JP3111562B2 - 熱可塑性ポリエステル組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粒子を含有する熱可塑性
ポリエステル組成物に関するものであり、粒子とポリエ
ステルの親和性、接着性を高めることを目的とするもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレ−トに代表され
るポリエステルは、その優れた物理的、化学的特性の故
にはば広い用途に用いられ、例えば磁気テ−プ用、コン
デンサ−用、包装用、グラフィック用等のフイルム、産
業用、衣料用等の繊維の形態で広く使用されている。
【0003】ポリエステルを繊維やフイルムとして使用
する場合には、その滑り性や耐削れ性がその製造工程や
各用途における加工工程の作業性の良否、さらにはその
製品品質の良否を左右する大きな要因となっている。こ
れらが不足すると、例えばポリエステルフイルムの表面
に磁性層を塗布し、磁気テ−プとして用いる場合には磁
性層塗布時におけるコ−ティングロ−ルとフイルム表面
との摩擦が激しく、極端な場合にはフイルム表面にしわ
や擦り傷等が発生する。
【0004】また、磁性層塗布後のフイルムをオ−ディ
オ、ビデオまたはコンピュ−タ用テ−プ等に加工した後
でも、リ−ルやカセット等からの引き出し、巻き上げ、
その他の操作の際に削れ物や脱落物が生じ、擦り傷やテ
−プ自体の歪みの発生、磁気記録信号の欠落等の問題を
引き起こす原因となる。
【0005】従来、ポリエステルの摩擦係数を低下させ
る方法として炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素
等の無機微粒子を重合時または重合後に添加し、ポリエ
ステル中に微粒子を存在させることが数多く提案されて
きた。しかし、これらの無機粒子と有機成分であるポリ
エステルとの親和性が一般的に不十分であるため、延伸
時等に粒子とポリエステルとの境界面で剥離が発生し、
ボイドが生成することもよく知られている。ボイドがポ
リエステルフイルムや繊維中に存在すると、フイルム同
士、あるいは繊維同士、またフイルムや繊維とガイド等
のとの接触により、フイルムや繊維が損傷したり、粒子
が脱落しやすく、例えば前述のごとく磁気テ−プ用フイ
ルムにおける削れ物の発生や磁気記録信号の欠落等の原
因となる。また強度の低下を引き起こす原因となる。こ
のため無機粒子とポリエステルとの親和性の欠如は、耐
摩耗性や強度低下防止の面で解決すべき問題である。
【0006】この粒子とポリエステルとの親和性向上に
ついては、例えば特開昭63−128031号公報、特
開平1−256558号公報、特公平1−46538号
公報、特開平2−178333号公報ではポリアクリル
酸系ポリマでの表面処理、特開昭62−235353号
公報、特開昭63−234039号公報ではリン化合物
による表面処理、特開昭62−223239号公報、特
開昭63−312345号公報、特開昭64−4353
7号公報ではカップリング剤による表面処理、特開昭6
4−90254号公報では粒子表面のOH基とビスラク
タムを反応させた粒子、特開昭63−304038号公
報では粒子のシラン化合物による処理、特開昭63−2
80763号公報では粒子表面へのグリコ−ルによるグ
ラフト化が提案されているが、処理工程が複雑であるこ
と、ポリエステルとの親和性向上効果が必ずしも充分発
揮されない等の種々の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記し
た実情に鑑み、粒子との親和性、接着性の優れたポリエ
ステル組成物を得るために鋭意検討した結果、粒子への
ポリエステル表面処理により解決できることを見出し本
発明に至った。
【0008】本発明の目的は、フイルムや繊維に成形し
た時ボイドが小さく、滑り性、および、耐削れ性に優れ
たポリエステル組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
ジカルボン酸およびグリコ−ル成分からなるポリエステ
ルであって、該ポリエステルセグメントの全ジカルボン
酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸で、10
〜40モル%がスルホン酸またはそのアルカリ金属塩を
有するジカルボン酸であり、グリコ−ル成分は脂肪族ま
たは脂環族グリコ−ルであるポリエステルで表面処理さ
