JP3390306B2 - プリント配線板用キャリアフィルム付プリプレグ - Google Patents

プリント配線板用キャリアフィルム付プリプレグ

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JP3390306B2
JP3390306B2 JP23599496A JP23599496A JP3390306B2 JP 3390306 B2 JP3390306 B2 JP 3390306B2 JP 23599496 A JP23599496 A JP 23599496A JP 23599496 A JP23599496 A JP 23599496A JP 3390306 B2 JP3390306 B2 JP 3390306B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板に
有用なキャリアフィルム付プリプレグとその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型軽量化への傾向は
強まり、それに伴って、プリント配線板の薄型化、高密
度化、微細配線形成のための表面平滑化、及び低コスト
化への要求は、年々高まってきている。
【0003】従来、プリント配線板用の絶縁材料や層間
接着材料としては、ガラスクロスやケブラークロス等の
織布基材、あるいはガラスペーパー、アラミドペーパー
等の不織布基材に、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、あ
るいはフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸したプリ
プレグを用いていた。このようなプリプレグを用いて、
上述したプリント配線板の薄型化を行なう方法が、種々
検討されている。例えば、一般的に利用されているプリ
プレグは、公称の厚さが100〜200μmのものが多
いが、ガラスクロスに用いるガラス糸で構成したストラ
ンド間の間隔を大きくし、樹脂分を増加して、さらに細
いガラス糸で構成した細いストランドを用い、加熱加圧
したときの厚さが30μmとなるようなプリプレグが開
発されている。ところが、このプリプレグは、ガラス糸
の体積分率が低いため、剛性が低くなり、回路形成の工
程中での寸法安定性が低下するという課題があり、ま
た、ガラス糸ストランドが、部分的に偏在しやすく、ガ
ラス糸のある箇所とない箇所で凹凸が発生し、厚さが薄
いために、内層回路板上の凹凸を埋めきれずに、積層し
た後の表面にも凹凸を発生し易いという課題がある。さ
らには、薄いガラスクロス自体の剛性が低いので、樹脂
を含浸するときに破断しやすく、材料の価格が高い。
【0004】そこで、このようなプリプレグに代えて、
強化繊維を含まない絶縁樹脂をプリプレグとして用いる
ことが提案されている。例えば、USP4,543,2
95号公報には、熱可塑性のポリイミド接着フィルムが
開示され、特開平4−120135号公報には、平均分
子量が70,000以上の高分子量エポキシ樹脂フィル
ムが開示され、特開平6−200216号公報には、フ
ィルム形成能に富むポリイミド樹脂にシリコンユニット
を導入したプリプレグが開示され、特開平4−2939
3号公報、特開平4−36366号公報、及び特開平4
−41581号公報には、樹脂に、アクリロニトリルブ
タジエンゴム/フェノール樹脂、フェノール樹脂/ブチ
ラール樹脂、アクリロニトリルブタジエンゴム/エポキ
シ樹脂を用いることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の技術に
おいては、次のような課題がある。すなわち、USP
4,543,295号公報に開示された、熱可塑性のポ
リイミド接着フィルムは、プリント配線板では一般的に
行なわれている加熱温度約170℃に比較して、接着温
度が250℃と高く、絶縁材料も耐熱性の高いポリイミ
ド等に限られてしまう。特開平4−120135号公報
や、特開平6−200216号公報に開示された樹脂
は、希釈できる溶媒が限られ、しかも高沸点の溶媒でな
ければならず、フィルム状にするためには、塗工後の乾
燥による溶媒除去の効率が低く、溶媒が残留した場合に
は、プリント配線板の特性を損なうことがある。また、
特開平4−29393号公報、特開平4−36366号
公報、及び特開平4−41581号公報に開示された樹
