JP3838389B2 - 絶縁材料及びこれを用いた多層プリント配線板 - Google Patents
絶縁材料及びこれを用いた多層プリント配線板 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を実装するプリント配線板の薄型化及び高密度化への要求に対応できるプリント配線板用の絶縁材料に適用する絶縁材料及びこれを用いた多層プリント配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板は、通常、銅箔とプリプレグを積層、熱圧成形して得た銅張積層板に回路加工して得られる。
また、多層プリント配線板は、これらのプリント配線板同士をプリプレグを介して熱圧成形するか又は、これれらのプリント配線板と銅箔とをプリプレグを介して熱圧成形して一体化して得た内層回路入り多層銅張積層板の表面に回路を形成して得られる。
【0003】
プリント配線板用のプリプレグには、従来、ガラスクロスに樹脂を含浸・乾燥し、樹脂を半硬化状態にしたガラスクロスプリプレグが用いられ、多層プリント配線板には、該ガラスクロスプリプレグの他に、特開平6−200216号公報や特開平6−242465号公報に記載されているような、ガラスクロスを用いないプリプレグであるフィルム形成能を有する樹脂を半硬化状態にした接着フィルムや、特開平6−196862号公報に記載されているような、接着フィルムを銅箔の片面に形成した銅箔付き接着フィルムが使用されている。
なお、ここでいうフィルム形成能とは、プリプレグの搬送、切断及び積層等の工程中において、樹脂の割れや欠落等のトラブルを生じにくく、その後の熱圧成形時に層間絶縁層が内層回路存在部等で異常に薄くなったり層間絶縁抵抗低下やショートというトラブルを生じにくい性能を意味する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、電子機器の小型軽量化、高性能化、低コスト化が進行し、プリント配線板には高密度化、薄型化、高信頼性化、低コスト化が要求されている。
高密度化のためには、微細配線が必要であり、そのためには表面の平坦性が良好でかつ、寸法安定性が良好でなくてはならない。さらに微細なスルーホールやインターステーシャルバイアホール(IVH)が必要であり、ドリル加工性、レーザ穴加工性が良好であることが要求されている。表面の平坦性を良好にするためには、多層化積層成形時の樹脂の流動性を高くする必要があり、これにはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の適用が望ましい。
【0005】
ところが、エポキシ樹脂は、成形前の段階の分子量が低いために高い流動性を示しており、シート状の絶縁材料を形成する性質を有していない。そこで、従来はガラスクロス等の補強基材に絶縁樹脂を含浸させたプリプレグをあらかじめ作製し、これを絶縁層に用いてきたが、従来のプリプレグでは上記の要求への対応が困難になってきた。
【0006】
現在、プリプレグ用に一般的に使用されているガラスクロスは、その厚みが薄くなるに従いヤーン(ガラス繊維束)同士の間の隙間が大きくなる。そのため、厚みが薄いクロスほど目曲がり(ヤーンが曲がったり、本来直角に交差すべき縦糸と横糸が直角でなく交差する現象)が発生しやすくなる。この目曲がりが原因となり、熱圧成形後に異常な寸法変化やそりを生じやすくなる。さらに薄いガラスクロスほどヤーン間の隙間が大きいためプリプレグの繊維の体積分率が低くなるため層間絶縁層の剛性が低下する。そのため外層の回路を加工した後の部品実装工程等においてたわみが大きくなりやすく問題となっている。
【0007】
現在、一般に使用されているガラスクロスで最も薄いのは30μmのクロスであり、これを使用したプリプレグの厚さは40μm程度になる。これ以上にプリプレグの厚さを薄くするために、樹脂分を減らすと内層回路の凹凸への樹脂による穴埋め性が低下しボイドが発生する。またこれ以上にガラスクロスを薄くするとクロス自体の強度が低下するためガラスクロスに樹脂を含浸する工程でガラスクロスが破断しやすなりプリプレグの製造が困難になる。さらに、これらのガラスクロスを使用したプリプレグを用いて作製した多層プリント配線板は、小径ドリル加工時に偏在するガラスクロスによって芯ぶれがしやすく、ドリルを折りやすい。ガラス繊維の存在のため、レーザによる穴あけ性が悪く、内層回路の凹凸が表面に現れやすく表面平坦性が悪い。したがって、現状のガラスクロス基材のプリプレグを使用しては、高まる多層プリント配線板の高密度化、薄型化の要求に対応出来ない状況にある。
【0008】
一方、ガラスクロスのないプリプレグである接着フィルムや銅箔付き接着フィルムは、厚さをより薄くでき、小径ドリル加工性、レーザ穴加工性及び表面平坦性に優れる。しかしながら、これらのプリプレグで作製した多層プリント配線板は、外層絶縁層にガラスクロス基材がないため、剛性が極めて低い。この剛性の低さは、高温下において極めて顕著であり、部品実装工程においてたわみが生じやすく、ワイヤーボンディング性も極めて悪い。また外層絶縁層にガラスクロス基材がなく熱膨張係数が大きいため実装部品との熱膨張の差が大きく、実装部品との接続信頼性が低く、加熱冷却の熱膨張収縮によるはんだ接続部にクラックや破断が起こり易い等多くの問題を抱える。したがって、現状のガラスクロスのないプリプレグである接着フィルムや銅箔付き接着フィルムを使用しては、高まる多層プリント配線板の高密度化、薄型化の要求に対応出来ない状況にある。
【0009】
そこで、従来のプリプレグでは解決できない多層プリント配線板に対する高密度化、薄型化、高信頼性化、低コスト化という課題を解決するための新規絶縁材料として、ガラスクロス等の基材を含まず、形状保持のための電気絶縁性ウイスカーを絶縁樹脂中に分散させることにより得られるワニスをキャリア基材に流延して得られるシート状の絶縁材料が有効であることを見出した。しかし、電気絶縁性ウイスカーを絶縁樹脂中に分散させるためには、特殊な混練設備が必要であったり、電気絶縁性ウイスカーの表面処理を適切に行うことが必要になるが、そのような対策を施しても、作製した絶縁材料を多層プリント配線板に用いた場合に絶縁不良を起こすことがあるという課題があった。
【0010】
本発明は、絶縁性の優れた、電気絶縁性ウイスカーを樹脂中に分散させた絶縁ワニスを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の絶縁材料は、電気絶縁性ウイスカーを含む樹脂ワニスにイオン捕捉剤または有機系銅害防止剤を添加したことを特徴とする。
【0012】
