JPH10287830A - 絶縁ワニス及びこれを用いた多層プリント配線板 - Google Patents

絶縁ワニス及びこれを用いた多層プリント配線板

Info

Publication number
JPH10287830A
JPH10287830A JP9096298A JP9629897A JPH10287830A JP H10287830 A JPH10287830 A JP H10287830A JP 9096298 A JP9096298 A JP 9096298A JP 9629897 A JP9629897 A JP 9629897A JP H10287830 A JPH10287830 A JP H10287830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
printed wiring
wiring board
copper foil
insulating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9096298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3838389B2 (ja
Inventor
Kazunori Yamamoto
和徳 山本
Akishi Nakaso
昭士 中祖
Kazuhito Kobayashi
和仁 小林
Yasushi Kamishiro
恭 神代
Atsushi Takahashi
敦之 高橋
Kouji Morita
高示 森田
Shigeharu Ariga
茂晴 有家
Kazuhisa Otsuka
和久 大塚
Naoyuki Urasaki
直之 浦崎
Daisuke Fujimoto
大輔 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP09629897A priority Critical patent/JP3838389B2/ja
Priority to US09/057,522 priority patent/US6197149B1/en
Priority to EP19980106742 priority patent/EP0873047B1/en
Priority to DE69839104T priority patent/DE69839104D1/de
Publication of JPH10287830A publication Critical patent/JPH10287830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3838389B2 publication Critical patent/JP3838389B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁性の優れた、電気絶縁性ウイスカーを絶縁
樹脂中に分散させた、絶縁材料の絶縁不良を防止し、絶
縁信頼性を高める絶縁ワニスとこれを用いた多層プリン
ト配線板を提供すること。 【解決手段】電気絶縁性ウイスカーを含む樹脂ワニスに
イオン捕捉剤または有機系銅害防止剤を添加した絶縁ワ
ニスと、この絶縁ワニスを銅箔またはキャリアフィルム
に塗布して得た材料を、内層回路を形成した内層板と積
層し、外層の回路を形成し、内層回路と外層回路とを電
気的に接続させることにより作成したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品を実装す
るプリント配線板の薄型化及び高密度化への要求に対応
できるプリント配線板用の絶縁材料に適用する絶縁ワニ
ス及びこれを用いた多層プリント配線板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板は、通常、銅箔とプリプ
レグを積層、熱圧成形して得た銅張積層板に回路加工し
て得られる。また、多層プリント配線板は、これらのプ
リント配線板同士をプリプレグを介して熱圧成形するか
又は、これれらのプリント配線板と銅箔とをプリプレグ
を介して熱圧成形して一体化して得た内層回路入り多層
銅張積層板の表面に回路を形成して得られる。
【0003】プリント配線板用のプリプレグには、従
来、ガラスクロスに樹脂を含浸・乾燥し、樹脂を半硬化
状態にしたガラスクロスプリプレグが用いられ、多層プ
リント配線板には、該ガラスクロスプリプレグの他に、
特開平6−200216号公報や特開平6−24246
5号公報に記載されているような、ガラスクロスを用い
ないプリプレグであるフィルム形成能を有する樹脂を半
硬化状態にした接着フィルムや、特開平6−19686
2号公報に記載されているような、接着フィルムを銅箔
の片面に形成した銅箔付き接着フィルムが使用されてい
る。なお、ここでいうフィルム形成能とは、プリプレグ
の搬送、切断及び積層等の工程中において、樹脂の割れ
や欠落等のトラブルを生じにくく、その後の熱圧成形時
に層間絶縁層が内層回路存在部等で異常に薄くなったり
層間絶縁抵抗低下やショートというトラブルを生じにく
い性能を意味する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子機器の小型
軽量化、高性能化、低コスト化が進行し、プリント配線
板には高密度化、薄型化、高信頼性化、低コスト化が要
求されている。高密度化のためには、微細配線が必要で
あり、そのためには表面の平坦性が良好でかつ、寸法安
定性が良好でなくてはならない。さらに微細なスルーホ
ールやインターステーシャルバイアホール(IVH)が
必要であり、ドリル加工性、レーザ穴加工性が良好であ
ることが要求されている。表面の平坦性を良好にするた
めには、多層化積層成形時の樹脂の流動性を高くする必
要があり、これにはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の適
用が望ましい。
【0005】ところが、エポキシ樹脂は、成形前の段階
の分子量が低いために高い流動性を示しており、シート
状の絶縁材料を形成する性質を有していない。そこで、
従来はガラスクロス等の補強基材に絶縁樹脂を含浸させ
たプリプレグをあらかじめ作製し、これを絶縁層に用い
てきたが、従来のプリプレグでは上記の要求への対応が
困難になってきた。
【0006】現在、プリプレグ用に一般的に使用されて
いるガラスクロスは、その厚みが薄くなるに従いヤーン
(ガラス繊維束)同士の間の隙間が大きくなる。そのた
め、厚みが薄いクロスほど目曲がり(ヤーンが曲がった
り、本来直角に交差すべき縦糸と横糸が直角でなく交差
する現象)が発生しやすくなる。この目曲がりが原因と
なり、熱圧成形後に異常な寸法変化やそりを生じやすく
なる。さらに薄いガラスクロスほどヤーン間の隙間が大
きいためプリプレグの繊維の体積分率が低くなるため層
間絶縁層の剛性が低下する。そのため外層の回路を加工
した後の部品実装工程等においてたわみが大きくなりや
すく問題となっている。
【0007】現在、一般に使用されているガラスクロス
で最も薄いのは30μmのクロスであり、これを使用し
たプリプレグの厚さは40μm程度になる。これ以上に
プリプレグの厚さを薄くするために、樹脂分を減らすと
内層回路の凹凸への樹脂による穴埋め性が低下しボイド
が発生する。またこれ以上にガラスクロスを薄くすると
クロス自体の強度が低下するためガラスクロスに樹脂を
含浸する工程でガラスクロスが破断しやすなりプリプレ
グの製造が困難になる。さらに、これらのガラスクロス
を使用したプリプレグを用いて作製した多層プリント配
線板は、小径ドリル加工時に偏在するガラスクロスによ
って芯ぶれがしやすく、ドリルを折りやすい。ガラス繊
維の存在のため、レーザによる穴あけ性が悪く、内層回
路の凹凸が表面に現れやすく表面平坦性が悪い。したが
って、現状のガラスクロス基材のプリプレグを使用して
は、高まる多層プリント配線板の高密度化、薄型化の要
求に対応出来ない状況にある。
【0008】一方、ガラスクロスのないプリプレグであ
る接着フィルムや銅箔付き接着フィルムは、厚さをより
薄くでき、小径ドリル加工性、レーザ穴加工性及び表面
平坦性に優れる。しかしながら、これらのプリプレグで
作製した多層プリント配線板は、外層絶縁層にガラスク
ロス基材がないため、剛性が極めて低い。この剛性の低
さは、高温下において極めて顕著であり、部品実装工程
においてたわみが生じやすく、ワイヤーボンディング性
も極めて悪い。また外層絶縁層にガラスクロス基材がな
く熱膨張係数が大きいため実装部品との熱膨張の差が大
きく、実装部品との接続信頼性が低く、加熱冷却の熱膨
