JP3579340B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話などの携帯機器向けの非水電解液二次電池として、リチウムイオン二次電池が関係式品化されている。このリチウムイオン二次電池としては、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)のような活物質を含む正極と、黒鉛化物や炭素質物のような炭素系材料を含む負極との間にセパレータを介在した電極群を非水電解液と共に金属缶内に収納した構成のものが知られている。前記非水電解液には、特開平4−14769号公報に記載されているような低粘度、かつ低沸点の非水電解液、すなわち、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとγ−ブチロラクトンからなる混合溶媒を主体とし、γ−ブチロラクトンの比率が溶媒全体の10〜50体積%である非水溶媒にリチウム塩を溶解した非水電解液などが用いられている。
【0003】
現在、携帯機器の薄型化に伴って電池の軽量化並びに薄型化が要望されている。このため、電極群を収納する容器(外装材)として、金属缶の代わりにラミネートフィルムのようなフィルム材から形成された容器を使用したり、あるいは金属缶の肉厚を0.3mm以下にすることが検討されている。容器をフィルム材から形成することによって、金属缶に比べて容器を軽量にすることが可能になると共に、容器の壁の厚さ(肉厚)を薄くすることができるため、電池の軽量化及び薄型化を図ることが可能になる。
【0004】
しかしながら、前述した組成を有する低粘度の非水電解液を備える非水電解質二次電池は、負極に速やかに非水電解液が浸透するものの、初期充放電時に負極から多量のガスが発生しやすく、そのうえ60℃以上の高温に貯蔵した時に正極と非水電解液が反応して非水電解液の酸化分解が生じた際にもガス発生が起きやすい。このような二次電池において、外装材としてフィルム材を用いて形成された容器を使用すると、ガス発生により容器が膨れ、変形するという問題点を生じる。容器が変形すると、電池が電子機器に納まらなくなったり、あるいは電子機器の誤作動を招く恐れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
初期充放電時及び高温貯蔵時のガス発生を抑制するために高粘度な非水電解質を使用することが考えられているものの、このような非水電解質を備えた二次電池によると十分なサイクル寿命を得ることが困難になる。
【0006】
本発明の目的は、壁の厚さが0.25mm以下の容器のガス発生による膨れの問題が解消されると共に、充放電サイクル特性に優れる非水電解質二次電池を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非水電解質二次電池は、容器と、前記容器内に収納される正極と、前記容器内に収納され、かつ負極活物質を含有する負極と、前記容器内に収容される非水電解質とを具備した非水電解質二次電池において、
前記容器の壁の厚さは0.25mm以下で、
前記負極活物質は、粒子径5μm以下の粒子の存在比率が5体積%以下であると共にN2吸着によるBET比表面積が2〜50m2/gである黒鉛化物粒子を含有し、前記黒鉛化物粒子の表面には、B、O、Al及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素が存在し、かつ
前記非水電解質は、20℃での粘性が4cP以上の、電解質が溶解された非水溶媒を含むことを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る非水電解質二次電池は、容器と、前記容器内に収納される正極と、前記容器内に収納され、かつ負極活物質を含有する負極と、前記容器内に収容される非水電解質とを具備した非水電解質二次電池において、
前記容器の壁の厚さは0.25mm以下で、
前記負極活物質は、下記(1)式を満足する黒鉛化物粒子を含有し、前記黒鉛化物粒子の表面には、B、O、Al及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素が存在し、かつ
前記非水電解質は、20℃での粘性が4cP以上の、電解質が溶解された非水溶媒を含むことを特徴とするものである。
【0009】
0≦P/S≦2.5 (1)
但し、前記(1)において、前記Pは前記黒鉛化物粒子中の粒子径5μm以下の粒子の存在比率(体積%)で、前記Sは前記黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積(m/g)である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る非水電解質二次電池は、壁の厚さが0.25mm以下の容器と、前記容器内に収納され、正極と負極の間にセパレータを介在した電極群と、前記電極群に保持される非水電解質とを具備する。
【0011】
以下、正極、負極、セパレータ、非水電解質及び容器について説明する。
【0012】
1)正極
この正極は、正極集電体と、前記正極集電体片面もしくは両面に担持され、活物質及び結着剤を含む正極層とを有する。
【0013】
前記正極活物質としては、種々の酸化物、例えば二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウム含有鉄酸化物、リチウムを含むバナジウム酸化物や、二硫化チタン、二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物などを挙げることができる。中でも、リチウム含有コバルト酸化物(例えば、LiCoO)、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.2)、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn,LiMnO)を用いると、高電圧が得られるために好ましい。
【0014】
前記結着剤は、正極活物質同士を結着する機能並びに正極活物質と正極集電体を結着する機能を有する。かかる結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いることができる。後述する第1、第2の製造方法により正極、負極及びセパレータを一体化させる際には、前記結着剤として熱硬化性樹脂を使用することが望ましく、特に好ましいのはPVdFである。
【0015】
前記正極層は、さらに導電剤を含んでいてもよい。かかる導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
【0016】
正極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、正極活物質80〜95重量%、導電剤3〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
【0017】
前記正極層の厚さは、10〜150μmの範囲であることが望ましい。ここで、正極層の厚さとは、セパレータと対向する正極層表面と集電体と接する正極層表面との距離を意味する。なお、正極集電体の両面に正極層が担持されている場合、正極層の片面の厚さを10〜150μmにし、かつ正極活物質層の合計厚さを20〜300μmの範囲にすることが望ましい。正極層の厚さのより好ましい範囲は30〜100μmである。正極層の厚さを30〜100μmの範囲内にすることによって、大電流放電特性及びサイクル寿命を大幅に向上させることができる。
