JP3236812B2 - 多層配線基板 - Google Patents
多層配線基板Info
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Description
子収納用パッケージや、電子部品を搭載する配線基板な
どに適した多層配線基板に関するものである。
含む絶縁基板表面に銅箔を接着した後、これをエッチン
グして微細な配線回路を形成し、しかるのちにこの基板
を積層して多層化して製造されている。また、このよう
なプリント基板においては、その強度を高めるために、
有機樹脂と布状のガラス繊維を複合させたものが最も多
用されている。
ラミド樹脂の織布またはその不織布を使用した多層配線
基板も特許第2587593号等によりすでに提案され
ている。
や、コンピュータを持ち運んで操作するいわゆるモバイ
ルコンピューティングの普及によってさらに小型、薄型
且つ高精細の多層配線基板が求められる傾向にある。基
板を小型化するためには、ビアホールの小径化と任意配
置化、配線パターンの微細化および多層化が有効であ
る。
工は、一般にマイクロドリルによって行われていたが、
そのドリル径は最小0.15mm程度であり、要求され
る微細加工に対して十分対応できないために、最近で
は、レーザー加工により、微細なビアホールの加工が行
われている。
を配合した配線基板は、配線回路層間を接続するビアホ
ール導体を形成するためのホールの形成がレーザー加工
で容易に行うことができ、微細なホールを高速で開ける
ことができ、微細な配線を形成するには好適である。
湿しやすい性質を有し、通常のプリント基板に使用され
るエポキシ、BTレジン、PPEなどの有機樹脂の吸湿
量が0.1〜0.2%であるのに対して、アラミド樹脂
は2〜3%と10倍以上の吸湿をする。そのため、アラ
ミド樹脂を含有するプリント基板を高温多湿雰囲気で放
置すると、吸湿による膨張のため配線基板がぼろぼろに
なってしまい、長期信頼性に問題があった。
機樹脂とガラス繊維との複合材によって形成される絶縁
層は、強度の向上には効果的であるが、ガラス織布によ
ってレーザー加工性が悪いという問題があった。また、
耐湿性は、アラミド樹脂よりも優れるが、ガラス繊維と
有機樹脂との複合材料を多湿中で長期保存するとガラス
繊維と有機樹脂との界面を水分が拡散してマイグレーシ
ョンをもたらす等の弊害が生じる等の問題があり、その
結果、基板表面に半導体素子等を搭載する場合、素子電
極に対応した微細なビアホール導体を高密度に形成する
ことができない等の問題があった。
維を含有する基板を用いながらも、環境安定性に優れ、
かつレーザーによってアラミド不織布を含有する絶縁基
板と同様に容易に微細なビアホール導体を高密度に形成
することができる、携帯情報端末やモバイルコンピュー
タに最適な小型、薄型且つ高精細の多層配線基板を提供
するものである。
なガラス織布を用いた場合の問題に対して検討を重ねた
結果、通常、半導体素子などを搭載する基板最表面にお
いてのみ、微細なビアホール加工が要求されることに着
目し、内部の絶縁層のみをガラス繊維を含有する絶縁層
によって形成し、最表層部の絶縁層にガラス繊維を含ま
ず且つSiO2、Al2O3、AlNのうち少なくとも1
種を含む無機質フィラーと有機樹脂とからなる絶縁性複
合材料によって構成される厚み10〜300μmの絶縁
層を配設し、且つ前記ビアホール導体を導体ペーストの
充填によって形成することにより、ガラス繊維含有絶縁
層を外気と遮断し、ガラス繊維による優れた強度を維持
しつつ、環境安定性に優れるとともに、シリコンチップ
の実装のための高密度配線化に対応可能な配線基板を提
供できることを見いだし、本発明に至った。
も有機樹脂を含有する複数の絶縁層を積層してなる絶縁
基板と、該絶縁基板表面および内部に配設された配線回
路層と、前記配線回路層間を電気的に接続するためのビ
アホール導体を具備する多層配線基板において、前記絶
縁基板の内部に、ガラス繊維を含有する絶縁層を配設
し、最表層部にガラス繊維を含まず且つSiO2、Al2
O3、AlNのうち少なくとも1種を含む無機質フィラ
ーと有機樹脂とからなる絶縁性複合材料によって構成さ
れる厚み10〜300μmの絶縁層を配設し、且つ前記
ビアホール導体を導体ペーストの充填によって形成する
ことを特徴とするものであり、特に、前記最表層部の少
なくとも一方の絶縁層に設けられたビアホール導体の最
