JP2002208781A - 配線基板プリプレグ及びその製造方法 - Google Patents

配線基板プリプレグ及びその製造方法

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JP2002208781A
JP2002208781A JP2001002056A JP2001002056A JP2002208781A JP 2002208781 A JP2002208781 A JP 2002208781A JP 2001002056 A JP2001002056 A JP 2001002056A JP 2001002056 A JP2001002056 A JP 2001002056A JP 2002208781 A JP2002208781 A JP 2002208781A
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porous layer
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prepreg
resin
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JP2001002056A
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Kenichi Ikeda
健一 池田
Shinji Tawara
伸治 田原
Toshiyuki Kawashima
敏行 川島
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 多孔質層の製膜時に特定の樹脂フィルムを付
着させることで、樹脂フィルムを別途積層する必要がな
く、好ましくは樹脂フィルムをレーザービア加工時の被
覆材として使用できる樹脂フィルム付きの配線基板プリ
プレグ、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 湿式凝固法により芳香族ポリアミド製の
多孔質層をポリエステルフィルム3上に製膜・付着させ
る工程と、そのポリエステルフィルム上に付着した多孔
質層の孔内に熱硬化性樹脂の原料組成物を含浸させる工
程とを含む配線基板プリプレグの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿式凝固法により
製膜した多孔質層に、熱硬化性樹脂の原料組成物を含浸
させる配線基板プリプレグの製造方法、およびその製造
方法によって得ることができる配線基板プリプレグに関
し、特に、レーザービア加工を伴う両面配線基板や多層
配線基板等の製造に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子機器などに使用されるプ
リント配線基板の基材層や絶縁層等の形成工程には、熱
硬化性樹脂をガラス繊維織物や高分子不織布などに含浸
させて半硬化させたプリプレグ等が使用されてきた。通
常、プリプレグは銅箔に積層されて使用され、例えば、
当該積層体を熱プレスすることによって、下層の配線層
等に積層・硬化させる工程と、銅箔に配線パターンを形
成する工程とを繰り返すことにより、配線層と絶縁層が
順次積層された多層構造が形成される。また、プリプレ
グの両面に熱プレスにて銅箔を積層した積層体が、多層
配線基板のコア基板や両面配線基板に使用されている。
【0003】これらの配線層間又は配線パターンを形成
する前の金属層間を導電接続する方法として、絶縁層に
形成されたビアホール内に導電性ペーストを充填して金
属層同士を導電接続する方法が知られている。具体的に
は、図2(a)〜(e)に示すように、銅箔11に積層
されたプリプレグ10に更に樹脂フィルム13を積層し
た状態で、レーザービア加工により銅箔11に至る開口
部5を形成した後、その内部にスクリーン印刷等によっ
て導電性ペースト6を充填し、樹脂フィルム13を剥離
して導電性ペースト6の表面を凸状とし、その凸状部6
aに圧接するように銅箔12を積層して熱プレスするこ
とで銅箔層間を導電接続したものが知られている。な
お、樹脂フィルムの積層と剥離を行わないと、導電性ペ
ーストに凸状部が形成されず、導電性ペーストと銅箔と
の圧接力が不充分となり、配線層間の導電接続の耐久性
や信頼性が低下しやすい。
【0004】一方、レーザービア加工の被覆層として以
外にも、配線基板の製造工程における取扱い性を高めた