張収縮によるはんだ接続部にクラックや破断が起こり易
い等多くの問題を抱える。したがって、現状のガラスク
ロスのないプリプレグである接着フィルムや銅箔付き接
着フィルムを使用しては、高まる多層プリント配線板の
高密度化、薄型化の要求に対応出来ない状況にある。
【0009】そこで、従来のプリプレグでは解決できな
い多層プリント配線板に対する高密度化、薄型化、高信
頼性化、低コスト化という課題を解決するための新規絶
縁材料として、ガラスクロス等の基材を含まず、形状保
持のための電気絶縁性ウイスカーを絶縁樹脂中に分散さ
せることにより得られるワニスをキャリア基材に流延し
て得られるシート状の絶縁材料が有効であることを見出
した。しかし、電気絶縁性ウイスカーを絶縁樹脂中に分
散させるためには、特殊な混練設備が必要であったり、
電気絶縁性ウイスカーの表面処理を適切に行うことが必
要になるが、そのような対策を施しても、作製した絶縁
材料を多層プリント配線板に用いた場合に絶縁不良を起
こすことがあるという課題があった。
【0010】本発明は、絶縁性の優れた、電気絶縁性ウ
イスカーを樹脂中に分散させた絶縁ワニスを提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の絶縁ワニスは、
電気絶縁性ウイスカーを含む樹脂ワニスにイオン捕捉剤
または有機系銅害防止剤を添加したことを特徴とする。
【0012】本発明者らは、電気絶縁性ウイスカーを含
む絶縁ワニスを用いて作製した絶縁材料を多層プリント
配線板に用いた場合に起きる絶縁不良の原因を追求した
ところ、電気絶縁性ウイスカーの絶縁ワニス中の分散が
適切ではない場合には、電気絶縁性ウイスカーと樹脂の
界面で接着が不十分な部分が存在し、この界面を通して
水分の拡散が進み、絶縁層中のイオン性不純物による銅
箔の銅の溶出を促進させてしまうことがあるためである
ことが分かった。そこで、本発明者らは、鋭意検討の結
果、電気絶縁性ウイスカーを複合化させた絶縁材料の多
層プリント配線板材料としての絶縁信頼性を高めるため
には、イオン捕捉剤または有機系銅害防止剤の絶縁ワニ
スへの添加が有効であることを見出し、本発明に至っ
た。すなわち、本発明は、絶縁ワニスへのイオン捕捉剤
の添加により電気絶縁性ウイスカーを配合した絶縁材料
の絶縁層中のイオン性不純物の低減を図るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
(イオン捕捉剤)本発明に用いるイオン捕捉剤として
は、無機系のイオン捕捉剤が挙げられる。このうち、無
機系のイオン捕捉剤には、単にイオン等を吸着する吸着
物質と反対電荷のイオンを取り入れたイオン交換を行う
無機イオン交換体に分類されるが、両者を併せ持ってい
るものもある。
【0014】イオンの吸着物質としては、多孔性固体の
吸着性を利用して液体、固体から物質移動を行いイオン
を分離する無機物質であり、耐熱性、耐薬品性に優れた
層状化合物などの無機物、活性炭、ゼオライト、合成ゼ
オライト、シリカゲル、活性アルミナ、活性白土等が挙
げられ、吸着能力を高めるために、多孔化、微粉化して
比表面積を高めたものが望ましい。
【0015】無機イオン交換体としては、イオン吸着無
機物質の構造、構成に起因して生じるイオン交換能によ
り液体、固体から物質移動を行いイオンを分離する無機
物質である。たとえば、アルミノケイ酸縮合型ゼオライ
トは、シリカ構造のSiの一部がAlに置換して3次元
的な構造をしておりAlが3価であるので陰イオンとな
り陽イオンを取り込み中和することができる。
【0016】シリカゲルでは、その粒子表面はシラノー
ル基で覆われており、このシラノールは極わずかにイオ
ン解離して水素イオンを出し陽イオン交換能を示す。無
機イオン交換体は、イオン吸着無機物質の吸着性とイオ
ン交換能を有するのでイオン捕捉の面でより優れる。
【0017】無機イオン交換体として、アルミノケイ酸
縮合型ゼオライト、シリカゲル、活性白土のモンモリロ
ナイト、アンチモンビスマス系化合物であるIXEー6
00(東亜合成化学工業株式会社製、商品名)、マグネ
シウムアルミニウム系化合物であるIXEー700(東
亜合成化学工業株式会社製、商品名)、ジルコニウム化
合物であるIXEー100(東亜合成化学工業株式会社
製、商品名)等が例示される。
【0018】ハイドロタルサイトは、ハイドロタルク石
群として知られており、含水炭酸塩鉱物であり、ハロゲ
ンを捕捉することが知られている。ハイドロタルサイト
としては、DHT−4A(協和化学工業株式会社製、商
品名)等が例示される。ハイドロタルサイトは、陰イオ
ン交換能があり、陽イオン交換能がある無機イオン交換
体と併用することにより両イオンを除去できるので好ま
しい。
【0019】(有機系の銅害防止剤)また、イオン捕捉
剤に代えて、有機系の銅害防止剤を用いることもでき、
このようなものとして、ヒンダードフェノール系のヨシ
ノックスBB(吉富製薬株式会社製、商品名)、トリア
ゾール系、チオール系のジスネットDB(三協製薬株式
会社製、商品名)等が使用できる。
【0020】これらの添加剤の添加量は、樹脂100重
量部に対して1〜10重量部であることが必要であり、
好ましくは1〜5重量部であることが望ましい。10重
量部を越えて加えた場合、耐熱性の低下、コストの上昇
など問題点を生じるので好ましくない。
【0021】(ウィスカー)本発明に用いるウィスカー
としては、電気絶縁性のセラミックウィスカーであり、
弾性率が200GPa以上であるものが好ましく、20
0GPa未満では、多層プリント配線板としたときに十
分な剛性が得られない。ウィスカーの種類としては、例
えば、硼酸アルミニウム、ウォラストナイト、チタン酸
カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、窒化けい素、α−
アルミナの中から選ばれた1以上のものを用いることが
できる。その中でも、硼酸アルミニウムウィスカーは、
弾性率が約400GPaとガラスよりも遥かに高く、熱
膨張係数も小さく、しかも比較的安価である。この硼酸
アルミニウムウィスカーを用いた本発明のプリプレグを
使用して作製したプリント配線板は、従来のガラスクロ
スを用いたプリント配線板よりも、常温及び高温下にお
ける剛性が高く、ワイヤーボンディング性に優れ、熱膨
張係数が小さく、寸法安定性にすぐれる。したがって、
本発明に用いるウィスカーの材質としては、硼酸アルミ
ニウムが最適である。
【0022】ウィスカーの平均直径は、0.3μm未満
であると樹脂ワニスへの混合が難しくなるとともに塗工
作業性が低下し、3μmを超えると表面の平坦性に悪影
響がでるとともにウィスカーの微視的な均一分散性が損
なわれる。したがって、ウィスカーの平均直径は、0.
3μm〜3μmの範囲が好ましい。このような直径のウ
ィスカーを選択することにより、従来のガラスクロスを
基材としたプリプレグを使用するよりも表面平坦性に優
れたプリント配線板を得ることができる。
【0023】またウィスカーの平均長さは、3〜50μ
mの範囲であることが好ましい。3μm未満であると、
繊維としての補強効果が僅かになると同時に、後述する
ウィスカーの樹脂層中での2次元配向が困難になるた
め、配線板にしたときに十分な剛性が得られない。50
μmを超えると、ワニス中への均一分散が難しくなり、
塗工性が低下する。
【0024】また、ある一つの導体回路間と接触したウ
ィスカーが他の導体回路と接触する確率が高くなり、繊
維に沿って移動する傾向にある銅イオンのマイグレーシ
ョンによる回路間短絡事故を起こす可能性があるという
問題がある。従ってウィスカーの平均長さは50μm以
下が好ましい。このような長さのウィスカーを使用した
本発明の絶縁材料を用いて作製したプリント配線板は、
従来のガラスクロスを基材にしたプリプレグを使用した
プリント配線板よりも耐マイグレーション性に優れる。
【0025】また、プリント配線板の剛性及び耐熱性を
さらに高めるのに、シランカップリング剤で表面処理し
たウィスカーを使用することも有効である。カップリン
グ剤で表面処理したウィスカーは、樹脂との濡れ性、結
合性がすぐれ剛性及び耐熱性を向上させることができ
る。このとき使用するカップリング剤は、シリコン系、
チタン系、アルミニウム系、ジルコニウム系、ジルコア
ルミニウム系、クロム系、ボロン系、リン系、アミノ酸
系等の公知のものを使用できる。
【0026】(樹脂)本発明に使用する樹脂は、従来の
ガラスクロスを基材としたプリプレグに使用されている
樹脂及びガラスクロス基材を含まない接着フィルムある
いは銅箔付き接着フィルムに使用されている熱硬化性樹
