JP3097860B2 - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ

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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電気二重層キャパシタに関するものであ
り、より詳しくは、炭素系の分極性電極を使用し、従来
の鉛蓄電池、Ni−Cd蓄電池の二次電池等の用途に使用可
能な大容量の電気二重層キャパシタに関する。
(従来の技術) 近年、電子機器のバックアップ用電源として、長寿命
で高速充放電が可能な電気二重層キャパシタが用いられ
ている。この種のものとしては、有機電解質溶液系のキ
ャパシタは、活性炭繊維の一面にアルミニウムの溶射層
を作り、ステンレススチール製ケースからなる電極ケー
スとアルミニウムの溶射層をスポット溶接して電極体を
作っており、無機電解質溶液系のキャパシタでは、活性
炭粉末ペーストを導電性ゴム電極に圧着していた。
また、活性炭分極性電極と有機電解液で決定される電
気化学的に安定領域である3Vを有効的に使用するため
に、陽極となる側のステンレススチール製ケースの電解
液が接する面を、アルミニュウムを冷間圧接したり、窒
化チタン、炭化チタンを被覆したり、ステンレススチー
ル製ケースの代わりにマンガンあるいはマグネシウムを
含有するアルミニウム合金ケースを使用するものがあ
り、例えば、特開昭61−203619号公報、特開昭61−2036
16号公報、及び特開昭61−203624号公報に記載されてい
るものが知られている。
このうち、特開昭61−203619号公報に記載された電気
二重層キャパシタは、例えば本願第2図に示されている
ように、活性炭繊維からなる布の表面にアルミニウム層
をプラズマ溶射法により形成した分極性電極と、この電
極体に有機電解液を含浸後、間にセパレーターを介して
重ねあわせ、さらにこれをステンレスとアルミニウムよ
りなるクラッド材製のケースをアルミニウムを内側にし
て陽極側に用い、ガスケットを介して、上下ケースをか
しめて封口を行うものである。
無機電解質溶液系のキャパシタは、粉末活性炭と電解
質溶液を混合したペーストを、非導電性のリングと導電
性のゴムシートからなる凹部に充填し、セパレーターを
介して対向させ、加圧下で昇温して加硫接着して基本セ
ルを作るものがあり、たとえば、特開昭61−110416号公
報に記載されているものが知られている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、電子機器のバックアップ用電源として開発
された電気二重層キャパシタは、微少電流の短時間供給
用として開発されたもので、エネルギー貯蔵用としての
鉛蓄電池、Ni−Cd電池等の二次電池と比較すると、充電
時間が早くて充放電回数が多く寿命も長いが、エネルギ
ー密度が低いために大容量の二次電池用途として実用化
されていない。
エネルギー貯蔵用としての電気二重層キャパシタは、
一対の分極性電極で構成される基本セルを、従来のサイ
ズから大幅に大型化して大容量にすると共に、エネルギ
ー密度を大幅に上げる必要があるし、さらに、従来の二
次電池と競争可能な製造コストの低減化が必要となる。
そのためには、電気二重層キャパシタの構成要素のう
ち、活性炭からなる分極性電極と本分極性電極を収納
し、基本セルとして仕上げるケースの製造技術が最も重
要な開発課題となる。
本分極性電極は、電気抵抗が低く、不純物が少ないこ
と、また嵩密度が高く取扱いが容易なこと、さらに大型
化が容易であること等の特性が要求される。
従来では、活性炭繊維製の布や粉末活性炭を分極性電
極の材料として用いていたが、活性炭繊維製の布は嵩密
度が低く、厚さ方向の電気抵抗が高いために、電極を厚
くすることができず、本エネルギー貯蔵用途では、容積
当りのエネルギー密度が低くなることから、キャパシタ
全体の容積が大きくなるという欠点があった。さらに、
活性炭繊維は高価であるために、活性炭を大量に使用す
