JP2002179818A - プリプレグ用多孔質複合シート及び配線基板プリプレグ - Google Patents
プリプレグ用多孔質複合シート及び配線基板プリプレグInfo
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- JP2002179818A JP2002179818A JP2000381213A JP2000381213A JP2002179818A JP 2002179818 A JP2002179818 A JP 2002179818A JP 2000381213 A JP2000381213 A JP 2000381213A JP 2000381213 A JP2000381213 A JP 2000381213A JP 2002179818 A JP2002179818 A JP 2002179818A
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- sheet
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 基板面内の方向のみでなく、基板高さ方向に
ついても熱線膨張係数を大幅に改善することでき、しか
も十分な強度を有するプリプレグ用多孔質複合シート、
及びそれを用いた配線基板プリプレグを提供する。 【解決手段】 芳香族ポリアミド繊維を含むシート状繊
維集合体の繊維間に、芳香族ポリアミドを含む多孔質相
を充填してあるプリプレグ用多孔質複合シート。
ついても熱線膨張係数を大幅に改善することでき、しか
も十分な強度を有するプリプレグ用多孔質複合シート、
及びそれを用いた配線基板プリプレグを提供する。 【解決手段】 芳香族ポリアミド繊維を含むシート状繊
維集合体の繊維間に、芳香族ポリアミドを含む多孔質相
を充填してあるプリプレグ用多孔質複合シート。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状繊維集合
体の繊維間に多孔質相を充填してあるプリプレグ用多孔
質複合シート、及びそれを用いた配線基板プリプレグに
関し、プリント配線基板の基材層や絶縁層等の形成工程
に有用である。
体の繊維間に多孔質相を充填してあるプリプレグ用多孔
質複合シート、及びそれを用いた配線基板プリプレグに
関し、プリント配線基板の基材層や絶縁層等の形成工程
に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子機器などに使用されるプ
リント配線基板の基材層や絶縁層等の形成工程には、熱
硬化性樹脂をガラス繊維織物や高分子不織布などに含浸
させて半硬化させたプリプレグ等が使用されてきた。通
常、プリプレグは銅箔に積層されて使用され、例えば、
当該積層体を熱プレスすることによって、下層の配線層
等に積層・硬化させる工程と、銅箔に配線パターンを形
成する工程とを繰り返すことにより、配線層と絶縁層が
順次積層された多層構造が形成される。また、プリプレ
グの両面に熱プレスにて銅箔を積層した積層体が、多層
配線基板のコア基板や両面配線基板に使用されている。
リント配線基板の基材層や絶縁層等の形成工程には、熱
硬化性樹脂をガラス繊維織物や高分子不織布などに含浸
させて半硬化させたプリプレグ等が使用されてきた。通
常、プリプレグは銅箔に積層されて使用され、例えば、
当該積層体を熱プレスすることによって、下層の配線層
等に積層・硬化させる工程と、銅箔に配線パターンを形
成する工程とを繰り返すことにより、配線層と絶縁層が
順次積層された多層構造が形成される。また、プリプレ
グの両面に熱プレスにて銅箔を積層した積層体が、多層
配線基板のコア基板や両面配線基板に使用されている。
【0003】近年、上記のような配線基板は、配線の高
集積化のために、配線パターンがより微細化すると共
に、多層構造化や各層の薄層化が行われている。例え
ば、上記のコア基板については、厚みの薄いプリプレグ
をレーザービア加工して貫通孔を形成した後、その内部
に導電性ペーストを充填してその表面を凸状とし、その
凸部に圧接するように両面から銅箔を積層して熱プレス
することで銅箔層間を導電接続したものが知られてい
る。
集積化のために、配線パターンがより微細化すると共
に、多層構造化や各層の薄層化が行われている。例え
ば、上記のコア基板については、厚みの薄いプリプレグ
をレーザービア加工して貫通孔を形成した後、その内部
に導電性ペーストを充填してその表面を凸状とし、その
凸部に圧接するように両面から銅箔を積層して熱プレス
することで銅箔層間を導電接続したものが知られてい
る。
【0004】しかしながら、上記のようなプリプレグと
して、ガラス繊維織物にエポキシ樹脂を含浸したものを
使用すると、レーザービア加工を行う際に、ガラス繊維
により穴あけ加工が困難になるという問題があった。そ
こで、レーザービア加工がより容易に行える高分子不織
布を補強相に使用したプリプレグが各種提案されてい
る。
して、ガラス繊維織物にエポキシ樹脂を含浸したものを
使用すると、レーザービア加工を行う際に、ガラス繊維
により穴あけ加工が困難になるという問題があった。そ
こで、レーザービア加工がより容易に行える高分子不織
布を補強相に使用したプリプレグが各種提案されてい
る。
【0005】一方、配線基板は、その製造工程や電子部
品の実装工程等において、加熱を伴う多くの工程を経る
ため、配線基板の絶縁層は、配線パターンを形成する銅
と同程度の熱線膨張係数を有することが望ましい。そし
て、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂は一般に正の熱線膨
張係数を有するため、負の熱膨張係数を有する芳香族ポ
リアミド繊維からなる不織布が、プリプレグ用の補強相
として注目されている。
品の実装工程等において、加熱を伴う多くの工程を経る
ため、配線基板の絶縁層は、配線パターンを形成する銅
と同程度の熱線膨張係数を有することが望ましい。そし
