JP3944795B2 - 多層配線板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリップチップ技術を用いて電子部品を搭載する高密度多層配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の発達にともない、電子機器の高性能化はもとより、配線板と電子部品とからなる回路板の小型化、軽量化の要求はますます厳しくなっている。これまで、スルーホールを設けた配線板にDIPパッケージやPGAパッケージなどを実装していた方式から表面に接続用の回路を設けた配線板にQFPパッケージやBGAパッケージなどを実装する方式に進化してきた。これは、後者の方が、配線板のデッドスペースが小さくなり、高密度実装が可能なこと、パッケージ自身が小型化、高性能化しやすいことによる。しかし、電子機器の発達は留まることを知らず、電子機器の高性能化と回路板の小型化、軽量化の両立は今でも大きな課題となっている。
【0003】
その解決方法の一つとして、半導体チップをパッケージングせずに、直接配線板に搭載する方法が注目を浴びている。この方法は半導体チップと配線板の接合の仕方によって大きく2つに分かれる。一つはこれまでパッケージングの技術で汎用的に用いられてきたワイヤボンディングを用いる方法、もう一つはバンプ接続を用いる方法である。後者は一般的にフリップチップ接続と呼ばれ、エリアアレイ状に電極を形成できるので多ピン化が容易なこと、信号パス経路が短く電気特性が良好なことから、今後の普及の拡大が見込まれている。
【0004】
これまで、フリップチップ実装用配線板としては高価なセラミック配線板が主流であった。これは、ガラスエポキシ基板を代表とする有機材料配線板を用いると、その熱膨張率(15〜20ppm/℃)と半導体チップの熱膨張率(10ppm/℃未満)の差が大きいために熱サイクルによる疲労破壊が起こりやすく、接続信頼性が低いためであった。
最近、フリップチップ実装した半導体チップと配線板の間をアンダーフィルと呼ばれる樹脂で充填することにより、安価な有機材料配線板でも十分な接続信頼性を確保できるようになった。これは、アンダーフィルにより、バンプにかかる応力が分散され、応力集中が回避されるためと考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アンダーフィルと有機材料配線板を用いる方法は高価なセラミック配線板を用いることに対するコストメリットはあるものの、材料や実装工程を増やし、安価な有機材料配線板のコストメリットを活かしきれず、十分な接続信頼性を確保できる安価なフリップチップ実装システム及び材料が求められていた。
また、回路板の小型化、軽量化の要求から、配線設計的には高密度な配線パターンを有し、物理仕様的には軽薄であり、機械強度的には剛性の高い多層配線板が求められているが、安価なフリップチップ実装を行うことのできる多層配線板はなかった。
【0006】
本発明は、アンダーフィルなどの特殊な材料を用いることなく、接続信頼性の高いフリップチップ実装を行なうことのできる高密度多層配線板を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の絶縁層と複数の導体からなる配線層と前記配線層を電気的に接続する導体化された穴を有し、隣接する配線層間の導体のみを接続する層間接続用穴を有し、かつ層間接続用穴を設ける部分の絶縁層がレーザ光照射により除去される多層配線板であって、かつガラス基材で補強された樹脂よりなる少なくとも1層以上の第一の絶縁層を有し、さらに少なくとも1層以上の第二の絶縁層と最外配線層の内側にありかつその最外配線層に接する第三の絶縁層を有し、動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合の前記第二の絶縁層の貯蔵弾性率が25℃で4,000〜15,000MPaであり、260℃で50〜1,000MPaであり、かつ動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合の前記第三の絶縁層の貯蔵弾性率が25℃で20〜2,000MPaであり、260℃で2〜50MPaである多層配線板である。このような貯蔵弾性率を有する第三の絶縁層は、(b)アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴムを必須成分として含む。また、第三の絶縁層が、(a)エポキシ樹脂及びその硬化剤100重量部に対し、前記(b)のエポキシ基含有アクリルゴム100〜300重量部及び(c)硬化促進剤0.1〜5重量部を含むと好ましい。さらに、第三の絶縁層が、前記(a)100重量部に対し、前記(b)100〜300重量部、前記(c)0.1〜5重量部及び(d)エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂10〜40重量部を含むと好ましいものである。そして、第三の絶縁層材料100体積部に対して、無機フィラーを1〜50体積部含むと好ましく、無機フィラーが水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非結晶性シリカのいずれかであると好ましい。第二の絶縁層は、電気絶縁性セラミックウィスカを含むことが好ましく、第二の絶縁層材料100体積部に対して、電気絶縁性セラミックウィスカを5〜50体積部含むこと、第二の絶縁層が、エポキシ樹脂とその硬化剤を含むことが好ましい。本発明は、さらに、エポキシ樹脂の硬化剤が、フェノール水酸基を1分子中に2個以上有する化合物であることが好ましい多層配線板である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、半導体チップをフリップチップ実装する最外配線層に接する絶縁層の動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合の貯蔵弾性率が25℃で20〜2,000MPaと低く、他の絶縁層の剛性が高いことを特徴とする高密度多層配線板である。
