JP2521397B2 - ポリエステル組成物 - Google Patents
ポリエステル組成物Info
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Description
し、易滑性、耐摩耗性および耐擦傷性に優れたフィルム
などを形成し得る、ポリエステル組成物に関する。
タレートは、優れた物理的、化学的特性を有するため、
繊維、フィルム、その他の成形品として汎用されてい
る。ポリエステルがフィルム用に用いられる場合、フィ
ルムの易滑性および耐擦傷性は、フィルムの製造工程お
よび加工工程の作業性、さらに製品の品質の良否を左右
する重要な要因となる。
層を塗布し磁気テープとして使用する場合には、磁性層
塗布時にコーティングロールとフィルム表面との間で著
しい摩擦が生じ、さらにカセットテープに加工した後も
多くのガイド部や磁気ヘッドとの間にも著しい摩擦およ
び摩耗が生じ、これによりポリエステル表面の削れ等が
発生して、磁気記録信号が欠落するという問題があっ
た。
ためには、フィルム表面に凹凸を付与してフィルムとガ
イドロール等との間の接触面積を減らす方法があり、例
えば、ポリエステルの製造時の触媒の残渣から不活性粒
子を析出させる方法および不活性無機粒子を添加する方
法等が知られている。しかし、これらの粒子は、粒径が
大きいほど滑性の改善効果が大きい反面、電磁変換特性
を悪化させるほか、削れにより脱落し易く、磁気記録信
号の欠落を招くという問題があった。
伴い、磁気テープ製造工程中のカレンダ加工工程におけ
る耐摩耗性に一層優れたフィルムが求められている。上
記カレンダ加工工程とは、磁性層組成物をポリエステル
フィルム上に塗布・乾燥することにより磁性層を形成し
た後、この磁性層表面を平滑化する工程である。このカ
レンダ加工工程では、極めて高圧力が加わるカレンダロ
ール間をこのフィルムが通過するため、主として不活性
無機粒子によって形成されたフィルム表面の突起が削り
落とされて摩耗粉が発生する。このような摩耗粉がカレ
ンダロール表面に付着すると、フィルムの磁性層表面が
粗くなり、結果として得られる磁気テープの電気的特性
の低下を招く。耐摩耗性が悪いフィルムを磁気テープと
して使用した場合には、テープデッキ内の走行系におい
ても摩耗粉が発生し、その結果、磁気テープの電気特性
の低下や信号の欠落を招く。
ステル中に平均粒径が0.3μm以下の不活性無機微粒
子、特にアルミナの超微粒子を添加する方法が一般に知
られている。しかし、このような微粒子をポリエステル
中に添加すると、粒子が凝集し、フィルム表面に粗大突
起が形成されるために、電磁変換特性の悪化等の問題が
あり、アルミナの微粒子のポリエステル中の分散性を改
善することが課題となっている。
の問題点を解決しようとするものであり、その目的は、
滑性、耐摩耗性および耐擦傷性に優れたフィルムを形成
し得るポリエステル組成物を提供することにある。
題点を克服すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の粒子径
を有するα、γまたはδアルミナ粒子を水酸化アルカリ
金属化合物で表面処理し、この処理されたアルミナ粒子
を添加して得られるポリエステル組成物においては、ア
ルミナ粒子の凝集による粗大粒子が少なく、さらに、こ
の組成物により形成される2軸延伸フィルムは、粗大突
起が少なく、耐摩耗性および耐擦傷性に優れていること
を見い出した。
が0.01から0.5μmのアルミナ粒子を0.05か
ら5重量%の割合で含有し、該アルミナ粒子はαアルミ
ナ、γアルミナおよびδアルミナからなる群から選択さ
れる少なくとも一種であり、該アルミナ粒子は水酸化ア
ルカリ金属化合物で表面処理されており、該水酸化アル
カリ金属化合物は該アルミナに対してアルカリ金属原子
換算で0.05から1.0重量%の割合で使用され、そ
のことにより本発明の目的が達成される。
ルカリ金属化合物は、水酸化ナトリウムである。
アルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレー
トなどの結晶性ポリエステルである。その種類は特に限
定されないが、酸成分をテレフタル酸とし、グリコール
成分をエチレングリコールとして構成されるポリエチレ
ンレテフタレート(PET)が特に適している。本発明
の効果が損なわれない範囲であれば、他の成分が共重合
したPETも好適に用いられ得る。
イソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジカルボキシベ
ンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタ
ン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸な
どのジカルボン酸が挙げられる。エチレングリコール以
外のグリコール成分としては、プロピレングリコール、
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレン
グリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコールなどが挙げられる。p−オキシ安息香酸な
どのオキシカルボン酸も利用され得る。
カルボン酸とグリコールを直接反応させる直接重合法、
または芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルとグリコ
ールとをエステル交換反応させるエステル交換法のいず
れであってもよい。
ナ粒子は、α、γおよびδ型のアルミナの中から選択さ