り、不純物の付着を防止する等の理由から、プリプレグ
に樹脂フィルムを被覆する場合が多い。そして、プリプ
レグに樹脂フィルムを積層する方法としては、補強繊維
シートに熱硬化性樹脂を含浸した後に、ラミネーター等
により樹脂フィルムが積層されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにプリプレグに樹脂フィルムを積層する方法では、
積層時に空気の介在(エア噛み)を防止する必要があ
り、また、後に剥離するため適度な接着力で付着させる
必要があるなど、積層のための装置やその制御等が煩雑
になっていた。
【0006】一方、上記の如きプリプレグの補強相とし
て、ポリスルホン等の多孔質フィルムを用いる試みが存
在する。このような多孔質フィルムを湿式凝固法(湿式
相分離法)で製膜する場合、基材シート上に製膜原液を
塗布して凝固液に浸漬する方法が存在するが、得られる
多孔質フィルムと基材シートは、凝固後に剥離してしま
うのが通常である。
【0007】そこで、本発明の目的は、多孔質層の製膜
時に特定の樹脂フィルムを付着させることで、上記のよ
うに樹脂フィルムを別途積層する必要がなく、好ましく
は当該樹脂フィルムをレーザービア加工時の被覆材とし
て使用できる樹脂フィルム付きの配線基板プリプレグ、
及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、多孔質層
の製膜時の基材シートをそのまま利用することを新たに
着想し、プリプレグに対する要求物性を満たし、かつ製
膜時の付着性に優れる材料の組合せについて鋭意研究し
たところ、芳香族ポリアミド製の多孔質層とポリエステ
ルフィルムの組合せにより、上記目的が達成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の配線基板プリプレグの製造
方法は、湿式凝固法により芳香族ポリアミド製の多孔質
層をポリエステルフィルム上に製膜・付着させる工程
と、そのポリエステルフィルム上に付着した多孔質層の
孔内に熱硬化性樹脂の原料組成物を含浸させる工程とを
含むことを特徴とする。
【0010】一方、本発明の配線基板プリプレグは、ポ
リエステルフィルムに付着した芳香族ポリアミド製の多
孔質層に、熱硬化性樹脂の半硬化物が含浸されているこ
とを特徴とする。
【0011】上記において、前記ポリエステルフィルム
が、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)又
はポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)であ
り、レーザービア加工に使用されるものであることが好
ましい。
【0012】[作用効果]本発明の製造方法によると、
湿式凝固法により芳香族ポリアミド製の多孔質層を製膜
する際に、製膜基材としてポリエステルフィルムを使用
するため、実施例の結果が示すように、製膜時に両者が
適度な付着性を有するので、これに熱硬化性樹脂の原料
組成物を含浸させるだけで、樹脂フィルム付きのプリプ
レグを製造することができる。このため、従来技術のよ
うに樹脂フィルムを別途積層する必要がなくなり、好ま
しくは後述のように、当該樹脂フィルムをレーザービア
加工時の被覆材として使用できる。
【0013】一方、本発明の配線基板プリプレグによる
と、ポリエステルフィルムに芳香族ポリアミド製の多孔
質層が付着した構造であるため、湿式凝固法により多孔
質層を製膜する際に両者を付着させて、従来技術より簡
易な製法により樹脂フィルム付きのものを得ることがで
きる。なお、従来技術のように含浸後に樹脂フィルムを
積層する場合、多孔質層の表面に熱硬化性樹脂の半硬化
物を露出させておく必要があるため、露出した半硬化物
が熱プレス時に樹脂流れを起こし易く、また、プリプレ
グの薄層化が行い難く、この点から、本発明の配線基板
プリプレグは構造的にも有利となる。
【0014】前記ポリエステルフィルムが、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム又はポリエチレンナフタレー
トフィルムであり、レーザービア加工に使用されるもの
である場合、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチ
レンナフタレートは、耐熱性が良好なため、レーザービ
ア加工時の被覆材として使用できるので、本発明のプリ
プレグは特にレーザービア加工に使用される場合に有用