脂を用いた絶縁材料は、耐薬品性、耐熱性に乏しく、プ
リント配線板としたときに、耐熱性や電気絶縁性に乏し
い。
【0006】さらに、これらの絶縁材料は、強化繊維を
有していないので、従来のプリプレグと比較すると、剛
性が低くプリント配線板を製造する工程における寸法安
定性が低く、また熱膨張係数が、プリント配線板とした
ときに導体回路や搭載する電子部品に比べて極めて大き
く、加熱冷却の熱膨張収縮によるはんだ接続部の破断が
起こり易い。したがって、現在のところ、上記の強化繊
維を有しない絶縁材料は、多層配線板の層間絶縁層のみ
に用いることができるだけである。しかも、剛性が低い
ことと熱膨張率が大きいことを考慮して使用しなければ
ならず、製造コストを低減することが困難であった。
【0007】本発明は、プリント配線板の薄型化に優
れ、かつ従来のプリプレグの他の特性を損なうことのな
い絶縁材料とその製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のキャリアフィル
ム付プリプレグは、キャリアフィルムと、その上に形成
されたプリプレグ層とからなり、該プリプレグ層が、単
独ではフィルム形成能のない樹脂中に、電気絶縁性のウ
ィスカーが分散されたものであり、かつ該樹脂が半硬化
状態であることを特徴とする。すなわち、本発明者ら
は、鋭意検討の結果、上述の従来の技術のように、フィ
ルム形成能を有するような特殊な樹脂を用いずに、汎用
の絶縁樹脂にウィスカーを混入することによって、フィ
ルム形成能を持たせることができるという知見を得て本
発明をなしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
(ウィスカー)本発明に用いるウィスカーは、電気絶縁
性セラミック系ウィスカーであり、弾性率が200GP
a以上であることが好ましく、200GPa未満では、
配線板材料あるいは配線板として用いたときに十分な剛
性が得られない。このようなものとして、例えば、硼酸
アルミニウム、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、
塩基性硫酸マグネシウム、窒化けい素、及びα−アルミ
ナの中から選ばれた1以上のものを用いることができ
る。なかでも、硼酸アルミニウムウィスカーと、チタン
酸カリウムウィスカーは、モース硬度が、一般的なプリ
プレグ基材に用いるEガラスとほぼ同等であり、従来の
プリプレグと同様のドリル加工性を得ることができ、好
ましい。さらに、硼酸アルミニウムウィスカーは、弾性
率がほぼ400GPaと高く、樹脂ワニスと混合し易
く、好ましい。このウィスカーの平均直径は、0.3μ
m〜3μmであることが好ましく、さらには、0.5μ
m〜1μmの範囲がさらに好ましい。このウィスカーの
平均直径が、0.3μm以下であると、樹脂ワニスへの
混合が困難となり、3μmを越えると、微視的な樹脂へ
の分散が十分でなく、表面の凹凸が大きくなり好ましく
ない。また、この平均直径と平均長さの比は、10倍以
上であることが、さらに剛性を高めることができ、好ま
しい、さらに好ましくは、20倍以上である。この比が
10倍未満であると、繊維としての補強効果が小さくな
る。この平均長さの上限は、100μmであり、さらに
好ましくは50μmである。この上限を越えると、樹脂
ワニス中への分散が困難となる他、2つの導体回路に1
つのウィスカーが接触する確率が高くなり、ウィスカー
の繊維に沿って銅イオンのマイグレーションが発生する
確率が高くなる。
【0010】(樹脂)本発明で使用する樹脂は、単独で
フィルム形成能を有しない樹脂である。ここで、本発明
でいうフィルム形成能とは、ワニスをキャリアフィルム
に塗工するときに、所定の厚さに制御することが容易
で、加熱乾燥して半硬化状にした後の搬送、切断、ある
いは積層工程において、樹脂割れや欠落を生じ難く、そ
の後の加熱加圧成形時に層間絶縁層の最小厚さを確保で
きることをいう。また、フィルム形成能を有しない樹脂
は、分子量が30,000を越えない程度の低分子量で
あることが多い。具体的には、従来からガラスクロス基
材に含浸する熱硬化性樹脂が好ましく、例えば、エポキ
シ樹脂、ビストリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、珪素樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、シアン酸エステル樹脂、イソシアネート樹脂、
