JP2006095690A - 裏面側から照光可能な成形同時加飾成形品 - Google Patents

裏面側から照光可能な成形同時加飾成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面を透光性の金属膜層として、その下面側に透光部のパターンを付けたものであって、多品種少量生産に適した成形品を得ることを課題とする。また、本発明はこのような成形品の製造方法を得ることを課題とする。
【解決手段】 成形樹脂層2の表面に少なくとも透光性の金属膜層37が形成され、成形樹脂層の裏面に少なくとも遮光部のみに形成される遮光層38が設けられた裏面側から照光可能な成形同時加飾成形品4である。また基体シート30a上に少なくとも透光性の金属膜層37が形成された転写シートA1を加飾シートとして用いてA金型6側に設置し、基体シート31b上に少なくとも遮光部のみに形成される遮光層38が設けられた転写シートB3を加飾シートとして用いてB金型7側に設置し、A金型とB金型とを型締めし、成形樹脂を注入し、冷却固化させた後、型開きして得ることを特徴とする成形同時加飾成形品の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、裏面から照光可能な成形同時加飾成形品に関する。
従来の裏面から照光可能な加飾成形品は、照光時において透光部のパターンが明るく照らされる点と、非照光時において製品全体が美麗な意匠を呈する点とを重視してデザイン設計がされていた。
しかし近年は、裏面から光源で照らすと透光部のパターンが浮き出る視認性を有するが、裏面から光源で照らされていない状態では透光部のパターンが周囲の遮光部と同化して、その存在がわからなくなるような意匠を呈する照光可能な加飾成形品が望まれている。
そのような加飾成形品の発明としては、非照光時の透光部と遮光部との色差を少なくして同系色の色相にし、透光部と遮光部との光線透過率に差をつけるという特許文献1の発明があった。
特開2001−347539号
裏面から光源で照らされていない状態では透光部のパターンが周囲の遮光部と同化して、その存在がわからなくなるような意匠を呈する照光可能な加飾成形品として、成形品の表面側に透光部及び遮光部に形成される透光性の金属薄膜、遮光部のみに形成される遮光層を視覚側から順次積層することは好ましい選択である。
一方、意匠の良否は人の趣味感覚に大きく依存するので、同一金属薄膜を形成し、透光部のパターンを変更した加飾成形品の多品種少量生産の要求もある。
表面を透光性の金属膜層として、その下面側に透光部のパターンを付けた成形品を成形同時加飾成形法により作成するには、転写シートとして、基体シート上に金属膜層を形成し、その上にパターン状の遮光層を形成した転写シートを使うことが考えられる。
通常、透光性の金属膜層の上には、その後に形成する層との密着を図るためアンカー層を設ける。当該アンカー層の材質は、熱可塑性樹脂では金属膜層との密着性が悪いため、熱硬化性樹脂が使用される。
しかし、印刷インキなどに使用する熱硬化性樹脂は、完全に硬化させるとその後に形成する遮光層との密着が悪く、半硬化状態にすれば密着性は改善されるもののそのまま放置した場合には経時的に物性が変化して半硬化状態を維持できなくなる。一方で、金属膜層は形成後そのままに保持すると、錆びたり腐食したりする。したがって、金属膜層形成後は、直ちにアンカー層をコートし、アンカー層を半硬化させた状態で短時間内に遮光層や接着層までコートし、転写シートを完成せざるを得ない。
このため、転写シート完成後に、透光部のパターンの仕様が変更になれば、製造した転写シートが全て無駄となる。また、遮光層形成の工程で不具合が発生すれば、当該工程のみならず金属膜層の形成に要した労力、費用が全て無駄になる。
そこで、本発明は、表面を透光性の金属膜層として、その下面側にパターン状の遮光層を付けたものであって、多品種少量生産に適した成形品を得ることを課題とする。
また、本発明はこのような成形品の製造方法を得ることを課題とする。
本発明のその他の課題は以下の本発明の説明により明らかになる。
上記の課題を解決するために、本発明の第1態様は、成形樹脂層の表面に少なくとも透光性の金属膜層が形成され、前記成形樹脂層の裏面に少なくとも遮光部のみに形成される遮光層が設けられた裏面側から照光可能な成形同時加飾成形品である。
