JP2000216521A - 配線基板の製造方法及びそれを用いた配線基板 - Google Patents

配線基板の製造方法及びそれを用いた配線基板

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JP2000216521A
JP2000216521A JP1396899A JP1396899A JP2000216521A JP 2000216521 A JP2000216521 A JP 2000216521A JP 1396899 A JP1396899 A JP 1396899A JP 1396899 A JP1396899 A JP 1396899A JP 2000216521 A JP2000216521 A JP 2000216521A
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film
insulating film
hole
wiring board
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JP1396899A
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Chie Yoshizawa
千絵 吉澤
Yoshihide Yamaguchi
欣秀 山口
Naoya Kitamura
直也 北村
Takashi Kashimura
隆司 樫村
Isamu Tanaka
勇 田中
Makio Watanabe
真貴雄 渡辺
Masayuki Kyoi
正之 京井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配線密度、信頼性の低下を招くこと無く、製造
工程の低減、かつ歩留り向上を目指し、大幅なコスト低
減を目的とした配線基板の製造方法及び本発明によって
成される配線基板を提供する。 【解決手段】高エネルギービームを照射することによっ
て樹脂表層の特定カ所を選択的に黒鉛化し導電化するこ
とによって、導体回路を形成する事を特徴とした配線基
板の製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は、民生実装機器、通
信用ATM交換機等の製造に用いられる低コスト、高密度
な多層プリント配線基板、さらにワークステーション、
パーソナルコンピュータ等のマルチチップモジュール基
板に係る配線基板製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高性能化、小型高機能
化に伴い、LSIを始めとする各種電気部品を搭載するプ
リント配線基板には一層の性能向上が要求されている。
LSIの高集積化、電子機器の軽薄短小化に対応するため
に、配線の高密度化、高信頼性を有する配線基板の技術
開発が、配線基板の開発が電子機器メーカー、基板メー
カー、材料メーカー等、関連各社で行われている。
【0003】この様な状況下において、配線の微細化と
低コスト化は大きな課題であり、各社それぞれ、多様の
方法で層間接続穴の小径化や低コスト化を目指した研究
が進められている。
【0004】代表的な一例として、特開平4-148590号公
報に示されるようなビルドアップ法が挙げられる。この
技術は、表面導体層がパターニングされたプリント配線
基板表層に感光性絶縁材料を塗布し、露光、現像するこ
とによってビアホールを形成後、銅との接着力を得るた
めに、絶縁膜表面の粗化を行い、絶縁膜粗化面全面に下
地導電膜を形成する。
【0005】次いで、電気めっきにより導体回路を形成
し、さらにこれを繰り返して多層化した後、最後に貫通
めっきスルーホールを形成する方法である。(第1の従来
技術)また、上記製造方法に対してさらなる高密度配線
形成を狙いとした多層配線基板の製造方法(第2の従来技
術)が、特開平8-83982号公報に開示されている。この従
来技術では、概略図-3に示す様に上層配線と下層配線間
の接続はスタッドビアを介して接続するビア上の空間を
利用する事によって配線高密度化を達成しており以下の
(a)〜(g)の工程から成る。
【0006】(a)スタッドビア17を有する導体回路18
を設けたコア基板19上に絶縁膜20を形成する。
【0007】(b)絶縁膜表面を研磨し、スタッドビア
頭部を露出させる工程。
【0008】(c)絶縁膜表面を化学的あるいは物理的
に粗化し、粗化面21を形成する工程。
【0009】(d)粗化面に下地導電膜22を形成する工
程。
【0010】(e)パターンめっきによって導体回路23
を形成する工程。
【0011】(f)パターンめっきによってスタッドビ
ア24を形成した後、下地導電膜を除去する工程。
【0012】(g)(a)〜(f)の工程を繰り返し行
い、多層化する工程からなる。
【0013】さらに、近年では銅箔付樹脂フィルムをコ
ア基板上に圧着するという技術が注目を集めている。こ
の技術では、コア基板上あるいはコア基板の上下に銅箔
が外側に向く様に銅箔付樹脂フィルムを配置した後圧着
させる事によって、層間絶縁膜形成と同時に、上部配線
層となる銅皮膜をその上に形成させることによって工程
を大幅に短縮し低コスト化を達成したところに最大の特
徴がある。この様な配線基板の製造方法の一例として特
開平10-4271号公報(第3の従来技術)図4では、以下の
(a)〜(g)から成る工程を示している。
【0014】(a)スルーホール25と導体回路26を設け
たコア基板上に銅箔付き半硬化状態熱硬化樹脂27を銅箔