て、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂は一般に正の熱線膨
張係数を有するため、負の熱膨張係数を有する芳香族ポ
リアミド繊維からなる不織布が、プリプレグ用の補強相
として注目されている。
【0006】このような不織布としては、p−フェニレ
ンテレフタラミド繊維やp−フェニレンジフェニルエー
テルテレフタラミド繊維と、m−フェニレンイソフタラ
ミド繊維を混合抄造し、繊維同士を樹脂バインダーで結
着させたものが一般的であり、この不織布に熱硬化性樹
脂を含浸させてプリプレグが製造される。
ンテレフタラミド繊維やp−フェニレンジフェニルエー
テルテレフタラミド繊維と、m−フェニレンイソフタラ
ミド繊維を混合抄造し、繊維同士を樹脂バインダーで結
着させたものが一般的であり、この不織布に熱硬化性樹
脂を含浸させてプリプレグが製造される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、芳香族
ポリアミド繊維の不織布を用いたプリプレグでは、基板
面内の方向(XY方向)についての熱線膨張係数は大き
く改善されるものの、基板高さ方向(Z方向)について
は、改善効果がほとんどないことが判明した。そして、
当該Z方向の熱線膨張係数が大きくなると、層間接続構
造の材質や形状にもよるが、層間接続の信頼性や耐久性
が低下したり、また、基板内部におけるパターン部と非
パターン部とのZ方向の熱線膨張係数の差により、積層
工程において基板表面の平滑性が維持できなくなること
が判明した。
ポリアミド繊維の不織布を用いたプリプレグでは、基板
面内の方向(XY方向)についての熱線膨張係数は大き
く改善されるものの、基板高さ方向(Z方向)について
は、改善効果がほとんどないことが判明した。そして、
当該Z方向の熱線膨張係数が大きくなると、層間接続構
造の材質や形状にもよるが、層間接続の信頼性や耐久性
が低下したり、また、基板内部におけるパターン部と非
パターン部とのZ方向の熱線膨張係数の差により、積層
工程において基板表面の平滑性が維持できなくなること
が判明した。
【0008】なお、プリプレグの補強相として、芳香族
ポリアミドからなる多孔質フィルムを用いる技術も知ら
れているが、強度が不十分であるため、熱プレス時に多
孔質部分で亀裂が生じる場合がある。
ポリアミドからなる多孔質フィルムを用いる技術も知ら
れているが、強度が不十分であるため、熱プレス時に多
孔質部分で亀裂が生じる場合がある。
【0009】そこで、本発明の目的は、基板面内の方向
のみでなく、基板高さ方向についても熱線膨張係数を大
幅に改善することでき、しかも十分な強度を有するプリ
プレグ用多孔質複合シート、及びそれを用いた配線基板
プリプレグを提供することにある。
のみでなく、基板高さ方向についても熱線膨張係数を大
幅に改善することでき、しかも十分な強度を有するプリ
プレグ用多孔質複合シート、及びそれを用いた配線基板
プリプレグを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究したところ、芳香族ポリアミド繊
維を含むシート状繊維集合体の繊維間に、芳香族ポリア
ミドを含む多孔質相を充填することにより、上記目的が
達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
を達成すべく鋭意研究したところ、芳香族ポリアミド繊
維を含むシート状繊維集合体の繊維間に、芳香族ポリア
ミドを含む多孔質相を充填することにより、上記目的が
達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】本発明のプリプレグ用多孔質複合シート
は、芳香族ポリアミド繊維を含むシート状繊維集合体の
繊維間に、芳香族ポリアミドを含む多孔質相を充填して
あるものである。
は、芳香族ポリアミド繊維を含むシート状繊維集合体の
繊維間に、芳香族ポリアミドを含む多孔質相を充填して
あるものである。
【0012】上記において、前記多孔質相の空孔率が3
0〜98%であることが好ましい。
0〜98%であることが好ましい。
【0013】一方、本発明の配線基板プリプレグは、上
記のプリプレグ用多孔質複合シートと、その孔内に含浸
された熱硬化性樹脂の半硬化物とを含むものである。こ
こで熱硬化性樹脂の半硬化物とは、完全に硬化反応が終
了しておらず、樹脂がある程度固化した状態のものを指
す。
記のプリプレグ用多孔質複合シートと、その孔内に含浸
された熱硬化性樹脂の半硬化物とを含むものである。こ
こで熱硬化性樹脂の半硬化物とは、完全に硬化反応が終
了しておらず、樹脂がある程度固化した状態のものを指
す。
【0014】[作用効果]本発明の多孔質複合シートに
よると、シート状繊維集合体の繊維間に熱線膨張係数が
小さい芳香族ポリアミドを含む多孔質相を充填してある
ため、実施例の結果が示すように、プリプレグのZ方向
の熱線膨張係数を大幅に改善することができる。その理
由の詳細は不明であるが、従来技術のように多孔質相が
無い場合は、Z方向の熱硬化性樹脂の膨張を繊維よって
拘束することができず、更に、繊維の径方向の熱線膨張
係数が軸方向と比べて大きいのに対して、本発明では多
孔質相がZ方向の熱硬化性樹脂の膨張を拘束することが
でき、しかも多孔質相の熱線膨張係数が方向によって大
きく変化しないためと推定される。なお、芳香族ポリア
ミドは、熱線膨張係数が小さい他、耐熱性、低吸湿性を
有し、しかも芳香族ポリアミド繊維を含むため、プリプ
レグとして十分な強度が得られる。
よると、シート状繊維集合体の繊維間に熱線膨張係数が
小さい芳香族ポリアミドを含む多孔質相を充填してある
ため、実施例の結果が示すように、プリプレグのZ方向
の熱線膨張係数を大幅に改善することができる。その理
由の詳細は不明であるが、従来技術のように多孔質相が
無い場合は、Z方向の熱硬化性樹脂の膨張を繊維よって
拘束することができず、更に、繊維の径方向の熱線膨張
係数が軸方向と比べて大きいのに対して、本発明では多
