JP2003208820A - 異方導電性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

異方導電性フィルム及びその製造方法

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JP2003208820A
JP2003208820A JP2002003617A JP2002003617A JP2003208820A JP 2003208820 A JP2003208820 A JP 2003208820A JP 2002003617 A JP2002003617 A JP 2002003617A JP 2002003617 A JP2002003617 A JP 2002003617A JP 2003208820 A JP2003208820 A JP 2003208820A
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film
conductive
anisotropic conductive
porous
porous film
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JP2002003617A
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Toshiyuki Kawashima
敏行 川島
Shinji Tawara
伸治 田原
Kenichi Ikeda
健一 池田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱圧着の際に隣接端子間の絶縁性を確保し易
く、しかも接続端子間の導電接続の信頼性が高い異方導
電性フィルム、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 絶縁性のフィルム材1中に複数の導通路
2が互いに絶縁された状態で貫通して配置されている異
方導電性フィルムにおいて、前記フィルム材1は耐熱性
樹脂からなる多孔質膜に少なくとも接着性樹脂成分を含
浸してあることを特徴とする異方導電性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性のフィルム
材中に複数の導通路が互いに絶縁された状態で貫通して
配置されている異方導電性フィルム(ACF)、及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の携帯情報端末の軽量化、小型化に
伴い、微細な端子(電極、配線パターンなども含む)間
で導電接続を行うことの必要性が増大している。例えば
液晶ディスプレイ(以下LCDと略す)と駆動用LSI
が搭載されたフレキシブルプリント基板(以下FPCと
略す)とを接合する場合や、CSPと回路基板とをフリ
ップチップ実装する場合などであり、その接続にはAC
Fを用いて熱圧着する方法が一般的に行われている。こ
のようなACFとしては、種々のタイプが存在するが、
一般には導電性粒子などの導電材料を所定量分散させた
接着性(主に熱硬化タイプ)の樹脂フィルムが使用され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな異方導電性フィルムは、熱圧着の際に導電性粒子の
移動が自由に起こるため、ファインピッチ接続において
隣接端子間の絶縁性を確保するのが困難になりやすい。
このため、絶縁性を確保すべく導電性粒子の表面に絶縁
被膜を形成したものも使用されていた。しかし、半導体
素子等の接続端子を凸状にする(バンプを形成する)必
要があるという問題は解消できず、また熱圧着の条件制
御や絶縁被膜の形成が難しいといった問題もある。
【0004】このような問題を解決するために、導通路
の端部がフィルム基板の表面上に露出した異方導電性フ
ィルムも知られており、これによりバンプを形成しなく
ても接続が可能となった。しかし、この異方導電性フィ
ルムも電子部品の実装に際し、加熱時に接着性絶縁材料
が溶融し、導通路の傾倒を生ずるために、電気的接続の
信頼性が低下するという問題があった。
【0005】そこで、本発明の目的は、熱圧着の際に隣
接端子間の絶縁性を確保し易く、しかも接続端子間の導
