JPH1140158A - リチウムイオン二次電池負極用炭素材料及びその負極用炭素材料を用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池負極用炭素材料及びその負極用炭素材料を用いたリチウムイオン二次電池

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JPH1140158A
JPH1140158A JP10126929A JP12692998A JPH1140158A JP H1140158 A JPH1140158 A JP H1140158A JP 10126929 A JP10126929 A JP 10126929A JP 12692998 A JP12692998 A JP 12692998A JP H1140158 A JPH1140158 A JP H1140158A
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JP
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carbon material
negative electrode
boron
silicon
secondary battery
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JP10126929A
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English (en)
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Haruo Sakakoshi
治雄 阪越
Akito Sasaki
章人 佐々木
Takahiro Tanaka
宇大 田中
Masayuki Ito
正之 伊藤
Tadashi Takeuchi
唯士 竹内
Hiroshi Okubo
博 大久保
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Toyo Tanso Co Ltd
Original Assignee
Toyo Tanso Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の黒鉛系,非晶質系それぞれの長所を同
時に生かしながら初期効率にも優れるものとし、またリ
チウム二次電池負極板としてのシート化時に組織構造的
に結晶子が配向し過ぎないようなものとして、リチウム
のドープ・脱ドープ容量の大幅な向上ひいては電池容量
の大幅な向上を可能にすると共に、サイクル特性を向上
させ、高性能電池の生産性向上にも貢献できるようなリ
チウム二次電池負極用炭素材料及びその負極用炭素材料
を用いたリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 本発明の負極用炭素材料は、原料炭素材
料にホウ素源及びケイ素源を添加した混合物を熱処理す
るか、又は原料炭素材料を先に熱処理した後、ホウ素源
及びケイ素源をCVD法又はCVR法を利用して添加し
て、炭素材にホウ素(より好ましくはホウ素換算で1〜
20重量%)及びケイ素(より好ましくはケイ素換算で
0.01〜20重量%)が混在されてなることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオンを
ドープ・脱ドープするリチウムイオン二次電池負極用炭
素材料及びその負極用炭素材料を用いたリチウムイオン
二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電気・電子機器の小型化,軽量化
に伴い、小型軽量で高エネルギー密度の二次電池の開発
が急がれている。かかる開発の成果の一環として、特に
LiCoO2 等を正極活物質とし、負極に炭素材料を用
いたリチウムイオン二次電池(以下単に「リチウム二次
電池」という。)が注目され、このリチウム二次電池の
小型・軽量化を実現させるために、特に新規で有用な負
極用炭素材料の探索が進められている。
【0003】これまでに提案されたリチウム二次電池負
極用炭素材料を結晶組織的な面から把握すると、いわゆ
る黒鉛系のものと非晶質系のものに大別することができ
る。黒鉛系のものを負極用炭素材料として用いた場合、
初期サイクルにおける不可逆容量が小さい,放電電位が
平坦である,密度が大きいため高容量である,等の長所
を有している。その反面、サイクル特性・急速充電性に
劣る傾向がある,放電電位が平坦であるがゆえに残存容
量の表示が難しい,等の短所も併せ持っている。
【0004】一方、非晶質系のものを負極用炭素材料と
して用いた場合、サイクル特性が良い,電池の残存容量
表示が可能である,理論容量を超えた電池が製作できる
可能性がある,等の長所を有している。その反面、初期
サイクルにおける不可逆容量が大きい,放電電位が変化
する,非晶質であるがゆえに製造時の微妙な変化が大き
く影響してバラツキを大きくする,等の短所も併せ持っ
ている。
【0005】本発明者らも、かねてより非水電解液二次
電池の研究を進めており、その一環として、小型軽量で
高エネルギー密度のリチウム二次電池負極用材料として
有効な炭素材料を開発した。この炭素材料は、適量のホ
ウ素物質又はホウ素化合物を添加して一旦ブロックに成
形した後、熱処理し、熱処理後のブロック材に適切な粉
砕制御を施せば、従来の黒鉛系,非晶質系それぞれの長
所を同時に生かしつつ、かつそれぞれの短所を同時に解
消し得る方向での性能改善が期待できるようなリチウム
二次電池負極用炭素材料が得られるとの知見を基に開発
された炭素材料であり、その技術的意義が認められたの
で先に特許出願している(特願平8−137491
号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
許出願に係る炭素材料を用いたリチウム二次電池として
の使用の結果、さらに改善すべき点も明らかとなってき
た。具体的には、次に要約する事項(〜)である。 ホウ素(黒鉛化触媒)の添加による黒鉛化の促進によ