本発明者らは、電気絶縁性ウイスカーを含む絶縁ワニスを用いて作製した絶縁材料を多層プリント配線板に用いた場合に起きる絶縁不良の原因を追求したところ、電気絶縁性ウイスカーの絶縁ワニス中の分散が適切ではない場合には、電気絶縁性ウイスカーと樹脂の界面で接着が不十分な部分が存在し、この界面を通して水分の拡散が進み、絶縁層中のイオン性不純物による銅箔の銅の溶出を促進させてしまうことがあるためであることが分かった。そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、電気絶縁性ウイスカーを複合化させた絶縁材料の多層プリント配線板材料としての絶縁信頼性を高めるためには、イオン捕捉剤または有機系銅害防止剤の絶縁ワニスへの添加が有効であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、絶縁ワニスへのイオン捕捉剤の添加により電気絶縁性ウイスカーを配合した絶縁材料の絶縁層中のイオン性不純物の低減を図るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
(イオン捕捉剤)
本発明に用いるイオン捕捉剤としては、無機系のイオン捕捉剤が挙げられる。このうち、無機系のイオン捕捉剤には、単にイオン等を吸着する吸着物質と反対電荷のイオンを取り入れたイオン交換を行う無機イオン交換体に分類されるが、両者を併せ持っているものもある。
【0014】
イオンの吸着物質としては、多孔性固体の吸着性を利用して液体、固体から物質移動を行いイオンを分離する無機物質であり、耐熱性、耐薬品性に優れた層状化合物などの無機物、活性炭、ゼオライト、合成ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、活性白土等が挙げられ、吸着能力を高めるために、多孔化、微粉化して比表面積を高めたものが望ましい。
【0015】
無機イオン交換体としては、イオン吸着無機物質の構造、構成に起因して生じるイオン交換能により液体、固体から物質移動を行いイオンを分離する無機物質である。たとえば、アルミノケイ酸縮合型ゼオライトは、シリカ構造のSiの一部がAlに置換して3次元的な構造をしておりAlが3価であるので陰イオンとなり陽イオンを取り込み中和することができる。
【0016】
シリカゲルでは、その粒子表面はシラノール基で覆われており、このシラノールは極わずかにイオン解離して水素イオンを出し陽イオン交換能を示す。無機イオン交換体は、イオン吸着無機物質の吸着性とイオン交換能を有するのでイオン捕捉の面でより優れる。
【0017】
無機イオン交換体として、アルミノケイ酸縮合型ゼオライト、シリカゲル、活性白土のモンモリロナイト、アンチモンビスマス系化合物であるIXEー600(東亜合成化学工業株式会社製、商品名)、マグネシウムアルミニウム系化合物であるIXEー700(東亜合成化学工業株式会社製、商品名)、ジルコニウム化合物であるIXEー100(東亜合成化学工業株式会社製、商品名)等が例示される。
【0018】
ハイドロタルサイトは、ハイドロタルク石群として知られており、含水炭酸塩鉱物であり、ハロゲンを捕捉することが知られている。ハイドロタルサイトとしては、DHT−4A(協和化学工業株式会社製、商品名)等が例示される。ハイドロタルサイトは、陰イオン交換能があり、陽イオン交換能がある無機イオン交換体と併用することにより両イオンを除去できるので好ましい。
【0019】
(有機系の銅害防止剤)
また、イオン捕捉剤に代えて、有機系の銅害防止剤を用いることもでき、このようなものとして、ヒンダードフェノール系のヨシノックスBB(吉富製薬株式会社製、商品名)、トリアゾール系、チオール系のジスネットDB(三協製薬株式会社製、商品名)等が使用できる。
【0020】
これらの添加剤の添加量は、樹脂100重量部に対して1〜10重量部であることが必要であり、好ましくは1〜5重量部であることが望ましい。10重量部を越えて加えた場合、耐熱性の低下、コストの上昇など問題点を生じるので好ましくない。
【0021】
(ウィスカー)
本発明に用いるウィスカーとしては、電気絶縁性のセラミックウィスカーであり、弾性率が200GPa以上であるものが好ましく、200GPa未満では、多層プリント配線板としたときに十分な剛性が得られない。
ウィスカーの種類としては、例えば、硼酸アルミニウム、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、窒化けい素、α−アルミナの中から選ばれた1以上のものを用いることができる。その中でも、硼酸アルミニウムウィスカーは、弾性率が約400GPaとガラスよりも遥かに高く、熱膨張係数も小さく、しかも比較的安価である。この硼酸アルミニウムウィスカーを用いた本発明のプリプレグを使用して作製したプリント配線板は、従来のガラスクロスを用いたプリント配線板よりも、常温及び高温下における剛性が高く、ワイヤーボンディング性に優れ、熱膨張係数が小さく、寸法安定性にすぐれる。したがって、本発明に用いるウィスカーの材質としては、硼酸アルミニウムが最適である。
【0022】
ウィスカーの平均直径は、0.3μm未満であると樹脂ワニスへの混合が難しくなるとともに塗工作業性が低下し、3μmを超えると表面の平坦性に悪影響がでるとともにウィスカーの微視的な均一分散性が損なわれる。したがって、ウィスカーの平均直径は、0.3μm〜3μmの範囲が好ましい。このような直径のウィスカーを選択することにより、従来のガラスクロスを基材としたプリプレグを使用するよりも表面平坦性に優れたプリント配線板を得ることができる。
【0023】
またウィスカーの平均長さは、3〜50μmの範囲であることが好ましい。3μm未満であると、繊維としての補強効果が僅かになると同時に、後述するウィスカーの樹脂層中での2次元配向が困難になるため、配線板にしたときに十分な剛性が得られない。50μmを超えると、ワニス中への均一分散が難しくなり、塗工性が低下する。
【0024】
また、ある一つの導体回路間と接触したウィスカーが他の導体回路と接触する確率が高くなり、繊維に沿って移動する傾向にある銅イオンのマイグレーションによる回路間短絡事故を起こす可能性があるという問題がある。従ってウィスカーの平均長さは50μm以下が好ましい。このような長さのウィスカーを使用した本発明の絶縁材料を用いて作製したプリント配線板は、従来のガラスクロスを基材にしたプリプレグを使用したプリント配線板よりも耐マイグレーション性に優れる。
【0025】
また、プリント配線板の剛性及び耐熱性をさらに高めるのに、シランカップリング剤で表面処理したウィスカーを使用することも有効である。カップリング剤で表面処理したウィスカーは、樹脂との濡れ性、結合性がすぐれ剛性及び耐熱性を向上させることができる。