本成形同時加飾成形品は、照光時に透光部のパターンのエッジがぼかされるという意匠的効果も合わせもっている。これは遮光層と金属膜層の間隔が離れているために、金属膜層上に、遮光層で遮光される領域と、まったく遮光されない領域と、一部の光が遮光される領域が生じるからである。すなわち、遮光層と金属膜層の間隔をD、遮光層に照射される光と遮光層の交角をαとすると、遮光層輪郭線上の一点が金属膜層に投影される点の位置は、当該輪郭線上の一点の真上の点から、D/tanα離れた点である。つまり、照射光の交角αが異なると投影点が異なる。交角αが異なる複数の照射光が照射されると透光部のパターンのエッジ部分では、部分遮光領域が生じて、エッジがぼかされる効果が生まれる。当該効果は、成形樹脂層が厚い場合や、照光光源として、面発光の光源や複数の点光源などを採用した場合に、より効果的に現れる。
また、本発明の第2態様は、基体シート上に少なくとも透光性の金属膜層が形成された加飾シートをA金型側に設置し、基体シート上に少なくとも遮光部のみに形成される遮光層が設けられた加飾シートをB金型側に設置し、A金型とB金型とを型締めし、成形樹脂を注入し、冷却固化させた後、型開きして得ることを特徴とする成形同時加飾成形品の製造方法である。
本発明において、加飾シートには転写シートとインサートシートが含まれる。
本発明の裏面側から照光可能な成形同時加飾成形品は、透光性の金属膜層と遮光部のみに形成される遮光層とを成形樹脂層を挟んで別々に設けることを特徴としている。したがって、表面の透光性の金属膜層を変更することなく、裏面の、遮光層の位置、パターン、色を変えることにより、様々な意匠感を呈する成形同時加飾成形品を得ることができる効果がある。
また、本発明の成形同時加飾成形品の製造方法は、成形と同時に、表面に透光性の金属膜層を設け、裏面に遮光部のみに形成される遮光層を設けることができる効果がある。
さらに、従来の単一加飾シートを、金属膜層の加飾シートと、仕様の変更頻度が高い遮光層からなる加飾シートに分割したために、透光部のパターンの仕様が変更になっても、金属膜層の加飾シートはそのまま使用可能となる効果がある。
本発明において、透光部のパターンとは、遮光層の有無により成形同時加飾成形品の裏面側から照射される光が透光性の金属薄膜に到達する透光部と、当該金属薄膜に到達しない遮光部から構成される透光・遮光のパターンを意味する。また、透光部のパターンは、遮光層が照射光の完全遮断を行うパターンのみに限られるものではなく、照射光の一部分を遮光し(あるいは照射光に含まれる一定波長の光を吸収乃至反射し)、残余を透光する透光・遮光のパターンであってもよい。
すなわち、透光部のパターンを形成するために本発明において用いられる遮光部のみに形成される遮光層は、裏面側からの照射光を遮光する層及び当該照射光をなんらか変化させて透光する層を意味する。
以下に実施例により、本発明にかかる成形同時加飾成形品とその製造方法をさらに説明する。この発明の実施例に記載されている部材や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載のない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
まず、本発明の成形同時加飾成形品を説明する。
図1は、本発明にかかる成形同時加飾成形品の一例を説明する断面説明図である。本発明の成形同時加飾成形品4は、成形樹脂層2の表面側に接着層35a、透光性の金属膜層37、オーバーコート層36と剥離層31aが順に設けられている。成形樹脂層2の裏面側に接着層35b、遮光部のみに形成される遮光層38と剥離層31bが順に設けられている。図中8は成形同時加飾成形品4の裏面に配置された光源である。
光源8からの光は、遮光層38が存在する部分では遮光され、遮光層38が存在しない部分では透光する。よって、成形樹脂層2の表面側に設けられた透光性の金属膜層37は遮光部9と透光部10に区別される。このため、成形同時加飾成形品4は、裏面から照光された場合に遮光層38のパターン、色に応じた意匠を呈する。
一方、裏面からの照光が無い場合には、金属膜層37は遮光層38を覆い隠し、金属膜層全体が、金属色など金属膜層自体が有する属性に応じた意匠を呈する。
