JP3098256U - 吊り具 - Google Patents
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Abstract
【課題】セグメント等の被保持物を容易に且つ確実に吊り下げることができる吊り具を提供することを課題とする。
【解決手段】ストッパ5の押圧部19を押してスライド部材3の位置の拘束を解除した状態で付勢力に抗して取っ手14によりスライド部材3を本体1の基端部に向けてスライドさせるとタング部材2が格納位置に回動する。この状態で本体1を被保持物の係合孔に差し込み、その後取っ手14から手を離せば、付勢力によりスライド部材3が本体1の先端部に向かってスライドしてタング部材2が突出位置に回動すると共に被保持物の係合孔の外周部に係合して吊り具が取り付けられる。同様に、ストッパ5によるスライド部材3の拘束を解除して取っ手14を引っ張ってタング部材2を格納位置に位置させ、その状態で本体1を係合孔から引き抜けば吊り具が取り外される。
【選択図】 図1
【解決手段】ストッパ5の押圧部19を押してスライド部材3の位置の拘束を解除した状態で付勢力に抗して取っ手14によりスライド部材3を本体1の基端部に向けてスライドさせるとタング部材2が格納位置に回動する。この状態で本体1を被保持物の係合孔に差し込み、その後取っ手14から手を離せば、付勢力によりスライド部材3が本体1の先端部に向かってスライドしてタング部材2が突出位置に回動すると共に被保持物の係合孔の外周部に係合して吊り具が取り付けられる。同様に、ストッパ5によるスライド部材3の拘束を解除して取っ手14を引っ張ってタング部材2を格納位置に位置させ、その状態で本体1を係合孔から引き抜けば吊り具が取り外される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、吊り具に係り、特にシールド等に用いられるスチール製のセグメントを吊り下げるための吊り具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トンネルのシールド等に用いられるスチール製のセグメントを吊り下げる際には、L字状の金具が使用され、セグメントに形成された係合孔に金具を引っ掛けて吊り下げていた。このため、金具にセグメントの重量がかかった吊り下げ状態では金具がセグメントの係合孔にしっかりと係合して外れることはないが、セグメントの重量が金具にまだ十分にかからない吊り下げ直前においては、金具が係合孔から外れやすく、作業者がそれぞれの金具を押さえていなければならなかった。
また、ボルトナット方式の吊り具を係合孔に係合させてセグメントを吊り下げようとしても、例えば複数のセグメントを積み重ねた状態で吊る場合等には、セグメントの中に手が入らず、ナット締めができないという問題があった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
このように、従来は、シールド等に用いられるセグメントを容易に且つ確実に吊り下げることが困難であった。
この考案はこのような問題点を解消するためになされたもので、セグメント等の被保持物を容易に且つ確実に吊り下げることができる吊り具を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この考案に係る吊り具は、被保持物に形成された係合孔に通される本体と、本体内に格納される格納位置と本体の側方に突出する突出位置との間で移動自在に本体の先端部に取り付けられるタング部材と、本体内に通されて本体の長手方向にスライド自在に配置され且つ一端がタング部材に連結されると共に他端が本体の基端部に位置し且つこの他端に環状溝が周に沿って形成されたスライド部材と、タング部材が突出位置に位置するようにスライド部材を本体の先端部に向かって付勢する付勢手段と、本体の長手方向に対して垂直な方向に移動自在に本体の基端部に配置されると共にスライド部材を通す大孔とこの大孔よりも小さい径を有する小孔とが互いに連結して貫通形成され、この小孔がスライド部材の環状溝に嵌合することにより本体に対するスライド部材の位置を拘束してタング部材を突出位置に位置させるストッパとを備え、ストッパを移動させてスライド部材の環状溝からストッパの小孔を外すと共に大孔内にスライド部材を位置させ、この状態で付勢手段による付勢力に抗してスライド部材を本体の基端部に向かってスライドさせるとタング部材が格納位置に移動するものである。
【0005】
【考案の実施の形態】