このとき使用するカップリング剤は、シリコン系、チタン系、アルミニウム系、ジルコニウム系、ジルコアルミニウム系、クロム系、ボロン系、リン系、アミノ酸系等の公知のものを使用できる。
【0026】
(樹脂)
本発明に使用する樹脂は、従来のガラスクロスを基材としたプリプレグに使用されている樹脂及びガラスクロス基材を含まない接着フィルムあるいは銅箔付き接着フィルムに使用されている熱硬化性樹脂を使用することが出来る。ここでいう樹脂とは、樹脂、硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤(必要に応じて)、希釈剤(必要に応じて)を含むものを意味する。
【0027】
従来のガラスクロスを基材としたプリプレグに使用されている樹脂は、それ単独では、フィルム形成能がないため、銅箔の片面に塗工により接着剤層として形成し、加熱により溶剤除去し樹脂を半硬化した場合、搬送、切断及び積層等の工程中において、樹脂の割れや欠落等のトラブルを生じやすく、その後の熱圧成形時に層間絶縁層が内層回路存在部等で異常に薄くなり層間絶縁抵抗の低下やショートというトラブルを生じやすかったため、従来、銅箔付き接着フィルム用途に使用することが困難であった。
【0028】
しかし、本発明では、樹脂中にはウィスカーが分散され、該樹脂はウィスカーにより補強されているため、本発明の樹脂とウィスカーからなるプリプレグ層にはフィルム形成能が発現し、搬送、切断及び積層等の工程中において、樹脂の割れや欠落等のトラブルを生じにくく、またウィスカーが存在するため熱圧成形時の層間絶縁層が異常に薄くなる現象の発生を防止できる。
【0029】
また、従来、接着フィルムや銅箔付き接着フィルムに使用されている樹脂を用いることも効果的である。これらの樹脂は、高分子量成分等を含むことにより、樹脂単独でもフィルム形成能があるが、本発明によりウィスカーをその樹脂中に分散することにより、いっそうフィルム形成能が高められ取扱性が向上し、さらに絶縁信頼性もより高めることが可能となる。またウィスカーの分散によりフィルム形成能を高めた分だけ高分子量成分の添加量を減らすことも可能であり、それによって樹脂の耐熱性や接着性等を改善できる場合もある。
【0030】
樹脂の種類としては、例えばエポキシ樹脂、ビストリアジンマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、けい素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、イソシアネート樹脂、またはこれらの種々の変性樹脂類が好適である。この中で、プリント配線板特性上、特にビストリアジンマレイミド樹脂、エポキシ樹脂が好適である。そのエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、脂肪族環状エポキシ樹脂及びそれらのハロゲン化物、水素添加物、及び前記樹脂の混合物が好適である。なかでもビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂またはサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂は耐熱性に優れ好ましい。
【0031】
(硬化剤)
このような樹脂の硬化剤としては、従来使用しているものが使用でき、樹脂がエポキシ樹脂の場合には、例えばジシアンジアミド、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ポリビニルフェノール、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂及びこれらのフェノール樹脂のハロゲン化物、水素化物等を使用できる。なかでも、ビスフェノールAノボラック樹脂は耐熱性に優れ好ましい。
この硬化剤の前記樹脂に対する割合は、従来使用している割合でよく、樹脂100重量部に対して、2〜100重量部の範囲が好ましく、さらには、ジシアンジアミドでは、2〜5重量部、それ以外の硬化剤では、30〜80重量部の範囲が好ましい。2重量部未満では、十分な硬化が得られず、100重量部を超えると、余剰の硬化剤が残存し、硬化物の電気特性等を低下させるおそれがある。
【0032】
(硬化促進剤)
硬化促進剤としては、樹脂がエポキシ樹脂の場合、イミダゾール化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩などを使用する。
この硬化促進剤の前記樹脂に対する割合は、従来使用している割合でよく、樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲が好ましく、0.1〜10重量部の範囲がより好ましい。0.01重量部未満であると、硬化が著しく遅くなり、20重量部を超えると、硬化反応の制御ができないほど硬化速度が大きくなる。
【0033】
(希釈剤)
本発明の熱硬化性樹脂は、溶剤で希釈して樹脂ワニスとして使用することもできる。このような溶剤には、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を使用できる。
この希釈剤の前記樹脂に対する割合は、従来使用している割合でよく、樹脂100重量部に対して1〜200重量部の範囲が好ましく、30〜100重量部の範囲がさらに好ましい。1重量部未満であると、希釈剤としての効果がなく、200重量部を超えると、樹脂組成物の粘度が低すぎて、銅箔やキャリアフィルムに塗布するのが困難となる。
【0034】
(その他の配合剤)
さらに本発明においては、樹脂中に上記した各成分の他に、必要に応じて従来より公知のカップリング剤、充填材、難燃剤等を適宜配合してもよい。
【0035】
(樹脂とウィスカーの割合)
樹脂への電気絶縁性ウィスカーの配合量は、樹脂固形分100重量部に対し5重量部未満であると、このプリプレグは切断時に樹脂が細かく砕けて飛散しやすくなる等の取り扱い性が悪くなるとともに配線板にしたときに十分な剛性が得られない。一方ウィスカーの配合量が350重量部以上であると、熱圧成形時の内層回路の穴埋め性や回路間への樹脂充填性が損なわれ、熱圧成形後のウィスカー複合樹脂層中にボイドやかすれが発生しやすくなり、配線板特性を損なう恐れがある。したがって、ウィスカーの配合量は、樹脂固形分100重量部に対し5〜350重量部の範囲が好ましい。さらに、内層回路の穴埋め性や回路間への樹脂充填性に優れ、なおかつ、製造した配線板が従来のガラスクロス使用のプリプレグを用いて製造した配線板と比較し、同等または同等以上の剛性と寸法安定性とワイヤボンディング性を持つことが出来る理由から、ウィスカーの配合量は、樹脂固形分100重量部に対し30〜230重量部の範囲であることがより好ましい。
