JP3501365B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JP3501365B2
JP3501365B2 JP2001020302A JP2001020302A JP3501365B2 JP 3501365 B2 JP3501365 B2 JP 3501365B2 JP 2001020302 A JP2001020302 A JP 2001020302A JP 2001020302 A JP2001020302 A JP 2001020302A JP 3501365 B2 JP3501365 B2 JP 3501365B2
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aqueous electrolyte
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electrolyte secondary
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素質材料から主
として構成される負極と、正極と、リチウム塩を溶解さ
せた非水電解液とをそれぞれ具備する非水電解液二次電
池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術のめざましい進歩は、電
子機器の小型・軽量化を次々と実現させている。それに
伴い、移動用電源としての電池に対しても、ますます小
型・軽量かつ高エネルギー密度のものが求められてい
る。
【0003】従来、一般用途の二次電池としては、鉛電
池、ニッケル・カドミウム電池などの水溶液系電池が主
流であった。これらの電池は、サイクル特性には優れて
いるが、電池重量やエネルギー密度の点では十分満足で
きる特性とは言えない。
【0004】最近、二次電池として、電池重量やエネル
ギー密度の点で不十分である鉛電池やニッケル・カドミ
ウム電池に替わって、リチウムあるいはリチウム合金を
負極に用いた非水電解液二次電池の研究・開発が盛んに
行われている。
【0005】この電池は、高エネルギー密度を有し、自
己放電も少なく、軽量であるという優れた特徴を有して
いる。しかし、この電池では、充放電サイクルの進行に
伴い、負極において充電時にリチウムがデンドライト状
に結晶成長し、このデンドライト状の結晶が正極に到達
して内部短絡に至る可能性が高いという欠点があり、実
用化への大きな障害となっていた。
【0006】これに対し、負極に炭素材料を使用した非
水電解液二次電池によれば、化学的、物理的方法によっ
て予め負極の炭素材料に担持させたリチウム、正極活物
質の結晶構造中に含有させたリチウムおよび電解液中に
溶解したリチウムのそれぞれが、充放電時に負極におい
て炭素層間へドープされかつ炭素層間から脱ドープされ
る。このために、充放電サイクルが進行しても負極にお
いて充電時にデンドライト状の結晶の析出はあまり見ら
れずに内部短絡を起こしにくくて、良好な充放電サイク
ル特性を示す。また、エネルギー密度も高くかつ軽量で
あることから、実用化に向けて開発が進んでいる。
【0007】上述のような非水電解液二次電池の用途と
しては、ビデオ・カメラやラップ・トップ・パソコンな
どがある。このような電子機器は比較的消費電流が大き
いものが多いために、電池は重負荷に耐えられることが
必要である。
【0008】したがって、電池構造として、帯状の正極
と帯状の負極とを帯状のセパレータを介してその長さ方
向に巻回することによって構成される渦巻型の巻回電極
体構造が有効である。この巻回電極体構造の電池によれ
ば、電極面積が大きくとれるために、重負荷による使用
にも耐えることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な負極に炭素質材料を用いた非水電解液二次電池は、充
放電サイクルの進行に伴って容量が低下してしまうこと
があって、優れたサイクル特性を長期間にわたって得ら
れないことがあった。
【0010】このサイクル特性に関係する重要な要素の
ひとつとして、非水電解液二次電池内に含まれる非水電
解液の体積(非水電解液量)が挙げられる。
【0011】例えば、電池内の非水電解液量が少ない
と、電極の一部に非水電解液に濡れない部分が生じる。
この部分は充放電反応に関与しないから、非水電解液に
濡れている部分の電流密度は通常よりも高くなる。その
結果、充電時において、負極の炭素質材料の持つリチウ
ムドープ能力を超える場合が起き易くなるから、負極に
金属リチウムが析出してセパレータを貫通し正極まで到
達することによって内部短絡が発生してしまうと考えら
れる。
【0012】本発明の目的は、非水電解液二次電池が、
軽量であり、自己放電が少なく、高エネルギー密度を有
し、充放電サイクルが進行しても負極において充電時に
デントライト状の結晶があまり見られなくて内部短絡を
起こしにくいのに加えて、重負荷による使用にも耐える
ことができ、また、充放電サイクルの進行に伴う電池容
量の低下を少なくでき、しかも、正極に十分な量のリチ