以下、この考案の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1にこの考案の実施の形態に係る吊り具を示す。この吊り具は、スチール製のセグメント等の被保持物に形成された係合孔に通される本体1を有している。本体1には、先端部にタング部材2が配置されると共に先端部から基端部に亙ってスライド部材3が配置されており、これらタング部材2とスライド部材3とが連結部材4を介して互いに連結されている。また、本体1の基端部には、ストッパ5が配置されている。さらに、本体1は吊り孔6aが形成された吊り部6を有している。
【0006】
本体1は、先端部材7、中間部材8及び基端部材9を有しており、中間部材8の先端側に先端部材7が、中間部材8の基端側に基端部材9がそれぞれ固定されると共に、中間部材8の外周部に吊り部6が取り付けられている。先端部材7は、本体1の幅方向に延長する横貫通孔7aを有しており、この横貫通孔7a内にはピン10を介してタング部材2が回動自在に取り付けられている。タング部材2の一端には係合面2aが形成されており、タング部材2はこの係合面2aが本体1内に格納される格納位置と係合面2aが本体1の側方に突出する突出位置との間で回動するようになっている。タング部材2が突出位置にあるときには、その係合面2aが本体1の長手方向に対して垂直に位置する。
【0007】
また先端部材7の内部に、本体1の長手方向に延長すると共に横貫通孔9aに連通する縦貫通孔7bが形成されると共に、この縦貫通孔7bに連通するように中間部材8及び基端部材9の内部にも縦貫通孔8a及び9aが形成されており、これら縦貫通孔7b及び8a及び9a内にスライド部材3が通されて本体1の長手方向にスライド自在になっている。スライド部材3は、その一端が連結部材4を介してタング部材2に連結される一方、その他端が基端部材9周辺に位置している。ここで連結部材4は、その両端がタング部材2とスライド部材3とにそれぞれ回動自在に接続されており、スライド部材3をスライドさせることによりタング部材2を突出位置と格納位置との間で回動させることができる。また、スライド部材3の他端には環状溝13が周に沿って形成されると共にこの環状溝13よりも端部にほぼ球体状の取っ手14が取り付けられている。
【0008】
また、スライド部材3のほぼ中央には、側方に突出したフランジ部15が形成されており、フランジ部15は中間部材8の縦貫通孔8a内に位置している。さらに、この中間部材8の縦貫通孔8a内には付勢手段であるバネ16が配置されており、このバネ16はフランジ部15を介してスライド部材3をタング部材2が突出位置に位置するように本体1の先端部に向かって付勢している。
【0009】
また、図2に示されるように、基端部材9の内部には、本体1の幅方向、すなわち縦貫通孔9aに垂直な方向に延在するストッパ取付け孔17が形成されている。ストッパ5は、このストッパ取付け孔17内にスライド自在に配置される板状部18と板状部18に垂直に固定された押圧部19とを有している。板状部8には、スライド部材3を通す大孔18aとこの大孔18aよりも小さい径を有してスライド部材3の環状溝13に嵌合する小孔18bとが互いに連結して貫通形成されている。さらに、基端部材9とストッパ5の押圧部19との間にはバネ20が配置されており、バネ20によりストッパ5はその小孔18bが基端部材9の縦貫通孔9aと連通するように付勢されている。ここで、図1に示されるようにタング部材2が突出位置に位置しているときには、スライド部材3の環状溝13がストッパ取付け孔17内に位置し、ストッパ5の板状部18の小孔18bがスライド部材3の環状溝13に嵌合している。これにより、本体1に対するスライド部材3の位置はタング部材2が突出位置になるような位置に拘束される構成になっている。なお、図2では、基端部材9の縦貫通孔9a内に配置されるスライド部材3の図示が省略されている。
【0010】
次に、この実施の形態に係る吊り具の作用について説明する。吊り具をスチール製のセグメント等の被保持物に取り付ける際には次のような手順で作業を行う。なお、吊り具の取り付けは被保持物に形成されている係合孔を利用して行われるが、被保持物に形成されている既存の係合孔を利用して、あるいは被保持物に所定の係合孔を形成して行われる。図1に示されるように、この実施の形態の吊り具が何も操作されていない通常状態、すなわち、スライド部材3の取っ手14やストッパ5が操作されていない状態では、タング部材2が突出位置に位置してその係合面2aが本体1の側方に突出すると共にストッパ5の板状部18の小孔18bがスライド部材3の環状溝13に嵌合してスライド部材3の本体1に対する位置が拘束されている。
ここで、バネ20の付勢力に抗してストッパ5の押圧部19を基端部材9に向けて押すことにより、スライド部材3の環状溝13から板状部18の小孔18bを外すと共に、大孔18aを基端部材9の縦貫通孔9aに連通させると、スライド部材3が大孔18a内に位置し、スライド部材3の本体1に対する位置の拘束が解除された状態になる。