孔質相がZ方向の熱硬化性樹脂の膨張を拘束することが
でき、しかも多孔質相の熱線膨張係数が方向によって大
きく変化しないためと推定される。なお、芳香族ポリア
ミドは、熱線膨張係数が小さい他、耐熱性、低吸湿性を
有し、しかも芳香族ポリアミド繊維を含むため、プリプ
レグとして十分な強度が得られる。
【0015】前記多孔質相の空孔率が30〜98%であ
る場合、孔内に充填された熱硬化性樹脂のZ方向の膨張
を十分拘束して熱線膨張係数を確実に改善することがで
き、しかも、プリプレグとして十分な量の熱硬化性樹脂
を含浸させることができる。
る場合、孔内に充填された熱硬化性樹脂のZ方向の膨張
を十分拘束して熱線膨張係数を確実に改善することがで
き、しかも、プリプレグとして十分な量の熱硬化性樹脂
を含浸させることができる。
【0016】一方、本発明の配線基板プリプレグによる
と、上記のプリプレグ用多孔質複合シートを用いるた
め、基板面内の方向のみでなく、基板高さ方向について
も熱線膨張係数を大幅に改善することでき、しかも十分
な強度を有する。その結果、層間接続構造の材質や形状
にもよるが、層間接続の信頼性や耐久性が向上し、基板
表面の平滑性も良好になる。
と、上記のプリプレグ用多孔質複合シートを用いるた
め、基板面内の方向のみでなく、基板高さ方向について
も熱線膨張係数を大幅に改善することでき、しかも十分
な強度を有する。その結果、層間接続構造の材質や形状
にもよるが、層間接続の信頼性や耐久性が向上し、基板
表面の平滑性も良好になる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明におけるシート状繊維集合
体は、芳香族ポリアミド繊維を含むものであるが、シー
ト状繊維集合体としては、不織布又は織布の何れでもよ
く、各種の製法により得られた市販品を何れも使用する
ことができる。また、市販の芳香族ポリアミド繊維を使
用して、混合抄造、ニードルパンチ、水流絡合法、接着
剤による接着法、バインダー成分による融着法、融着成
分を用いたメルトブロー法などにより製造することがで
きる。本発明に用いるシート状繊維集合体は、毛羽立ち
が少ない方が好ましいため、各種製法により得られた不
織布をバインダー成分により加圧下で結着させたものが
好ましい。また、耐熱性を高める観点より、低融点材料
の使用量が少ないのが好ましいため、熱硬化性樹脂をバ
インダー成分として使用するのが好ましい。なお、バイ
ンダー成分は、繊維、粉体、液体等の状態で含有させる
ことができる。
体は、芳香族ポリアミド繊維を含むものであるが、シー
ト状繊維集合体としては、不織布又は織布の何れでもよ
く、各種の製法により得られた市販品を何れも使用する
ことができる。また、市販の芳香族ポリアミド繊維を使
用して、混合抄造、ニードルパンチ、水流絡合法、接着
剤による接着法、バインダー成分による融着法、融着成
分を用いたメルトブロー法などにより製造することがで
きる。本発明に用いるシート状繊維集合体は、毛羽立ち
が少ない方が好ましいため、各種製法により得られた不
織布をバインダー成分により加圧下で結着させたものが
好ましい。また、耐熱性を高める観点より、低融点材料
の使用量が少ないのが好ましいため、熱硬化性樹脂をバ
インダー成分として使用するのが好ましい。なお、バイ
ンダー成分は、繊維、粉体、液体等の状態で含有させる
ことができる。
【0018】芳香族ポリアミド繊維としては、いわゆる
パラ型アラミド繊維やメタ型アラミド繊維の他、骨格の
一部をジフェニルエーテル、2,2−ジフェニルプロパ
ン、ジフェニルメタン、ジフェニルケトン、ジフェニル
スルフィド、ジフェニルスルホキシド、ビフェニル等で
置換したものや、芳香環の水素基をメチル基、ハロゲン
原子等で置換したものなどが挙げられる。なお本発明で
は、耐熱性樹脂よりなる他の繊維や、バインダー繊維等
を、本発明の目的を損なわない範囲で含有してもよい。
パラ型アラミド繊維やメタ型アラミド繊維の他、骨格の
一部をジフェニルエーテル、2,2−ジフェニルプロパ
ン、ジフェニルメタン、ジフェニルケトン、ジフェニル
スルフィド、ジフェニルスルホキシド、ビフェニル等で
置換したものや、芳香環の水素基をメチル基、ハロゲン
原子等で置換したものなどが挙げられる。なお本発明で
は、耐熱性樹脂よりなる他の繊維や、バインダー繊維等
を、本発明の目的を損なわない範囲で含有してもよい。
【0019】本発明では、パラ型アラミド繊維とメタ型
アラミド繊維とを混合したものが好適に用いられ、パラ
型アラミド繊維として、p−フェニレンテレフタラミド
繊維又はp−フェニレンジフェニルエーテルテレフタラ
ミド繊維が、メタ型アラミド繊維としては、m−フェニ
レンイソフタラミド繊維が一般的である。
アラミド繊維とを混合したものが好適に用いられ、パラ
型アラミド繊維として、p−フェニレンテレフタラミド
繊維又はp−フェニレンジフェニルエーテルテレフタラ
ミド繊維が、メタ型アラミド繊維としては、m−フェニ
レンイソフタラミド繊維が一般的である。
【0020】芳香族ポリアミド繊維の直径は、最近の薄
層化した絶縁層を得るうえで、1〜50μmが好まし
く、5〜20μmがより好ましい。また、シート状繊維
集合体の空隙率は20〜80%が好ましい。
層化した絶縁層を得るうえで、1〜50μmが好まし
く、5〜20μmがより好ましい。また、シート状繊維
集合体の空隙率は20〜80%が好ましい。
【0021】次に、混合抄造により不織布を製造する場
合について簡単に説明する。例えば、パラ型アラミド繊
維の短繊維と、チョップ状メタ型アラミド繊維を混合抄
造し、樹脂バインダーをスプレーして加熱乾燥して混抄
不織布を得た後、混抄不織布に一対の熱ロールによりカ
レンダー処理を施して樹脂バインダーにより繊維間を結
着させて不織布を製造することができる。その際、樹脂
バインダーとしては、水溶性エポキシ樹脂の外、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂などが使用可能である。
合について簡単に説明する。例えば、パラ型アラミド繊