小ビアホール径が150μm以下、ビアホール導体間の
最小壁間隔がビアホール径以上、300μm以下である
こと、さらには、前記内部の絶縁層に設けられたビアホ
ール導体の最小ビアホール径が100μm以上、ビアホ
ール導体間の最小壁間隔が300μm以上であることを
特徴とするものである。
る。図1は、本発明における多層配線基板を説明するた
めの概略断面図である。
に、少なくとも有機樹脂を含有する複数の絶縁層1a〜
1dを積層してなる絶縁基板1の表面および内部に、複
数層の配線回路層2が被着形成されている。そして、配
線回路層2間は、ビアホール導体3によって電気的に接
続されている。
層、即ち、絶縁層1b,1cを少なくとも有機樹脂とフ
ィラーとしてガラス繊維を含有する絶縁性複合材料によ
って構成する。具体的には、この絶縁層は、ガラス繊維
中に有機樹脂を含浸させた複合材料によって構成され、
ガラス繊維は、絶縁層中に30〜70体積%の割合で含
まれることが望ましく、特に、ガラス繊維は、織布また
は不織布として含有されることが望ましい。また、穴あ
け加工の均一性を高めるためにガラス織布を解繊(織物
状の繊維の一部をほぐし、織布の厚さを均一にする) さ
せて絶縁層を形成してもよい。
中に含浸される有機樹脂としては、例えば、PPE(ポ
リフェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマレイミド
トリアジン)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素
樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドビスマレイミド等の
樹脂が望ましく、とりわけ原料として室温でワニス状の
熱硬化性樹脂であることが望ましい。
2 、Al2 O3 、AlN等の無機質フィラーを含有して
いてもよい。フィラーの形状は平均粒径が20μm以
下、特に10μm以下、最適には7μm以下の略球形状
の粉末が好適で、有機樹脂:無機質フィラーの体積比率
で15:85〜5:95の比率で混合されるのが望まし
い。
縁基板1のうち、最表層部に位置する絶縁層、即ち、図
1の1aおよび1dの絶縁層を、繊維体を含まない有機
樹脂と無機質フィラーとからなる絶縁性複合材料によっ
て構成する。この最表層部の絶縁層中に繊維体が含まれ
ると、ガラス織布自体の不均一性によって、ビアホール
径にバラツキが生じやすく、特に、ガラス織布等の繊維
体を含む場合には、多湿中で長期保存するとガラス繊維
と有機樹脂との界面を水分が拡散してマイグレーション
をもたらす等の弊害が生じるためである。
O2、Al2O3、AlNのうち少なくとも1種を含む無
機質フィラーと有機樹脂とからなる絶縁性複合材料によ
って構成される絶縁層1aおよび1dの厚みは、上記作
用を十分に発揮させる上で、10〜300μm、特に4
0〜100μmであることが重要である。その厚みが1
0μmよりも薄いと、最表層部の絶縁層による外気中の
水分の内部への拡散を十分に抑制することができず、ガ
ラス繊維を含む内部層においてマイグレーションが生じ
るためである。300μmを超えると、基板全体の厚み
にもよるが、ガラス繊維含有絶縁層の厚みが薄くなり、
基板の強度向上効果が小さくなる。
脂としては、PPE(ポリフェニレンエーテル)、BT
レジン(ビスマレイミドトリアジン)、エポキシ樹脂、
ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリア
ミドビスマレイミド等の樹脂が望ましい。また、この絶
縁層中には、無機質フィラーを配合することが重要であ
り、これにより内部層の絶縁層との熱膨張特性を近似さ
せることができる。この時に用いられる無機質フィラー
としては、SiO2、Al2O3、AlN等が用いられ、
フィラーの形状は平均粒径が20μm以下、特に10μ
m以下、最適には7μm以下の略球形状の粉末が用いら
れる。この無機質フィラーは、有機樹脂:無機質フィラ
ーの体積比率で15:85〜5:95の比率範囲で混合
される。
ビアホール導体3は、銅、アルミニウム、金、銀の群か
ら選ばれる少なくとも1種、または2種以上の合金から
なることが望ましく、特に、銅、または銅を含む合金が
最も望ましい。なお、配線回路層2は、上記の金属の金
属箔、メッキ層、導体インクによる印刷パターンのいず
れでもよい。
めの具体的な方法について説明する。まず、絶縁基板の
