JP3105498B1 - バックライティング可能な加飾成形品とその製造方法、加飾用フィルム - Google Patents

バックライティング可能な加飾成形品とその製造方法、加飾用フィルム

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JP3105498B1
JP3105498B1 JP11157017A JP15701799A JP3105498B1 JP 3105498 B1 JP3105498 B1 JP 3105498B1 JP 11157017 A JP11157017 A JP 11157017A JP 15701799 A JP15701799 A JP 15701799A JP 3105498 B1 JP3105498 B1 JP 3105498B1
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Abstract

【要約】 【課題】 光源の取り換えが不要で色のバリエーション
が豊富なバックライティング可能な加飾成形品を得る。 【解決手段】 基体シート上に透光部と遮光部とに区分
けされたパターン層が形成され、前記透光部上に透光性
白色層、透光性着色層、透光性接着層の各層が順次形成
され、光源からの光が透過していない状態と透過してい
る状態とで透光部の色が変色する加飾用フィルムであっ
て、透光部における変色前後の色相差がΔE=60〜1
00である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、オーディオ機
器、家電製品等に用いられる、バックライティング可能
な加飾成形品とその製造方法、加飾用フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光源からの光が透過していない状
態と透過している状態とで変色するバックライティング
可能な加飾成形品を得るには、透光性の樹脂成形品の表
面に透光性白色層を形成し、遮光部で輪郭を形成して透
光性白色層が露出した部分が文字等の形状となるように
していた。この加飾成形品の発色は、光源からの光が透
過していない状態では白色であり、光源からの光が透過
している状態では光源の色そのものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来は、光源の色に依
存するため、ある光源の色以外の発色が必要な場合は、
別の色を発色する光源と取り換えなければならなかっ
た。光源の取り換えは、光源が組み込まれたオーディオ
機器等の完成品を分解する必要があり、大掛かりで手間
とコストがかかるものであった。また、従来は、一つの
加飾成形品において3色以上の変色が必要である場合、
2色以上の色の光源を用意する必要があった。この場
合、隣り合った色が混ざり合わないように光源を区切る
遮光性の壁を形成する必要があった。したがって、光源
と組みあわせて実際に使用する際に、部品点数が多くな
りコストが大きくなっていた。また、光源としてLED
を用いる場合は、LED自体の色にしか変色しないので
色のバリエーションに制限があった。また、光源として
ELシートを用いる場合は、色のバリエーションを持た
せようとして、特殊な発色になると色調を調整するのが
難しい等の理由で高価となる。また、パステル調の色を
再現するために有機蛍光体を混入した場合は、マイグレ
ーションを起こす等の理由で、その有機蛍光体がELシ
ートのインキ層の劣化を促進してしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、以上の課題
を解決するために、次のように構成した。つまり、請求
項1に記載したように、基体シート上に透光部と遮光部
とに区分けされたパターン層が形成され、前記透光部上
に透光性白色層、透光性着色層、透光性接着層の各層が
順次形成され、光源からの光が透過していない状態と透
過している状態とで透光部の色が変色する加飾用フィル
ムであって、透光部における変色前後の色相差がΔE=
60〜100である。
【0005】請求項2に記載したように、基体シート上
に透光部と遮光部とに区分けされたパターン層が形成さ
れ、前記透光部上に透光性白色層、透光性着色層、透光
性接着層の各層が順次形成され、光源からの光が透過し
ていない状態と透過している状態とで透光部の色が変色
する加飾用フィルムであって、基体シートが剥離された