【0036】
(キャリアフィルム)
本発明において絶縁層であるウィスカー複合樹脂層(Bステージ状態)をその片面に形成する対象であるキャリアフィルムとしては、銅箔、アルミ箔等の金属箔、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、あるいは前記金属箔及びフィルムの表面を離型剤により処理したものを使用する。
【0037】
(ウィスカーの配向)
本発明の電気絶縁性ウィスカーとBステージ状態の樹脂とから構成される絶縁材料の中のウィスカーは、2次元配向に近い状態(ウィスカーの軸方向が絶縁材料層の形成する面と平行に近い状態)にさせることが好ましい。このようにウィスカーを配向させることにより、本発明の絶縁材料は良好な取り扱い性が得られると同時に配線板にしたときに高い剛性と良好な寸法安定性及び表面平坦性が得られる。
【0038】
(塗工方式)
上記のようにウィスカーを配向させるには、前述した好ましい範囲の繊維長のウィスカーを使用すると同時に、銅箔にウィスカーを配合した樹脂ワニスを塗工する際に、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズコータ、リバースロールコータ、トランスファロールコータ等の銅箔と平行な面方向にせん断力を負荷できるかあるいは、銅箔の面に垂直な方向に圧縮力を負荷できる塗工方式を採用すればよい。
【0039】
(作用)
本発明は、樹脂ワニスにイオン捕捉剤を添加することで、電気絶縁性ウイスカーを複合化させた絶縁材料を多層プリント配線板用の材料に用いた場合の絶縁信頼性を高めることができる。
また、本発明の絶縁材料を使用して作製した絶縁層は、基材がガラスよりレーザに対し被加工性が良好でしかも微細なウィスカーであるため、従来のガラスクロスプリプレグを使用した絶縁層では困難であったレーザ穴明けが容易にできる。そのため、直径100μm以下の小径のインターステーシャルバイアホール(IVH)が容易に作製可能となり、プリント配線板の回路を微細化でき、電子機器の高密度化、高性能化に大きく貢献できる。
【0040】
【実施例】
実施例1
(ワニス)
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(分子量:1200、エポキシ当量:206)70重量部と、ビスフェノールAノボラック樹脂(分子量:700、水酸基当量:118)30重量部と、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部と、メチルエチルケトン50重量部からなる熱硬化性樹脂に、平均直径0.8μm、平均繊維長20μmの硼酸アルミニウムウィスカーを樹脂固形分100重量部に対し90重量部になるように配合し、これにイオン捕捉剤としてアンチモンビスマス系化合物を樹脂固形分100重量部に対して2重量部添加し、硼酸アルミニウムウィスカーがワニス中に均一に分散するまで撹拌した。
【0041】
(接着フィルム)
このようにして得られた絶縁ワニスを、厚さ18μmの銅箔と、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(以下、PETという。)フィルムとに、ナイフコータにて塗工し、温度150℃で10分間加熱乾燥して、溶剤を除去するとともに、樹脂を半硬化して、接着層の厚さが50μm及び100μmの2種類の銅箔付き接着フィルムと、接着層の厚さが50μm及び100μmの2種類のPETフィルム付き接着フィルムとを作製し、PETフィルム付き接着フィルムからPETフィルムを剥離除去し、ウィスカー体積分率が30%でウィスカーと半硬化状態のエポキシ樹脂からなる厚さが50μmと100μmの2種類の接着フィルムを作製した。
作製した銅箔付き接着フィルムは、カッターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断でき、接着フィルム同士のブロッキングも発生せず、良好な取扱性であった。また、 PETフィルムに塗工して作製した接着フィルムは、PETフィルムの剥離時や通常の取り扱い時に割れる等のトラブルはなく、またカッターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断でき、絶縁材料同士のブロッキングも発生せず、良好な取扱性であった。
【0042】
(電食試験)
つぎに、厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂両面銅張積層板の銅箔の不要な箇所をエッチング除去して、電食試験の内層面の電極となるパターンを形成し、この上下に、上記で作製した接着層の厚さ50μmの銅箔付き接着フィルムを、接着層が、電食試験の内層面の電極となるパターンと接するように重ね合せて積層し、170℃、2.5MPa,60分間の条件で熱圧成形した。
得られた積層板の、内層の電極となる電食試験パターンの位置に合わせた部分に外層の電極となるパターンをエッチングで作製し、電食試験片を得た。この内層と外層の電極間に50Vの電圧を印加し、85℃、85%RHの雰囲気下で1000時間経過後の絶縁抵抗値を測定した結果、109Ω以上の良好な値を示し、接着フィルムが耐電食性に優れていることを確認した。
(曲げ弾性率)
また、作製した厚さ100μmの接着フィルムの上下に、厚さ18μmの片面粗化銅箔を該粗化面が接着フィルムに向き合うように積層し、熱圧成形し、得られた銅張積層板の銅箔をエッチング除去し、曲げ弾性率を、三点曲げで測定したところ20GPa(銅箔なし、たてよこ平均)であった。
(穴あけ精度)
また、ドリルのすべり量を、直径0.3mmのドリルを用いて、上記銅張積層板を10枚重ねて穴明けしたときの、最上板と最下板の穴位置のずれ量として測定したところ、20μm以下であった。
【0043】
(多層プリント配線板)
上記銅張積層板の不要な銅箔をエッチング除去し、回路を形成し、その両面に、先に作製した厚さ50μmの絶縁材料を重ね、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を粗化面が絶縁材料に向き合うように重ね、170℃、2.5MPa,60分の条件で熱圧成形し、内層回路入り多層銅張積層板を作製した。
この内層回路入り多層銅張積層板の表面粗さを、触針式表面粗さ計にて測定したところ、測定箇所がその直下に内層回路のある部分とない部分とを含む長さ25mmの一直線上の外層表面で、内層回路のある部分とない部分の段差の10点平均は、3μm以下であり、回路加工に支障のない良好な表面平坦性を有していた。