ウムを含ませることができるとともに、電池の内部短絡
の発生をさらに良好に抑制し得るようにすることであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、帯状の負極集電体の両面に塗布し形成され
た炭素質材料から主として構成される負極と帯状の正極
集電体の両面に塗布し形成された一般式LiMO2(た
だし、MはCo、Niの少なくとも一種を表す)で表さ
れる複合金属酸化物もしくはリチウムを含んだ層間化合
物から主として構成される正極とを帯状のセパレ−タを
介して巻回することによって構成された渦巻型の巻回電
極体と、前記巻回電極体が収容される電池缶と、前記電
池缶を封口するための電池蓋と、前記電池缶と上記電池
蓋とを互いにかしめる際に両者の間に介在される絶縁封
口ガスケットと、前記巻回電極体の上端面および下端面
にそれぞれ対向させて配設された絶縁板と、前記電池缶
内に注入されかつリチウム塩を溶解させた非水電解液と
をそれぞれ具備する非水電解液二次電池において、前記
巻回電極体の前記正極、前記負極および前記セパレータ
のそれぞれの幅が、 セパレータ幅>負極幅>正極幅 の関係にあり、前記巻回電極体がその中央に中空部分を
有するとともに、この中空部分には中空の巻芯が位置
し、前記非水電解液量が電池の放電容量1mAh当り
3.0μlを超えかつ4.5μl以下であることを特徴
とする。
【0014】前記非水電解液二次電池における負極活物
質担持体としての炭素質材料には、熱分解炭素類、コー
クス類(石油コークス、ピッチコークス、石炭コークス
など)、カーボンブラック(アセチレンブラックな
ど)、ガラス状炭素、有機高分子材料焼成体(有機高分
子材料を500℃以上の適当な温度で不活性ガス気流中
あるいは真空中で焼成したもの)、炭素繊維などが挙げ
られる。
【0015】好ましい炭素質材料は、(002)面の面
間隔(格子間隔)が3.70Å以上、真密度1.70g
/cm3未満でありかつ空気気流中における示差熱分析
で700℃以上に発熱ピークを有しないものである。こ
のような性質を有する炭素質材料によれば高容量の電池
が得られる。
【0016】以上のような好ましい炭素質材料として
は、有機材料を焼成などの方法により炭素化して得られ
る炭素質材料が挙げられる。この炭素化の出発原料とし
ては、フリフリルアルコールあるいはフルフラールのホ
モポリマー、コポリマーよりなるフラン樹脂が好適であ
る。具体的には、フルフラール+フェノール、フルフリ
ルアルコール+ジメチロール尿素、フルフリルアルコー
ル、フルフリルアルコール+ホルムアルデヒド、フルフ
リルアルコール+フルフラール、フルフラール+ケトン
類などよりなる重合体が、非常に良好な特性を示す。
【0017】また、出発原料として水素/炭素原子比
0.6〜0.8の石油ピッチを用い、これに酸素を含む
官能基を導入し、いわゆる酸素架橋を施して酸素含有量
10〜20重量%の前駆体とした後に、この前駆体を焼
成して得られる炭素質材料も好適である。
【0018】また、前記フラン樹脂や石油ピッチなどを
炭素化する際に、リン化合物あるいはホウ素化合物を添
加することにより、リチウムに対するドープ量を大きな
ものとした炭素質材料も使用可能である。
【0019】また、正極活物質としては、十分な量のリ
チウムを含んだ材料を使用するのが好ましく、具体的に
は,一般式LiMO2(ただし、MはCo、Niの少な
くとも一種を表す)で表される複合金属酸化物や、リチ
ウムを含んだ層間化合物が使用される。特に、高電圧、
高エネルギー密度が得られ、サイクル特性にも優れるこ
とから、LiCoO2、LiCo0.8Ni0.2O2
望ましい。
【0020】また、非水電解液としては、リチウム塩を
電解質とし、これを非水溶媒(有機溶媒)に溶解した非
水電解液が用いられてよい。
【0021】ここで、非水溶媒としては、特に限定され
るものではなく、各種の有機溶媒を用いることができ、
例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
ト、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエ
タン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,
3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラ
ン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラ
ン、アセトニトリル、プロピオニトリルなどを単独でも
しくは二種類以上を混合して使用できる。
【0022】電解質も、従来より公知のリチウム塩がい
ずれも使用でき、例えば、LiCO4、LiAsF6、L
iPF6、LiBF4、LiB(C654、LiC 、L
iBr、CH3SO3Li、CF3SO3Liなどを使用で
きる。
【0023】本発明によれば、巻回電極体の中央に空隙
部を設けるとともに、非水電解液二次電池内の非水電解
液量を放電容量1mAh当り2.5μl以上でかつ4.