状態の透光部における変色前後色相差が、ΔE=60〜
100である。
【0006】請求項3に記載したように、前記構成にお
いて、透光部における色と透光性白色層自体の色とを、
光源からの光が透過していない状態にて比較した場合の
色相差がΔE=0〜20の加飾用フィルムであってもよ
い。
【0007】請求項4に記載したように、前記構成にお
いて、透光性白色層と透光性着色層の厚みの比率が、1
/1〜30/1の加飾用フィルムであってもよい。
【0008】請求項5に記載したように、請求項1〜4
のいずれかに記載の加飾用フィルムが透光性の樹脂成形
品表面に形成されているバックライティング可能な加飾
成形品である。
【0009】請求項6に記載したように、請求項1〜4
のいずれかに記載の加飾用フィルムを、射出成形用金型
内に設置し、型閉め後に、キャビティ内に透光性の成形
樹脂を注入することにより、透光性の樹脂成形品の成形
と同時に樹脂成形品の表面に加飾用フィルムを形成する
ようにしたバックライティング可能な加飾成形品の製造
方法である。
【0010】請求項7に記載したように、請求項1〜4
のいずれかに記載の加飾用フィルムを、射出成形用金型
内に設置し、型閉め後に、キャビティ内に透光性の成形
樹脂を注入することにより、透光性の樹脂成形品の成形
と同時に樹脂成形品の表面に加飾用フィルムを形成し、
加飾用フィルムの基体シートを剥離するようにしたバッ
クライティング可能な加飾成形品の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、この発明の加飾用フィルム
について説明する。加飾用フィルム12は、基体シート
1上に、透光部2と遮光部3とに区分けされたパターン
層4が形成され、前記透光部上に透光性白色層5、透光
性着色層6、透光性接着層7の各層が順次形成され、光
源14からの光が透過していない状態と透過している状
態とで透光部2の色が変色するものである。
【0012】加飾用フィルム12としては、加飾用フィ
ルム12に成形樹脂11が接着した後に基体シート1を
剥離しないフィルム(いわゆるインサートフィルム)が
ある。あるいは加飾用フィルム12としては、基体シー
ト1とパターン層4の間に剥離層(図示せず)を有する
ものであり、加飾用フィルム12に成形樹脂11が接着
した後に基体シート1を剥離するフィルム(いわゆる転
写フィルム)がある。
【0013】基体シート1の材質は、ポリエチレンテレ
フタレートやポリプロピレン、アクリル、熱可塑性エラ
ストマー等の各種樹脂、あるいは、各種繊維で編んだ
布、不織布などがある。加飾用フィルム12がインサー
トフィルムである場合は、光が透過可能な基体シートで
なければならないので、基体シート1は透光性を有する
必要がある。
【0014】パターン層4は、透光部2と遮光部3とに
区分けされている。透光部2は、遮光部3に縁取られる
ことによって文字や図形等を表す部分となる。パターン
層4は、抜き文字等の遮光性インキ層41のみからなる
ものがある。あるいは、パターン層4は、基体シート1
に近い側から、抜き文字等の遮光性インキ層41と透光
性インキ層を順に形成したものがある。透光性インキ層
は、樹脂バインダーと透光性の染料等を混合した透光性
インキを用いた各種印刷法によって形成するとよい。実
際の文字や図形等は遮光性インキ層41により規定され
るため、透光性インキ層は、実際の文字や図形等よりも
大きめに形成するとよい。遮光性インキ層41は、樹脂
バインダーと隠蔽性のある金属顔料や無機顔料等を用い
た遮光性インキを用いた各種印刷法によって形成すると
よい。パターン層4の遮光部3は、真空蒸着法等により
金属蒸着層によって形成してもよい。
【0015】透光性白色層5は、例えばポリエステル樹
脂等の透明樹脂にチタン白を配合した透光性インキを用
いた各種印刷法によって形成するとよい。透光性白色層
5の厚みは、5〜50μmが好ましい。5μmより薄い
と光源14からの光が透過していない状態においても背
面に形成する透光性着色層6の色が透けて見えてしま
い、例えば、昼間においては真っ白にしたい場合に、余
計な色が見えてしまうからである。50μmより厚い
と、光源14からの光を透過させにくくなり、透光部2
における変色前後の色相差が小さくなるため、例えば、
暗中での輝度が低いものとなり文字等が認識しにくくな
るとともに、昼夜の変色差が小さく意匠としてものたり
ないものとなる。
【0016】透光性着色層6は、例えばポリエステル樹