【0009】
フリップチップ実装において、その接続信頼性を向上させるためには、半導体チップとそれが搭載される配線板の熱膨張率差を小さくすることが一般的である。これは、熱膨張率差を小さくすることで、発生する熱歪みを小さくし、熱歪みを小さくすることで、発生する熱応力を小さくできるためである。
【0010】
有機材料にシリカやアルミナなどの無機フィラーを添加することにより、その熱膨張率を下げることができる。しかし、このような方法では半導体チップに用いられているシリコンの熱膨張率まで下げることは不可能である。
【0011】
先に述べたように接続信頼性を向上させるためには熱応力を緩和させることが有効である。熱応力は接合状態の構造によっても違うが、熱歪みおよび材料の弾性率の増大にともなって大きくなる。このことは、熱歪みが一定の場合、弾性率の低い材料を用いた方が、接続信頼性が良好であることを示唆している。
したがって、低弾性率の絶縁材料を用いた有機材料配線板がフリップチップ実装用配線板に適していることがわかる。しかし、低弾性率の絶縁材料を用いた多層配線板は剛性が低く、板厚を厚くして、剛性を確保しなければ部品実装して使用することができない。
【0012】
これまで述べてきたように、接続信頼性の高い高密度実装基板には、最外配線層に接する配線回路の下部に低弾性率の絶縁層を有する配線板が求められる。しかし、低弾性率化と剛性の確保は一般的に相反するものであり、同時に満足する高密度配線板を得ることは困難であった。
発明者らは、種々の物性を有する絶縁材料を用いた高密度多層配線板について、鋭意検討を重ねた結果、以下のことを見い出した。
1.最外配線層に接する絶縁層の弾性率が低い高密度多層配線板はフリップチップ実装のヒートサイクル試験における接続信頼性が高い。
2.最外配線層に接する絶縁層の弾性率の範囲は、動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合の貯蔵弾性率が25℃で20〜2,000MPa、260℃で2〜50MPaが望ましい。
3.弾性率の高い絶縁層を用いることが、多層配線板の剛性向上に有効である。
4.弾性率の高い絶縁層の範囲は、動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合の貯蔵弾性率が25℃で4,000〜15,000MPa、260℃で50〜1,000MPaが望ましい。
【0013】
発明者らは、種々の絶縁接着剤について検討を重ねた結果、アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴムを必須成分とする接着剤が、弾性率が低い絶縁層材料として最適であり、電気絶縁性セラミックウィスカを必須成分とする接着剤が、弾性率が高い絶縁層材料として最適であることがわかった。これらの材料を用いて、接続信頼性に優れた高密度多層配線板を得ることができた。
【0014】
弾性率が低い絶縁層に用いる接着剤の組成としては、(a)エポキシ樹脂及びその硬化剤を合わせて100重量部に対し、(b)アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴムを100〜300重量部、(c)硬化促進剤0.1〜5重量部、(d)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂10〜40重量部を配合した接着剤を用いることができる。更に、前記接着剤にエポキシ樹脂と非相溶性である重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂1〜50重量部を配合しても良い。
【0015】
本発明において、エポキシ基含有アクリルゴムは、アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体である。
本発明においては、この共重合体中のアクリロニトリルを18〜40重量%とすることが好ましく、18重量%未満では、本発明の樹脂を用いて積層した後の工程において使用される溶剤に樹脂が侵されてしまうというように、耐溶剤性が低くなり、40重量%を超えると、他の成分と相溶性が低下したり、重合が困難となる。
本発明においては、このエポキシ基含有アクリルゴムの重量平均分子量を、10万以上とし、80万以上とすることがさらに好ましい。この範囲とすることにより、シート状、フィルム状での強度や可とう性の低下やタック性の増大がなくなるからである。また、分子量が大きくなるにつれフロー性が小さく、回路充填性が低下してくるので、エポキシ基含有アクリルゴムの重量平均分子量は、200万以下であることが望ましい。
【0016】
官能基モノマーには、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートを用いるが、カルボン酸タイプのアクリル酸や、水酸基タイプのヒドロキシメチル(メタ)アクリレートを構成成分に含むポリマーを用いると、架橋反応が進行しやすく、ワニス状態でのゲル化、Bステージ状態での硬化度の上昇による接着力の低下等の問題があるため好ましくない。
本発明においては、グリシジル(メタ)アクリレートの量を、2〜6重量%の範囲とする。必要な接着力を得るためは2重量%以上を必要とし、ゴムのゲル化を防止するためには6重量以下である必要がある。
残部には、エチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物を用いるが、混合比率は、共重合体のTgを考慮して決定する。
すなわち、Tgが−10℃未満であるとBステージ状態での接着フィルムのタック性が大きくなり取扱性が悪化するので、−10℃以上となるような混合比率とする。このような混合比率は、実験によって求めることができる。例えば、アクリロニトリル:グリシジルメタクリレート:エチルアクリレートの共重合体の場合、組成比(重量比)を30:3:67とすることによって、Tgを−10℃とすることができる。