5μl以下としたことにより、電極に過不足なく電解液
が行き渡る。また、巻回電極体の正極、負極およびセパ
レータのそれぞれの幅を、セパレータ幅>負極幅>正極
幅の関係にしたので、充電時に正極中のリチウムが負極
に回り込んで負極においてデンドライト状に結晶成長し
たり、また、このデンドライト状の結晶が正極に到達し
て内部短絡に至るのを効果的に防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下において、本発明による実施
例について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0025】実施例1 図1は本実施例の非水電解液二次電池の概略的な縦断面
を示すものであるが、この電池を以下のようにして作製
した。
【0026】まず、負極1はつぎのようにして作製し
た。出発原料としての石油ピッチに酸素を含む官能基を
10〜20重量%導入する酸素架橋をした後に、この酸
素架橋された前駆体を不活性ガスの気流中にて1000
℃で焼成することによって、ガラス状炭素に近い性質を
持った炭素質材料を得た。
【0027】この炭素質材料について、X線回折測定を
行った結果、(002)面の面間隔は3.76Åであ
り、また、ピクノメータ法により真比重を測定したとこ
ろ、1.58g/cm3であった。さらに、空気気流中
において示差熱分析を行ったところ、700℃以上に発
熱ピークを有していなかった。
【0028】この炭素質材料を粉砕して、平均粒径10
μmの炭素材料粉末とした。
【0029】以上のようにして得た炭素質材料を負極活
物質担持体とし、この炭素質材料の粉末90重量部と結
着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重
量部とを混合して、負極合剤を調製した。この負極合剤
を、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させ
て、スラリー(ペースト状)にした。
【0030】つぎに、この負極合剤スラリーを、厚さ1
0μmの帯状の銅箔である負極集電体9の両面に均一に
塗布して乾燥し、この乾燥後にローラプレス機により圧
縮成型して帯状の負極1を得た。
【0031】なお、成形後の負極合剤の膜厚は両面とも
に80μmで同一であり、帯状の負極1の幅は33.5
mm、長さは700mmとした。
【0032】つぎに、正極2はつぎのようにして作製し
た。炭酸リチウム0.5モルと炭酸コバルト1モルとを
混合して900℃の空気中で5時間焼成することによっ
て、LiCoO2を得た。
【0033】このLiCoO2を正極活物質とし、この
LiCoO291重量部に導電剤としてのグラファイト
6重量部と結着剤としてのポリフッ化ビニリデン3重量
部とを混合して、正極合剤とした。この正極合剤を、溶
剤N−メチルピロリドンに分散させて、スラリー(ペー
スト状)にした。
【0034】つぎに、この正極合剤スラリーを、厚さ2
0μmの帯状のアルミニウム箔である正極集電体10の
両面に均一に塗布して乾燥し、この乾燥後にローラプレ
ス機により圧縮成型して帯状の正極2を得た。
【0035】なお、成型後の合剤膜厚は両面ともに80
μmで同一であり、帯状の正極2の幅は31.5mm、
長さは650mmとした。
【0036】以上のようにして作製した帯状の負極1
と、帯状の正極2と、厚さが25μmで幅が36mmの
微多孔性ポリプロピレンフィルムから成る一対の帯状の
セパレータ3a、3bとを用いて、負極1、セパレータ
3a、正極2、セパレータ3bの順に4層に積層させ
た。そして、この4層構造の積層電極体をその長さ方向
に沿って負極1を内側にして渦巻型に多数回巻回するこ
とによって、巻回電極体15を作製した。
【0037】この巻回電極体15の中心の中空部分の内
径は3.5mm、外径は19.7mmであった。なお、
図1から明らかなように、この中空部分には中空の巻芯
33が位置しているので、巻回電極体15はその中央に
巻芯33の中空孔から成りかつ上下に貫通している空隙