脂等の透明樹脂にカーボンブラック等の顔料を配合した
透光性インキを用いた各種印刷法によって形成するとよ
い。透光性着色層6の厚みは、透光性白色層5の厚みと
の比率によって決めるとよい。例えば、透光性白色層5
と透光性着色層6との厚みの比率を1/1〜30/1に
するとよい。厚みの比率が30/1以上では、透光部2
における変色前後の色相差が小さくなるため、例えば、
暗中での輝度が低いものとなるとともに、昼夜の変色差
が小さく意匠としてものたりないものとなる。また、厚
みの比率が1/1以下では、光源14からの光が透過し
ていない状態においても背面に形成する透光性着色層6
の色が透けて見えてしまい、例えば、昼間においては真
っ白にしたい場合に、余計な色が見えてしまうからであ
る。
【0017】透光性接着層7は、成形樹脂11の素材に
適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。た
とえば、成形樹脂11がアクリル樹脂やウレタン樹脂の
場合は、接着層として塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂
やアクリル系樹脂を用いるとよい。
【0018】透光部2における変色前後の色相差の数値
は、ΔE=60〜100である。この数値は、加飾用フ
ィルム12がインサートフィルムの場合は、基体シート
1が存在する状態で測定した場合の色相差の数値であ
り、加飾用フィルム12が転写フィルムの場合は、基体
シート1が存在しない状態で測定した場合の色相差の数
値である。色相差がΔ=60を下回ると、光源14から
の光が透過している状態でのパターン層4の透光部2が
十分に発色しない。また、色相差がΔE=100を超え
ると、光源14からの光が透過している状態での透光部
の色相が低く暗いものになってしまい、実用において透
光部の認識が難しくなってしまう。色相の測定方法とし
ては、まず、加飾用フィルムの基体シート1側に配置し
た色相測定装置から照射された標準光源D65によって
透光部2の反射率X1を測定する。次に、加飾用フィル
ムの透光性接着層6側に配置した光源から光を照射して
透光部2を透過させ、このときの透光部2の反射率X2
を前記基体シート1側に配置した色相測定装置により測
定する。反射率X1とX2との差を算出し色相差ΔEと
する。なお、色相差の数値を、ΔE=60〜100とな
るように調節するには、前記透光性着色層6および透光
性白色層5を構成するインキの着色の濃淡、インキ層の
厚みの大小等を調節して行うとよい。
【0019】光源14からの光が透過していない状態に
おいて、透光部2における色と、透光性白色層5自体の
色との色相差の数値は、ΔE=0〜20である。この数
値は、加飾用フィルム12がインサートフィルムの場合
は、基体シート1が存在する状態で測定した場合の色相
差の数値であり、加飾用フィルム12が転写フィルムで
ある場合は、基体シート1が存在しない状態で測定した
場合の色相差の数値である。色相差がΔE=20を超え
ると、光源14からの光が透過していない状態におい
て、パターン層4の透光部2が周囲の遮光部3に埋もれ
てしまい、文字等として認識しにくくなる。色相の測定
方法としては、まず、加飾用フィルムの基体シート1側
に配置した色相測定装置から照射された標準光源D65
によって透光部2の反射率X1を測定する。次に、加飾
用フィルムの基体シート1側に配置した色相測定装置か
ら照射された標準光源D65によって透光性白色層5自
体の反射率X3を測定する。反射率X1とX3との差を
算出し色相差ΔEとする。なお、色相差の数値を、ΔE
=0〜20となるように調節するには、前記透光性着色
層6および透光性白色層5を構成するインキの着色の濃
淡、インキ層の厚みの大小等を調節して行うとよい。
【0020】人の目に映る透光部2の色変化は、光源1
4からの光が透光部2を通過することで、透光性白色層
5の色から、透光性白色層5の色と透光性着色層6の色
とが混ざった色に変化したように認識されることにな
る。
【0021】次に、前記加飾用フィルム12を用いたバ
ックライティング可能な加飾成形品とその製造方法を説
明する。
【0022】まず、加飾用フィルム12を、射出成形用
金型内に設置する。射出成形用金型は、例えば一対の可
動型8と固定型9とからなるものがあり、型閉めをする
と、オーディオ機器、家電製品等の形状のキャビティ1