さらに、この内層回路入り多層銅張積層板の表面銅箔の所定位置に、エッチングにより直径75μmの穴を明け、その穴に住友重機械工業株式会社製のインパクトレーザを用いて、硬化した接着フィルムに内層回路に達する穴あけを行い、過マンガン酸処理によるデスミア処理を行い、無電解めっきを行った後、エッチングレジストパターンの形成を行い、不要な箇所の銅をエッチング除去して、外層回路を形成した。
この多層プリント配線板の両面に、上記で作製した厚さ50μmの接着フィルムを重ね、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を粗化面が接着フィルムに向き合うように重ね、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形し、内層回路入り6層銅張積層板を作製し、表面銅箔の所定位置にエッチングにより直径75μmの穴を明け、その穴に住友重機械工業株式会社製インパクトレーザを用いて穴明けを行い、過マンガン酸によるデスミア処理を行い、無電解めっきを行った後、エッチングレジストパターンを形成し、不要な銅をエッチング除去して、外層回路を形成した。前記工程をくり返し、10層プリント配線板を作製した。
【0044】
(多層プリント配線板の試験)
この多層プリント配線板の一部を切り取り、その熱膨張率と曲げ弾性率を測定した。熱膨張率はTMAにて、曲げ弾性率は、DMAの曲げモードにて測定した。たてよこ方向の平均の熱膨張係数は、10ppm/℃(常温下)であり、たてよこ方向の平均の曲げ弾性率は常温下で60GPa、高温下(200℃)で40GPaであった。また、バーコル硬度計による表面硬度は、常温下で65、高温(200℃)下で50であった。
(ワイヤボディング性)
さらに、この10層プリント配線板の一部に、ベアチップを実装し、ワイヤボンディングで表面回路と接続した。ワイヤボンディング条件は、超音波出力を1W、超音波出力時間を50μs、ボンド荷重を100g、ワイヤボンディング温度を180℃としたところ、良好にワイヤボンディングできた。
(熱衝撃試験)
また、この10層プリント配線板に、寸法8mm×20mmのICチップ(TSOP)を、はんだを介して表面回路と接続し、このICチップ(TSOP)を実装した基板を、−65℃で30分と150℃で30分の環境に晒すことを1サイクルとする熱衝撃試験で評価したところ、2,000サイクル後もはんだ接続部に断線等の不良は発生していなかった。
また、この基板の内部のインターステーシャルバイアホールを含む回路の導通試験を行ったが断線等のトラブルの発生はなかった。
【0045】
実施例2
(ワニス)
サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂(分子量:1000、エポキシ当量:180)70重量部と、ビスフェノールAノボラック樹脂(分子量:700、水酸基当量:116)30重量部と、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部と、メチルエチルケトン50重量部からなる熱硬化性樹脂に、平均直径0.8μm、平均繊維長20μmの硼酸アルミニウムウィスカーを、樹脂固形分100重量部に対して90重量部配合し、これにイオン捕捉剤としてヒンダードフェノール系の銅害防止剤を樹脂固形分100重量部に対して3重量部添加し、硼酸アルミニウムウィスカーがワニス中に均一に分散するまで撹拌した。
【0046】
(接着フィルム)
ここで得られた絶縁ワニスを、厚さ18μmの銅箔と厚さ50μmのPETフィルムとにナイフコータにて塗工し、温度150℃で10分間加熱乾燥して、溶剤を除去するとともに、樹脂を半硬化して、接着層の厚さが50μmと100μmの2種類の銅箔付き接着フィルムと、接着層の厚さが50μmと100μmの2種類のPETフィルム付き接着フィルムとを作製し、PETフィルム付き接着フィルムからPETフィルムを剥離除去し、ウィスカー体積分率が30%でウィスカーと半硬化状態にあるエポキシ樹脂からなる、厚さが50μmと100μmの2種類の接着フィルムを作製した。
作製した銅箔付き接着フィルムは、カッターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断でき、接着フィルム同士のブロッキングも発生せず、良好な取扱性であった。また、 PETフィルムに塗工して作製した接着フィルムは、PETフィルムの剥離時や通常の取り扱い時に割れる等のトラブルはなく、またカッターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断でき、接着フィルム同士のブロッキングも発生せず、良好な取扱性であった。
【0047】
(電食試験)
つぎに、厚さ0.8mmのガラスエポキシ両面銅張積層板の銅箔の不要な箇所をエッチング除去して、電食試験の内層面の電極となるパターンを作製し、この上下に上記で作製した絶縁層の厚さ50μmの銅箔付き絶縁材料を絶縁材料が電食試験の内層面の電極となるパターンと接するように重ね合せて積層し、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形した。得られた積層板の、銅箔の不要な箇所をエッチング除去し、内層の電極となる電食試験パターンの位置に合わせた部分に外層の電極となる外層パターンを作製し、電食試験片を得た。この内層と外層の電極間に50Vの電圧を印加し、85℃、85%RHの雰囲気下で1000時間経過後の絶縁抵抗値を測定した結果、109Ω以上の良好な値を示し、絶縁材料が耐電食性に優れていることを確認した。
(曲げ弾性率)
また、作製した厚さ100μmの接着フィルムの上下に、厚さ18μmの片面粗化銅箔を該粗化面が接着フィルムに向き合うように積層し、170℃、2.5MPa、60分の条件で、熱圧成形した。得られた銅張積層板の銅箔をエッチング除去し、曲げ弾性率を三点曲げで測定したところ20GPa(銅箔なし、たてよこ平均)であった。
(穴あけ精度)
また、ドリルのすべり量を、直径0.3mmのドリルを用いて、上記銅張積層板を10枚重ねて穴明けしたときの最上板と最下板の穴位置のずれ量として測定したところ、20μm以下であった。
【0048】
(多層プリント配線板)
この銅張積層板の銅箔の不要な箇所をエッチング除去して回路を形成し、その両面に先に作製した厚さ50μmの接着フィルムを重ね、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を粗化面が接着フィルムに向き合うように重ね、熱圧成形し内層回路入り多層銅張積層板を作製した。