り時には結晶化が進み過ぎ、さらにリチウム二次電池負
極板を製作する際のシート化時に結晶子が配向し過ぎる
ことが原因で、リチウムのドープ・脱ドープ容量の向上
にブレーキとなっていること。 特に1.3V〔vsLi/Li+ 〕以降においてなだら
かな放電曲線を示し過放電特性に優れるものの、初期効
率の面では未だ十分とは言えないこと。 サイクル特性の改善が十分でないこと。 上記に関連して、結晶化の進み過ぎが、濡れ性の低
下を助長することになり、その分シート化が困難とな
り、集電体である銅箔との密着性が不良となり、電池性
能の低下のみならず電池の生産性の低下にもつながるこ
と。
【0007】本発明はこうした状況の下になされたもの
であり、第1の目的は、リチウムのドープ・脱ドープ容
量の大幅な向上ひいては電池容量の大幅な向上を可能に
し、初期効率にも優れるものにするとともに、サイクル
特性を飛躍的に向上させるリチウム二次電池負極用炭素
材料及びその負極用炭素材料を用いたリチウム二次電池
を提供することにある。第2の目的は、リチウム二次電
池負極板としてのシート化時に組織構造的に結晶子が配
向し過ぎないようなものとして、集電体である銅箔との
間の密着性も良好なものとして高性能電池の生産性向上
にも貢献できるようなリチウム二次電池負極用炭素材料
及びその負極用炭素材料を用いたリチウム二次電池を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意実験検討を重ねた結果、ホウ素と共に
ケイ素を炭素材料に含有させることが、前記課題の解
決、特に上述の改善すべき点として掲げた要約事項の
〜の解消に非常に有効であること等を見い出し、これ
らの知見を基にさらに検討を続け、本発明を完成させた
ものである。さらに、本発明者らは、上述のの要改善
事項(銅箔との密着性の低下)の問題を解消すべく、い
わゆる銅箔との濡れ性改善策として有効な手段を見い出
すための検討をあらゆる角度から行った結果、複数の手
段を見い出し、さらに検討を重ねた末、本発明に到達し
たものである。
【0009】即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明
のリチウム二次電池負極用炭素材料は、ホウ素及びケイ
素を含有してなる。このような炭素材料であれば、従来
の黒鉛系、非晶質系それぞれの長所を同時に生かすこと
により、サイクル特性及び初期効率に優れるとともに、
シート化時に組織構造的に結晶子が配向し過ぎないよう
なものとして、リチウムのドープ・脱ドープ容量の大幅
な向上ひいては電池容量の大幅な向上を実現することの
できるリチウム二次電池負極用炭素材料とすることがで
きる。
【0010】また、請求項2記載の発明は、請求項1に
記載の発明の構成のうち、ホウ素元素の含有量が1〜2
0重量%である。好ましくは、ホウ素元素の含有量が1
〜5重量%である。これにより、請求項1記載の発明の
効果を確実、顕著なものとすることができる。
【0011】また、請求項3記載の発明は、請求項1に
記載の発明の構成のうち、ホウ素元素の含有量が1〜2
0重量%であり、かつケイ素元素の含有量が0.01〜
20重量%である。好ましくは、ホウ素元素の含有量が
1〜5重量%であり、かつケイ素元素の含有量が0.0
1〜5重量%である。これにより、請求項1記載の発明
の効果を一層確実、顕著なものとすることができる。
【0012】また、請求項4記載の発明は、請求項1〜
3のいずれか一項に記載の負極用炭素材料が、ホウ素又
はホウ素化合物及びケイ素又はケイ素化合物を含有する
炭素材を熱処理し、粒度調整した炭素粉末からなること
を特徴とする。これにより、請求項1〜3のいずれか一
項に記載の発明の効果に加えて、特性面でのバラツキが
小さいリチウム二次電池負極用炭素材料とすることがで
きる。
【0013】また、請求項5記載の発明は、請求項4に
記載の発明の構成のうち、炭素材が炭素成形体であるこ
とを特徴とする。これにより、請求項4に記載の発明の
効果を一層確実,顕著なものとすることができる。
【0014】また、請求項6記載の発明は、請求項4又
は請求項5に記載の発明の構成のうち、ホウ素化合物が
ホウ素酸化物であることを特徴とする。これにより、熱
処理過程での適度の酸化により、微細な気孔が形成さ
れ、リチウムのドープ・脱ドープ効果をより高め得る組
織構造を有する炭素材が得られる利点がある。従って、
請求項4又は請求項5に記載の発明の効果に加えて、さ
らに高容量化を可能とするリチウム二次電池が得られる
ようなリチウム二次電池負極用炭素材料とすることがで
きる。
【0015】また、請求項7記載の発明は、請求項4〜
6のいずれか一項に記載の発明の構成のうち、ケイ素化
合物がケイ素酸化物であることを特徴とする。これによ
り、ホウ素酸化物を添加した場合と同様の作用効果、即
ち熱処理過程での適度の酸化により、微細な気孔が形成
されてリチウムのドープ・脱ドープ効果をより一層高め
得る組織構造を有する炭素材が得られる利点がある。従
って、請求項4〜7のいずれか一項に記載の発明の効果
に加えて、より一層の高容量化を可能とするリチウム二
次電池が得られるようなリチウム二次電池負極用炭素材
料とすることができる。
【0016】また、請求項8記載の発明は、請求項4〜
7のいずれか一項に記載の発明の構成のうち、熱処理に
おける最終的な温度条件が、2400℃以上であること
を特徴とする。これにより、請求項4〜8のいずれか一
項に記載の発明の効果に加えて、特にホウ素の炭素六角
網平面内での置換反応による一種の欠陥構造部の形成に
よって、その分リチウムのドープ・脱ドープ効果をより
一層高め得るリチウム二次電池負極用炭素材料とするこ
とができる。
【0017】また、請求項9記載の発明は、請求項1〜
3のいずれか一項に記載の発明の構成のうち、負極用炭
素材料中に含有されるホウ素及びケイ素が、CVD法又
はCVR法により炭素材にとり込まれたものであること
を特徴とする。これにより、特に表面層にホウ素やケイ
素が多く分布した炭素材が得られるので、さらに初期サ
イクルにおける不可逆容量を低減できる効果がある。そ
の場合、ホウ素及びケイ素がとり込まれる炭素材として