が外側になるように設置し、熱圧着によって積層し絶縁
膜を形成する工程。
【0015】(b)銅箔部分を非貫通接続穴の穴形状28
にエッチング除去する工程。
【0016】(c)非貫通接続穴の穴形状にエッチング
除去された銅箔の微細穴28から露出した樹脂層をレーザ
照射によりコア基板の導体回路がほぼ露出する位置まで
除去し、非貫通接続穴29を形成する工程。
【0017】(d)非貫通接続穴29の側面及び穴底に残
っているレーザ加工残渣30を強力な酸化剤によって除去
する工程。
【0018】(e)めっき触媒付与後、パネルめっきに
よって、コア基板32上の導体33とその上に設けた樹脂
層34上部の導体31と電気的に接続する工程。
【0019】(f)樹脂層35上部の銅箔をエッチング除
去することによって上部導体回路36を形成する工程。
【0020】(g)(a)〜(f)の工程を繰り返して
多層化する工程。
【0021】
【発明が解決しょうとする課題】フォトビアによって層
間を接続する上記第1の従来技術は、露光現像によって
ビアホールを形成するため、特別な装置を必要とせず低
コストである反面、絶縁膜形成に関して幾つかの問題が
ある。
【0022】第一の問題点は、膜厚が限定されるという
点である。層間接続のためのビアホールは、感光性樹脂
の露光現像によって形成するが、層間絶縁膜厚が変化す
ると透過光量が大きく変化して安定したビア形状を形成
できなくなるので厳密な膜厚コントロールが必須であり
仕様に応じて膜厚変化させることはできない。この結
果、膜厚はある一定の範囲以内に必然的に限定される事
になり、また、この技術に使用する絶縁膜は、感光性樹
脂に限定されるため熱硬化性樹脂に比べて耐熱性や絶縁
信頼性に劣るという欠点がある。
【0023】第二の問題点は、絶縁膜粗化に係わる問題
である。絶縁膜と導体配線との接着方法には、絶縁膜表
面を粗化することによってアンカー効果により接着力を
得ているが、絶縁膜表面の状態は必ずしも一定とは限ら
ず、面内分布、及び樹脂のロット毎にバラツキがあるた
め、安定した粗化表面を得にくく、常に1kN/m以上の接
着強度を保つ事は難しい。
【0024】第2の従来技術において、フォトビアを形
成する方法に比べて、スタッドビア配線上部に配線を形
成できるため、配線が高密度化できる。また、絶縁材料
には、感光性は不要なのでより絶縁信頼性に優れた幅広
い材料の中から適時選択でき、膜厚も材料によって限定
されることがなく、電気特性に応じて幅広い設定が可能
であるが、配線形成に関連した問題がある。
【0025】第一の問題は、工程の複雑化である。第一
の従来技術は層間接続配線と上層配線とを一度のめっき
工程にて形成していたが、第2の従来技術ではこれらを
別々に形成する。
【0026】配線形成のためにはフォトグラフィの工程
を用いるのでこれらを2回に分けて行う事によって位置
精度、解像度が向上する反面、マスク合わせ、露光、現
像という工程を2度ずつ行うことになり工程が複雑化、
長時間化する。
【0027】また、絶縁膜と導体配線との接着方法は、
第一の従来技術と同じであり第一の従来技術で述べた上
記の問題は何ら解決はされていない。
【0028】上記の様な第1及び第2の従来技術に共通す
る絶縁膜と導体配線との接着という問題に対して、第3
の従来技術では、樹脂付き銅箔の熱圧着という技術によ
って解決を図っている。層間絶縁膜となる半硬化樹脂上
に銅箔を熱圧着させるためこの銅箔を選択的エッチング
して得られる導体配線は絶縁膜上に安定かつ強固に接着
している。
【0029】しかしながら、レーザ加工によって非貫通
接続穴を形成するという新たな技術を導入したことによ
って、以下に説明する別の問題が生じている。
【0030】第一の問題は、非貫通接続穴の側壁及び穴
底の加工残渣である。
【0031】レーザ加工では層間絶縁膜の熱分解物が非
貫通接続穴の側壁及び穴底に残っており、またその内側
には熱によって劣化した層が形成しているため、接続信
頼性及び絶縁信頼性の高い配線基板を形成するためには
これらを確実に除去する必要がある。
【0032】第2の問題は、層間絶縁膜と導体配線の接
着力に係わる問題である。
【0033】第1及び第2の従来技術では、層間絶縁膜と
上層導体配線及び非貫通接続穴壁面の絶縁膜に層間接続
を目的とした導体を形成するために粗化しており上述の
ような問題があった。
【0034】これに対して、第3の従来技術では、樹脂
付き銅箔を熱圧着する方法にによって層間絶縁膜と上層
導体配線との接着力を得ているため、上層配線の接着力
は1kN/m安定的に確保できる。しかし、非貫通接続穴に
導体を形成するためには、第1及び第2の従来技術と同じ
く非貫通接続穴の側壁部分を粗化することによって接着
力を得なければならず、非貫通接続穴に導体を形成する
箇所に関しては、第1及び第2の従来技術と何ら改善され
ていない。
【0035】粗化工程は、樹脂残渣を除去し、かつ緻密
な粗化面を形成することによって第一の問題点と第二の
問題点を一気に解決するためである。
【0036】しかし、上記問題点を同時に解決するため
には、粗化条件の詳細なる検討が必要である。第3の従
来技術では、この粗化条件に関して詳細な記述はされて
いない。そこで我々は上記粗化工程に関する検討を行っ
た。
【0037】粗化時間が短時間である場合、壁面及び穴
底の変質した樹脂の残存率が高く、逆に粗化時間が長い
と穴底と壁面の界面が剥離したにもかかわらず、変質し
た樹脂がまだ残存していた。この様なレーザ照射によっ
て炭化した樹脂は、強固に接着しており粗化によって速