この内層回路入り多層銅張積層板の表面粗さを、触針式表面粗さ計にて測定したところ、測定箇所がその直下に内層回路のある部分とない部分とを含む長さ25mmの一直線上の外層表面の箇所で、内層回路のある部分とない部分の段差の10点平均は、3μm以下であり、回路加工に支障のない良好な表面平坦性を有していた。
さらにこの内層回路入り多層銅張積層板の表面銅箔の所定位置を、エッチング除去して直径75μmの穴を明け、その穴に住友重機械工業株式会社製インパクトレーザによって穴あけを行い、過マンガン酸によるデスミア処理を行い、無電解めっきを行った後、エッチングレジストパターンを焼き付け、不要な銅をエッチング除去して回路形成した。
この多層プリント配線板の両面に、厚さ50μmの上記接着フィルムを、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を粗化面が接着フィルムに向き合うように積層し、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形し、内層回路入り多層銅張積層板を作製し、銅箔の所定位置をエッチング除去して直径75μmの穴をあけ、その穴に住友重機械工業株式会社製インパクトレーザを用いて穴明けを行い、過マンガン酸によるデスミア処理を行い、無電解めっきを行った後、エッチングレジストパターンを焼き付け、不要の銅をエッチング除去して回路形成した。
前記工程をくり返して、10層プリント配線板を作製した。
【0049】
(多層プリント配線板の試験)
この多層プリント配線板の一部を切り取り、その熱膨張率と曲げ弾性率を測定した。熱膨張率はTMAにて、曲げ弾性率は、DMAの曲げモードにて測定した。たてよこ方向の平均の熱膨張係数は、10ppm/℃(常温下)であり、たてよこ方向の平均の曲げ弾性率は常温下で60GPa、高温下(200℃)で50GPaであった。また、バーコル硬度計による表面硬度は、常温下で65、高温(200℃)下で55であった。
(ワイヤボンディング性)
さらに、この10層プリント配線板の一部にICチップを実装し、ワイヤボンディングで表面回路と接続した。ワイヤボンディング条件は、超音波出力を1W、超音波出力時間を50μs、ボンド荷重を100g、ワイヤボンディング温度を180℃としたところ、良好にワイヤボンディングできた。
(熱衝撃試験)
また、この10層プリント配線板に寸法8×20mmのICチップ(TSOP)をはんだを介して表面回路と接続し、このICチップ(TSOP)を実装した基板を、−65℃で30分と150℃で30分の環境に晒すことを1サイクルとする熱衝撃試験で評価したところ、2000サイクル後もはんだ接続部に断線等の不良は発生していなかった。またこの基板の内部のインターステーシャルバイアホールを含む回路の導通試験を行ったが断線等のトラブルの発生はなかった。
【0050】
比較例1
(ワニス)
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(分子量:1200、エポキシ当量:208)70重量部とビスフェノールAノボラック樹脂(分子量:700、水酸基当量:118)30重量部と、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部と、メチルエチルケトン50重量部からなる熱硬化性樹脂に、平均直径0.8μm、平均繊維長20μmの硼酸アルミニウムウィスカーを、樹脂固形分100重量部に対し90重量部になるように配合し、硼酸アルミニウムウィスカーがワニス中に均一に分散するまで撹拌した。
(接着フィルム)
この絶縁ワニスを、厚さ18μmの銅箔と厚さ50μmのPETフィルムにナイフコータにて塗工し、温度150℃で10分間加熱乾燥して、溶剤を除去するとともに、樹脂を半硬化して、接着層の厚さが50μmと100μmの2種類の銅箔付き接着フィルムと、接着層の厚さが50μmと100μmの2種類のPETフィルム付き接着フィルムを作製し、PETフィルム付き接着フィルムからPETフィルムを剥離除去して、ウィスカー体積分率が30%でウィスカーと半硬化状態にあるエポキシ樹脂からなる、厚さが50μmと100μmの接着フィルムを作製した。
作製した銅箔付き接着フィルムは、カッターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断でき、接着フィルム同士のブロッキングも発生せず、良好な取扱性であった。また、PETフィルムに塗工して作製した接着フィルムは、PETフィルムの剥離時や通常の取り扱い時に割れる等のトラブルはなく、またカッターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断でき、接着フィルム同士のブロッキングも発生せず、良好な取扱性であった。
【0051】
(電食試験)
つぎに、厚さ0.8mmのガラスエポキシ両面銅張積層板の銅箔の不要な箇所をエッチング除去し、電食試験の内層面の電極となるパターンを作製し、この上下に上記で作製した絶縁層の厚さ50μmの接着フィルムを接着フィルムが電食試験の内層面の電極となるパターンと接するように重ね合せ、さらに厚さ18μmの片面粗化銅箔を該粗化が接着フィルムに向き合うように重ね、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形した。得られた積層板の銅箔の不要な箇所をエッチング除去し、内層の電極となる電食試験パターンの位置に合わせた部分に外層の電極となるパターンを形成し、電食試験片を得た。この内層と外層の電極間に50Vの電圧を印加し、85℃、85%RHの雰囲気下で経時変化を追跡した結果、250時間後の絶縁抵抗値が109Ω未満となり、接着フィルムが耐電食性に劣っていることがわかった。
(曲げ弾性率)
作製した厚さ100μmの接着フィルムの上下に、厚さ18μmの片面粗化銅箔を該粗化が接着フィルムに向き合うように重ね、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形した。得られた銅張積層板の銅箔をエッチング除去し、曲げ弾性率を、三点曲げで測定したところ、20GPa(銅箔なし、たてよこ平均)であった。
(穴あけ精度)
また、ドリルのすべり量を、直径0.3mmのドリルを用いて、上記銅張積層板を10枚重ねて穴あけしたときの、最上板と最下板の穴位置のずれ量として測定したところ20μm以下であった。
【0052】
(多層プリント配線板)
この銅張積層板の銅箔の不要な箇所をエッチング除去して回路を形成し、その両面に先に作製した厚さ50μmの接着フィルムを重ね、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を粗化面が接着フィルムに向き合うように重ね、熱圧成形し内層回路入り多層銅張積層板を作製した。
この内層回路入り多層銅張積層板の表面粗さを触針式表面粗さ計にて測定したところ、測定箇所がその直下に内層回路のある部分とない部分とを含む長さ25mmの一直線上の外層表面の箇所で、内層回路のある部分とない部分の段差の10点平均は、3μm以下であり、回路加工に支障のない良好な表面平坦性を有していた。
さらにこの内層回路入り多層銅張積層板の表面銅箔の所定位置を、エッチング除去して直径75μmの穴をあけ、その穴に住友重機械工業株式会社製インパクトレーザによって穴あけを行い、過マンガン酸によるデスミア処理を行い、無電解めっきを行った後、エッチングレジストパターンを焼き付け、不要な銅をエッチング除去して回路形成した。
この多層プリント配線板の両面に、厚さ50μmの上記接着フィルムを、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を粗化面が接着フィルムに向き合うように積層し、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形し、内層回路入り多層銅張積層板を作製し、銅箔の所定位置をエッチング除去して直径75μmの穴をあけ、その穴に住友重機械工業株式会社製インパクトレーザを用いて穴明けを行い、過マンガン酸によるデスミア処理を行い、無電解めっきを行った後、エッチングレジストパターンを焼き付け、不要の銅をエッチング除去して回路形成した。前記工程をくり返して10層プリント配線板を作製した。
【0053】
(多層プリント配線板の試験)
この多層プリント配線板の一部を切り取り、その熱膨張率と曲げ弾性率を測定した。熱膨張率はTMAにて、曲げ弾性率は、DMAの曲げモードにて測定した。たてよこ方向の平均の熱膨張係数は、10ppm/℃(常温下)であり、たてよこ方向の平均の曲げ弾性率は常温下で60GPa、高温(200℃)下で40GPaであった。また、バーコル硬度計による表面硬度は、常温下で65、高温下(200℃)で50であった。
(ワイヤボンディング性)
さらに、この10層プリント配線板の一部にICチップを実装し、ワイヤボンディングで表面回路と接続した。ワイヤボンディング条件は、超音波出力を1W、超音波出力時間を50μs、ボンド荷重を100g、ワイヤボンディング温度を180℃としたところ、良好にワイヤボンディングできた。
(熱衝撃試験)
また、この10層プリント配線板に寸法8×20mmのICチップ(TSOP)をはんだを介して表面回路とし接続し、このICチップ(TSOP)を実装した基板を、−65℃で30分と150℃で30分の環境に晒すことを1サイクルとする熱衝撃試験で評価したところ、2000サイクル後もはんだ接続部に断線等の不良は発生していなかった。またこの基板の内部のインターステーシャルバイアホールを含む回路の導通試験を行ったが断線等のトラブルの発生はなかった。
【0054】
比較例2
(プリプレグ)
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(分子量:1200、エポキシ当量:206)70重量部とビスフェノールAノボラック樹脂(分子量:700、水酸基当量:118)30重量部と、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部と、メチルエチルケトン50重量部からなる熱硬化性樹脂を、厚さ50μmと100μmのガラスクロスに含浸塗工し、温度150℃で10分間加熱乾燥して、溶剤を除去するとともに、樹脂を半硬化し、ガラスクロスと半硬化状態にあるエポキシ樹脂からなる厚さが50μmと100μmのガラスエポキシプリプレグを作製した。
作製したプリプレグは、カッターナイフ及びシャーによる切断時に樹脂が飛散した。
【0055】
(電食試験)
つぎに、厚さ0.8mmのガラスエポキシ両面銅張積層板の銅箔の不要な箇所をエッチング除去して電食試験の内層面の電極となるパターンを形成し、この上下に絶縁層の厚さ50μmのエポキシプリプレグと厚さ18μmの片面粗化銅箔をエポキシプリプレグが電食試験の内層面の電極となるパターンと接するように重ね合せて積層し、170℃、2.50MPa、60分の条件で熱圧成形した。得られた積層板の、内層の電極となる電食試験パターンの位置に合わせた部分に外層の電極となるパターンをエッチングで作製し、電食試験片を得た。この内層と外層の電極間に50Vの電圧を印加し、85℃、85%RHの雰囲気下で1000時間経過後の絶縁抵抗値を測定した結果、109Ω以上の良好な値を示し、接着フィルムが耐電食性に優れていることを確認した。
(曲げ弾性率)
作製した厚さ100μmのガラスエポキシプリプレグの上下に、厚さ18μmの片面粗化銅箔を該粗化面がプリプレグに向き合うように積層し、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形した。得られた銅張積層板の銅箔をエッチング除去し、曲げ弾性率を、三点曲げで測定したところ8GPa(銅箔なし、たてよこ平均)であった。
(穴あけ精度)
また、ドリルのすべり量を、直径0.3mmのドリルを用いて、上記銅張積層板を10枚重ねて穴あけしたときの最上板と最下板の穴位置のずれ量として測定したところ,50μm以上あった。
【0056】
(多層プリント配線板)
この銅張積層板の銅箔の不要な箇所をエッチング除去して、回路を形成して内層回路板を作製し、その両面に先に作製した厚さ50μmのガラスエポキシプリプレグを重ね、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を粗化面がプリプレグに向き合うように重ね、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形し内層回路入り多層銅張積層板を作製した。
この内層回路入り多層銅張積層板の表面粗さを、触針式表面粗さ計にて測定し、測定箇所がその直下に内層回路のある部分とない部分とを含む長さ25mmの一直線上の外層表面で、内層回路のある部分とない部分の段差の10点平均は、8μm以上あった。
さらにこの内層回路入り多層銅張積層板の表面銅箔の所定位置に、エッチングにより直径75μmの穴をあけ、その穴に住友重機械工業株式会社製インパクトレーザにて穴あけを試みたが、ガラス部分が除去できなかった。
【0057】
比較例3
(接着フィルム)