0が形成されるものである。キャビティ10は、固定型
9の注入ゲート又は可動型8の注入ゲート、あるいは固
定型9と可動型8との隙間から成形樹脂11が注入され
る空間である。キャビティ10の形状としては平らな板
状のものや、三次元形状のもの等がある。加飾用フィル
ム12を射出成形用金型内に設置した後成形樹脂11を
注入する前に、加飾用フィルム12を加熱したり真空吸
引したりして前記キャビティ10の内面に密着するよう
に三次元形状にプレフォームするとよい。あるいは加飾
用フィルム12を射出成形用金型内に設置する前に、加
飾用フィルム12を前記キャビティに嵌まり込む三次元
形状にプレフォームしてもよい。この場合は、射出成形
用金型のキャビティと同形状の凹部を有する真空成形型
又は圧空成形型を用いて所望の形状に成形し、不要部分
をトリミングするとよい。
【0023】次に、型閉めをして、キャビティ10内に
透光性の成形樹脂11を注入して、透光性の樹脂成形品
13の成形と同時に樹脂成形品13の表面に加飾用フィ
ルム12を形成する。成形樹脂11の固化の際に加飾用
フィルム12の透光性接着層7と成形樹脂とが融着して
透光性の樹脂成形品13の表面に強固に接着する。透光
性の成形樹脂11としては、アクリル樹脂、アクリロニ
トリルスチレン樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート
樹脂等があり、いずれも、透光性を有するものを用い
る。透光性の樹脂成形品13表面に形成されたバックラ
イティング可能な加飾成形品が得られる。
【0024】なお、加飾用フィルム12として転写フィ
ルムを用いた場合は、転写フィルムが樹脂成形品の表面
に形成された物を金型から取り出す際、または取り出し
た後、さらに、基体シート1を剥離する。このようにし
て、透光性の樹脂成形品13の表面に透光性接着層7、
透光性着色層6、透光性白色層5、剥離層等が形成され
たものが完成品となる。透光性の樹脂成形品13として
導光板の機能を有するものを用いてもよい。
【0025】
【実施例】実施例1 まず、バックライティング可能な加飾用フィルムとし
て、下記構成のインサートフィルムを得た。厚み180
μmのポリカーボネートフィルムに、カーボンブラック
とポリエステル系樹脂からなる厚み25μmの遮光性イ
ンキ層を形成して抜き文字部と抜き数字部を形成した。
少なくとも抜き文字部と抜き数字部を覆うように、チタ
ン白とポリエステル系樹脂からなる厚み20μmの透光
性白色層を形成した。少なくとも前記抜き文字部と抜き
数字部を覆うように、フタロシアニンブルー顔料とポリ
エステル系樹脂からなる厚み5μmの透光性着色層を形
成した。さらに、透光性着色層上に塩化ビニル酢酸ビニ
ル共重合体系樹脂からなる厚み20μmの接着層を形成
した。上記各層はスクリーン印刷により形成した。光源
としてD65の標準光源を用い、色相測定装置である倉
敷紡績製「color7」を用いてポリカーボネートフ
ィルム側から測定したところ、このインサートフィルム
の透光部における変色前後の色相差はΔE=90であっ
た。また、光源としてD65の標準光源を用い、色相測
定装置である倉敷紡績製「color7」を用いてポリ
カーボネートフィルム側から測定したところ、透光部に
おける色と透光性白色層自体の色とを光源からの光が透
過していない状態にて比較した場合の色相差はΔE=5
であった。
【0026】以上のような特性のインサートフィルム
を、最終製品カーオーディオボタンを成形するための射
出成形用金型内に設置し、インサートフィルムから40
mm離れて位置させた320℃の熱を持ったヒーターで
8秒間加熱したインサートフィルムを真空成形して金型
のキャビティの内面に密着させた。ヒーターを金型外に
出した後、型閉めし、キャビティ内にPMMAからなる
透光性の成形樹脂を注入することにより、透光性の樹脂
成形品の成形と同時に樹脂成形品の表面に加飾用フィル
ムを形成した。その後、樹脂成形品の熱を冷ました後、
型開きをして、イジェクタの突き出しによりバックライ
ティング可能な加飾成形品を金型から外した。このバッ
クライティング可能な加飾成形品の用途はカーオーディ
オボタンである。このカーオーディオボタンは、昼間
等、光源からの光が透過していない状態では、文字等の
形状をした透光部が遮光部とのコントラストのため白色
として十分認識できた。また、暗中等、光源からの光が
透過している状態では、文字等の形状をしたブルー系色