維の短繊維と、チョップ状メタ型アラミド繊維を混合抄
造し、樹脂バインダーをスプレーして加熱乾燥して混抄
不織布を得た後、混抄不織布に一対の熱ロールによりカ
レンダー処理を施して樹脂バインダーにより繊維間を結
着させて不織布を製造することができる。その際、樹脂
バインダーとしては、水溶性エポキシ樹脂の外、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂などが使用可能である。
【0022】本発明の多孔質複合シートは、上記のよう
なシート状繊維集合体の繊維間に、芳香族ポリアミドを
含む多孔質相を充填してある。その際、多孔質相は、シ
ート状繊維集合体の表面を覆う程度に充填されていても
よく、また、シート状繊維集合体の表面より内部にだけ
充填されていてもよい。但し、表面の電子顕微鏡観察に
より、繊維と多孔質相の両者が観察できる程度の充填量
が好ましい。
なシート状繊維集合体の繊維間に、芳香族ポリアミドを
含む多孔質相を充填してある。その際、多孔質相は、シ
ート状繊維集合体の表面を覆う程度に充填されていても
よく、また、シート状繊維集合体の表面より内部にだけ
充填されていてもよい。但し、表面の電子顕微鏡観察に
より、繊維と多孔質相の両者が観察できる程度の充填量
が好ましい。
【0023】本発明における多孔質層は、連続気泡によ
って形成され、いわゆるスポンジ構造やマクロボイド構
造のいずれでもよい。また、厚み方向に対して孔径が変
化する異方性構造でもよい。
って形成され、いわゆるスポンジ構造やマクロボイド構
造のいずれでもよい。また、厚み方向に対して孔径が変
化する異方性構造でもよい。
【0024】多孔質層に含まれる芳香族ポリアミドとし
ては、いわゆるパラ型アラミドやメタ型アラミドの他、
骨格の一部をジフェニルエーテル、ジフェニルプロパ
ン、ジフェニルメタン、ジフェニルケトン、ジフェニル
スルホキシド、ビフェニル等で置換したものや、芳香環
の水素基をメチル基、ハロゲン原子等で置換したものな
どが挙げられる。なお本発明では、耐熱性を有する他の
樹脂を、本発明の目的を損なわない範囲で含有してもよ
い。また、芳香族ポリアミドの共重合成分として当該樹
脂成分を有するものを使用してもよい。
ては、いわゆるパラ型アラミドやメタ型アラミドの他、
骨格の一部をジフェニルエーテル、ジフェニルプロパ
ン、ジフェニルメタン、ジフェニルケトン、ジフェニル
スルホキシド、ビフェニル等で置換したものや、芳香環
の水素基をメチル基、ハロゲン原子等で置換したものな
どが挙げられる。なお本発明では、耐熱性を有する他の
樹脂を、本発明の目的を損なわない範囲で含有してもよ
い。また、芳香族ポリアミドの共重合成分として当該樹
脂成分を有するものを使用してもよい。
【0025】パラ型アラミドとしては、p−フェニレン
テレフタラミド等が挙げられるが、このポリマーのよう
に剛直な成分のみで構成されたアラミドは、特殊な薬剤
で溶解させる必要がある。従って、多孔質相に用いる芳
香族ポリアミドとしては、屈曲性を付与する成分で骨格
の一部を置換したアラミドやメタ型アラミドを少なくと
も一部に使用することが好ましい。屈曲性を付与する成
分としては、m−フェニレン、2,7−ナフタレン、フ
ェニルエーテル、2,2−ジフェニルプロパン、ジフェ
ニルメタンなどが挙げられる。このような成分は、ジカ
ルボン酸モノマー又はジアミンモノマーとして、共重合
に使用されて骨格に導入されるが、当該成分の共重合比
が大きいものほど、一般に溶剤に対する溶解性が高くな
る。
テレフタラミド等が挙げられるが、このポリマーのよう
に剛直な成分のみで構成されたアラミドは、特殊な薬剤
で溶解させる必要がある。従って、多孔質相に用いる芳
香族ポリアミドとしては、屈曲性を付与する成分で骨格
の一部を置換したアラミドやメタ型アラミドを少なくと
も一部に使用することが好ましい。屈曲性を付与する成
分としては、m−フェニレン、2,7−ナフタレン、フ
ェニルエーテル、2,2−ジフェニルプロパン、ジフェ
ニルメタンなどが挙げられる。このような成分は、ジカ
ルボン酸モノマー又はジアミンモノマーとして、共重合
に使用されて骨格に導入されるが、当該成分の共重合比
が大きいものほど、一般に溶剤に対する溶解性が高くな
る。
【0026】本発明では、前記シート状繊維集合体10
0重量部に対して、多孔質相30〜300重量部を含む
ことが好ましく、多孔質相50〜200重量部を含むこ
とがより好ましい。多孔質相が30重量部未満である
と、孔内に充填された熱硬化性樹脂のZ方向の膨張を十
分拘束しにくくなり、多孔質相が300重量部を超える
と強度が低下する傾向がある。
0重量部に対して、多孔質相30〜300重量部を含む
ことが好ましく、多孔質相50〜200重量部を含むこ
とがより好ましい。多孔質相が30重量部未満である
と、孔内に充填された熱硬化性樹脂のZ方向の膨張を十
分拘束しにくくなり、多孔質相が300重量部を超える
と強度が低下する傾向がある。
【0027】シート状繊維集合体の繊維間に多孔質相を
充填する方法としては、湿式凝固法、乾式凝固法など種
々の製膜法が挙げられるが、前述の如き膜構造を得る上
で、湿式凝固法を採用するのが好ましい。湿式凝固法で
は、溶剤に樹脂と添加剤等を溶解した製膜原液(ドー
プ)を調製し、これをシート状繊維集合体に塗布(キャ
スト)して含浸させたものを凝固液に浸漬して溶剤置換
させることで、樹脂を凝固(ゲル化)させ、その後、凝
固液等を乾燥除去するなどして多孔質相が充填された多
孔質複合シートを得る。
充填する方法としては、湿式凝固法、乾式凝固法など種
々の製膜法が挙げられるが、前述の如き膜構造を得る上
で、湿式凝固法を採用するのが好ましい。湿式凝固法で
は、溶剤に樹脂と添加剤等を溶解した製膜原液(ドー
プ)を調製し、これをシート状繊維集合体に塗布(キャ
スト)して含浸させたものを凝固液に浸漬して溶剤置換
させることで、樹脂を凝固(ゲル化)させ、その後、凝
固液等を乾燥除去するなどして多孔質相が充填された多
孔質複合シートを得る。