加飾シート(転写シートまたはインサートシート)を用いて成形同時加飾成形品4の表面側に透光性の金属膜層37を形成する場合には、接着層35aは必須である。オーバーコート層36は設けてもよく、また省略することもできる。転写シートを用いる場合において、オーバーコート層36を省略するときには、剥離層31aが必須となる。
以上の構成を採用したので、表面に透光性の金属膜層37を設けた成形同時加飾成形品を大量に生産しておき、ユーザーの要望に応じて裏面側の、遮光層38の位置、パターンを適宜変更することにより、所望の意匠感を呈する成形同時加飾成形品4を得ることができる。つまり、裏面側の、遮光層38の位置、パターンを適宜変更するのみでユーザーの要望に対応できるため、事前に表面側に金属膜層37を設けておいても無駄にはならない。
遮光層38のパターンの態様としては、木目柄、石目柄、布目柄、文字、幾何学模様、ベタパターンなどが挙げられる。
また、接着層35bと剥離層31bは無色でもよく、透光着色でもよい。遮光層38に加えて、接着層35b及び/または剥離層31bを透光着色することにより照光時に表現される意匠の自由度を増すことができる。
さらに、剥離層31a(またはインサートシートを用いる場合に成形同時加飾成形品の表面に存置される基本シート)は無色でもよく、透光着色でもよい。透光着色の場合には金属膜層37の呈する金属色に有彩色などを付加することができ、意匠の自由度を増すことができる。
つぎに、本発明の成形同時加飾成形品4の製造方法を説明する。
図2は、本発明に係る成形同時加飾成形品の製造方法の一例を説明する断面説明図である。本発明の成形同時加飾成形品4の製造方法は、基体シート30a上に少なくとも透光性の金属膜層37が形成された転写シートA1を加飾シートとして用いてA金型6側に設置し、基体シート30b上に少なくとも遮光部のみに形成される遮光層38が設けられた転写シートB3を加飾シートとして用いてB金型7側に設置し、A金型6とB金型7とを型締めし、成形樹脂を注入し、冷却固化させた後、型開きして得ることを特徴とする。
すなわち、成形同時加飾法によって、成形と同時に表面には透光性の金属膜層37が形成され、裏面には遮光部のみに形成される遮光層38が設けられる。したがって、従来の成形同時加飾成形品の製造工程とほとんど同じ工程で、本発明の成形同時加飾成形品4を得ることができる。
また、基体シート上に少なくとも透光性の金属膜層が形成された加飾シートを多量に製造するとともに、基体シート上に少なくとも遮光部のみに形成される遮光層が設けられた加飾シートを多品種少量製造し、両者を組み合わせて、成形同時加飾成形品の多品種少量生産を行うことができる。
なお、本発明では、両面について成形同時加飾法によって成形同時加飾成形品4を得る方法を示したが、先に片面について成形同時加飾法によって成形同時加飾成形品を得、その後、反対面に熱転写などによって加飾する場合であってもよい。このようにして、表面同一の半製品を多量に製造し、その後裏面に設ける遮光部のみに形成される遮光層のパターンなどを変更した完成品を作成する製造方法に適合させることもできる。
成形樹脂層2の材料としては、アクリル樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、シリコン樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、熱可塑性エラストマー樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などがあり、いずれも透光性を有するものを用いる。
次に、A金型側に設置する転写シートAの一例を説明する。
図3は転写シートAを説明する断面説明図である。A金型6側に設置する転写シートA1は、離型層39aを形成した基体シート30a上にオーバーコート層36、透光性の金属膜層37及び接着層35aが順次積層されている。ただし、成形同時加飾成形品4について説明したようにオーバーコート層36を省略することもできる。