電接続の信頼性が高い異方導電性フィルム、及びその製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の如き
本発明により達成できる。即ち、本発明の絶縁性のフィ
ルム材中に複数の導通路が互いに絶縁された状態で貫通
して配置されている異方導電性フィルムにおいて、前記
フィルム材は耐熱性樹脂からなる多孔質膜に少なくとも
接着性樹脂成分を含浸してあることを特徴とする。
【0007】上記において、前記導通路は、金属柱など
でもよいが、導電性フィラーを含有する導電性ペースト
が貫通孔に充填されたものであることが好ましい。
【0008】また、前記多孔質膜は、スポンジ構造を有
し、その断面における平均孔径が前記導電性フィラーの
平均粒子径より小さいものであることが好ましい。
【0009】一方、本発明の異方導電性フィルムの製造
方法は、耐熱性樹脂からなる多孔質膜に少なくとも接着
性樹脂成分を含浸してなるフィルム材に貫通孔を設ける
工程と、前記貫通孔に導電性フィラーを含有する導電性
ペーストを充填する工程とを含むことを特徴とする。
【0010】[作用効果]本発明の異方導電性フィルム
によると、耐熱性の多孔質膜でフィルム材が補強される
ため、熱圧着の際に導通路が移動して隣接端子間を短絡
させにくくなり、また、導通路の傾倒や変形も生じにく
く接続端子間の導電接続性も向上できる。その結果、熱
圧着の際に隣接端子間の絶縁性を確保し易く、しかも接
続端子間の導電接続の信頼性が高いものとなる。
【0011】前記導通路は、導電性フィラーを含有する
導電性ペーストが貫通孔に充填されたものである場合、
金属柱などと比較して、導通路の形成が簡易な工程で行
え、導通路の高さ精度も問題となりにくい。また、導電
性ペーストで導通路を形成する場合には、特に導通路の
変形などが問題になり易いところ、多孔質膜によるフィ
ルム材の補強が、特に有効となる。
【0012】前記多孔質膜は、スポンジ構造を有し、そ
の断面における平均孔径が前記導電性フィラーの平均粒
子径より小さいものである場合、導通路を構成する導電
性フィラーが、貫通孔の内部に留まり易くなるため、導
通路の変形をより確実に防止して、隣接端子間の絶縁性
の確保と、接続端子間の導電接続の信頼性をより高める
ことができる。
【0013】一方、本発明の製造方法によると、上記の
如き作用により、熱圧着の際に隣接端子間の絶縁性を確
保し易く、しかも接続端子間の導電接続の信頼性が高い
異方導電性フィルムを、簡易な工程で製造することがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の異
方導電性フィルムの一例を示す一部破断した斜視図であ
る。
【0015】本発明の異方導電性フィルムは、図1に示
すように、絶縁性のフィルム材1中に複数の導通路2が
互いに絶縁された状態で貫通して配置されており、フィ
ルム材1は耐熱性樹脂からなる多孔質膜に少なくとも接
着性樹脂成分を含浸してある。まず、フィルム材1につ
いて説明する。
【0016】異方導電性フィルムのフィルム材1には、
熱圧着により接着する成分が必要であり、多孔質膜に含
浸された接着性樹脂成分がその機能を有する。このよう
な接着性樹脂成分としては、異方導電性フィルムのフィ
ルム材として公知のものを使用すればよい。また、異方
導電性を発揮しうるために、絶縁性接着材料は、十分な
絶縁特性を有している必要もある。接着性を有する材料
としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの公知の接
着性材料が挙げられる。具体的には、フェノール系、ビ
フェニル系などのエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリカルボジイミド樹脂等の熱硬化性樹脂
や、フェノキシ樹脂、ナイロン6やナイロン6−6など
のポリアミド樹脂、PET系やPBT系などの飽和ポリ
エステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂等のポリイミド樹
脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ、目的に応じて適宜選択
される。これらの樹脂は単独でも、2種以上混合して使
用してもよい。
【0017】好ましくはガラス転移点が150℃以上2
30℃以下の接着性材料である。ガラス転移点が150
