2bが、他方の面に露出する基板
である。絶縁層1が、熱硬化性樹脂組成物を有機基材に
含浸して硬化させた絶縁層1であることが重要であり、
このような基板を用いた場合、寸法安定性が優れると共
に、屈曲性が優れたTCPを製造することが可能とな
る。
【0017】本発明に用いられる基材は有機系の基材で
あり、例えば、アラミド繊維等のポリアミド繊維や、液
晶ポリエステル繊維等のポリエステル繊維や、ポリアク
リル繊維、ポリイミド繊維等の有機質繊維を用いた織
布、不織布が挙げられる。なお基材が、アラミド繊維製
の織布、アラミド繊維製の不織布、液晶ポリエステル繊
維製の織布及び液晶ポリエステル繊維製の不織布から選
ばれた少なくとも1種であると、これらの繊維は高い弾
性率や強度を有するため、特に寸法安定性が優れたTC
Pが得られ好ましい。
【0018】なお、アラミド繊維としては、ポリパラフ
ェニレンテレフタルアミドや、コポリパラフェニレン
3,4’−オキシドフェニレンテレフタルアミド等の繊
維が挙げられる。また、液晶ポリエステル繊維として
は、p−オキシベンゾイルと6−オキシ−2−ナフトイ
ルの共重合体等の全芳香族ポリエステルの繊維が挙げら
れる。なお、全芳香族ポリエステル繊維を用いた場合、
この繊維は吸水率が小さい繊維のため、吸湿耐熱性が優
れたTCPが得られ好ましい。
【0019】なお、織布は、繊維を織成して布状に形成
したものであり、不織布は、繊維を適当な長さに切断し
た後、必要に応じてバインダーとともに抄造し、必要に
応じて温度及び圧力をかけて紙状に形成したものであ
る。
【0020】このバインダーとしては、エポキシ系樹脂
やアクリル系樹脂等が挙げられる。エポキシ系樹脂及び
/又はアクリル系樹脂のバインダーで繊維を接着した有
機基材の場合、熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸すると
き、基材から繊維がほどけ難く、熱硬化性樹脂組成物の
含浸量が安定すると共に、これらのバインダーは含浸す
る熱硬化性樹脂組成物の特性を低下させ難いため、得ら
れるTCPの耐熱性等が優れ好ましい。このバインダー
を用いる量としては、繊維の重量100重量部に対し、
3〜20重量部程度が好ましい。
【0021】なお、繊維としては、複数のフィラメント
を必要に応じてバインダーを用いて収束したヤーンより
なる繊維でもよく、1本のフィラメントよりなる繊維で
もよい。なお、繊維の太さとしては、0.5〜2000
デニールのものが用いられる。
【0022】また、基材の厚み及び重量が、20〜20
0μm及び30〜200g/平方mの範囲の基材である
と、屈曲性が優れたTCPが得られると共に、熱硬化性
樹脂組成物の含浸性及びその含浸するときの作業性が優
れ好ましい。
【0023】そしてこの有機基材に、熱硬化性樹脂組成
物を含浸して硬化させて絶縁層1を形成する。本発明に
用いる熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、エポキシ
樹脂系、フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和
ポリエステル樹脂系、ポリフェニレンエーテル樹脂系等
の単独、変性物、混合物のように、熱硬化性樹脂組成物
全般が挙げられる。なお、上記バインダーとして用いた
熱硬化性樹脂とは異なった樹脂でも良い。
【0024】この熱硬化性樹脂組成物には、熱硬化性樹
脂を必須として含有し、必要に応じてその熱硬化性樹脂
の硬化剤、硬化促進剤、無機充填材等を含有することが
できる。なおエポキシ樹脂等のように自己硬化性の低い
熱硬化性樹脂は、その樹脂を硬化するための硬化剤等も
含有することが必要である。なお、熱硬化性樹脂組成物
が、エポキシ樹脂系の場合、電気特性及び接着性のバラ
ンスが良好であり好ましい。また、ポリイミド樹脂系の
場合、誘電率が低く好ましい。
【0025】エポキシ樹脂系の樹脂組成物に含有するエ
ポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、
ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、クレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタ
ン型エポキシ樹脂、及びこれらのエポキシ樹脂構造体中
の水素原子の一部をハロゲン化することにより難燃化し
たエポキシ樹脂等が挙げられる。また、このエポキシ樹
脂系の樹脂組成物に含有する硬化剤としては、例えばジ
シアンジアミド、脂肪族ポリアミド等のアミド系硬化剤
や、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等
のアミン系硬化剤や、フェノールノボラック樹脂、クレ
ゾールノボラック樹脂、p−キシレン−ノボラック樹脂
等のフェノール系硬化剤や、酸無水物類等が挙げられ
る。
【0026】有機基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸する
方法としては特に限定するものではなく、例えば、熱硬
化性樹脂組成物を溶剤で粘度調整したワニスに、基材を
浸漬して含浸したり、熱硬化性樹脂組成物を基材の一方
の面に塗布した後、加熱して粘度を低下させて含浸す
る。なお、含浸した後、加熱することにより熱硬化性樹
脂組成物を半硬化させて、一般にプリプレグと呼ばれる
シートを形成した後、TCP用基板を製造するようにす
ると、作業性が良いため現実的である。
【0027】なお、熱硬化性樹脂組成物の粘度調整に用
いることができる溶剤としてはN,N−ジメチルホルム
アミド等のアミド類、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール
類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙げ
られる。
【0028】なお、有機基材を予めプラズマ処理又はコ
ロナ処理して表面を粗化した後、熱硬化性樹脂組成物を
含浸すると、得られるTCPの接着性や吸湿耐熱性が優
れ好ましい。
【0029】有機基材に含浸する熱硬化性樹脂組成物の
量は、熱硬化性樹脂組成物の固形分及び基材の合計重量
100重量部に対し、熱硬化性樹脂組成物の固形分が4
0〜70重量部となるように含浸すると好ましい。40
重量部未満の場合は、基材に含浸する熱硬化性樹脂組成
物の量の面内ばらつきが生じて、得られるTCPの耐熱
性が低下したり電気特性にばらつきが生じる場合があ
り、70重量部を超える場合は、得られるTCPの板厚
のばらつきが大きくなり、電気特性にばらつきが生じる
場合がある。
【0030】そして熱硬化性樹脂組成物を含浸した有機
基材、あるいはそれを加熱して得られたプリプレグを1
枚または複数枚重ねた後、その重ねたものの一方、又は
両方の外側に金属箔等の金属シートを重ね、次いで加熱
・加圧して熱硬化性樹脂組成物を硬化させて、図1又は
図2に示すような、その一方の面に金属層2が接着した
絶縁層1、又はその一方の面に第一の金属層2aが接着
すると共に、他方の面に第二の金属層2bが接着した絶
縁層1を形成する。
【0031】なお、得られるTCP用基板表面の、金属
層(第一の金属層及び第二の金属層を含む)2,2a,
2bを除去した厚みが、0.05〜0.3mmとなるよ
うに、熱硬化性樹脂組成物を含浸した有機基材、又はそ
れを加熱して得られたプリプレグを重ねると、得られる
TCPの寸法安定性と屈曲性のバランスが優れ好まし
い。0.05mm未満の場合、寸法安定性が低下する場
合があり、0.3mmを越える場合、屈曲性が低下する
場合がある。
【0032】金属層(第一の金属層及び第二の金属層を
含む)2,2a,2bとしては、銅、アルミニウム、真
鍮、ニッケル等の単独、合金、複合の金属箔や、これら
の金属箔の表面に金属メッキ皮膜を形成したもの等を用
いることができる。なお銅箔を用いると、電気信頼性が
高く好ましい。この厚みとしては、0.012〜0.0
70mmのものが一般的である。なお、第一の金属層2
aと第二の金属層2bの厚み及び材質は、同じでも良
く、異なっていても良い。