る本用途への使用は不適当であった。
また、活性炭繊維の布の嵩密度を上げる方法として、
金属ケースをカシメて加圧することが考えられるが、こ
の場合、繊維同士の接触抵抗で決定される電気抵抗を管
理することが難しく、特に大型の分極性電極の製造には
不適当である。
粉末活性炭は、大型の分極性電極を成形するには、バ
インダーを添加してプレスするために、添加量が多いと
電気抵抗が上がり、添加量が少ないと成形強度が低く、
割れを生じてしまうし、さらに、プレスにより活性炭の
細孔が破壊されるおそれがあり、電気抵抗は粉末活性炭
同士の接触のしかたで決まるために分極性電極の電気抵
抗が不安定となり、本発明の分極性電極としては不適当
である。
粉末活性炭の原料は、一般的に、天然の椰子、石炭で
あるが、この場合原料コストは低いものの合成樹脂原料
と比較して不純物が多く、さらに原料の均一性を確保す
ることが難しく、本用途には不適当であるし、また、粉
末を成形加工するのに費用がかかり、分極性電極に仕上
げた場合のコストとしては、活性炭繊維の布と比較し、
とくに優位なものとはいえない。
従来有機電解質溶液系のセルは、活性炭繊維製の分極
性電極の導電性電極に、アルミニュウム等の金属を用い
ること、さらに小型化が要求されることから、加工の容
易な金属製を使用している。このためキャパシタの耐電
圧は使用する金属の溶解電位で制限され、せいぜい3Vで
あった。
したがって、有機電解液の分解電位を上げても、金属
を使用する限りにおいては3V以上の耐電圧を有するキャ
パシタの製造は不可能であった。
無機電解質溶液系のうち、硫酸を使用するセルの場合
は、導電性、および耐食性、さらに気密性が要求される
ことから、カーボン粉末を含有した導電性ゴムまたはプ
ラスチックが使用されるが、電気抵抗が高く、集電体と
しては適当でない。
本発明は、前記した点に鑑みて研究の結果到達したも
のであり、強度を有する活性炭ブロックから大型平板の
分極性電極を切り出し、本電極を炭素質ケースに密封す
ることにより、エネルギー貯蔵用の大型電気二重層キャ
パシタを安価に製造できる技術を提供することを目的と
する。
(課題を解決するための手段) 本発明は、前記した課題を解決するために提案された
ものであって、特定の分極性電極を使用する点に重要な
技術的特徴を有するものである。
すなわち、本発明によれば、樹脂発泡体が炭化・賦活
されてなり、嵩密度が0.15g/cm3ないし0.70g/cm3、比表
面積が700m2/gないし2000m2/gで、かつ、実質的に連続
気泡を有する活性炭ブロックからなる分極性電極を、セ
パレータを介して対向させて素子とし、この素子と電解
液とをカーボンケースに密着収納したことを特徴とする
電気二重層キャパシタが提供される。また、本発明によ
れば、前記分極性電極を、セパレータを介して対向させ
て素子とし、この素子をカーボンケースに密着収納し絶
縁材で密封した後、有機電解液を注入し、その後再び密
封することに得られたものである上記電気二重層キャパ
シタが提供される。
(発明の具体的構成) 以下、本発明の具体的構成について説明する。
樹脂発泡体 樹脂発泡体とは、例えばポリウレタン、フェノール樹
脂、フルフラール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポ
リイソシアヌレート樹脂、ポリイミド樹脂、ユリア樹
脂、ピラニル樹脂等の主として熱硬化性樹脂のプレポリ
マーと発泡剤、さらに硬化剤とを混合、発泡、硬化させ
て得た細胞構造を有する多孔体を言う。これらの樹脂発
泡体のうちでは、細胞の形状が均一で製造が容易で、か
つ炭化、賦活した際の好収率が期待できるフェノール樹
脂、なかでもレゾールをプレポリマーとして用いるレゾ
ール型フェノール樹脂の発泡体を用いることが好まし
い。レゾールは公知の方法にしたがって、フェノール類
とアルデヒド類とをアルカリ触媒の存在化で反応させる
ことにより得られる。フェノール類としては、具体的に
はフェノール、クレゾール、キシレノール、および、レ
ゾルキシン等が用いられる。アルデヒド類としては具体