℃以上であれば半導体素子と回路基板の接着信頼性をよ
り高めることができ、ガラス転移点が230℃以下であ
れば作業性に優れるからである。具体的には、ポリカル
ボジイミド樹脂(例えば、特開平9−194556号公
報、特開平9−235341号公報、特開平10−30
013号公報に記載されている芳香族ポリカルボジイミ
ド樹脂など)が挙げられる。
【0018】耐熱性樹脂からなる多孔質膜としては、良
好な耐熱性と機械的強度を有する樹脂が好ましく、ポリ
イミド、ポリエステル、ポリアミド、特に芳香族ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエ
ーテルサルホン等の各種樹脂を採用することができる。
これら樹脂のなかでもポリイミド系樹脂が絶縁性、耐熱
性が良好であり、また、芳香族ポリアミドも絶縁性、耐
熱性が良好であり、低熱線膨張率であるため好ましい。
【0019】これらの多孔質膜としては、多孔質膜単体
で使用してもよいが、樹脂フィルムの表面に製膜された
ものを使用することも可能である。特に、芳香族ポリア
ミドの場合には、製膜時のポリエステルフィルムとの密
着性が高く、これをそのまま離型性樹脂フィルムとして
使用することができる。
【0020】多孔質膜の形成は、湿式凝固法、乾式凝固
法、延伸法など種々の製膜法が挙げられるが、スポンジ
構造を得る上で湿式凝固法が好ましい。湿式凝固法で
は、一般的に、溶剤に樹脂と添加剤等を溶解した製膜原
液(ドープ)を調製し、これを製膜基材に塗布(キャス
ト)したものを凝固液に浸漬して溶剤置換させること
で、樹脂を凝固(ゲル化)させ、その後、凝固液等を乾
燥除去するなどして多孔質膜を得る。
【0021】ポリイミド系樹脂としては、酸残基とアミ
ン残基とがイミド結合した繰り返し単位を主体とするす
るものであれば、他の共重合成分やブレンド成分を含む
ものでもよい。好ましくは、耐熱性、吸湿性、機械的強
度の点から、主鎖に芳香族基を有するポリイミドであ
り、テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分の重合
物からなるポリイミドを挙げることができる。特に、
0.55〜3.00、好ましくは0. 60〜0.85の
極限粘度(30℃での測定値)有している高分子である
ことが望ましい。上記範囲の極限粘度を有するものは、
多孔質膜の形成を湿式凝固法で行う場合に、溶剤への溶
解性が良好で、機械的強度が大きく自立性の多孔質膜と
なる。
【0022】ポリイミド系樹脂は、当該重合体またはそ
の前駆体(ポリアミド酸)を製膜に用いることができる
が、ポリアミド酸はポリイミドと比較して溶解性が高い
ために、分子構造上の制約が少ないという利点がある。
なお、重合体としては、完全にイミド化しているものが
よいが、イミド化率が70%以上のものでも良い。イミ
ド化率が比較的高いものをドープに用いる場合、ブタン
テトラカルボン酸二無水物等の屈曲性の高い成分を繰り
返し単位に含む重合体を使用するのが好ましい。
【0023】ポリイミド系樹脂又はその前駆体を溶解さ
せる溶剤は、これらを溶解する物であれば特に限定され
ないが、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤が溶解性の
面や、多孔質膜の形成を湿式凝固法で行う場合の凝固溶
剤との溶剤置換スピードの点で好ましく使用できる。好
ましい例として、N−メチル−2−ピロリドンを例示す
ることができる。また、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の
溶剤を混合して、前記湿式凝固法における溶剤置換の速
度を調整してもよい。
【0024】一方、芳香族ポリアミドとしては、いわゆ
るパラ型アラミドやメタ型アラミドの他、骨格の一部を
ジフェニルエーテル、ジフェニルプロパン、ジフェニル
メタン、ジフェニルケトン、ジフェニルスルホキシド、
ビフェニル等で置換したものや、芳香環の水素基をメチ
ル基、ハロゲン原子等で置換したものなどが挙げられ
る。
【0025】パラ型アラミドとしては、ポリp−フェニ
レンテレフタラミド等が挙げられるが、このポリマーの
ように剛直な成分のみで構成されたアラミドは、特殊な
薬剤で溶解させる必要がある。従って、多孔質膜に用い
る芳香族ポリアミドとしては、屈曲性を付与する成分で