本発明においては、このエポキシ基含有アクリルゴムを、パール重合、乳化重合等の重合方法により得ることができる。
このようなエポキシ基含有アクリルゴムとしては、市販のものとして、HTR−860P−3(帝国化学産業株式会社製商品名)を使用できる。
【0017】
本発明において使用される(a)のエポキシ樹脂は、硬化して接着作用を呈するものであればよく、二官能以上で、分子量が5,000未満、好ましくは3,000未満のエポキシ樹脂が使用される。特に分子量が500以下のビスフェノールA型またはF型液状樹脂を用いると、積層時の流動性を向上することができて好ましい。
エポキシ樹脂としては、分子量が500以下のビスフェノールA型またはビスフェノールF型液状樹脂を用いることができる。市販のものとしては、エピコート807、エピコート827、エピコート828(いずれも油化シェルエポキシ株式会社製商品名)、D.E.R.330、D.E.R.331、D.E.R.361(いずれも、ダウケミカル日本株式会社製商品名)、YD8125、YDF170(いずれも、東都化成株式会社製商品名)等を使用できる。また、難燃化を図ることを目的に、Br化エポキシ樹脂、非ハロゲン系の難燃性エポキシ樹脂等を使用してもよく、市販のものとして、ESB400(住友化学工業株式会社製、商品名)を使用できる。
【0018】
さらに、低熱膨張化、高Tg化を目的に多官能エポキシ樹脂を加えてもよく、このような多官能エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂が使用できる。
このような多官能エポキシ樹脂としては、市販のものとして、フェノールノボラック型エポキシ樹脂はEPPN−201(日本化薬株式会社製商品名)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂はEOCN1012、EOCN1025、EOCN1027(いずれも、住友化学工業株式会社製商品名)、N−673−80M(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、ナフタレン型エポキシ樹脂はHP−4032(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂はEPPN502(日本化薬株式会社製商品名)等を使用できる。
【0019】
このようなエポキシ樹脂の硬化剤としては、吸湿時の耐電食性に優れている、フェノール水酸基を1分子中に2個以上有する化合物である、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、サリチルアルデヒドノボラック樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂を使用できる。
このような硬化剤としては、市販のものとして、フェノライトLF2882、フェノライトLF2822、バーカムTD−2090、バーカムTD−2149、フェノライトVH4150、フェノライトVH4170(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、NH−7000(日本化薬株式会社製商品名)等を使用できる。
【0020】
本発明においては、このようなエポキシ樹脂及びその硬化剤100重量部に対し、エポキシ基含有アクリルゴムを100〜300重量部配合する。エポキシ基含有アクリルゴムが100重量部未満では、弾性率が増大して発生する熱応力が大きくなり、接続信頼性の低下が起こる。300重量部を超えると、接着性成分の減少による接着性の低下、樹脂流動性の低下による回路充填性の不良等を招きやすい。
【0021】
(c)硬化促進剤には、各種イミダゾール類を用いるのが好ましい。イミダゾールとしては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられる。
このようなイミダゾール類としては、市販のものとして、2E4MZ、2PZ−CN、2PZ−CNS(四国化成工業株式会社製商品名)等を使用できる。
本発明においては、この硬化促進剤を、(a)エポキシ樹脂及びその硬化剤100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲で使用し、0.1重量部未満であると、硬化反応の進行が遅く、絶縁層の硬化不足により、密着性等の特性の低下を招き、また、5重量部を超えると、接着剤ワニス及び接着フィルムとした場合の保存安定性が低下し製品管理に支障をきたす。
【0022】
(d)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂としては、フェノキシ樹脂、重量平均分子量が3万〜8万の高分子量エポキシ樹脂、重量平均分子量が8万より大きい超高分子量エポキシ樹脂、極性の大きい官能基含有ゴム等を使用できる。このうちで、極性の大きい官能基含有ゴムとは、アクリロニトリル−ブタジエンゴムやアクリルゴムに、カルボキシル基のような極性が大きい官能基を付加したゴムである。ここで、エポキシ樹脂と相溶性があるとは、硬化後にエポキシ樹脂と分離して二つ以上の相に分かれることなく、均質混和物を形成する性質を言う。
【0023】
フェノキシ樹脂としては、市販のものとして、フェノトートYP−40、フェノトートYP−50(いずれも、東都化成株式会社製商品名)等を使用できる。高分子量エポキシ樹脂、超高分子量エポキシ樹脂としては、市販のものとして、HME(日立化成工業株式会社製商品名)を使用できる。また、極性の大きい官能基含有ゴムとしては、市販のものとして、カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴムのPNR−1(日本合成ゴム株式会社製商品名)、ニポール1072(日本ゼオン株式会社製商品名)等、カルボキシル基含有アクリルゴムのHTR−860P(帝国化学産業株式会社製商品名)を使用できる。