【0011】
その状態で、スライド部材3の取っ手14を本体1の外方に向けて引っ張ると、図3に示されるように、バネ16の付勢力に抗してスライド部材3が本体1の基端部に向けてスライドすると共に連結部材4を介してタング部材2がピン10を中心に格納位置へ回動し、その係合面2aが本体1の先端部材7内に格納される。このとき、スライド部材3の環状溝13が基端部材9のストッパ取付け孔17よりも本体1の基端部側に位置したところでストッパ5の押圧部19から手を離すと、バネ20の付勢力によりストッパ5はその押圧部19が基端部材9から離れる方向にスライドしようとするが、スライド部材3の環状溝13がストッパ5の板状部18の大孔18aから外れているためストッパ5はスライドせず、ストッパ5によりスライド部材3の本体1に対する位置が拘束されることはない。
【0012】
この状態のまま、本体1の先端部材7を二点鎖線で示されるような被保持物21の係合孔22に差し込む。このとき、本体1の先端部材7がその長手方向のほぼ中間の位置まで被保持物21の係合孔22に差し込まれたところで取っ手14から手をはなしても、タング部材2の下面が係合孔22の内壁に押されて係合面2aが本体1内に格納されたままとなる。
【0013】
そして、タング部材2が被保持物21の係合孔22を通過すると、フランジ部15を介してバネ16により本体1の先端部に向けて付勢されていたスライド部材3がその方向にスライドし、それに伴って連結部材4を介してタング部材2が突出位置に回動して図1に示されるようにその係合面2aが本体1の側方に突出すると共に、バネ20の付勢力によりストッパ5がスライドしてその小孔18bがスライド部材3の環状溝13に嵌合し、これによりスライド部材3がその位置に拘束される。このようにして本体1の側方に突出したタング部材2の係合面2aが被保持物21の係合孔22の外周部に係合し、その結果、吊り具の被保持物への取り付けが完了する。この状態で本体1における吊り部6の吊り孔6aを介して被保持物が吊り下げられる。
【0014】
一方、吊り具を被保持物から取り外す場合、取り付けの場合と同様に、ストッパ5の押圧部19を押してスライド部材3の環状溝13から小孔18bを外すと共に大孔18a内に前記スライド部材3を位置させ、その状態でバネ16による付勢力に抗して取っ手14によりスライド部材3を本体1の基端部に向かってスライドさせることにより、タング部材2を格納位置に移動する。そして、そのまま本体1の先端部材7を被保持物21の係合孔22から引き抜くことにより吊り具が被保持物から取り外される。
【0015】
以上のように、この考案の吊り具は、被保持物に形成された係合孔を利用し、ストッパ5を押してスライド部材3の位置の拘束を解除した状態でスライド部材3を本体1の基端部に向けてスライドさせてタング部材2を格納位置に位置させた状態で、本体1の先端部を被保持物21の係合孔22に通す或いは係合孔22から引き抜くことによりワンタッチで取り付け及び取り外しが完了するため、被保持物への吊り具の取り付け/取り外しを容易に行うことができる。
【0016】
また、ストッパ5の小孔18bがスライド部材3の環状溝13に嵌合することにより、本体1に対するスライド部材3の位置はタング部材2が突出位置になるような位置に拘束されるため、本体1の側方に突出しているタング部材2の部分に何らかの外力が働いても、タング部材2が本体1内に格納されて吊り具が被保持物の係合孔から外れてしまうことがなく、その結果、吊り下げを確実に行うことができる。
【0017】
さらに、取っ手14によりスライド部材3を本体1の基端部に向けてスライドさせてタング部材2を格納位置に位置させた状態でこの取っ手14から手を離すと、バネ16の付勢力によりスライド部材3が本体1の先端部に向けてスライドし、これによりタング部材2が自動的に突出位置に回動するので、被保持物への吊り具の取り付け/取り外しをより容易に行うことができる。
【0018】
なお、この考案の吊り具はスチール製のセグメントだけでなく、所定の係合孔が形成されたパネル、H型鋼やビーム等の鋼材及び構造物の吊り下げにも利用することができる。