脂を使用することが出来る。ここでいう樹脂とは、樹
脂、硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤(必要に応じ
て)、希釈剤(必要に応じて)を含むものを意味する。
【0027】従来のガラスクロスを基材としたプリプレ
グに使用されている樹脂は、それ単独では、フィルム形
成能がないため、銅箔の片面に塗工により接着剤層とし
て形成し、加熱により溶剤除去し樹脂を半硬化した場
合、搬送、切断及び積層等の工程中において、樹脂の割
れや欠落等のトラブルを生じやすく、その後の熱圧成形
時に層間絶縁層が内層回路存在部等で異常に薄くなり層
間絶縁抵抗の低下やショートというトラブルを生じやす
かったため、従来、銅箔付き接着フィルム用途に使用す
ることが困難であった。
【0028】しかし、本発明では、樹脂中にはウィスカ
ーが分散され、該樹脂はウィスカーにより補強されてい
るため、本発明の樹脂とウィスカーからなるプリプレグ
層にはフィルム形成能が発現し、搬送、切断及び積層等
の工程中において、樹脂の割れや欠落等のトラブルを生
じにくく、またウィスカーが存在するため熱圧成形時の
層間絶縁層が異常に薄くなる現象の発生を防止できる。
【0029】また、従来、接着フィルムや銅箔付き接着
フィルムに使用されている樹脂を用いることも効果的で
ある。これらの樹脂は、高分子量成分等を含むことによ
り、樹脂単独でもフィルム形成能があるが、本発明によ
りウィスカーをその樹脂中に分散することにより、いっ
そうフィルム形成能が高められ取扱性が向上し、さらに
絶縁信頼性もより高めることが可能となる。またウィス
カーの分散によりフィルム形成能を高めた分だけ高分子
量成分の添加量を減らすことも可能であり、それによっ
て樹脂の耐熱性や接着性等を改善できる場合もある。
【0030】樹脂の種類としては、例えばエポキシ樹
脂、ビストリアジンマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、
フェノール樹脂、メラミン樹脂、けい素樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、イソシアネー
ト樹脂、またはこれらの種々の変性樹脂類が好適であ
る。この中で、プリント配線板特性上、特にビストリア
ジンマレイミド樹脂、エポキシ樹脂が好適である。その
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
S型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールAノボラック型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド
ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラッ
ク型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエ
ステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹
脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型
エポキシ樹脂、脂肪族環状エポキシ樹脂及びそれらのハ
ロゲン化物、水素添加物、及び前記樹脂の混合物が好適
である。なかでもビスフェノールAノボラック型エポキ
シ樹脂またはサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ
樹脂は耐熱性に優れ好ましい。
【0031】(硬化剤)このような樹脂の硬化剤として
は、従来使用しているものが使用でき、樹脂がエポキシ
樹脂の場合には、例えばジシアンジアミド、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ポリビニルフェノール、フ
ェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック
樹脂及びこれらのフェノール樹脂のハロゲン化物、水素
化物等を使用できる。なかでも、ビスフェノールAノボ
ラック樹脂は耐熱性に優れ好ましい。この硬化剤の前記
樹脂に対する割合は、従来使用している割合でよく、樹
脂100重量部に対して、2〜100重量部の範囲が好
ましく、さらには、ジシアンジアミドでは、2〜5重量
部、それ以外の硬化剤では、30〜80重量部の範囲が
好ましい。2重量部未満では、十分な硬化が得られず、
100重量部を超えると、余剰の硬化剤が残存し、硬化
物の電気特性等を低下させるおそれがある。
【0032】(硬化促進剤)硬化促進剤としては、樹脂
がエポキシ樹脂の場合、イミダゾール化合物、有機リン
化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩などを使
用する。この硬化促進剤の前記樹脂に対する割合は、従
来使用している割合でよく、樹脂100重量部に対し
て、0.01〜20重量部の範囲が好ましく、0.1〜
10重量部の範囲がより好ましい。0.01重量部未満
であると、硬化が著しく遅くなり、20重量部を超える
と、硬化反応の制御ができないほど硬化速度が大きくな
る。
【0033】(希釈剤)本発明の熱硬化性樹脂は、溶剤
で希釈して樹脂ワニスとして使用することもできる。こ
のような溶剤には、アセトン、メチルエチルケトン、ト
ルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、メタノー
ル、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド等を使用できる。この希釈剤の
前記樹脂に対する割合は、従来使用している割合でよ
く、樹脂100重量部に対して1〜200重量部の範囲
が好ましく、30〜100重量部の範囲がさらに好まし
い。1重量部未満であると、希釈剤としての効果がな
く、200重量部を超えると、樹脂組成物の粘度が低す
ぎて、銅箔やキャリアフィルムに塗布するのが困難とな
る。
【0034】(その他の配合剤)さらに本発明において
は、樹脂中に上記した各成分の他に、必要に応じて従来
より公知のカップリング剤、充填材、難燃剤等を適宜配
合してもよい。
【0035】(樹脂とウィスカーの割合)樹脂への電気
絶縁性ウィスカーの配合量は、樹脂固形分100重量部
に対し5重量部未満であると、このプリプレグは切断時
に樹脂が細かく砕けて飛散しやすくなる等の取り扱い性
が悪くなるとともに配線板にしたときに十分な剛性が得
られない。一方ウィスカーの配合量が350重量部以上
であると、熱圧成形時の内層回路の穴埋め性や回路間へ
の樹脂充填性が損なわれ、熱圧成形後のウィスカー複合
樹脂層中にボイドやかすれが発生しやすくなり、配線板
特性を損なう恐れがある。したがって、ウィスカーの配
合量は、樹脂固形分100重量部に対し5〜350重量
部の範囲が好ましい。さらに、内層回路の穴埋め性や回
路間への樹脂充填性に優れ、なおかつ、製造した配線板
が従来のガラスクロス使用のプリプレグを用いて製造し
た配線板と比較し、同等または同等以上の剛性と寸法安
定性とワイヤボンディング性を持つことが出来る理由か
ら、ウィスカーの配合量は、樹脂固形分100重量部に
対し30〜230重量部の範囲であることがより好まし
い。
【0036】(キャリアフィルム)本発明において絶縁
層であるウィスカー複合樹脂層(Bステージ状態)をそ
の片面に形成する対象であるキャリアフィルムとして
は、銅箔、アルミ箔等の金属箔、ポリエステルフィル
ム、ポリイミドフィルム、あるいは前記金属箔及びフィ
ルムの表面を離型剤により処理したものを使用する。
【0037】(ウィスカーの配向)本発明の電気絶縁性
ウィスカーとBステージ状態の樹脂とから構成される絶
縁材料の中のウィスカーは、2次元配向に近い状態(ウ
ィスカーの軸方向が絶縁材料層の形成する面と平行に近
い状態)にさせることが好ましい。このようにウィスカ
ーを配向させることにより、本発明の絶縁材料は良好な
取り扱い性が得られると同時に配線板にしたときに高い
剛性と良好な寸法安定性及び表面平坦性が得られる。
【0038】(塗工方式)上記のようにウィスカーを配
向させるには、前述した好ましい範囲の繊維長のウィス
カーを使用すると同時に、銅箔にウィスカーを配合した
樹脂ワニスを塗工する際に、ブレードコータ、ロッドコ
ータ、ナイフコータ、スクイズコータ、リバースロール
コータ、トランスファロールコータ等の銅箔と平行な面
方向にせん断力を負荷できるかあるいは、銅箔の面に垂
直な方向に圧縮力を負荷できる塗工方式を採用すればよ
い。