成形樹脂に接着した後は基体シート30aと離型層39aが剥離除去され、オーバーコート層36、透光性の金属膜層37及び接着層35aの積層物が成形樹脂層2上に形成された成形同時加飾成形品4が得られる。なお、基体シート30aが離型性を有する場合は離型層39aを省略してもよい。また、オーバーコート層36が剥離性を有しない場合は剥離層31aをさらに設ける必要がある。図3には、当該剥離層を設ける場合を仮定して、剥離層31aを図示している。
透光性の金属膜層37の材質としては、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物が挙げられる。金属膜層37を設ける前に密着性を向上させるためのアンカー層を設けておいても良い。
透光性の金属膜層37の形成方法は、メッキのほか、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。透光性の金属膜層37の膜厚は50Å〜500Åが好ましい。膜厚がこの範囲であると、均一な膜を得易く、また、好ましい透光性が得られるためである。
オーバーコート層36の材質としては、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニロン系樹脂、アセテート系樹脂、ポリアミド系樹脂などを挙げることができ、離型層39aまたは剥離層31aからの剥離性に応じて、適宜、好ましい材料を選択する。
オーバーコート層36の形成方法は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などの方法でも、塗装、ディッピング、リバースコーターなどの方法でもよい。オーバーコート層36の膜厚は0.5μm〜50μmが好ましい。膜厚がこの範囲であると、好ましいオーバーコート性が得られ、また、オーバーコート層形成後の当該層の乾燥が容易となる。
次に、本発明のB金型側に設置する転写シートBの一例を説明する。
図4は転写シートB3を説明する断面説明図である。本発明のB金型側に設置する転写シートB3は、離型層39bを形成した基体シート30b上に剥離層31b、遮光部のみに形成される遮光層38及び接着層35bが順次積層されている。
遮光層38の材質は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂、硝化綿系樹脂、塩化ゴム系樹脂などの樹脂バインダーに、着色顔料や体質顔料、着色染料などの着色剤を含有させたものを挙げることができるが、特に限定されない。
遮光層38の形成方法は、グラビア、オフセット、スクリーンなどの各種印刷方法を挙げることができる。遮光層38の膜厚は0.5μm〜50μmが好ましい。膜厚がこの範囲であると、裏面からの照光時に透光部のパターンが光源の光を適度に変化させ、意匠効果が大きくなり、また、遮光層形成後、当該層の乾燥が容易となるからである。
次に転写シートA1と転写シートB3に共通する部材について説明する。
基体シート30a、30bの材質は、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アセテート系樹脂、ポリアミド系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロース系シート、及びこれらが複合されたシートなどが好ましい。
基体シート30a、30bの膜厚は5μm〜5mmが好ましい。膜厚がこの範囲であると、シートは適度な剛性を有するので、遮光層38などの転写層を好適に支持することができる。さらに、適度な剛性を有するので、シートの取り扱いが容易となる。
基体シート30a、30bの形成方法は、押出成形、カレンダー成形、キャストなどの汎用の製膜方法で構わない。なお、基体シート30は、必要に応じて印刷層を形成する側の表面に予めコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着プライマーコート処理などの易接着処理を施しておいてもよい。
離型層39a、39b、剥離層31b及び必要に応じて設ける剥離層31aの材質としては、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニロン系樹脂、アセテート系樹脂、ポリアミド系樹脂などを挙げることができ、離型層からの剥離性に応じて、適宜、好ましい材料を選択する。剥離層31a、31bに着色する場合には、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニロン系樹脂、アセテート系樹脂、ポリアミド系樹脂などの樹脂をバインダーとし透光性の金属顔料や無機顔料染料などを着色剤として含有する透光性インキを用いて形成するとよい。