黒鉛化炭素材又は黒鉛を採用した場合(請求項10記載
の発明)には、黒鉛化炭素材や黒鉛(天然黒鉛や人造黒
鉛等)自体の高結晶化構造に由来する電位平坦性,高容
量という特性も加味され、その分、より性能の優れた電
池が製造できるという付加的効果が得られる。
【0018】また、上記の場合(請求項9又は請求項1
0に記載の発明)において、CVD法又はCVR法の対
象となる原料としてのホウ素源として、ホウ素酸化物又
はホウ素ハロゲン化物を採用した場合(請求項11記載
の発明)や、ケイ素源として、ケイ素酸化物又はケイ素
ハロゲン化物を採用した場合(請求項12記載の発明)
は、純度の高いホウ素やケイ素が得られると共に、CV
D又はCVR処理過程において酸素又はハロゲンによる
適度の侵食により微細な気孔が形成され、結果としてリ
チウムのドープ・脱ドープ容量の一層の向上が期待でき
るリチウム二次電池負極用炭素材料とすることができ
る。
【0019】また、請求項13記載の発明は、請求項1
〜12のいずれか一項に記載のリチウム二次電池負極用
炭素材料として、特に1.3V〔vsLi/Li+ 〕以上
での放電容量が、0〜0.25V〔vsLi/Li+ 〕ま
での放電容量の1%以上に相当するような放電特性を有
するものに限定することを特徴とする。これにより、請
求項1〜12のいずれか一項に記載の発明の効果に加え
て、黒鉛系材料の欠点の一つである過放電に弱い点が解
消されたリチウム二次電池負極用炭素材料とすることが
できる。
【0020】また、請求項14記載の発明は、ホウ素元
素及びケイ素元素を含有し、下記の〜の少なくとも
一つが施されたリチウムイオン二次電池負極用炭素材料
である。 ホウ素元素及びケイ素元素を含有させた炭素材にピ
ッチ又は樹脂を含浸又はコートして焼成したのち、粉砕
して炭素粉末にすること。 ホウ素元素及びケイ素元素を含有させた炭素粉末
を、粉体嵩密度が0.5(g/cm3 )以上、且つ吸油
量が100(ml/100g)以下に調整すること。 ホウ素元素及びケイ素元素を含有させた炭素粉末に
リン酸を添加したのち熱処理すること。
【0021】ホウ素元素及びケイ素元素を含有させた炭
素材にを施すと、ホウ素元素及びケイ素元素を含有に
よる良好な特性を維持しながら、特性面でのバラツキが
小さく、さらにピッチ等の含浸及び焼成という比較的簡
単な工程を付加することにより、黒鉛化材の表面に結果
としていわゆるアモルファス層を形成させることがで
き、銅箔との間の濡れ性を改善し、密着性を良好なもの
として高性能電池の生産性の向上が期待できる負極用炭
素材料とすることができる。ここで、炭素材は粉末状ま
たはブッロク状であってもよい。
【0022】なお、CVD法又はCVR法によりホウ素
元素及びケイ素元素を含ませる場合には、ブロック状炭
素材にCVD法又はCVR法を施し、その後、ピッチ又
は樹脂含浸して焼成することが好ましい。
【0023】ホウ素元素及びケイ素元素を含有させた炭
素粉末の粉体特性を、のように調整すると、ホウ素元
素及びケイ素元素を含有による良好な特性を維持しなが
ら、さらにシート化時の充填活物質量を増加することが
できると共に、集電体である銅箔との密着性に優れたも
のとすることができる。粉体特性としてさらに、5μm
≦10%D≦20μm,10μm≦50%D≦35μ
m、30μm≦90%D≦65μmからなる粒度分布と
することが好ましい。このような炭素材料であれば、シ
ート化時の活物質充填量の増大効果及び銅箔との密着性
改善をより顕著なものとすることができると共に、安全
面でも優れたものとすることができる。
【0024】また、ホウ素元素及びケイ素元素を含有さ
せた炭素粉末にを施すと、ホウ素元素及びケイ素元素
含有による良好な特性を維持しながら、リン酸により黒
鉛の表面が湿式酸化される結果、表面に付着していた微
粉が除去されて表面がより平滑化されると共に、表面に
は新たに微細孔が形成される。従って、バインダーの添
加量を少な目にしながらも、銅箔との密着性を向上する
ことができる。
【0025】上記〜の処理は重ねることができる。
例えば、処理を施した炭素粉末に、処理の粒度調整
を施し、更に処理のリン酸添加を施すことができる。
また、処理の粒度調整を施し、加えて処理のリン酸
添加を施すことができる。なお、炭素粉末にした後、C
VD法又はCVR法によりホウ素元素及びケイ素元素を
含ませる場合には、と処理の少なくとも一つを施す
ことが好ましい。なお、上記〜の処理は、ホウ素元
素及びケイ素元素を含有させた炭素粉末だけに限らず、
ホウ素元素だけを含有させた炭素粉末にも適用可能であ
る。
【0026】さらに、請求項15記載の発明のリチウム
二次電池は、請求項1〜14のいずれか一項に記載の負
極用炭素材料を負極活物質として用いてなることを特徴
とする。このようなリチウム二次電池であれば、従来の
黒鉛系,非晶質系それぞれの長所を同時に生かしなが
ら、シート化時に組織構造的に結晶子が配向し過ぎない
ようなものとして、リチウムのドープ・脱ドープ容量の
大幅な向上ひいては電池容量の大幅な向上を可能にする
と共に、サイクル特性及び初期効率にも優れるものと
し、銅箔との間の密着性も良好なものとして高性能電池
の生産性向上にも貢献できるようなリチウム二次電池と
することができる。
【0027】以下、本発明の負極用炭素材料を、種々の
製法例に基づき詳細に説明する。 (1)まず、基本的な製法例としては、必要に応じて粒
度調整したピッチコークス、石油系コークス、黒鉛等の
原料炭素材料に、ホウ素又はホウ素化合物とケイ素又は
ケイ素化合物を添加混合する。これを、例えば黒鉛ルツ
ボ等に詰めて熱処理する。熱処理温度は、最終的に24
00℃以上とする。得られた熱処理済みの炭素材を、所
定の粉砕,分級等の処理により必要な粒度に調整して、
所望のリチウム二次電池負極用炭素材料を得る。なお、
添加したホウ素は炭素材料中で炭素ホウ素として存在
し、添加したケイ素は炭素材料中に炭化ケイ素として存
在することが確認された。
【0028】上記製法において、使用可能な炭素材料
は、上記以外に、カーボンブラック、生コークス等の他
ピッチ、合成樹脂等が挙げられ、特に制限はないが、熱
処理時の重量減少があまり著しくないものが望ましい。