【0024】
本発明においては、この(d)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂を、(a)エポキシ樹脂及びその硬化剤100重量部に対し、10〜40重量部の範囲で用いることが好ましく、40重量部を超えると、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂と相溶性のある高分子量樹脂の相の割合が大きくなり、エポキシ樹脂と非相溶性の高分子量成分を主成分とする柔軟な相の割合が少なくなることにより、弾性率が増大して発生する熱応力が大きくなり、接続信頼性の低下が起こる。
【0025】
エポキシ樹脂と非相溶性でありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量成分としては、未変性アクリルゴム、極性の小さい官能基含有ゴムなどがあり、極性の小さい官能基含有ゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴムやアクリルゴムに、エポキシのような極性が小さい官能基を付加したゴムである。
【0026】
エポキシ樹脂と相溶性である高分子量樹脂およびエポキシ樹脂と非相溶性である高分子量樹脂の重量平均分子量は、いずれも3万以上である必要がある。エポキシ樹脂と相溶性の分子とエポキシ樹脂と非相溶性の分子とが互いに絡み合うことにより、相分離を防ぐためである。
【0027】
本発明においては、室温での取扱性を向上させるために、エポキシ樹脂と非相溶性の高分子量樹脂の配合量を、(a)エポキシ樹脂及びその硬化剤100重量部に対し、1〜50重量部配合することができる。
【0028】
本発明においては、絶縁層となる接着剤の取り扱い性の向上、難燃性の付与、溶融粘度の調整、熱膨張率の低減などを目的として、無機フィラーを接着剤(樹脂成分と無機フィラー成分の和)100体積部に対して、1〜50体積部配合することが好ましい。配合の効果の点から1体積部以上、配合量が多くなると、接着剤の貯蔵弾性率の上昇、接着性の低下、ボイド残存による電気特性の低下等の問題を起こすので50体積部以下とされる。
【0029】
無機フィラーとしては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非結晶性シリカなどが挙げられる。
【0030】
本発明においては、樹脂と無機フィラーの界面結合をよくするために、カップリング剤を配合することが好ましい。カップリング剤としては、シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0031】
前記したシランカップリング剤は、市販のものとして、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであるNUC A−187(日本ユニカー株式会社製商品名)、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランであるNUC A−189(日本ユニカー株式会社製商品名)、γ−アミノプロピルトリエトキシシランであるNUC A−1100(日本ユニカー株式会社製商品名)、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランであるNUC A−1160(日本ユニカー株式会社製商品名)、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランであるNUC A−1120(日本ユニカー株式会社製商品名)が使用できる。
【0032】
本発明においては、このカップリング剤の配合量を、無機フィラー100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲とすることが好ましく、0.5重量部未満では、密着性向上の効果がなく、10重量部を超えると、耐熱性低下、コストの上昇など問題点を生ずる。
【0033】
さらに、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、無機イオン吸着剤を配合してもよい。このような無機イオン吸着剤としては、単にイオンを吸着するものと、イオン交換反応を示す無機イオン交換体と、この両者の性質を併せ持つものとがある。
このように単にイオンを吸着するものとしては、多孔性固体の吸着性を利用して液体、固体から物質移動を行いイオンを分離する無機物質であり、耐熱性、耐薬品性に優れた活性炭、天然及び合成ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、活性白土などが挙げられる。
【0034】
無機イオン交換体は、イオン交換反応により液体、固体からイオンを分離するものであり、合成アルミノケイ酸、塩例えば合成ゼオライト、金属の含水酸化物、例えば水和五酸化アンチモン、多価金属の酸性塩、例えばリン酸ジルコニウムなどが挙げられる。シリカゲルや活性白土も無機イオン交換体として作用する。ハイドロタルサイトは、ハロゲンを捕捉することが知られており、無機イオン交換体の一種である。
【0035】
このような無機イオン吸着剤としては、市販のものとして、ジルコニウム系化合物を成分とするIXE−100(東亜合成化学工業株式会社製商品名)、アンチモンビスマス系化合物を成分とするIXE−600(東亜合成化学工業株式会社製商品名)、マグネシウムアルミニウム系化合物を主成分とするIXE−700(東亜合成化学工業株式会社製商品名)、ハイドロタルサイトであるDHT−4A(協和化学工業製商品名)を使用できる。
【0036】
この無機イオン吸着剤の配合は、樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲が好ましく、0.5部未満であると、吸湿時の絶縁信頼性を改善できず、10重量部を超えると、耐熱性の低下、コストの上昇等の問題点を生じる。
【0037】
