JP2005116660A - 導電性ペースト充填基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細なビア孔へ導電性ペーストを充填する際にも、エア抜け性を確保してより確実な充填が行え、導電性ペーストによる層間接続の信頼性を向上させることができる導電性ペースト充填基板およびその製造方法、並びに当該導電性ペースト充填基板を複数積層してなる多層配線基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】配線層又は金属層1を絶縁層2の少なくとも一方側に備え、その絶縁層2に形成された複数のビア孔2cに導電性フィラーを含有する導電性ペースト3を充填してある導電性ペースト充填基板であって、前記ビア孔2cを形成した絶縁層2は、厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層2aを含むことを特徴とする導電性ペースト充填基板。
【選択図】図1
【解決手段】配線層又は金属層1を絶縁層2の少なくとも一方側に備え、その絶縁層2に形成された複数のビア孔2cに導電性フィラーを含有する導電性ペースト3を充填してある導電性ペースト充填基板であって、前記ビア孔2cを形成した絶縁層2は、厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層2aを含むことを特徴とする導電性ペースト充填基板。
【選択図】図1
Description
本発明は、ビア孔に導電性ペーストを充填してある導電性ペースト充填基板およびその製造方法、並びに当該導電性ペースト充填基板を複数積層してなる多層配線基板およびその製造方法に関する。
従来より、電子機器などに使用されるプリント配線基板の配線層間の導電接続の方法として、絶縁層に形成したビア孔内にメッキを行うメッキ法に比べて、製造方法が簡易なため、導電性ペーストをビア孔内に充填する方法が使用されてきた。
例えば、プリプレグの少なくとも片面に離型性フィルムを備えたプリプレグに貫通孔を設ける工程と、前記貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、前記離型性フィルムを剥離する工程と、前記離型性フィルムを剥離した面に金属箔を積層する工程と、この積層体を加熱加圧して圧縮する工程によって接続ビアを形成する方法である(例えば、特許文献1参照)。このようにして得られた金属箔積層体は、その後、エッチングにより配線パターンが形成されて、両面配線基板が製造されたり、更にこれらの複数が積層一体化されて多層配線基板が製造される。
近年、このような多層配線基板には、配線の高集積化のために、より微細な配線パターンを描くことや、ビアホールで層間接続した多層構造化が要求されている。微細な配線パターンには小径ビアによる接続が必要であり、大きなランドを必要としないブラインドビアにも対応する必要が生じてきた。
しかしながら、上記のような導電性ペーストの充填方法では、貫通孔に充填する場合には接続がより確実に行えるが、有底構造である小径のブラインドビアの場合、導電性ペーストが確実に充填できず、ビア孔内でエア噛みによる接続不良の発生が大きな問題となっている。
近年では、非貫通のビア孔(ブラインドビア)の有底部の金属箔に予め微細な穴を加工し、その後導電性ペーストを充填し、エア噛みを改善する方法などが考案されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、その場合、加工した穴より導電性ペーストの一部が流出し、基板を多層化する前に、流失した部分を研磨、平坦化する新たな工程が必要となる懸念があった。
特開平6−268345号公報
第17回エレクトロニクス実装学会の発表予稿集、平成15年3月発行、(株)フジクラ発表分
そこで、本発明の目的は、微細なビア孔へ導電性ペーストを充填する際にも、エア抜け性を確保してより確実な充填が行え、導電性ペーストによる層間接続の信頼性を向上させることができる導電性ペースト充填基板およびその製造方法、並びに当該導電性ペースト充填基板を複数積層してなる多層配線基板およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究したところ、一部に多孔質層を有する絶縁層を設けることで、導電性ペーストによる接続構造に支障を来さずに、逆に導電性ペースト充填時のエア抜け性が確保でき層間接続の信頼性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の導電性ペースト充填基板は、配線層又は金属層を絶縁層の少なくとも一方側に備え、その絶縁層に形成された複数のビア孔に導電性フィラーを含有する導電性ペーストを充填してある導電性ペースト充填基板であって、前記ビア孔を形成した絶縁層は、厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層を含むことを特徴とする。
本発明の導電性ペースト充填基板によると、ビア孔を形成した絶縁層が樹脂多孔質層を含むため、微細なビア孔へ導電性ペーストを充填する際にも、エア抜け性を確保してより確実な充填が行えるようになる。また、樹脂多孔質層を設けても、特に、導電性ペーストによる接続構造に支障を来さないため、充填性の改善によって導電性ペーストによる層間接続の信頼性を向上させることができる。なお、導電性ペーストによる層間接続構造(ビア)は、金属柱などと比較して、ビアの形成が簡易な工程で行え、ビアの高さ精度も問題となりにくい。また、導電性ペーストでビアを形成する場合には、特にビアの変形などが問題になり易いところであるが、樹脂多孔質層によって十分な補強効果が得られる。