【0018】
集電体としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができる。これら導電性基板は、例えば、アルミニウム、ステンレス、またはニッケルから形成することができる。集電体の厚さは5〜20μmであることが望ましい。この範囲であると電極強度と軽量化のバランスがとれるからである。
【0019】
2)負極
この負極は、負極集電体と、前記負極集電体の片面もしくは両面に担持され、負極活物質を含む負極層とを有する。
【0020】
前記負極活物質は、黒鉛化物粒子を含む。
【0021】
前記黒鉛化物粒子には、以下に説明する黒鉛化物粒子(A)または黒鉛化物粒子(B)を使用することができる。
【0022】
黒鉛化物粒子(A)
この黒鉛化物粒子(A)は、粒子径5μm以下の粒子の存在比率が5体積%以下であると共に、N吸着によるBET比表面積が2〜50m/gである。
【0023】
粒子径が5μm以下の黒鉛化物粒子は、熱安定性が低く、初期充放電時のガス発生を招きやすく、かつ非水電解質の還元分解反応を誘発する。黒鉛化物粒子中の粒子径5μm以下の粒子の存在比率が5体積%を超えると、初期充放電時の負極からのガス発生量が多くなるために充放電効率が低下し、そのうえ非水電解質が還元分解されることから、放電容量及び充放電サイクル寿命が低下する。存在比率のより好ましい範囲は4.5体積%以下である。また、存在比率を0体積%にするのは、黒鉛化物粒子の作製が煩雑になり、製造コストの高騰を招く可能性があるため、存在比率は0.001体積%〜3体積%にすることがさらに好ましい。最も好ましい範囲は0.001体積%〜2体積%である。
【0024】
黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積を前記範囲に規定する理由を説明する。N吸着によるBET比表面積を2m/g未満にすると、黒鉛化物粒子表面における非水電解質の付着面積が不足して不均一反応を生じやすくなるため、充放電サイクル寿命が低下する。一方、N吸着によるBET比表面積が50m/gを超えると、非水電解質の還元分解反応と負極表面への不活性な被膜の形成が顕著に生じるため、充放電効率と放電容量が低下し、長寿命を得られなくなる。比表面積のより好ましい範囲は2m/g〜20m/gで、さらに好ましい範囲は2.5m/g〜10m/gで、最も好ましい範囲は3m/g〜10m/gである。
【0025】
黒鉛化物粒子(B)
この黒鉛化物粒子(B)は、下記(1)式を満足する。
【0026】
0≦P/S≦2.5 (1)
但し、前記(1)において、前記Pは前記黒鉛化物粒子中の粒子径5μm以下の粒子の存在比率(体積%)で、前記Sは前記黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積(m/g)である。
【0027】
P/Sの値を前記範囲に規定するのは次のような理由によるものである。P/Sが2.5を越えると、黒鉛化物粒子表面における非水電解質の付着面積が不足して不均一反応を生じやすくなる。また、初期充放電時の負極からのガス発生量が多くなるために充放電効率の低下を招きやすくなる。そのうえ、非水電解質の還元分解も生じやすくなる。従って、P/Sが2.5を超えると、高い放電容量及び優れた充放電サイクル寿命を得られ難くなる可能性がある。また、P/Sを0にするのは、黒鉛化物粒子の作製が煩雑になり、製造コストの高騰を招く可能性があるため、P/Sを0より大きく、2.5以下にすることがより望ましい。より好ましい範囲は、0.1≦P/S≦1である。
【0028】
前記存在比率Pは、0.001体積%〜5体積%の範囲内にすることが好ましい。存在比率Pが5体積%を超えると、非水電解質と黒鉛化物粒子との接触面積が低下して高容量と長寿命を得られなくなる恐れがある。存在比率Pのさらに好ましい範囲は、0.001体積%〜3体積%である。
【0029】
前記比表面積Sは、2m/g〜10m/gの範囲内にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。比表面積Sを2m/g未満にすると、非水電解質と黒鉛化物粒子との接触面積が低下して高容量と長寿命を得られなくなる恐れがある。一方、比表面積が10m/gを超えると、非水電解質の還元分解反応と負極表面への不活性な被膜の形成により長寿命を得られなくなる恐れがある。比表面積Sのさらに好ましい範囲は、3m/g〜8m/gである。
【0030】
前記黒鉛化物粒子(B)のうち、最も好ましいのは、前記(1)式を満足し、前記存在比率Pが0.001体積%〜5体積%で、かつ前記比表面積Sが2m/g〜10m/gの範囲内のものである。このような黒鉛化物粒子は、二次電池の放電容量及び充放電サイクル寿命を著しく向上することができる。
【0031】
前記黒鉛化物粒子(A)及び(B)は、以下に説明する特性をそれぞれ満足することが望ましい。
【0032】
黒鉛化物粒子(A)、(B)の表面には、B、O、Al及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素が存在していることが好ましい。
【0033】
表面に酸素原子が存在する黒鉛化物粒子(A)、(B)は、例えば、黒鉛化物粒子に酸素を含む雰囲気で熱処理を施して黒鉛化物粒子の表面を酸化することにより得られる。この酸化処理によると、黒鉛化物粒子の表面を粗面化することができるため、黒鉛化物粒子の粒径を小さくせずに比表面積を大きくすることが可能である。また、酸素原子を含有する官能基を黒鉛化物粒子の表面に結合させても良い。
【0034】
また、表面にB、Al及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素が存在する黒鉛化物粒子(A)、(B)は、例えば、ホウ素化合物(例えば、BC、B)の粒子、アルミナ粒子(Al)及び珪素化合物(例えば、SiO)粒子よりなる群から選択される少なくとも1種類からなる添加剤と、黒鉛化物粒子とを混合することにより得られる。この混合により、添加剤粒子は前記黒鉛化物粒子の表面に吸着される。
【0035】
一方、表面にホウ素原子が存在する黒鉛化物粒子(A)、(B)は、例えば、黒鉛化物粒子の前駆体とホウ素化合物(例えば、BC、B)の粒子とを混合し、熱処理により、ホウ素原子がドープもしくは固溶された黒鉛化物粒子を得る。
【0036】
黒鉛化物粒子(A)、(B)は、X線回折による(002)面の面間隔d002が0.337nmであることが好ましい。より好ましい面間隔d002は、0.336nm以下である。
【0037】
黒鉛化物粒子(A)、(B)の形状は、球状、粒状または繊維状にすることができる。黒鉛化物粒子(A)、(B)の形状は、例えば球状というように1種類に統一しても良いし、球状と粒状というように2種類以上の異なる形状の黒鉛化物粒子を混ぜて使用しても良い。このように負極層が、繊維状黒鉛化物粒子、球状黒鉛化物粒子及び粒状黒鉛化物粒子よりなる群から選ばれる1種類以上の黒鉛化物粒子を含むことによって、長期間に亘って負極の界面抵抗を低い値に維持することができるため、充放電サイクル寿命を向上することができる。
【0038】
また、黒鉛化物粒子(A)、(B)は、球状粒子、粒状粒子及び繊維状粒子よりなる群から選択される1種類以上の粒子と、鱗片状粒子とから構成しても良い。前記黒鉛化物粒子(A)、(B)中の鱗片状粒子の含有量は、50重量%以下にすることが好ましい。