やかに除去できるものではない。
【0038】我々はさらに、この炭化した樹脂の変質状
態をラマン分析によって確認したところ、1581cm-11附
近にグラファイト構造に起因するものと見られるカーボ
ンの吸収が極めて強い強度で検出された。
【0039】これは、レーザ加工によって、エポキシ樹
脂をマトリックスとするコンポジット材の表面に、耐酸
化性の黒鉛化形成ができるという特開平5-51205の記載
に裏付けられる。(第4の従来技術)このため、第3の従来
技術において記載されている事実とは異なり、レーザ照
射によって変質した樹脂は、強力な酸化剤である粗化液
によって簡単に除去することはできない。
【0040】さらに付け加えて言うと、上記第1から第3
従来技術の共通する第3の問題点として、絶縁膜変質層
を除去し、かつ絶縁膜と導体配線の接着力を安定的に得
るためには、粗化液のアルカリ規定度、過マンガン酸カ
リウムの濃度、温度等の厳密な管理が要求される事であ
る。この様に、第3の従来技術は、上記従来技術に比べ
て確実に高密度化できうる進歩した技術である。
【0041】しかしながら、上記に記述した様に第3の
従来技術は、これまでに無い新たな問題を抱えている。
これまでの上記従来技術では、粗化工程が未だ必要不可
欠であり、絶縁膜表面に粗化処理を行わなければ、導体
を接着することが不可能であった。このため、上記従来
技術において、粗化工程に係わる問題は数多く、もっと
も製造コストがかかる工程であった。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、我々は、カーボンを生成するためのレー
ザ加工条件の実験を行ったところ、適切な条件でレーザ
照射を行うことによって、カーボン量が著しく増大し、
かつ特定箇所の樹脂表層のみにカーボン皮膜が形成され
る知見を得た。この知見を基に我々は、上記レーザ加工
条件によって黒鉛化した炭化膜を導電膜として有効利用
する技術を見いだした。
【0043】この実験結果に基づいたレーザ加工技術を
従来の配線基板の製造方法に導入することができれば、
粗化工程を省略することができ、上記課題を一気に解決
できる。
【0044】第一に、絶縁膜に高エネルギービームを照
射することによって非貫通接続穴を設け、それと同時
に、非貫通接続穴側面及び穴底の樹脂表面を導電化さ
せ、層間の電気的接続を行う工程、第二に、非貫通接続
穴形成パターンとそれ以外の導体回路を同時に形成する
工程を含む高密度多層配線基板の製造技術であり、粗化
工程を省略した従来技術に比べて、より一層の信頼性及
び工程短縮による低コスト化を図った配線基板の製造方
法に係わるものである。
【0045】以下の配線基板の製造方法によって上記課
題が達成される。
【0046】本発明による配線基板の製造方法ー1の全
工程を示す。
【0047】図1は、本発明による配線基板の製造方法
の略示説明図である。本発明の配線基板第一の製造方法
について図1を用いて説明する。
【0048】片面あるいは両面に導体回路2とスルーホ
ール3を設けたコア基板1の上部、あるいはコア基板を挟
み込む状態で銅箔付樹脂フィルム4を設置し、加熱圧着
することによって、スルーホール内に樹脂を充填すると
ともに絶縁膜を形成する工程(工程b)と、絶縁膜上の銅
箔を非貫通接続穴の穴形状5にエッチング除去すると共
にそれ以外の導体回路6を同時に形成する工程(工程c)
と、非貫通接続穴の穴形状5にエッチング除去した絶縁
膜上部から、高エネルギビームを照射する事によって、
非貫通接続穴7を形成すると同時に非貫通接続穴側面及
び穴底の絶縁膜を黒鉛化させ、導電膜8を形成する工程
(工程d)と、工程b〜dを繰り返して多層化する工程(工程
e)から成る。
【0049】工程(d)で使用する高エネルギビームは、
レーザ及びプラズマフレームいずれでも可能であるが、
もっとも有効的な手段としては、汎用性のあるレーザが
実用に適している。
【0050】さらに、有機物を黒鉛化させるためには、
YAGレーザは、吸収波長が異なるため樹脂を炭化する事
は困難であり、炭酸ガスレーザが、もっとも黒鉛化度を
調節し易く適している。
【0051】本発明の第1〜第3の従来技術と比べても
っとも進歩した第一の点は、粗化工程を省略できた事で
ある。従来の技術では、絶縁膜(有機物)と異なる素材
である導体(金属)との接着力を得、そして第三の従来
技術においてレーザ加工残渣を除去する目的のため粗化
工程は必須の工程であった。しかし、本発明では、非貫
通接続穴の側面は、レーザ処理によって絶縁膜表層がカ
ーボンアモルファス状に変質し導電化するため、加工残
渣を除去し、接着力を得るために粗化する必要は無く、
複雑な工程管理を行う必要はなくなった。
【0052】本発明によるレーザ加工によって形成した
非貫通接続穴壁面の導電膜は、図5に示す様に表面から
絶縁膜内部へむかう程、銅電化率は減少し、ゆるやかな
傾斜勾配となっている。
【0053】この絶縁膜が変質した導電膜は、導電化率
が高いほど炭素のみの構造体となり硬度が高く脆い。す
なわち、もっとも表層が硬く脆い膜である。しかし、徐
々に導電化率が低下していくことによって、絶縁膜と同
じ組成、樹脂強度に近づき、やがて絶縁膜と一体化す
る。
【0054】このため、ヒートサイクル試験を行って
も、樹脂強度が導電体箇所から絶縁体箇所までゆるやか
に変化しているので、線膨脹係数の違いによって導電体
箇所と絶縁体箇所の境界で剥離するこは無く電気的に高
い信頼性が得られる。この結果、粗化工程、触媒付与工