上記において、前記樹脂多孔質層は、スポンジ構造を有し、その断面における平均孔径が前記導電性フィラーの平均粒子径より小さいものであることが好ましい。この場合、ビアを構成する導電性フィラーが、貫通孔の内部に留まり易くなるため、ビアの変形をより確実に防止して、隣接端子間の絶縁性の確保と、接続端子間の導電接続の信頼性をより高めることができる。
本発明の多層配線基板は、上記の導電性ペースト充填基板が複数積層されて、複数の配線層が前記ビア孔を介して導電接続されていることを特徴とする。従って、上記の如き作用効果により、微細なビア孔へ導電性ペーストを充填する際にも、エア抜け性を確保してより確実な充填が行え、導電性ペーストによる層間接続の信頼性を向上させることができる多層配線基板とすることができる。
一方、本発明の導電性ペースト充填基板の製造方法は、配線層又は金属層を一方側に備え、厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層を含む絶縁層に対し、前記配線層又は金属層まで到達する非貫通孔を形成する工程と、前記非貫通孔に導電性フィラーを含有する導電性ペーストを充填する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の製造方法によると、配線層又は金属層まで到達する非貫通孔(ビア孔)を形成する際の絶縁層が樹脂多孔質層を含むため、微細なビア孔へ導電性ペーストを充填する際にも、エア抜け性を確保してより確実な充填が行えるようになる。また、樹脂多孔質層を設けても、特に、導電性ペーストによる接続構造に支障を来さないため、充填性の改善によって導電性ペーストによる層間接続の信頼性を向上させることができる。
その際、前記絶縁層はその表面に熱接着性層を有すると共に、前記導電性ペーストを充填した後に、更に前記熱接着性層に金属箔を積層して加熱加圧する工程を含むことが好ましい。これによって、配線層又は金属層どうしが導電性ペーストで導電接続された導電性ペースト充填基板を製造することができる。
本発明の多層配線基板の製造方法は、配線層又は金属層を一方側に備え、厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層を含む絶縁層に対し、前記配線層又は金属層まで到達する非貫通孔を形成する工程と、前記非貫通孔に導電性フィラーを含有する導電性ペーストを充填する工程と、導電性ペーストが充填され配線層が形成された基板の複数を、逐次積層プレスまたは一括積層プレスにて積層一体化する工程とを含むことを特徴とする。
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
〔導電性ペースト充填基板〕
図1は、本発明の導電性ペースト充填基板の製造方法の一例を示す工程図であり、特に図1(e)には、この製造方法で得られる本発明の導電性ペースト充填基板の一例を示している。
〔導電性ペースト充填基板〕
図1は、本発明の導電性ペースト充填基板の製造方法の一例を示す工程図であり、特に図1(e)には、この製造方法で得られる本発明の導電性ペースト充填基板の一例を示している。
本発明の導電性ペースト充填基板は、図1(e)に示すように、配線層1a,4a又は金属層1,4を絶縁層2の少なくとも一方側に備え、その絶縁層2に形成された複数のビア孔2cに導電性フィラーを含有する導電性ペースト3を充填してある導電性ペースト充填基板であって、前記ビア孔2cを形成した絶縁層2は、厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層2aを含むものである。このような導電性ペースト充填基板は、以下で述べる本発明の製造方法によって、好適に得ることが出来る。
本発明の製造方法は、図1(a)〜(b)に示すように、配線層1a又は金属層1を一方側に備え、厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層2aを含む絶縁層2に対し、前記配線層1a又は金属層1まで到達する非貫通孔(ビア孔2c)を形成する工程を含む。絶縁層2は、一部又は全部に樹脂多孔質層2aを含むものである。
まず、樹脂多孔質層2aについて説明する。樹脂多孔質層を形成する多孔質膜としては、良好な耐熱性と機械的強度を有する樹脂が好ましく、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、特に芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホン等の各種樹脂を採用することができる。これら樹脂のなかでもポリイミド系樹脂が絶縁性、耐熱性が良好であり、また、芳香族ポリアミドも絶縁性、耐熱性が良好であり、低熱線膨張率であるため好ましい。
これらの多孔質膜としては、多孔質膜単体で使用してもよいが、金属箔の表面に製膜されたものを使用することも可能である。特に、回路形成に適した銅箔を使用することが好ましい。多孔質膜の形成は、湿式凝固法、乾式凝固法、延伸法など種々の製膜法が挙げられるが、スポンジ構造を得る上で湿式凝固法が好ましい。湿式凝固法では、一般的に、溶剤に樹脂と添加剤等を溶解した製膜原液(ドープ)を調製し、これを製膜基材に塗布(キャスト)したものを凝固液に浸漬して溶剤置換させることで、樹脂を凝固(ゲル化)させ、その後、凝固液等を乾燥除去するなどして多孔質膜を得る。