的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およ
び、フルフラール等が用いられる。アルカリ触媒として
は、具体的にはLiOH、KOH、NaOH、NH3、NH4OH、エタノ
ールアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン等を
挙げることが出来る。樹脂発泡体を得るための発泡剤と
しては従来公知の発泡剤を使用することができるが、こ
のなかでは蒸発型発泡剤を用いることが好ましい。具体
的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等のパ
ラフィン系炭化水素類、メタノール、エタノール、ブタ
ノール等のアルコール類、フロン123(ジクロロトリフ
ルオロエタン)等のハロゲン化炭化水素、エーテルおよ
びこれらの混合物をあげることができる。レゾール型フ
ェノール樹脂等の樹脂を発泡硬化させるために、発泡剤
とともに硬化剤が用いられる。この硬化剤としては、従
来より公知の硬化剤がプレポリマーの種類に応じて適宜
選択され使用される。プレポリマーがレゾール型フェノ
ール樹脂の場合には、具体的には、硫酸、燐酸、塩酸な
どの無機酸、またはクレゾールスルホン酸等の有機酸が
使用される。樹脂発泡体は、例えば上記したレゾール型
フェノール樹脂プレポリマーに、発泡剤、硬化剤、そし
て必要に応じてさらに整泡剤や充填剤等を一挙にもしく
は逐次に混合し、得られたクリーム状物を、たとえば保
温された金型、木型もしくはダンボール内、あるいは、
2重帯状コンベアー上に供給し、発泡、硬化させ、必要
に応じて切断することによって得ることが出来る。これ
らのなかでは金型内にクリーム状物を供給し、ゆっくり
とした速度で徐々に発泡させる方法が最も好ましい。反
対に、たとえばコンベアーベルト内で急速に発泡させた
発泡体の細胞構造は不均一で、かつ方向も場所により一
定しないため、内部抵抗値がばらつくという問題を生じ
る恐れがあり好ましくない。
本発明において、この樹脂発泡体の嵩密度は、通常0.
1g/cm3以上、好ましくは0.17ないし0.8g/cm3である。
炭化方法 得られた樹脂発泡体の成形体をそのまま、もしくは切
断して板状体とした後、非酸化性雰囲気下で焼成して炭
素化する。すなわち、減圧下または、Arガス、Heガス、
N2ガス、COガス、ハロゲンガス、アンモニアガス、H2
ス、またはこれらの混合ガス等の中で、好ましくは500
ないし1200℃、特に600℃ないし900℃の温度で焼成す
る。このようにして発泡体は炭素化され、炭素多孔体が
得られる。焼成時の昇温速度には特に制限はないもの
の、一般に樹脂の分解が開始される200ないし600℃付近
にかけては徐々に行うことが好ましい。
本発明における、炭素多孔体の嵩密度は、通常0.1g/c
m3以上、好ましくは0.17ないし0.8g/cm3である。
賦活方法 本発明で用いる活性炭ブロックは、前記の方法で得ら
れた炭素多孔体を酸化性ガスの存在下で賦活処理をして
得られる。処理温度は通常800ないし1200℃で行う。処
理温度が低すぎると賦活が充分に進行せず、比表面積の
小さなものしか得られないし、一方、処理温度が高すぎ
ると、発泡体炭化物に亀裂が入りやすくなり、好ましく
ない。
本発明でいう酸化性ガスとは、酸素含有気体、例え
ば、水蒸気、二酸化炭素、空気、酸素等をいうが、これ
らは通常操作しやすいように、不活性ガス、たとえば燃
焼ガス、N2ガス等との混合気体として用いる。酸化性ガ
スへの暴露時間は酸化性ガスの濃度、処理温度によって
左右されるが、目安としては、炭素多孔体の形状が損な
われない範囲とすることが必要である。
また、賦活は上記のガス賦活法以外の薬品賦活法、ま
たは、両者を併用する方法でもよい。薬品賦活法とは、
樹脂発泡体に塩化亜鉛、リン酸、硫化カリウム等の化学
薬品を添加してから、不活性ガス雰囲気で加熱して炭化
と賦活を同時に行う方法であり、上記ガス賦活法と薬品
賦活法の両者を併用する方法によっても賦活が行われ
る。
本発明で用いる活性炭 本発明で分極性電極として用いる活性炭ブロックは、
嵩密度が0.15g/cm3ないし0.70g/cm3、比表面積が700m2/
gないし2000m2/gのものである。この範囲の嵩密度を有
する活性炭ブロックは比表面積を大きくしても、強度が
高く、破損し難いという特徴がある。
また、本発明に係る活性炭ブロックは、実質的に連続
気泡構造を有するものであることが重要である。すなわ
ち、実質的に連続気泡構造を有する活性炭ブロックを分
極性電極として用いた場合は、電極の単位重量当りの容
積を大きくすることができるという、重要な技術的意義
を有するものとなる。さらに、カーボンマトリックスが
連続しているので歪むことがなく、また、高強度を有し
ている。したがって、電解液が容易に含浸でき、電気抵
抗が小さく、かつ、安定性にすぐれているという特徴が
ある。
なお、本発明において、実質的に連続気泡とは、真空
下(10-1torr以下)で活性炭ブロックに含浸された電解
液の容積が、理論的に求められる分極性電極の空間容積
に対し、容積比率で60%以上、好ましくは80%以上、さ
らに好ましくは90%以上のものをいう。
測定の際に用いられる電解液の種類としては、たとえ
ば、30重量%硫酸(密度1.215g/cc,25℃)、あるいはプ
ロピレンカーボネイトにテトラエチルアンモニウムの四
弗化ホウ酸塩10重量%を含有した電解液を使用する。
本発明において、連続気泡率は以下のようにして求め
た。
理論空間容積(VT)は、分極性電極の体積(V)と、
分極性電極の嵩密度(AD)と、活性炭の真密度(Dc)よ
り、下記の式によって算出される。
VT=(1−AD/Dc)×V ここで、活性炭の真密度の測定は、試料を乳鉢で粉砕
し乾燥後、トルエンを浸漬液に用い、ゲールサック温度
計付比重瓶を使用して測定した。
分極性電極に含浸された電解液の容積(VL)は、分極
性電極の含浸前重量(W1)と含浸後重量(W2)、および
電解液の密度(DL)より、下記の式によって算出され
る。
VL=(W2−W1)/DL したがって、連続気泡率は、 VL/VT×100%で算出される。
さらに、本発明の活性炭ブロックは、大型品の製造が
容易であるという特徴を有しており、このブロックを所
望の厚さ、または形状に切断して電気二重層キャパシタ
の分極性電極を製造する。
これに対して、活性炭繊維布を用いて大容量の分極性
電極を製造する場合は、布を積層しなければならず、こ
のため、面接触した各布および点接触した繊維同士で高
抵抗を招くうえ、電気抵抗が不安定になり、しかも、厚
さや形状が自由に調整することができないのに比べ、本
発明の分極性電極は、前記のごとく活性炭ブロックから
切り出すだけで、分極性電極の平面サイズが大きく、厚
さの厚い、高容量の電気二重層キャパシタを容易に得る
ことができるものである。
さらにまた、本発明の活性炭ブロックは、嵩密度が大
きく、高容量のキャパシタを製造する場合、分極性電極
の体積を小さくすることができ、その結果、キャパシタ
全体のサイズの小型化が可能になり、しかも、強度を有
する自立性分極性電極であることから、集電体は、本活
性炭ブロックに直接黒鉛板を面接触または、接着複合化
することにより、きわめて容易に設置することができ、
エネルギー貯蔵などの大容量キャパシタを安価に製造す
ることができるなど、その工業的価値は大きい。集電体
の材質としては、炭素質、黒鉛質、ガラス状のようなカ
ーボン材が使用される。
電気二重層キャパシタの製造 第2図は、本発明に係る活性炭ブロックを分極性電極
とした電気二重層キャパシタの一例を示すものであり、
前記のようにして得られた活性炭ブロックを発泡方向に
所定の厚さに切断し平滑にする。つぎに、たとえば、ポ
リプロピレン製の不織布をセパレーターとして、上記二
枚の分極性電極の間に挟み、さらに、これを不浸透製の
カーボンケースに挿入し、絶縁材を介して密封する。さ
らに、絶縁材の上下二か所に小孔を開け、この孔の一方
を塞ぎ他方の孔からカーボンケース内の脱気を十分に行
う。その後、一方の孔から電解液を注入して、分極性電
極およびカーボンケース内に電解液を充満させてから、
上下二か所の孔を塞ぐ。
電解液としては、通常キャパシタに用いられる電解