【0028】芳香族ポリアミドを溶解する溶剤は、溶解
性の観点から、例えば、テトラメチル尿素、ヘキサメチ
ルホスホルアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドン,N−メチルピペリドン−
2、N,N−ジメチルエチレン尿素、N,N,N’,
N’−テトラメチルアロン酸アミド、N−メチルカプロ
ラクタム、N−アセチルピロリジン、N,N−ジエチル
アセトアミド、N−エチルピロリドン−2、N,N−ジ
メチルプロピオン酸アミド、N,N−ジメチルイソブチ
ルアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチル
プロピレン尿素及びそれらの混合系が挙げられる。更
に、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロ
トン性極性溶剤が溶解性の面や、凝固溶剤との溶剤置換
スピードの点で好ましく使用できる。特に好ましい例と
して、N−メチル−2−ピロリドンを例示することがで
きる。
性の観点から、例えば、テトラメチル尿素、ヘキサメチ
ルホスホルアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドン,N−メチルピペリドン−
2、N,N−ジメチルエチレン尿素、N,N,N’,
N’−テトラメチルアロン酸アミド、N−メチルカプロ
ラクタム、N−アセチルピロリジン、N,N−ジエチル
アセトアミド、N−エチルピロリドン−2、N,N−ジ
メチルプロピオン酸アミド、N,N−ジメチルイソブチ
ルアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチル
プロピレン尿素及びそれらの混合系が挙げられる。更
に、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロ
トン性極性溶剤が溶解性の面や、凝固溶剤との溶剤置換
スピードの点で好ましく使用できる。特に好ましい例と
して、N−メチル−2−ピロリドンを例示することがで
きる。
【0029】また、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン
等の溶剤を混合して、溶剤置換の速度を調整してもよ
い。
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン
等の溶剤を混合して、溶剤置換の速度を調整してもよ
い。
【0030】本発明におけるドープは、好ましくは−2
0〜40℃の温度範囲で塗布される。また、凝固液とし
ては用いる樹脂を溶解せずに、上記溶剤と相溶性を有す
るものであれば、限定されないが、水やメタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類及
びこれらの混合液が用いられ、特に水が好適に用いられ
る。浸漬時の凝固液の温度は特に限定されないが、好ま
しくは0〜90℃の温度である。
0〜40℃の温度範囲で塗布される。また、凝固液とし
ては用いる樹脂を溶解せずに、上記溶剤と相溶性を有す
るものであれば、限定されないが、水やメタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類及
びこれらの混合液が用いられ、特に水が好適に用いられ
る。浸漬時の凝固液の温度は特に限定されないが、好ま
しくは0〜90℃の温度である。
【0031】製膜原液のポリマー濃度は、5重量%から
25重量%の範囲が好ましく、7重量%から20重量%
がより好ましい。濃度が高すぎると、粘度が高くなりす
ぎて取り扱いが困難になり、濃度が低すぎると多孔質相
が形成しにくくなる傾向がある。
25重量%の範囲が好ましく、7重量%から20重量%
がより好ましい。濃度が高すぎると、粘度が高くなりす
ぎて取り扱いが困難になり、濃度が低すぎると多孔質相
が形成しにくくなる傾向がある。
【0032】多孔質相の孔形状や孔径コントロールのた
めに硝酸リチウムのような無機物やポリビニルピロリド
ンのような有機物を添加することもできる。添加物の濃
度は溶液中に1重量%から10重量%まで添加するのが
好ましい。硝酸リチウムを添加すると溶剤と凝固液との
置換速度が速く、スポンジ構造の中にフィンガーボイド
構造(指状にボイドを有する構造)を形成できる。ポリ
ビニルピロリドンのような凝固スピードを遅くする添加
剤を加えると、スポンジ構造が均一に広がった多孔質相
を得ることができる。
めに硝酸リチウムのような無機物やポリビニルピロリド
ンのような有機物を添加することもできる。添加物の濃
度は溶液中に1重量%から10重量%まで添加するのが
好ましい。硝酸リチウムを添加すると溶剤と凝固液との
置換速度が速く、スポンジ構造の中にフィンガーボイド
構造(指状にボイドを有する構造)を形成できる。ポリ
ビニルピロリドンのような凝固スピードを遅くする添加
剤を加えると、スポンジ構造が均一に広がった多孔質相
を得ることができる。
【0033】また、凝固液に浸漬する前に、例えば30
℃以上、相対湿度90%以上の雰囲気に所定時間(例え
ば1秒〜10分間)放置することにより水分等をドープ
に吸収させることで、表面付近の多孔質相の孔径コント
ロールを行ってもよい。例えばこの操作により、表面に
スキン層が形成されるようなドープ組成でも、孔径をあ
る程度大きくすることができる場合がある。
℃以上、相対湿度90%以上の雰囲気に所定時間(例え
ば1秒〜10分間)放置することにより水分等をドープ
に吸収させることで、表面付近の多孔質相の孔径コント
ロールを行ってもよい。例えばこの操作により、表面に
スキン層が形成されるようなドープ組成でも、孔径をあ
る程度大きくすることができる場合がある。
【0034】表面や内部の細孔が小さすぎると、エポキ
シ等の熱硬化性樹脂の含浸性が悪くなり、大きすぎると
熱線膨張を抑制する効果が小さくなる傾向がある。した
がって、裏表面が何れも平均孔径0.05μm以上が好
ましい。より好ましくは0.1〜5μmである。また、
