JP3536482B2 - 電気絶縁フィルムおよび電気絶縁テープ - Google Patents
電気絶縁フィルムおよび電気絶縁テープInfo
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Description
リアミド(以下、パラアラミドということがある。)か
らなる多孔質フィルムを基体とする電気絶縁フィルムお
よび電気絶縁テープに関する。
ルなど重電分野で用いられる絶縁紙には、耐熱性、電気
絶縁性および柔軟性が要求され、これらの要求を満足す
るものとしてメタ配向芳香族ポリアミド(以下、メタア
ラミドということがある。)からなる不織布が知られて
いる。メタアラミドは長期の熱履歴を受けても物性の低
下が小さいという優れた性質を有するが、約260℃付
近に転移点があり、この温度付近で急激に電気的特性が
低下する。したがって、260℃以上になる雰囲気での
使用には必ずしも適さない。
テル、ポリイミドまたはパラアラミドからなるフィルム
が使用または提案されている。一般に、これらの電気絶
縁フィルムを用いる場合は、導電体との接合に際して熱
硬化性樹脂などからなる接着剤が必要である。特に、パ
ラアラミドフィルムを用いる場合は、耐熱性は優れてい
るが導電体との接着に難があるため、接着力を付与する
ために様々な工夫がされている。例えば、特開平6−1
07834号公報には、パラアラミドフィルムの導電体
との接着性向上を目的としてプライマー樹脂が提案され
ている。
性および難燃性に優れ、高強度で被絶縁体(導電体)と
の接着が容易な電気絶縁フィルムおよび電気絶縁テープ
を提供することにある。さらに詳細には、パラ配向芳香
族ポリアミドを原料として用いて上記の優れた特性を有
する電気絶縁フィルムおよび電気絶縁テープを提供する
ことにある。
芳香族ポリアミドからなる多孔質フィルムに熱硬化性樹
脂を含浸してなる電気絶縁フィルムに係るものである。
また、本発明は、該電気絶縁フィルムを基材とする電気
絶縁テープに係るものである。以下、本発明について詳
しく説明する。
は、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボ
ン酸ハライドの縮合重合により得られるものであり、ア
ミド結合が芳香族環のパラ位またはそれに準じた配向位
(例えば、4,4’−ビフェニレン、1,5−ナフタレ
ン、2,6−ナフタレンなどのような反対方向に同軸ま
たは平行に延びる配向位)で結合される繰り返し単位か
ら実質的になるものである。
フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミ
ド)、ポリ(4,4’−ベンズアニリドテレフタルアミ
ド)、ポリ(パラフェニレン−4,4’−ビフェニレン
ジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2,6
−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ
−パラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレン
テレフタルアミド/2,6−ジクロロパラフェニレンテ
レフタルアミド共重合体などのパラ配向型またはパラ配
向型に準じた構造を有するパラアラミドが挙げられる。
らなる多孔質フィルムは、その孔径が0.01μm以上
5μm以下の多孔質フィルムであることが好ましい。孔
径が5μm以下であると空隙率が適切な範囲にあり、多
孔質フィルムの強度が高く取り扱い易い。また、孔径が
0.01μm以上であると熱硬化性樹脂ワニスの含浸が
容易である。
らなる多孔質フィルムは厚みを薄くして薄葉化が可能で
あるという優れた特徴を有している。特に、従来の絶縁
紙の製造方法である抄紙法では製造が困難とされる50
μm未満の厚みのものでも、本発明の多孔質フィルムを
用いれば製造が可能となる。
が、膜厚が10μm未満のパラ配向芳香族ポリアミドか
らなる多孔質フィルムでは、例えば、熱硬化性樹脂ワニ
スを多孔質フィルムに含浸して電気絶縁テープとしたと
きに、皺ができ易くなるので支持フィルムに貼りあわせ
るなどの工夫を行うことが望ましい。なお、本発明でい
うフィルムとは、フィルムより厚みのある所謂シートも
含み、用途に応じて適宜その厚みを選択することができ
る。
らなる多孔質フィルムの空隙率は20〜90%であるこ
とが好ましい。空隙率が20%未満では熱硬化性樹脂ワ
ニスの含有量が不十分となり、空隙率が90%を越える
と多孔質フィルムの強度が低くなり、また、電気絶縁フ
ィルムとしたときにパラアラミド成分が少なくなるの
で、耐熱性、剛性、電気絶縁性などが低下する。
らなる多孔質フィルムは、引張強度が3〜15kg/m
m2 であり、通常のアラミド系不織布と同等以上の強度
を有する。因みに、メタアラミド紙の場合には引張強度
が5〜12kg/mm2 である。
うにフィブリル間での膠着が得られないので、通常の抄
紙法で製造されるパラアラミド紙の引張強度は約0.1
kg/mm2 程度であり、実用的ではない。
ラアラミドからなり、形態的には30〜300nmのパ
ラアラミドのフィブリルからなる不織布状であるにもか
かわらず、メタアラミド紙と同等以上の強度を有すると
いう優れた特徴を有する。これにより、空隙率が高くて
も電気絶縁フィルムとして実用的な強度を維持すること
ができる。
らなる多孔質フィルムは、例えば、以下に記すような方
法で製造することができる。すなわち下記の(a)〜
(c)の工程により製造することができる。
溶媒中に、固有粘度が1.0〜2.5dl/gであるパ