【0039】
前記繊維状黒鉛化物の平均繊維長は、5〜200μmの範囲にすることが好ましい。さらに好ましい範囲は、10〜50μmである。
【0040】
前記繊維状黒鉛化物の平均繊維径は、0.1〜20μmの範囲にすることが好ましい。さらに好ましい範囲は、1〜15μmである。
【0041】
前記繊維状黒鉛化物の平均アスペクト比は、1.5〜200の範囲内にすることが好ましい。さらに好ましい範囲は、1.5〜50である。但し、アスペクト比は、繊維径に対する繊維長(繊維長/繊維径)の比である。
【0042】
前記球状黒鉛化物の平均粒径は、1〜100μmの範囲内にすることが好ましい。より好ましい範囲は、2〜40μmである。
【0043】
前記球状黒鉛化物の長径(major radius)に対する短径(minor radius)の比(短径/長径)は、1/10以上にすることが好ましい。より好ましい範囲は、1/2以上である。
【0044】
前記粒状黒鉛化物とは、長径(major radius)に対する短径(minor radius)の比(短径/長径)が1/100〜1の範囲内にある形状を有する黒鉛化物粉末を意味する。前記比のより好ましい範囲は、1/10〜1である。
【0045】
前記粒状黒鉛化物の平均粒径は、1〜100μmの範囲内にすることが好ましい。より好ましい範囲は、2〜50μmである。
【0046】
前記黒鉛化物粒子(A)、(B)は、例えば、以下に説明する方法で作製される。
【0047】
まず、メソフェーズピッチ小球体、メソフェーズピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、ピッチやコークスなどを原料とした粒状炭素、ピッチやコークスなどを原料とした球状炭素などの黒鉛化物前駆体に2000℃以上で熱処理を施すことにより黒鉛化物粒子を得るか、もしくは黒鉛化物粒子として造粒黒鉛を用意する。得られた黒鉛化物粒子に酸素ガスを含む雰囲気において熱処理を施すことにより黒鉛化物粒子の表面を粗くするか、もしくは機械的に黒鉛化物粒子の表面に粗面化処理を施す。これらの粗面化処理によると、粒子径を小さくせずに比表面積を大きくすることができる。また、球状、粒状及び繊維状の黒鉛化物粒子に対して前記粗面化処理を行うと、十分な効果を得ることができる。次いで、黒鉛化物粒子にサイクロンなどを用いて篩い分けをすることによって、黒鉛化物粒子(A)、(B)を得る。
【0048】
前記結着剤は、黒鉛化物粒子同士を結着する機能並びに黒鉛化物粒子と負極集電体を結着する機能を有する。かかる結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。後述する第1、第2の製造方法により正極、負極及びセパレータを一体化させる際には、前記結着剤として熱硬化性樹脂を使用することが望ましく、特に好ましいのはPVdFである。
【0049】
黒鉛化物及び結着剤の配合割合は、黒鉛化物90〜98重量%、結着剤2〜20重量%の範囲であることが好ましい。特に、負極中の黒鉛化物の含有量は、片面で10〜80g/mの範囲にすることが好ましい。また、充填密度は1.2〜1.5g/cmの範囲であることが望ましい。
【0050】
前記負極層の厚さは、10〜150μmの範囲であることが望ましい。ここで、負極層の厚さとは、セパレータと対向する負極層表面と集電体と接する負極層表面との距離を意味する。なお、負極集電体の両面に負極層が担持されている場合、負極層の片面の厚さを10〜150μmにし、かつ負極層の合計厚さを20〜300μmの範囲にすることが望ましい。負極層の厚さのより好ましい範囲は30〜100μmである。負極層の厚さを30〜100μmの範囲内にすることによって、大電流放電特性及びサイクル寿命を大幅に向上させることができる。
【0051】
集電体としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができる。これら導電性基板は、例えば、銅、ステンレス、またはニッケルから形成することができる。集電体の厚さは5〜20μmであることが望ましい。この範囲であると電極強度と軽量化のバランスが取れるからである。
【0052】
3)セパレータ
セパレータには多孔質セパレータを用いる。
【0053】
多孔質セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、またはポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、合成樹脂製不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレンか、あるいはポリプロピレン、または両者からなる多孔質フィルムは、二次電池の安全性を向上できるため、好ましい。
【0054】
セパレータの厚さは、5〜30μmの範囲内にすることが好ましい。より好ましい範囲は、10〜25μmである。
【0055】
セパレータは、120℃の条件で1時間放置したときの熱収縮率が20%以下であることが好ましい。熱収縮率は、15%以下にすることがより好ましい。
【0056】
セパレータは、多孔度が30〜70%の範囲であることが好ましい。多孔度のより好ましい範囲は、35〜70%である。
【0057】
前記セパレータは、空気透過率が500秒/100cm以下であることが好ましい。空気透過率は、100cmの空気が多孔質シートを透過するのに要した時間(秒)を意味する。空気透過率が500秒/100cmを越えると、セパレータにおいて高いリチウムイオン移動度を得ることが困難になる恐れがある。また、空気透過率の下限値は、30秒/100cmにすることが好ましい。空気透過率を30秒/100cm未満にすると、十分なセパレータ強度を得られなくなる恐れがあるからである。空気透過率の上限値は150秒/100cmにすることがより好ましい。また、下限値は50秒/100cmにすることがより好ましい。
【0058】
4)非水電解質
この非水電解質は、電解質が溶解された非水溶媒を含む。前記非水溶媒の20℃での粘性は、4cP以上である。かかる非水電解質としては、この非水溶媒からなる液状非水電解質、前記液状非水電解質と高分子材料を複合化したゲル状電解質を挙げることができる。
【0059】
電解質が溶解された非水溶媒の20℃での粘性を4cP未満にすると、非水電解質の高温環境下(60℃以上)での蒸気圧が高くなるため、初期充放電時及び高温環境下におけるガス発生量が多くなり、容器の膨れが大きくなる。20℃での粘性を4cP以上にすることによって、非水電解質の高温環境下(60℃以上)での蒸気圧を低くすることができるため、初期充放電時及び高温環境下におけるガス発生量が少なくなり、容器の膨れを抑制することができる。20℃での粘性のより好ましい範囲は、5cP以上である。
【0060】
前記非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート、γ−ブチロラクトン(BL)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネートを挙げることができる。中でも、γ−ブチロラクトンを一構成成分として含む非水溶媒が好ましい。このような非水溶媒を含有する非水電解質は、リチウムイオン伝導度及び高温環境下での安定性を向上することができる。特に、非水溶媒として、ECとBL、ECとPCとBL、ECとBLとVC、ECとPCとBLとVC、ECとDEC、ECとPCとDECの混合溶媒を使用することが望ましい。前記6種類の混合溶媒中のECの存在比率は、それぞれ、10〜50体積%の範囲内であることが好ましい。