またはこれらの変性樹脂等を使用することができる。こ
の中で、積層板の特性を向上する上で、特にエポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂、またはビストリアジン樹脂は好適
である。さらには、エポキシ樹脂としては、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラッ
ク型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒドノボラック型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキ
シ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイ
ン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、
脂肪族環状エポキシ樹脂、ならびにこれらのハロゲン化
物、水素添加物、から選択された1以上のものを使用す
ることができる。なかでも、ビスフェノールAノボラッ
ク型エポキシ樹脂と、サリチルアルデヒドノボラック型
エポキシ樹脂は、耐熱性に優れ好ましい。
【0011】(硬化剤)このような樹脂の硬化剤として
は、従来使用しているものが使用でき、樹脂がエポキシ
樹脂の場合、例えば、ジシアンジアミド、ビスフェノー
ルA,ビスフェノールF、ポリビニルフェノール、ノボ
ラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ならび
にこれらのフェノール樹脂のハロゲン化物等を使用でき
る。なかでも、ビスフェノールAノボラック樹脂は、耐
熱性に優れ好ましい。この硬化剤の前記樹脂に対する割
合は、従来使用している割合でよく、樹脂100重量部
に対して、2〜100重量部の範囲が好ましく、さらに
は、ジシアンジアミドでは、2〜5重量部、それ以外の
硬化剤では、30〜80重量部の範囲が好ましい。
【0013】(硬化促進剤)硬化促進剤としては、樹脂
がエポキシ樹脂の場合、イミダゾール化合物、有機リン
化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等を用い
ることができる。この硬化促進剤の前記樹脂に対する割
合は、従来使用している割合でよく、樹脂100重量部
に対して、0.01〜20重量部の範囲が好ましく、
0.1〜1.0重量部の範囲がより好ましい。
【0014】(希釈剤)これらは、溶剤に希釈して用
い、この溶剤には、アセトン、メチルエチルケトン、ト
ルエン、キシレン、メチルイソブチレン、酢酸エチル、
エチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、
エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等を使用できる。この希釈剤の前
記樹脂に対する割合は、従来使用している割合でよく、
樹脂100重量部に対して、1〜200重量部の範囲が
好ましく、30〜100重量部の範囲がさらに好まし
い。
【0014】(樹脂とウィスカーの割合)樹脂とウィス
カーの割合は、硬化した樹脂中のウィスカーの体積分率
が20%〜50%の範囲となるように調整することが好
ましい。硬化した樹脂中のウィスカーの体積分率が20
%未満であると、キャリア付プリプレグが切断時に樹脂
が細かく砕けて飛散するなど、取扱が著しく困難であ
り、配線板としたときに剛性が低くなる。一方ウィスカ
ーの体積分率が50%を越えると、加熱加圧成形時の穴
や回路間隙への埋め込みが不十分となり、成形後にボイ
ドやかすれを発生し、絶縁性が低下する。
【0015】(ウィスカーの塗布)キャリアフィルム
に、前記ウィスカーを含む樹脂ワニスを塗布するには、
ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイ
ズコータ、リバースロールコータ、トランスファロール
コータ等の、キャリアフィルムと平行な面方向に剪断力
を加えるか、あるいはキャリアフィルムの面に垂直な方
向に圧縮力を加えることのできる塗工方法を採用するこ
とができる。
【0016】(キャリアフィルム)本発明に用いるキャ
リアフィルムは、銅箔、アルミニウム箔等の金属箔、ポ
リエステルフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチ
ックフィルム、あるいは、これらのキャリアフィルムの
表面に離形剤を塗布したものなどを用いることができ
る。特に、銅箔をキャリアフィルムとすることは、その
銅箔を回路導体としてそのまま使用することができ好ま
しい。また、キャリアフィルムに離形処理を行なうこと
は、積層作業時にキャリアフィルムからプリプレグを引
き剥がす際の作業性を向上する上で好ましい。
【0017】このような樹脂組成物を、キャリアフィル
ムの片面に、絶縁性接着層として形成したプリント配線
板用材料とすることができ、例えば、熱硬化性樹脂と溶
剤からなるワニスにウィスカーを混合し、撹拌によりウ
ィスカーをワニス中に均一に分散させ、それをキャリア
フィルムの片面に塗工し、加熱乾燥により溶剤を除去す
るとともに樹脂を半硬化状にすることによって製造する
ことができる。
【0018】さらには、このようなシート状の絶縁層
を、1枚又は複数枚数積層した後、熱圧成形することに
よって、プリント配線板用材料を製造することもでき
る。また、キャリアフィルムを除去するタイミングを変
え、加熱乾燥により溶剤を除去するとともに樹脂を半硬
化状にして得たキャリアフィルム付きプリプレグに、プ
リプレグの面同士を合わせるように他のキャリアフィル
ム付きプリプレグを積層し、熱圧成形した後、キャリア
フィルムを除去することもできる。
【0019】同様に、銅箔/熱硬化性樹脂の組み合わせ
の場合も、樹脂と溶剤からなるワニスにウィスカーを混
合し、撹拌によりウィスカーをワニス中に均一に分散さ
せ、それを銅箔の片面に塗工し、加熱乾燥により溶剤を
除去するとともに樹脂を半硬化状にして得た銅箔付きプ
リプレグに、プリプレグの面同士を合わせるように前記
方法で得た他の銅箔付きプリプレグを積層し、熱圧成形
することによって、プリント配線板用材料を製造するこ
とができる。
【0020】さらにまた、樹脂と溶剤からなるワニスに
ウィスカーを混合し、撹拌によりウィスカーをワニス中
に均一に分散させ、それを銅箔の片面に塗工し、加熱乾
燥により溶剤を除去するとともに樹脂を半硬化状にして
得た銅箔付きプリプレグに、プリプレグの面に、ガラス
クロスを基材とするプリプレグを少なくとも1枚積層
し、さらにそのガラスクロスを基材とするプリプレグ
に、プリプレグの面を合わせるように前記方法で得た他
の銅箔付きプリプレグを積層し、熱圧成形することによ
ってもプリント配線板用材料を製造することができる。
【0021】また、樹脂と溶剤からなるワニスにウィス
カーを混合し、撹拌によりウィスカーをワニス中に均一
に分散させ、それをキャリアフィルムの片面に塗工し、
加熱乾燥により溶剤を除去するとともに樹脂を半硬化状
にした後、内層回路板の上に重ね、キャリアフィルムを
除去し、さらに銅箔を重ね、加熱加圧して積層一体化
し、必要な場合に穴をあけ、穴内壁を導体化し、外層回
路を加工することによっても、プリント配線板を製造す
ることができる。
【0022】また、樹脂と溶剤からなるワニスにウィス
カーを混合し、撹拌によりウィスカーをワニス中に均一
に分散させ、それを銅箔の片面に塗工し、加熱乾燥によ
り溶剤を除去するとともに樹脂を半硬化状にして得た銅
箔付きプリプレグに、プリプレグの面同士を合わせるよ
うに前記方法で得た他の銅箔付きプリプレグを積層し、
熱圧成形した後、必要な場合に穴をあけ、穴内壁を導体
化し、回路を加工することもできる。
【0023】さらに、熱硬化性樹脂と溶剤からなるワニ
スにウィスカーを混合し、撹拌によりウィスカーをワニ
ス中に均一に分散させ、それを銅箔の片面に塗工し、加
熱乾燥により溶剤を除去するとともに樹脂を半硬化状に
して得た銅箔付きプリプレグに、プリプレグの面に、ガ
ラスクロスを基材とするプリプレグを少なくとも1枚積
層し、さらにそのガラスクロスを基材とするプリプレグ
に、プリプレグの面を合わせるように前記方法で得た他
の銅箔付きプリプレグを積層し、熱圧成形し、必要な場
合に穴をあけ、穴内壁を導体化し、回路を加工すること
によっても、プリント配線板を製造することができる。
【0025】ここでいう、回路を加工することは、エッ
チングレジストを形成し、エッチングレジストから露出
した部分の銅を、化学エッチング液によって除去するこ
とをいう。また、穴内壁の導体化は、通常の無電解めっ