ラ配向芳香族ポリアミドを1〜10重量%およびアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を1〜10重量
%を含む溶液を膜状に形成する工程。 (b)該膜状の溶液を20℃以上または−5℃以下の温
度に保持し、パラ配向芳香族ポリアミドを析出させてフ
ィルムにする工程。 (c)該フィルムから、溶媒とアルカリ金属またはアル
カリ土類金属の塩化物を除去し、ついで乾燥して多孔質
フィルムを得る工程。
の製造方法は必ずしも限定されないが、例えば、以下の
ようにして好適に製造することができる。
類金属の塩化物を1〜10重量%溶解した極性アミド系
溶媒または極性尿素系溶媒中で、パラ配向芳香族ジアミ
ン1.00モルに対してパラ配向芳香族ジカルボン酸ハ
ライド0.94〜0.99モルを添加して、温度−20
℃〜50℃で縮合重合して、パラアラミド濃度が1〜1
0重量%であるパラアラミド溶液が製造される。
はアルカリ土類金属の塩化物量は、後述するようにパラ
アラミド量(さらに正確には、パラアラミド中のアミド
基)に対して範囲が決められる。一般には、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属の塩化物が1重量%未満で
は、パラアラミドの溶解性が不十分であり、10重量%
を越えるとアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化
物は極性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒に溶解しな
い。また、パラアラミド濃度が1重量%未満では、生産
性が著しく低下し工業的に不利となる。パラアラミドが
10重量%を越えるとパラアラミドが析出し安定なパラ
アラミド溶液とならない。
固有粘度(本発明において固有粘度とは、後に定義する
ものをいう)で表して、1.0〜2.5dl/g、好ま
しくは1.5〜2.3dl/gの値を示すパラアラミド
である。固有粘度が1.0dl/g未満では十分なフィ
ルム強度が得られず、固有粘度が2.5dl/gを越え
ると安定なパラアラミド溶液となり難くパラアラミドが
析出しフィルム化が困難となる。
ラ配向芳香族ジアミンを例示すると、パラフェニレンジ
アミン、4,4’−ジアミノビフェニル、2−メチル−
パラフェニレンジアミン、2−クロロ−パラフェニレン
ジアミン、2,6−ジクロロ−パラフェニレンジアミ
ン、2,6−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレン
ジアミン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,
4’−ジアミノジフェニルエーテルなどを挙げることが
できる。パラ配向芳香族ジアミンは1種または2種を混
合して縮合重合に供することができる。
ラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドを例示すると、テレ
フタル酸クロライド、ビフェニル−4,4’−ジカルボ
ン酸クロライド、2−クロロテレフタル酸クロライド、
2,5−ジクロロテレフタル酸クロライド、2−メチル
テレフタル酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸クロライド、1,5−ナフタレンジカルボン酸クロ
ライド等を挙げることができる。パラ配向芳香族ジアミ
ンは1種または2種を混合して縮合重合に供することが
できる。
アミド系溶媒または極性尿素系溶媒において行われる。
これらの溶媒として、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドンまたはテトラメチルウレアが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
への溶解性を改善する目的で、アルカリ金属またはアル
カリ土類金属の塩化物が好適に使用される。具体例とし
ては、塩化リチウムまたは塩化カルシウムが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
で生成するアミド基1.0モル当たり0.5〜6.0モ
ルの範囲が好ましく、1.0〜4.0モルの範囲がより
好ましい。塩化物が0.5モル未満では生成するパラア
ラミドの溶解性が不十分となる。6.0モルを越えると
実質的に塩化物の溶媒への溶解量を越えるので好ましく
ない。
に形成した後、凝固する前に、パラアラミドを析出させ
る。この工程(b)が多孔質フィルムを製造するために
重要である。パラアラミド溶液を膜状に形成した後、直
ちに凝固するのでは多孔質のフィルムには成らない。パ
ラアラミドを析出させるのに、以下に述べる理由で、パ
ラアラミド溶液を20℃以上または−5℃以下に保持す
ることが好ましい。
溶液を20℃以上で所定時間保持するとパラアラミドが
溶液から析出することを利用している。析出が始まる時
間は溶液組成(塩化物量、パラアラミド濃度など)や保
持する温度に依存する。例えば、パラアラミド濃度が6
重量%で、塩化カルシウム量がアミド基に対し等モルの
ときには、20℃では1週間以上安定で析出が起こらな
いが、60℃では約5分間でパラアラミドが析出する。
また、パラアラミド濃度が6重量%で、塩化カルシウム
量がアミド基1モルに対し0.7モルのときには、20
℃では約半日後、30℃では約1時間後にはパラアラミ
ドが析出する。
アラミドの析出が始まる時間は短いが、多孔質フィルム
の空隙率、孔径などの形態因子は析出させる温度にも依
存するので、工程(b)における保持温度はこれらを総
合的に判断して決められる。一概には言えないが、20
℃以上でパラアラミドを析出させた場合は、孔径が0.