【0061】
非水溶媒として、γ−ブチロラクトン(γBL)を含有するものを使用する際、非水溶媒中のγ−ブチロラクトン(γBL)の体積比率は、非水溶媒全体の50体積%以上にすることが好ましい。このような非水溶媒を備えた非水電解質は、熱安定性が高いため、電池の異常発熱を抑制して安全性をより向上することができる。γBLの体積比率を50体積%未満にすると、高温時のガス発生量が多くなるため、容器が膨れるのを抑制することが困難になる恐れがある。さらに、γBLと混合される溶媒が環状カーボネート(例えば、エチレンカーボネート)である場合、環状カーボネートの体積比率が相対的に高くなるため、溶媒粘度が高くなり、導電率が低下し、充放電サイクル特性と大電流放電特性が低下する。また、γBLの体積比率が95体積%を超えると、負極とγBLとの反応が生じて充放電サイクル特性と安全性が低下する恐れがあるため、非水溶媒中のγBLの体積比率は、50〜95体積%の範囲内にすることが好ましい。γBLの体積比率のより好ましい範囲は、55体積%以上75体積%以下である。この範囲であると高温貯蔵時のガス発生を抑制する効果がより高くなる。
【0062】
前記電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]などのリチウム塩が挙げられる。中でも、LiPF、LiBF、LiAsF、LiClOを用いるのが好ましい。
【0063】
電解質の非水溶媒に対する溶解量は、1〜3mol/Lとすることが望ましい。より好ましい範囲は、1.2〜2mol/Lである。
【0064】
前記ゲル状非水電解質は、例えば、非水溶媒に電解質を溶解させることにより20℃での粘性が4cP以上の液状非水電解質を調製した後、この液状非水電解質及び高分子を混合し、加熱処理を施してゲル化させることにより作製される。
【0065】
前記高分子としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリ塩化ビニル(PVC)およびポリアクリレート(PMMA)から選ばれる少なくとも1種類の高分子を用いることができる。前記非水電解質中の前記高分子の重量比率は、0.5〜20重量%の範囲内にすることが好ましい。
【0066】
非水電解質として液状のものを使用する際、液状非水電解質の量は、電池単位容量100mAh当たり0.2〜0.6gにすることが好ましい。液状非水電解質量のより好ましい範囲は、0.4〜0.55g/100mAhである。
【0067】
5)容器
容器の形状は、例えば、有底円筒形、有底角筒形、袋状等にすることができる。
【0068】
前記容器は、例えば、フィルム材、金属板等から形成することができる。
【0069】
金属板から作製された容器(金属缶)は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、ニッケルなどから形成することができる。
【0070】
容器を構成するフィルム材としては、例えば、金属フィルム、熱可塑性樹脂などの樹脂製フィルム、金属層と樹脂層を含む複合フィルム(例えば、可撓性を有する金属層の片面または両面を熱可塑性樹脂のような樹脂層で被覆した構成のラミネートフィルム)等を挙げることができる。中でも、ラミネートフィルムは、軽量で、強度が高く、かつ外部からの水分の侵入を防止することができるため、望ましい。
【0071】
前記金属フィルムは、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、ニッケルなどから形成することができる。
【0072】
前記複合フィルムを構成する樹脂層は、例えば、熱可塑性樹脂から形成することができる。かかる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンなどが挙げられる。前記樹脂層は、1種類の樹脂もしくは2種類以上の樹脂からそれぞれ形成することができる。
【0073】
前記複合フィルムの金属層は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、ニッケルなどから形成することができる。前記金属層は、1種類の金属もしくは2種類以上の金属から形成することができる。中でも、電池内部への水の侵入が防げるアルミニウムから形成することが望ましい。
【0074】
前記複合フィルムを用いて作製された容器の封止は、例えば、ヒートシールによりなされる。このため、容器の内面には、熱可塑性樹脂を配することが望ましい。前記熱可塑性樹脂の融点は、120℃以上、更に望ましくは140℃〜250℃の範囲にあるものが好ましい。前記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンなどが挙げられる。特に、融点が150℃以上のポリプロピレンを用いるのは、ヒートシール部の封止強度が高くなるため、望ましい。
【0075】
フィルム材及び金属板の厚さは、0.25mm以下である。フィルム材及び金属板の厚さが0.25mmを超えると、非水電解質二次電池の体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度の向上が阻害される。また、フィルム材及び金属板の厚さは、0.05mm以上、0.25mm以下にすることがより好ましい。フィルム材及び金属板の厚さを前記範囲にすることによって、容器の強度を確保することができると共に、非水電解質二次電池の体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度の向上を図ることが可能になる。特に望ましい厚さの範囲は0.05mm以上、0.2mm以下である。これにより、容器の強度を確保しつつ、電池の薄型化・軽量化を実現することができる。
【0076】
以下、本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法の一例について説明する。ただし本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法は、以下の形態に限定されるものではない。
【0077】
(第1の製造方法)
正極と負極の間にセパレータを介在させて偏平形状に捲回するか、もしくは正極及び負極をその間にセパレータを介在させながら1回以上折り曲げる。得られた偏平形状物を容器内に収納した後、加熱加圧を施すことにより、前記正極及び前記負極に含まれる結着剤を熱硬化させ、正極、負極並びにセパレータを一体化させる。前記容器内に液状非水電解質を注入した後、前記容器の開口部を封止することにより薄型非水電解質二次電池を組み立てる。
【0078】
前記加熱加圧は、30℃以上の高温の減圧雰囲気(真空を含む)又は常圧雰囲気において行い、かつ加える圧力を0.05kg/cm以上、30kg/cm以下にすることが好ましい。
【0079】
加熱加圧を行う雰囲気を、60℃〜100℃の減圧雰囲気(真空を含む)にすることによって、電極群の乾燥を併せて行うことができるため、好ましい。
【0080】
加熱加圧におけるより好ましい圧力は、0.01〜15kg/cmである。また、加熱加圧を行う雰囲気の温度は、60℃〜100℃の範囲内にすることがより望ましい。
【0081】
加圧法は、平板プレス、ロールプレスなどのプレス、あるいは所定厚さのホルダに挿入する等を採用することができる。