この他、必要により、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため、銅害防止剤として知られる化合物、例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤を配合してもよい。ビスフェノール系還元剤としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第3−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−第3−ブチルフェノール)が挙げられる。
【0038】
トリアジンチオール化合物を成分とする銅害防止剤としては、ジスネットDB(三協製薬株式会社製商品名)を、ビスフェノール系還元剤を成分とする銅害防止剤としては、ヨシノックスBB(吉富製薬株式会社製商品名)を市販品として使用できる。
【0039】
弾性率が高い第二の絶縁層に用いる絶縁層となる接着剤の組成としては、電気絶縁性セラミックウィスカを含み、エポキシ樹脂及びその硬化剤と硬化促進剤を配合した絶縁層となる接着剤を用いることができる。
電気絶縁性セラミックウィスカは、接着剤(樹脂成分とウィスカ成分の和)100体積部に対して、5〜50体積部配合することが好ましい。高弾性率を確保するために5体積部以上、接着性の低下、ボイド残存による電気特性の低下等の問題を起こすので50体積部以下とするのが好ましい。
【0040】
本発明において、電気絶縁性セラミックウィスカは、平均直径が0.3〜3μm、平均長さが平均直径の5倍以上であることが好ましい。
平均直径が、0.3μm未満であると、接着剤へ分散させる工程において、破砕が起こりやすく、3μmを超えると、接着剤のフィルム化の工程で表面に凹凸が起こりやすく、好ましくない。
平均長さが平均直径の5倍未満であると、接着剤の高弾性率化効果が小さい。好ましくは、20倍以上であることが望ましい。また、配線間の絶縁信頼性を確保するために、100μm以下であることが好ましい。
【0041】
電気絶縁性セラミックウィスカとしては、ホウ酸アルミニウム、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、窒化ケイ素、α−アルミナ等などが挙げられる。
【0042】
本発明において弾性率が高い絶縁層に用いるエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂、硬化促進剤には、弾性率が低い絶縁層において提示したものを用いることができる。また必要に応じて無機イオン吸着剤、銅害防止剤を用いることもできる。これらについても、弾性率が低い絶縁層において提示したものを用いることができる。
【0043】
本発明の絶縁層材料のワニスの製造法は、樹脂成分と無機フィラー成分を十分に分散できる混合方法ならば、特に制限はない。たとえば、プロペラ撹拌により、各樹脂を溶剤に溶解・分散してワニス状とした後に、ビーズミルを用いて無機フィラーと樹脂ワニスを混練することにより、樹脂と無機フィラーが十分に分散されたワニスを得ることができる。混練に用いる機械は、ビーズミルの他に3本ロールやらいかい機などが使用でき、これらを組み合わせてもよい。また、無機フィラーと低分子量成分とをあらかじめ混合した後、高分子量樹脂を配合することにより、混合に要する時間を短縮することが可能である。これらのワニスを作製した後、真空脱気により、ワニス中の気泡を除去することが望ましい。
【0044】
ワニス化の溶剤は、比較的低沸点の、メチルエチルケントン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トルエン、ブチルセルソルブ、メタノール、エタノール、2−エトキシエタノールなどを用いるのが好ましい。また塗膜性を向上するなどの目的で、高沸点溶剤を加えてもよい。高沸点溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0045】
本発明の絶縁層材料のBステージ(半硬化状態)の絶縁層となる接着フィルムは、ワニスをプラスチックフィルム等のフィルム状基材上に塗布し、加熱して溶剤を除去して得ることができる。また、接着フィルムの保護を目的にフィルム状基材と接する接着フィルム面と反対側に、カバーフィルムを使用してもよい。これらのフィルム状基材は基板積層プレスの際に剥離されるものである。
フィルム状基材及びカバーフィルムに用いるプラスチックフィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等が使用できる。
プラスチックフィルムには、ポリイミドフィルムであるカプトン(東レ・デュポン株式会社製商品名)、アピカル(鐘淵化学工業株式会社製商品名)、ポリエチレンテレフタレートフィルムであるルミラー(東レ・デュポン株式会社製商品名)、ピューレックス(帝人株式会社製、商品名)等が、市販のものとして使用できる。
【0046】
フィルム状基材の代わりに銅箔を用いてもよい。銅箔は基板との積層後に回路配線を形成する材料としてそのまま用いることができる。
銅箔には、市販のものとして、SDGR、SDGL(いずれも、日本電解株式会社製商品名)、TSA、GTS(いずれも、古河サーキットホイル株式会社製商品名)、JTC(日鉱グールドフォイル株式会社製商品名)等を使用できる。
【0047】
高密度多層配線板としては、隣接する配線層間の導体のみを接続するインタースティシャルバイアホール(以下、IVHという。)や、ベリードバイアホール(以下、BVHという。)を用いたものが好ましい。このIVHやBVHを有する多層配線板としては、ビルドアップ多層配線板がある。