【0019】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案によれば、被保持物に形成された係合孔に通される本体と、本体内に格納される格納位置と本体の側方に突出する突出位置との間で移動自在に本体の先端部に取り付けられるタング部材と、本体内に通されて本体の長手方向にスライド自在に配置され且つ一端がタング部材に連結されると共に他端が本体の基端部に位置し且つこの他端に環状溝が周に沿って形成されたスライド部材と、タング部材が突出位置に位置するようにスライド部材を本体の先端部に向かって付勢する付勢手段と、本体の長手方向に対して垂直な方向に移動自在に本体の基端部に配置されると共にスライド部材を通す大孔とこの大孔よりも小さい径を有する小孔とが互いに連結して貫通形成され、この小孔がスライド部材の環状溝に嵌合することにより本体に対するスライド部材の位置を拘束してタング部材を突出位置に位置させるストッパとを備え、ストッパを移動させてスライド部材の環状溝からストッパの小孔を外すと共に大孔内にスライド部材を位置させ、この状態で付勢手段による付勢力に抗してスライド部材を本体の基端部に向かってスライドさせるとタング部材が格納位置に移動するので、この吊り具によりセグメント等の被保持物を容易に且つ確実に吊り下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の実施の形態に係る吊り具の側面断面図である。
【図2】この考案の実施の形態に係る吊り具の正面図である。
【図3】この考案の実施の形態に係る吊り具におけるタング部材が格納された様子を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 本体、2 タング部材、2a 係合面、3 スライド部材、4 連結部材、5 ストッパ、6 吊り部、6a 吊り孔、7 先端部材、7a 横貫通孔、7b,8a,9a 縦貫通孔、8 中間部材、9 基端部材、10 ピン、13環状溝、14 取っ手、15 フランジ部、16,20 バネ、17 ストッパ取付け孔、18 板状部、18a 大孔、18b 小孔、19 押圧部、21
被保持物、22 係合孔。
【考案の属する技術分野】
この考案は、吊り具に係り、特にシールド等に用いられるスチール製のセグメントを吊り下げるための吊り具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トンネルのシールド等に用いられるスチール製のセグメントを吊り下げる際には、L字状の金具が使用され、セグメントに形成された係合孔に金具を引っ掛けて吊り下げていた。このため、金具にセグメントの重量がかかった吊り下げ状態では金具がセグメントの係合孔にしっかりと係合して外れることはないが、セグメントの重量が金具にまだ十分にかからない吊り下げ直前においては、金具が係合孔から外れやすく、作業者がそれぞれの金具を押さえていなければならなかった。
また、ボルトナット方式の吊り具を係合孔に係合させてセグメントを吊り下げようとしても、例えば複数のセグメントを積み重ねた状態で吊る場合等には、セグメントの中に手が入らず、ナット締めができないという問題があった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
このように、従来は、シールド等に用いられるセグメントを容易に且つ確実に吊り下げることが困難であった。
この考案はこのような問題点を解消するためになされたもので、セグメント等の被保持物を容易に且つ確実に吊り下げることができる吊り具を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この考案に係る吊り具は、被保持物に形成された係合孔に通される本体と、本体内に格納される格納位置と本体の側方に突出する突出位置との間で移動自在に本体の先端部に取り付けられるタング部材と、本体内に通されて本体の長手方向にスライド自在に配置され且つ一端がタング部材に連結されると共に他端が本体の基端部に位置し且つこの他端に環状溝が周に沿って形成されたスライド部材と、タング部材が突出位置に位置するようにスライド部材を本体の先端部に向かって付勢する付勢手段と、本体の長手方向に対して垂直な方向に移動自在に本体の基端部に配置されると共にスライド部材を通す大孔とこの大孔よりも小さい径を有する小孔とが互いに連結して貫通形成され、この小孔がスライド部材の環状溝に嵌合することにより本体に対するスライド部材の位置を拘束してタング部材を突出位置に位置させるストッパとを備え、ストッパを移動させてスライド部材の環状溝からストッパの小孔を外すと共に大孔内にスライド部材を位置させ、この状態で付勢手段による付勢力に抗してスライド部材を本体の基端部に向かってスライドさせるとタング部材が格納位置に移動するものである。
【0005】
【考案の実施の形態】
以下、この考案の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1にこの考案の実施の形態に係る吊り具を示す。この吊り具は、スチール製のセグメント等の被保持物に形成された係合孔に通される本体1を有している。本体1には、先端部にタング部材2が配置されると共に先端部から基端部に亙ってスライド部材3が配置されており、これらタング部材2とスライド部材3とが連結部材4を介して互いに連結されている。また、本体1の基端部には、ストッパ5が配置されている。さらに、本体1は吊り孔6aが形成された吊り部6を有している。