程、めっき工程を省略することができ、大幅に工程を簡
略化することが可能となった。
【0055】本発明は、レーザによって変質させた樹脂
層を除去せず、変質させた樹脂層を層間の導体接続回路
として利用するものである。この第1〜第2の従来技術
において粗化面体のバラツキによる信頼性の低下や、第
3の従来技術の様に、粗化後のビア底樹脂残渣の残存、
粗化面のバラツキといった第3の従来技術での問題が発
生するとことは無く、粗化によって除去できない程、形
成した導電膜は強固に接着しており、確実な信頼性を確
保できる。
【0056】上記レーザ加工による加工条件は、ビーム
のレーザ出力103W以下である場合、変質した樹脂の黒鉛
化の進行が不充分で導電化率が非常に少なく、変質層の
絶縁抵抗値が108Ω以上であった。また、ビームのレー
ザ出力105W以上で加工した場合、非貫通接続穴の周辺部
にまで黒鉛化が進行し、絶縁膜表面まで変質してう。こ
のため、レーザビームの出力は、穴径の大きさ、形状に
よって変化するものであるが、いずれの加工において
も、103W以上、105W以下である事がもっとも適切な条件
である。
【0057】また、進歩した第二の点は、本発明では、
第3の従来技術に比べ、極めて工程を簡略することが可
能となった。第3の従来技術では、絶縁膜上の銅箔を非
貫通接続穴の穴形状にエッチング除去する工程と上層導
体回路をエッチングによって形成する工程が2回必要で
あったが、本発明では、レーザ加工によって、非貫通接
続穴形成と同時に導電膜を形成するので、レーザ加工
後、めっきによって非貫通穴壁面に導電膜を形成する必
要がないため、絶縁膜上の銅箔を非貫通接続穴の穴形状
にエッチング除去する工程と上層導体回路をエッチング
によって形成する工程を同時に行うことが可能となっ
た。
【0058】これによって、全工程が短縮され、より低
コストなプリント配線基板に繋がる。
【0059】次に、高エネルギビームを照射することに
よって形成した導電膜の信頼性をさらに高めるために、
上記導電膜を下地導電膜とし、この下地導電膜表面に、
さらに電気めっきを施しても良い。
【0060】しかしながら、この場合、非貫通接続穴の
穴形状にエッチング除去する工程とその他の導体回路を
形成する工程を同時に行う事はできないため、工程数
は、上記記載の工程数より増加するが、粗化工程、下地
導電膜形成工程を省略できるメリットは大きく、従来技
術に比べ、より確実な信頼性向上に繋がる。
【0061】本発明による配線基板の製造方法-2の全工
程を示す。
【0062】図2は、本発明による配線基板第2の製造方
法の略示説明図である。本発明の配線基板の製造方法に
ついて図2を用いて説明する。
【0063】片面あるいは両面に導体回路9とスルーホ
ール10を設けたコア基板11の上部、あるいはコア基板を
挟み込む状態で銅箔付樹脂フィルム12を設置し、加熱圧
着することによって、スルーホール内に樹脂を充填する
とともに絶縁膜を形成する工程(工程b)と、上記絶縁膜
上の銅箔上部に、非貫通接続穴形成パターンをパターニ
ングした後、非貫通接続穴形成箇所の上部銅箔をエッチ
ングする工程(工程c)と、エッチングすることによっ
て、露出した絶縁膜上部から、高エネルギビームを照射
し、非貫通接続穴13を形成すると同時に非貫通接続穴側
面及び穴底の絶縁膜を黒鉛化し下地導電膜14を形成する
工程(工程d)と、上記レーザ照射後の基板に導電膜15を
施す工程(工程e)と、上記基板銅箔上部に、配線パター
ンをパターニングした後、エッチング除去によって導体
回路16を形成する工程(工程f)と、工程b〜fを繰り返し
て多層化する工程(工程g)から成る。
【0064】導電膜のもっとも有効な手段は、低コスト
で汎用性があるめっきがもっとも適している。形成方法
は、めっき法、蒸着法、スパッタ法いずれの方法を用い
て形成しても良いが、上記導電膜形成のめっきは、電気
めっき、無電解めっきいずれの方法でも良く場合に応じ
て適宜選択する。
【0065】例えば、非貫通接続穴のアスペクト比が高
く微細な回路を形成する場合は、無電解めっきの方がよ
り好ましく、従来の配線密度であれば、電気めっきがよ
り適している。めっきは、電気めっき、無電解めっきい
ずれの方法でも良く、場合に応じて適宜選択する。例え
ば、非貫通接続穴のアスペクト比が高く、微細な導体回
路を形成する場合は、無電解めっきの方がより好まし
く、従来の配線密度であれば、電気めっきがより適して
いる。
【0066】上記説明の如く本発明は、粗化工程を省略
し大幅な工程短縮を図った、信頼性の確保、そして低コ
スト化を可能にした配線基板の製造方法である。
【0067】この様に、上記従来技術では、レーザによ
って形成した非貫通接続穴は、粗化処理等によってレー
ザ後の変質した樹脂残渣を除去しなければならなかった
が、本発明は、絶縁膜表層を導電化するので、絶縁膜を
粗化することによって、銅箔を接着する必要はなく、ま
た、樹脂表層に形成した導電被膜は、樹脂表層から内部
へ徐々に導電化率が低下していくので、樹脂特性も徐々
にアモルファスカーボンの特性から樹脂本来の特性に変
化していくため、急激な熱的変化に十分対応することが
でき、従来技術以上に信頼性を向上することに繋がる。
この様に、上記記載本発明による配線基板の製造技術を
適用することによって、上記課題を達成することができ
る。
【0068】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る配線基板の製
造方法を実施例及び比較例において説明する。表1は、