きあるいは必要な場合に、電解めっきを行なうことをい
う。
【0025】
【実施例】
実施例1 以下の組成のエポキシ樹脂ワニスに、平均直径0.8μ
m、平均長さ20μmの硼酸アルミニウムウィスカー
を、樹脂100体積部に対して67体積部配合し、ワニ
ス中に均一に分散するまで撹拌した。 (ワニス組成) ・ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂・・・・・・・・100重量部 ・ビスフェノールAノボラック樹脂・・・・・・・・・・・・・・60重量部 ・2−エチル−4メチルイミダゾール・・・・・・・・・・・・0.5重量部 ・溶剤(メチルエチルケトン)・・・・・・・・・・・・・・・100重量部 このワニスを、厚さ18μmの電解銅箔の粗化面に、ナ
イフコータの1種であるコンマコータ(株式会社ヒラノ
テクシード製、商品名)によって塗工し、150℃で1
0分間乾燥し、半硬化状のキャリアフィルム付プリプレ
グを作製した。このときのウィスカー体積分率は、約4
0%であった。また、このキャリアフィルム付プリプレ
グは、ほとんどそりがなく、カッターナイフによって樹
脂の飛散もなくきれいに切断できた。
【0026】実施例2 以下の組成のワニスを用いた以外は、実施例1と同様に
してキャリアフィルム付プリプレグを作製した。このと
きのウィスカー体積分率は、30%であった。また、こ
のキャリアフィルム付プリプレグは、ほとんどそりがな
く、カッターナイフによって樹脂の飛散もなくきれいに
切断できた。 (ワニス組成) ・サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂・・・・・・・100重量部 ・ビスフェノールAノボラック樹脂・・・・・・・・・・・・・・70重量部 ・2−エチル−4メチルイミダゾール・・・・・・・・・・・・0.5重量部 ・溶剤(メチルエチルケトン)・・・・・・・・・・・・・・・100重量部
【0027】実施例3 ウィスカーに、平均直径0.5μm、平均長さ20μm
のチタン酸カリウムウィスカーを用いた以外は、実施例
2と同様にしてキャリアフィルム付プリプレグを作製し
た。このときのウィスカー体積分率は、30%であっ
た。また、このキャリアフィルム付プリプレグは、ほと
んどそりがなく、カッターナイフによって樹脂の飛散も
なくきれいに切断できた。
【0028】実施例4 導体回路を形成した内層回路板(絶縁層の厚さ0.1m
m、導体回路用銅箔の厚さ18μm)の両面に、実施例
1で作製したキャリアフィルム付プリプレグを、プリプ
レグが導体回路に接するように重ね、加熱加圧して積層
一体化した。この積層板の銅箔を、化学エッチング液に
よって全てエッチング除去し、目視で外観を観察したと
ころ、ボイドやかすれはなかった。また、表面の平滑性
を確認するために、触針式表面粗さ計によって、表面粗
さを測定したところ、内層回路の導体の有無による凹凸
の大きい箇所10箇所での平均粗さは、3μm以下であ
った。さらに、この積層板を注型し、走査型電子顕微鏡
でその断面を観察したところ、内層回路の直上のプリプ
レグ層の厚さは22μmであり、内層回路のない箇所で
は、38μmであった。次に、この積層板の両面の銅箔
を加工し、回路を形成し、さらにキャリアフィルム付プ
リプレグを、プリプレグが導体回路に接するように重
ね、加熱加圧して積層一体化する工程を繰返し、最終的
に、10層の回路層を有するプリント配線板を作製し
た。このときの厚さは、0.42mmであった。この多層
プリント配線板の一部を切取り、熱膨張率と曲げ弾性率
とを測定した。熱膨張率は、TMAモードで、曲げ弾性
率はDMAモードで測定した。その結果、熱膨張率は、
面方向(縦横方向)の平均で8ppm/℃(常温下)、
曲げ弾性率は、面方向(縦横方向)の平均が、常温下で
60GPa、200℃下で40GPaであった。また、
ビッカース硬度計による表面硬度は、45であった。さ
らに、この多層プリント配線板に、半導体チップを搭載
し、その半導体と多層プリント配線板とをワイヤボンデ
ィングによって接続した結果、良好な接続特性が得られ
た。また、この多層プリント配線板に、半導体パッケー
ジをはんだ付けによって搭載し、−65℃/150℃の
冷熱サイクル試験を行なったところ、2000サイクル
後もはんだ接続部に断線の発生はなかった。
【0029】実施例5 実施例1で作製したキャリアフィルム付プリプレグに代