【0082】
(第2の製造方法)
正極と負極の間にセパレータを介在させて偏平形状に捲回するか、もしくは正極及び負極をその間にセパレータを介在させながら1回以上折り曲げる。得られた偏平形状物に加熱加圧を施すことにより、前記正極及び前記負極に含まれる結着剤を熱硬化させ、正極、負極並びにセパレータを一体化させる。前記電極群を容器内に収納し、前記容器内に液状非水電解質を注入した後、前記容器の開口部を封止することにより薄型非水電解質二次電池を組み立てる。
【0083】
加熱加圧は、前述した第1の製造方法で説明したのと同様な方法で行うことができる。
【0084】
(第3の製造方法)
正極及び負極の間にセパレータとして多孔質シートを介在させて電極群を作製する。容器内に前記電極群を収納する。溶媒に接着性を有する高分子を溶解させ、得られた溶液を前記容器内の電極群に注入し、前記溶液を前記電極群に含浸させる。次いで、前記容器に加熱加圧を施した後、前記容器内に液状非水電解質を注入し、前記容器の開口部を封止することにより薄型非水電解質二次電池を組み立てる。
【0085】
加熱加圧は、前述した第1の製造方法で説明したのと同様な方法で行うことができる。
【0086】
前記溶媒には、沸点が200℃以下の有機溶媒を用いることが望ましい。かかる有機溶媒としては、例えば、ジメチルフォルムアミド(沸点153℃)を挙げることができる。また、有機溶媒の沸点の下限値は、50℃にすることが好ましい。沸点の上限値は、180℃にすることがさらに好ましく、また、沸点の下限値は100℃にすることがさらに好ましい。
【0087】
前記溶液中の接着性を有する高分子の濃度は、0.05〜2.5重量%の範囲にすることが好ましい。濃度のより好ましい範囲は、0.1〜1.5重量%である。
【0088】
前記溶液の注入量は、前記溶液の接着性を有する高分子の濃度が0.1〜2.5重量%である場合、電池容量100mAh当たり0.1〜2mLの範囲にすることが好ましい。前記注入量のより好ましい範囲は、電池容量100mAh当たり0.15〜1mLである。
【0089】
前記第3の方法により製造された電池に含まれる接着性を有する高分子の総量は、電池容量100mAh当たり0.1〜6mgにすることが好ましい。接着牲を有する高分子の総量のより好ましい範囲は、電池容量100mAh当たり0.2〜1mgである。
【0090】
前述した第3の製造方法においては、接着性を有する高分子が溶解された溶液の注入を容器に電極群を収納してから行ったが、容器に収納せずに注入を行っても良い。この場合、まず、正極と負極の間にセパレータを介在させて電極群を作製する。前記電極群に前記溶液を含浸させた後、前述した第1の製造方法で説明したのと同様な条件で加熱加圧を施すことにより前記電極群を加熱乾燥させて前記溶液の溶媒を蒸発させ、所定厚さの電極群に成形する。このような電極群を容器に収納した後、液状非水電解質を注入し、封口等を行うことにより薄型の非水電解質二次電池を製造することができる。
【0091】
本発明に係る非水電解質二次電池の一例である薄型リチウムイオン二次電池を図1〜図2を参照して説明する。図1は本発明に係わる非水電解質二次電池の一例である薄型リチウムイオン二次電池を示す断面図、図2は図1のA部を示す拡大断面図である。
【0092】
図1に示すように、例えば樹脂層を含むフィルム材を袋状に加工した容器1内には、電極群2が収納されている。電極群2は、正極、セパレータ及び負極からなる積層物が偏平形状に捲回された構造を有する。Xは、前記容器1の壁の厚さ(肉厚)を示す。前記積層物は、図2の下側から、セパレータ3、正極層4と正極集電体5と正極層4を備えた正極6、セパレータ3、負極層7と負極集電体8と負極層7を備えた負極9、セパレータ3、正極層4と正極集電体5と正極層4を備えた正極6、セパレータ3、負極層7と負極集電体8を備えた負極9がこの順番に積層された構造を有する。前記電極群2の最外周は、負極集電体8が位置している。非水電解質は、容器1内に収容されている。帯状の正極リード10は、一端が電極群1の正極集電体5に接続され、かつ他端が容器1から延出されている。一方、帯状の負極リード11は、一端が電極群1の負極集電体8に接続され、かつ他端が容器1から延出されている。
【0093】
以上説明した本発明に係る第1の非水電解質二次電池は、容器と、前記容器内に収納される正極と、前記容器内に収納され、かつ負極活物質を含有する負極と、前記容器内に収容される非水電解質とを具備した非水電解質二次電池において、
前記容器の壁の厚さは0.25mm以下で、前記負極活物質は、粒子径5μm以下の粒子の存在比率が5体積%以下であると共にN吸着によるBET比表面積が2〜50m/gである黒鉛化物粒子を含有し、かつ前記非水電解質は、20℃での粘性が4cP以上の、電解質が溶解された非水溶媒を含むことを特徴とするものである。
【0094】
本発明によれば、初充放電時及び高温貯蔵時のガス発生が抑制されて容器の膨れが抑えられ、かつ放電容量及びサイクル寿命に優れる非水電解質二次電池を実現することができる。
【0095】
20℃での粘性が4cP以上の電解質溶解非水溶媒を含有する非水電解質は、60℃以上の高温環境下での蒸気圧を低くすることができるため、初充放電時及び高温環境下においてガスが発生するのを抑制することができ、容器が膨れて変形するのを抑えることができる。しかしながら、このような非水電解質は、負極への浸透速度が遅く、そのうえ表面張力が高いため、表面が滑らかな黒鉛材料とのなじみが悪く、非水電解質と負極との界面抵抗が大きくなり、負極表面にリチウム金属が析出し、サイクル寿命の低下を招く。黒鉛材料として粒子径が5μm以下の微粒子を使用すると、黒鉛材料の比表面積が大きくなり、黒鉛材料により多くの非水電解質を付着させることができるものの、粒子径が5μm以下の微粒子は、熱安定性に劣り、非水電解質を還元分解しやすく、そのうえ初期充放電時の負極からのガス発生量が多くなる。
【0096】
本願発明のように、粒子径5μm以下の粒子の存在比率が5体積%以下であると共にN吸着によるBET比表面積が2〜50m/gである黒鉛化物粒子を使用することによって、黒鉛化物粒子の熱安定性を確保し、かつ非水電解質の還元分解と初期充放電時の負極からのガス発生を抑制しつつ、黒鉛化物粒子表面に非水電解質を万遍なく分散させることができる。その結果、負極と非水電解質との界面抵抗を低くすることができるため、二次電池の放電容量とサイクル寿命を向上することができる。
【0097】
従って、本発明によれば、初期充放電時及び高温環境下での使用時におけるガス発生が少ないために薄型容器の使用が可能で、かつ放電容量及びサイクル寿命に優れる非水電解質二次電池を実現することができる。
【0098】
また、本発明に係る第2の非水電解質二次電池は、容器と、前記容器内に収納される正極と、前記容器内に収納され、かつ負極活物質を含有する負極と、前記容器内に収容される非水電解質とを具備した非水電解質二次電池において、
前記容器の壁の厚さは0.25mm以下で、前記負極活物質は、下記(1)式を満足する黒鉛化物粒子を含有し、かつ前記非水電解質は、20℃での粘性が4cP以上の、電解質が溶解された非水溶媒を含むことを特徴とするものである。
【0099】
0≦P/S≦2.5 (1)
但し、前記(1)において、前記Pは前記黒鉛化物粒子中の粒子径5μm以下の粒子の存在比率(体積%)で、前記Sは前記黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積(m/g)である。