の透光部が暗中にくっきりと浮き出たように発色させる
ことができた。
【0027】実施例2 まず、バックライティング可能な加飾用フィルムとし
て、下記構成の転写フィルムを得た。厚み1μmのメラ
ミン層を形成することによって離型処理を施した厚み5
0μmの低延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
に、透光性のアクリル樹脂からなる厚み2μmの剥離層
を形成した。カーボンブラックとポリエステル系樹脂か
らなる厚み5μmの遮光性インキ層を形成して抜き文字
部と抜き数字部を形成した。少なくとも抜き文字部と抜
き数字部を覆うように、チタン白とポリエステル系樹脂
からなる厚み5μmの透光性白色層を形成した。少なく
とも前記抜き文字部と抜き数字部を覆うように、レーキ
レッドC顔料とポリエステル系樹脂からなる厚み1μm
の透光性着色層を形成した。さらに、透光性着色層上に
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂からなる厚み5μ
mの接着層を形成した。上記各層はグラビア印刷により
形成した。光源として照準光源D65を用い、色相測定
装置である倉敷紡績製「color7」を用いてポリエ
チレンテレフタレートフィルム側から測定したところ、
この転写フィルムの透光部における変色前後の色相差は
ΔE=95であった。また、色相測定装置である倉敷紡
績製「color7」を用いてポリエチレンテレフタレ
ートフィルム側から測定したところ、透光部2における
色と透光性白色層自体の色とを光源からの光が透過して
いない状態にて比較した場合の色相差はΔE=10であ
った。
【0028】以上のような特性の転写フィルムを最終製
品家庭用オーディオボタンを成形するための射出成形用
金型内に設置し、位置合わせをした後、転写フィルムか
ら40mm離れて位置させたヒータで3秒間加熱した転
写フィルムを真空成形して金型のキャビティの内面に密
着させた。ヒーターを金型外に出した後、型閉めし、キ
ャビティ内にPMMAからなる透光性の成形樹脂を注入
することにより、透光性の樹脂成形品の成形と同時に樹
脂成形品の表面に加飾用フィルムを形成した。その後、
樹脂成形品の熱を冷ました後、型開き時にイジェクタに
より成形品の突き出しをすると同時に、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムと剥離層とを樹脂成形品の表面か
ら除去して、バックライティング可能な加飾成形品を得
た。このバックライティング可能な加飾成形品の用途は
家庭用オーディオボタンである。この家庭用オーディオ
ボタンは、昼間等、光源からの光が透過していない状態
では、文字等の形状をした透光部が遮光部とのコントラ
ストのため白色として十分認識できた。また、暗中等、
光源からの光が透過している状態では、文字等の形状を
したピンク系色の透光部が暗中にくっきりと浮き出たよ
うに発色させることができた。
【0029】
【発明の効果】この発明は、以上のような構成を採用し
たので、つぎのような効果を奏する。つまり、この発明
では、加飾用フィルムの透光性着色層の色によって変色
のしかたをコントロール可能としたので、発色の色ごと
に光源を取り換える必要がない。つまり、光源が組み込
まれたオーディオ機器等の完成品を分解して光源を取り
換える必要がなく、表面の加飾用フィルムを取り換えた
り、一枚の加飾フィルムの発色場所を選択的に行うこと
によるだけで変色の仕方をコントロールすることができ
る。その結果、光源として、寿命が長く安価なLEDの
単一色に統一することが可能となる。また、一つの加飾
成形品において3色以上の変色が必要である場合にも、
光源はそのまま流用できるので、異なる色の光源を区切
る必要がない。また、部品点数が多くなることがない。
また、変色のバリエーションが多くなる。さらに、パス
テル調等の特殊な色を発色する場合においてもELシー
トを用意する必要がなく加飾フィルムの色で対応できる
ので、ELシートのインキ層の劣化の問題が発生するこ
ともない。
【0030】さらにこの発明では、当該色相差を60〜
100としたので、昼間等、光源からの光が透過してい
ない状態では、文字等の形状をした透光部が遮光部との
コントラストのため白色として十分認識でき、かつ、暗
中等、光源からの光が透過している状態では、加飾用フ
ィルムの透光性着色層の色によって文字等の形状をした