内部絶縁層として、ガラス繊維を含む絶縁シートを形成
する。この内部絶縁層用絶縁シートは、例えば、Eガラ
スやSガラスなどのガラス織布またはガラス不織布に、
有機樹脂または有機樹脂と無機質フィラーとの混合物を
スラリー状にしたワニスを含浸させることにより形成す
る。
たは有機樹脂−無機質フィラーとの複合体に、トルエ
ン、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、イソプロピルア
ルコール、メタノール等の溶媒を添加して100〜30
00ポイズの粘度を有する流動体からなるのがよい。な
お、ワニス含浸後は、加熱処理して乾燥させる。また、
市販のガラス繊維を含有するプリプレグを使用してもよ
い。
絶縁シートを作製する。この最表層部用絶縁シートは、
前述した有機樹脂、または有機樹脂と無機質フィラーか
らなる組成物を混練機や3本ロールなどの手段によって
十分に混合し、これを圧延法、押し出し法、射出法、ド
クターブレード法などによってシート状に成形した後、
有機樹脂を半硬化させる。半硬化には、有機樹脂は熱可
塑性樹脂の場合には、加熱下で混合したものを冷却し、
熱硬化性樹脂の場合には、完全固化するに十分な温度よ
りもやや低い温度に加熱すればよい。
層用絶縁シートおよび最表層部絶縁層用絶縁シートに対
して、ビアホールを形成する。この時、最表層部絶縁層
用絶縁シートがガラス繊維を含まず無機質フィラーと有
機樹脂とからなる絶縁性複合材料によって構成されてい
ることから、マイクロドリルやレーザー加工によって微
細なビアホールの加工が可能となる。特に、基板の最表
層部絶縁層表面にシリコンチップなどを実装する上で
は、微細なビアホールを形成することが望まれる。かか
る観点からは、最表層部用絶縁シートがガラス繊維を含
まないために微細なビアホールを均一に形成することが
可能となり、その結果、最表層部の絶縁層に形成される
複数のビアホール導体のうち、最小ビアホール径を15
0μm以下とすることが可能である。また、50μmよ
りも小さいと、ビアホール導体と配線回路層との接続抵
抗が上昇する場合があるため、最小ビアホール径として
は、特に50〜150μm、さらには75〜125μm
に設定することが望ましい。
間間隔も、ガラス繊維を含まずマイグレーションの発生
がないために最小壁間距離を300μm以下まで狭める
ことができるが、壁間距離がビアホール径よりも小さい
と加工による変質部が絶縁性に悪影響を与えることがあ
る。従って、最小壁間距離は、ビアホール径以上、30
0μm以下、特に50〜150μmの範囲が最適であ
る。
シートにおいては、ビアホール径が100μmよりも小
さいと、ガラス繊維の存在によりビアホール径が不均一
となりやすいことから、100μm以上であることが望
ましい。また、内部配線層においては、配線の引回しに
よって必ずしも最表層部のような微細なビアホールの形
成は必要としない。従って、ビアホール径は、特に15
0〜300μm、さらには150〜200μmが最適で
ある。
まない絶縁層の形成によりマイグレーションの発生を抑
制できるが、万一、マイグレーションの発生が生じた場
合を想定して、ビアホールの壁間間隔は300μm以
上、特に400μm以上に設定することにより、さらに
信頼性を高めることができる。
ルの形成には、炭酸ガスなどのレーザー加工が好適であ
り、内部絶縁層用絶縁層への上記サイズのビアホールの
形成は、レーザー加工のみならず、マイクロドリルによ
っても精度よく加工することができる。
が300μmを越えるビアホールを形成する場合、レー
ザーの熱で含浸された樹脂が焼け、ビア周辺に残滓が付
着することがある。そのため、さらに大きい穴加工が必
要な場合にはドリルを用いる方がよい。
層部絶縁層用絶縁シートには、電子部品を収納するため
にキャビティの形成のために、パンチング等による孔加
工をそれぞれ施すこともできる。
によりビアホールを形成する場合、絶縁層中の熱硬化性
樹脂が未硬化の状態、あるいは半硬化状態で行なうこと
が望ましい。未硬化あるいは半硬化状態の熱硬化性樹脂
は、完全硬化状態に比較して分解しやすいためにホール
加工時にホール周辺への付着物が少なくなるためであ
る。
±1ミリジュール以内とすることが望ましい。これは、
レーザーのエネルギーのバラツキが大きいとレーザー光
の入射側と出射側のホール径の差が大きくなり、バラツ
キが±1ミリジュールより大きくなると、入射側と出射