【0006】
本体1は、先端部材7、中間部材8及び基端部材9を有しており、中間部材8の先端側に先端部材7が、中間部材8の基端側に基端部材9がそれぞれ固定されると共に、中間部材8の外周部に吊り部6が取り付けられている。先端部材7は、本体1の幅方向に延長する横貫通孔7aを有しており、この横貫通孔7a内にはピン10を介してタング部材2が回動自在に取り付けられている。タング部材2の一端には係合面2aが形成されており、タング部材2はこの係合面2aが本体1内に格納される格納位置と係合面2aが本体1の側方に突出する突出位置との間で回動するようになっている。タング部材2が突出位置にあるときには、その係合面2aが本体1の長手方向に対して垂直に位置する。
【0007】
また先端部材7の内部に、本体1の長手方向に延長すると共に横貫通孔9aに連通する縦貫通孔7bが形成されると共に、この縦貫通孔7bに連通するように中間部材8及び基端部材9の内部にも縦貫通孔8a及び9aが形成されており、これら縦貫通孔7b及び8a及び9a内にスライド部材3が通されて本体1の長手方向にスライド自在になっている。スライド部材3は、その一端が連結部材4を介してタング部材2に連結される一方、その他端が基端部材9周辺に位置している。ここで連結部材4は、その両端がタング部材2とスライド部材3とにそれぞれ回動自在に接続されており、スライド部材3をスライドさせることによりタング部材2を突出位置と格納位置との間で回動させることができる。また、スライド部材3の他端には環状溝13が周に沿って形成されると共にこの環状溝13よりも端部にほぼ球体状の取っ手14が取り付けられている。
【0008】
また、スライド部材3のほぼ中央には、側方に突出したフランジ部15が形成されており、フランジ部15は中間部材8の縦貫通孔8a内に位置している。さらに、この中間部材8の縦貫通孔8a内には付勢手段であるバネ16が配置されており、このバネ16はフランジ部15を介してスライド部材3をタング部材2が突出位置に位置するように本体1の先端部に向かって付勢している。
【0009】
また、図2に示されるように、基端部材9の内部には、本体1の幅方向、すなわち縦貫通孔9aに垂直な方向に延在するストッパ取付け孔17が形成されている。ストッパ5は、このストッパ取付け孔17内にスライド自在に配置される板状部18と板状部18に垂直に固定された押圧部19とを有している。板状部8には、スライド部材3を通す大孔18aとこの大孔18aよりも小さい径を有してスライド部材3の環状溝13に嵌合する小孔18bとが互いに連結して貫通形成されている。さらに、基端部材9とストッパ5の押圧部19との間にはバネ20が配置されており、バネ20によりストッパ5はその小孔18bが基端部材9の縦貫通孔9aと連通するように付勢されている。ここで、図1に示されるようにタング部材2が突出位置に位置しているときには、スライド部材3の環状溝13がストッパ取付け孔17内に位置し、ストッパ5の板状部18の小孔18bがスライド部材3の環状溝13に嵌合している。これにより、本体1に対するスライド部材3の位置はタング部材2が突出位置になるような位置に拘束される構成になっている。なお、図2では、基端部材9の縦貫通孔9a内に配置されるスライド部材3の図示が省略されている。
【0010】
次に、この実施の形態に係る吊り具の作用について説明する。吊り具をスチール製のセグメント等の被保持物に取り付ける際には次のような手順で作業を行う。なお、吊り具の取り付けは被保持物に形成されている係合孔を利用して行われるが、被保持物に形成されている既存の係合孔を利用して、あるいは被保持物に所定の係合孔を形成して行われる。図1に示されるように、この実施の形態の吊り具が何も操作されていない通常状態、すなわち、スライド部材3の取っ手14やストッパ5が操作されていない状態では、タング部材2が突出位置に位置してその係合面2aが本体1の側方に突出すると共にストッパ5の板状部18の小孔18bがスライド部材3の環状溝13に嵌合してスライド部材3の本体1に対する位置が拘束されている。
ここで、バネ20の付勢力に抗してストッパ5の押圧部19を基端部材9に向けて押すことにより、スライド部材3の環状溝13から板状部18の小孔18bを外すと共に、大孔18aを基端部材9の縦貫通孔9aに連通させると、スライド部材3が大孔18a内に位置し、スライド部材3の本体1に対する位置の拘束が解除された状態になる。
【0011】