となる。なお、これらのフィルムは低コストで入手しや
すいという利点もある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の配線基板プリプレグの製造方法
は、湿式凝固法により芳香族ポリアミド製の多孔質層を
ポリエステルフィルム上に製膜・付着させる工程を含む
ものである。
【0016】製膜基材となるポリエステルフィルムとし
ては、脂肪族系のポリエステルフィルムも使用できる
が、耐熱性、アラミドとの付着性などの観点から、芳香
族系のポリエステルフィルムが好ましい。当該芳香族系
のものとしては、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレン
テレフタレートフィルム、ポリ−1,4−シクロヘキサ
ンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリアリレート
フィルム、ポリエステル系液晶ポリマーフィルムなどが
挙げられる。なお、これらのフィルムとしては、付着性
を改善するために、コロナ放電処理などの表面処理を行
ったものを用いてもよい。
【0017】上記フィルムの厚みは、単にプリプレグの
被覆材として使用するのであれば、5μm以上であれば
よいが、前述のように開口部に充填した導電性ペースト
に凸状部を形成する目的で使用する場合には、2〜25
μmが好ましく、8〜15μmがより好ましい。
【0018】本発明では、絶縁性、耐熱性が良好で、低
熱線膨張率である芳香族ポリアミドを多孔質層の主成分
とする。かかる芳香族ポリアミドとしては、芳香族基を
主鎖に有するものであればよく、例えば以下のものが具
体的に例示される。
【0019】芳香族ポリアミドとしては、いわゆるパラ
型アラミドやメタ型アラミドの他、骨格の一部をジフェ
ニルエーテル、ジフェニルプロパン、ジフェニルメタ
ン、ジフェニルケトン、ジフェニルスルホキシド、ビフ
ェニル等で置換したものや、芳香環の水素基をメチル
基、ハロゲン原子等で置換したものなどが挙げられる。
【0020】パラ型アラミドとしては、ポリp−フェニ
レンテレフタラミド等が挙げられるが、このポリマーの
ように剛直な成分のみで構成されたアラミドは、特殊な
薬剤で溶解させる必要がある。従って、多孔質フィルム
に用いる芳香族ポリアミドとしては、屈曲性を付与する
成分で骨格の一部を置換したアラミドやメタ型アラミド
を少なくとも一部に使用することが好ましい。屈曲性を
付与する成分としては、m−フェニレン、2,7−ナフ
タレン、ジフェニルエーテル、2,2−ジフェニルプロ
パン、ジフェニルメタンなどが挙げられる。このような
成分は、ジカルボン酸モノマー又はジアミンモノマーと
して、共重合に使用されて骨格に導入されるが、当該成
分の共重合比が大きいものほど、一般に溶剤に対する溶
解性が高くなる。
【0021】また、パラ型アラミドとメタ型アラミドの
ような2種以上の芳香族ポリアミドのブレンド体を使用
することも可能である。更に、芳香族ポリアミドの耐熱
性や製膜基材への付着性を損なわない範囲で、脂肪族ポ
リアミドや他のポリマーを一部に含有してもよい。
【0022】湿式凝固法による製膜は、一般的に、溶剤
に樹脂と添加剤等を溶解した製膜原液(ドープ)を調製
し、これを製膜基材に塗布(キャスト)したものを凝固
液に浸漬して溶剤置換させることで、樹脂を凝固(ゲル
化)させ、その後、凝固液等を乾燥除去するなどして多
孔質フィルムを得るものである。
【0023】芳香族ポリアミドを溶解するための溶剤と
しては、溶解性の観点から、例えば、テトラメチル尿
素、ヘキサメチルホスホルアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N−メチル−2−ピロリドン,N−メチル
ピペリドン−2、N,N−ジメチルエチレン尿素、N,
N,N’,N’−テトラメチルアロン酸アミド、N−メ
チルカプロラクタム、N−アセチルピロリジン、N,N
−ジエチルアセトアミド、N−エチルピロリドン−2、
N,N−ジメチルプロピオン酸アミド、N,N−ジメチ
ルイソブチルアミド、N−メチルホルムアミド、N,N
−ジメチルプロピレン尿素及びそれらの混合系が挙げら
れる。更に、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等
の非プロトン性極性溶剤が溶解性の面や、凝固溶剤との
溶剤置換スピードの点で好ましく使用できる。特に好ま
しい例として、N−メチル−2−ピロリドンを例示する
ことができる。