れた粒子および熱可塑性ポリエステルを含有することを
特徴とする熱可塑性ポリエステル組成物によって達成さ
れる。
【0010】本発明における粒子を表面処理するポリエ
ステル(以下表面処理用ポリエステルとも記載する)の
ジカルボン酸成分は、60モル%以上の芳香族ジカルボ
ン酸、10〜40モル%のスルホン酸またはそのアルカ
リ金属塩を有するジカルボン酸から構成されている。芳
香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェ
ニルジカルボン酸、およびそのエステル形成性誘導体で
あるテレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、フ
タル酸ジメチル、ナフタレンジカルボン酸ジメチルなど
が用いられる。また非芳香族ジカルボン酸成分として、
例えば修酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、およ
びそのエステル形成性誘導体などを併用しても良い。全
ジカルボン酸成分のうち、60モル%以上、好ましくは
70〜90モル%が芳香族ジカルボン酸である。これら
が60モル%未満の場合、表面処理した粒子とポリエス
テルとの接着性が低下し好ましくない。これらのジカル
ボン酸は、単独1種類の成分で用いるより、2種類以上
の成分を併用する方が粒子とポリエステルとの接着性を
高める上で好ましい。特にテレフタル酸とイソフタル酸
の組み合わせや、これらにアジピン酸をさらに組み合わ
せたものが好ましい。
【0011】本発明における表面処理用ポリエステルの
グリコ−ル成分は、脂肪族または脂環族グリコ−ルから
構成される。このグリコ−ル成分を形成する化合物とし
ては、例えばエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プロパンジオ
−ル、1,4−ブタンジオ−ル、2,4−ジメチル−2
−エチルヘキサン−1,3−ジオ−ル、ネオペンチルグ
リコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ルなどが
挙げられる。これらのグリコ−ル成分は単独1種類で
も、または複数成分を組み合わせても粒子とポリエステ
ルとの接着性が良好である。特にエチレングリコ−ル、
ジエチレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル等が好
ましく用いられる。
【0012】本発明における表面処理用ポリエステルの
ジカルボン酸成分を構成するスルホン酸およびそのアル
カリ金属塩を有するジカルボン酸としては、スルホテレ
フタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル
酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸など
のスルホン酸およびそのアルカリ金属塩、およびこれら
のエステル形成性誘導体が挙げられる。また、これらの
スルホン酸を有するジカルボン酸としては、5−スルホ
イソフタル酸、スルホテレフタル酸、およびこれらのア
ルカリ金属塩が好ましく用いられる。全ジカルボン酸成
分のうち、スルホン酸を有するジカルボン酸またはその
アルカリ金属塩は10〜40モル%用いられ、好ましく
は12〜35モル%である。10モル%より少ない場
合、表面処理用ポリエステルの粒子に対する接着性が低
下するので好ましくない。40モル%を越える場合に
は、表面処理用ポリエステルを重合する際に、溶融粘度
が著しく増大するために高重合度のものが得られず、そ
して、またグリコ−ル成分として1,4−ブタンジオ−
ルを用いているときには、テトラヒドロフランが多く生
成し好ましくない。
【0013】本発明での表面処理用ポリエステルには、
ポリエステルセグメントのグリコ−ル成分としてポリオ
キシアルキレングリコ−ルを併用すると、粒子表面の表
面処理層に弾性を付与し、ポリエステル組成物を成形す
る際にボイドがより抑制できるため好ましい。そのため
ポリオキシアルキレングリコ−ルの分子量が600〜
6,000ならば、ポリエステルの弾性、粒子との接着
性の点で好ましい。また、ポリオキシアルキレングリコ
−ルを全グリコ−ル成分のうち70モル%以下、特に6
0〜5モル%用いると接着性が向上するので望ましい。
ポリオキシアルキレングリコ−ルとしては、ポリエチレ
ングリコ−ル、ポリオキシテトラメチレングリコ−ル等
が好ましい。