その状態で、スライド部材3の取っ手14を本体1の外方に向けて引っ張ると、図3に示されるように、バネ16の付勢力に抗してスライド部材3が本体1の基端部に向けてスライドすると共に連結部材4を介してタング部材2がピン10を中心に格納位置へ回動し、その係合面2aが本体1の先端部材7内に格納される。このとき、スライド部材3の環状溝13が基端部材9のストッパ取付け孔17よりも本体1の基端部側に位置したところでストッパ5の押圧部19から手を離すと、バネ20の付勢力によりストッパ5はその押圧部19が基端部材9から離れる方向にスライドしようとするが、スライド部材3の環状溝13がストッパ5の板状部18の大孔18aから外れているためストッパ5はスライドせず、ストッパ5によりスライド部材3の本体1に対する位置が拘束されることはない。
【0012】
この状態のまま、本体1の先端部材7を二点鎖線で示されるような被保持物21の係合孔22に差し込む。このとき、本体1の先端部材7がその長手方向のほぼ中間の位置まで被保持物21の係合孔22に差し込まれたところで取っ手14から手をはなしても、タング部材2の下面が係合孔22の内壁に押されて係合面2aが本体1内に格納されたままとなる。
【0013】
そして、タング部材2が被保持物21の係合孔22を通過すると、フランジ部15を介してバネ16により本体1の先端部に向けて付勢されていたスライド部材3がその方向にスライドし、それに伴って連結部材4を介してタング部材2が突出位置に回動して図1に示されるようにその係合面2aが本体1の側方に突出すると共に、バネ20の付勢力によりストッパ5がスライドしてその小孔18bがスライド部材3の環状溝13に嵌合し、これによりスライド部材3がその位置に拘束される。このようにして本体1の側方に突出したタング部材2の係合面2aが被保持物21の係合孔22の外周部に係合し、その結果、吊り具の被保持物への取り付けが完了する。この状態で本体1における吊り部6の吊り孔6aを介して被保持物が吊り下げられる。
【0014】
一方、吊り具を被保持物から取り外す場合、取り付けの場合と同様に、ストッパ5の押圧部19を押してスライド部材3の環状溝13から小孔18bを外すと共に大孔18a内に前記スライド部材3を位置させ、その状態でバネ16による付勢力に抗して取っ手14によりスライド部材3を本体1の基端部に向かってスライドさせることにより、タング部材2を格納位置に移動する。そして、そのまま本体1の先端部材7を被保持物21の係合孔22から引き抜くことにより吊り具が被保持物から取り外される。
【0015】
以上のように、この考案の吊り具は、被保持物に形成された係合孔を利用し、ストッパ5を押してスライド部材3の位置の拘束を解除した状態でスライド部材3を本体1の基端部に向けてスライドさせてタング部材2を格納位置に位置させた状態で、本体1の先端部を被保持物21の係合孔22に通す或いは係合孔22から引き抜くことによりワンタッチで取り付け及び取り外しが完了するため、被保持物への吊り具の取り付け/取り外しを容易に行うことができる。
【0016】
また、ストッパ5の小孔18bがスライド部材3の環状溝13に嵌合することにより、本体1に対するスライド部材3の位置はタング部材2が突出位置になるような位置に拘束されるため、本体1の側方に突出しているタング部材2の部分に何らかの外力が働いても、タング部材2が本体1内に格納されて吊り具が被保持物の係合孔から外れてしまうことがなく、その結果、吊り下げを確実に行うことができる。
【0017】
さらに、取っ手14によりスライド部材3を本体1の基端部に向けてスライドさせてタング部材2を格納位置に位置させた状態でこの取っ手14から手を離すと、バネ16の付勢力によりスライド部材3が本体1の先端部に向けてスライドし、これによりタング部材2が自動的に突出位置に回動するので、被保持物への吊り具の取り付け/取り外しをより容易に行うことができる。
【0018】
なお、この考案の吊り具はスチール製のセグメントだけでなく、所定の係合孔が形成されたパネル、H型鋼やビーム等の鋼材及び構造物の吊り下げにも利用することができる。