ポリイミド系樹脂としては、酸残基とアミン残基とがイミド結合した繰り返し単位を主体とするするものであれば、他の共重合成分やブレンド成分を含むものでもよい。好ましくは、耐熱性、吸湿性、機械的強度の点から、主鎖に芳香族基を有するポリイミドであり、テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分の重合物からなるポリイミドを挙げることができる。特に、0.55〜3.00、好ましくは0.60〜0.85の極限粘度(30℃測定値)有している高分子であることが望ましい。
上記範囲の極限粘度を有するものは、多孔質膜の形成を湿式凝固法で行う場合に、溶剤への溶解性が良好で、機械的強度が大きく自立性の多孔質膜となる。ポリイミド系樹脂は、当該重合体またはその前駆体(ポリアミド酸)を製膜に用いることができるが、ポリアミド酸はポリイミドと比較して溶解性が高いために、分子構造上の制約が少ないという利点がある。なお、重合体としては、完全にイミド化しているものがよいが、イミド化率が70%以上のものでも良い。イミド化率が比較的高いものをドープに用いる場合、ブタンテトラカルボン酸二無水物等の屈曲性の高い成分を繰り返し単位に含む重合体を使用するのが好ましい。ポリイミド系樹脂又はその前駆体を溶解させる溶剤は、これらを溶解する物であれば特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤が溶解性の面や、多孔質膜の形成を湿式凝固法で行う場合の凝固溶剤との溶剤置換スピードの点で好ましく使用できる。好ましい例として、N−メチル−2−ピロリドンを例示することができる。また、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の溶剤を混合して、前記湿式凝固法における溶剤置換の速度を調整してもよい。
一方、芳香族ポリアミドとしては、いわゆるパラ型アラミドやメタ型アラミドの他、骨格の一部をジフェニルエーテル、ジフェニルプロパン、ジフェニルメタン、ジフェニルケトン、ジフェニルスルホキシド、ビフェニル等で置換したものや、芳香環の水素基をメチル基、ハロゲン原子等で置換したものなどが挙げられる。
パラ型アラミドとしては、ポリp−フェニレンテレフタラミド等が挙げられるが、このポリマーのように剛直な成分のみで構成されたアラミドは、特殊な薬剤で溶解させる必要がある。従って、多孔質膜に用いる芳香族ポリアミドとしては、屈曲性を付与する成分で骨格の一部を置換したアラミドやメタ型アラミドを少なくとも一部に使用することが好ましい。屈曲性を付与する成分としては、m−フェニレン、2,7−ナフタレン、ジフェニルエーテル、2,2−ジフェニルプロパン、ジフェニルメタンなどが挙げられる。このような成分は、ジカルボン酸モノマ−又はジアミンモノマーとして、共重合に使用されて骨格に導入されるが、当該成分の共重合比が大きいものほど、一般に溶剤に対する溶解性が高くなる。
芳香族ポリアミドを溶解する溶剤は、溶解性の観点から、例えば、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン,N−メチルピペリドン−2、N,N−ジメチルエチレン尿素、N.N,N’,N’−テトラメチルアロン酸アミド、N−メチルカプロラクタム、N−アセチルピロリジン、N,N−ジエチルアセトアミド、N−エチルピロリドン−2、N,N−ジメチルプロピオン酸アミド、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルプロピレン尿素及びそれらの混合系が挙げられる。更に、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤が溶解性の面や、凝固溶剤との溶剤置換スピードの点で好ましく使用できる。特に好ましい例として、N−メチル−2−ピロリドンを例示することができる。
また、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、等の溶剤を混合して、溶剤置換の速度を調整してもよい。
湿式凝固法におけるドープは、好ましくは−20〜40℃の温度範囲で塗布される。また、凝固液としては用いる樹脂を溶解せずに、上記溶剤と相溶性を有するものであれば、限定されないが、水やメタノール、エタノール、インプロピルアルコール等のアルコール類及びこれらの混合液が用いられ、特に水が好適に用いられる。浸漬時の凝固液の温度は特に限定されないが、好ましくは0〜90℃の温度である。
製膜原液のポリマー濃度は、5重量%から25重量%の範囲が好ましく、7重量%から20重量%がより好ましい。濃度が高すぎると、粘度が高くなりすぎて取り扱いが困難になるし、濃度が低すぎると多孔質膜が形成しにくくなる傾向がある。
孔径形状や孔径コントロールのために硝酸リチウムのような無機物やポリビニルピロリドンのような有機物を添加することもできる。添加物の濃度は溶液中に1重量%から10重量%まで添加するのが好ましい。硝酸リチウムを添加すると溶剤と凝固液との置換速度が速く、スポンジ構造の中にフィンガーボイド構造(指状にボイドを有する構造)を形成される。ポリビニルピロリドンのような凝固スピードを遅くする添加剤を加えると、スポンジ構造が均一に広がった多孔質膜を得ることができる。ドープは一定の厚みに塗布し、水等の凝固液中に浸漬して凝固させたり、水蒸気雰囲気下に放置して凝固した後、水中に浸漬するなどして、脱溶剤され多孔質膜となる。
多孔質膜の形成後、凝固液から取り出した後、乾燥する。乾燥温度は特に制限されないが、200℃以下での乾燥が望ましい。ポリイミド系樹脂の多孔質膜を形成する際、その前駆体(ポリアミド酸)を用いる場合には、最終的に200〜500℃で熱処理して、前駆体(ポリアミド酸)を加熱閉環させてポリイミドとする。