02〜0.5μmのパラアラミド多孔質フィルムが得ら
れる。
は、パラアラミド溶液を−5℃以下で所定時間保持する
とパラアラミドが溶液から析出することも利用してい
る。析出が始まる時間は溶液組成(塩化物量、パラアラ
ミド濃度など)や保存温度に依存する。例えば、パラア
ラミド濃度が6重量%で、塩化カルシウム量がアミド基
に対し等モルのときには、−5℃では1週間以上安定で
析出が起こらないが、−20℃では約30分間でパラア
ラミドが析出する。また、パラアラミド濃度が6重量%
で、塩化カルシウム量がアミド基1モルに対し0.7モ
ルのときには、−5℃では約半日後、−10℃では約1
時間後にはパラアラミドが析出する。
アラミドの析出が始まる時間は短いが、多孔質フィルム
の空隙率、孔径などの形態因子は析出させる温度にも依
存するので、工程(b)における保持温度はこれらを総
合的に判断して決められる。一概には言えないが、−5
℃以下でパラアラミドを析出させた場合は、孔径として
は0.1〜数μmのパラアラミド多孔質フィルムが得ら
れる。
フィルムから溶媒とアルカリ金属またはアルカリ土類金
属の塩化物を除去する。除去方法としては、フィルムを
溶液に浸漬して溶媒と塩化物を溶出させる方法、フィル
ムから溶媒を蒸発により留去してから塩化物を溶出させ
る方法などが採用できる。溶媒と塩化物を溶出させると
きに用いる溶液としては、水系溶液またはアルコール系
溶液が溶媒と塩化物を共に溶解することができるので好
ましい。
種類は特に限定されないが、パラアラミド溶液に使用さ
れる溶媒を含む水系溶液またはアルコール系溶液を使用
する方が、溶媒回収工程が簡素化されるので工業的には
優位である。溶媒とアルカリ金属またはアルカリ土類金
属の塩化物を除去した後、必要におうじて水、アルコー
ル、水系溶液またはアルコール系溶液を用いて洗浄し、
ついで乾燥することにより目的とする多孔質フィルムを
得る。
多孔質フィルムを基体として、熱硬化性樹脂を含浸させ
て本発明の電気絶縁フィルムを作製する。本発明におい
て電気絶縁フィルムを作製するときに使用する熱硬化性
樹脂は特に限定されない。具体例として、エポキシ樹
脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂
などを挙げることができる。
樹脂を含浸させる方法は特に限定されず、従来知られて
いる紙へ熱硬化性樹脂を含浸させる方法などを適用する
ことができる。例えば、上記のエポキシ樹脂などのワニ
スを調製して該パラアラミド多孔質フィルムに塗布して
含浸させる方法を挙げることができる。
ィルムは、フィルム状またはシート状に形成して、電気
絶縁フィルムとして用いられる。また、本発明の電気絶
縁フィルムはテープ状に巻いて形成して、電気絶縁テー
プとして用いることができる。
る。実施例および比較例における試験・評価方法または
判定基準は次に示すとおりである。
と定義する。96〜98%硫酸100mlにパラアラミ
ド重合体0.5gを溶解した溶液および96〜98%硫
酸について、それぞれ毛細管粘度計により30℃にて流
動時間を測定し、求められた流動時間の比から次式によ
り固有粘度を求めた。 固有粘度=ln(T/T0 )/C 〔単位:dl/g〕 ここで、TおよびT0 はそれぞれパラアラミド硫酸溶液
および硫酸の流動時間を表し、Cはパラアラミド硫酸溶
液中のパラアラミド濃度(dl/g)を表す。
て試験片を打ち抜き、インストロンジャパン社製インス
トロン万能引張試験機モデル4301を用い、JIS
K−7127に準じて引張強度を求めた。
重量(Wg) 、厚み(Dcm) を測定した。パラアラミ
ドの真比重を1.45g/cm3 と仮定して、次式より
空隙率(体積%)を求めた。 空隙率=100−100×(W/1.45)/(L2 ×
D)
パッカード(株)製のマルチフレクエンシーメーター4
275A(Multi frequency meter 4275A)を用いて測定
した。サンプルは、10mm角に切り出し、両面に金蒸
着したものを用いた。
分析装置TMA120を用いて測定し、以下の式によっ