離型層39a、39b、剥離層31b及び必要に応じて設ける剥離層31aの形成方法は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などの方法でも、塗装、ディッピング、リバースコーターなどの方法でもよい。離型層39a、39b、剥離層31b及び必要に応じて設ける剥離層31aの膜厚は0.5μm〜50μmが好ましい。膜厚がこの範囲であると、適度な離型性または剥離性を得ることができ、また、これらの層形成後の、当該層の乾燥も容易となるからである。
接着層35a、35bの材質としては、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニロン系樹脂、アセテート系樹脂、ポリアミド系樹脂を挙げることができ、成形樹脂との接着性に応じて、適宜、好ましい材料を選択する。接着層31aに着色する場合は、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニロン系樹脂、アセテート系樹脂、ポリアミド系樹脂などの樹脂をバインダーとし透光性の金属顔料や無機顔料染料などを着色剤として含有する透光性インキを用いて形成するとよい。
接着層35a、35bの形成方法は、グラビア、オフセット、スクリーンなどの各種印刷方法や、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、コンマコート、リップコートなどのコート法でもよい。また、塗装、ディッピングなどの方法でもよい。接着層35a、35bの膜厚は0.5μm〜10μmが好ましい。膜厚がこの範囲であると、十分な密着が得られ、また、接着層形成後の当該層の乾燥も容易になるからである。
なお、これまでは特に転写シートの例を示したが、転写シートの代わりに、成形樹脂層2に接着した後も、基体シートが成形樹脂層2上に存置されるインサートシートを加飾シートとして用いて、成形同時加飾成形品4を形成してもよい。インサートシートは前記転写シートの離型層、剥離層を省略する以外は、転写シートと同様にして形成するとよい。
転写シートやインサートシートは、金型内に設置する前に、金型プレス法、圧空プレス法、真空成形法などにより予備成形を行ってもよいし、型締めする前に、金型内で金型キャビティから真空吸引する方法などにより予備成形を行ってもよい。また、金型内での位置決めをするために、印刷によるマーキングを施したり、トムソン型でのパンチ加工などにより位置決め穴を設けても良い。
厚み50μmの易接着処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ウレタン系樹脂のインキを用いてオーバーコート層を形成し、次いでアクリル系2液硬化型樹脂のインキを用いて蒸着アンカー層をグラビア印刷法により形成した。
これを180℃×30秒/mの条件で熱処理した後、全面に厚み200±50Åのアルミニウム金属膜層を真空蒸着法により形成した。次いで、ポリカーボネート系樹脂のインキを用いて接着層をスクリーン印刷法により形成し、転写シートAを得た。
一方、厚み25μmの易接着処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に、アクリル系樹脂のインキを用いて剥離層を形成し、次いでポリエステル系の2液硬化型樹脂からなる黒インキを用いて、抜きパターンの文字を形成する遮光層をスクリーン印刷法により形成した後、80℃×15分にて熱乾燥した。次いで、塩化ビニル系樹脂のインキを用いて接着層をスクリーン印刷法により形成し、転写シートBを得た。
上記の転写シートA、Bを金型内に配置し、出光石油製ポリカーボネート成形樹脂「タフロンIR1700」を射出し、冷却固化させて取り出したところ、成形樹脂の表面に金属膜層が形成され、裏面に遮光部のみに形成される遮光層が形成された成形同時加飾成形品が得られた。