本発明における多孔質膜は、スポンジ構造を有し、その断面における平均孔径が導電性フィラーの平均粒子径より小さいことが好ましい。具体的には断面における平均孔径が0.01〜1μmが好ましい。多孔質膜の空孔率については、エアー抜きの通気機能を好適に発現する上で、20〜98%が好ましく、25〜70%がより好ましい。多孔質膜の厚さは、配線基板の必要な厚さに応じて決定すればよいが、材料上の耐電圧の観点より、1〜200μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
絶縁層2の一部のみが樹脂多孔質層2aである場合、残部には樹脂無孔質層2bが形成される。その場合、樹脂多孔質層2aの厚みが絶縁層2の全厚み中の25〜99%を占めることが好ましい。この厚みの割合が25%未満であると、導電性ペーストを充填する際のエア抜け性の確保が良好に行いにくい傾向がある。なお、絶縁層2の全厚みは、絶縁性の確保とペースト充填性の観点から、5〜200μmが好ましい。
樹脂無孔質層2bは、樹脂多孔質層2aの片面や両面に形成することができる。樹脂無孔質層2bとしては、樹脂フィルム、熱接着性シート、熱接着性樹脂塗料など何れも使用できるが、金属箔を積層して加熱加圧して一体化する場合、熱接着性シート等を用いて熱接着性層を形成するのが好ましい。この熱接着性層は、加熱プレスにより軟化して、最終的に硬化状態となるものが更に好ましい。具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド酸等が挙げられる。
本発明では、好ましく使用されるポリイミド系樹脂の多孔質層2aに対する接着性や耐熱性が良好で、比較的低誘電率であるポリイミド系接着剤を用いるのが好ましい。このような熱接着性層の厚みは、金属層4や樹脂多孔質層2aとの接着性を確保する観点より、2〜50μmが好ましい。
樹脂多孔質層2aに熱接着性層を形成する方法としては、各層を予めシート状に形成し、それらを加熱プレス、ラミネート等により積層一体化する方法や、樹脂多孔質膜の両面に接着剤を塗布形成する方法等が挙げられる。従って、樹脂多孔質層2aには樹脂無孔質層2bが一部含浸されていてもよく、仮着状態であってもよい。
金属層1は、銅以外の金属でもよいが、配線パターンとしての導電性、加工性等の点から、銅であることが好ましい。配線層1a又は金属層1は、表面に金、パラジウムなどの金属がメッキされたものでもよい。金属層1の厚みは、1〜50μmが好ましい。
非貫通孔(ビア孔2c)の形成は、通常、炭酸ガスレーザーやYAGレーザ等の各種レーザを用いたレーザ加工によって行われる。レーザ加工の方法や条件等は、従来法の条件等が何れも適用できる。非貫通孔の形状としては、導電性ペースト3の充填性や導電接続の信頼性などを考慮すると円柱状や上側に拡がった円錐台形状が好ましい。
本発明では、樹脂多孔質層2aによって導電性ペースト3を充填する際のエア抜け性が確保されるため、従来充填が困難であった、開口面の平均孔径が500〜50μmである非貫通孔であっても、導電性ペーストの良好な充填を行うことができる。
非貫通孔の形成後には、必要に応じてデスミア処理などを施すことが可能である。
本発明の製造方法は、図1(c)に示すように、非貫通孔(ビア孔2c)に導電性フィラーを含有する導電性ペースト3を充填する工程を含む。導電性ペースト3の充填は、非貫通孔の周囲の高さと略同じ高さになるように充填するか、又は周囲の高さより若干高く充填するのが好ましい。
導電性ペースト3としては、銀、銅、カーボン、ハンダ等の微粒子からなる導電性フィラーをバインダー樹脂や溶剤に分散させたものが挙げられる。バインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂が好適に使用され、熱圧着の際に、硬化反応が進行するものが好ましい。導電性フィラーの平均粒径としては、0.05〜10μmが一般的である。
導電性ペースト3の導電性フィラーは銀などでもよいが、マイグレーションを考慮すると、銅または銀コート銅粉タイプであることが好ましい。また、導電性ペースト3は積層時の平坦性を考慮してペーストキュア後の容積変化が少ない無溶剤タイプ、ビア充填タイプが好ましい。
導電性ペースト3の充填には、スクリーン印刷、オフセット印刷、パッド印刷、インクジェット印刷等の印刷や、スクイーズによる充填などの方法が使用できる。また、剥離性のフィルムをマスク材としてスクイーズにより充填する方法も使用できる。この場合、剥離性のフィルムを樹脂無孔質層2b(熱接着性層)と積層した状態で、非貫通孔を形成するのが好ましい。また、樹脂多孔質層2aを形成する多孔質膜を製膜する際に、剥離性のフィルムと樹脂無孔質層2bとが積層付着したシートを製膜基材として使用するのが、更に好ましい。
上記の離型性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
本発明では、図1(d)に示すように、絶縁層2がその表面に熱接着性層(樹脂無孔質層2b)を有すると共に、導電性ペースト3を充填した後に、更に前記熱接着性層に金属箔4を積層して加熱加圧する工程を含むことが好ましい。これによって、両側の金属層1,4が、導電性ペースト3を充填したビア孔2cを介して導電接続された導電性ペースト充填基板、即ち、配線層1a,4a又は金属層1,4を絶縁層2の両側に備え、その絶縁層2に形成された複数のビア孔2cに導電性フィラーを含有する導電性ペースト3を充填してある導電性ペースト充填基板であって、前記ビア孔2cを形成した絶縁層2は、厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層2aを含むものを得ることができる。
金属箔を熱接着性層に積層して加熱加圧する際、真空プレス装置、熱プレス装置、連続プレス装置などの各種プレス装置が利用でき、また、加熱プレスの温度、圧力は、接着剤の硬化反応が完了するような、従来公知の条件が何れも適用できる。また、硬化反応が完了しないような条件で加熱加圧しておき、後の積層プレス工程において硬化反応が完了するようにしてもよい。なお、金属箔(金属層4)としては、金属層1と同様のものが使用できる。
このようにして得られた導電性ペースト充填基板は、図1(e)に示すように、金属層1,4にエッチング等を施すことによって、パターン形成することができる。エッチングは、例えばフォトレジストを用いて露光・現像により所定のパターンを形成した後に、金属層1,4に応じたエッチング液を用いて行うことができる。パターン形成された導電性ペースト充填基板は、配線層1a,4aを有し、そのまま両面配線基板として使用したり、これを複数積層して、後述するような多層配線基板を得ることもできる。
〔導電性ペースト充填基板の他の実施形態〕
(1)前述の実施形態では、樹脂多孔質層の上面側のみに樹脂無孔質層が形成された絶縁層を用いる例を示したが、本発明では、樹脂多孔質層の両側に樹脂無孔質層が形成された絶縁層や、樹脂多孔質層の下面側のみに樹脂無孔質層が形成された絶縁層や、樹脂多孔質層のみで形成された絶縁層などを用いてもよい。
(1)前述の実施形態では、樹脂多孔質層の上面側のみに樹脂無孔質層が形成された絶縁層を用いる例を示したが、本発明では、樹脂多孔質層の両側に樹脂無孔質層が形成された絶縁層や、樹脂多孔質層の下面側のみに樹脂無孔質層が形成された絶縁層や、樹脂多孔質層のみで形成された絶縁層などを用いてもよい。
(2)前述の実施形態では、図1(d)に示すように、両側の金属層1,4が、導電性ペースト3を充填したビア孔2cを介して導電接続された導電性ペースト充填基板を用いて、配線層1a,4aを形成する例を示したが、本発明では、図1(c)に示すような、金属層1を絶縁層2の一方側に備え、その絶縁層2に形成された複数のビア孔2cに導電性フィラーを含有する導電性ペースト3を充填してある導電性ペースト充填基板を用いて、金属層1に対して配線層1aを形成してもよい。このような導電性ペースト充填基板は、例えば多層配線基板をビルドアップ形成する場合に使用することができる(図3(a)参照)。
〔多層配線基板〕
本発明の多層配線基板は、図2(b)に示すように、本発明の導電性ペースト充填基板が複数積層されて、複数の配線層が前記ビア孔2cを介して導電接続されているものである。図示した多層配線基板は、本発明の導電性ペースト充填基板のうち両面に配線層1a,4aを形成したものの同士を、その間に介在する絶縁層12のビア孔12cで導電接続した例である。
〔多層配線基板〕
本発明の多層配線基板は、図2(b)に示すように、本発明の導電性ペースト充填基板が複数積層されて、複数の配線層が前記ビア孔2cを介して導電接続されているものである。図示した多層配線基板は、本発明の導電性ペースト充填基板のうち両面に配線層1a,4aを形成したものの同士を、その間に介在する絶縁層12のビア孔12cで導電接続した例である。
本発明の多層配線基板は、図2に示すように、導電性ペースト3が充填され配線層1a,4aが形成された基板(導電性ペースト充填基板)の複数を、逐次積層プレスまたは一括積層プレスにて積層一体化する工程を含む本発明の製造方法により、好適に製造することができる。導電性ペースト充填基板を得るまでの工程は、先に述べた通りである。
ビア孔12cを有する絶縁層12は、補強材を含むプリプレグや樹脂シートでもよいが、絶縁層12の低誘電率化を図る上で、樹脂多孔質層12aを有することが好ましく、特に樹脂多孔質層12aの両側に樹脂無孔質層12b,12cが形成された絶縁層12がより好ましい。樹脂多孔質層12aや樹脂無孔質層12b,12cは、前述と同様のものが使用できるが、特に熱接着性の樹脂無孔質層12b,12cを設けたものが好ましい。
逐次積層プレスまたは一括積層プレスの条件としては、熱接着性の樹脂無孔質層12b,12cの種類に応じて、従来公知の条件がいずれも採用できる。例えば、ポリイミド系接着剤を用いた場合、圧力1〜5MPaで1〜3時間程度の条件で行うことができる。
このようにして得られる多層配線基板は、間隙部VSが生じないように、樹脂等を更に導電性ペースト充填基板に塗布して平坦化してもよいが、本発明では間隙部VSを有していてもよい。通常の配線基板では、この間隙部VSが加熱時の膨れや変形等の原因になるが、本発明の導電性ペースト充填基板は、樹脂多孔質層2aを有するため、加熱時にエア抜けが生じることで、間隙部VSによる問題が起こりにくくなる。
〔多層配線基板の他の実施形態〕
(1)前述の実施形態では、介在させる絶縁層の側に、熱接着性層を設ける例を示したが、本発明では、導電性ペースト充填基板の側に熱接着性層を設けて、一括積層プレスにて積層一体化してもよい。
(2)前述の実施形態では、両面に配線層を形成した導電性ペースト充填基板の複数を、熱接着性の絶縁層を介して一括積層プレスする例を示したが、本発明では、図3に示すように、配線層が形成された基板(コア基板やビルドアップ後の基板)に対して、片面に配線層を形成した導電性ペースト充填基板を、逐次積層プレスして一体化する製造方法でもよい。
(3)前述の実施形態では、全ての層間接続を導電性ペーストを充填したビアで行う例を示したが、本発明では、一部の層間接続を、スルーホールメッキ、レーザービアなどで行ってもよい。
〔多層配線基板の他の実施形態〕
(1)前述の実施形態では、介在させる絶縁層の側に、熱接着性層を設ける例を示したが、本発明では、導電性ペースト充填基板の側に熱接着性層を設けて、一括積層プレスにて積層一体化してもよい。
(2)前述の実施形態では、両面に配線層を形成した導電性ペースト充填基板の複数を、熱接着性の絶縁層を介して一括積層プレスする例を示したが、本発明では、図3に示すように、配線層が形成された基板(コア基板やビルドアップ後の基板)に対して、片面に配線層を形成した導電性ペースト充填基板を、逐次積層プレスして一体化する製造方法でもよい。
(3)前述の実施形態では、全ての層間接続を導電性ペーストを充填したビアで行う例を示したが、本発明では、一部の層間接続を、スルーホールメッキ、レーザービアなどで行ってもよい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、多孔質膜の平均孔径及び空孔率は、次のようにして測定した。
(1)多孔質膜の平均孔径
多孔質膜について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、断面の写真撮影を行い、その写真のコンピュターによる画像解析から内部の平均孔径を求めた。
多孔質膜について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、断面の写真撮影を行い、その写真のコンピュターによる画像解析から内部の平均孔径を求めた。
(2)多孔質膜の空孔率
空孔率(%)={1−(重量/密度)/容積}×100
多孔質膜の容積と重量を測定し、多孔質膜素材の密度を用いて上式により、空孔率を求めた。
空孔率(%)={1−(重量/密度)/容積}×100
多孔質膜の容積と重量を測定し、多孔質膜素材の密度を用いて上式により、空孔率を求めた。
(片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体の製作例)
18μm厚みの電解銅箔(古河サーキット株式会社製)マット面上にBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)−DDE(ジアミノジフェニルエーテル)−PPD(パラフェニレンジアミン)系のポリイミド前駆体のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)19重量%溶液を製膜原液(PPD/DDEの比率はモル比で85/15)として、フィルムアプリケーターを用いて、ギャップ65μmで均一の厚さに塗布した。塗布後25℃の純水中に浸漬し、ポリイミド前駆体を凝固させた。凝固後90℃で1時間以上乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気中にて400℃で3時間熱処理し、ポリイミド前駆体を加熱閉環させ、ポリイミド多孔質層を形成し、片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体を製作した。得られた片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体の多孔質層は均一なスポンジ層であり、多孔質層の厚みは22μm、空孔率は約40%、内部の平均孔径は約3μmであった。
18μm厚みの電解銅箔(古河サーキット株式会社製)マット面上にBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)−DDE(ジアミノジフェニルエーテル)−PPD(パラフェニレンジアミン)系のポリイミド前駆体のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)19重量%溶液を製膜原液(PPD/DDEの比率はモル比で85/15)として、フィルムアプリケーターを用いて、ギャップ65μmで均一の厚さに塗布した。塗布後25℃の純水中に浸漬し、ポリイミド前駆体を凝固させた。凝固後90℃で1時間以上乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気中にて400℃で3時間熱処理し、ポリイミド前駆体を加熱閉環させ、ポリイミド多孔質層を形成し、片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体を製作した。得られた片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体の多孔質層は均一なスポンジ層であり、多孔質層の厚みは22μm、空孔率は約40%、内部の平均孔径は約3μmであった。
次に、ポリイミド系接着剤(UPA−AH、宇部興産株式会社製)を上記片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体の多孔質ポリイミド面上にフィルムアプリケーターにて厚み100μmに塗布し、温度90℃で5分間乾燥しBステージ状態の接着シートを形成し、接着シート付の片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体を作製した。
(実施例1)
上記接着シート付の片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体の接着シート面側からYAGレーザー(ESI社製モデル5330)用い、加工方式:トレパン、ビーム形状:ガウシアン、パワー:0.2W、パルス繰り返し:20kHz、パルスエネルギー:10μJの条件にて所定の評価パターン(図4参照)に沿ってビア径100μmのブラインドビア(非貫通孔)を開孔した。
上記接着シート付の片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体の接着シート面側からYAGレーザー(ESI社製モデル5330)用い、加工方式:トレパン、ビーム形状:ガウシアン、パワー:0.2W、パルス繰り返し:20kHz、パルスエネルギー:10μJの条件にて所定の評価パターン(図4参照)に沿ってビア径100μmのブラインドビア(非貫通孔)を開孔した。
穴明加工した上記片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体を、サーキュポジットホールプリッフ(シプレイ社製)を用いて80℃で10分間膨潤処理し、サーキュポジットMLBプロモータ213(シプレイ社製)を用いて80℃で10分間酸化処理(KMnO4 処理)した後、サーキュポジットMLBニュートラライザ216−5(シプレイ社製)を用いて80℃で10分間中和処理してデスミア処理を行った。その後、スクリーン印刷法にてフィラー平均粒径が約5〜7μmである導電性Cuペースト(京都エレックス(株)社製DD−1801)を各ビアへ充填を行った。ビア充填後、導電性ペーストを80℃で60分間乾燥させ、更に180℃×60分間キュアを行った。
次に、導電性Cuペーストを充填した前記片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体の接着シート面側に18μm厚みの電解銅箔(古河サーキット株式会社製)を積層した。積層後、真空プレス機によりチャンバー内圧力3torr、加熱温度180℃、プレス圧力30kg/cm2 の条件下で1時間熱プレスを行い、多孔質ポリイミドの両面銅箔基板を製作した。上記両面銅箔基板にレジストフィルムを用いてパターニング、その後FeCl2 にて50℃、70秒間エッチングを行い評価用のデジチェーンパターンを作製した(図4参照)。作製したデジチェーンパターンはビア径100μmφ、ランド長L1:1.7mm、ランド間距離L2:0.3mm、ランド幅0.7mm、ビアピッチ1mm、配列10穴/列×10列であり穴数は1サンプルあたり100穴直列ビアで、サンプル数はn=3で行った。
上記の様に得られた評価パターンをデジタルマルチメーターにて初期抵抗値を測定した。抵抗値測定の結果、各サンプルには断線は見られず、良好な接続性が確認された。初期抵抗値の測定結果を表1に示した。
(実施例2)
ESI社製YAGレーザー穴明機(モデル5330)を用い上記接着シート付の片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体の接着シート面側から実施例1と同じ条件にて所定の評価パターンに(図4参照)沿ってビア径50μmのブラインドビアを開孔した。以下実施例1と同様にして導電性ペーストを充填した多孔質ポリイミドの両面銅箔基板を製作し、レジストフィルムを用いてパターニング、その後エッチングを行い図4の様な評価用のデジチェーンパターンを作製した。作製したデジチェーンパターンはビア径50μmφ、ランド長L1:1.7mm、ランド間距離L2:0.3mm、ランド幅0.7mm、ビアピッチ1mm、配列10穴/列×10列であり穴数は1サンプルあたり100穴直列ビアで、サンプル数はn=3で行った。上記の様に得られた評価パターンをデジタルマルチメーターにて初期抵抗値を測定した。抵抗値測定の結果、各サンプルには断線は見られず、良好な接続性が確認された。初期抵抗値の測定結果を表2に示した。
ESI社製YAGレーザー穴明機(モデル5330)を用い上記接着シート付の片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体の接着シート面側から実施例1と同じ条件にて所定の評価パターンに(図4参照)沿ってビア径50μmのブラインドビアを開孔した。以下実施例1と同様にして導電性ペーストを充填した多孔質ポリイミドの両面銅箔基板を製作し、レジストフィルムを用いてパターニング、その後エッチングを行い図4の様な評価用のデジチェーンパターンを作製した。作製したデジチェーンパターンはビア径50μmφ、ランド長L1:1.7mm、ランド間距離L2:0.3mm、ランド幅0.7mm、ビアピッチ1mm、配列10穴/列×10列であり穴数は1サンプルあたり100穴直列ビアで、サンプル数はn=3で行った。上記の様に得られた評価パターンをデジタルマルチメーターにて初期抵抗値を測定した。抵抗値測定の結果、各サンプルには断線は見られず、良好な接続性が確認された。初期抵抗値の測定結果を表2に示した。
(比較例1)
18μm厚みの銅箔上に25μm厚のポリイミド無孔フィルム層が形成された2層基材(新日鐵化学社製エスパネックス)のポリイミドフィルム面にポリイミド系接着剤(UPA−AH、宇部興産株式会社製)をフィルムアプリケーターにて厚み100μmに塗布し、温度90℃で5分間乾燥しBステージ状態の接着シートを形成し、接着シート付の片面銅箔付ポリイミドフィルム基材を作製した。上記接着シート付の片面銅箔付ポリイミドフィルム基材の接着シート面側からYAGレーザー(ESI社製モデル5330)用い、実施例1と同じの条件にて所定の評価パターンに(図4参照)沿ってビア径100μmのブラインドビアを開孔した。
18μm厚みの銅箔上に25μm厚のポリイミド無孔フィルム層が形成された2層基材(新日鐵化学社製エスパネックス)のポリイミドフィルム面にポリイミド系接着剤(UPA−AH、宇部興産株式会社製)をフィルムアプリケーターにて厚み100μmに塗布し、温度90℃で5分間乾燥しBステージ状態の接着シートを形成し、接着シート付の片面銅箔付ポリイミドフィルム基材を作製した。上記接着シート付の片面銅箔付ポリイミドフィルム基材の接着シート面側からYAGレーザー(ESI社製モデル5330)用い、実施例1と同じの条件にて所定の評価パターンに(図4参照)沿ってビア径100μmのブラインドビアを開孔した。
穴明加工した上記片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体を実施例1と同じ条件にてデスミア処理を行った後スクリーン印刷法にてフィラー平均粒径が約5〜7μmである導電性Cuペースト(京都エレックス(株)社製DD−1801)を各ビアへ充頃を行った。ビア充填後、導電性ペーストを80℃で60分間乾燥させ、更に180℃×60分間キユアを行った。
次に、導電性Cuペーストを充填した前記片面銅箔付多孔質ポリイミド積層体の接着シート面側に18μm厚みの電解銅箔(古河サーキット株式会社製)を積層した。積層後、真空プレス機によりチャンパー内圧力3torr、加熱温度180℃、プレス圧力30kg/cm2 の条件下1時間熱プレスを行い、ポリイミドフィルムの両面銅箔基板を製作した。上記ポリイミドフィルムの両面銅箔基板にレジストフィルムを用いてパターニング、その後FeCl2 にて50℃、70秒間エッチングを行い評価用のデジチェーンパターンを作製した。作製したデジチェーンパターンは実施例1と同じ(ビア径100μmφ)であり、サンプル数はn=3で行った。上記の様に得られた評価パターンをデジタルマルチメーターにて初期抵抗値を測定した。抵抗値測定の結果、各サンプルには異常に抵抗が大きいサンプル及び断線したサンプルが確認された。初期抵抗値の測定結果を表3に示した。
(比較例2)
ESI社製YAGレーザー穴明機(モデル5330)を用い比較例1と同様に接着シート付の片面銅箔付ポリイミドフィルム基材の接着シート面側から所定の評価パターンに(図4参照)沿ってビア径50μmのブラインドビアを開孔した。以下実施例1と同様にして導電性ペーストが充填されたポリイミドフィルムの両面銅箔基板を製作し、レジストフィルムを用いてパターニング、その後エッチングを行い図4の様な評価用のデジチェーンパターンを作製した。作製したデジチェーンパターンは実施例2と同じ(ビア径50μmφ)であり、サンプル数はn=3で行った。上記の様に得られた評価パターンをデジタルマルチメーターにて初期抵抗値を測定した。抵抗値測定の結果、各サンプルには断線が発生し良好な接続性が得られなかった。初期抵抗値の測定結果を表4に示した。
ESI社製YAGレーザー穴明機(モデル5330)を用い比較例1と同様に接着シート付の片面銅箔付ポリイミドフィルム基材の接着シート面側から所定の評価パターンに(図4参照)沿ってビア径50μmのブラインドビアを開孔した。以下実施例1と同様にして導電性ペーストが充填されたポリイミドフィルムの両面銅箔基板を製作し、レジストフィルムを用いてパターニング、その後エッチングを行い図4の様な評価用のデジチェーンパターンを作製した。作製したデジチェーンパターンは実施例2と同じ(ビア径50μmφ)であり、サンプル数はn=3で行った。上記の様に得られた評価パターンをデジタルマルチメーターにて初期抵抗値を測定した。抵抗値測定の結果、各サンプルには断線が発生し良好な接続性が得られなかった。初期抵抗値の測定結果を表4に示した。
1 金属層
1a 配線層
2 絶縁層
2a 樹脂多孔質層
2b 樹脂無孔質層
2c ビア孔(非貫通孔)
3 導電性ペースト
4 金属層
4a 配線層
1a 配線層
2 絶縁層
2a 樹脂多孔質層
2b 樹脂無孔質層
2c ビア孔(非貫通孔)
3 導電性ペースト
4 金属層
4a 配線層
Claims (6)
- 配線層又は金属層を絶縁層の少なくとも一方側に備え、その絶縁層に形成された複数のビア孔に導電性フィラーを含有する導電性ペーストを充填してある導電性ペースト充填基板であって、前記ビア孔を形成した絶縁層は、厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層を含むことを特徴とする導電性ペースト充填基板。
- 前記樹脂多孔質層は、スポンジ構造を有し、その断面における平均孔径が前記導電性フィラーの平均粒子径より小さいものである請求項1に記載の導電性ペースト充填基板。
- 請求項1又は2に記載の導電性ペースト充填基板が複数積層されて、複数の配線層が前記ビア孔を介して導電接続されている多層配線基板。
- 配線層又は金属層を一方側に備え、厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層を含む絶縁層に対し、前記配線層又は金属層まで到達する非貫通孔を形成する工程と、前記非貫通孔に導電性フィラーを含有する導電性ペーストを充填する工程とを含む導電性ペースト充填基板の製造方法。
- 前記絶縁層はその表面に熱接着性層を有すると共に、前記導電性ペーストを充填した後に、更に前記熱接着性層に金属箔を積層して加熱加圧する工程を含む請求項4に記載の導電性ペースト充填基板の製造方法。
- 配線層又は金属層を一方側に備え、厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層を含む絶縁層に対し、前記配線層又は金属層まで到達する非貫通孔を形成する工程と、前記非貫通孔に導電性フィラーを含有する導電性ペーストを充填する工程と、導電性ペーストが充填され配線層が形成された基板の複数を、逐次積層プレスまたは一括積層プレスにて積層一体化する工程とを含む多層配線基板の製造方法。
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-
2003
- 2003-10-06 JP JP2003346710A patent/JP2005116660A/ja active Pending
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