れ得る。アルミナ粒子の平均粒径は0.5μm以下であ
り、好ましくは0.1μm以下である。このアルミナ粒
子の平均粒径が0.5μmを超える場合は、粗大突起が
形成されるためにフィルム形成された場合に、該フィル
ムの耐擦傷性が不充分である。アルミナ粒子は、上記ポ
リエステルに対して、通常0.05〜5重量%の割合で
含有される。0.05重量%未満では耐擦傷性が不充分
であり、5重量%を越えるとアルミナ粒子の凝集を抑制
することが困難となる。
テル中に含有されるアルミナ粒子が水酸化アルカリ金属
化合物で表面処理されることにある。本発明に用いられ
る水酸化アルカリ金属化合物としては、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好まし
く、特に水酸化ナトリウムを用いた場合に優れた効果が
見られる。通常、アルミナ粒子に対してアルカリ金属原
子換算で0.05〜1.0重量%の割合の水酸化アルカ
リ金属化合物が用いられる。
達成される。まず、上記の水酸化アルカリ金属化合物を
エチレングリコール中に添加し、必要に応じて湿式紛
糾、遠心分離などを行なった後、上記のアルミナ粒子を
添加し、分散させ、スラリーとする。得られたスラリー
は、ポリエステル製造工程において反応系内に添加され
る。例えば、ポリエステルの製造工程のエステル化反応
またはエステル交換反応が実質的に終了した段階から、
初期重合反応までの任意の段階において、添加されるこ
とが望ましい。組成物中には、本発明の目的を阻害しな
い範囲で、他の粒子が含有されていてもよい。他の粒子
としては、シリカ、酸化チタン、カオリン、ゼオライ
ト、炭酸カルシウムなどの無機粒子、架橋ポリスチレン
などの耐熱性高分子、内部粒子などが適している。
えば通常の方法により、例えば押し出し成形などにより
フィルムが形成される。このフィルムは必要に応じて一
軸もしくは二軸に延伸される。延伸フィルムを形成する
と、組成物中にはアルミナ粒子が含有されるためフィル
ム表面に突起が形成され、フィルムに易滑性が付与され
る。アルミナ粒子は表面処理されているため、分散性が
良好である。そのためフィルム表面に微小突起を均一に
形成する。このようなフィルムは易滑性、耐摩耗性およ
び耐擦傷性に優れる、磁気テープなどに加工されたとき
にも、ドロップアウトを生じることがない。このような
組成物を磁気テープ用、一般工業用、包装用などのベー
スフィルムに、あるいは産業資材用の繊維に好適に用い
られる。
に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定され
るものではない。
法を示す。
ける重量積算50%の点を平均粒子径とした。
内部の粒子の最大径と数を顕微鏡および画像解析装置
(ニレコ株式会社製、ルーゼックスIID)を用いて測定
し、5μ以上の粗大粒子の数の多少によって以下のよう
にランクを付けた。
実用上差し支えない。
を金属製ガイドロールにこすりつけて、高速、長時間走
行させるとき、一定の供給張力に対しガイドロール擦過
後のテープの擦り傷の数と深さを目視で判定し、以下の
ようにランク分けした。
上差し支えない。
を、エチレングリコールに対するγアルミナ粒子固体の
割合が20重量%となるようにエチレングリコール中に
添加して、スラリーとし、高速撹拌装置により分散させ
た。次に、得られたγアルミナ粒子のエチレングリコー
ルスラリー中に、γアルミナ粒子に対してナトリウム原
子換算で0.1重量%の割合の水酸化ナトリウムを添加
し、分散させた。これを、さらにビーズ撹拌式粉砕機に
よって湿式粉砕した。得られたスラリー中のγアルミナ
粒子の平均粒径は、0.1μmであった。
成物取り出し口を設けた、エステル化反応装置に、テレ
フタル酸(TPA)に対するエチレングリコール(E
G)のモル比を2.0として、両者を投入し、続いて、
三酸化アンチモンを、アンチモン原子換算でTPA単位
あたり289ppm含む、EGスラリーを供給した。こ
の装置を2.5kg/cm2、240℃の条件で用い
て、TPAとEGをエステル化反応させた。
のエステル化反応生成物中に、生成するポリエステル組
成物に対して2.0重量%に相当する量の、上記で調製
した平均粒径0.1μmのγアルミナ粒子のエチレング
リコールスラリーを供給した。
を、撹拌装置、分縮器、原料仕込み口および生成物取り
出し口を設けた、重縮合反応装置を用いて重合させ、固
有粘度0.62のポリエステル組成物を得た。
ルムの特性を第1表に示す。
に対して0.5重量%に相当する量のγアルミナ粒子を
添加したこと以外は同様に重合を行ない、ポリエステル
組成物を得た。このポリエステル組成物から得られたフ
ィルムの特性を第1表に示す。
リコールスラリー中に添加する水酸化ナトリウムの、γ
アルミナ粒子に対するナトリウム原子換算の割合を、第
1表に示すようにして適宜変更したこと以外は同様に重
合を行ない、ポリエステル組成物を得た。このポリエス
テル組成物から得られたフィルムの特性を第1表に示
す。
リコールスラリー中に添加する水酸化ナトリウムの、γ
アルミナ粒子に対するナトリウム原子換算の割合を、第
1表に示すようにして適宜変更したこと以外は同様に重
合を行ない、ポリエステル組成物を得た。このポリエス
テル組成物から得られたフィルムの特性を第1表に示
す。
リコールスラリー中に添加するアルカリ金属化合物とし
て水酸化カリウムを用い、γアルミナ粒子に対してカリ
ウム原子換算で0.1重量%の割合の水酸化カリウムを
添加したこと以外は同様に重合を行ない、ポリエステル
組成物を得た。このポリエステル組成物から得られたフ
ィルムの特性を第1表に示す。