側のホール径との(出射側ホール径/入射側ホール径)
×100(%)で表されるホール径差の許容範囲である
70%よりも小さくなってしまうためである。
ザーのパルス間隔は2×10-5秒以上であることが望ま
しい。パルス間隔が2×10-5秒未満では、絶縁層の樹
脂が焼けビアホール周辺に残滓が残る傾向がある。パル
ス間隔は長くするほど良好なホール加工が可能である
が、生産性が下がるため2×10-3秒以下に設定するこ
とが望ましい。
ール内に金属粉末を含む導体ペーストを充填してビアホ
ール導体を形成する。導体ペーストは、銅、アルミニウ
ム、銀、金のうちの少なくとも1種の低抵抗金属からな
る金属粉末に、エポキシ、セルロース等の樹脂成分を添
加し、酢酸ブチルなどの溶媒によって混練したものが好
適に使用される。所望によっては、ビアホール内に充填
後に60〜140℃で加熱処理を行い、ペースト中の溶
媒および樹脂分を分解、揮散除去することもできる。
ートの表面に、配線回路層を形成する。配線回路層の形
成には、1)銅等の金属箔を絶縁シートに接着剤で貼り
つけた後に、回路パターンのレジストを形成して酸等に
よって不要な部分の金属をエッチング除去する、2)予
め打ち抜きした金属箔を絶縁シートに貼りつける、3)
絶縁シートの表面に導体ペーストをスクリーン印刷法
や、フォトレジスト法等によって回路パターンに塗布し
た後、乾燥する、4)フィルム、ガラス、金属板上に金
属メッキ膜や金属箔を形成し、これをエッチングにより
回路パターンを形成し、絶縁シートに加圧しながら転写
する、などの方法が採用できる。
繊維を含む内部絶縁層用絶縁シートと、ガラスを含まな
い最表層部絶縁層用絶縁シートとを、図1に示すように
して位置合わせして積層圧着し、150〜300℃の硬
化温度で加熱して各絶縁層の有機樹脂を一括して完全に
硬化させることにより、最表層部の絶縁層と内部の絶縁
層が強固に一体化した信頼性の高い多層配線基板を作製
できる。
をガラス織布に含浸させた後、乾燥させた厚さ85μm
のプリプレグを準備した。なお、含有比率は、PPE樹
脂50体積%、ガラス織布50体積%とした。そして、
このプリプレグに炭酸ガスレーザーで直径150μmの
ビアホールをビアホールの壁間間隔350μmで複数個
形成し、そのホール内に銀をメッキした銅粉末を含む銅
ペーストを充填してビアホール導体を形成し、内部絶縁
層用絶縁シート(A)を作製した。
40体積%の割合で、ワニス状態の樹脂と粉末を混合し
ドクターブレード法で絶縁シートを作製し、60℃で加
熱して乾燥させて厚さ50μmの絶縁シート(B)を作
製した。そして、この絶縁シートに炭酸ガスレーザーで
直径70μmのビアホールをビアホールの壁間間隔が2
00μmとなるように複数個形成し、そのホール内に銀
をメッキした銅粉末を含む銅ペーストを充填してビアホ
ール導体を形成し、最表層部絶縁層用絶縁シート(B)
を作製した。なお、上記のレーザー加工の条件は、出力
10mJ/1パルス、エネルギーのバラツキ±1ミリジ
ュール以下、レーザーのパルス間隔2×10-5秒とし
た。
T)樹脂からなる転写シートの表面に接着剤を塗布して
粘着性をもたせ、厚さ12μm、表面粗さ0.8μmの
銅箔を一面に接着した。その後、フォトレジストを塗布
し露光現像を行った後、これを塩化第二鉄溶液中に浸漬
して非パターン部をエッチング除去して配線回路層を形
成した。なお、作製した配線回路層は、線幅が30μ
m、配線と配線との間隔が30μmの微細なパターンで
ある。
(A)、最表層部絶縁層用絶縁シート(B)の表面に、
上記のようにして配線パターンが形成された転写シート
を重ね合わせて圧着し、転写シートのみを剥離して配線
回路層を転写した。
成した内部絶縁層用絶縁シート3枚を中心に、その上下
に上記最表層部絶縁層用絶縁シートを1枚ずつ積層し3
0kg/cm2 の圧力で圧着し、200℃で1時間加熱
して完全硬化させて多層配線基板を作製した。なお、ガ
ラスを含まない最表層部絶縁層の厚みは50μmとし
た。
ける配線回路層やビアホール導体の形成付近を観察した
結果、配線回路層とビアホール導体とは良好な接続状態
であり、各配線間の導通テストを行った結果、配線の断
線も認められなかった。
%、温度85℃の高温多湿雰囲気に100時間放置した
が、目視で判別できる程度の変化は生じていなかった。
また、1000時間放置後もマイグレーションによる絶
縁不良は認められなかった。さらに、室温から150℃
の温度で熱サイクル試験を行った結果、200サイクル