て算出した。 α1 =ΔL/L0 ΔT α1 :線膨張係数(/℃) ΔL:試験片の変化長 L0 :試験前の試験片長 ΔT:温度差(℃)
合〕 撹拌翼、温度計、窒素流入管および粉体添加口を有する
5lのセパラブルフラスコを使用してポリ(パラフェニ
レンテレフタルアミド)(以下、PPTAと略す。)の
重合を行った。フラスコを十分乾燥し、N−メチル−2
−ピロリドン(以下、NMPと略す。)4200gを仕
込み、200℃で2時間乾燥した塩化カルシウム27
2.7gを添加して100℃に昇温した。塩化カルシウ
ムが完全に溶解した後室温に戻して、パラフェニレンジ
アミン(以下、PPDと略す。)132.9gを添加し
完全に溶解させた。この溶液を20℃±2℃に保ったま
ま、テレフタル酸クロライド(以下、TPCと略す。)
243.3gを10分割して約5分おきに添加した。そ
の後溶液を20℃±2℃に保ったまま1時間熟成し、気
泡を抜くため減圧下30分間撹拌した。得られた重合液
(以下、重合体ドープということがある。)は光学的異
方性を示した。重合液の一部をサンプリングして水で再
沈してポリマーとして取り出し、得られたPPTAの固
有粘度を測定したところ1.96dl/gであった。
入管および液体添加口を有する500mlのセパラブル
フラスコに秤取し、NMPを徐々に添加して最終的に、
PPTA濃度が3.0重量%のPPTA溶液を調製し、
A液とした。
m)を用い、ガラス板上にPPTA溶液A液を膜状に形
成した。直ちに、60℃の加熱オーブンに約20分間保
持したところPPTAが析出して白濁したフィルムとな
った。このフィルムをイオン交換水に浸漬した。数分後
にフィルムはガラス板から剥離した。イオン交換水を流
しながら、このフィルムを約1時間浸漬した。水中より
フィルムを取り出し、遊離水を拭き取ったあと濾紙に挟
み、さらにガラスクロスに挟んだ。フィルムを濾紙とガ
ラスクロスで挟んだ状態で、アルミ板に乗せその上にナ
イロンフィルムを被せ、ナイロンフィルムとアルミ板と
をガムでシールして、減圧のための導管をつけた。全体
を熱オーブンに入れ120℃で減圧しながらアラミドフ
ィルムを乾燥した。
均一で、厚みは14μm、空隙率は46%であった。走
査型電子顕微鏡でフィルムを観察したところ、約0.1
μm以下のフィブリル状PPTA繊維が均質に分散し網
状に広がっており、孔径が0.05〜0.2μmの空孔
がフィルム全体に均一に分散している均質な多孔質フィ
ルムであった。
膨張係数を測定した。塗工方向の引張強度は9.0kg
/mm2 で、伸びは6.7%、熱線膨張係数は−1.6
×10-5/℃であった。また、塗工方向と直角の方向の
引張強度は8.8kg/mm 2 で、伸びは6.3%、熱
線膨張係数は−1.9×10-5/℃であった。
トン、以下、MEKと略すことがある。)を加え、還流
管を付けた300mlの三角フラスコ中、マグネチック
スターラーで撹拌しながら90分間加熱環流しワニスを
得た。 ワニス配合組成: (重量部) 主剤:スミエポキシLDX−4120(住友化学工業製) 100.0 硬化剤:ジシアンジアミド(DICY、東京化成製) 2.7 触媒:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成製) 0.2
評価 多孔質フィルムを100mm角に切断し、(1)で調製
したワニスを両面に塗布した。ワニスが含浸する間、溶
媒が揮発しないようにフッ素フィルム(商品名:トヨフ
ロン50F、東レ(株)製)に挟み、さらに押し付け、
一様にワニスを広げた。10分間放置し、ワニスを多孔
質フィルムに均一に含浸させた後、ガラスクロス(製品
記号:YES−2101、日本板硝子繊維(株)製)上
に移して150℃で3分間加熱して溶媒を除去し、エポ
キシ樹脂を半硬化させて電気絶縁フィルムを作製した。
該電気絶縁フィルムを40mm角に切断し、厚み40μ
mの銅箔に貼り、10kg/cm2 の圧力で170℃で
2時間プレスしたところ、銅箔と電気絶縁フィルムとの
強固な接着を得た。
数の測定 得られた電気絶縁フィルムを40mm角に切断し、12
枚重ね合わせ、10kg/cm2 の圧力下170℃にて
2時間プレスし、エポキシ樹脂を完全に硬化させて、