部37を有している。
【0038】上述のようにして作製した渦巻型の巻回電
極体15を、図1に示すように、ニッケルめっきを施し
た鉄製の電池缶5に収容した。
【0039】また、負極1および正極2の集電をそれぞ
れ行うために、ニッケル製の負極リード11を予め負極
集電体9に取付け、これを負極1から導出して電池缶5
の底面に溶接した。また、アルミニウム製の正極リード
12を予め正極集電体10に取付け、これを正極2から
導出して金属製の安全弁34の突起部34aに溶接し
た。
【0040】その後に、電池缶5の中にプロピレンカー
ボネートと1,2−ジメトキシエタンとのなど容量混合
溶媒にリチウム塩のLiPF6を1モル/lの割合で溶
解した非水電解液を2.10ml注入して、巻回電極体
15に含浸させた。この場合、電池缶5の上方からこの
電池缶5の中に注入された非水電解液は、巻回電極体1
5の上端面だけでなく、この巻回電極体15の空隙部3
7を通して巻回電極体15の下面に至ってこの下端面か
らも(換言すれば、両端面から)巻回電極体15に含浸
した。
【0041】この前後に、巻回電極体15の上端面およ
び下端面に対向するように、電池缶5内に円板状の絶縁
板4aおよび4bをそれぞれ配設した。
【0042】この後に、電池缶5と、互いに外周が密着
している安全弁34および金属製の電池蓋7のそれぞれ
とを、表面にアスファルトを塗布した絶縁封口ガスケッ
ト6を介してかしめることによって、電池缶5を封口し
た。これにより、電池蓋7および安全弁34を固定する
とともに、電池缶5内の気密性を保持させた。このと
き、ガスケット6の図1における下端が絶縁板4aの外
周面と当接することによって、絶縁板4aが巻回電極体
15の上端面側と密着する。
【0043】以上のようにして、直径20mm、高さ4
2mmの円筒型非水電解液二次電池を作製した。この実
施例1の電池を、後掲の表1に示すように、便宜上電池
Bとする。
【0044】なお、上記円筒型非水電解液二次電池は、
二重の安全装置を構成するために、安全弁34と、スト
リッパ36と、これらの安全弁34とストリッパ36と
を一体にするための絶縁材料から成る中間嵌合体35と
を備えている。図示を省略するが、安全弁34にはこの
安全弁34が変形したときに開裂する開裂部が、また、
電池蓋7には孔がそれぞれ設けられている。
【0045】万一、電池内圧が何らかの原因で上昇した
場合、安全弁34がその突起部34aを中心にして図1
の上方へ変形することによって、正極リード12と突起
部34aとの接続が断たれて電池電流を遮断するよう
に、あるいは、安全弁34の開裂部が開裂して電池内に
発生したガスを排気するように夫々構成されている。
【0046】また、上記円筒型非水電解液二次電池にお
いては、上述のように、帯状の負極1の幅は33.5m
m、帯状の正極2の幅は31.5mm、一対の帯状のセ
パレータ3a、3bの幅は36mmである。したがっ
て、帯状の負極1、帯状の正極2および帯状のセパレー
タ3a、3bの幅は、図1にも明示されているように、 セパレータ幅>負極幅>正極幅 の関係にある。このために、充電時に正極2中のリチウ
ムが負極1に回り込んで負極1においてデンドライト状
に結晶成長したり、また、このデンドライト状の結晶が
正極2に到達して内部短絡に至るのをさらに効果的に防
止することができるので、さらに良好な充放電サイクル
特性が得られる。
【0047】実施例2、3、4、5 実施例2〜5では、電池缶5内に注入する非水電解液を
それぞれ2.55ml、3.00ml、3.40ml、
3.80ml としたこと以外は実施例1と同様にし
て、直径20mm、高さ42mmの円筒型非水電解液二
次電池B、C、DおよびEをそれぞれ作製した。
【0048】つぎに、本発明の効果を確認するための比
較例として、次のような電池を作製した。
【0049】比較例1、2 電池缶5内に注入する非水電解液をそれぞれ1.70m
lおよび4.25mlとしたこと以外は実施例1と同様
にして、直径20mm、高さ42mmの円筒型非水電解