【0029】B(ホウ素)以外の添加可能なホウ素化合
物としては、B4 C,BN,B2 3 ,B4 5 ,H3
BO3 等が挙げられる。このうち、B2 3 ,B4 5
もしくはH3 BO3 等のホウ素酸化物を使用すれば、熱
処理過程で適度の酸化反応により、微細な気孔が形成さ
れ、リチウムのドープ・脱ドープ効果をより高め得る結
晶組織を有する炭素材が得られる利点がある。また、ホ
ウ素又はホウ素化合物の添加は、熱処理後の炭素材料に
おけるホウ素元素としての存在比が1〜20重量%の範
囲内に収まるような添加量であることが望ましい。1重
量%未満では、黒鉛化の促進が期待できにくくなるから
であり、一方20重量%を超えると、熱処理後の黒鉛化
炭素材料に多量の炭化ホウ素が混在するようになり、そ
の炭化ホウ素によるマイナスの影響分だけホウ素添加に
よるメリットが相殺され、電池の性能の向上が期待でき
にくくなるからである。なお、より好ましいホウ素又は
ホウ素化合物の添加は、熱処理後の炭素材料におけるホ
ウ素元素としての存在比が1重量%以上、5重量%未満
である。
【0030】また、Si(ケイ素)以外の添加可能なケ
イ素化合物としては、SiC,SiO,SiO2 等が挙
げられる。このうち、SiO,SiO2 等のケイ素酸化
物を使用すれば、ホウ素酸化物の添加の場合と同様の効
果、即ち熱処理過程で適度の酸化反応により、微細な気
孔が形成され、リチウムのドープ・脱ドープ効果をより
高め得る結晶組織に転化する効果が得られる。そして、
ケイ素又はケイ素化合物の添加は、熱処理後の炭素材料
におけるケイ素元素としての存在比が0.01〜20重
量%の範囲内に収まるような添加量であることが望まし
い。0.01重量%未満では、ケイ素添加の効果、即ち
サイクル特性及び初期効率の改善が期待できにくくなる
からであり、一方20重量%を超えると、熱処理後の炭
素材料に多量の炭化ケイ素が混在するようになり、炭化
ホウ素と同様、その炭化ケイ素によるマイナスの影響分
だけケイ素添加によるメリットが相殺され、電池性能の
向上が期待できにくくなるからである。なお、より好ま
しいケイ素又はケイ素化合物の添加は、熱処理後の炭素
材料におけるケイ素元素としての存在比が0.01重量
%以上、5重量%未満である。
【0031】また、最終の熱処理温度として2400℃
以上を条件としたのは、2400℃以下では、ホウ素の
炭素六角網平面内でホウ素の拡散が起こりにくいからで
ある。
【0032】(2)さらに、本発明の他の製法例を挙げ
れば、次のとおりである。まず、必要に応じて粒度調整
した種々のコークスや人造黒鉛等を骨材とし、これにピ
ッチ等のバインダーとホウ素又はホウ素化合物(熱処理
後のホウ素換算で1〜20重量%)とケイ素又はケイ素
化合物(熱処理後のケイ素換算で0.01〜20重量
%)を添加した後、混練する。得られた混練物を必要に
応じて粒度調整した後、冷間静水圧成形法(CIP法)
等により適当なブロックに成形し、このブロックを還元
性雰囲気又は不活性ガス雰囲気の下で2400℃以上の
温度で熱処理し、さらに所定の粉砕,分級等の処理によ
り粒度調整して、所望のリチウム二次電池負極用炭素材
料を得ることが望ましい。このように予めブロック化し
た後、熱処理して粒度調整することにより、特性面での
バラツキが小さい炭素材料を安定してかつ効率良く得ら
れるからである。
【0033】上記の製法において、骨材としてはピッチ
コークス、石油コークス、生ピッチコークス、生石油コ
ークス等の種々のコークスをはじめ、カーボンブラッ
ク、人造黒鉛、天然黒鉛等を挙げることができ、特に制
限はない。またバインダーとしては、ピッチ、合成樹脂
等が挙げられ、特に制限はないが、熱処理時の重量減少
があまり著しくないものが望ましい。また、ホウ素又は
ホウ素化合物及びケイ素又はケイ素化合物の添加は、混
練工程の段階に限られず、成形前であれば後から混練物
に添加するようにしてもよい。
【0034】さらに、熱処理時の雰囲気としての還元性
雰囲気また不活性ガス雰囲気の形成に際しては、二次電
池負極用炭素材料にマイナスの影響を及ぼさない限り、
その形成手段に制限はない。例えば、その雰囲気をバイ
ンダーピッチから発生するガス、あるいはアルゴンガ
ス、ヘリウムガス等で形成することが可能である。
【0035】(3)また、炭素材料にホウ素及びケイ素
を混在させる方法としては、CVR法又はCVD法を利
用することができる。この場合、炭素材料は成形体であ
っても粉体であってもかまわない。CVR処理やCVD
処理によりとり込まれたホウ素及びケイ素を有する炭素
材料では、特に表面層にこれらのホウ素、ケイ素が多く
分布することとなり、これを負極用炭素材料とした場
合、初期サイクルにおける不可逆容量を低減できる効果
が得られる。また、ホウ素及びケイ素がとり込まれる炭
素材料としては、電池特性の面から黒鉛質のものである
ことが望ましい。特に高結晶化した黒鉛化炭素材や黒鉛
(天然黒鉛,人造黒鉛等)を使用した場合は、その高結
晶化構造に由来する電位平坦性,高容量という特性も加
味され、その分より性能の優れた電池が製造できるとい
う付加的効果が得られる。
【0036】上記のCVR法又はCVD法を利用してホ
ウ素を混在させる場合は、ホウ素源としてB4 C、B2
3 、BCl3 等を使用して行うことができる。この
際、B 2 3 、BCl3 等のホウ素酸化物又はホウ素ハ
ロゲン化物を使用した場合、炭素材料が酸素又はハロゲ
ンによる適度の侵食を受けて微細な気孔が形成され、リ
チウムのドープ・脱ドープ効果をより高め得る構造とす
ることができる。
【0037】また、CVR法又はCVD法を利用してケ
イ素を混在させる場合は、ケイ素源としてSiO、Si
2 、SiCl4 、SiH4 等を使用して行うことがで
きる。この際、SiO、SiCl4 等のケイ素酸化物又
はケイ素ハロゲン化物を使用した場合、炭素材料が酸素
又はハロゲンによる適度の侵食を受けて微細な気孔が形
成され、リチウムのドープ・脱ドープ効果をより高め得
る構造とすることができる。
【0038】(4)次に、本発明の負極用炭素材料は、
集電体である銅箔との密着性も良好で、電池の生産性及
び電池性能の一層の向上も可能にしうるものである。前