液、たとえば、プロピレンカーボネイトにテトラエチル
アンモニウムの四弗化ホウ酸塩を溶解させた溶液、およ
び硫酸などを使用することができる。
また、本発明においてカーボンケースとして用いる炭
素材料は、不浸透性黒鉛またはガラス質炭素である。
不浸透性黒鉛とは、炭素材料の焼成過程でのバインダ
ーの炭素化の際に生じた多数の微細な気孔に、主として
熱硬化性の合成樹脂を浸透させて、不浸透性としたもの
で、含浸基材には、炭素質、黒鉛質のいずれも用いるこ
とができるが、実用的には、導電性、加工性の点から、
人造黒鉛質を基材としたものを用いる。合成樹脂として
は、耐食性にすぐれると同時に比較的低粘度で、基材の
細孔への含浸性に適しており、かつ、十分な熱硬化性を
有したもの、たとえば、フェノール系合成樹脂、フラン
系合成樹脂、ビニルベンゼン樹脂が使用される。
ガラス状炭素とは、セルロースまたは熱硬化性樹脂を
成形、硬化した後、ゆるやかに加熱して炭素化して得ら
れるものであり、不浸透性黒鉛と比較して気体透過性は
低く気密性はよいが、高価である。
(実施例) 以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
実施例1 まず、レゾール(フェノール−ホルムアルデヒド樹脂
プレポリマー)100重量部、硬化剤としてのパラトルエ
ンスルホン酸10重量部、発泡剤としてのジクロロトリフ
ルオロエタン1重量部を高速ミキサーで充分に撹拌した
後、この混合物を金型内に流し込み、蓋をした後、80℃
のエアオーブン内に30分放置することにより、縦30cm、
横30cm、厚さ3cm、嵩密度0.4g/cm3の板状フェノール樹
脂発泡体を得た。
この成形板を縦20cm、横10cm、厚さ1cmに切断してか
らマッフル炉に入れ、窒素雰囲気下で昇温速度60℃/時
間で温度600℃まで昇温して加熱し、この温度を1時間
保持した後冷却して、縦16cm、横8cm、厚さ0.8cm、嵩密
度が0.39g/cm3の板状炭素多孔体を得た。
さらに、この板状炭素多孔体を灯油の燃焼ガス中で95
0℃まで昇温してから、燃焼ガス中に水蒸気を投入し、1
6時間保持した後冷却して活性炭ブロックを得た。
得られた活性炭ブロックの嵩密度、連続気泡率、強
度、比表面積を調べた。結果を第1表に示す。
*測定に使用した電解液;30重量%硫酸 次に、この活性炭ブロックを、該活性炭ブロックの気
泡方向が切断面と直角になるように、帯鋸で、縦7.5c
m、横2cm、厚さ0.5cmにそれぞ2枚切断後、切断面を紙
ヤスリで平滑に仕上げ、ポリプロピレン製不織布を介し
て対向させ、一対の分極性電極とした。
次にケースおよび集電性電極として、ガラス状炭素の
凹型板2枚を、上記一対の分極性電極の外側にそれぞれ
配し面接触させた。本ガラス状炭素の凹型板を両側から
プレスしながら、2枚のガラス状炭素の空間で分極性電
極の周囲をエポキシ樹脂系の接着剤を使用して密封し
た。
次に、この密封体に小孔を開け、この孔から上記分極
性電極を脱気してから、電解液としてプロピレンカーボ
ネイトにテトラエチルアンモニュウムの四弗化ホウ酸塩
10wt%を加え溶解させた溶液を注入し、注入完了後に本
小孔を接着剤で封止して、第2図に示す電気二重層キャ
パシタを製作した。
得られたキャパシタの容量を、50mAの一定電流で耐電
圧が3Vまで充放電を行い、容量および内部抵抗を測定し
た。内部抵抗は、一定電流で充電し、耐電圧が3Vに達し
た直後に放電を開始し、そのときの電圧降下から算出し
た。
結果を第2表に示す。
実施例2 集電性電極として不浸透性黒鉛を用いる以外は、実施
例1と同様にして電気二重層キャパシタを得、容量およ
び内部抵抗を測定した。結果を第2表に示す。
実施例3 分極性電極とガラス状炭素の接触面にカーボン接着剤
(ハイパーランダムC−631,昭和電工製)を塗布し、オ
ーブン内で100℃×2時間、150℃×2時間で硬化させた
後、窒素雰囲気下で800℃×1時間熱処理して接着部を
炭素質に変更した以外は実施例1と同様にして電気二重
層キャパシタを得、容量および内部抵抗を測定した。結
果を第2表に示す。