液二次電池AおよびGをそれぞれ作製した。
【0050】なお、上述の電池A〜Gの組立時の電池缶
5をかしめる工程において、電池Gの場合のみ電池蓋7
の上に非水電解液が溢れた。
【0051】以上の7種類の電池A〜Gについて、充電
上限電圧を4.1Vに設定し、1Aの定電流で2時間充
電した後に、7.5Ωの定負荷で終止電圧2.75Vま
で放電させる充放電サイクルを繰り返した。
【0052】この充放電サイクルの10サイクル経過時
の放電容量(初期容量)と100サイクル経過時の放電
容量とを測定し、100サイクル経過時の容量と10サ
イクル経過時の容量との比を電池容量維持率とした。
【0053】下記の表1に初期容量および電池の初期容
量を850mAhとしたときの放電容量1mAh当りの
各電池A〜Gの非水電解液量をそれぞれ示す。
【0054】また、図2に放電容量1mAh当りの非水
電解液量と100サイクル経過時における電池容量維持
率との関係を示す。
【0055】
【表1】
【0056】図2から明らかなように、放電容量1mA
h当りの非水電解液量が4.5μl以下の電池A〜F
は、電池容量維持率が80%を超えてサイクル特性が良
く、さらに、放電容量1mAh当りの非水電解液量が
4.0μl以下の電池A〜Eは、電池容量維持率が85
%を超えておりより好ましい。
【0057】つぎに、上述の各電池A〜Gを各100個
ずつ作製して、充電時における内部短絡の発生率を調査
した。
【0058】図3に各電池A〜Gについて放電容量1m
Ah当りの非水電解液量と内部短絡発生率との関係を示
す。
【0059】図3から明らかなように、放電容量1mA
h当りの非水電解液量が2.5μl以上の電池B〜G
は、内部短絡発生率が低い。また、放電容量1mAh当
りの非水電解液量が3.0μlを超える電池D〜Gでは
内部短絡が全く発生していない。
【0060】以上のように、巻回電極体15が収容され
る電池缶5と電池蓋7とを絶縁封口ガスケット6を介し
てかしめることによって気密性が保持されるように電池
缶5を封口し、また、巻回電極体15の中央に中空部分
を設けるとともに、この中空部分には中空の巻芯37
位置させ、さらに、巻回電極体15の上端面および下端
面に対向させて絶縁板4a、4bを配設し、しかも、電
池内の非水電解液が適度に多く含まれるようにしたか
ら、電極のほとんどの部分に非水電解液が行き渡って非
水電解液に濡れない部分が生じることがなく、このため
に、電極の充放電密度が部分的に高くなることはなく、
この結果、充電時に負極において金属リチウムが析出せ
ずに内部短絡が発生しないものと考えられる。
【0061】以上の図2および図3から、非水電解液二
次電池に注入する非水電解液量は、電池の放電容量1m
Ah当りの非水電解液量で3.0μlを超えかつ4.0
μl以下が好ましいことがわかる。
【0062】なお、本実施例の電池は、渦巻型の巻回電
極体を用いた円筒型非水電解液二次電池であったが、本
発明はこれに限定されるものではなく、例えば、角筒型
などの非水電解液二次電池にも適用し得る。
【0063】
【発明の効果】本発明による非水電解液二次電池は、帯
状の負極集電体の両面に塗布し形成された炭素質材料か
ら主として構成される負極と帯状の正極集電体の両面に
塗布し形成されたリチウムを含む正極とを帯状のセパレ
ータを介して巻回することによって構成された渦巻型の
巻回電極体と、この巻回電極体が収容される電池缶と、
この電池缶を封口するための電池蓋と、この電池缶と電
池蓋とを互いにかしめる際に両者の間に介在される絶縁
封口ガスケットと、巻回電極体の上端面および下端面に
それぞれ対向させて配設された絶縁板と、電池缶内に注
入されかつリチウム塩を溶解させた非水電解液とをそれ
ぞれ具備している。したがって、軽量であり、自己放電
が少なく、エネルギー密度が大きく、また、充放電サイ
クルが進行しても負極において充電時にデンドライト状
の結晶があまり見られなくて内部短絡を起こしにくいた
めに良好な充放電サイクル特性を示し、さらに、電極面
積が大きくとれるために重負荷による使用にも耐えるこ