【0024】また、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジブチルエーテル、等の溶剤を混合し
て、溶剤置換の速度を調整してもよい。
【0025】湿式凝固法におけるドープは、好ましくは
−20〜60℃の温度範囲で塗布される。また、凝固液
としては用いる樹脂を溶解せずに、上記溶剤と相溶性を
有するものであれば、限定されないが、水やメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコー
ル類及びこれらの混合液が用いられ、特に水が好適に用
いられる。浸漬時の凝固液の温度は特に限定されない
が、好ましくは0〜90℃の温度である。
【0026】製膜原液のポリマー濃度は、5重量%から
25重量%の範囲が好ましく、7重量%から20重量%
がより好ましい。濃度が高すぎると、粘度が高くなりす
ぎて取り扱いが困難になるし、濃度が低すぎると多孔質
フィルムが形成しにくくなる傾向がある。
【0027】孔径形状や孔径コントロールのために硝酸
リチウムのような無機物やポリビニルピロリドンのよう
な有機物を添加することもできる。添加物の濃度は溶液
中に1重量%から10重量%まで添加するのが好まし
い。硝酸リチウムを添加すると溶剤と凝固液との置換速
度が速く、スポンジ構造の中にフィンガーボイド構造
(指状にボイドを有する構造)を形成できる。ポリビニ
ルピロリドンのような凝固スピードを遅くする添加剤を
加えると、スポンジ構造が均一に広がった多孔質フィル
ムを得ることができる。
【0028】また、凝固液に浸漬する前に、例えば30
℃以上、相対湿度90%以上の雰囲気に所定時間(例え
ば1秒〜10分間)放置することにより水分等をドープ
に吸収させることで、表面付近の多孔質フィルムの孔径
コントロールを行ってもよい。例えばこの操作により、
表面にスキン層が形成されるようなドープ組成でも、孔
径をある程度大きくすることができる場合がある。
【0029】ドープは一定の厚みに塗布し、水等の凝固
液中に浸積して凝固させたり、水蒸気雰囲気下に放置し
て凝固した後、水中に浸積するなどして、脱溶剤され多
孔質フィルムとなる。多孔質フィルムの形成後、凝固液
から取り出した後、乾燥する。乾燥温度は特に制限され
ないが、200℃以下での乾燥が望ましい。
【0030】多孔質フィルムの裏表面は何れも平均孔径
0.05μm以上が好ましい。より好ましくは0.1〜
5μmである。また、スポンジ構造部分(内部)の細孔
のサイズは0.05μmから10μmであればよいが、
好ましくは1μmから7μmである。フィンガーボイド
構造では、平均孔径0. 05μmから10μmが好まし
い。多孔質フィルムの空孔率については、30〜98%
が好ましく、40〜70%がより好ましい。
【0031】多孔質層の厚さは特に限定されないが、あ
まり厚みが厚すぎると脱溶剤に時間がかかる傾向があ
り、また、最近の多層配線基板では薄くて軽くさらに機
械強度のある物が望まれるため、その厚さとしては15
0μm以下から2μmが望ましい。好ましくは90μm
から5μmである。
【0032】本発明では、上記の工程により、ポリエス
テルフィルム上に多孔質層が付着したものが得られる
が、本発明は、この多孔質層の孔内に熱硬化性樹脂の原
料組成物を含浸させる工程を含む。
【0033】当該原料組成物の含浸方法としては、各種
コーター等によって、多孔質層の表面に、直接熱硬化性
樹脂の原料液を塗布する方法でもよいが、基材シートの
表面に原料液を塗布して乾燥させた固形塗膜を多孔質層
の表面に積層して、加熱・加圧により含浸させる方法が
好ましい。この方法により、熱硬化性樹脂の原料液に含
まれる溶剤により、芳香族ポリアミドが膨潤等して多孔
質層が変形するのを抑制できる。
【0034】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド酸等が挙げ
られるが、エポキシ樹脂やエポキシ樹脂と他の樹脂の混
合物などが価格や取り扱い易さの点から好ましい。熱硬
化性樹脂の原料液には、溶剤の他に、触媒、硬化剤、難
燃剤、充填剤、可塑剤、促進剤等を含有してもよい。熱
硬化性樹脂の原料液に含まれる溶剤としては、熱硬化性
樹脂の種類によるが、ケトン類、酢酸エステル類、エー
テル類、芳香族炭化水素類、アルコール類等が挙げられ
る。
【0035】基材シートとしては樹脂、金属などが何れ
も使用できるが、樹脂フィルムが好ましい。塗布方法と
しては、直接塗布又は間接含浸の何れの場合も、ブレー