【0039】(作用)本発明は、樹脂ワニスにイオン捕
捉剤を添加することで、電気絶縁性ウイスカーを複合化
させた絶縁材料を多層プリント配線板用の材料に用いた
場合の絶縁信頼性を高めることができる。また、本発明
の絶縁材料を使用して作製した絶縁層は、基材がガラス
よりレーザに対し被加工性が良好でしかも微細なウィス
カーであるため、従来のガラスクロスプリプレグを使用
した絶縁層では困難であったレーザ穴明けが容易にでき
る。そのため、直径100μm以下の小径のインタース
テーシャルバイアホール(IVH)が容易に作製可能と
なり、プリント配線板の回路を微細化でき、電子機器の
高密度化、高性能化に大きく貢献できる。
【0040】
【実施例】
実施例1 (ワニス)ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂
(分子量:1200、エポキシ当量:206)70重量
部と、ビスフェノールAノボラック樹脂(分子量:70
0、水酸基当量:118)30重量部と、硬化促進剤で
ある2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部
と、メチルエチルケトン50重量部からなる熱硬化性樹
脂に、平均直径0.8μm、平均繊維長20μmの硼酸
アルミニウムウィスカーを樹脂固形分100重量部に対
し90重量部になるように配合し、これにイオン捕捉剤
としてアンチモンビスマス系化合物を樹脂固形分100
重量部に対して2重量部添加し、硼酸アルミニウムウィ
スカーがワニス中に均一に分散するまで撹拌した。
【0041】(接着フィルム)このようにして得られた
絶縁ワニスを、厚さ18μmの銅箔と、厚さ50μmの
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという。)
フィルムとに、ナイフコータにて塗工し、温度150℃
で10分間加熱乾燥して、溶剤を除去するとともに、樹
脂を半硬化して、接着層の厚さが50μm及び100μ
mの2種類の銅箔付き接着フィルムと、接着層の厚さが
50μm及び100μmの2種類のPETフィルム付き
接着フィルムとを作製し、PETフィルム付き接着フィ
ルムからPETフィルムを剥離除去し、ウィスカー体積
分率が30%でウィスカーと半硬化状態のエポキシ樹脂
からなる厚さが50μmと100μmの2種類の接着フ
ィルムを作製した。作製した銅箔付き接着フィルムは、
カッターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくき
れいに切断でき、接着フィルム同士のブロッキングも発
生せず、良好な取扱性であった。また、 PETフィル
ムに塗工して作製した接着フィルムは、PETフィルム
の剥離時や通常の取り扱い時に割れる等のトラブルはな
く、またカッターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛散
等なくきれいに切断でき、絶縁材料同士のブロッキング
も発生せず、良好な取扱性であった。
【0042】(電食試験)つぎに、厚さ0.8mmのガ
ラスエポキシ樹脂両面銅張積層板の銅箔の不要な箇所を
エッチング除去して、電食試験の内層面の電極となるパ
ターンを形成し、この上下に、上記で作製した接着層の
厚さ50μmの銅箔付き接着フィルムを、接着層が、電
食試験の内層面の電極となるパターンと接するように重
ね合せて積層し、170℃、2.5MPa,60分間の
条件で熱圧成形した。得られた積層板の、内層の電極と
なる電食試験パターンの位置に合わせた部分に外層の電
極となるパターンをエッチングで作製し、電食試験片を
得た。この内層と外層の電極間に50Vの電圧を印加
し、85℃、85%RHの雰囲気下で1000時間経過
後の絶縁抵抗値を測定した結果、109Ω以上の良好な
値を示し、接着フィルムが耐電食性に優れていることを
確認した。 (曲げ弾性率)また、作製した厚さ100μmの接着フ
ィルムの上下に、厚さ18μmの片面粗化銅箔を該粗化
面が接着フィルムに向き合うように積層し、熱圧成形
し、得られた銅張積層板の銅箔をエッチング除去し、曲
げ弾性率を、三点曲げで測定したところ20GPa(銅
箔なし、たてよこ平均)であった。 (穴あけ精度)また、ドリルのすべり量を、直径0.3
mmのドリルを用いて、上記銅張積層板を10枚重ねて
穴明けしたときの、最上板と最下板の穴位置のずれ量と
して測定したところ、20μm以下であった。
【0043】(多層プリント配線板)上記銅張積層板の
不要な銅箔をエッチング除去し、回路を形成し、その両
面に、先に作製した厚さ50μmの絶縁材料を重ね、そ
のさらに外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を粗化面が
絶縁材料に向き合うように重ね、170℃、2.5MP
a,60分の条件で熱圧成形し、内層回路入り多層銅張
積層板を作製した。この内層回路入り多層銅張積層板の
表面粗さを、触針式表面粗さ計にて測定したところ、測
定箇所がその直下に内層回路のある部分とない部分とを
含む長さ25mmの一直線上の外層表面で、内層回路の
ある部分とない部分の段差の10点平均は、3μm以下
であり、回路加工に支障のない良好な表面平坦性を有し
ていた。さらに、この内層回路入り多層銅張積層板の表
面銅箔の所定位置に、エッチングにより直径75μmの
穴を明け、その穴に住友重機械工業株式会社製のインパ
クトレーザを用いて、硬化した接着フィルムに内層回路
に達する穴あけを行い、過マンガン酸処理によるデスミ
ア処理を行い、無電解めっきを行った後、エッチングレ
ジストパターンの形成を行い、不要な箇所の銅をエッチ
ング除去して、外層回路を形成した。この多層プリント
配線板の両面に、上記で作製した厚さ50μmの接着フ
ィルムを重ね、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗
化銅箔を粗化面が接着フィルムに向き合うように重ね、
170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形し、
内層回路入り6層銅張積層板を作製し、表面銅箔の所定
位置にエッチングにより直径75μmの穴を明け、その
穴に住友重機械工業株式会社製インパクトレーザを用い
て穴明けを行い、過マンガン酸によるデスミア処理を行
い、無電解めっきを行った後、エッチングレジストパタ
ーンを形成し、不要な銅をエッチング除去して、外層回
路を形成した。前記工程をくり返し、10層プリント配
線板を作製した。
【0044】(多層プリント配線板の試験)この多層プ
リント配線板の一部を切り取り、その熱膨張率と曲げ弾
性率を測定した。熱膨張率はTMAにて、曲げ弾性率
は、DMAの曲げモードにて測定した。たてよこ方向の
平均の熱膨張係数は、10ppm/℃(常温下)であ
り、たてよこ方向の平均の曲げ弾性率は常温下で60G
Pa、高温下(200℃)で40GPaであった。ま
た、バーコル硬度計による表面硬度は、常温下で65、
高温(200℃)下で50であった。 (ワイヤボディング性)さらに、この10層プリント配
線板の一部に、ベアチップを実装し、ワイヤボンディン
グで表面回路と接続した。ワイヤボンディング条件は、
超音波出力を1W、超音波出力時間を50μs、ボンド
荷重を100g、ワイヤボンディング温度を180℃と
したところ、良好にワイヤボンディングできた。 (熱衝撃試験)また、この10層プリント配線板に、寸
法8mm×20mmのICチップ(TSOP)を、はん
だを介して表面回路と接続し、このICチップ(TSO
P)を実装した基板を、−65℃で30分と150℃で
30分の環境に晒すことを1サイクルとする熱衝撃試験
で評価したところ、2,000サイクル後もはんだ接続
部に断線等の不良は発生していなかった。また、この基
板の内部のインターステーシャルバイアホールを含む回
路の導通試験を行ったが断線等のトラブルの発生はなか
った。
【0045】実施例2 (ワニス)サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹
脂(分子量:1000、エポキシ当量:180)70重
量部と、ビスフェノールAノボラック樹脂(分子量:7
00、水酸基当量:116)30重量部と、硬化促進剤
として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量
部と、メチルエチルケトン50重量部からなる熱硬化性
樹脂に、平均直径0.8μm、平均繊維長20μmの硼
酸アルミニウムウィスカーを、樹脂固形分100重量部
に対して90重量部配合し、これにイオン捕捉剤として