【0100】
本発明によれば、初期充放電の負極からのガス発生と非水電解質の還元分解を最小限度に抑えつつ、黒鉛化物粒子と非水電解質の接触面積を高くして負極と非水電解質の界面インピーダンスを低くすることができる。その結果、二次電池の放電容量及び充放電サイクル寿命をより一層向上することができる。
【0101】
本発明に係る第1、第2の非水電解質二次電池において、前記黒鉛化物粒子の表面に、B、O、Al及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を存在させることによって、負極の非水電解質との濡れ性を高くすることができるため、負極と非水電解質との接触面積をより高くすることができる。その結果、負極での充放電反応が均一に進行するため、サイクル性能をさらに向上することができる。
【0102】
【実施例】
以下、本発明の実施例を前述した図面を参照して詳細に説明する。
【0103】
(実施例1)
<正極の作製>
組成がLiCoOで表されるリチウムコバルト酸化物粉末91重量%にアセチレンブラック2重量%と、グラファイト3重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)4重量%と、N−メチルピロリドン(NMP)溶液とを加えて混合し、スラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ10μmのアルミニウム箔の集電体に塗布し、乾燥後、プレスすることにより電極密度が3.0g/cmで、厚さ120μmの正極を得た。
【0104】
<負極の作製>
黒鉛化物として3000℃で熱処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維(平均繊維径が8μm、平均繊維長が20μm、X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3360nm)の粉末を空気フロー中で700℃で8時間熱処理することにより表面を酸化した後、サイクロンにて微粉を除去した。得られた繊維状黒鉛化物粒子の粒度分布をレーザ回折装置にて測定し、黒鉛化物粒子中の粒子径が5μm以下の粒子の存在比率を求め、その結果を下記表1に示す。また、前記黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積を測定し、その結果を下記表1に示す。さらに、存在比率P(体積%)と比表面積S(m/g)との関係式P/Sを求め、その結果を下記表1に示す。
【0105】
前記黒鉛化物粒子を93重量%と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)7重量%と、NMP溶液とを加えて混合し、スラリーを調製した。得られたスラリーを厚さが10μmの銅箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥し、プレスすることにより電極密度が1.40g/cmで、厚さが60μmの負極層が集電体の両面に担持された負極を作製した。したがって負極層の厚さの合計は120μmである。
【0106】
<偏平形状の電極群の作製>
厚さ27μm、多孔度50%、空気透過率90秒/100cmのポリエチレン製セパレータを用意した。上記正極と上記負極の間に前記セパレータを介在させて渦巻き状に捲回した後、偏平状に成形し、厚さ2.7mm、幅30mm、高さ50mmの偏平型電極群を作製した。
【0107】
<液状非水電解質の調製>
エチレンカーボネート(EC)とγ−ブチロラクトン(γBL)の混合溶媒(混合体積比率40:60)に四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)を1.5モル/L溶解して液状非水電解質を調製した。この液状非水電解質の20℃での粘性は、6cPであった。
【0108】
<電極群の成形>
アルミニウム箔の両面をポリプロピレンで覆った厚さ0.1mmのラミネートフィルムを用意し、これを袋状に成形し、容器とした。これに前記偏平形状の電極群を収納し、電池厚が2.7mmに固定されるように電池を90℃で1分間プレスした。このとき電極群にかかる圧力は20kg/cmであった。
【0109】
次いで、前記ラミネートフィルム内の電極群に80℃で真空乾燥を12時間施した。前記ラミネートフィルム内の電極群に前記液状非水電解質を2g注入し、前述した図1、2に示す構造を有し、厚さが2.7mm、幅が32mm、高さが55mmの薄型非水電解質二次電池を組み立てた。
【0110】
(実施例2)
球状コークスを3000℃で熱処理することにより平均粒径が10μmの球状黒鉛(X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3355nm)の粉末を得た。この球状黒鉛の粉末に空気下700℃で8時間熱処理を施すことにより表面を酸化した後、サイクロン処理にて微粉を除去し、球状黒鉛化物粒子を得た。得られた黒鉛化物粒子の粒度分布を前述した実施例1で説明したのと同様にして測定し、黒鉛化物粒子中の粒子径が5μm以下の粒子の存在比率を求め、その結果を下記表1に示す。また、前記黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積を測定し、その結果を下記表1に示す。さらに、存在比率P(体積%)と比表面積S(m/g)との関係式P/Sを求め、その結果を下記表1に示す。
【0111】
このような黒鉛化物粒子を用いること以外は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造した。
【0112】
(実施例3)
天然黒鉛を微粉砕し、造粒して得られた平均粒径が8μmの粒状黒鉛(X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3354nm)の粉末に空気下700℃で15時間熱処理を施すことにより表面を酸化した後、サイクロン処理にて微粉を除去し、粒状黒鉛化物粒子を得た。得られた黒鉛化物粒子の粒度分布を前述した実施例1で説明したのと同様にして測定し、黒鉛化物粒子中の粒子径が5μm以下の粒子の存在比率を求め、その結果を下記表1に示す。また、前記黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積を測定し、その結果を下記表1に示す。さらに、存在比率P(体積%)と比表面積S(m/g)との関係式P/Sを求め、その結果を下記表1に示す。
【0113】
このような黒鉛化物粒子を用いること以外は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造した。
【0114】
(実施例4)
メソフェーズ小球体を3000℃で熱処理した平均粒径15μmの球状黒鉛(X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3354nm)の粉末に空気下700℃で8時間熱処理を施すことにより表面を酸化した後、サイクロン処理にて微粉を除去し、球状黒鉛化物粒子を得た。得られた黒鉛化物粒子の粒度分布を前述した実施例1で説明したのと同様にして測定し、黒鉛化物粒子中の粒子径が5μm以下の粒子の存在比率を求め、その結果を下記表1に示す。また、前記黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積を測定し、その結果を下記表1に示す。さらに、存在比率P(体積%)と比表面積S(m/g)との関係式P/Sを求め、その結果を下記表1に示す。