骨格の一部を置換したアラミドやメタ型アラミドを少な
くとも一部に使用することが好ましい。屈曲性を付与す
る成分としては、m−フェニレン、2,7−ナフタレ
ン、ジフェニルエーテル、2,2−ジフェニルプロパ
ン、ジフェニルメタンなどが挙げられる。このような成
分は、ジカルボン酸モノマー又はジアミンモノマーとし
て、共重合に使用されて骨格に導入されるが、当該成分
の共重合比が大きいものほど、一般に溶剤に対する溶解
性が高くなる。
【0026】芳香族ポリアミドを溶解する溶剤は、溶解
性の観点から、例えば、テトラメチル尿素、ヘキサメチ
ルホスホルアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドン,N−メチルピペリドン−
2、N,N−ジメチルエチレン尿素、N,N,N’,
N’−テトラメチルアロン酸アミド、N−メチルカプロ
ラクタム、N−アセチルピロリジン、N,N−ジエチル
アセトアミド、N−エチルピロリドン−2、N,N−ジ
メチルプロピオン酸アミド、N,N−ジメチルイソブチ
ルアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチル
プロピレン尿素及びそれらの混合系が挙げられる。更
に、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロ
トン性極性溶剤が溶解性の面や、凝固溶剤との溶剤置換
スピードの点で好ましく使用できる。特に好ましい例と
して、N−メチル−2−ピロリドンを例示することがで
きる。
【0027】また、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジブチルエーテル、等の溶剤を混合し
て、溶剤置換の速度を調整してもよい。
【0028】湿式凝固法におけるドープは、好ましくは
−20〜40℃の温度範囲で塗布される。また、凝固液
としては用いる樹脂を溶解せずに、上記溶剤と相溶性を
有するものであれば、限定されないが、水やメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコー
ル類及びこれらの混合液が用いられ、特に水が好適に用
いられる。浸漬時の凝固液の温度は特に限定されない
が、好ましくは0〜90℃の温度である。
【0029】製膜原液のポリマー濃度は、5重量%から
25重量%の範囲が好ましく、7重量%から20重量%
がより好ましい。濃度が高すぎると、粘度が高くなりす
ぎて取り扱いが困難になるし、濃度が低すぎると多孔質
膜が形成しにくくなる傾向がある。
【0030】孔径形状や孔径コントロールのために硝酸
リチウムのような無機物やポリビニルピロリドンのよう
な有機物を添加することもできる。添加物の濃度は溶液
中に1重量%から10重量%まで添加するのが好まし
い。硝酸リチウムを添加すると溶剤と凝固液との置換速
度が速く、スポンジ構造の中にフィンガーボイド構造
(指状にボイドを有する構造)を形成される。ポリビニ
ルピロリドンのような凝固スピードを遅くする添加剤を
加えると、スポンジ構造が均一に広がった多孔質膜を得
ることができる。
【0031】ドープは一定の厚みに塗布し、水等の凝固
液中に浸積して凝固させたり、水蒸気雰囲気下に放置し
て凝固した後、水中に浸積するなどして、脱溶剤され多
孔質膜となる。多孔質膜の形成後、凝固液から取り出し
た後、乾燥する。乾燥温度は特に制限されないが、20
0℃以下での乾燥が望ましい。
【0032】ポリイミド系樹脂の多孔質膜を形成する
際、その前駆体(ポリアミド酸)を用いる場合には、最
終的に200〜500℃で熱処理して、前駆体(ポリア
ミド酸)を加熱閉環させてポリイミドとする。
【0033】本発明における多孔質膜は、スポンジ構造
を有し、その断面における平均孔径が導電性フィラーの
平均粒子径より小さいことが好ましい。具体的には断面
における平均孔径が0.01〜1μmが好ましい。ま
た、多孔質膜の裏面又は表面の平均孔径は、少なくとも
接着性樹脂成分を含浸させる上で、0.05μm以上が
好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。多孔
質膜の空孔率については、フィルム材1としての機能を
好適に発現する上で、30〜98%が好ましく、40〜
70%がより好ましい。
【0034】多孔質膜の厚さは、フィルム材1の厚さに