このビルドアップ多層配線板は、以下のような方法により製造できる。めっきスルーホールと内層回路とが形成された内層回路板のスルーホールにシルクスクリーン印刷法などによって、穴が完全に塞がるように熱硬化性樹脂を埋め、加熱して硬化した後、穴からはみ出した樹脂を研磨等により除去し、接着剤を有する導体箔を加熱加圧し、導体箔の層間接続用穴を設ける部分をエッチング除去し、その部分の絶縁層(硬化した前記接着剤)を除去し、めっきなどにより、その層間接続用穴の内壁の金属化を行い、表面の導体層の不要な部分をエッチングすることにより回路を形成する。接着剤を有する導体箔の代わりに接着フィルムと導体箔を用いてもよい。この手法により、絶縁層と配線層を1層づつ形成することができる。この回路を形成したものを内層回路板とすれば、上記と同様の手法によりさらに1層づつの絶縁層と配線層が形成でき、これを繰り返すことによって、必要とする回路を有する多層配線板を得ることができる。
【0048】
本発明においては、フィルム状基材または銅箔上に弾性率が低い絶縁層となる接着剤および弾性率が高い絶縁層となる接着剤をBステージ状態に硬化させたものを順次積層していく絶縁層材料として用いることができる。
層間接続用穴を設ける部分の絶縁層は、レーザ光照射により除去できる。レーザは、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ等を用いることができる。生産性の点からは、炭酸ガスレーザが好ましい。このときのレーザ光の照射条件は、時間が短く、出力の大きなパルス状の発振をするものが好ましい。例えば、制御できる条件の範囲が、1パルスの幅:1〜40μsec、パルス繰り返し周波数:150〜10,000Hz、繰り返しパルス数:1〜10パルス、出力パルス数:2〜5パルスを包含するレーザ発振器が、制御しやすく好ましい。この場合の出力は、エネルギー密度にして、15〜40J/cm2の範囲である。
時間あたりの出力が、上記範囲未満であると、絶縁層の樹脂を蒸発、発散することができず、上記範囲を超えると、必要以上の穴径となり制御が困難で、一旦蒸発した樹脂が炭化して付着することもあり、付着した炭化物の除去を行わなければならない。
【0049】
本発明における弾性率の低い第三の絶縁層は、その貯蔵弾性率が、25℃で20〜2,000MPa、260℃で2〜50MPaであることが必要である。この値を超えると、半導体チップを実装した基板の接続信頼性が低下する。弾性率の高い第二の絶縁層は、その貯蔵弾性率が、25℃で4,000〜15,000MPa、260℃で50〜1,000MPaであることが必要である。この値よりも低いと、基板の剛性が低く部品実装後に変形が起こりやすい。
なお、ここで、弾性率とは、動的粘弾性測定装置で測定した貯蔵弾性率を指し、その測定は、接着剤硬化物に引張り荷重をかけて、周波数10Hz、昇温速度5〜10℃/分で−50℃から300℃まで測定する温度依存性モードで行った。
以下に、本発明を、実施例によって具体的に説明する。
【0050】
【実施例】
(絶縁層となる接着フィルムの作製)
実施例及び比較例に用いた絶縁層となる接着フィルムの組成を表1〜表3にまとめて示した。表1に示す組成中で、硬化促進剤、カップリング剤及び無機フィラーを除くものを、1.0リットルのメチルエチルケトンに、200gを加え、これを混合し、均一に溶解させた。この樹脂とメチルエチルケトンからなるワニスに、カップリング剤及び無機フィラーを加え、ビーズミル混練した。そして、硬化促進剤を添加し、真空脱気してワニスを調整した。このワニスをフィルム状基材としてベースキャリアで示したプラスチックフィルム、または銅箔上に流延した後、140℃で5分間加熱乾燥し、厚さ50μmの半硬化状の絶縁層となる接着フィルムを作製した。
尚、各組成の物質名および接着フィルム、ベースキャリアは、以下の通りである。
(a)エポキシ基含有アクリルゴム
HTR−860P−3(帝国化学産業株式会社製商品名、分子量100万)
(b)エポキシ樹脂
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂;
エピコート828(油化シェルエポキシ株式会社製商品名)
YD8125(東都化成工業株式会社製商品名)
.多官能エポキシ樹脂
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;
ESCN001(住友化学工業株式会社製商品名)
N−673−80M(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)
サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂;
TACTIX742(ダウケミカル社製商品名)
EPPN502(日本化薬株式会社製商品名)
ナフタレン骨格型エポキシ樹脂;
NC7000(日本化薬株式会社製商品名)
・難燃化エポキシ樹脂;
ESB−400(住友化学工業株式会社製商品名)
・硬化剤
ビスフェノールAノボラック樹脂;
フェノライトLF2822(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)
フェノライトLF2882(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)
ナフタレン骨格樹脂;
NH7000(日本化薬株式会社製商品名)
(c)硬化促進剤
1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール;
2PZ−CN(四国化成工業株式会社製商品名)
(d)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量
樹脂
・フェノキシ樹脂;
フェノトートYP−50(東都化成株式会社製商品名、分子量5万)
(e)エポキシ樹脂と非相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子
量樹脂
・エポキシ基含有アクリルゴム;
SG80−H(帝国化学産業株式会社製商品名、分子量35万)
(f)無機フィラー
・シリカフィラー;
ヒューズレックスZA−30C(株式会社龍森製商品名)
FB−301(電気化学工業株式会社商品名)