後においても何ら変化は認められなかった。
を、内部絶縁層用絶縁シート(A)と全く同一のものを
用いる以外は、実施例1と全く同様にして多層配線基板
を作製した。
と同様な評価を行い、断面における配線回路層やビアホ
ール導体の形成付近を観察した結果、ビアホール径にば
らつきがあり、一部のビアでは、ビアホール径が小さく
なったために、配線回路層とビアホール導体との接続不
良が認められた。各配線間の導通テストを行った結果、
配線のショートが認められた。原因は、ガラス織布の粗
な部分と、密な部分でビアホール径が異なり、粗な部分
のビアホール径が大となって一部のビアホール導体同士
が接触したためであった。
線基板を選別し、これを湿度85%、温度85℃の高温
多湿雰囲気に100時間放置したところ、マイグレーシ
ョンの発生によりビアホール導体間の絶縁不良が生じて
いた。
相当)55体積%とガラス織布45体積%からなるよう
に、高耐熱エポキシ樹脂をガラス織布に含浸させてプリ
プレグを作製した。そして、このプリプレグに炭酸ガス
レーザーにより直径100μmのビアホールをビアホー
ル壁間間隔が300μmとなるようにして複数個形成し
そのホール内に粒径約5μmの銀をメッキした銅粉末か
らなる銅ペーストを充填して内部層用絶縁シート(A)
を作製した。
当)50体積%、シリカ粉末50体積%の割合となるよ
うに、ワニス状態の樹脂と粉末を混合しドクターブレー
ド法で作製したシート状絶縁層にCO2 レーザーで直径
100μmのビアホールをビアホール壁間間隔250μ
mで複数個形成し、そのホール内に銀をメッキした銅粉
末を含む銅ペーストを充填してビアホール導体を形成し
て最表層部絶縁層用絶縁シート(B)を作製した。
ート(A)(B)に配線回路層を転写シートから転写し
た。転写条件は、110℃で圧力10kg/cm2 で3
0秒保持し、次に、圧力を解除して90℃で5分保持し
た。90℃での保持は、エポキシ樹脂を半硬化させ、銅
箔の配線回路層の保持力を高くし、転写を容易にするた
めである。
(A)を3枚、その上下に最表層部絶縁層用絶縁シート
(B)各2枚を積層し20kg/cm2 の圧力で圧着
し、180℃で1時間加熱して完全硬化させて多層配線
基板を作製した。なお、ガラス繊維を含まない最表層部
絶縁層の厚みは75μmとした。
ける配線回路層やビアホール導体の形成付近を観察した
結果、配線回路層とビアホール導体とは良好な接続状態
であり、各配線間の導通テストを行った結果、配線の断
線も認められなかった。
85℃の高温多湿雰囲気に100時間放置したが、目視
で判別できる程度の変化は生じていなかった。1000
時間放置後もマイグレーションによる絶縁不良は認めら
れなかった。さらに、室温から150℃の温度で熱サイ
クル試験を行った結果、200サイクル後においても何
ら変化は認められなかった。
ガラス繊維を含有する絶縁層の最表層部に、ガラス繊維
を含まない有機樹脂と無機質フィラーからなる絶縁層を
形成することによって、多層配線基板の耐湿性を大幅に
向上させつつ、多層配線基板の長期安定性を向上させる
ことができる。
Claims (3)
- 【請求項1】少なくとも有機樹脂を含有する複数の絶縁
層を積層してなる絶縁基板と、該絶縁基板表面および内
部に配設された配線回路層と、前記配線回路層間を電気
的に接続するためのビアホール導体を具備する多層配線
基板において、前記絶縁基板の内部に少なくともガラス
繊維を含有する絶縁層を、最表層部にガラス繊維を含ま
ず且つSiO 2 、Al 2 O 3 、AlNのうち少なくとも1
種を含む無機質フィラーと有機樹脂とからなる絶縁性複
合材料によって構成される厚み10〜300μmの絶縁
層を配設し、且つ前記ビアホール導体が導体ペーストの
充填によって形成されてなることを特徴とする多層配線
基板。 - 【請求項2】前記最表層部の少なくとも一方の絶縁層に
設けられたビアホール導体の最小ビアホール径が150
μm以下、ビアホール導体間の最小壁間隔がビアホール
径以上、300μm以下であることを特徴とする請求項
1記載の多層配線基板。 - 【請求項3】前記内部の絶縁層に設けられたビアホール
導体の最小ビアホール径が100μm以上、ビアホール
導体間の最小壁間隔が300μm以上であることを特徴
とする請求項1又は請求項2記載の多層配線基板。
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