【0033】加熱・加圧する条件としては、熱硬化性樹
脂組成物が硬化する条件で適宜調整して加熱・加圧すれ
ばよいが、加圧の圧力があまり低いと得られるTCP用
基板の内部に気泡が残留する場合があり、また、加圧の
圧力があまり高いと得られるTCP用基板の内部に歪み
が発生して、寸法安定性が低下する場合があるため、成
形性を満足する範囲内の低圧で加圧すると好ましい。
【0034】得られたTCP用基板を用いてTCPを製
造する方法としては、特に限定するものではなく、表面
の金属層2,2a,2bをエッチングすることにより半
導体素子を実装するパッドや導体回路を形成したり、そ
の壁面に金属皮膜を有する貫通する穴を形成したり、打
ち抜き加工等により実装用リードを形成して製造する。
なお、本発明に係るTCP用基板は、絶縁層1が、有機
基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸した後、硬化させて形
成されているため、炭酸ガスレーザー等によるレーザー
加工性も優れており、レーザー加工により穴開けや切断
を行って、TCPを製造することもできる。
【0035】
【実施例】
(実施例1)熱硬化性樹脂組成物として、下記の熱硬化
性樹脂2種類、硬化剤、硬化促進剤及び溶剤2種類を含
有するエポキシ樹脂系樹脂組成物を用いた。 ・熱硬化性樹脂1:エポキシ当量が220であるクレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂[東都化成株式会社製、
商品名YDCN−220]を固形分として10重量部 ・熱硬化性樹脂2:エポキシ当量が500であるテトラ
ブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂[東都化成株式
会社製、商品名YDB−500]を固形分として3重量
部 ・硬化剤:ジシアンジアミド[試薬]を0.5重量部 ・硬化促進剤:ベンジルジメチルアミン[試薬]を0.
2重量部 ・溶剤1:メチルエチルケトンを50重量部 ・溶剤2:N,N−ジメチルホルムアミドを6重量部。
【0036】基材として、1.5デニールのフィラメン
トを収束した750デニールのアラミド繊維[デュポン
社製、商品名ケブラーK−49]を織機を用いて織成し
た、重量70g/平方mの織布を用いた。この基材に、
溶剤乾燥後の熱硬化性樹脂組成物の量が、熱硬化性樹脂
組成物及び基材の合計100重量部に対し、55重量部
となるように調整して熱硬化性樹脂組成物を含浸した
後、170℃で10分加熱してプリプレグを作製した。
【0037】次いで、得られたプリプレグ1枚の両側
に、厚み35μmの銅箔を重ねた後、金属プレートで挟
み、温度170℃、圧力3.0MPaで120分加熱・
加圧して熱硬化性樹脂組成物を硬化させて、エポキシ樹
脂系熱硬化性樹脂組成物を有機基材に含浸して硬化させ
た絶縁層と接着した第一の金属層が、一方の面に露出す
ると共に、その絶縁層と接着した第二の金属層が、他方
の面に露出するTCP用基板を得た。
【0038】得られたTCP用基板の、表面の金属層を
除去した厚みを、表面の銅箔をエッチングで除去した
後、マイクロメーターで測定したところ、0.15mm
であった。
【0039】(実施例2)基材として、1.5デニール
のアラミド繊維[デュポン社製、商品名ケブラーK−4
9]を約6mmの長さに切断したものを、水溶性エポキ
シ樹脂をバインダーとして用いて製紙法で抄造して製造
した、重量70g/平方mの不織布を用いたこと以外は
実施例1と同様にしてTCP用基板を得た。なお、バイ
ンダーは、アラミド繊維100重量部に対して10重量
部用いた。得られたTCP用基板の、表面の金属層を除
去した厚みを、実施例1と同様にして測定したところ、
0.15mmであった。
【0040】(実施例3)製造した不織布に、コロナ処
理を施して表面を粗化した後、熱硬化性樹脂組成物を含
浸したこと以外は実施例2と同様にしてTCP用基板を
得た。得られたTCP用基板の、表面の金属層を除去し
た厚みを、実施例1と同様にして測定したところ、0.