ヒンダードフェノール系の銅害防止剤を樹脂固形分10
0重量部に対して3重量部添加し、硼酸アルミニウムウ
ィスカーがワニス中に均一に分散するまで撹拌した。
【0046】(接着フィルム)ここで得られた絶縁ワニ
スを、厚さ18μmの銅箔と厚さ50μmのPETフィ
ルムとにナイフコータにて塗工し、温度150℃で10
分間加熱乾燥して、溶剤を除去するとともに、樹脂を半
硬化して、接着層の厚さが50μmと100μmの2種
類の銅箔付き接着フィルムと、接着層の厚さが50μm
と100μmの2種類のPETフィルム付き接着フィル
ムとを作製し、PETフィルム付き接着フィルムからP
ETフィルムを剥離除去し、ウィスカー体積分率が30
%でウィスカーと半硬化状態にあるエポキシ樹脂からな
る、厚さが50μmと100μmの2種類の接着フィル
ムを作製した。作製した銅箔付き接着フィルムは、カッ
ターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれい
に切断でき、接着フィルム同士のブロッキングも発生せ
ず、良好な取扱性であった。また、 PETフィルムに
塗工して作製した接着フィルムは、PETフィルムの剥
離時や通常の取り扱い時に割れる等のトラブルはなく、
またカッターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛散等な
くきれいに切断でき、接着フィルム同士のブロッキング
も発生せず、良好な取扱性であった。
【0047】(電食試験)つぎに、厚さ0.8mmのガ
ラスエポキシ両面銅張積層板の銅箔の不要な箇所をエッ
チング除去して、電食試験の内層面の電極となるパター
ンを作製し、この上下に上記で作製した絶縁層の厚さ5
0μmの銅箔付き絶縁材料を絶縁材料が電食試験の内層
面の電極となるパターンと接するように重ね合せて積層
し、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形
した。得られた積層板の、銅箔の不要な箇所をエッチン
グ除去し、内層の電極となる電食試験パターンの位置に
合わせた部分に外層の電極となる外層パターンを作製
し、電食試験片を得た。この内層と外層の電極間に50
Vの電圧を印加し、85℃、85%RHの雰囲気下で1
000時間経過後の絶縁抵抗値を測定した結果、109
Ω以上の良好な値を示し、絶縁材料が耐電食性に優れて
いることを確認した。 (曲げ弾性率)また、作製した厚さ100μmの接着フ
ィルムの上下に、厚さ18μmの片面粗化銅箔を該粗化
面が接着フィルムに向き合うように積層し、170℃、
2.5MPa、60分の条件で、熱圧成形した。得られ
た銅張積層板の銅箔をエッチング除去し、曲げ弾性率を
三点曲げで測定したところ20GPa(銅箔なし、たて
よこ平均)であった。 (穴あけ精度)また、ドリルのすべり量を、直径0.3
mmのドリルを用いて、上記銅張積層板を10枚重ねて
穴明けしたときの最上板と最下板の穴位置のずれ量とし
て測定したところ、20μm以下であった。
【0048】(多層プリント配線板)この銅張積層板の
銅箔の不要な箇所をエッチング除去して回路を形成し、
その両面に先に作製した厚さ50μmの接着フィルムを
重ね、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を
粗化面が接着フィルムに向き合うように重ね、熱圧成形
し内層回路入り多層銅張積層板を作製した。この内層回
路入り多層銅張積層板の表面粗さを、触針式表面粗さ計
にて測定したところ、測定箇所がその直下に内層回路の
ある部分とない部分とを含む長さ25mmの一直線上の外
層表面の箇所で、内層回路のある部分とない部分の段差
の10点平均は、3μm以下であり、回路加工に支障の
ない良好な表面平坦性を有していた。さらにこの内層回
路入り多層銅張積層板の表面銅箔の所定位置を、エッチ
ング除去して直径75μmの穴を明け、その穴に住友重
機械工業株式会社製インパクトレーザによって穴あけを
行い、過マンガン酸によるデスミア処理を行い、無電解
めっきを行った後、エッチングレジストパターンを焼き
付け、不要な銅をエッチング除去して回路形成した。こ
の多層プリント配線板の両面に、厚さ50μmの上記接
着フィルムを、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗
化銅箔を粗化面が接着フィルムに向き合うように積層
し、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形
し、内層回路入り多層銅張積層板を作製し、銅箔の所定
位置をエッチング除去して直径75μmの穴をあけ、そ
の穴に住友重機械工業株式会社製インパクトレーザを用
いて穴明けを行い、過マンガン酸によるデスミア処理を
行い、無電解めっきを行った後、エッチングレジストパ
ターンを焼き付け、不要の銅をエッチング除去して回路
形成した。前記工程をくり返して、10層プリント配線
板を作製した。
【0049】(多層プリント配線板の試験)この多層プ
リント配線板の一部を切り取り、その熱膨張率と曲げ弾
性率を測定した。熱膨張率はTMAにて、曲げ弾性率
は、DMAの曲げモードにて測定した。たてよこ方向の
平均の熱膨張係数は、10ppm/℃(常温下)であ
り、たてよこ方向の平均の曲げ弾性率は常温下で60G
Pa、高温下(200℃)で50GPaであった。ま
た、バーコル硬度計による表面硬度は、常温下で65、
高温(200℃)下で55であった。 (ワイヤボンディング性)さらに、この10層プリント
配線板の一部にICチップを実装し、ワイヤボンディン
グで表面回路と接続した。ワイヤボンディング条件は、
超音波出力を1W、超音波出力時間を50μs、ボンド
荷重を100g、ワイヤボンディング温度を180℃と
したところ、良好にワイヤボンディングできた。 (熱衝撃試験)また、この10層プリント配線板に寸法
8×20mmのICチップ(TSOP)をはんだを介し
て表面回路と接続し、このICチップ(TSOP)を実
装した基板を、−65℃で30分と150℃で30分の
環境に晒すことを1サイクルとする熱衝撃試験で評価し
たところ、2000サイクル後もはんだ接続部に断線等
の不良は発生していなかった。またこの基板の内部のイ
ンターステーシャルバイアホールを含む回路の導通試験
を行ったが断線等のトラブルの発生はなかった。
【0050】比較例1 (ワニス)ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂
(分子量:1200、エポキシ当量:208)70重量
部とビスフェノールAノボラック樹脂(分子量:70
0、水酸基当量:118)30重量部と、硬化促進剤で
ある2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部
と、メチルエチルケトン50重量部からなる熱硬化性樹
脂に、平均直径0.8μm、平均繊維長20μmの硼酸
アルミニウムウィスカーを、樹脂固形分100重量部に
対し90重量部になるように配合し、硼酸アルミニウム
ウィスカーがワニス中に均一に分散するまで撹拌した。 (接着フィルム)この絶縁ワニスを、厚さ18μmの銅
箔と厚さ50μmのPETフィルムにナイフコータにて
塗工し、温度150℃で10分間加熱乾燥して、溶剤を
除去するとともに、樹脂を半硬化して、接着層の厚さが
50μmと100μmの2種類の銅箔付き接着フィルム
と、接着層の厚さが50μmと100μmの2種類のP
ETフィルム付き接着フィルムを作製し、PETフィル
ム付き接着フィルムからPETフィルムを剥離除去し
て、ウィスカー体積分率が30%でウィスカーと半硬化
状態にあるエポキシ樹脂からなる、厚さが50μmと1
00μmの接着フィルムを作製した。作製した銅箔付き
接着フィルムは、カッターナイフ及びシャーにより、樹
脂の飛散等なくきれいに切断でき、接着フィルム同士の
ブロッキングも発生せず、良好な取扱性であった。ま
た、PETフィルムに塗工して作製した接着フィルム
は、PETフィルムの剥離時や通常の取り扱い時に割れ
る等のトラブルはなく、またカッターナイフ及びシャー
により、樹脂の飛散等なくきれいに切断でき、接着フィ
ルム同士のブロッキングも発生せず、良好な取扱性であ
った。
【0051】(電食試験)つぎに、厚さ0.8mmのガ
ラスエポキシ両面銅張積層板の銅箔の不要な箇所をエッ
チング除去し、電食試験の内層面の電極となるパターン
を作製し、この上下に上記で作製した絶縁層の厚さ50
μmの接着フィルムを接着フィルムが電食試験の内層面
の電極となるパターンと接するように重ね合せ、さらに
厚さ18μmの片面粗化銅箔を該粗化が接着フィルムに