えて、実施例2で作製したキャリアフィルム付プリプレ
グを用いた他は、実施例4と同様にして、多層プリント
配線板を作製した。この多層プリント配線板の曲げ弾性
率は、縦横方向の平均が、常温下で60GPa、200
℃下で45GPaであった。また、ビッカース硬度計に
よる表面硬度は、40であった。
【0030】実施例6 実施例1で作製したキャリアフィルム付プリプレグに代
えて、実施例3で作製したキャリアフィルム付プリプレ
グを用いた他は、実施例4と同様にして、多層プリント
配線板を作製した。この多層プリント配線板の曲げ弾性
率は、縦横方向の平均が、常温下で50GPa、200
℃下で40GPaであった。また、ビッカース硬度計に
よる表面硬度は、40であった。
【0031】比較例1 実施例1において、ウィスカーを用いずにキャリアフィ
ルム付プリプレグを作製したが、銅箔面が突出する方向
にカールし、カッターナイフによって切断するときに、
切断箇所近傍の樹脂が割れ、激しく飛散し、取り扱いが
困難であった。
【0032】比較例2 実施例4のキャリアフィルム付プリプレグに代えて、実
施例1のプリプレグに用いた樹脂を公称厚さ30μmの
ガラスクロスに含浸させ、ガラスクロスの体積分率を3
0%となるように調整したものを用いたほかは、実施例
4と同様にして多層プリント配線板を作製したところ、
その両面の銅箔を、化学エッチング液によって全てエッ
チング除去し、目視で外観を観察した結果、かすれが全
面に発生していた。
【0033】比較例3 実施例4のキャリアフィルム付プリプレグに代えて、実
施例1のプリプレグに用いた樹脂を公称厚さ30μmの
ガラスクロスに含浸させ、ガラスクロスの体積分率を2
5%となるように調整したものを用いたほかは、実施例
4と同様にして多層プリント配線板を作製したところ、
その両面の銅箔を、化学エッチング液によって全てエッ
チング除去し、その表面粗さを測定した結果、内層回路
の導体の有無による凹凸の大きい箇所10箇所での平均
粗さは、9μmであった。次に、この積層板の両面の銅
箔を加工し、回路を形成し、さらにキャリアフィルム付
プリプレグを、プリプレグが導体回路に接するように重
ね、加熱加圧して積層一体化する工程を繰返し、最終的
に、10層の回路層を有するプリント配線板を作製し
た。このときの厚さは、0.52mmであった。この多層
プリント配線板の一部を切取り、熱膨張率と曲げ弾性率
とを測定した。熱膨張率は、TMAモードで、曲げ弾性
率はDMAモードで測定した。その結果、熱膨張率は、
面方向(縦横方向)の平均で17ppm/℃(常温
下)、曲げ弾性率は、面方向(縦横方向)の平均が、常
温下で40GPa、200℃下で20GPa以下であっ
た。また、ビッカース硬度計による表面硬度は、17で
あった。さらに、この多層プリント配線板に、半導体チ
ップを搭載し、その半導体と多層プリント配線板とをワ
イヤボンディングによって接続した結果、一部に接続不
良を発生した。また、この多層プリント配線板に、半導
体パッケージをはんだ付けによって搭載し、−65℃/
150℃の冷熱サイクル試験を行なったところ、100
サイクル前後で、はんだ接続部に断線が発生した。
【0034】比較例4 実施例4のキャリアフィルム付プリプレグに代えて、フ
ィルム形成能を有する、分子量が50,000以上のエ
ポキシ樹脂を主体とした接着フィルムである厚さ50μ
mのAS−3000(日立化成工業株式会社製、商品
名)を用いた他は、実施例4と同様にして多層プリント
配線板を作製した。その両面の銅箔を、化学エッチング
液によって全てエッチング除去し、目視の観察を行なっ
たところ、ボイドやかすれは発生しなかった。また、そ
の表面粗さを測定した結果、内層回路の導体の有無によ
る凹凸の大きい箇所10箇所での平均粗さは、3μmで
あった。さらに、この積層板を注型し、走査型電子顕微
鏡でその断面を観察したところ、内層回路の直上のプリ
プレグ層の厚さは22μmであり、内層回路のない箇所
では、38μmであった。次に、この積層板の両面の銅
箔を加工し、回路を形成し、さらにキャリアフィルム付
プリプレグを、プリプレグが導体回路に接するように重
ね、加熱加圧して積層一体化する工程を繰返し、最終的
に、10層の回路層を有するプリント配線板を作製し
た。このときの厚さは、0.42mmであった。この多層
プリント配線板の一部を切取り、熱膨張率と曲げ弾性率
とを測定した。熱膨張率は、TMAモードで、曲げ弾性