SO−25R(株式会社龍森製商品名)
・アルミナフィラー;
UA−5055(昭和電工株式会社製商品名)
・ホウ酸アルミニウムウィスカ
アイボレックスYS−12(四国化成工業株式会社商品名)
(g)カップリング剤
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;
NUC A−187(日本ユニカー株式会社製商品名)
(h)無機イオン吸着剤
アンチモンビスマス系化合物;
IXE−600(東亜合成化学工業株式会社製商品名)
(i)銅害防止剤
ビスフェノール系還元剤;
ヨシノックスBB(吉富製薬株式会社製商品名)
(j)溶剤
メチルエチルケトン
(k)フィルム状基材
プラスチックフィルム;
ピューレックス(帝人株式会社製商品名)
銅箔;
TSA (古河サーキットホイル株式会社製商品名)
【0051】
実施例1〜35
表4に実施例で用いた絶縁層材料と試験結果をまとめて示した。実施例で作製した多層配線板の製造方法は以下の通りに行った。
銅箔厚み18μm、板厚0.4mmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679(日立化成工業株式会社商品名)に常法によりドリル穴開け、無電解銅めっきを行った後、銅箔表面にエッチングレジストを形成し、不要な銅箔をエッチング除去して、回路パターンおよびスルーホールを有する回路板を作製した。この回路板のスルーホール部にスクリーン印刷法により、穴埋め樹脂としてCCT−650TH(株式会社アサヒ化学研究所商品名)を充填し、170℃、1時間の加熱硬化を行い、表面の不要な樹脂を研磨により取り除いた。この回路板の回路表面に、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする黒化処理と、ジメチルアミノボランを主成分とする還元処理によって、粗化処理を行った。
表4の絶縁層2に示す接着フィルム/回路板/表4の絶縁層2に示す接着フィルムの順に重ね、170℃、2.5Mpa、60分のプレス条件で、加熱加圧し積層一体化した。
この回路板表面にエッチングレジストを形成し、エッチングによりバイアホールを形成するための銅箔開口部を設けた。この開口部に露出した絶縁層にエネルギー密度20J/cm2、発振時間5μsec、発振周波数250Hz、3パルスの条件で炭酸ガスレーザを照射することにより、前記内層板の回路導体が露出するまで除去して、バイアホールを形成し、無電解銅めっきによりバイアホール内を電気的に接続した。この回路板表面にエッチングレジストを形成し、不要な銅箔をエッチング除去して、回路パターンおよびバイアホールを有する回路板を作製した。
フィルム状基材がプラスチックフィルムの場合には、18μm銅箔TSA/表4の絶縁層3に示す接着フィルム/回路板/表4の絶縁層3に示す接着フィルム/18μm銅箔TSA、フィルム状基材が銅箔の場合には、表4の絶縁層3に示す銅箔付接着フィルム/回路板/表4の絶縁層3に示す銅箔付接着フィルムの順に重ね、前述のプレス条件で、加熱加圧し積層一体化した。フィルム状基材は表1〜3中に○印で示した。
この回路板表面にエッチングレジストを形成し、エッチングによりバイアホールを形成するための銅箔開口部を設けた。この開口部に露出した絶縁層に前述の条件で炭酸ガスレーザを照射することにより、前記内層板の回路導体が露出するまで除去して、バイアホールを形成した後にドリルにより直径0.5mmのスルーホールを形成した。この回路板のバイアホールとスルーホール内を無電解銅めっきにより電気的に接続した。この回路板表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔をエッチング除去して、多層配線板を得た。
スクリーン印刷により、接続パッドパターンの部分にはんだペーストを印刷し、半導体チップを位置合わせして配置した後、IRリフローを用いてはんだを溶融させて、半導体チップを多層配線板にフリップチップ実装し,図1に示すような実装基板を作製した。
【0052】
比較例1〜6
絶縁層となる接着フィルムに表4中に示すものを用いた他は、実施例と同様の条件で多層配線板を作製し、実装基板を作製した。
【0053】
上記で作製した実装基板について接続信頼性と曲げ強度を測定し、その結果を表4に示した。
試験方法は以下の方法により行った。
(絶縁層となる接着剤フィルム硬化物の貯蔵弾性率)
絶縁層となる接着フィルムを170℃で1時間硬化させ、接着フィルム硬化物を作製した。貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置DVE−V4(株式会社レオロジ製商品名)を用いて、長さ20mm、幅4mm、厚み80μmの試料を、昇温速度5℃/分、引張りモード、自動静荷重で20〜280℃まで測定した。
(接続信頼性試験)
実施例、比較例で作製した実装基板を、熱衝撃試験で評価した。気相で行う熱衝撃試験機を用い、試験条件は、−55℃の低温雰囲気に30分間放置し、その後125℃の高温雰囲気に30分間放置する工程を1サイクルとした。低温雰囲気から高温雰囲気に変わるとき、及びその逆のときには、室温雰囲気に5分間放置した。100サイクル毎に接続部の導通抵抗を測定し、初期値から10%以上上昇したところを終点とした。評価は、終点が500サイクル以上のものを良好とし○で示した。500サイクル未満ののものを不良とし×で示した。
(多層配線板曲げ強度)
実施例、比較例で作製した多層配線板を、JIS C6481に準じて、3点曲げ法により曲げ強度(曲げ強さ)を測定した。評価は、曲げ強度が20GPa以上のものを良好とし○で示した。20GPa未満ののものを不良とし×で示した。
【0054】
【表1】
Figure 0003944795
【0055】
【表2】
Figure 0003944795
【0056】
【表3】
Figure 0003944795
【0057】
【表4】
Figure 0003944795
【0058】