この成形同時加飾成形品の用途は照明器具筐体である。この成形同時加飾成形品において、日本電色工業製全光線透過率測定器MODEL1001DPを用いて遮光層が形成されていない箇所の全層の全光線透過率X(%)を測定したところX=4.5であった。同様にして遮光層が形成されている箇所の全光線透過率(%)を測定すると=0.1であった。裏面から光源により照らされた状態では、文字パターンが浮き上がり、当該文字パターンを明確に視覚認識することができた。この照明器具筐体は、光源により照らされていない状態では全体がクロムメッキ調の重厚感のある金属調意匠を呈していた。
厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、メラミン系樹脂からなる透明インキを用いて離型層をグラビア印刷法により形成し、次いでアクリル系樹脂からなる透明インキを用いて剥離層、シアノアクリレート系樹脂からなる透明インキを用いてオーバーコート層をグラビア印刷法により順次形成した。
次いで、アクリル系の2液硬化型樹脂からなる透明インキを用いて蒸着アンカー層をグラビア印刷法により形成し、180℃×30秒/mの条件で熱処理した後、全面に厚み100±50Åのスズ金属膜層を真空蒸着法により形成した。
次いで、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂からなる透明インキを用いて、全面ベタパターンの接着層をグラビア印刷法により形成して転写シートAを得た。
一方、厚み100μmの易接着処理されたポリカーボネートフィルム上にポリエステル系の2液硬化型樹脂からなる黒インキを用いて、抜きパターンの文字を形成する遮光層をスクリーン印刷法により形成した後、塩化ビニル系樹脂のインキを用いて接着層をスクリーン印刷法により形成し、80℃×15分にて熱乾燥してインサートシートを得た。
上記の転写シートA及びインサートシートを金型内に配置し、東レ製アクリロニトリルブタジエンスチレン成形樹脂「トヨラック920」を射出し、冷却固化させて取り出したところ、成形樹脂の表面に金属膜層が形成され、裏面に遮光部のみに形成される遮光層が形成された成形同時加飾成形品が得られた。
この成形同時加飾成形品の用途は家電製品筐体である。この成形同時加飾成形品において、日本電色工業製全光線透過率測定器MODEL1001DPを用いて遮光層が形成されていない箇所の全層の全光線透過率X(%)を測定したところX=4.5であった。同様にして遮光層が形成されている箇所の全光線透過率(%)を測定すると=0.1であった。裏面から光源により照らされた状態では、文字パターンが浮き上がり、文字パターンを明確に視覚認識することができた。この家電製品筐体は、光源により照らされていない状態では全体がクロムメッキ調の重厚感のある金属調意匠を呈していた。
本発明により得られる成形同時加飾成形品は、通信機器、照明機器、家電製品、情報機器、住宅機器、事務機器、自動車部品などに利用されるパネル部材などに用いることができる。
本発明に係る成形同時加飾成形品の一例を示す断面説明図である。 本発明に係る成形同時加飾成形品の製造方法の一例を示す断面説明図である。 本発明に係る成形同時加飾成形品を製造するための転写シートAの一例を示す断面説明図である。 本発明に係る成形同時加飾成形品を製造するための転写シートBの一例を示す断面説明図である。
1 転写シートA
2 成形樹脂層
3 転写シートB
4 成形同時加飾成形品
6 A金型
7 B金型
8 光源
9 遮光部
10 透光部
30a、30b 基体シート
31a、31b 剥離層
35a、35b 接着層
36 オーバーコート層
37 透光性の金属膜層
38 遮光層
39a、39b 離型層


Claims (2)

  1. 成形樹脂層の表面に少なくとも透光性の金属膜層が形成され、前記成形樹脂層の裏面に少なくとも遮光部のみに形成される遮光層が設けられた、裏面側から照光可能な成形同時加飾成形品。
  2. 基体シート上に少なくとも透光性の金属膜層が形成された加飾シートをA金型側に設置し、基体シート上に少なくとも遮光部のみに形成される遮光層が設けられた加飾シートをB金型側に設置し、A金型とB金型とを型締めし、成形樹脂を注入し、冷却固化させた後、型開きして得ることを特徴とする請求項1に記載の成形同時加飾成形品の製造方法。

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