【0019】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案によれば、被保持物に形成された係合孔に通される本体と、本体内に格納される格納位置と本体の側方に突出する突出位置との間で移動自在に本体の先端部に取り付けられるタング部材と、本体内に通されて本体の長手方向にスライド自在に配置され且つ一端がタング部材に連結されると共に他端が本体の基端部に位置し且つこの他端に環状溝が周に沿って形成されたスライド部材と、タング部材が突出位置に位置するようにスライド部材を本体の先端部に向かって付勢する付勢手段と、本体の長手方向に対して垂直な方向に移動自在に本体の基端部に配置されると共にスライド部材を通す大孔とこの大孔よりも小さい径を有する小孔とが互いに連結して貫通形成され、この小孔がスライド部材の環状溝に嵌合することにより本体に対するスライド部材の位置を拘束してタング部材を突出位置に位置させるストッパとを備え、ストッパを移動させてスライド部材の環状溝からストッパの小孔を外すと共に大孔内にスライド部材を位置させ、この状態で付勢手段による付勢力に抗してスライド部材を本体の基端部に向かってスライドさせるとタング部材が格納位置に移動するので、この吊り具によりセグメント等の被保持物を容易に且つ確実に吊り下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の実施の形態に係る吊り具の側面断面図である。
【図2】この考案の実施の形態に係る吊り具の正面図である。
【図3】この考案の実施の形態に係る吊り具におけるタング部材が格納された様子を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 本体、2 タング部材、2a 係合面、3 スライド部材、4 連結部材、5 ストッパ、6 吊り部、6a 吊り孔、7 先端部材、7a 横貫通孔、7b,8a,9a 縦貫通孔、8 中間部材、9 基端部材、10 ピン、13環状溝、14 取っ手、15 フランジ部、16,20 バネ、17 ストッパ取付け孔、18 板状部、18a 大孔、18b 小孔、19 押圧部、21
被保持物、22 係合孔。
Claims (1)
- 被保持物に形成された係合孔に通される本体と、
前記本体内に格納される格納位置と前記本体の側方に突出する突出位置との間で移動自在に前記本体の先端部に取り付けられるタング部材と、
前記本体内に通されて前記本体の長手方向にスライド自在に配置され且つ一端がタング部材に連結されると共に他端が前記本体の基端部に位置し且つこの他端に環状溝が周に沿って形成されたスライド部材と、
前記タング部材が突出位置に位置するように前記スライド部材を前記本体の先端部に向かって付勢する付勢手段と、
前記本体の長手方向に対して垂直な方向に移動自在に前記本体の基端部に配置されると共に前記スライド部材を通す大孔とこの大孔よりも小さい径を有する小孔とが互いに連結して貫通形成され、この小孔が前記スライド部材の環状溝に嵌合することにより前記本体に対する前記スライド部材の位置を拘束して前記タング部材を突出位置に位置させるストッパと
を備え、前記ストッパを移動させて前記スライド部材の環状溝から前記ストッパの小孔を外すと共に大孔内に前記スライド部材を位置させ、この状態で前記付勢手段による付勢力に抗して前記スライド部材を前記本体の基端部に向かってスライドさせると前記タング部材が格納位置に移動することを特徴とする吊り具。
Priority Applications (1)
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ID=43252020
Family Applications (1)
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JP2003003167U Expired - Lifetime JP3098256U (ja) | 2003-06-02 | 2003-06-02 | 吊り具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3098256U (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016172621A (ja) * | 2015-03-17 | 2016-09-29 | 日本クランプ株式会社 | 吊り具 |
JP2017105613A (ja) * | 2015-12-11 | 2017-06-15 | 大裕株式会社 | 吊り具 |
JP2020012319A (ja) * | 2018-07-19 | 2020-01-23 | 鹿島建設株式会社 | セグメントピース把持装置 |
-
2003
- 2003-06-02 JP JP2003003167U patent/JP3098256U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
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JP7074601B2 (ja) | 2018-07-19 | 2022-05-24 | 鹿島建設株式会社 | セグメントピース把持装置 |
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