15mmであった。なおコロナ処理の条件は、コロナ放
電装置[春日電機社製]を用いて、出力1kW/m、速
度3m/分の条件で行った。
【0041】(実施例4)基材として、太さ1500デ
ニールの液晶ポリエステル繊維[株式会社クラレ製、商
品名ベクトラン]を約5mmの長さに切断したものを、
水溶性アクリル樹脂をバインダーとして用いて製紙法で
抄造して製造した、重量70g/平方mの不織布を用い
たこと以外は実施例1と同様にしてTCP用基板を得
た。なお、バインダーは、液晶ポリエステル繊維100
重量部に対して5重量部用いた。得られたTCP用基板
の、表面の金属層を除去した厚みを、実施例1と同様に
して測定したところ、0.15mmであった。
【0042】(実施例5)プリプレグの一方の面に銅箔
を重ね、他方の面に離型紙を重ねた後、加熱・加圧し、
次いでその離型紙を剥離して、エポキシ樹脂系熱硬化性
樹脂組成物を有機基材に含浸して硬化させた絶縁層が一
方の面に露出すると共に、その絶縁層と接着した金属層
が他方の面に露出するTCP用基板を製造したこと以外
は実施例1と同様にしてTCP用基板を得た。得られた
TCP用基板の、表面の金属層を除去した厚みを、実施
例1と同様にして測定したところ、0.15mmであっ
た。
【0043】(実施例6)熱硬化性樹脂組成物として、
ポリイミド樹脂[日本チバガイギー株式会社製、商品名
ケルイミド601]100重量部を、溶剤(N−メチル
ピロリドン)50重量部に溶解したポリイミド樹脂系樹
脂組成物を用いた。また、基材として、太さ1500デ
ニールの液晶ポリエステル繊維[株式会社クラレ製、商
品名ベクトラン]を織機を用いて織成することにより製
造した、重量60g/平方mの織布を用いた。
【0044】このポリイミド樹脂系樹脂組成物を用いた
こと、及びこの液晶ポリエステル繊維製の織布を用いた
こと以外は実施例1と同様にしてプリプレグを得た。次
いで、得られたプリプレグ1枚の両側に、厚み35μm
の銅箔を重ねた後、金属プレートで挟み、温度200
℃、圧力3.0MPaで180分加熱・加圧して熱硬化
性樹脂組成物を硬化させて、ポリイミド樹脂系熱硬化性
樹脂組成物を有機基材に含浸して硬化させた絶縁層の両
面に接着した金属層が、その両面に露出するTCP用基
板を得た。得られたTCP用基板の、表面の金属層を除
去した厚みを、実施例1と同様にして測定したところ、
0.15mmであった。
【0045】(比較例1)基材を用いないポリイミド樹
脂のシートの両面に厚み35μmの銅箔を貼り付けた基
板[新日鉄化学株式会社製、商品名エスパネックス]を
TCP用基板として用いた。このTCP用基板の、表面
の金属層を除去した厚みを、実施例1と同様にして測定
したところ、0.17mmであった。
【0046】(比較例2)基材として、202デニール
のガラス繊維を用いた、厚み0.1mmの織布[日東紡
績株式会社製、商品名WEA−116E]を用いて、溶
剤乾燥後の熱硬化性樹脂組成物の量が、熱硬化性樹脂組
成物及び基材の合計100重量部に対し、50重量部と
なるように調整してプリプレグを作製したこと以外は実
施例1と同様にして、無機基材を用いたTCP用基板を
得た。得られたTCP用基板の、表面の金属層を除去し
た厚みを、実施例1と同様にして測定したところ、0.