ドコーター、コンマコーター、ロールコーター、カレン
ダコーター、バーコーターによる塗布方法が挙げられ
る。なお、塗布厚みが均一なほど固形塗膜の厚みも均一
となり、含浸量もより均一化できる。
【0036】溶剤の乾燥では、完全に溶剤を除去する必
要はなく、非流動化する程度でもよい。乾燥方法として
は、効率の点から加熱乾燥や熱風乾燥が好ましい。加熱
温度としては、熱硬化性樹脂の硬化反応が進行し過ぎな
い温度が選択される。
【0037】加熱・加圧を行う方法としては、各種の熱
プレス装置や熱ラミネーター、それらに真空排気装置を
付加した装置などを用いる方法が挙げられる。本発明で
は、熱ラミネーターを用いるのが好ましい。
【0038】この加熱・加圧によって、ポリエステルフ
ィルムに付着した芳香族ポリアミド製の多孔質層に、熱
硬化性樹脂の半硬化物が含浸された配線基板プリプレグ
が製造できる。即ち、本発明の配線基板プリプレグは、
以上のような本発明の製造方法によって好適に得られる
ものであり、ポリエステルフィルムに付着した芳香族ポ
リアミド製の多孔質層に、熱硬化性樹脂の半硬化物が含
浸されているものである。
【0039】以下、本発明の配線基板プリプレグの使用
形態の一例として、プリプレグにレーザービア加工を行
い、金属層間を導電接続させる場合について説明する。
図1(a)〜(e)は、当該導電接続方法の一例を示す
工程図である。
【0040】まず、図1(a)に示すように、プリプレ
グ10のポリエステルフィルム3とは反対側の面に樹脂
フィルム4を積層する。この樹脂フィルム4としては、
ポリエステルフィルムが好ましい。積層は、プリプレグ
10の粘着力を利用して圧着したり、単に積層配置する
だげでもよい。
【0041】次に、図1(b)に示すように、上記の積
層物を貫通する開口部5を形成する。なお、積層物を貫
通する開口部5を形成する代わりに、樹脂フィルム4で
はなく金属層を設けておき、ポリエステルフィルム3の
表面からその金属層に至る開口部5を形成してもよい。
開口部5の形成は、開口面積が大きい場合は、コンピ
ュータ制御によるドリリング、パンチ等も利用できる
が、通常は、YAGレーザ等の各種レーザを用いたレー
ザ加工が行われる。レーザ加工の方法や条件等は、従来
法が何れも適用できる。なお、ポリエステルフィルム3
は、レーザ加工の際に、その下層のプリプレグ10を保
護する役割も有する。
【0042】次に、図1(c)に示すように、上記の開
口部5に導電性ペースト6を表面高さが周囲の高さと略
同じになるように充填する。導電性ペースト6として
は、銀、銅、カーボン、ハンダ等の微粒子をバインダー
樹脂や溶剤に分散させたものが挙げられる。バインダー
樹脂としては、熱硬化性樹脂が好適に使用され、後述す
る熱プレスによって、硬化反応が進行する。また微粒子
の平均粒径は、多孔質層の平均孔径より大きいことが好
ましい。
【0043】導電性ペースト6の充填には、スクリーン
印刷、オフセット印刷、パッド印刷、イックジェット印
刷、バブルジェット印刷等の印刷や、スクイーズによる
充填などの方法が使用できる。
【0044】次に、図1(d)〜(e)に示すように、
ポリエステルフィルム3と樹脂フィルム4とを剥離し
て、導電性ペースト6に凸状部6aを形成した状態で、
2枚の金属層3,4を上下から積層して熱プレスする。
この工程により、導電性ペースト6が圧密化され、導電
性ペースト6と両者の金属層3,4との圧接力が大きく
なる。
【0045】金属層の材質としては、銅、白銅、青銅、
黄銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、金、
銀、白金等の各種のものを使用できる。これらは、金属
箔、金属板のいずれでもよく、その厚さは好ましくは1
〜50μmである。本発明では配線基板の配線パターン
として好適な銅箔を用いるのが特に好ましい。金属箔の
表面には、プリプレグ10との密着性を高めるために、
粗面化処理、黒色処理などの物理的又は化学的な各種表
面処理を行ってもよい。
【0046】熱プレスには真空プレス装置、熱プレス装
置、連続プレス装置などの各種プレス装置が利用でき、
また、熱プレスの温度、圧力は、従来公知の条件が何れ
も適用できる。
【0047】本発明の配線基板プリプレグは、上記のよ
うなレーザービア加工を行う場合に限らず、被覆フィル
ムを使用するプリプレグの何れの用途にも使用できる。
【0048】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、多孔質層の平均孔径及