実施例1〜35は、いずれも、最外配線層の内側にありかつその最外配線層に接するビルドアップ絶縁層(第三の絶縁層、絶縁層3)の動的粘弾性測定装置を用いて測定した貯蔵弾性率が25℃で20〜2,000MPa、260℃で2〜50MPaであり、その他のビルドアップ絶縁層(第二の絶縁層、絶縁層2)の貯蔵弾性率が25℃で4,000〜15,000MPa、260℃で50〜1,000MPaである高密度多層配線板である。これらを用いた実装基板はいずれも接続信頼性に優れている。さらに、これらの高密度多層配線板は、曲げ強度が高くたわみが小さい。
【0059】
また、比較例1は、絶縁層2に含まれる電気絶縁性セラミックウィスカが少ないために弾性率が低く、基板の曲げ強度が低くたわみが大きい。比較例2は、絶縁層3に含まれる低弾性率成分のエポキシ基含有アクリルゴムが少ないために弾性率が高く、接続信頼性に劣る。比較例3は、絶縁層3に含まれるエポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂のフェノキシ樹脂量が多いために弾性率が高く、接続信頼性に劣る。比較例4は、絶縁層3に含まれる無機フィラー量が多いために弾性率が高く、接続信頼性に劣る。比較例5は、絶縁層3の弾性率が高く、接続信頼性に劣る。比較例6は、絶縁層2の弾性率が低く、基板の曲げ強度が低くたわみが大きい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により接続信頼性に優れたフリップチップ実装基板を得ることのできる高密度多層配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の一部の構造を示す斜視断面図である。
【符号の説明】
1.絶縁層1(第一の絶縁層)
2.絶縁層2(第二の絶縁層)
3.絶縁層3(第三の絶縁層)
4.IVH
5.フリップチップ実装した素子

Claims (9)

  1. 複数の絶縁層と複数の導体からなる配線層と前記配線層を電気的に接続する導体化された穴を有し、隣接する配線層間の導体のみを接続する層間接続用穴を有し、かつ層間接続用穴を設ける部分の絶縁層がレーザ光照射により除去される多層配線板であって、かつガラス基材で補強された樹脂よりなる少なくとも1層以上の第一の絶縁層を有し、さらに少なくとも1層以上の第二の絶縁層と最外配線層の内側にありかつその最外配線層に接する第三の絶縁層を有し、動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合の前記第二の絶縁層の貯蔵弾性率が25℃で4,000〜15,000MPaであり、260℃で50〜1,000MPaであり、かつ動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合の前記第三の絶縁層の貯蔵弾性率が25℃で20〜2,000MPaであり、260℃で2〜50MPaであり、第三の絶縁層が、アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴムを必須成分として含むことを特徴とする多層配線板。
  2. 第三の絶縁層が、(a)エポキシ樹脂及びその硬化剤100重量部に対し、(b)アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート若しくはブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴム100〜300重量部及び(c)硬化促進剤0.1〜5重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の多層配線板。
  3. 第三の絶縁層が、(a)エポキシ樹脂及びその硬化剤100重量部に対し、(b)アクリロニトリル18〜40重量%、官能基モノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%及び残部がエチル(メタ)アクリレート及びブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物から得られる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリルゴム100〜300重量部、(c)硬化促進剤0.1〜5重量部及び(d)エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂10〜40重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の多層配線板。
  4. 第三の絶縁層材料100体積部に対して、無機フィラーを1〜50体積部含むことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の多層配線板。
  5. 第三の絶縁層に含む無機フィラーが、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非結晶性シリカのいずれかであることを特徴とする請求項に記載の多層配線板。
  6. 第二の絶縁層が、電気絶縁性セラミックウィスカを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の多層配線板。
  7. 第二の絶縁層材料100体積部に対して、電気絶縁性セラミックウィスカを5〜50体積部含むことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の多層配線板。
  8. 第二の絶縁層が、エポキシ樹脂とその硬化剤を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の多層配線板。
  9. エポキシ樹脂の硬化剤が、フェノール水酸基を1分子中に2個以上有する化合物である請求項ないし請求項のいずれかに記載の多層配線板。
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