15mmであった。
【0047】(評価、結果)各実施例及び比較例2で得
られたTCP用基板と比較例1で用いたTCP用基板に
ついて、屈曲性、寸法変化率、はんだ耐熱性及びレーザ
ー加工性を測定した。屈曲性の測定は、表面の金属層を
エッチングして幅1mmの導体回路を形成した後、50
mm幅に切断し、屈曲性試験機[太祐機材社製]を用い
て、半径1.5mmの折り曲げをJIS規格K5400
に準拠して最大50回繰り返し、10回折り曲げを繰り
返す毎に、折り曲げた部分の絶縁層又は導体回路にクラ
ックが発生しているかを目視で観察し、クラックが発生
するまでの回数を数えた。
【0048】寸法変化率は、JIS規格C6481に準
拠して、エッチング後の寸法変化率と、170℃で30
分処理した加熱処理後の寸法変化率を求めた。なおこの
測定は、各4枚行いその平均値を寸法変化率の値とし
た。
【0049】はんだ耐熱性は、JIS規格C6481に
準拠して煮沸水中で1時間処理した試験片を、はんだに
120秒浸漬した後、目視により評価し、内部に剥離が
発生していない場合を○とし、内部に剥離が発生してい
る場合を×とした。
【0050】レーザー加工性は、表面の金属層をエッチ
ングして除去した後、レーザー加工機[住友重機社製、
GS500H]を用いて、炭酸ガスレーザーにて直径
0.1mmの穴開け加工を行った。そしてその穴を目視
で観察し、穴の形状がほぼ円形の場合○とし、変形して
いる場合を×とした。なお、レーザーの照射条件は、パ
ルスエネルギー1.4mJ/平方mmで3回照射した。
【0051】結果は表1に示した通り、各実施例で得ら
れたTCP用基板は比較例1で用いたTCP用基板と比
べて寸法変化率が小さく寸法安定性が良好であり、ま
た、無機基材を用いた比較例2で得られたTCP用基板
と比べて屈曲性及びレーザー加工性が良好であることが
確認された。すなわち、各実施例で得られたTCP用基
板は、寸法安定性及び屈曲性が共に良好であるが、各比
較例はどちらかの特性が劣ることが確認された。
【0052】また、コロナ処理した基材を用いた実施例
3は、実施例2と比べて吸湿後のはんだ耐熱性が良好で
あることが確認された。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明に係るTCP用基板は、有機基材
を用いているため、寸法安定性が優れると共に、屈曲性
が優れたTCPを製造することが可能となる。
【0055】本発明の請求項6に係るTCP用基板は、
上記の効果に加え、吸湿後のはんだ耐熱性が優れたTC
Pを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係るTCP用基板の一実施
の形態を説明する図である。
【図2】本発明の請求項2に係るTCP用基板の一実施
の形態を説明する図である。
【符号の説明】
1 絶縁層 2,2a,2b 金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 幸一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂組成物を有機基材に含浸し
    て硬化させた絶縁層が、一方の面に露出すると共に、そ
    の絶縁層と接着した金属層が、他方の面に露出すること
    を特徴とするテープキャリヤーパッケージ用基板。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂組成物を有機基材に含浸し
    て硬化させた絶縁層と接着した第一の金属層が、一方の
    面に露出すると共に、その絶縁層と接着した第二の金属
    層が、他方の面に露出することを特徴とするテープキャ
    リヤーパッケージ用基板。
  3. 【請求項3】 テープキャリヤーパッケージ用基板表面
    の金属層を除去した厚みが、0.05〜0.3mmであ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のテープ
    キャリヤーパッケージ用基板。
  4. 【請求項4】 有機基材が、アラミド繊維製の織布、ア
    ラミド繊維製の不織布、液晶ポリエステル繊維製の織布
    及び液晶ポリエステル繊維製の不織布から選ばれた少な
    くとも1種であることを特徴とする請求項1から請求項
    3のいずれかに記載のテープキャリヤーパッケージ用基
    板。
  5. 【請求項5】 有機基材が、有機系の繊維の交差部を、
    エポキシ系樹脂及び/又はアクリル系樹脂で接着した有
    機基材であることを特徴とする請求項1から請求項4の
    いずれかに記載のテープキャリヤーパッケージ用基板。
  6. 【請求項6】 有機基材が、プラズマ処理又はコロナ処
    理された有機基材であることを特徴とする請求項1から
    請求項5のいずれかに記載のテープキャリヤーパッケー
    ジ用基板。
  7. 【請求項7】 有機基材が、厚み20〜200μm、重
    量30〜200g/平方mの有機基材であることを特徴
    とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のテープ
    キャリヤーパッケージ用基板。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014111361A (ja) * 2012-11-12 2014-06-19 Panasonic Corp 金属張積層板、プリント配線板、多層プリント配線板

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