実施例及び比較例で使用した銅箔付樹脂フィルムメー
カ、導電膜形成法、及び試験結果をまとめたものであ
る。
【0069】
【表1】
【0070】(実施例1)φ300μmのスルーホールと両
面に配線を設けた10cm角FR-4コア基板の上下に、10cm角
銅箔付樹脂フィルム(樹脂厚さ80μm銅箔厚さ12μm:松下
電工(株)R-0880)を設置し、真空度50Torrの条件下で、
昇圧速度5kg/cm2/min、昇温速度2.4℃/minで熱圧着を行
った。130℃に到達した時点で、真空度を維持したま
ま、昇圧速度30kg/cm2、/min昇温速度3.75℃/minに切り
替え、さらに170℃まで昇温した。次いで、10min間この
状態を保持し、真空度を常圧に下げ、50min間170℃で保
持した後、常温まで冷却し、スルーホール内の樹脂充填
と絶縁膜を同時に形成した。
【0071】次いで、上記絶縁膜形成基板にドライフィ
ルムレジスト(日立化成社製:フォテックHS930:30μmを
ラミネートし、層間を接続する非貫通接続穴φ150μm及
びφ100μmとそれ以外の配線パターンを露光、現像によ
ってパターニングした。次いで、エッチング液(メルテ
ック社製:Aプロセスアルカリエッチング液)を用いて、
スプレーエッチング除去し、アンモニア水による高圧洗
浄を行った後、NaOH3wt%水溶液によって、ドライフィル
ムレジストを剥離し、非貫通接続穴φ150μm及びφ100
μmを形成するために特定箇所の絶縁膜表面を露出さ
せ、同時に他の導体回路を形成した。
【0072】次いで、上記エッチングによって露出させ
た絶縁膜上部の非貫通接続穴形成箇所に、炭酸ガスレー
ザを用いて、φ150μm:ビーム出力5×103W、φ100μ
m:3×103Wのレーザ光を照射することによって、非貫通
接続穴の形成及び、穴底、穴壁面の樹脂表面を黒鉛化し
導電膜を形成した。
【0073】(実施例1)で作成した基板上のすべての
層間接続穴において導通試験を行ったところ、95%層間
接続穴の接続がとれていたことを確認した。さらに、温
度65℃湿度95%印加電圧100Vの条件下で絶縁信頼性試験
を行った結果、500時間後の95%の層間接続絶縁抵抗値
は、>1012を示した。
【0074】(実施例2)φ300μmのスルーホールと両
面に配線を設けた10cm角FR-4コア基板の上下に、10cm角
銅箔付樹脂フィルム(樹脂厚さ80μm銅箔厚さ18μm:住友
ベークライト(株)APL-4001HF)を設置し、真空度50Torr
の条件下で、昇温速度2.75℃/minで70℃まで加熱した。
70℃に到達した時点で、真空度を維持したまま、昇圧速
度30kg/cm2、/min昇温速度4.3℃/minに切り替え、さら
に150℃まで昇温した。次いで、20min間150℃で保持し
た後、常温まで冷却し、スルーホール内の樹脂充填と絶
縁膜を同時に形成した。
【0075】次いで、上記絶縁膜形成基板に(実施例
1)と同様のドライフィルムレジストをラミネートし、
層間を接続する非貫通接続穴φ150μm及びφ100μmとそ
れ以外の配線パターンを露光、現像によってパターニン
グした。次いで、(実施例1)と同様のエッチング液を
用いて、スプレーによってエッチング除去し、アンモニ
ア水による高圧洗浄を行った後、NaOH3wt%水溶液によっ
て、ドライフィルムレジストを剥離し、非貫通接続穴φ
150μm及びφ100μmを形成するために特定箇所の絶縁膜
表面を露出させ、同時に他の導体回路を形成した。
【0076】次いで、上記エッチングによって露出させ
た絶縁膜上部の非貫通接続穴形成箇所に、炭酸レーザを
用いて、φ150μm:ビーム出力5×103W、φ100μm:3×
103Wのレーザ光を照射することによって、非貫通接続穴
の形成及び、穴底、穴壁面の樹脂表面を黒鉛化し導電膜
を形成した。
【0077】(実施例2)で作成した基板上のすべての
層間接続穴において導通試験を行ったところ、97%の接
続がとれていたことを確認した。さらに、温度65℃湿度
95%印加電圧100Vの条件下で絶縁信頼性試験を行った結
果、500時間後の97%の層間接続絶縁抵抗値は、>1012
示した。
【0078】(実施例3)φ300μmのスルーホールと両
面に配線を設けた10cm角FR-4コア基板の上下に、上記
(実施例1)で使用した銅箔付樹脂フィルムを使用し上
記記載(実施例1)と同様の方法によって、スルーホー
ル内の樹脂充填と絶縁膜を同時に形成した。次いで、上
記絶縁膜形成基板に上記記載(実施例1)と同様のをラ
ミネートし、層間を接続する非貫通接続穴パターン(φ1
50μm及びφ100μm)を露光、現像によってパターニング
した。
【0079】次いで、上記記載(実施例1)と同様のエ
ッチング液を用いて、スプレーによってエッチング除去
し、アンモニア水による高圧洗浄を行った後、NaOH3wt%
水溶液によって、ドライフィルムレジストを剥離し、非
貫通接続穴φ150μm及びφ100μmを形成するために特定
箇所の絶縁膜表面を露出させた。
【0080】次いで、上記エッチングによって露出させ
た絶縁膜上部から、炭酸ガスレーザを用いて、φ150μ
m:ビーム出力5×103W、φ100μm:3×103Wのレーザ光
を照射することによって、非貫通接続穴の形成及び、穴
底、穴壁面の樹脂表面を黒鉛化し導電膜を形成した。
【0081】次いで、上記基板上に、電気めっきによっ
て、2A/dm2の条件で全面パネルめっきを行い、5μmのめ
っき膜を形成した。
【0082】次いで、再度上記絶縁膜形成基板に上記記