0.34mm厚みの電気絶縁シートを作製した。得られ
た電気絶縁シートの誘電率は3.8(1MHz)であっ
た。また、100℃から200℃の温度範囲での厚み
(Z)方向の熱線膨張係数は5.51×10-5/℃であ
った。熱線膨張係数の測定条件は、荷重2g、昇温速度
10℃/分、温度範囲は25℃〜230℃であった。
(B)の作製 上記の実施例1で調製されたPPTA溶液A液をNMP
で希釈してPPTA濃度が2.0重量%のPPTA溶液
を調製し、PPTA溶液B液とした。テスター産業株式
会社製バーコーター(膜厚2.5mm)により、ガラス
板上に該B液を膜状に形成した。直ちに、60℃の加熱
オーブンに約20分間保持したところ、PPTAが析出
して白濁したフィルムとなった。このフィルムをイオン
交換水に浸漬した。数分後にフィルムはガラス板から剥
離した。イオン交換水を流しながら、このフィルムを約
1時間浸漬した。水中よりフィルムを取り出し、遊離水
を拭き取ったあと濾紙に挟み、さらにガラスクロスに挟
んだ。アラミドフィルムを濾紙とガラスクロスで挟んだ
状態で、アルミ板に乗せその上にナイロンフィルムを被
せ、ナイロンフィルムとアルミ板とをガムでシールし
て、減圧のための導管をつけた。全体を熱オーブンに入
れ120℃で減圧しながらフィルムを乾燥した。
隙率は43%であった。走査型電子顕微鏡でフィルムを
観察したところ、約0.1μm以下のフィブリル状のP
PTA繊維からなり、孔径0.05〜0.2μmの空孔
を有する多孔質フィルムであった。
ポキシ樹脂が含浸された電気絶縁フィルムを作製した。
で、該PPTA溶液を用いて長尺のPPTA多孔質フィ
ルムの作製および該長尺のPPTA多孔質フィルムへの
熱硬化性樹脂の含浸を連続的に行い、得られる長尺の電
気絶縁体を巻いて電気絶縁テープを製造することができ
る。
用いて、パラ配向芳香族ポリアミドが有する優れた耐熱
性および難燃性に加え、高強度で被絶縁体との接着が容
易な電気絶縁フィルムおよび電気絶縁テープを提供する
ことができる。
Claims (4)
- 【請求項1】パラ配向芳香族ポリアミドからなる多孔質
フィルムに熱硬化性樹脂を含浸してなることを特徴とす
る電気絶縁フィルム。 - 【請求項2】該多孔質フィルムが、孔径が0.01μm
以上5μm以下の多孔質フィルムであることを特徴とす
る請求項1記載の電気絶縁フィルム。 - 【請求項3】パラ配向芳香族ポリアミドがポリ(パラフ
ェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミ
ド)、ポリ(4,4’−ベンズアニリドテレフタルアミ
ド)、ポリ(パラフェニレン−4,4’−ビフェニレン
ジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2,6
−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ
−パラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレン
テレフタルアミド/2,6−ジクロロパラフェニレンテ
レフタルアミド共重合体であることを特徴とする請求項
1記載の電気絶縁フィルム。 - 【請求項4】請求項1、2または3記載の電気絶縁フィ
ルムを基材としてなることを特徴とする電気絶縁テー
プ。
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JP28331495A JP3536482B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 電気絶縁フィルムおよび電気絶縁テープ |
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JP28331495A JP3536482B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 電気絶縁フィルムおよび電気絶縁テープ |
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