向き合うように重ね、170℃、2.5MPa、60分
の条件で熱圧成形した。得られた積層板の銅箔の不要な
箇所をエッチング除去し、内層の電極となる電食試験パ
ターンの位置に合わせた部分に外層の電極となるパター
ンを形成し、電食試験片を得た。この内層と外層の電極
間に50Vの電圧を印加し、85℃、85%RHの雰囲
気下で経時変化を追跡した結果、250時間後の絶縁抵
抗値が109Ω未満となり、接着フィルムが耐電食性に
劣っていることがわかった。 (曲げ弾性率)作製した厚さ100μmの接着フィルム
の上下に、厚さ18μmの片面粗化銅箔を該粗化が接着
フィルムに向き合うように重ね、170℃、2.5MP
a、60分の条件で熱圧成形した。得られた銅張積層板
の銅箔をエッチング除去し、曲げ弾性率を、三点曲げで
測定したところ、20GPa(銅箔なし、たてよこ平
均)であった。 (穴あけ精度)また、ドリルのすべり量を、直径0.3
mmのドリルを用いて、上記銅張積層板を10枚重ねて
穴あけしたときの、最上板と最下板の穴位置のずれ量と
して測定したところ20μm以下であった。
【0052】(多層プリント配線板)この銅張積層板の
銅箔の不要な箇所をエッチング除去して回路を形成し、
その両面に先に作製した厚さ50μmの接着フィルムを
重ね、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を
粗化面が接着フィルムに向き合うように重ね、熱圧成形
し内層回路入り多層銅張積層板を作製した。この内層回
路入り多層銅張積層板の表面粗さを触針式表面粗さ計に
て測定したところ、測定箇所がその直下に内層回路のあ
る部分とない部分とを含む長さ25mmの一直線上の外層
表面の箇所で、内層回路のある部分とない部分の段差の
10点平均は、3μm以下であり、回路加工に支障のな
い良好な表面平坦性を有していた。さらにこの内層回路
入り多層銅張積層板の表面銅箔の所定位置を、エッチン
グ除去して直径75μmの穴をあけ、その穴に住友重機
械工業株式会社製インパクトレーザによって穴あけを行
い、過マンガン酸によるデスミア処理を行い、無電解め
っきを行った後、エッチングレジストパターンを焼き付
け、不要な銅をエッチング除去して回路形成した。この
多層プリント配線板の両面に、厚さ50μmの上記接着
フィルムを、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化
銅箔を粗化面が接着フィルムに向き合うように積層し、
170℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形し、
内層回路入り多層銅張積層板を作製し、銅箔の所定位置
をエッチング除去して直径75μmの穴をあけ、その穴
に住友重機械工業株式会社製インパクトレーザを用いて
穴明けを行い、過マンガン酸によるデスミア処理を行
い、無電解めっきを行った後、エッチングレジストパタ
ーンを焼き付け、不要の銅をエッチング除去して回路形
成した。前記工程をくり返して10層プリント配線板を
作製した。
【0053】(多層プリント配線板の試験)この多層プ
リント配線板の一部を切り取り、その熱膨張率と曲げ弾
性率を測定した。熱膨張率はTMAにて、曲げ弾性率
は、DMAの曲げモードにて測定した。たてよこ方向の
平均の熱膨張係数は、10ppm/℃(常温下)であ
り、たてよこ方向の平均の曲げ弾性率は常温下で60G
Pa、高温(200℃)下で40GPaであった。ま
た、バーコル硬度計による表面硬度は、常温下で65、
高温下(200℃)で50であった。 (ワイヤボンディング性)さらに、この10層プリント
配線板の一部にICチップを実装し、ワイヤボンディン
グで表面回路と接続した。ワイヤボンディング条件は、
超音波出力を1W、超音波出力時間を50μs、ボンド
荷重を100g、ワイヤボンディング温度を180℃と
したところ、良好にワイヤボンディングできた。 (熱衝撃試験)また、この10層プリント配線板に寸法
8×20mmのICチップ(TSOP)をはんだを介し
て表面回路とし接続し、このICチップ(TSOP)を
実装した基板を、−65℃で30分と150℃で30分
の環境に晒すことを1サイクルとする熱衝撃試験で評価
したところ、2000サイクル後もはんだ接続部に断線
等の不良は発生していなかった。またこの基板の内部の
インターステーシャルバイアホールを含む回路の導通試
験を行ったが断線等のトラブルの発生はなかった。
【0054】比較例2 (プリプレグ)ビスフェノールAノボラック型エポキシ
樹脂(分子量:1200、エポキシ当量:206)70
重量部とビスフェノールAノボラック樹脂(分子量:7
00、水酸基当量:118)30重量部と、硬化促進剤
である2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量
部と、メチルエチルケトン50重量部からなる熱硬化性
樹脂を、厚さ50μmと100μmのガラスクロスに含
浸塗工し、温度150℃で10分間加熱乾燥して、溶剤
を除去するとともに、樹脂を半硬化し、ガラスクロスと
半硬化状態にあるエポキシ樹脂からなる厚さが50μm
と100μmのガラスエポキシプリプレグを作製した。
作製したプリプレグは、カッターナイフ及びシャーによ
る切断時に樹脂が飛散した。
【0055】(電食試験)つぎに、厚さ0.8mmのガ
ラスエポキシ両面銅張積層板の銅箔の不要な箇所をエッ
チング除去して電食試験の内層面の電極となるパターン
を形成し、この上下に絶縁層の厚さ50μmのエポキシ
プリプレグと厚さ18μmの片面粗化銅箔をエポキシプ
リプレグが電食試験の内層面の電極となるパターンと接
するように重ね合せて積層し、170℃、2.50MP
a、60分の条件で熱圧成形した。得られた積層板の、
内層の電極となる電食試験パターンの位置に合わせた部
分に外層の電極となるパターンをエッチングで作製し、
電食試験片を得た。この内層と外層の電極間に50Vの
電圧を印加し、85℃、85%RHの雰囲気下で100
0時間経過後の絶縁抵抗値を測定した結果、109Ω以
上の良好な値を示し、接着フィルムが耐電食性に優れて
いることを確認した。 (曲げ弾性率)作製した厚さ100μmのガラスエポキ
シプリプレグの上下に、厚さ18μmの片面粗化銅箔を
該粗化面がプリプレグに向き合うように積層し、170
℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形した。得ら
れた銅張積層板の銅箔をエッチング除去し、曲げ弾性率
を、三点曲げで測定したところ8GPa(銅箔なし、た
てよこ平均)であった。 (穴あけ精度)また、ドリルのすべり量を、直径0.3
mmのドリルを用いて、上記銅張積層板を10枚重ねて
穴あけしたときの最上板と最下板の穴位置のずれ量とし
て測定したところ,50μm以上あった。
【0056】(多層プリント配線板)この銅張積層板の
銅箔の不要な箇所をエッチング除去して、回路を形成し
て内層回路板を作製し、その両面に先に作製した厚さ5
0μmのガラスエポキシプリプレグを重ね、そのさらに
外側に厚さ18μmの片面粗化銅箔を粗化面がプリプレ
グに向き合うように重ね、170℃、2.5MPa、6
0分の条件で熱圧成形し内層回路入り多層銅張積層板を
作製した。この内層回路入り多層銅張積層板の表面粗さ
を、触針式表面粗さ計にて測定し、測定箇所がその直下
に内層回路のある部分とない部分とを含む長さ25mm
の一直線上の外層表面で、内層回路のある部分とない部
分の段差の10点平均は、8μm以上あった。さらにこ
の内層回路入り多層銅張積層板の表面銅箔の所定位置
に、エッチングにより直径75μmの穴をあけ、その穴
に住友重機械工業株式会社製インパクトレーザにて穴あ
けを試みたが、ガラス部分が除去できなかった。
【0057】比較例3 (接着フィルム)重量平均分子量が50,000の高分
子量エポキシ重合体30重量部と、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(分子量:400、エポキシ当量:18
0)70重量部と、高分子量エポキシ重合体の架橋剤と
してフェノール樹脂マスク化ジイソシアネートを0.2
当量と、硬化剤として、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾールを0.5重量部からなる熱硬化性樹脂を、厚さ1
8μmの銅箔および厚さ50μmのPETフィルムにナ
イフコータにて塗工し、温度150℃で10分間加熱乾
燥して溶剤を除去するとともに、樹脂を半硬化して、接
着層の厚さが50μmの銅箔付き接着フィルムと、接着
層の厚さが50μmのPETフィルム付き接着フィルム