【0115】
このような黒鉛化物粒子を用いること以外は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造した。
【0116】
(実施例5)
メソフェーズピッチ系炭素繊維の粉末に3000℃で熱処理を施すことにより繊維状黒鉛化物(平均繊維径が8μm、平均繊維長が15μm、X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3358nm)の粉末を得た。得られた粉末に空気下700℃で8時間熱処理を施すことにより表面を酸化した後、サイクロン処理にて微粉を除去し、繊維状黒鉛化物粒子を得た。得られた黒鉛化物粒子の粒度分布を前述した実施例1で説明したのと同様にして測定し、黒鉛化物粒子中の粒子径が5μm以下の粒子の存在比率を求め、その結果を下記表1に示す。また、前記黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積を測定し、その結果を下記表1に示す。さらに、存在比率P(体積%)と比表面積S(m/g)との関係式P/Sを求め、その結果を下記表1に示す。
【0117】
このような黒鉛化物粒子を用いること以外は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造した。
【0118】
(実施例6)
メソフェーズピッチ系炭素繊維の粉末に3000℃で熱処理を施すことにより繊維状黒鉛化物(平均繊維径が8μm、平均繊維長が25μm、X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3358nm)の粉末を得た。得られた粉末に空気下700℃で8時間熱処理を施すことにより表面を酸化した後、サイクロン処理にて微粉を除去し、繊維状黒鉛化物粒子を得た。得られた黒鉛化物粒子の粒度分布を前述した実施例1で説明したのと同様にして測定し、黒鉛化物粒子中の粒子径が5μm以下の粒子の存在比率を求め、その結果を下記表1に示す。また、前記黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積を測定し、その結果を下記表1に示す。さらに、存在比率P(体積%)と比表面積S(m/g)との関係式P/Sを求め、その結果を下記表1に示す。
【0119】
このような黒鉛化物粒子を用いること以外は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造した。
【0120】
(実施例7)
粉末を10重量%添加したメソフェーズピッチ系炭素繊維の粉末に3000℃で熱処理を施すことにより、ホウ素原子が固溶された繊維状黒鉛化物粒子(平均繊維径が8μm、平均繊維長が13μm、X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3354nm)を得た。この繊維状黒鉛化物粒子に空気下で800℃で3時間熱処理を施すことにより表面を酸化した後、サイクロン処理にて微粉を除去した。得られた黒鉛化物粒子の粒度分布を前述した実施例1で説明したのと同様にして測定し、黒鉛化物粒子中の粒子径が5μm以下の粒子の存在比率を求め、その結果を下記表1に示す。また、前記黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積を測定し、その結果を下記表1に示す。さらに、存在比率P(体積%)と比表面積S(m/g)との関係式P/Sを求め、その結果を下記表1に示す。
【0121】
このような黒鉛化物粒子を用いること以外は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造した。
【0122】
(実施例8)
粉末を10重量%添加したメソフェーズピッチ系炭素繊維の粉末に3000℃で熱処理を施すことにより、ホウ素原子が固溶された繊維状黒鉛化物粒子(平均繊維径が8μm、平均繊維長が13μm、X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3354nm)を得た。この繊維状黒鉛化物粒子に空気下で800℃で3時間熱処理を施すことにより表面を酸化した後、サイクロン処理にて微粉を除去した。得られた黒鉛化物粒子の粒度分布を前述した実施例1で説明したのと同様にして測定し、黒鉛化物粒子中の粒子径が5μm以下の粒子の存在比率を求め、その結果を下記表1に示す。また、前記黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積を測定し、その結果を下記表1に示す。さらに、存在比率P(体積%)と比表面積S(m/g)との関係式P/Sを求め、その結果を下記表1に示す。
【0123】
このような黒鉛化物粒子98重量%と平均粒径0.4μmのシリカ(SiO)粉末2重量%を混合し、得られた混合粉末93重量%と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)7重量%と、NMP溶液とを加えて混合し、スラリーを調製した。得られたスラリーを厚さが10μmの銅箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥し、プレスすることにより電極密度が1.35g/cmで、厚さが60μmの負極層が集電体の両面に担持された負極を作製した。したがって負極層の厚さの合計は120μmである。
【0124】
得られた負極を用いること以外は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造した。
【0125】
(実施例9)
シリカ(SiO)粉末の代わりに、平均粒径0.4μmのアルミナ(Al)粉末を用いること以外は、前述した実施例8と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造した。
【0126】
(実施例10)
黒鉛化物として3000℃で熱処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維(平均繊維径が8μm、平均繊維長が20μm、X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3360nm)の粉末を空気フロー中で700℃で8時間熱処理することにより表面を酸化し、繊維状黒鉛化物粒子を得た。この繊維状黒鉛化物粒子80重量%と平均粒径が6μmの鱗片状天然黒鉛(d002が0.3354nm)20重量%とを混合し、サイクロンにて微粉を除去し、混合黒鉛化物粒子を得た。
【0127】
得られた混合黒鉛化物粒子の粒度分布を前述した実施例1で説明したのと同様にして測定し、混合黒鉛化物粒子中の粒子径が5μm以下の粒子の存在比率を求め、その結果を下記表1に示す。また、前記混合黒鉛化物粒子のN吸着によるBET比表面積を測定し、その結果を下記表1に示す。さらに、存在比率P(体積%)と比表面積S(m/g)との関係式P/Sを求め、その結果を下記表1に示す。
【0128】
このような黒鉛化物粒子を用いること以外は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造した。
【0129】
(実施例11)
<ゲル状非水電解質の調製>