重量平均分子量が50,000の高分子量エポキシ重合体30重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(分子量:400、エポキシ当量:180)70重量部と、高分子量エポキシ重合体の架橋剤としてフェノール樹脂マスク化ジイソシアネートを0.2当量と、硬化剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.5重量部からなる熱硬化性樹脂を、厚さ18μmの銅箔および厚さ50μmのPETフィルムにナイフコータにて塗工し、温度150℃で10分間加熱乾燥して溶剤を除去するとともに、樹脂を半硬化して、接着層の厚さが50μmの銅箔付き接着フィルムと、接着層の厚さが50μmのPETフィルム付き接着フィルムを作製し、PETフィルム付き接着フィルムからPETフィルムを剥離除去して、厚さが50μmの接着フィルムを作製した。
作製した接着フィルムは、PETフィルムの剥離時や通常の取り扱い時に割れる等のトラブルはなく、またカッターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断できたが、接着フィルム同士のブロッキングが発生し、取扱性は低くかった。
【0058】
(電食試験)
つぎに、厚さ0.8mmのガラスエポキシ両面銅張積層板の銅箔の不要な箇所をエッチング除去し、電食試験の内層面の電極となるパターンを作製し、この上下に上記で作製した絶縁層の厚さ50μmの銅箔付き接着フィルムを接着フィルムが電食試験の内層面の電極となるパターンと接するように重ね合せて積層し、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形した。得られた積層板の、内層の電極となる電食試験パターンの位置に合わせた部分に外層の電極となるパターンをエッチングで作製し、電食試験片を得た。この内層と外層の電極間に50Vの電圧を印加し、85℃、85%RHの雰囲気下で1000時間経過後の絶縁抵抗値を測定した結果、109Ω以上の良好な値を示し、接着フィルムが耐電食性に優れていることを確認した。
【0059】
(多層プリント配線板)
比較例1で作製した内層回路板の両面に、前記の厚さ50μmの接着フィルムを重ね、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を粗化面が接着フィルムに向き合うように重ね、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形し、内層回路入り多層銅張積層板を作製した。
この内層回路入り多層銅張積層板の表面粗さを、触針式表面粗さ計にて測定し、測定箇所がその直下に内層回路のある部分とない部分とを含む長さ25mmの一直線上の外層表面で、内層回路のある部分とない部分の段差の10点平均は、3μm以下であり、回路加工に支障のない良好な表面平坦性を有している。
さらにこの内層回路入り多層銅張積層板の表面銅箔の所定位置にエッチングにより直径75μmの穴をあけ、その穴に住友重機械工業株式会社製インパクトレーザを用いて穴あけを行い、過マンガン酸によるデスミア処理を行い、無電解めっきを行った後、エッチングレジストパターンを焼き付けエッチングにより回路を形成した。
この多層プリント配線板の両面に、厚さ50μmのプリプレグを、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を粗化面がプリプレグに向き合うように積層し、熱圧成形し内層回路入り多層銅張積層板を作製し、所定位置にエッチングにより直径75μmの穴をあけ、その穴に住友重機械工業株式会社製インパクトレーザを照射し、穴あけを行い、過マンガン酸処理によるデスミア処理を行い、無電解めっきを行った後、エッチオングレジストパターンを焼き付け、エッチングにより回路を形成した。前記工程をくり返して、10層プリント配線板を作製した。
【0060】
(多層プリント配線板の試験)
この多層プリント配線板の一部を切り取り、その熱膨張率と曲げ弾性率を測定した。熱膨張率はTMAにて、曲げ弾性率は、DMAの曲げモードにて測定した。たてよこ方向の平均の熱膨張係数は、30ppm/℃(常温下)であり、たてよこ方向の平均の曲げ弾性率は常温下で20GPa、高温(200℃)下で10GPaであった。また、バーコル硬度計による表面硬度は、常温下で30、高温(200℃)下で10であった。
(ワイヤボンディング性)
さらに、この10層プリント配線板の一部にベアチップを実装し、ワイヤボンディングで表面回路と接続した。ワイヤボンディング条件は、超音波出力を1W、超音波出力時間を50μs、ボンド荷重を100gとした。ワイヤボンディング温度を100℃に下げてもワイヤのはがれが発生した。
(熱衝撃試験)
また、この10層プリント配線板に寸法8×20mmのICチップ(TSOP)をはんだを介して表面回路と接続し、このICチップ(TSOP)を実装した基板を、−65℃で30分と150℃で30分の環境に晒すことを1サイクルとする熱衝撃試験で評価したところ、100サイクル前後ではんだ接続部に断線不良を発生した。またこの基板の内部のインターステーシャルバイアホールを含む回路の導通試験を行ったところ断線箇所があった。
【0061】
【発明の効果】
本発明の絶縁材料は、イオン捕捉剤を添加したことにより、電気絶縁性ウイスカーを複合化させた接着フィルムを用いた多層プリント配線板の絶縁信頼性を高めることができる。本発明にしたがって製造した絶縁ワニスを用いて得られた接着フィルムは、電気絶縁性ウイスカーの添加によりエポキシ樹脂をシート状に形成することができたもので、これを使用したプリント配線板は、表面が平坦で回路加工性が良く、剛性が高いため実装信頼性が高く、表面硬度が高いためワイヤボンド性が良く、熱膨張係数が小さいため寸法安定性が良くなる。したがって、多層プリント配線板の高密度化、薄型化、高信頼性化、低コスト化に多大の貢献をする。
Claims (4)
- 電気絶縁性ウイスカーを含む樹脂ワニスに、イオン捕捉剤または有機系銅害防止剤を添加したことを特徴とする厚さ100μm以下の絶縁材料。
- イオン捕捉剤が、無機系のイオン捕捉剤であって、樹脂100重量部に対して1〜10重量部の範囲で添加することを特徴とする請求項1に記載の絶縁材料。
- 電気絶縁性ウイスカーが、セラミックウイスカーで、該ウイスカーの平均直径が0.3〜3μmの範囲にあり、平均長さが3〜50μmであるものを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁材料。
- 絶縁ワニスを銅箔またはキャリアフィルムに塗布して得た絶縁材料を、内層回路を形成した内層板と積層し、外層の回路を形成し、内層回路と外層回路とを電気的に接続させることにより作製した、請求項1〜3に記載の絶縁材料を用いた多層プリント配線板。
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