を作製し、PETフィルム付き接着フィルムからPET
フィルムを剥離除去して、厚さが50μmの接着フィル
ムを作製した。作製した接着フィルムは、PETフィル
ムの剥離時や通常の取り扱い時に割れる等のトラブルは
なく、またカッターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛
散等なくきれいに切断できたが、接着フィルム同士のブ
ロッキングが発生し、取扱性は低くかった。
【0058】(電食試験)つぎに、厚さ0.8mmのガ
ラスエポキシ両面銅張積層板の銅箔の不要な箇所をエッ
チング除去し、電食試験の内層面の電極となるパターン
を作製し、この上下に上記で作製した絶縁層の厚さ50
μmの銅箔付き接着フィルムを接着フィルムが電食試験
の内層面の電極となるパターンと接するように重ね合せ
て積層し、170℃、2.5MPa、60分の条件で熱
圧成形した。得られた積層板の、内層の電極となる電食
試験パターンの位置に合わせた部分に外層の電極となる
パターンをエッチングで作製し、電食試験片を得た。こ
の内層と外層の電極間に50Vの電圧を印加し、85
℃、85%RHの雰囲気下で1000時間経過後の絶縁
抵抗値を測定した結果、109Ω以上の良好な値を示
し、接着フィルムが耐電食性に優れていることを確認し
た。
【0059】(多層プリント配線板)比較例1で作製し
た内層回路板の両面に、前記の厚さ50μmの接着フィ
ルムを重ね、そのさらに外側に厚さ18μmの片面粗化
銅箔を粗化面が接着フィルムに向き合うように重ね、1
70℃、2.5MPa、60分の条件で熱圧成形し、内
層回路入り多層銅張積層板を作製した。この内層回路入
り多層銅張積層板の表面粗さを、触針式表面粗さ計にて
測定し、測定箇所がその直下に内層回路のある部分とな
い部分とを含む長さ25mmの一直線上の外層表面で、内
層回路のある部分とない部分の段差の10点平均は、3
μm以下であり、回路加工に支障のない良好な表面平坦
性を有している。さらにこの内層回路入り多層銅張積層
板の表面銅箔の所定位置にエッチングにより直径75μ
mの穴をあけ、その穴に住友重機械工業株式会社製イン
パクトレーザを用いて穴あけを行い、過マンガン酸によ
るデスミア処理を行い、無電解めっきを行った後、エッ
チングレジストパターンを焼き付けエッチングにより回
路を形成した。この多層プリント配線板の両面に、厚さ
50μmのプリプレグを、そのさらに外側に厚さ18μ
mの片面粗化銅箔を粗化面がプリプレグに向き合うよう
に積層し、熱圧成形し内層回路入り多層銅張積層板を作
製し、所定位置にエッチングにより直径75μmの穴を
あけ、その穴に住友重機械工業株式会社製インパクトレ
ーザを照射し、穴あけを行い、過マンガン酸処理による
デスミア処理を行い、無電解めっきを行った後、エッチ
オングレジストパターンを焼き付け、エッチングにより
回路を形成した。前記工程をくり返して、10層プリン
ト配線板を作製した。
【0060】(多層プリント配線板の試験)この多層プ
リント配線板の一部を切り取り、その熱膨張率と曲げ弾
性率を測定した。熱膨張率はTMAにて、曲げ弾性率
は、DMAの曲げモードにて測定した。たてよこ方向の
平均の熱膨張係数は、30ppm/℃(常温下)であ
り、たてよこ方向の平均の曲げ弾性率は常温下で20G
Pa、高温(200℃)下で10GPaであった。ま
た、バーコル硬度計による表面硬度は、常温下で30、
高温(200℃)下で10であった。 (ワイヤボンディング性)さらに、この10層プリント
配線板の一部にベアチップを実装し、ワイヤボンディン
グで表面回路と接続した。ワイヤボンディング条件は、
超音波出力を1W、超音波出力時間を50μs、ボンド
荷重を100gとした。ワイヤボンディング温度を10
0℃に下げてもワイヤのはがれが発生した。 (熱衝撃試験)また、この10層プリント配線板に寸法
8×20mmのICチップ(TSOP)をはんだを介し
て表面回路と接続し、このICチップ(TSOP)を実
装した基板を、−65℃で30分と150℃で30分の
環境に晒すことを1サイクルとする熱衝撃試験で評価し
たところ、100サイクル前後ではんだ接続部に断線不
良を発生した。またこの基板の内部のインターステーシ
ャルバイアホールを含む回路の導通試験を行ったところ
断線箇所があった。
【0061】
【発明の効果】本発明の絶縁ワニスは、イオン捕捉剤を
添加したことにより、電気絶縁性ウイスカーを複合化さ
せた接着フィルムを用いた多層プリント配線板の絶縁信
頼性を高めることができる。本発明にしたがって製造し
た絶縁ワニスを用いて得られた接着フィルムは、電気絶
縁性ウイスカーの添加によりエポキシ樹脂をシート状に
形成することができたもので、これを使用したプリント
配線板は、表面が平坦で回路加工性が良く、剛性が高い
ため実装信頼性が高く、表面硬度が高いためワイヤボン
ド性が良く、熱膨張係数が小さいため寸法安定性が良く
なる。したがって、多層プリント配線板の高密度化、薄
型化、高信頼性化、低コスト化に多大の貢献をする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神代 恭 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 高橋 敦之 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 森田 高示 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 有家 茂晴 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 大塚 和久 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 浦崎 直之 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 藤本 大輔 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁性ウイスカーを含む樹脂ワニス
    に、イオン捕捉剤または有機系銅害防止剤を添加したこ
    とを特徴とする絶縁ワニス。
  2. 【請求項2】イオン捕捉剤が、無機系のイオン捕捉剤で
    あって、樹脂100重量部に対して1〜10重量部の範
    囲で添加することを特徴とする請求項1に記載の絶縁ワ
    ニス。
  3. 【請求項3】電気絶縁性ウイスカーが、セラミックウイ
    スカーで、該ウイスカーの平均直径が0.3〜3μmの
    範囲にあり、平均長さが3〜50μmであるものを用い
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁ワニ
    ス。
  4. 【請求項4】絶縁ワニスを銅箔またはキャリアフィルム
    に塗布して得た絶縁材料を、内層回路を形成した内層板
    と積層し、外層の回路を形成し、内層回路と外層回路と
    を電気的に接続させることにより作製した、請求項1〜
    3に記載の絶縁ワニスを用いた多層プリント配線板。
JP09629897A 1997-04-15 1997-04-15 絶縁材料及びこれを用いた多層プリント配線板 Expired - Fee Related JP3838389B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09629897A JP3838389B2 (ja) 1997-04-15 1997-04-15 絶縁材料及びこれを用いた多層プリント配線板
US09/057,522 US6197149B1 (en) 1997-04-15 1998-04-09 Production of insulating varnishes and multilayer printed circuit boards using these varnishes
EP19980106742 EP0873047B1 (en) 1997-04-15 1998-04-14 Production of insulating varnishes and multilayer printed circuit boards using these varnishes
DE69839104T DE69839104D1 (de) 1997-04-15 1998-04-14 Herstellung von Isolierlacken und diese verwendenden mehrschichtigen gedruckten Leiterplatten