応じて決定すればよいが、フィルム材1の厚さは、材料
上の耐電圧の観点より、1〜200μmが好ましく、5
〜50μmがより好ましい。
【0035】本発明では、多孔質膜の孔内に熱硬化性樹
脂の原料組成物を含浸させることで、熱硬化性樹脂の半
硬化物が含浸されたフィルム材1を得ることができる。
また、熱可塑性樹脂を用いる場合も、熱可塑性樹脂のフ
ィルム状物を加熱軟化させて含浸させればよい。
【0036】上記の原料組成物の含浸方法としては、各
種コーター等によって、多孔質膜の表面に、直接熱硬化
性樹脂の原料液を塗布する方法でもよいが、基材シート
の表面に原料液を塗布して乾燥させた固形塗膜を多孔質
膜の表面に積層して、加熱・加圧により含浸させる方法
が好ましい。この方法により、熱硬化性樹脂の原料液に
含まれる溶剤により、多孔質膜が膨潤等して変形するの
を抑制できる。
【0037】熱硬化性樹脂の原料液には、溶剤の他に、
触媒、硬化剤、難燃剤、充填剤、可塑剤、促進剤等を含
有してもよい。熱硬化性樹脂の原料液に含まれる溶剤と
しては、熱硬化性樹脂の種類によるが、ケトン類、酢酸
エステル類、エーテル類、芳香族炭化水素類、アルコー
ル類等が挙げられる。
【0038】基材シートとしては樹脂、金属などが何れ
も使用できるが、樹脂フィルムが好ましい。塗布方法と
しては、直接塗布又は間接含浸の何れの場合も、ブレー
ドコーター、コンマコーター、ロールコーター、カレン
ダコーター、バーコーターによる塗布方法が挙げられ
る。なお、塗布厚みが均一なほど固形塗膜の厚みも均一
となり、含浸量もより均一化できる。
【0039】溶剤の乾燥では、完全に溶剤を除去する必
要はなく、非流動化する程度でもよい。乾燥方法として
は、効率の点から加熱乾燥や熱風乾燥が好ましい。加熱
温度としては、熱硬化性樹脂の硬化反応が進行し過ぎな
い温度が選択される。
【0040】加熱・加圧を行う方法としては、各種の熱
プレス装置や熱ラミネーター、それらに真空排気装置を
付加した装置などを用いる方法が挙げられる。本発明で
は、熱ラミネーターを用いるのが好ましい。この加熱・
加圧によって、多孔質膜に少なくとも接着性樹脂成分が
含浸されたフィルム材1が製造できる。
【0041】本発明の異方導電性フィルムは、このフィ
ルム材1中に複数の導通路2が互いに絶縁された状態で
貫通して配置されている。フィルム材1中の導通路2の
大きさや数は、本発明の異方導電性フィルムの接続対象
や用途により適宜選択される。例えば、導通路2の直径
等は隣接端子間の間隔より小さいものが好ましく、導通
路2の間隙は、端子のサイズより小さいものが好まし
い。一般的には、導通路2が円柱状の場合には、導通路
2の直径は、1〜500μm程度、好ましくは5〜50
μm程度である。導通路2のピッチは、1〜1000μ
m程度、好ましくは5〜100μm程度である。
【0042】なお、導通路2の軸に垂直な断面の形状
は、上記の条件を満たせばどのような形状でもよく、円
柱状であっても、多角柱状であってもよい。また、導通
路2の配列は、規則的なものでもランダムなものでもよ
い。
【0043】上記の導通路2の形成方法としては、例え
ば、フィルム材1に貫通孔1aを設け、その貫通孔1a
に導電性フィラーを含有する導電性ペーストを充填する
方法(本発明の製造方法)、貫通孔1aの内部に金属柱
をメッキ形成する方法、金属柱を立設した基材上に多孔
質膜を製膜し、これに少なくとも接着性樹脂成分を含浸
させる方法などが挙げられる。本実施形態では、導電性
ペーストを充填する方法について例示する。
【0044】貫通孔1aの形成は、開口面積が大きい場
合は、コンピュータ制御によるドリリング、パンチ等も
利用できるが、通常は、YAGレーザ等の各種レーザを
用いたレーザ加工が行われる。レーザ加工の方法や条件
等は、従来法が何れも適用できる。
【0045】導電性ペーストの充填は、貫通孔1aの周
囲の高さと略同じ高さになるように充填するか、又は図
2に示すように周囲の高さより若干高く充填するのが好
ましい。突起部2aを設ける場合、熱圧着による導電接
続の信頼性を高めつつ、導通路2間の絶縁性を確保する
上で、0.01〜35μmの高さとするのが好ましい。
導電性ペーストとしては、銀、銅、カーボン、ハンダ等
の微粒子からなる導電性フィラーをバインダー樹脂や溶
剤に分散させたものが挙げられる。バインダー樹脂とし
ては、熱硬化性樹脂が好適に使用され、熱圧着の際に、
硬化反応が進行するものが好ましい。導電性フィラーの
平均粒径としては、0.05〜10μmが一般的であ
る。
【0046】導電性ペーストの充填には、スクリーン印
刷、オフセット印刷、パッド印刷、インクジェット印刷
等の印刷や、スクイーズによる充填などの方法が使用で
きる。但し、剥離性のフィルムをマスク材としてスクイ
ーズにより充填するのが好ましい。これにより、フィル
ムを剥離後に導通路2の突起部2aを形成することがで
きる。
【0047】また、この場合、剥離性のフィルムをフィ
ルム材1と積層した状態で、貫通孔1aを形成するのが
好ましく、多孔質膜を製膜する際に剥離性のフィルムを
製膜基材として、両者を付着させたものを使用するの
が、更に好ましい。このフィルムとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリ
エステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイ
ミドフィルムなどが挙げられる。
【0048】本発明の異方導電性フィルムは、導電接続
を行う端子がバンプ状であっても、なくても何れにも適
用できる。
【0049】[他の実施形態] (1)前述の実施形態では、導電性フィラーを含有する
導電性ペーストが貫通孔に充填された導通路の例を示し
たが、本発明では、前述した他の導通路の形成方法は、
例えば次のように行えばよい。
【0050】貫通孔の内部に金属柱をメッキ形成する方
法としては、金属箔上に多孔質膜を形成しておき、これ
に貫通孔を形成した後、金属箔から導通を取りながら電
解メッキを行った後、金属箔のみをエッチングで除去す
る方法が挙げられる。
【0051】また、金属柱を立設した基材上に多孔質膜
を製膜し、これに少なくとも接着性樹脂成分を含浸させ
る方法では、金属柱を形成する表面部分にマスクを行っ
た金属箔を部分エッチングした基材を使用して製膜を行
い、含浸後に金属箔のみをエッチングで除去する方法が
挙げられる。
【0052】これらのように、導電性ペースト以外で導
通路を形成する場合、その構成材料としては、銅、白
銅、青銅、黄銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステン
レス、金、銀、白金等の各種のものを使用でき、特に銅
を用いるのが好ましい。また、銅の表面には、酸化によ
る導電不良を防止すべく、金などの貴金属被膜をメッキ
や蒸着等で形成してもよい。
【0053】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、多孔質膜の平均孔径及
び空孔率は、次のようにして測定した。
【0054】(1)多孔質膜の平均孔径 表面の平均孔径については、多孔質膜について、走査型
電子顕微鏡(SEM)を用いて、表面の写真撮影を行
い、その写真のコンピュターによる画像解析から平均孔
径を求めた。
【0055】断面の平均孔径については、多孔質膜につ
いて、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、断面の写
真撮影を行い、その写真のコンピュターによる画像解析
から前述した計算方法により平均孔径を求めた。
【0056】(2)多孔質膜の空孔率 空孔率(%)={1−(重量/密度)/容積}×100 多孔質膜の容積と重量を測定し、多孔質膜素材の密度を
用いて上式により、空孔率を求めた。
【0057】〔実施例1〕イソフタル酸塩化物のへキサ
ン溶液とm−フェニレンジアミンの水溶液を等モル反応
させて芳香族ポリアミドを得た。この芳香族ポリアミド
(沈殿物)を水洗、アルコール洗浄、水洗を繰り返した
後、60℃で一晩真空乾燥して乾燥ポリマーを得た。こ
のポリマーを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
中に溶解し、さらにポリビニルピロリドン(PVP)
(アイエスピージャパン(株)製、K−90)と水を加
えて、芳香族ポリアミド(100重量部)、NMP(9
00重量部)、PVP(40重量部)、水(40重量
部)のポリマー溶液(製膜原液)を得た。
【0058】これを厚み150μmの厚さで12μmの
厚さのPENフィルム(帝人(株)製、テオネックスフ
ィルム)の上に塗布し、60℃の水槽に浸漬して多孔質
膜を形成した。さらに、1昼夜水中保存して脱溶剤を行
った。その後、80℃、5時間乾燥してPENフィルム
上に一体に付着・形成された多孔質膜を得た。得られた
多孔質膜は、厚み28μmの連続孔が形成されたスポン
ジ構造となっていた。断面の平均孔径は0.02μm、
表面の平均孔径は0.02μm、空孔率は50%であっ
た。
【0059】この多孔質膜に対し、臭素化ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂のメチルエチルケトン20重量%溶
液よりなる熱硬化性樹脂組成物を多孔膜側に塗布して含
浸させたところ、良好な含浸性が得られた。このフィル
ム材(厚み約30μm)にYAGレーザーを用いて、直
径50μmの貫通孔を100μmピッチで開け、導電性
ペースト(ハンダ粉末(平均粒径約8μm)50vol
%、溶剤50vol %)をPEN側よりスクイーズして充
填し、PENフィルムを剥離することで、本発明の異方
導電性フィルムを得た。
【0060】一方、配線パターンのパターン幅100μ
m、パターン間隔200μmにて規則的に平行にパター
ンを形成した評価用配線基板を2枚作製した。この評価
用配線基板を用いて、それらの端辺同士を導電接続すべ
く、両者の間に得られた異方導電性フィルムを介在さ
せ、温度250℃、圧力30Kgf/cm2 で30秒間
の条件で熱圧着して、導電接続を行った。その結果、全
点で確実に導電接続されていることを確認できた。ま
た、この導通路の形成部分の断面を走査型電子顕微鏡
(SEM)を用いて観察したところ、ハンダ粉末が多孔
質膜の内部に漏洩することなく、多孔質膜との境界面及
びその内部のみにハンダ粉末が存在する状態になってい
た。
【0061】〔比較例1〕実施例1において、芳香族ポ
リアミドの多孔質膜を用いる代わりに、芳香族ポリアミ
ドの不織布(新神戸電機(株)製、型式EA−541、
繊維径10μm)を用いて、実施例1と同様にしてエポ
キシ樹脂を含浸させてフィルム材を作製し、貫通孔の形
成と導電性ペーストの充填を行って異方導電性フィルム
を得た後、評価用配線基板を用いて同様に導電接続を行
った。その結果、導通評価時に短絡部が確認されNGで
あった。
【0062】この導通路の形成部分の断面を走査型電子
顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、ハンダ粉末
が不織布の繊維間に漏洩して、不織布との境界面がない
状態になっていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異方導電性フィルムの一例を示す一部
破断した斜視図
【図2】本発明の異方導電性フィルムの他の例を示す断
面図
【符号の説明】
1 フィルム材 1a 貫通孔 2 導通路 2a 導通路の突起部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 健一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 5G307 HA02 HC01 HC05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性のフィルム材中に複数の導通路が
    互いに絶縁された状態で貫通して配置されている異方導
    電性フィルムにおいて、前記フィルム材は耐熱性樹脂か
    らなる多孔質膜に少なくとも接着性樹脂成分を含浸して
    あることを特徴とする異方導電性フィルム。
  2. 【請求項2】 前記導通路は、導電性フィラーを含有す
    る導電性ペーストが貫通孔に充填されたものである請求
    項1記載の異方導電性フィルム。
  3. 【請求項3】 前記多孔質膜は、スポンジ構造を有し、
    その断面における平均孔径が前記導電性フィラーの平均
    粒子径より小さいものである請求項2に記載の異方導電
    性フィルム。
  4. 【請求項4】 耐熱性樹脂からなる多孔質膜に少なくと
    も接着性樹脂成分を含浸してなるフィルム材に貫通孔を
    設ける工程と、前記貫通孔に導電性フィラーを含有する
    導電性ペーストを充填する工程とを含む異方導電性フィ
    ルムの製造方法。
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