透光部が暗中にくっきりと浮き出たように発色させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の加飾用フィルムの一実施例を示す
断面図である。
【図2】 この発明のバックライティング可能な加飾成
形品の製造方法の一実施例の一工程を示す断面図であ
る。
【図3】 この発明のバックライティング可能な加飾成
形品の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基体シート 2 透光部 3 遮光部 4 パターン層 41 遮光性インキ層 5 透光性白色層 6 透光性着色層 7 透光性接着層 8 可動型 9 固定型 10 キャビティ 11 成形樹脂 12 加飾用フィルム 13 透光性の樹脂成形品 14 光源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29C 45/14 B29C 45/14 (56)参考文献 特開 平9−54177(JP,A) 特開 平9−109338(JP,A) 特開 平11−100554(JP,A) 特開 昭63−9599(JP,A) 実開 平3−4493(JP,U) 実開 平1−97998(JP,U) 実開 昭63−168481(JP,U) 実公 平4−20035(JP,Y2) 実公 平7−20702(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B44C 5/08 B32B 3/10 B32B 7/02 G09F 3/02 G09F 13/08 B29C 45/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体シート上に透光部と遮光部とに区分
    けされたパターン層が形成され、前記透光部上に透光性
    白色層、透光性着色層、透光性接着層の各層が順次形成
    され、光源からの光が透過していない状態と透過してい
    る状態とで透光部の色が変色する加飾用フィルムであっ
    て、透光部における変色前後の色相差がΔE=60〜1
    00であることを特徴とする加飾用フィルム。
  2. 【請求項2】 基体シート上に透光部と遮光部とに区分
    けされたパターン層が形成され、前記透光部上に透光性
    白色層、透光性着色層、透光性接着層の各層が順次形成
    され、光源からの光が透過していない状態と透過してい
    る状態とで透光部の色が変色する加飾用フィルムであっ
    て、基体シートが剥離された状態の透光部における変色
    前後色相差が、ΔE=60〜100であることを特徴と
    する加飾用フィルム。
  3. 【請求項3】 透光部における色と透光性白色層自体の
    色とを、光源からの光が透過していない状態にて比較し
    た場合の色相差が、ΔE=0〜20である請求項1また
    は2に記載の加飾用フィルム。
  4. 【請求項4】 透光性白色層と透光性着色層の厚みの比
    率が、1/1〜30/1である請求項1〜3のいずれか
    に記載の加飾用フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の加飾用
    フィルムが、透光性の樹脂成形品表面に形成されている
    ことを特徴とするバックライティング可能な加飾成形
    品。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の加飾用
    フィルムを、射出成形用金型内に設置し、型閉め後に、
    キャビティ内に透光性の成形樹脂を注入することによ
    り、透光性の樹脂成形品の成形と同時に樹脂成形品の表
    面に加飾用フィルムを形成することを特徴とするバック
    ライティング可能な加飾成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の加飾用
    フィルムを、射出成形用金型内に設置し、型閉め後に、
    キャビティ内に透光性の成形樹脂を注入することによ
    り、透光性の樹脂成形品の成形と同時に樹脂成形品の表
    面に加飾用フィルムを形成し、加飾用フィルムの基体シ
    ートを剥離することを特徴とするバックライティング可
    能な加飾成形品の製造方法。
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