前述した実施例1で説明したのと同様な液状非水電解質と、ポリビニリデンフルオライドヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HEP)をテトラヒドロキシフラン(THF)に溶解して得た溶液とを混合させてペーストを調製した。得られたペーストを基板に塗布した後、乾燥させることにより薄膜を得た。
【0130】
<電極群の作製>
前述した実施例1で説明したのと同様な正極と前述した実施例1で説明したのと同様な負極をその間に前記薄膜を介して渦巻き状に捲回した後、偏平状に成形し、電極群を作製した。
【0131】
この電極群を前述した液状非水電解質に浸漬させ、減圧下で薄膜を可塑化させることにより正極と負極の間にゲル状非水電解質層が介在された電極群を得た。
【0132】
前述した実施例1で説明したのと同様なラミネートフィルムを袋状に成形し、これに前記電極群を収納し、厚さが2.7mm、幅が32mm、高さが55mmの薄型非水電解質二次電池を組み立てた。
【0133】
(比較例1)
5μm以下の微粒子の存在比率が6体積%となるように粉砕処理を施したメソフェーズピッチ系炭素繊維の粉末を3000℃で熱処理することにより、繊維状黒鉛化物(平均繊維径が8μm、平均繊維長が15μm、X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3358nm))の粉末を得た。得られた繊維状黒鉛化物を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして薄型非水電解質二次電池を組み立てた。
【0134】
(比較例2)
5μm以下の微粒子の存在比率が6体積%となるように粉砕処理を施した球状コークスを3000℃で熱処理することにより、平均粒子径が10μmの球状黒鉛(X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3355nm))の粉末を得た。この球状黒鉛を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして薄型非水電解質二次電池を組み立てた。
【0135】
(比較例3)
天然黒鉛を造粒して得られた平均粒径8μmの粒状黒鉛(X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3354nm))の粉末中の微粉を除去し、黒鉛粉末中の5μm以下の微粒子の存在比率を15体積%にした。このような黒鉛粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして薄型非水電解質二次電池を組み立てた。
【0136】
(比較例4)
平均粒径が10μmの天然黒鉛(X線回折による(002)面の面間隔(d002)が0.3354nm))の粉末中の微粉を除去し、黒鉛粉末中の5μm以下の微粒子の存在比率を15体積%にした。このような黒鉛粉末を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして薄型非水電解質二次電池を組み立てた。
【0137】
得られた実施例1〜11及び比較例1〜4の二次電池について、1Cで4.2Vまで2時間充電し、1Cで3Vまで放電する充放電サイクル試験を行い、初期容量と500サイクル後の容量維持率(初期容量を100%とする)を測定し、その結果を下記表1に示す。
【0138】
【表1】
Figure 0003579340
【0139】
表1から明らかなように、実施例1〜11の二次電池は、比較例1〜4の二次電池に比べて放電容量及び500サイクル後の容量維持率が高いことがわかる。
【0140】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、壁の厚さが0.25mm以下の容器を外装材として使用することが可能で、高容量で、かつ長寿命な非水電解質二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解質二次電池の一例である薄型リチウムイオン二次電池を示す断面図。
【図2】図2のA部を示す拡大断面図。
【符号の説明】
1…容器、
2…電極群、
3…セパレータ、
6…正極、
9…負極、
X…容器の厚さ。

Claims (8)

  1. 容器と、前記容器内に収納される正極と、前記容器内に収納され、かつ負極活物質を含有する負極と、前記容器内に収容される非水電解質とを具備した非水電解質二次電池において、
    前記容器の壁の厚さは0.25mm以下で、
    前記負極活物質は、粒子径5μm以下の粒子の存在比率が5体積%以下であると共にN2吸着によるBET比表面積が2〜50m2/gである黒鉛化物粒子を含有し、前記黒鉛化物粒子の表面には、B、O、Al及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素が存在し、かつ
    前記非水電解質は、20℃での粘性が4cP以上の、電解質が溶解された非水溶媒を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 容器と、前記容器内に収納される正極と、前記容器内に収納され、かつ負極活物質を含有する負極と、前記容器内に収容される非水電解質とを具備した非水電解質二次電池において、
    前記容器の壁の厚さは0.25mm以下で、
    前記負極活物質は、下記(1)式を満足する黒鉛化物粒子を含有し、前記黒鉛化物粒子の表面には、B、O、Al及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素が存在し、かつ
    前記非水電解質は、20℃での粘性が4cP以上の、電解質が溶解された非水溶媒を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
    0≦P/S≦2.5 (1)
    但し、前記(1)において、前記Pは前記黒鉛化物粒子中の粒子径5μm以下の粒子の存在比率(体積%)で、前記Sは前記黒鉛化物粒子のN2吸着によるBET比表面積(m2/g)である。
  3. 前記存在比率Pは、0.001体積%〜5体積%の範囲内であることを特徴とする請求項2記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記比表面積Sは、2m2/g〜10m2/gの範囲内であることを特徴とする請求項2または3記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記(P/S)は、0.1以上、1以下であることを特徴とする請求項2〜4いずれか1項記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記黒鉛化物粒子の形状には、球状、粒状及び繊維状よりなる群から選ばれる1種類以上の形態と、鱗片状が含まれることを特徴とする請求項1または請求項2記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記非水電解質は、液状あるいはゲル状の形態を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記黒鉛化物粒子の表面に粗面化処理が施されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の非水電解質二次電池。
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