び空孔率は、次のようにして測定した。
【0049】(1)多孔質層の平均孔径 多孔質層について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い
て、断面の写真撮影を行い、その写真のコンピュターに
よる画像解析から平均孔径を求めた。
【0050】(2)多孔質層の空孔率 空孔率(%)={(重量/密度)/容積}×100 多孔質層の容積と重量を測定し、多孔質層素材の密度を
用いて上式により、空孔率を求めた。
【0051】〔実施例1〕イソフタル酸塩化物のへキサ
ン溶液とm−フェニレンジアミンの水溶液を等モル反応
させて芳香族ポリアミドを得た。この芳香族ポリアミド
(沈殿物)を水洗、アルコール洗浄、水洗を繰り返した
後、60℃で一晩真空乾燥して乾燥ポリマーを得た。こ
のポリマーを80℃でN−メチル−2−ピロリドン(N
MP)中に溶解しさらに硝酸チウムを溶解して、硝酸リ
チウムを5重量%、ポリマー10重量%含む溶液(製膜
原液)を得た。
【0052】これを厚み30μmの厚さで12μmの厚
さのPENフィルム(帝人(株)製、テオネックスフィ
ルム)の上に塗布し、40℃の水槽に浸漬して多孔質層
を形成した。その後、1昼夜水中保存して脱溶剤を行っ
た。その後、80℃、5時間乾燥してPENフィルム上
に一体に付着・形成された多孔質層を得た。
【0053】得られた多孔質層は、厚み28μm、厚み
方向に連続孔が形成されたフィンガーボイド構造となっ
ていた。平均孔径は短径5μm、長径25μm、空孔率
は78%であった。
【0054】この多孔質層に対し、臭素化ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂のメチルエチルケトン50重量%溶
液よりなる熱硬化性樹脂の原料組成物を多孔膜側に塗布
して含浸させたところ、良好な含浸性が得られた。加熱
乾燥後にPENフィルムの剥離を試みたところ、界面に
て容易に剥離することができた。
【0055】〔実施例2〕実施例1の芳香族ポリアミド
を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に溶解
し、さらにポリビニルピロリドン(PVP)(アイエス
ピージャパン(株)製、K−90)と水を加えて、芳香
族ポリアミド(100重量部)、NMP(900重量
部)、PVP(40重量部)、水(40重量部)のポリ
マー溶液(製膜原液)を得た。
【0056】これを厚み30μmの厚さで12μmの厚
さのPENフィルム(帝人(株)製、テオネックスフィ
ルム)の上に塗布し、60℃の水槽に浸漬して多孔質層
を形成した。さらに、1昼夜水中保存して脱溶剤を行っ
た。その後、80℃、5時間乾燥してPENフィルム上
に一体に付着・形成された多孔質層を得た。得られた多
孔質層は、厚み28μmの連続孔が形成されたスポンジ
構造となっていた。平均孔径は0.1μm、空孔率は6
8%であった。
【0057】この多孔質層に対し、臭素化ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂のメチルエチルケトン50重量%溶
液よりなる熱硬化性樹脂組成物を多孔膜側に塗布して含
浸させたところ、良好な含浸性が得られた。
【0058】このプレプリグに200μmのパンチ穴を
開け、導電性ペースト(ハンダ粉末(平均粒径約8μ
m)50vol %、溶剤50vol %)をPEN側よりスク
イーズして充填した。この時点で、PENフィルムの剥
離を試みたところ、界面にて容易に剥離することができ
た。剥離後、60kg/cm2 、180℃の条件で両面
に銅箔をプレスして接着して両面基板を作成し、ビアの
導通があることを確認した。ビア径は160μmであ
り、200μmの穴を押し広げることは無かった。
【0059】〔実施例3〕実施例2において、PENフ
ィルムの代わりにPETフィルム(帝人(株)製、テト
ロンフィルム)を用いる以外は、実施例2と同様にし
て、多孔質層の製膜、その評価、ビア形成を行った。そ
の結果、適切な形状でビア形成ができ、またビアによる
導通を確認した。
【0060】〔比較例1〕実施例2において、芳香族ポ
リアミドの代わりにポリスルホン(BP−Amoco社
製,UDEL)を用いる以外は、実施例2と同様にし
て、多孔質層の製膜を行った。しかし、PENフィルム
の上に多孔膜は形成できたものの、PENフィルムとの
密着性が悪く、PENフィルムと一体化した多孔質層を
得ることはできなかった。また、ポリスルホン多孔質層