述したように本発明の負極用炭素材料は、基本的に適量
のホウ素を含有した炭素材料の改良材ではあるが、同時
にホウ素を含有することによる特有のマイナス要因も包
含した改良材とも言える。即ち、黒鉛化触媒でもあるホ
ウ素の添加によりどうしても結晶化が進み過ぎる傾向に
あり、濡れ性の低下が避けにくい改良材でもある。
【0039】また、原料炭素材が最終的に黒鉛化処理さ
れた黒鉛化炭素材は、粉砕・分級により最終的に粒度調
整されて製品化されるわけであるが、(a) 粒度調整が濡
れ性を考慮した基準で選別されていないために、粒度調
整後の所定範囲内の粒子群(製品)には、現実に濡れ性
の良くないものも多く含まれている。また、(b) 粒度調
整後の粒子の形状はミクロ的に観察すると、平滑でなく
て粗い状態にあり、しかもその表面には、分級ではとり
除けない微細粒子が付着していることも多く、これも銅
箔との濡れ性を悪くしている原因である。
【0040】上記のように濡れ性の低下が目立つように
なると、その分シート化が困難となり、銅箔との密着性
が不良となりリチウム二次電池としての性能の低下のみ
ならず、電池の生産性の低下にもつながるという新たな
問題が浮上する。そこで、この問題を改善するためのい
くつかの有効な手法につき、以下説明する。
【0041】まず、第1の手段として結晶化度の高い
黒鉛化炭素粉体には、その表面にアモルファス層を形成
する手段が有効である。例えば、予めホウ素及びケイ素
を含有した炭素材(ブロック材も含めて)を黒鉛化する
製造工程を採用する場合は、黒鉛化した炭素材にピッチ
又は樹脂を含浸又はコートした後、700〜1500℃
程度で焼成し、この後粉砕し、粒度調整すればよい。ま
た、予め熱処理により黒鉛化した炭素材又は天然黒鉛や
人造黒鉛等の黒鉛材にCVD法又はCVR法によりホウ
素及びケイ素を混在させる製造工程を採用する場合は、
炭素材(粉末状又はブロック状)にCVD法又はCVR
法によりホウ素及びケイ素を混入し、その後前記炭素材
にピッチ又は樹脂を含浸又はコートして焼成(700〜
1500℃程度)をした後、粒度調整すればよい。
【0042】第2の手段として、粒度調整後の黒鉛化
炭素粉体のうち、濡れ性の比較的良いものを選別する手
段が挙げられる。具体的には、ホウ素元素及びケイ素元
素を含有する黒鉛化炭素粉体として嵩密度が0.5(g
/cm3 )以上で吸油量が100(ml/100g)以
下のものを選定する手段が有効である。このように選定
すれば、ホウ素含有黒鉛でありながらバインダーとの濡
れ性に優れ、従ってスラリーとした後の銅箔との密着性
に優れたものとすることができる。また、シート化時の
充填密度が高くなるため、同一容器内に充填できる活物
質の重量を増すことができ、従って容量の大きな電池の
作製が可能となる。
【0043】また、黒鉛化炭素粉体として、上記粉体特
性に加えて10%Dが5〜20μm、50%Dが10〜
35μm、および90%Dが30〜65μmの粒度分布
を有する特性のものを選定すれば、黒鉛化粉体としての
比表面積をより小さくおさえることができ、安全性にも
優れたものとすることができると共に、シート化時の充
填密度をより高いものとすることができるので、一層の
容量の向上が期待できる電池の作製が可能となる。
【0044】第3の手段として、粒度調整後の黒鉛化
炭素粉体から微細粒子を除去し、その粉体表面を平滑化
する手段が挙げられる。具体的には、ホウ素元素及びケ
イ素元素を含有する黒鉛化炭素粉体にリン酸を添加した
後、熱処理する手段が有効である。ここで「リン酸」
は、H3 PO4 ,H4 2 7 ,(HPO3)n ,H4
2 6 ,H3 PO3 ,H3 PO2 等のリンの酸素酸の水
溶液がその代表的なものであるが、基本的にPとHとO
を含む化合物であればよく、特に制限はない。なお、熱
処理温度は、リン酸が蒸発する温度であればよく、一般
には700℃以上が望ましい。
【0045】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0046】まず、リチウムイオン二次電池負極用炭素
材料の放電容量及び初期効率に関して、実施例と比較例
を対比して説明する。
【0047】(実施例1及び比較例1)平均粒径30μ
mに粒度調整したピッチコークスに、ホウ素源としてB
4 C又はB2 3 を、ケイ素源としてSiC又はSiO
2 を、それぞれの割合を変えて添加、混合した。これら
の混合物を黒鉛ルツボに詰め、アチェソン炉にて260
0℃で熱処理を行った。その後、それぞれの熱処理物に
ついて平均粒径が20μmとなるように粒度調整を行
い、表1に示すように実施例1につき(a) 〜(d) 、比較
例1につき(a) 〜(f) の炭素材料を得た。
【0048】(実施例2及び比較例2)平均粒径10μ
mに粒度調整したピッチコークス100重量部に、バイ
ンダーピッチ50重量部を加え、200℃にて混練を行
った。得られた混練物を平均粒径100μmに粒度調整
し、これに、ホウ素源としてB4 C又はB2 3 を、ケ
イ素源としてSiC又はSiO2 を、それぞれの割合を
変えて添加、混合した。これらの混合物をCIP成形
し、1000℃で焼成した後、アチェソン炉にて260
0℃の熱処理を行った。熱処理後、各ブロック状成形物
を粉砕、分級して平均粒径が20μmとなるよう粒度調
整を行い、表1に示すように実施例2につき(a) 〜(h)
、比較例2につき(a) 〜(e) の炭素材料を得た。
【0049】(実施例3)平均粒径20μmに粒度調整
した人造黒鉛を黒鉛ルツボに入れ、ホウ素源としてB2
3 を使用し1800℃のアルゴン雰囲気の下、常圧に
てCVR処理を行った。得られた物を、ケイ素源として
SiO2 を使用し2000℃にて常圧CVR処理を行
い、表1に示す実施例3(a) と実施例3(b) の炭素材料
を得た。
【0050】
【表1】
【0051】表1から判るように、ホウ素元素及びケイ
素元素を含有する炭素材料は、ホウ素元素及びケイ素元
素を両方含まない一般的な黒鉛質炭素材料やホウ素のみ
を含む炭素材料に比べ、初期効率,放電容量の点でいず
れも優れていることが分かる。また、ホウ素元素及びケ
イ素元素の各含有量が本発明の要件(特定範囲)を満た
す実施例1〜3の場合は、その初期効率及び放電容量に
ついての改善効果がさらに高くなっていることが分か
る。
【0052】つぎに、リチウムイオン二次電池負極用炭
素材料の濡れ性に関して、実施例と比較例を対比して説
明する。
【0053】(実施例4)平均粒径30μmに粒度調整
したピッチコークスに、ホウ素源としてB4 Cを、ケイ
素源としてSiO2 を、その割合が実施例1(d)と同
じになるように添加、混合した。これらの混合物を黒鉛
ルツボに詰め、アチェソン炉にて2600℃の熱処理
(黒鉛化)を行った。得られた黒鉛化炭素粉体に250
℃でピッチをコートした後、1200℃で焼成し、この
後、平均粒径が20μmとなるように粒度調整を行い、
後述の銅箔との密着性試験に供した。
【0054】(実施例5)平均粒径10μmに粒度調整
したピッチコークス100重量部に、バインダーピッチ
50重量部を加え、200℃にて混練を行った。得られ
た混練物を平均粒径100μmに粒度調整し、これに、
ホウ素源としてB2 3 を、ケイ素源としてSiO
2 を、その割合が実施例2(g)と同じになるように添
加、混合した。これらの混合物をCIP成形し、100
0℃で焼成した後、アチェソン炉にて2600℃の熱処
理(黒鉛化)を行った。得られた黒鉛化炭素ブロックに
ピッチを含浸した後、1200℃で焼成し、この後粉砕
・分級して平均粒径が20μmとなるように粒度調整を
行い、後述の銅箔との密着性試験に供した。
【0055】(実施例6)ブロック状の人造黒鉛(嵩密
度1.8g/cm3 ,平均ポアー半径1.5μm)に対
して、予めピッチを含浸し、1200℃で焼成する処理
を施した。得られたブロックを平均粒径20μmに粉
砕、粒度調整した。得られた人造黒鉛粉末を、ホウ素源
としてB2 3 を使用し1800℃のアルゴン雰囲気の
下、常圧にてCVR処理を行った。得られた物を、ケイ
素源としてSiO2 を使用し2000℃にて常圧CVR
処理を行い、得られた黒鉛化炭素粉体を後述の銅箔との
密着性試験に供した。
【0056】(比較例3〜5)実施例4〜6でそれぞ
れ、黒鉛化後のピッチ含浸又はコート・焼成処理工程を
経由せずに得られた粒度調整済の黒鉛化粉体を、後述の
銅箔との密着性試験に供した。
【0057】(実施例7)実施例2(g)と同様の製法
で得られた粉体を粒度調整し、粉体嵩密度0.75g/
cm3 )、吸油量が67(ml/100g)であって、
10%Dが7μm、50%Dが20μm、90%Dが5
8μmからなる粒度分布を有する黒鉛化炭素粉体を得
て、後述の銅箔との密着性試験に供した。なお、吸油量
は、JISK6221「ゴム用カーボンブラックの試験
方法」6.1.1項で規定されているA法(機械法)に
より測定された値を指す。
【0058】(実施例8)平均粒径30μmに粒度調整
したピッチコークスに、ホウ素源としてB4 Cを、ケイ
素源としてSiO2 を、その割合が実施例1(c)と同
じになるように添加、混合した。これらの混合物を黒鉛
ルツボに詰め、アチェソン炉にて2600℃の熱処理
(黒鉛化)を行った後、平均粒度が20μmとなるよう
に粒度調整を行った。得られた黒鉛化粉体100重量部
にリン酸(H3 PO4 )を30重量部添加し十分混合し
た。こうして表面をリン酸で湿らした黒鉛化粉体を黒鉛
ルツボに詰め、1200℃で熱処理を行った。得られた
粉体を後述の銅箔との密着性試験に供した。
【0059】(比較例6)実施例1(c)で得られたリ
ン酸添加前の黒鉛化炭素粉体を、後述の銅箔との密着性
試験に供した。
【0060】〔銅箔との密着性試験〕厚み20μmの銅
箔上に、上記(実施例5〜8)及び(比較例4〜7)で
用意した各黒鉛化炭素粉体90重量部とバインダーとし
てのポリフッ化ビニリデン10重量部とを混合し、N−
メチルピロリドン(NMP)を適宜加えてペースト状に
調整したものを塗布、乾燥することにより負極板を作製
した。得られた負極板を机の端に当てて15回擦るしご
き試験を行い、その後、黒鉛化炭素粉体と銅箔との密着
度合いを目視にて観察した結果を、まとめて表2に示
す。
【0061】
【表2】
【0062】表2からも明らかなように、黒鉛化後にピ
ッチ含浸・焼成処理を施してから粒度調整した実施例4
〜6の黒鉛化炭素粉体では、剥離が認められなかった。
これに対し、黒鉛化後ピッチ含浸・焼成処理を施してい
ない比較例3〜5の黒鉛化炭素粉体では、かなり剥離し
た。
【0063】また、粉体嵩密度及び吸油量が本発明の要
件を満たし、粒度分布も適切である実施例7は、実施例
4〜6と同程度の良好な結果が得られることが分かる。
【0064】リン酸添加・熱処理を施した実施例8は、
ほとんど剥離が認められなかった。これに対し、リン酸
添加・熱処理を施さない比較例6はかなり剥離した。
【0065】実施例1〜3及び比較例1,2について
も、上述の実施例4〜8及び比較例3〜7と同じ要領で
負極板を作製した後、各実施例及び比較例に対応する負
極板を単板試験に供した。この時、対極、参照極として
リチウム金属を用い、0.5mAhで0Vまで充電し、
3Vまで放電を行った。電解液としては、LiPF6
1mol/lを含むエチレンカーボネイト:ジメチルカ
ーボネイト=1:1(体積比)の混合液を使用した。各
放電容量,初期効率の結果を、各炭素材料のホウ素濃
度,ケイ素濃度等と共に前掲の表1及び後掲の表4に併
せて示す。なお、図2には代表例として、実施例2(f)
,比較例2(a) に係るリチウム二次電池負極用材とし
ての充放電曲線を示した。
【0066】表1から明らかなように、ホウ素及びケイ
素を含有する炭素材料は、ホウ素及びケイ素を両方含ま
ない一般的な黒鉛質炭素材料やホウ素のみを含む炭素材
料に比べ、初期効率,放電容量の点でいずれも優れてい
ることが分かる。また、ホウ素及びケイ素の各含有量が
本発明の要件(特定範囲)を満たす実施例1〜3の場合
は、その初期効率及び放電容量についての改善効果がさ
らに高くなっていることが分かる。
【0067】また、図2から明らかなように、実施例2
(f) で得られたホウ素及びケイ素を含有するリチウム二
次電池負極材によれば、比較例2(a) (従来の黒鉛系負
極材)に比べて、従来の黒鉛系材料の利点である、0.
25V〔VvsLi/Li+〕付近までの電位平坦性を
有しつつ、かつ1.3V〔VvsLi/Li+ 〕以上に
おいて0.25Vまでの放電容量の1%以上の放電容量
を有することにより、過放電にも強いリチウム二次電池
負極材となっていることがよく分かる。
【0068】また、図2から分かるように、1.3V付
近でピークが認められるが、このピークについて電気化
学的な特性を調べるべく、本発明者らは3V←→0Vの
走査範囲でCV(サイクリックボルタンメトリー)測定
を行った。その結果を図3〜図5に示す。
【0069】図3は、電位の走査速度v=1.0〔mV
/s〕でのサイクリックボルタモグラム(電流−電位曲
線)であり、この図から明らかなように、実施例2(f)
はアノード方向で1.2V付近、カソード方向で1.4
V付近でピークが見られ、比較例2(a) についてはこの
ピークが見られないことが分かる。また、実施例2(f)
において、走査速度vを0.5〔mV/s〕,0.3
〔mV/s〕,0.1〔mV/s〕,0.05〔mV/
s〕と変えながら測った場合のサイクリックボルタモグ
ラムは図4のようになり、これをピーク電流(ip ) と
走査速度の平方根(v1/2)との関係で示せば、図5に示
すような直線が得られる。
【0070】図4及び図5から、以下のことが明らかと
なった。即ち、v>0.05〔mV/s〕で1.3V付
近のピークが起こる反応は拡散律速である。また、v<
0.05〔mV/s〕ではカソード方向の電流の絶対値
|ipc|とアノード方向の電流値ipaが一致することか
ら、この1.3V付近でのピーク反応は可逆である。さ
らに、実施例2(f) について、1V以上の範囲でカソー
ド・アノード両方向の電気量をそれぞれ|Qc |,Qa
として比較すると、走査速度v=0.05〔mV/s〕
のとき、いずれのQも9〔C〕とほぼ等しかった。
【0071】つぎに、本発明の負極用炭素材料を用いた
リチウムイオン二次電池のサイクル特性に関する実施例
を説明する。
【0072】〔実施例電池の作製〕図1に、本発明に係
るリチウム二次電池の分解斜視図を示す。図1におい
て、1はリチウム二次電池、2は電極群、3は正極板、
4は負極板、5はセパレータ、6は電池ケース、7はケ
ース蓋、8は安全弁、10は正極端子、11は正極リー
ドである。
【0073】リチウム二次電池1の構成は、正極板3、
負極板4、セパレータ5及び非水系の電解液からなる渦
巻き状の電極群2が電池ケース6に収納された角形リチ
ウム二次電池である。電池ケース6は、厚さ0.3m
m、内寸33.1×46.5×7.5mmの鉄製本体の
表面に厚さ5μmのニッケルメッキを施したものであ
り、側部上部には電解液注入用の孔100が設けられて
いる。
【0074】正極板3は、その集電体が厚み20μmの
アルミ箔であり、それに活物質としてリチウムコバルト
複合酸化物を保持したものである。正極板3は、結着剤
であるポリフッ化ビニリデン8部と導電剤であるアセチ
レンブラック5部とを活物質87部と共に混合してペー
スト状に調整した後、集電体材料の両面に塗布、乾燥す
ることによって作製した。
【0075】実施例にかかる負極板4は8種類作製し
た。一つは、厚み20μmの銅箔からなる集電体の両面
に、以下の配合の黒鉛粉末86重量部と結着剤としての
ポリフッ化ビニリデン14重量部とを混合し、NMPを
加えてペースト状に調整したものを塗布、乾燥すること
により作製した。使用した黒鉛粉末は表2の実施例1
(b)(d),実施例2(a)(d)(f)(h),実
施例3(a)(b)に記載のものであって、それによる
電池を実施例9〜16とする。
【0076】比較例にかかる負極板4は4種類作製し
た。表2の比較例2(b)に記載の黒鉛粉末を使用した
ものを比較例7とする。またホウ素又はケイ素の有無が
異なるだけで同じ製法により、ホウ素元素だけを含有す
る黒鉛粉末を使用したものを比較例8とし、ケイ素元素
だけを含有する黒鉛粉末を使用したものを比較例9とす
る。
【0077】セパレータ5は、ポリエチレン微多孔膜、
また電解液は、LiPF6 を1mol/l含むエチレン
カーボネート:ジエチルカーボネート=1:1(体積
比)の混合液を使用した。なお、正極板3は、安全弁8
と正極端子10を設けたケース蓋7の端子10と正極リ
ード11を介して接続されている。負極板4は電池ケー
ス6の内壁との接触により接続されている。そして、こ
の電池は、ケース6に蓋7をレーザー溶接して封口され
る。
【0078】このようにして、最終的に上記構成に係る
設計容量900mAhの電池を作製した。なお、電解液
量を25mlとした。
【0079】〔電池の性能試験〕実施例9〜16、比較
例7〜9の電池について、0.5Cの電流で4.1Vま
で定電流定電圧充電を行って満充電状態とした。そし
て、各電池を1Cで2.75Vまで放電し、クーロン効
率、放電容量を測定した。さらに、同様の充放電条件で
500サイクルまで実施し、500サイクル目のクーロ
ン効率、放電容量を測定した。そして、初回サイクルの
放電容量と500サイクル目の放電容量との比率による
サイクル特性を算出した。その結果を表3に示す。
【0080】
【表3】
【0081】この結果、ホウ素元素とケイ素元素の両方
を適量含有する実施例9〜16の電池は、初回サイクル
の容量が860〜890mAhであるのに対して、ホウ
素元素とケイ素元素のいずれか一方又は全く含まない比
較例7〜9の電池は、初回サイクルの容量が840〜8
50mAhである。初回サイクルだけの比較では、実施
例9〜16は、比較例7〜9より僅かに優れるだけであ
る。
【0082】しかしながら、500サイクル目の容量を
みると、実施例9〜16は820〜880mAhで低下
が少ないのに対して、比較例7〜9は750〜760m
Ahとかなり低下している。
【0083】なお、実施例9〜16について、500サ
イクル後に、0.5Cの電流で4.1Vまで、定電流定
電圧充電を行って満充電状態とし、直径2.5mmの釘
を貫通させる安全性試験を行った。この結果、実施例9
〜16のいずれの電池でも発煙や発火を示さず、良好な
安全性を示した。
【0084】なお、本発明に係るリチウム二次電池にお
いては、その構成として正極、負極及びセパレータと非
水電解液との組み合わせ、あるいは正極、負極及びセパ
レータとしての有機また無機固体電解質と非水電解液と
の組み合わせとしてもよく、またこれに限定されるもの
でもない。
【0085】また、上記では、正極の活物質としてリチ
ウムコバルト複合酸化物を用いる場合について説明した
が、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムニッケル
又はリチウムニッケル系複合酸化物、二硫化チタンをは
じめとしてスピネル型リチウムマンガン酸化物などのマ
ンガン系活物質、あるいは五酸化バナジウム及び三酸化
モリブデンなどリチウムを吸蔵放出するようなホスト物
質であれば種々のものを用いることができる。
【0086】加えて、前記の実施例に係る電池は角形で
あるが、円筒形、コイン形又はペーパー形など形状はど
んなものであってもよい。さらに、有機溶媒も基本的に
限定されるものではない。従来、リチウム二次電池に用
いられているものであれば本発明と同様の効果を得るこ
とができる。例えば、溶媒としては、プロピレンカーボ
ネ−ト、エチレンカーボネ−ト、γ−ブチロラクトン、
スルホランなどの高誘電率溶媒に1,2−ジメトキシエ
タン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、メチルフォルメートなどの
低粘度溶媒を混合したものを用いることができる。ある
いは、リチウムイオン伝導性の固体電解質、例えばPA
Nなどの有機系固体電解質もしくはリチウムタイタネー
トなどの無機系固体電解質を単独でもしくは有機溶媒と
組み合わせて用いてもよい。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の黒鉛系,非晶質系それぞれの長所を同時に生かし
ながら初期効率にも優れるものとし、またリチウム二次
電池負極板としてのシート化時に組織構造的に結晶子が
配向し過ぎないようなものとして、リチウムのドープ・
脱ドープ容量の大幅な向上ひいては電池容量の大幅な向
上を可能にすると共に、サイクル特性に優れ、高性能電
池の生産性向上にも貢献できるようなリチウム二次電池
負極用炭素材料及びその負極用炭素材料を用いたリチウ
ム二次電池を提供することができる。
【0088】また、集電体である銅箔との間の密着性も
良好なものにできるので、更に高性能電池の生産性向上
にも貢献できるようなリチウム二次電池負極用炭素材料
及びその負極用炭素材料を用いたリチウム二次電池を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリチウム二次電池の一実施形態を
示す分解斜視図である。
【図2】実施例2(f) ,比較例2(a) に係るリチウム二
次電池負極用材としての充放電曲線を示す図である。
【図3】実施例2(f) ,比較例2(a) に係るリチウム二
次電池負極用材について、走査速度を一定(v=1.0
〔mV/s〕)とし、3V←→0Vの走査範囲でCV測
定して得られたサイクリックボルタモグラム(電流−電
位曲線)を示す図である。
【図4】実施例2(f) ,比較例2(a) に係るリチウム二
次電池負極用材について、3V→0Vの走査範囲で走査
速度を変えながらCV測定して得られたサイクリックボ
ルタモグラムを示す図である。
【図5】図4から得られるピーク電流(ip ) と走査速
度の平方根(v1/2)との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 リチウムイオン二次電池 2 電極群 3 正極板 4 負極板 5 セパレータ 6 ケース 7 蓋 8 安全弁 9 正極端子 10 正極リ−ド
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C01B 31/02 101 C01B 31/02 101B 31/04 101 31/04 101B C10C 3/02 C10C 3/02 E 3/10 3/10 (72)発明者 伊藤 正之 香川県三豊郡大野原町中姫2181−2 東洋 炭素株式会社大野原技術開発センター内 (72)発明者 竹内 唯士 香川県三豊郡大野原町中姫2181−2 東洋 炭素株式会社大野原技術開発センター内 (72)発明者 大久保 博 香川県三豊郡大野原町中姫2181−2 東洋 炭素株式会社大野原技術開発センター内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホウ素元素及びケイ素元素を含有してな
    るリチウムイオン二次電池負極用炭素材料。
  2. 【請求項2】 ホウ素元素の含有量が、1〜20重量%
    である請求項1記載のリチウムイオン二次電池負極用炭
    素材料。
  3. 【請求項3】 ホウ素元素の含有量が、1〜20重量%
    であり、かつケイ素の含有量が少なくとも0.01〜2
    0重量%である請求項1に記載のリチウムイオン二次電
    池負極用炭素材料。
  4. 【請求項4】 ホウ素又はホウ素化合物及びケイ素又は
    ケイ素化合物を含有する炭素材を熱処理し、粒度調整し
    た炭素粉末からなる請求項1〜3のいずれか一項に記載
    のリチウムイオン二次電池負極用炭素材料。
  5. 【請求項5】 炭素材が、炭素成形体である請求項4に
    記載のリチウムイオン二次電池負極用炭素材料。
  6. 【請求項6】 ホウ素化合物がホウ素酸化物である請求
    項4又は請求項5に記載のリチウムイオン二次電池負極
    用炭素材料。
  7. 【請求項7】 ケイ素化合物がケイ素酸化物である請求
    項4〜6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電
    池負極用炭素材料。
  8. 【請求項8】 熱処理における最終的な温度条件が、2
    400℃以上である請求項4〜7のいずれか一項に記載
    のリチウムイオン二次電池負極用炭素材料。
  9. 【請求項9】 負極用炭素材料中に含有されるホウ素元
    素及びケイ素元素が、化学気相蒸着法(CVD法)又は
    化学気相反応法(CVR法)により炭素材にとり込まれ
    たものである請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチ
    ウムイオン二次電池負極用炭素材料。
  10. 【請求項10】 炭素材が黒鉛化炭素材又は黒鉛である
    請求項9記載のリチウムイオン二次電池負極用炭素材
    料。
  11. 【請求項11】 CVD法又はCVR法の対象となるホ
    ウ素源が、ホウ素酸化物又はホウ素ハロゲン化物である
    請求項9又は請求項10に記載のリチウムイオン二次電
    池負極用炭素材料。
  12. 【請求項12】 CVD法又はCVR法の対象となるケ
    イ素源が、ケイ素酸化物又はケイ素ハロゲン化物である
    請求項9〜11のいずれか一項に記載のリチウムイオン
    二次電池負極用炭素材料。
  13. 【請求項13】 1.3V〔vsLi/Li+ 〕以上での
    放電容量として、0〜0.25V〔vsLi/Li+ 〕ま
    での放電容量の1%以上を有する請求項1〜12のいず
    れか一項に記載のリチウムイオン二次電池負極用炭素材
    料。
  14. 【請求項14】 ホウ素元素及びケイ素元素を含有し、
    下記の〜の少なくとも一つが施されたリチウムイオ
    ン二次電池負極用炭素材料。 ホウ素元素及びケイ素元素を含有させた炭素材にピ
    ッチ又は樹脂を含浸又はコートして焼成したのち、粉砕
    して炭素粉末にすること。 ホウ素元素及びケイ素元素を含有させた炭素粉末
    を、粉体嵩密度が0.5(g/cm3 )以上、且つ吸油
    量が100(ml/100g)以下に調整すること。 ホウ素元素及びケイ素元素を含有させた炭素粉末に
    リン酸を添加したのち熱処理すること。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか一項に記載
    の負極用炭素材料を負極活物質として用いてなるリチウ
    ムイオン二次電池。
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