【0014】本発明において粒子の表面処理剤として用
いられるポリエステルの合成は、ポリエチレンテレフタ
レ−トやポリブチレンテレフタレ−トなどの合成方法が
準用できる。例えばテレフタル酸、イソフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸などのスルホン酸またはそのアルカリ金属塩を有する
ジカルボン酸、そしてエチレングリコ−ル、1,4−シ
クロヘキサンジメタノ−ルなどの脂肪族または脂環族グ
リコ−ルを触媒の存在下230℃に加熱し、生成する水
を留去してエステル化せしめ、ついで重縮合触媒および
好ましくはポリエチレングリコ−ルを添加して230〜
290℃の真空下で重縮合するなどの方法である。
【0015】前記ポリエステルは、スルホン酸、または
そのアルカリ金属塩を有するために水溶性をもち、水溶
液とすることによっても粒子に表面処理を施すことが可
能となる。
【0016】表面処理を施す粒子は、ポリエステル製造
工程または溶融混練工程において分解を起こさないもの
であれば良い。例えば、炭酸カルシウム、酸化アルミニ
ウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、カオリン、シリ
カ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、カ−ボン等であり、
特に炭酸カルシウムが好ましい。
【0017】熱可塑性ポリエステル組成物に含有させる
粒子の平均直径は、熱可塑性ポリエステル組成物の使用
目的によって異なるが、例えば磁気記録媒体を目的とす
る場合、0.01〜10μm、特に0.1〜3μmが好
ましい。また、熱可塑性ポリエステル組成物への粒子添
加量は、ポリエステル100重量部に対して、好ましく
は0.01〜10重量部、特に好ましくは0.05〜5
重量部である。
【0018】本発明における熱可塑性ポリエステルは芳
香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコ−
ルを主たるグリコ−ル成分とするポリエステルである。
かかるポリエステルは実質的に線状であり、溶融成型に
よる繊維、フイルム形成性を有する。本発明における芳
香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、フ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルジカルボン酸など、およびそのエステル形成性誘
導体を挙げることができる。脂肪族グリコ−ルとして
は、例えばエチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ
−ル、ヘキサメチレングリコ−ルなどのアルキレングリ
コ−ル、脂環族ジオ−ルとしては、例えばシクロヘキサ
ンジメタノ−ルなどを挙げることができる。また、ジカ
ルボン酸成分やグリコ−ル成分のうち20モル%以下を
他のジカルボン酸成分やグリコ−ル成分で置き換えても
かまわない。かかる共重合成分として、上記した成分以
外に、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、ハイドロキノン、ポリエチレングリコ−ル、ポリプ
ロピレングリコ−ルなどを挙げることができる。また、
ヒドロキシ安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、ω
−ヒドロキシアプロン酸などの脂肪族オキシカルボン酸
などを使用することができる。
【0019】粒子に表面処理を施す方法としては、例え
ば表面処理用ポリエステルを水に溶解させて水溶液と
し、これを粒子に添加する方法、表面処理用ポリエステ
ル重合工程中に粒子を添加する方法、表面処理用ポリエ
ステルと乾燥した粒子、または粒子スラリ−を混練機で
混合する方法などが挙げられる。これらの方法によって
粒子は表面処理用ポリエステル中のスルホン酸基と相互
作用を起こすことによって結合する。
【0020】本発明の熱可塑性ポリエステル組成物は、
前記した方法によって得られる表面処理を施した粒子、
または粒子と表面処理用ポリエステルの組成物を熱可塑
性ポリエステル重合工程中へ添加することによって、ま
たは熱可塑性ポリエステルと溶融混練することによって
得ることができる。
【0021】本発明の熱可塑性ポリエステル組成物は、
粒子との接着性が良く、成型時、特に延伸工程における
粒子周囲でのボイド発生の抑制し、粒子の脱落を防ぐこ
とができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例により、さらに詳細に本発明を
説明する。なお実施例、比較実施例中の部は重量部をさ
し、各特性は下記の方法によって実施した。
【0023】(1)粒子の平均直径と分布の測定 粒子スラリ−は分散媒を除去した後、走査型電子顕微鏡
にて倍率5000〜50000倍にて写真撮影後、粒子
の最大直径を個々について測定し、対数正規確率紙にプ
ロットする。積算通過百分率が50%の粒子径をグラフ
から読取り、この値を平均直径とする。
【0024】(2)ポリマの固有粘度 o−クロロフェノ−ルを溶媒として25℃で測定した。
【0025】(3)ボイドの発生度 熱可塑性ポリエステル組成物を160℃で乾燥後、押し
出し機によりシ−ト化し、続いて98℃で縦および横方
向に各々3.5倍に延伸し、引き続き230℃で3秒間
熱固定して厚さ25μmのフイルムとした後、該フイル
ムをエッチング処理により表層ポリマを除去し、粒子を
露出させた。走査型電子顕微鏡で観察し、粒子の直径と
ボイドの直径との比P(P=ボイド直径/粒子直径)に
より4段階で評価し、2級以上を合格とした。
【0026】1.0≦P<1.3 1級 1.3≦P<2.0 2級 2.0≦P<3.0 3級 3.0≦P 4級 (4)フイルム耐摩耗性 熱可塑性ポリエステル組成物を160℃で乾燥後、押し
出し機によりシ−ト化し、続いて98℃で縦および横方
向に各々3.5倍に延伸し、引き続き230℃で3秒間
熱固定して厚さ25μmのフイルムとした後、細幅にス
リットしてテ−プとし、ステンレス鋼SUS−304製
ガイドロ−ルに一定張力で高速、長時間こすりつけ、ガ
イドロ−ル表面に発生する白粉量によって次のようにラ
ンク付けし、1級を合格した。
【0027】白粉の発生まったくなし 1級 白粉の発生少しあり 2級 白粉の発生多い 3級 (5)静摩擦係数の測定 (3)、または(4)と同様にして得たフイルムはスリ
ップテスタを用い、ASTM−D−1894B法にした
がって測定し、静摩擦係数を得た。
【0028】実施例1.[表面処理用ポリエステルの合
成] テレフタル酸ジメチル21.4部、イソフタル酸ジメチ
ル16.0部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメ
チル24.4部、エチレングリコ−ル34.1部、触媒
として酢酸マンガン0.03部、酢酸リチウム0.8
部、三酸化アンチモン0.03部を添加し、230℃ま
で昇温しながらメタノ−ルを留去してエステル交換反応
を行う。その後トリメチルホスフェ−トを0.15部添
加し、さらに分子量1000のポリエチレングリコ−ル
41.4部を添加する。この後、重縮合反応槽に移行
し、270℃まで昇温しながら減圧し重縮合反応を行っ
た。このようにして得た表面処理用ポリエステル10部
をイオン交換水90部に溶解し、10wt%の水溶液を
得た。
【0029】[粒子の表面処理]合成炭酸カルシウム1
0部をエチレングリコ−ル90部に添加し、サンドグラ
インダ−で分散処理を施すことによって平均径1.0μ
mのスラリ−を得た。このスラリ−に前記の表面処理剤
水溶液を5部添加した。
【0030】[ポリエステル組成物の重合]テレフタル
酸ジメチル100部、エチレングリコ−ル51部、触媒
として酢酸マグネシウムを0.05部、三酸化アンチモ
ン0.04部添加し、230℃まで昇温しながらメタノ
−ルを留去し、エステル交換反応を行う。こうしてで
き.生成物にトリメチルホスフェ−ト0.05部を添加
し、その後表面処理を施した炭酸カルシウムスラリ−を
10.5部を添加する。この後、重縮合反応槽に移行
し、290℃まで昇温しながら減圧し重縮合反応を行っ
た。得られたポリマは固有粘度0.620であったポリ
マ特性とフイルム特性は表1に示すとおり、ボイド量、
および削れ性の良好なフイルムであった。
【0031】実施例2. [表面処理用ポリエステルの合成]テレフタル酸ジメチ
ル20.1部、イソフタル酸ジメチル15.0部、1,
4−ブタンジオ−ル32.5部、触媒としてテトラブチ
ルチタネ−ト0.02部を添加し230℃まで昇温しな
がらメタノ−ルを留去しエステル交換反応を行う。反応
率が70%ぐらいに達したら5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸ジメチル23.0部、1,4−ブタンジオ−ル
13.9部、テトラブチルチタネ−ト0.07部を添加