をPENフィルムの上に重ね、実施例2と同様の含浸処
理を行ったが、ポリスルホン多孔質層がメチルエチルケ
トンに溶解してしまい、プリプレグを形成できなかっ
た。
【0061】〔比較例2〕実施例2において、芳香族ポ
リアミドの代わりに、ブタンテトラカルボン酸とジアミ
ノジフェニルエーテルをモノマー成分として得られたポ
リイミドを用いる以外は、実施例2と同様にして、多孔
質層の製膜を行った。しかし、PENフィルムの上に多
孔膜は形成できたものの、PENフィルムとの密着性が
悪く、PENフィルムと一体化した多孔質層を得ること
はできなかった。
【0062】〔比較例3〕実施例2において、PENフ
ィルムの代わりにポリプロピレンフィルム(東レ(株)
製,トレファン)を用いる以外は、実施例2と同様にし
て、多孔質層の製膜を行った。しかし、ポリプロピレン
フィルムの上に多孔膜は形成できたものの、多孔質層と
ポリプロピレンフィルムとの密着性が悪く、ポリプロピ
レンフィルムと一体化した多孔質層を得ることはできな
かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板プリプレグの使用方法の一例
を示す工程図
【図2】従来の金属層間の導電接続方法の一例を示す工
程図
【符号の説明】
3 ポリエステルフィルム 4 樹脂フィルム 5 開口部 6 導電性ペースト 10 プリプレグ 11 金属層 12 金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/36 B32B 27/36 C08J 5/24 CFG C08J 5/24 CFG H05K 1/03 610 H05K 1/03 610M 610U 3/00 3/00 N // C08L 77:00 C08L 77:00 (72)発明者 川島 敏行 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA01 AA04 AA07 AB06 AB29 AD28 AG03 AH02 AH25 AK03 AL09 AL13 4F100 AK01C AK42B AK47A AK53 AL05C BA03 BA07 BA10B BA10C DJ10A EH46 EH462 EH463 EJ82 EJ822 EJ85 EJ852 EJ862 GB43 JB13C JL01 JL05 4F201 AA24 AA26 AA29 AA41 AG01 AG03 AG20 AH36 BA03 BC01 BC12 BC21 BC33 BC37 BM04 BM13 BM14 5E346 AA12 CC05 CC10 CC12 CC31 CC32 CC34 CC37 CC38 CC39 DD12 EE09 EE13 FF18 GG15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式凝固法により芳香族ポリアミド製の
    多孔質層をポリエステルフィルム上に製膜・付着させる
    工程と、そのポリエステルフィルム上に付着した多孔質
    層の孔内に熱硬化性樹脂の原料組成物を含浸させる工程
    とを含む配線基板プリプレグの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフィルムに付着した芳香族
    ポリアミド製の多孔質層に、熱硬化性樹脂の半硬化物が
    含浸されている配線基板プリプレグ。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステルフィルムが、ポリエチ
    レンテレフタレートフィルム又はポリエチレンナフタレ
    ートフィルムであり、レーザービア加工に使用されるも
    のである請求項2記載の配線基板プリプレグ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004175104A (ja) * 2002-11-12 2004-06-24 Daicel Chem Ind Ltd 多孔性フィルムの製造方法、及び多孔性フィルム
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JP2014522107A (ja) * 2011-12-31 2014-08-28 北大方正集▲団▼有限公司 印刷回路基板及びその製造方法

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