実施例4 電解液として30wt%の硫酸を使用し、耐電圧を1Vに変
更した以外は実施例1と同様にして電気二重層キャパシ
タを得、容量および内部抵抗を測定した。結果を第2表
に示す。
(発明の効果) 本発明によれば、分極性電極に、樹脂発泡体を炭化、
賦活した、特定の嵩密度と比表面積を有し、かつ実質的
に連続気泡である活性炭ブロックを使用したことによ
り、嵩密度および強度が大きな大型電極が容易に製造す
ることができ、したがって、単一セルで大容量の、しか
も構造が単純で安価なキャパシタを提供することができ
ることに加えて、使用する活性炭ブロックは、活性炭が
連続しているために電気抵抗が低く、強度が高いという
特徴があり、加工性もすぐれていることから各種形状の
分極性電極がきわめて容易に製造できるという特徴を併
せ有するものである。
とくに、キャパシタの形状を四角なものにすれば、設
置空間の容積効率が高くなり、エネルギー貯蔵用に有効
なものとなる。
また、本分極性電極と、ケースと集電性電極を兼ねた
不浸透なガラス状炭素または黒鉛に樹脂を含浸させて不
浸透化を行った不浸透性黒鉛の平板とを、セパレーター
を介して面接触させるだけで、電気二重層キャパシタの
単一セルが容易に組み立てられることから、単一セルを
シリーズに積層すれば、耐電圧の高いキャパシタが容易
に得られる。
さらに、素材として合成樹脂を使用しているために、
不純物の含有率が少なく、電気化学的にも不活性であ
る。このため、初期の特性を長期にわたって維持するこ
とができる。
かくのごとく、本発明によれば、エネルギー密度の高
い電気二重層キャパシタの製造が可能になったことか
ら、夜間電力貯蔵用としての大エネルギー貯蔵、さら
に、急速充放電、充放電の繰り返し回数が要求される電
気自動車用バッテリーの用途に対応できる電気二重層キ
ャパシタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の電気二重層キャパシタの一例を示す
断面図、 第2図は、従来の電気二重層キャパシタの断面図であ
る。 図中、 1:ステンレススチール層 2:アルミニウム層 3:分極性電極 4:アルミニウム層 5:ケース 6:セパレータ 7:ガスケット 8:カーボンケース 9:絶縁材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−199503(JP,A) 特開 昭60−149115(JP,A) 特開 昭62−292612(JP,A) 特開 昭64−7606(JP,A) 特開 昭62−130505(JP,A) 特開 昭64−46913(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/058 H01G 9/016

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂発泡体が炭化・賦活されてなり、嵩密
    度が0.15g/cm3ないし0.70g/cm3、比表面積が700m2/gな
    いし2000m2/gで、かつ、実質的に連続気泡を有する活性
    炭ブロックからなる分極性電極を、セパレータを介して
    対向させて素子とし、この素子と電解液とをカーボンケ
    ースに密着収納したことを特徴とする電気二重層キャパ
    シタ。
  2. 【請求項2】前記分極性電極を、セパレータを介して対
    向させて素子とし、この素子をカーボンケースに密着収
    納し絶縁材で密封した後、有機電解液を注入し、その後
    再び密封することに得られたものである請求項(1)記
    載の電気二重層キャパシタ。
  3. 【請求項3】前記カーボンケースが、不浸透性黒鉛から
    なるものである請求項(1)または(2)記載の電気二
    重層キャパシタ。
  4. 【請求項4】前記カーボンケースが、ガラス状炭素から
    なるものである請求項(1)または2記載の電気二重層
    キャパシタ。
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