し、エステル交換反応を継続する。エステル交換反応終
了後、テトラブチルチタネ−ト0.15部、抗酸化剤と
してイルガノックス1010(チバ・ガイギ−社製)を
0.15部、分子量1000のポリオキシテトラメチレ
ングリコ−ル45.0部を添加し重縮合槽へ移行する。
移行後、245℃まで昇温しながら減圧し重縮合反応を
行った。このようにして得た表面処理用ポリエステル5
部をイオン交換水95部に溶解し、5wt%の水溶液を
得た。
【0032】[粒子の表面処理]合成炭酸カルシウム1
0部をエチレングリコ−ル90部に添加し、サンドグラ
インダ−で分散処理を施すことによって平均径0.9ミ
クロンのスラリ−を得た。このスラリ−に前記の表面処
理剤水溶液を10部添加した。
【0033】[ポリエステル組成物の重合]テレフタル
酸ジメチル100部、エチレングリコ−ル51部、触媒
として酢酸マグネシウムを0.05部、三酸化アンチモ
ン0.04部添加し、230℃まで昇温しながらメタノ
−ルを留去してエステル交換反応を行う。こうして出来
た生成物にトリメチルホスフェ−ト0.05部を添加
し、その後、表面処理を施した炭酸カルシウムスラリ−
11部を添加する。この後,重縮合反応槽に移行し、2
90℃まで昇温しながら減圧し重縮合反応を行った。得
られたポリマは固有粘度0.610であった。
【0034】ポリマ特性とフイルム特性は表1〜3に示
すとおり、ボイド量、および削れ性の良好なフイルムで
あった。
【0035】実施例3〜10 処理を施す粒子、処理剤、それぞれの種類や添加量を変
更して熱可塑性ポリエステル組成物を実施例1,2と同
様に重合し、フイルムを得た。表1〜3に示すとおり、
本発明の組み合わせではフイルム物性をそれぞれ満足す
ることができた。
【0036】比較実施例1.炭酸カルシウム粒子に表面
処理を施さない以外は実施例1と同様にして2軸延伸フ
イルムを得た。得られたフイルム特性を表4に示すが、
ボイド量も多く、また耐摩耗性に劣ったものであった。
【0037】比較実施例2〜9 処理を施す粒子、表面処理剤、各々の種類や添加量を変
更して熱可塑性ポリエステル組成物を実施例1と同様に
して重合し、フイルムを得た。表4〜5に示すとおり、
本発明から外れる場合には耐摩耗性、ボイド量を満足さ
せることはできなかった。
【0038】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】 表1〜5中の略号は次のとおりである。
【0039】DMT: テレフタル酸ジメチル DMI: イソフタル酸ジメチル DMA: アジピン酸ジメチル DMS: コハク酸ジメチル SI : 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル 2,6−NDCA: 2,6−ナフタレンジカルボン酸 SN : 4−ナトリウムスルホナフタレン−2,7−
ジカルボン酸 EG : エチレングリコール 1,4−BG: 1,4−ブタンジオール PEG1000: 分子量1,000のポリエチレング
リコール PTMG1000: 分子量1,000のポリオキシテ
トラメチレングリコール PEG600: 分子量600のポリエチレングリコー
ル 1) 粒子100部に対する量 2) ポリマ100部に対する量
【0040】
【発明の効果】本発明の熱可塑性ポリエステル組成物
は、粒子とポリエステルとの親和性、接着性が良好であ
り、そのためにフイルムや繊維に成形した際に延伸時の
ボイド発生が極めて少ない。従って、粒子の脱落による
白粉の発生や耐摩耗性の低下を防止することができ、フ
イルムや繊維として、また特に磁気テ−プなどの製品と
して好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸およびグリコ−ル成分からな
    るポリエステルであって、該ポリエステルセグメントの
    全ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボ
    ン酸で、10〜40モル%がスルホン酸またはそのアル
    カリ金属塩を有するジカルボン酸であり、グリコ−ル成
    分は脂肪族または脂環族グリコ−ルであるポリエステル
    で表面処理された粒子および熱可塑性ポリエステルを含
    有することを特徴とする熱可塑性ポリエステル組成物。
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