載のドライフィルムレジストをラミネートし、配線パタ
ーンをパターニングした後、上記記載のエッチング液を
用いて上記同様にエッチングを行い、導体回路を形成し
た。
【0083】(実施例3)で作成した基板上のすべての
層間接続穴において導通試験を行ったところ、すべての
層間接続穴において、接続がとれていたことを確認し
た。さらに、温度65℃湿度95%印加電圧100Vの条件下で
絶縁信頼性試験を行った結果、500時間後のすべての層
間接続絶縁抵抗値は、>1012を示した。
【0084】(実施例4)φ300μmのスルーホールと両
面に配線を設けた10cm角FR-4コア基板の上下に、上記記
載(実施例2)で使用した銅箔付樹脂フィルムを使用し
上記記載(実施例2)と同様の方法によって、スルーホ
ール内の樹脂充填と絶縁膜を同時に形成した。次いで、
上記絶縁膜形成基板に上記記載(実施例1)と同様のド
ライフィルムレジストをラミネートし、層間を接続する
非貫通接続穴パターン(φ150μm及びφ100μm)を露光、
現像によってパターニングした。
【0085】次いで、上記記載(実施例1)と同様のエ
ッチング液を用いて、スプレーによってエッチング除去
し、アンモニア水による高圧洗浄を行った後、NaOH3wt%
水溶液によって、ドライフィルムレジストを剥離し、非
貫通接続穴φ150μm及びφ100μmを形成するために特定
箇所の絶縁膜表面を露出させた。
【0086】次いで、上記エッチングによって露出させ
た絶縁膜上部から、炭酸ガスレーザを用いて、φ150μ
m:ビーム出力5×103W、φ100μm:3×103Wのレーザ光
を照射することによって、非貫通接続穴の形成及び、穴
底、穴壁面の樹脂表面を黒鉛化し導電膜を形成した。
【0087】次いで、上記基板上に、電気めっきによっ
て、2A/dm2の条件で全面パネルめっきを行い、5μmのめ
っき膜を形成した。
【0088】次いで、再度上記絶縁膜形成基板に上記記
載のドライフィルムレジストをラミネートし、配線パタ
ーンをパターニングした後、上記記載のエッチング液を
用いて上記同様にエッチングを行い、導体回路を形成し
た。
【0089】(実施例4)で作成した基板上のすべての
層間接続穴において導通試験を行ったところ、すべての
層間接続穴において、接続がとれていたことを確認し
た。さらに、温度65℃湿度95%印加電圧100Vの条件下で
絶縁信頼性試験を行った結果、500時間後のすべての層
間接続絶縁抵抗値は、>1012を示した。
【0090】(実施例5)φ300μmのスルーホールと両
面に配線を設けた10cm角FR-4コア基板の上下に、上記
(実施例1)で使用した銅箔付樹脂フィルムを使用し上
記記載(実施例1)と同様の方法によって、スルーホー
ル内の樹脂充填と絶縁膜を同時に形成した。次いで、上
記絶縁膜形成基板に(実施例1)記載のドライフィルム
レジストをラミネートし、層間を接続する非貫通接続穴
パターン(φ150μm及びφ100μm)を露光、現像によって
パターニングした。
【0091】次いで、(実施例1)記載のエッチング液
を用いて、スプレーによってエッチング除去し、アンモ
ニア水による高圧洗浄を行った後、NaOH3wt%水溶液によ
って、ドライフィルムレジストを剥離し、非貫通接続穴
φ150μm及びφ100μmを形成するために特定箇所の絶縁
膜表面を露出させた。
【0092】次いで、上記エッチングによって露出させ
た絶縁膜上部から、炭酸ガスレーザを用いて、φ150μ
m:ビーム出力5×103W、φ100μm:3×103Wのレーザ光
を照射することによって、非貫通接続穴の形成及び、穴
底、穴壁面の樹脂表面を黒鉛化し導電膜を形成した。
【0093】次いで、無電解めっき液をPh12.5に調整
し、高速無電解めっきを80℃/150minの条件で上記基板
全面に、パネルめっきを施し5μmのめっき膜を形成し
た。
【0094】次いで、再度上記絶縁膜形成基板に上記記
載のドライフィルムレジストをラミネートし、配線パタ
ーンをパターニングした後、上記記載のエッチング液を
用いて上記同様にエッチングを行い、導体回路を形成し
た。
【0095】(実施例5)で作成した基板上のすべての
層間接続穴において導通試験を行ったところ、すべての
層間接続穴において、接続がとれていたことを確認し
た。さらに、温度65℃湿度95%印加電圧100Vの条件下で
絶縁信頼性試験を行った結果、500時間後のすべての層
間接続絶縁抵抗値は、>1012を示した。
【0096】(実施例6)φ300μmのスルーホールと両
面に配線を設けた10cm角FR-4コア基板の上下に、上記記
載(実施例2)で使用した銅箔付樹脂フィルムを使用し
上記記載(実施例2)と同様の方法によって、スルーホ
ール内の樹脂充填と絶縁膜を同時に形成した。次いで、
上記絶縁膜形成基板に上記絶縁膜形成基板に(実施例
1)記載のドライフィルムをラミネートし、層間を接続
する非貫通接続穴パターン(φ150μm及びφ100μm)を露
光、現像によってパターニングした。
【0097】次いで、(実施例1)記載のエッチング液
を用いて、スプレーによってエッチング除去し、アンモ
ニア水による高圧洗浄を行った後、NaOH3wt%水溶液によ
って、ドライフィルムレジストを剥離し、非貫通接続穴
φ150μm及びφ100μmを形成するために特定箇所の絶縁
膜表面を露出させた。
【0098】次いで、上記エッチングによって露出させ
た絶縁膜上部から、炭酸レーザを用いて、φ150μm:ビ
ーム出力5×103W、φ100μm:3×103Wのレーザ光を照射
することによって、非貫通接続穴の形成及び、穴底、穴