アルミナ(日本アエロジル(株)製、Al2O3−C)を
用いたこと以外は同様に重合を行ない、ポリエステル組
成物を得た。このポリエステル組成物から得られたフィ
ルムの特性を第1表に示す。
ナ粒子のエチレングリコールスラリー中に添加し、分散
させた後、このスラリーをビーズ撹拌式粉砕機にかけて
湿式粉砕処理せず、そのまま用いたこと以外は同様に重
合を行ない、ポリエステル組成物を得た。このポリエス
テル組成物から得られたフィルムの特性を第1表に示
す。
ポリエステル組成物に対して6.0重量%の割合で添加
したこと以外は同様に重合を行ない、ポリエステル組成
物を得た。このポリエステル組成物から得られたフィル
ムの特性を第1表に示す。
4μmのカオリン粒子を含有するポリエステル組成物と
を混合し、290℃で溶融押出し、未延伸のフィルムを
得た。この未延伸フィルムを90℃で縦方向に3.5
倍、130℃で横方向に3.5倍延伸した後、220℃
で熱処理して厚さ15μmの二軸延伸フィルムを得た。
このフィルムの特性を第2表に示す。
の代わりに、平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム粒子
を使用したこと以外は同様にして、厚さ15μmの二軸
延伸フィルムを得た。このフィルムの特性を第2表に示
す。
の代わりに、平均粒径0.4μmのシリカ粒子を使用し
たこと以外は同様にして、厚さ15μmの二軸延伸フィ
ルムを得た。このフィルムの特性を第2表に示す。
成物の代わりに、比較例1〜3で得られたポリエステル
組成物を使用したこと以外同様にして、厚さ15μmの
二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの特性を第2表
に示す。
を、実施例1と同様の方法で得られたポリエステルに各
々添加したこと以外は同様の方法でポリエステル組成物
を得た。この比較例で得られたポリエステル組成物の凝
集粒子のランクは3であった。
例8で得られたポリエステル組成物を使用したこと以外
は実施例7と同様である。この比較例のフィルムの耐擦
傷性は3級であった。
粒子による微小突起を表面に有するため易滑性に優れ、
かつ、粗大粒子数が少ないため、摩擦による表面の削れ
が極めて少ないフィルムを形成し得る、ポリエステル組
成物が得られる。アルミナ粒子に加えて他の粒子を含有
する組成物を用いて得られるフィルムは、さらに擦傷性
に優れる。
Claims (2)
- 【請求項1】 平均粒径が0.01から0.5μmのア
ルミナ粒子を0.05から5重量%の割合で含有するポ
リエステル組成物であって、 該アルミナ粒子がαアルミナ、γアルミナおよびδアル
ミナからなる群から選択される少なくとも一種であり、 該アルミナ粒子が水酸化アルカリ金属化合物で表面処理
されており、該水酸化アルカリ金属化合物が該アルミナ
粒子に対してアルカリ金属原子換算で0.05から1.
0重量%の割合で使用される、ポリエステル組成物。 - 【請求項2】 前記水酸化アルカリ金属化合物が水酸化
ナトリウムである、請求項1に記載のポリエステル組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4262386A JP2521397B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | ポリエステル組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4262386A JP2521397B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | ポリエステル組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06114920A JPH06114920A (ja) | 1994-04-26 |
JP2521397B2 true JP2521397B2 (ja) | 1996-08-07 |
Family
ID=17375041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4262386A Expired - Fee Related JP2521397B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | ポリエステル組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2521397B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3425744A1 (de) * | 1984-07-12 | 1986-01-16 | C. Reichert Optische Werke Ag, Wien | Vorrichtung zur entwaesserung und/oder polymerisationseinbettung biologischer proben bei tiefen temperaturen |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP4262386A patent/JP2521397B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH06114920A (ja) | 1994-04-26 |
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