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09629897A JP3838389B2 (ja) 1997-04-15 1997-04-15 絶縁材料及びこれを用いた多層プリント配線板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10287830A true JPH10287830A (ja) 1998-10-27
JP3838389B2 JP3838389B2 (ja) 2006-10-25

Family

ID=14161140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09629897A Expired - Fee Related JP3838389B2 (ja) 1997-04-15 1997-04-15 絶縁材料及びこれを用いた多層プリント配線板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3838389B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003026776A (ja) * 2001-07-19 2003-01-29 Toppan Printing Co Ltd プリント配線板用熱硬化性樹脂組成物及びプリント配線板用基板及びプリント配線板の製造方法
JP2006165094A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Hitachi Chem Co Ltd プリント配線板用絶縁接着シート及びプリント配線板の製造方法
JPWO2006075500A1 (ja) * 2005-01-11 2008-06-12 東亞合成株式会社 イットリウム化合物による無機陰イオン交換体およびそれを用いた電子部品封止用樹脂組成物
KR100851799B1 (ko) * 2000-12-08 2008-08-13 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 절연 기판용 물질, 인쇄 보드, 적층물, 수지가 있는 구리호일, 구리를 씌운 적층물, 폴리이미드 필름, tab 용필름 및 프리프레그
US8017661B2 (en) 2006-11-20 2011-09-13 Toagosei Co., Ltd. Inorganic anion exchanger composed of bismuth compound and resin composition for electronic component encapsulation using the same
US8066810B2 (en) 2006-10-27 2011-11-29 Toagosei Co., Ltd. Lamellar zirconium phosphate
CN105086549A (zh) * 2015-08-12 2015-11-25 无锡阳工机械制造有限公司 用于发电机的环氧绝缘浸渍漆
CN115637095A (zh) * 2022-10-26 2023-01-24 张明哲 一种改性石墨烯水性防腐涂料及其制备方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100851799B1 (ko) * 2000-12-08 2008-08-13 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 절연 기판용 물질, 인쇄 보드, 적층물, 수지가 있는 구리호일, 구리를 씌운 적층물, 폴리이미드 필름, tab 용필름 및 프리프레그
JP2003026776A (ja) * 2001-07-19 2003-01-29 Toppan Printing Co Ltd プリント配線板用熱硬化性樹脂組成物及びプリント配線板用基板及びプリント配線板の製造方法
JP2006165094A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Hitachi Chem Co Ltd プリント配線板用絶縁接着シート及びプリント配線板の製造方法
JPWO2006075500A1 (ja) * 2005-01-11 2008-06-12 東亞合成株式会社 イットリウム化合物による無機陰イオン交換体およびそれを用いた電子部品封止用樹脂組成物
JP5176323B2 (ja) * 2005-01-11 2013-04-03 東亞合成株式会社 イットリウム化合物による無機陰イオン交換体およびそれを用いた電子部品封止用樹脂組成物
US8066810B2 (en) 2006-10-27 2011-11-29 Toagosei Co., Ltd. Lamellar zirconium phosphate
JP2012254925A (ja) * 2006-10-27 2012-12-27 Toagosei Co Ltd 新規層状リン酸ジルコニウム
JP5157911B2 (ja) * 2006-10-27 2013-03-06 東亞合成株式会社 電子部品封止用樹脂組成物
US8017661B2 (en) 2006-11-20 2011-09-13 Toagosei Co., Ltd. Inorganic anion exchanger composed of bismuth compound and resin composition for electronic component encapsulation using the same
CN105086549A (zh) * 2015-08-12 2015-11-25 无锡阳工机械制造有限公司 用于发电机的环氧绝缘浸渍漆
CN115637095A (zh) * 2022-10-26 2023-01-24 张明哲 一种改性石墨烯水性防腐涂料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3838389B2 (ja) 2006-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20170064482A (ko) 수지 조성물
KR20170113288A (ko) 수지 시트
KR100903137B1 (ko) 열경화성 접착제 필름 및 그것을 사용한 접착 구조물
WO2004102589A1 (ja) 絶縁材料、フィルム、回路基板及びこれらの製造方法
JP3978623B2 (ja) 多層配線板
US20110120760A1 (en) Electroless copper plating method, printed wiring board, method for producing the same, and semiconductor device
JP3944795B2 (ja) 多層配線板
JP3838389B2 (ja) 絶縁材料及びこれを用いた多層プリント配線板
EP0873047B1 (en) Production of insulating varnishes and multilayer printed circuit boards using these varnishes
JP2003268136A (ja) プリプレグおよび積層板
JP3824101B2 (ja) 多層配線板及びその製造法
JP2004277671A (ja) プリプレグおよびそれを用いたプリント配線板
JPH1140950A (ja) 多層配線板
JP3972433B2 (ja) 絶縁ワニス及びこれを用いた多層プリント配線板
JP7176556B2 (ja) 支持体付き樹脂シート
JP2009067852A (ja) ガラス繊維織布入り絶縁樹脂シート、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置
JP4840303B2 (ja) ガラス繊維織布入り絶縁樹脂シート、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置
JP3343330B2 (ja) 絶縁ワニスの製造方法及びこの方法によって得られた絶縁ワニス並びにこの絶縁ワニスを用いた多層プリント配線板
JP3804812B2 (ja) 絶縁ワニスの製造方法
JPH10287834A (ja) 絶縁ワニスの製造方法およびこのワニスを用いた多層プリント配線板
JP3838390B2 (ja) 絶縁ワニスの製造方法およびこの絶縁ワニスを用いた多層プリント配線板
JP3911739B2 (ja) 配線板用絶縁材料
JPH11140229A (ja) 熱硬化性樹脂組成物及びこの熱硬化性樹脂組成物を用いた接着シート並びに接着層付き金属箔
JPH10287833A (ja) 絶縁ワニスの製造方法およびこのワニスを用いた多層プリント配線板
JP3390306B2 (ja) プリント配線板用キャリアフィルム付プリプレグ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060713

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060726

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090811

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100811

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110811

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110811

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120811

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120811

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130811

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees