JP3153922B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非水電解液二次電池に関
し、特に電極として渦巻き型電極を使用する非水電解液
二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術のめざましい進歩は、電
子機器の小型・軽量化を次々と実現させている。それに
伴い、移動用電源としての電池に対しても益々小型・軽
量且つ高エネルギー密度のものが求められるようになっ
ている。
【0003】従来、一般用途の二次電池としては鉛電
池、ニッケル・カドミウム電池等の水溶液系電池が主流
であった。しかし、これらの水溶液系電池はサイクル特
性には優れるが、電池重量やエネルギー密度の点では十
分満足できるものとは言えない。
【0004】最近、リチウムあるいはリチウム合金を負
極に用いた非水電解液二次電池の研究・開発が盛んに行
われている。この非水電解液二次電池は高エネルギー密
度を有し、自己放電も少なく、軽量という優れた特徴を
有するものである。ところが、この非水電解液二次電池
においては、充放電サイクルの進行に伴い、充電時にリ
チウムがデントライト状に結晶成長し、正極に到達して
内部ショートに至る可能性が高くなる欠点があり、この
ことが実用化への大きな障害となっている。
【0005】これに対し、負極に炭素材料を使用した非
水電解液二次電池は、化学的、物理的方法により、予め
炭素材料に担持させたリチウム、正極活物質の結晶構造
中のリチウム、電解液中に溶解しているリチウム等の、
炭素層間へのドープ・脱ドープを利用するもので、充放
電サイクルが進行しても充電時のデンドライト状の析出
は見られず、1000回を超える優れた充放電サイクル
特性を示す。
【0006】これらの材料を用いた非水電解液二次電池
の用途としては、ビデオ・カメラやラップ・トップ・パ
ソコン等の供給電源が挙げられるが、このような機器は
比較的消費電流が大きいものが多いため、電池構造とし
ては渦巻式電極構造が適している。この渦巻き式電極
は、帯状の正極と帯状の負極をセパレータを介して渦巻
状に巻いたもので、電極面積が大きくとれることから重
負荷に耐えられるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
渦巻型電極を電池外装缶に挿入するに際しては、生産性
の点から電極外径と電池外装缶内径との間にある程度の
クリアランスを設けなければならない。一方、電池特性
は、渦巻き型電極が緩まないように電極に対して内側方
向に圧力が加わっている方が良い傾向がある。そこで、
渦巻き型電極においては、組立時に巻回した電極が暖ま
らないように、電極最外周の巻終わり部と電極本体とを
粘着テープにて固定される。しかしながら、粘着テープ
を使用する場合には、電解液と粘着テープの組み合わせ
によっては、電解液注液後に粘着剤が溶解して粘着テー
プの固定能力が失われ、これにより、電極が緩み、サイ
クル特性等の電池特性が劣化するといった不都合が生じ
ていた。
【0008】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、渦巻き型電極を使用した
場合に、巻回された電極が緩むことがなく、良好なサイ
クル特性が得られるとともに高い生産性が得られる非水
電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の非水電解液二次電池は、円筒型の電池外
装缶内に、帯状の正極と帯状の負極をセパレータを介し
て巻回してなる渦巻き型電極と、非水電解液を収納して
なる非水電解液二次電池において、上記帯状の正極は、
正極活物質としてリチウム複合酸化物を含む正極活物質
層を帯状の正極集電体の両面に形成したものであり、上
記帯状の負極は、炭素質材料を負極活物質として含む負
極活物質層を帯状の負極集電体の両面に形成したもので
あり、上記電池外装缶の内側表面に樹脂層が配設されて
いることを特徴とするものである。
【0010】また、樹脂層を構成する樹脂が上記非水電
解液中に浸漬されることにより体積が増加する樹脂であ
ることを特徴とするものである。さらには、負極の負極
活物質は、(002)面の面間隔が3.70Å以上、真
密度が1.70g/cm3 未満であり、且つ空気気流中
における示差熱分析で700℃以上に発熱ピークを有し
ない炭素質材料であることを特徴とするものである。
【0011】本発明においては、上記渦巻き型電極の緩
みを防止し、サイクル特性に優れた非水電解液二次電池
を得るために、電池外装缶の側面の内側表面に樹脂層を
配設し、この樹脂層が配設された電池外装缶に渦巻き型
電極を挿入し、さらに電解液を注入して電池を構成す
る。
【0012】すなわち、渦巻き型電極を使用する非水電
解液二次電池においては、電極挿入を容易なものとし、
生産性の向上を図るためには、電池外装缶と電極との間
にある程度のクリアランスを設ける必要がある。ところ
が、電池とした場合にこのようなクリアランスを有して
いると、電極が緩み、安定な充放電反応が得られなくな
る。
【0013】このような非水電解液二次電池において、
電池外装缶の内側表面に樹脂層を配設すると、電極挿入
時に電極と電池外装缶との間にクリアランスを有してい
ても、電解液注入により、上記樹脂層が膨潤し、渦巻き
型電極に対して外側から中心軸方向へ均一に圧力がかか
る。したがって、これにより電極の緩みが抑えられ、充
放電に際しては、電極が十分に機能を発揮するような
る。
【0014】なお、上記樹脂層の材料となる樹脂塗料と
しては、樹脂層としたときに電解液を構成する有機溶媒
の内の1種または複数種に接触することにより膨潤し、
また電解液の全構成溶媒に溶解しない性質を持つものを
選択することができる。そのような樹脂塗料としては、
アクリル樹脂塗料、アルキド樹脂塗料、ウレタン樹脂塗
料、エポキシ樹脂塗料、ビニル樹脂塗料等種々のものが
使用可能であり、特に、この種の電池に一般的に用いら
れている電解液に対しては、アクリル樹脂を主要素とし
たアクリル樹脂塗料や、塩化ビニル、塩化/酢酸ビニル
共重合体、ビニルブチラール樹脂等を主要素としたビニ
ル樹脂塗料等の使用が望ましい。また、樹脂層の厚さ
は、膨潤後において10〜500μmが望ましく、10
μm以下では効果が小さく、逆に500μm以上では電
池容量の減少が大きくなる。膨潤により増加する厚さ
は、膨潤前の樹脂層の厚さに対して10%以上であるこ
とが好ましい。
【0015】電解液としては、例えばリチウム塩を電解
質とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられ
る。ここで有機溶媒としては、特に限定されるものでは
ないが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカー
ボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシ
エタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクト
ン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−
メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、ス
ルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピ
オニトリル等の単独もしくは二種類以上の混合溶媒が使
用できる。電解質も従来より公知のものがいずれも使用
でき、LiClO4 、LiAsF6 、LiPF6 、Li
BF4 、LiB(C6 5 4 、LiCl、LiBr、
CH3 SO3 Li、CF3 SO3 Li等が用いられる。
【0016】上記負極に使用する負極活物質としては、
充放電反応に伴いリチウム等のアルカリ金属をドープ・
脱ドープする材料を用いることができる。そのような材
料としては、例えばコークス、ポリマー炭、カーボン・
ファイバー等の炭素材料が挙げられる。炭素材料は、単
位体積当りのエネルギー密度が大きい点から望ましいも
のである。
【0017】また、特に、上記炭素材料の中でも、(0
02)面の面間隔が3.70Å以上、真密度1.70g
/cm3 未満であり、且つ空気気流中に於ける示差熱分
析で700℃以上に発熱ピークを有しない炭素質材料は
リチウムのドープ能力が大きく好ましい。
【0018】ここで、リチウムをドープ・脱ドープ可能
な負極活物質は、リチウムにドープされることによって
体積が増大する性質を有する。したがって、渦巻き型電
極に使用したときに、電極内に圧力が生じ、このことが
渦巻き型電極の緩みを防止するのに有利に働く。これに
対して、(002)面の面間隔が3.70Å以上と大き
な炭素材料は、リチウムドープ能力には優れるものの、
リチウムドープによる体積増大が小さい。このため、渦
巻き型電極に使用した場合に、上記効果がほとんど期待
できず、特にその機能を十分に発揮させるのが困難であ
ったが、本発明によれば、樹脂層によって電極に十分な
圧力がかかるようになるので、(002)面の面間隔が
3.70Å以上と大きな炭素材料を使用した場合でも、
電極に緩みが生じることがなく、上記炭素質材料のドー
プ能力が十分に発揮されることとなる。
【0019】上記形態的パラメータを有する材料として
は、有機材料を焼成等の手法により炭素化して得られる
炭素質材料が挙げられ、炭素化の出発原料としてはフル
フリルアルコールあるいはフルフラールのホモポリマ
ー、コポリマーよりなるフラン樹脂が好適である。具体
的には、フルフラール+フェノール、フルフリルアルコ
ール+ジメチロール尿素、フルフリルアルコール、フル
フリルアルコール+ホルムアルデヒド、フルフリルアル
コール+フルフラール、フルフラール+ケトン類等より
なる重合体が、非水電解液二次電池用負極活物質として
非常に良好な特性を示す。
【0020】あるいは、原料として水素/炭素原子比
0.6〜0.8の石油ピッチを用い、これに酸素を含む
官能基を導入し、いわゆる酸素架橋を施して酸素含有量
10〜20重量%の前駆体とした後、焼成して得られる
炭素質材料も好適である。さらには、前記フラン樹脂や
石油ピッチ等を炭素化する際にリン化合物、あるいはホ
ウ素化合物を添加することにより、リチウムに対するド
ープ量を大きなものとした炭素質材料も使用可能であ
る。
【0021】一方、正極に使用する正極活物質として
は、二酸化マンガン、五酸化バナジウムのような遷移金
属酸化物とリチウムとの複合化合物(リチウム複合酸化
物)などを用いることができる。特に、高電圧、高エネ
ルギー密度が得られ、サイクル特性にも優れることか
ら、リチウム・コバルト複合酸化物やリチウム・コバル
ト・ニッケル複合酸化物が望ましい。
【0022】
【作用】渦巻き型電極を使用する非水電解液二次電池に
おいては、電池外装缶への電極挿入を容易なものとし、
生産性の向上を図るためには、電池外装缶と電極との間
にある程度のクリアランスが設けられている必要があ
る。ところが、電池とした場合に、電池外装缶と電極と
の間にこのようなクリアランスを有していると、電極が
緩み、安定な充放電反応が得られなくなる。
【0023】本発明の非水電解液二次電池は、電池外装
缶の内側表面に樹脂層を配設し、この樹脂層が配設され
た電池外装缶に渦巻き電極を挿入した後、電解液を注入
して組み立てられる。したがって、電極挿入時に電極外
径と電池外装缶内径の間にクリアランスを有していて
も、電解液の注入により、上記樹脂層が膨潤し、これに
より渦巻き電極に対して外周側から中心軸方向へ持続的
に均一に圧力がかかる。これにより、電極の緩みが防止
され、充放電反応が円滑に進行することとなる。
【0024】また、このとき、特に負極活物質として
(002)面の面間隔が3.70Å以上、真密度1.7
0g/cm3 未満であり、且つ空気気流中における示差
熱分析で700℃以上に発熱ピークを有しない炭素質材
料を使用すると、該炭素質材料はリチウムドープ能力が
高いため、良好なサイクル特性とともに放電容量の増大
も得られる。
【0025】
【実施例】本発明の好適な実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0026】実施例1 本実施例は電池外装缶の内側表面に配設する樹脂層の樹
脂としてアクリル樹脂を使用した例である。
【0027】図1は本実施例の電池の概略的な縦断面図
を示すものであり、この電池を以下のように作成した。
【0028】先ず、負極1は次のようにして作製した。
【0029】出発原料として石油ピッチを用い、これに
酸素を含む官能基を10〜20重量%導入(いわゆる酸
素架橋)した後、不活性ガス気流中1000℃で焼成し
て、ガラス状炭素に近い性質を持った炭素質材料を得
た。この炭素質材料について、X線回折測定を行った結
果、(002)面の面間隔は3.76Aであった。また
ピクノメータ法により真比重を測定したところ、1.5
8g/cm3 であった。この炭素質材料を粉砕し、平均
粒径10μmの炭素材料粉末とした。
【0030】このようにして得た炭素材料粉末を負極活
物質担持体とし、これを90重量部、結着材としてポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)10重量部を混合し、負
極合剤を調製した。この負極合剤を、溶剤であるN−メ
チルピロリドンに分散させてスラリー(ペースト状)に
した。
【0031】負極集電体として厚さ10μmの帯状の銅
箔を用い、この集電体の両面に負極合剤スラリーを塗布
し、乾燥させた後圧縮成型して帯状負極1を作製した。
成型後の合剤厚さは両面共に80μmで同一とし、電極
の幅は41.5mm、長さは700mmとした。
【0032】正極2は次のようにして作製した。炭酸リ
チウム1モルと炭酸コバルト0.5モルを混合し、空気
中、温度900℃で5時間焼成してLiCoO2 を得
た。正極活物質としてこのLiCoO2 を91重量部、
導電剤としてグラファイト6重量部、結着剤としてポリ
フッ化ビニリデン3重量部を混合し、正極合剤とした。
この正極合剤をN−メチルピロリドンに分散させてスラ
リー(ペースト状)にした。
【0033】正極集電体として厚さ20μmの帯状のア
ルミニウム箔を用い、この集電体の両面に均一に正極合
剤スラリーを塗布し、乾燥させた後圧縮成型して帯状正
極2を作製した。成型後の合剤厚さは両面共に80μm
で同一とし、電極の幅は40.5mm、長さは650m
mとした。
【0034】帯状負極1、帯状正極2及び厚さ25μ
m、幅44mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムより
成るセパレータ3を負極、セパレータ、正極、セパレー
タの順に積層してから、この積層体を渦巻型に多数回巻
回することによって、図2に示す渦巻型電極体15を作
製した。この渦巻型電極体中心部の中空部分の内径は
3.5mm、外径は20mmであった。
【0035】次に、ニッケルメッキを施した鉄製電池外
装缶5の側面内側にアクリル樹脂(アクリルラッカー)
を塗布し、常温で24時間乾燥して樹脂層20を形成し
た。
【0036】そして、図1に示すように、この側面内側
に樹脂層20を配設した電池外装缶5に渦巻型電極体1
5を収納した。渦巻式電極上下両面には絶縁板4を配設
し、アルミニウム製正極リード12を正極集電体から導
出して電池蓋7に、ニッケル製負極リード11を負極集
電体から導出して電池缶5に溶接した。この電池缶5の
中にプロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタ
ンとの等容量混合溶媒中にLiPF6 を1モル/lの割
合で溶解した電解液を注入した。
【0037】アスファルトで表面を塗布した絶縁封口ガ
スケットを介して電池缶5をかしめることにより、電池
蓋7を固定し、電池内の気密性を保持させた。以上のよ
うな工程で、直径20mm、高さ50mmの円筒型非水
電解液電池を作成した。
【0038】なお、本実施例で採用したアクリル樹脂よ
りなる樹脂層の膨潤性を調べるために、別途電池外装缶
の側面内側にアクリル樹脂を塗布して溶媒を乾燥させる
ことにより樹脂層を形成し、この樹脂層の厚さを測定し
た。そして、電解液を注入して室温24時間放置し、電
解液を除去した直後の樹脂層の厚さを測定した。電解液
浸漬前後の樹脂層の厚さ及び電解液浸漬による膨潤率を
表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】実施例2 本実施例は電池外装缶の内側表面に配設する樹脂層の樹
脂として塩化ビニル樹脂を使用した例である。
【0041】電池外装缶の内側表面に塗布する樹脂とし
てアクリル樹脂を使用する代わりに塩化ビニル樹脂(塩
化ビニル/酢酸ビニル共重合体)を塗布して樹脂層20
を形成すること以外は実施例1と同様にして非水電解液
二次電池を作成した。
【0042】なお塩化ビニル樹脂塗料についても、アク
リル樹脂塗料に場合と同様にして膨潤性を調べた。その
結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】比較例 電池外装缶に樹脂層を配設しないこと以外は実施例1と
同様にして非水電解液電池を作成した。
【0045】上記構成の電池を各々20本作製し、各電
池について、上限電圧を4.1Vに設定して1Aの定電
流で2.5時間充電した後、7.5Ωの定抵抗で2.7
5Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し行い、充放
電サイクルの繰り返しに伴うエネルギー密度の変化を調
べた。
【0046】図4に各電池のサイクル数とエネルギー密
度の関係を示す。また、表3に10サイクル目のエネル
ギー密度(以下、初期エネルギー密度と記す)、200
サイクル目のエネルギー密度および平均サイクル劣化率
を示す。なお、平均サイクル劣化率とは、初期エネルギ
ー密度に対する200サイクル目のエネルギー密度の比
から求めた1サイクル当たりの平均サイクル劣化率であ
る。また、表3および図3に示すエネルギー密度はいず
れも平均値(n=20)である。
【0047】
【表3】
【0048】表3および図3からわかるように、実施例
電池1および実施例電池2は、比較例電池1に比べて初
期エネルギー密度が高く、また1サイクル当たりの平均
サイクル劣化率も低く、200サイクル経過後において
も十分なエネルギー密度を維持している。したがって、
渦巻き型電極を使用する非水電解液二次電池において、
電池缶外装缶の内側表面に樹脂層を配設することは、エ
ネルギー密度が高く、良好な充放電サイクル特性を得る
上で有効であることがわかった。
【0049】また、本発明の効果は、特に、リチウムド
ープ能力には優れるもののリチウムドープ後の体積膨張
率が小さいために十分な機能を発揮するのが困難な炭素
材料、即ち(002)面の面間隔が3.70Å以上、真
密度1.70g/cm3 未満であり、且つ空気気流中に
於ける示差熱分析で700℃以上に発熱ピークを有しな
い炭素質材料を用いた非水電解液二次電池の場合に特に
大きく、本発明により飛躍的に機能が向上する。
【0050】
【発明の効果】上述の説明からも明らかなように、本発
明の非水電解液二次電池は、電池外装缶の内側表面に樹
脂層を設け、この樹脂層が配設された電池外装缶に渦巻
き電極を挿入した後、非水電解液を注入して組み立てら
れるので、電極の挿入が容易であり生産性の向上が可能
であるとともに、電極に緩みが生じることがなく、良好
なサイクル特性を得ることが可能である。
【0051】また、特に負極の負極活物質として(00
2)面の面間隔が3.70Å以上、真密度が1.70g
/cm3 未満であり、且つ空気気流中における示差熱分
析で700℃以上に発熱ピークを有しない炭素質材料を
使用した場合には、サイクル特性の向上とともに電池容
量の増大も可能となる。したがって、本発明によれば、
ビデオ・カメラやラップ・トップ・パソコン等の消費電
流が大きな装置の供給電源として好適な非水電解液二次
電池を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解液二次電池の一例を示す概略
縦断面図である。
【図2】上記非水電解液二次電池に使用される渦巻き型
電極の一例を示す模式図である。
【図3】非水電解液二次電池のサイクル数とエネルギー
密度の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 ・・・負極 2 ・・・正極 3 ・・・セパレータ 20・・・樹脂層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒型の電池外装缶内に、帯状の正極と
    帯状の負極をセパレータを介して巻回してなる渦巻き型
    電極と、非水電解液を収納してなる非水電解液二次電池
    において、上記帯状の正極は、正極活物質としてリチウム複合酸化
    物を含む正極活物質層を帯状の正極集電体の両面に形成
    したものであり、 上記帯状の負極は、炭素質材料を負極活物質として含む
    負極活物質層を帯状の負極集電体の両面に形成したもの
    であり、 上記電池外装缶の内側表面に樹脂層が配設されているこ
    とを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 樹脂層を構成する樹脂が上記非水電解液
    中に浸漬されることにより体積が増加し樹脂であること
    を特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 上記負極活物質として用いられる炭素質
    材料は、(002)面の面間隔が3.70Å以上、真密
    度が1.70g/cm3 未満であり、且つ空気気流中に
    おける示差熱分析で700℃以上に発熱ピークを有しな
    い炭素質材料であることを特徴とする請求項1記載の非
    水電解液二次電池。
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