壁面の樹脂表面を黒鉛化し導電膜を形成した。次いで、
無電解めっき液をPh12.5に調整し、高速無電解めっきを
80℃/150minの条件で上記基板全面にパネルめっきを施
し5μmのめっき膜を形成した。
【0099】次いで、再度上記絶縁膜形成基板に上記記
載のドライフィルムレジストをラミネートし、配線パタ
ーンをパターニングした後、上記記載のエッチング液を
用いて上記同様にエッチング除去を行い、配線を形成し
た。(実施例6)で作成した基板上のすべての層間接続
穴において導通試験を行ったところ、すべての層間接続
穴において、接続がとれていたことを確認した。さら
に、温度65℃湿度95%印加電圧100Vの条件下で絶縁信頼
性試験を行った結果、500時間後のすべての層間接続絶
縁抵抗値は、>1012を示した。
【0100】(比較例1) (実施例1)記載の銅箔付樹脂フィルムを使用し、(実
施例1)で使用した物と同様のコア基板上に(実施例
1)記載の方法と同様の方法でスルーホール内の樹脂充
填と絶縁膜を同時に形成した。
【0101】次いで、上記絶縁膜形成基板に(実施例
1)記載のドライフィルムをラミネートした後、非貫通
接続穴の穴形状をパターニングし、上記記載のエッチン
グ液によって、上記基板の上部銅箔部分を非貫通接続穴
の穴形状にエッチング除去した。次いで、非貫通接続穴
の穴形状にエッチング除去された銅箔の微細穴(φ150μ
m及びφ100μm)から露出した樹脂層を、レーザ照射に
よって、(φ150μm:ビーム出力5×102W、φ100μm:3
×102W)の条件でコア基板の導体回路が露出する位置ま
で除去し、非貫通接続穴を形成した。
【0102】次いで、上記非貫通接続穴の側面変質層及
び穴底の樹脂残渣を除去するため、強アルカリ下過マン
ガン酸カリウム溶液のデスミア液によって、80℃/6min
の条件で粗化を行った後、全面にパラジウム触媒を付与
し、上記基板全面に下地導電膜を形成、次いで電気めっ
きによって2A/dm2の条件で全面にパネルめっきを施し、
15μmのめっき膜を形成した。
【0103】次いで再度上記絶縁膜形成基板に上記記載
のドライフィルムレジストをラミネートし、配線パター
ンをパターニングした後、上記記載のエッチング液を用
いて上記同様にエッチング除去を行い、導体回路を形成
した。
【0104】(比較例1)で作成した基板上のすべての
層間接続穴において導通試験を行ったところ、23%の接
続不良が確認された。この、接続不良箇所一部のビア断
面を光学顕微鏡によって観察したところ、ビア穴底部に
0.2μm程度の樹脂残渣が確認された。さらに、77%の接
続良好な層間接続に対して、温度65℃湿度95%印加電圧
100Vの条件下で絶縁信頼性試験を行った結果、500時間
後の77%の層間接続絶縁抵抗値は、50%が>1012を示した
ものの、他50%は>108であった。
【0105】(比較例2) (実施例1)記載の銅箔付樹脂フィルムを使用し、(実
施例1)で使用した物と同様のコア基板上に(実施例
1)記載の方法と同様の方法でスルーホール内の樹脂充
填と絶縁膜を同時に形成した。
【0106】次いで、上記絶縁膜形成基板に(実施例
1)記載のドライフィルムをラミネートした後、非貫通
接続穴の穴形状をパターニングし、上記記載のエッチン
グ液によって、上記基板の上部銅箔部分を非貫通接続穴
の穴形状にエッチング除去した。次いで、非貫通接続穴
の穴形状にエッチング除去された銅箔の微細穴(φ150μ
m及びφ100μm)から露出した樹脂層を、レーザ照射に
よって、(φ150μm:ビーム出力5×102W、φ100オm:3×
102W)の条件でコア基板の導体回路が露出する位置まで
除去し、非貫通接続穴を形成した。
【0107】次いで、上記非貫通接続穴の側面変質層及
び穴底の樹脂残渣を除去するため、強アルカリ下過マン
ガン酸カリウム溶液のデスミア液によって、80℃/6min
の条件で粗化を行った後、全面にパラジウム触媒を付与
し、上記基板全面に下地導電膜を形成、次いで高速無電
解めっきによって80℃/12hrの条件で全面にパネルめっ
きを施し、24μmのめっき膜を形成した。次いで再度上
記絶縁膜形成基板に上記記載のドライフィルムレジスト
をラミネートし、配線パターンをパターニングした後、
上記記載のエッチング液を用いて上記同様にエッチング
除去を行い、導体回路を形成した。
【0108】(比較例2)で作成した基板上のすべての
層間接続穴において導通試験を行ったところ、28%の接
続不良が確認された。この、接続不良箇所一部のビア断
面を光学顕微鏡によって観察したところ、ビア穴底部の
無電解めっきによって形成しためっき膜にふくれが発生
していた。さらに、72%の接続良好な層間接続に対し
て、温度65℃湿度95%印加電圧100Vの条件下で絶縁信頼
性試験を行った結果、500時間後、50%の層間接続絶縁抵
抗値は、>1012を示したものの、18%は>108を示し、4
%は短絡した。
【0109】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、レーザ加工を
用いた従来の配線基板の製造方法では、加工残渣を除去
し、非貫通接続穴の絶縁膜と導体との接着力を得るため
には、必要不可欠な工程であった。しかし、粗化によっ
て、穴底の加工残渣は容易に除去できるわけではなく、
この粗化による変質した樹脂残渣に起因する接続不良の
発生率が多発していた。
【0110】本発明では、このレーザ加工によって生成
する黒鉛化した炭化膜を利用し、非貫通接続穴形成と同