スポンジ構造部分(内部)の細孔のサイズは0.05μ
mから10μmであればよいが、好ましくは1μmから
7μmである。フィンガーボイド構造では、平均孔径
0. 05μmから10μmが好ましい。多孔質相の空孔
率については、前述の理由から、30〜98%が好まし
く、40〜70%がより好ましい。
シ等の熱硬化性樹脂の含浸性が悪くなり、大きすぎると
熱線膨張を抑制する効果が小さくなる傾向がある。した
がって、裏表面が何れも平均孔径0.05μm以上が好
ましい。より好ましくは0.1〜5μmである。また、
スポンジ構造部分(内部)の細孔のサイズは0.05μ
mから10μmであればよいが、好ましくは1μmから
7μmである。フィンガーボイド構造では、平均孔径
0. 05μmから10μmが好ましい。多孔質相の空孔
率については、前述の理由から、30〜98%が好まし
く、40〜70%がより好ましい。
【0035】製膜原液をシート状繊維集合体に塗布して
含浸させる方法は、シート状繊維集合体の片面又は両面
から製膜原液を塗布することで行うことができる。片面
に塗布する場合、シート状繊維集合体を基材の上に載せ
て、各種ブレードやロールなどで適当なギャップを維持
しながら製膜原液を流延して含浸させればよい。また、
両面に塗布する場合、適当なギャップを有する液溜部に
製膜原液を溜めた状態でシート状繊維集合体を下方へ通
過させて含浸させればよい。
含浸させる方法は、シート状繊維集合体の片面又は両面
から製膜原液を塗布することで行うことができる。片面
に塗布する場合、シート状繊維集合体を基材の上に載せ
て、各種ブレードやロールなどで適当なギャップを維持
しながら製膜原液を流延して含浸させればよい。また、
両面に塗布する場合、適当なギャップを有する液溜部に
製膜原液を溜めた状態でシート状繊維集合体を下方へ通
過させて含浸させればよい。
【0036】上記の基材としてはガラス板やステンレス
板などの無機物の他、ポリエチレン、ポリエステルのよ
うな高分子フィルムも使用できる。また、離型性を高め
るために表面処理を施したものでもよい。
板などの無機物の他、ポリエチレン、ポリエステルのよ
うな高分子フィルムも使用できる。また、離型性を高め
るために表面処理を施したものでもよい。
【0037】多孔質複合シートを凝固液から取り出した
後、乾燥する場合には、しわの寄らないように乾燥する
のが好ましい。このため、多孔質複合シートの両端にテ
ンションをかけた状態で乾燥する方法やスペーサーの上
に多孔質複合シートをのせ、片面より真空に引きながら
乾燥させる方法などが好ましい。乾燥の温度は多孔質相
の細孔が閉塞しなければ特に制限されないが、取り扱い
の面から200℃以下での乾燥が望ましい。
後、乾燥する場合には、しわの寄らないように乾燥する
のが好ましい。このため、多孔質複合シートの両端にテ
ンションをかけた状態で乾燥する方法やスペーサーの上
に多孔質複合シートをのせ、片面より真空に引きながら
乾燥させる方法などが好ましい。乾燥の温度は多孔質相
の細孔が閉塞しなければ特に制限されないが、取り扱い
の面から200℃以下での乾燥が望ましい。
【0038】多孔質複合シートの厚さは特に限定されな
いが、最近の配線基板では薄くて軽くさらに機械強度の
ある物が望まれるため、厚さ2〜150μmが好まし
く、5〜90μmがより好ましい。
いが、最近の配線基板では薄くて軽くさらに機械強度の
ある物が望まれるため、厚さ2〜150μmが好まし
く、5〜90μmがより好ましい。
【0039】一方、本発明の配線基板プリプレグは、以
上のような多孔質複合シートと、その孔内に含浸された
熱硬化性樹脂の半硬化物とを含むものである。熱硬化性
樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ポリアミド酸等が挙げられるが、エポキシ樹
脂が価格や取り扱い易さの点から好ましい。熱硬化性樹
脂の半硬化物には、触媒、硬化剤、難燃剤、充填剤、可
塑剤、促進剤等を含有してもよい。
上のような多孔質複合シートと、その孔内に含浸された
熱硬化性樹脂の半硬化物とを含むものである。熱硬化性
樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ポリアミド酸等が挙げられるが、エポキシ樹
脂が価格や取り扱い易さの点から好ましい。熱硬化性樹
脂の半硬化物には、触媒、硬化剤、難燃剤、充填剤、可
塑剤、促進剤等を含有してもよい。
【0040】孔内に樹脂を含浸してプリプレグを得る方
法としては、溶剤で希釈した樹脂溶液を多孔質フィルム
に含浸させた後、乾燥工程(例えば120〜170℃)
で溶剤を除去しながら、樹脂をある程度反応させる方法
が挙げられる。このようにして得られたプリプレグは、
樹脂が半硬化したベタツキの少ないシートになり、これ
を熱プレスすることで、絶縁層の積層が可能となる。ま
た、プリプレグは銅箔などの導電体との積層物としても
使用され、絶縁層の表面に配線層を形成することが可能
になる。
法としては、溶剤で希釈した樹脂溶液を多孔質フィルム
に含浸させた後、乾燥工程(例えば120〜170℃)
で溶剤を除去しながら、樹脂をある程度反応させる方法
が挙げられる。このようにして得られたプリプレグは、
樹脂が半硬化したベタツキの少ないシートになり、これ
を熱プレスすることで、絶縁層の積層が可能となる。ま
た、プリプレグは銅箔などの導電体との積層物としても
使用され、絶縁層の表面に配線層を形成することが可能
になる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、多孔質相の平均孔径及
び空孔率は、次のようにして測定した。
施例等について説明する。なお、多孔質相の平均孔径及
び空孔率は、次のようにして測定した。
【0042】(1)多孔質相の平均孔径 多孔質相について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い
て、表面および断面の写真撮影を行い、その写真のコン