率はDMAモードで測定した。その結果、熱膨張率は、
面方向(縦横方向)の平均で20ppm/℃(常温
下)、曲げ弾性率は、面方向(縦横方向)の平均が、常
温下で20GPa、200℃下で5GPa以下であっ
た。また、ビッカース硬度計による表面硬度は、常温下
で17であった。さらに、この多層プリント配線板に、
半導体チップを搭載し、その半導体と多層プリント配線
板とをワイヤボンディングによって接続した結果、ワイ
ヤと配線板の回路導体との間に多数の接続不良が発生し
た。また、この多層プリント配線板に、半導体パッケー
ジをはんだ付けによって搭載し、−65℃/150℃の
冷熱サイクル試験を行なったところ、200サイクル前
後で、はんだ接続部に断線が発生した。また、試験中、
この多層プリント配線板は、たわみが大きく、リフロー
のためには、このたわみを矯正する治具を必要とした。
【0035】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によっ
て、プリント配線板の薄型化に優れ、かつ従来のプリプ
レグの他の特性を損なうことのない絶縁材料と、その製
造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 1/03 H05K 1/03 610N 610T 3/46 3/46 G T (56)参考文献 特開 昭60−60134(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリアフィルムと、その上に形成され
    たプリプレグ層とからなり、該プリプレグ層が、エポキ
    シ樹脂、ビストリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノ
    ール樹脂、メラミン樹脂、珪素樹脂、不飽和ポリエステ
    ル樹脂、シアン酸エステル樹脂、イソシアネート樹脂、
    またはこれらの変性樹脂から選ばれた熱硬化性樹脂
    に、電気絶縁性のウィスカーが分散したものであり、か
    つ該樹脂が半硬化状態であることを特徴とする、プリン
    ト配線板用キャリアフィルム付プリプレグ。
  2. 【請求項2】 ウィスカーが、電気絶縁性セラミック系
    ウィスカーであり、弾性率が200GPa以上であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板用
    ャリアフィルム付プリプレグ。
  3. 【請求項3】 ウィスカーが、硼酸アルミニウム、ウォ
    ラストナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシ
    ウム、窒化けい素、及びα−アルミナの中から選ばれた
    1以上であることを特徴とする請求項1または2に記
    載のプリント配線板用キャリアフィルム付プリプレグ。
  4. 【請求項4】 ウィスカーの平均直径が、0.3〜3μ
    mの範囲であることを特徴とする請求項1ないし3の
    うちいずれか1項に記載のプリント配線板用キャリアフ
    ィルム付プリプレグ。
  5. 【請求項5】 ウィスカーの平均長さが、ウィスカーの
    平均直径の10倍以上であり、かつ、100μm以下で
    あることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか
    に記載のプリント配線板用キャリアフィルム付プリプ
    レグ。
  6. 【請求項6】 樹脂が、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂
    又はビストリアジン樹脂を主成分とするものであること
    を特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載
    プリント配線板用キャリアフィルム付プリプレグ。
  7. 【請求項7】 硬化した樹脂中のウィスカーの体積分率
    が、20%〜50%の範囲となるように調整されたこと
    を特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載
    プリント配線板用キャリアフィルム付プリプレグ
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