時に穴底及び壁面の樹脂表層を導電化することを見いだ
した。本発明によって、粗化工程を省略することがで
き、これによって、粗化工程における樹脂残渣等の接続
不良発生率が無くなり、大幅に製造コストを低減するこ
とができた。
【0111】また本発明によって形成した導電膜は、絶
縁膜と強固に接着しているため、確実な信頼性が確保で
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配線基板製造方法の一例を示す工
程図である。
【図2】本発明に係る第2の配線基板製造方法の一例を
示す工程図である。
【図3】第2の従来技術に係る配線基板製造方法の一例
を示す工程図である。
【図4】第3の従来技術に係る配線基板製造方法の一例
を示す工程図である。
【図5】レーザ加工により絶縁膜表層に導電膜を形成し
た非貫通接続穴を示す断面図である。
【符号の説明】
1…コア基板、2…導体回路、3…スルーホール、4…銅箔
付樹脂フィルム、5…非貫通接続穴の穴形状、7…非貫通
接続穴、8…導電膜、9…導体回路、10…スルーホール、
11…コア基板、12…銅箔付樹脂フィルム、13…非貫通接
続穴、14…下地導電膜、15…導電膜、16…導体回路、17
…スタッドビア、18…導体回路、19…コア基板、20…絶
縁膜、21…粗化面、22…下地導電膜、23…導体回路、24
…スタッドビア、25…スルーホール、26…導体回路、27
…銅箔付半硬化状態熱硬化樹脂、28…銅箔の微細穴、29
…非貫通接続穴、30…樹脂残渣、31…めっき膜、32…コ
ア基板、33…導体回路、34…樹脂層、35…導体、36…樹
脂層、37…コア基板、38…銅箔、39…樹脂層、40…樹脂
層表層に形成した導電膜、41…樹脂層表層に形成した導
電膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 直也 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 樫村 隆司 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 田中 勇 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 渡辺 真貴雄 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 京井 正之 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 Fターム(参考) 5E343 AA07 AA12 BB24 BB58 BB67 DD43 DD52 DD69 DD76 EE04 ER16 ER18 GG02 GG20 5E346 CC31 CC32 CC52 DD02 DD11 DD50 EE02 HH33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高エネルギービームを照射することによっ
    て、樹脂表層の特定カ所を選択的に黒鉛化し形成した黒
    鉛化導電体を、配線構造の一部として使用することを特
    徴とした配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】高エネルギービームを照射し樹脂表層の特
    定箇所を黒鉛化することによって導電膜を形成し、該導
    電膜を給電体として配線導体となるめっき皮膜を形成さ
    せる事を特徴とする配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】上記記載の樹脂表層を黒鉛化し導電化する
    ために必要なエネルギービームのレーザ出力は、103W以
    上、105W以下である事を特徴とした配線基板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】高エネルギービームを照射することによっ
    て樹脂膜の所定の位置に非貫通接続穴を形成すると同時
    に非貫通接続穴の穴底及び側面を上記記載の方法によっ
    て導電化し、上層導体配線と接続することを特徴とした
    配線基板の製造方法。
  5. 【請求項5】以下の工程から成る多層配線基板の製造方
    法であることを特徴とする配線基板の製造方法。 (a)銅張積層板もしくは、層間絶縁膜上の導体をエッ
    チングによって導体回路を形成する工程、(b)上記記
    載の(a)工程で形成した積層板上に銅箔付き樹脂フィ
    ルムを積層接着する行程、(c)上記記載の銅箔上にエ
    ッチングレジストを形成し、非貫通接続穴を形成する形
    状のパターンを含む導体回路パターンをパターニングし
    た後、該ら露出した銅箔をエッチング除去する工程、
    (d)露出した樹脂上部の特定箇所に選択的にビームを
    照射し、非貫通接続穴を形成すると同時に非貫通穴底部
    及び、側面に導電膜を形成する工程、(e)(b)〜
    (d)の工程を繰り返し積層する工程。
  6. 【請求項6】請求項5記載の両面あるいは片面銅張積層
    板は、所定箇所に電気的に接続された貫通穴を設けた基
    板であり、(b)の工程において、樹脂フィルムの積層
    接着は、上記貫通穴への樹脂充填と絶縁膜形成を一括し
    て行う事を特徴とした配線基板の製造方法。
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