ピュターによる画像解析から平均孔径を求めた。
て、表面および断面の写真撮影を行い、その写真のコン
ピュターによる画像解析から平均孔径を求めた。
【0043】(2)多孔質相の空孔率 空孔率(%)={(重量/密度)/容積}×100 多孔質複合シートおよびアラミドペーパーの容積と重量
を測定して、その差から多孔質相の容積と重量を算出
し、更に多孔質相の素材の密度を用いて上式により、空
孔率を求めた。
を測定して、その差から多孔質相の容積と重量を算出
し、更に多孔質相の素材の密度を用いて上式により、空
孔率を求めた。
【0044】〔実施例1〕80℃のN−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)83.5重量%中に、メタ型アラミ
ド樹脂であるコーネックス(帝人(株)製)を9.3重
量%と、ポリビニルピロリドン(アイエスピージャパン
(株)製、K−90、平均分子量120万)3.7重量
%を溶解し、更に、イオン交換水3.5重量%を添加し
て、製膜原液を調製した。厚さ50μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム上にアラミドペーパー(デュポ
ン社製、ケブラーペーパー、100μm)を置き、上記
の製膜原液をその上面に流して、アラミドペーパーとの
間にギャップを取らずに、ガラス棒を用いて製膜原液を
アラミドペーパーに流延して含浸させた。
ロリドン(NMP)83.5重量%中に、メタ型アラミ
ド樹脂であるコーネックス(帝人(株)製)を9.3重
量%と、ポリビニルピロリドン(アイエスピージャパン
(株)製、K−90、平均分子量120万)3.7重量
%を溶解し、更に、イオン交換水3.5重量%を添加し
て、製膜原液を調製した。厚さ50μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム上にアラミドペーパー(デュポ
ン社製、ケブラーペーパー、100μm)を置き、上記
の製膜原液をその上面に流して、アラミドペーパーとの
間にギャップを取らずに、ガラス棒を用いて製膜原液を
アラミドペーパーに流延して含浸させた。
【0045】これを温度30℃、湿度RH90%以上の
雰囲気内に90秒放置し、その後、60℃の純水中に投
入して凝固させ、多孔質複合シートを形成した。その
後、8時間純水中に保存して脱溶剤を行った後、乾燥さ
せた。得られた多孔質複合シートは、厚み100μm、
多孔質相は連続孔が形成された構造で、表面の平均孔径
は0.2μm、断面の平均孔径は0.2μm、空孔率は
50%であった。
雰囲気内に90秒放置し、その後、60℃の純水中に投
入して凝固させ、多孔質複合シートを形成した。その
後、8時間純水中に保存して脱溶剤を行った後、乾燥さ
せた。得られた多孔質複合シートは、厚み100μm、
多孔質相は連続孔が形成された構造で、表面の平均孔径
は0.2μm、断面の平均孔径は0.2μm、空孔率は
50%であった。
【0046】この多孔質複合シートに対し、臭素化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂のメチルエチルケトン20
重量%溶液よりなる熱硬化性樹脂組成物をディッピング
して含浸させたところ、良好な含浸性が得られ、140
℃で乾燥させてBステージのプリプレグを得た。
フェノールA型エポキシ樹脂のメチルエチルケトン20
重量%溶液よりなる熱硬化性樹脂組成物をディッピング
して含浸させたところ、良好な含浸性が得られ、140
℃で乾燥させてBステージのプリプレグを得た。
【0047】〔実施例2〕直径20mmのポリプロピレ
ン製の丸棒を2本向かい合わせにして、その隙間を20
0μmとした状態で水平に固定し、その隙間に上記のア
ラミドペーパーを垂直に配置した。更に、実施例1で用
いた製膜原液を各々の丸棒とアラミドペーパーとで形成
される液溜め部分に適量供給し、その状態でアラミドペ
ーパーを上から下へとゆっくり引っ張って、製膜原液を
アラミドペーパーに含浸させた。
ン製の丸棒を2本向かい合わせにして、その隙間を20
0μmとした状態で水平に固定し、その隙間に上記のア
ラミドペーパーを垂直に配置した。更に、実施例1で用
いた製膜原液を各々の丸棒とアラミドペーパーとで形成
される液溜め部分に適量供給し、その状態でアラミドペ
ーパーを上から下へとゆっくり引っ張って、製膜原液を
アラミドペーパーに含浸させた。
【0048】その後の工程は、実施例1と同じ操作を行
って、厚み100μm、多孔質相は連続孔が形成された
構造で、表面の平均孔径は0.2μm、断面の平均孔径
は0.2μm、空孔率は50%の多孔質複合シートを得
た。
って、厚み100μm、多孔質相は連続孔が形成された
構造で、表面の平均孔径は0.2μm、断面の平均孔径
は0.2μm、空孔率は50%の多孔質複合シートを得
た。
【0049】この多孔質複合シートに対し、臭素化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂のメチルエチルケトン20
重量%溶液よりなる熱硬化性樹脂組成物をディッピング
して含浸させたところ、良好な含浸性が得られ、140
℃で乾燥させてBステージのプリプレグを得た。
フェノールA型エポキシ樹脂のメチルエチルケトン20
重量%溶液よりなる熱硬化性樹脂組成物をディッピング
して含浸させたところ、良好な含浸性が得られ、140
℃で乾燥させてBステージのプリプレグを得た。
【0050】〔比較例1〕実施例1で用いたアラミドペ
ーパーに、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂のメ
チルエチルケトン20重量%溶液よりなる熱硬化性樹脂
組成物をディッピングして含浸させた後、140℃で乾
燥させてBステージのプリプレグを得た。 〔評価試験〕以上で得られたプリプレグを銅箔で挟んで
180℃、60kg/cm2 で60分間プレスし、両面
銅箔付き基板を作製した。これをエッチングして銅箔を
除去したものを熱線膨張係数の測定用のサンプルとし
た。
ーパーに、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂のメ
チルエチルケトン20重量%溶液よりなる熱硬化性樹脂
組成物をディッピングして含浸させた後、140℃で乾
燥させてBステージのプリプレグを得た。 〔評価試験〕以上で得られたプリプレグを銅箔で挟んで
180℃、60kg/cm2 で60分間プレスし、両面
銅箔付き基板を作製した。これをエッチングして銅箔を
除去したものを熱線膨張係数の測定用のサンプルとし
た。
【0051】これを用いて、XY方向の熱線膨張係数は
理学電気製TMA8310を使用して引っ張りモード
で、Z方向の熱線膨張係数はセイコーインスツルメント
製のTMAss6200を使用して圧縮モードで測定し
た。その結果を表1に示す。
理学電気製TMA8310を使用して引っ張りモード
で、Z方向の熱線膨張係数はセイコーインスツルメント
製のTMAss6200を使用して圧縮モードで測定し
た。その結果を表1に示す。
【0052】
【表1】 表1の結果が示すように、実施例のプリプレグは芳香族
ポリアミドを含む多孔質相を充填してあるため、比較例
に比べてZ方向の熱線膨張係数が、大幅に改善されてい
る。
ポリアミドを含む多孔質相を充填してあるため、比較例
に比べてZ方向の熱線膨張係数が、大幅に改善されてい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 敏行 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4F072 AB06 AB29 AD44 AG03 AH25 AJ04 AL13 4F100 AK01A AK01B AK01C AK47A AK47B AK47C AK53 BA02 BA06 BA10A BA10C BA16 DG01A DG01C DJ00B EJ82 GB43 JA02 JA20 JA20B JB13A JB13B JB13C JK14 YY00B 5E346 AA02 AA12 AA22 CC01 CC10 DD02 EE09 EE18 GG28 HH11 HH16
Claims (3)
- 【請求項1】 芳香族ポリアミド繊維を含むシート状繊
維集合体の繊維間に、芳香族ポリアミドを含む多孔質相
を充填してあるプリプレグ用多孔質複合シート。 - 【請求項2】 前記多孔質相の空孔率が30〜98%で
ある請求項1記載のプリプレグ用多孔質複合シート。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のプリプレグ用多孔
質複合シートと、その孔内に含浸された熱硬化性樹脂の
半硬化物とを含む配線基板プリプレグ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000381213A JP2002179818A (ja) | 2000-12-15 | 2000-12-15 | プリプレグ用多孔質複合シート及び配線基板プリプレグ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000381213A JP2002179818A (ja) | 2000-12-15 | 2000-12-15 | プリプレグ用多孔質複合シート及び配線基板プリプレグ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002179818A true JP2002179818A (ja) | 2002-06-26 |
Family
ID=18849252
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000381213A Pending JP2002179818A (ja) | 2000-12-15 | 2000-12-15 | プリプレグ用多孔質複合シート及び配線基板プリプレグ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002179818A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006123715A1 (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-23 | Nitto Shinko Corporation | 積層シート |
JP2015510274A (ja) * | 2012-03-22 | 2015-04-02 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ | 熱界面材料 |
-
2000
- 2000-12-15 JP JP2000381213A patent/JP2002179818A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006123715A1 (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-23 | Nitto Shinko Corporation | 積層シート |
JP2006321183A (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-30 | Nitto Shinko Kk | 積層シート |
US7713892B2 (en) | 2005-05-20 | 2010-05-11 | Nitto Shinko Corporation | Laminate sheet |
JP2015510274A (ja) * | 2012-03-22 | 2015-04-02 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ | 熱界面材料 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061225 |