とができる。
【0064】また、巻回電極体の中央に中空部分を有す
とともに、この中空部分には中空の巻芯が位置するよ
うにし、また、非水電解液二次電池内の非水電解液量を
放電容量1mAh当り3.0μlを超えかつ4.5μl
以下としたから、非水電解液量が電池の放電容量1mA
h当り4.5μl以下と適度に少なくて多すぎることが
なく、このために、充放電サイクルの進行に伴う電池容
量の低下を少なくできるとともに、非水電解液量が電池
の放電容量1mAh当り3.0μl超えと適度に多くて
少なすぎることがなく、したがって、内部短絡の発生を
さらに良好に抑制することができて、充放電サイクル特
性に非常に優れている。
【0065】また、巻回電極体の正極、負極およびセパ
レータのそれぞれの幅を、 セパレータ幅>負極幅>正極幅 の関係にしたので、充電時に正極中のリチウムが負極に
回り込んで負極においてデンドライト状に結晶成長した
り、また、このデンドライト状の結晶が正極に到達して
内部短絡に至るのをさらに効果的に防止することがで
き、このために、さらに良好な充放電サイクル特性を示
す。
【0066】また、正極は、一般式LiMO2 (ただ
し、MはCo、Niの少なくとも一種を表す)で表され
る複合金属酸化物もしくはリチウムを含んだ層間化合物
であるから、正極に十分な量のリチウムを含ませること
ができる。
【0067】さらに、請求項2の発明によれば、負極を
主として構成する炭素質材料として、(002)面の面
間隔が3.70Å以上、真密度1.70g/cm3 未満
でありかつ空気気流中における示差熱分析で700℃以
上に発熱ピークを有していないものを用いているので、
高容量の非水電解液二次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例である円筒型非水電解液二
次電池の概略的な縦断面図である。
【図2】本発明による実施例および比較例における7種
類の電池についての電池放電容量1mAh当りの非水電
解液量と電池容量維持率との関係を示す図である。
【図3】上記7種類の電池についての電池放電容量1m
Ah当りの非水電解液量と内部短絡発生率との関係を示
す図である。
【符号の説明】
1 負極 2 正極 3a セパレータ 3b セパレータ 9 負極集電体 10 正極集電体 15 巻回電極体 37 空隙部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−265167(JP,A) 特開 平2−148576(JP,A) 特開 平2−66856(JP,A) 特開 平2−56871(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 4/02 H01M 4/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状の負極集電体の両面に塗布し形成され
    た炭素質材料から主として構成される負極と帯状の正極
    集電体の両面に塗布し形成された一般式LiMO2(た
    だし、MはCo、Niの少なくとも一種を表す)で表さ
    れる複合金属酸化物もしくはリチウムを含んだ層間化合
    物から主として構成される正極とを帯状のセパレ−タを
    介して巻回することによって構成された渦巻型の巻回電
    極体と、前記巻回電極体が収容される電池缶と、 前記電池缶を封口するための電池蓋と、 前記電池缶と上記電池蓋とを互いにかしめる際に両者の
    間に介在される絶縁封口ガスケットと、 前記巻回電極体の上端面および下端面にそれぞれ対向さ
    せて配設された絶縁板と、 前記電池缶内に注入されかつ リチウム塩を溶解させた非
    水電解液とをそれぞれ具備する非水電解液二次電池にお
    いて、 前記巻回電極体の前記正極、前記負極および前記セパレ
    ータのそれぞれの幅が、 セパレータ幅>負極幅>正極幅 の関係にあり、 前記巻回電極体がその中央に中空部分を有するととも
    に、この中空部分には中空の巻芯が位置し、 前記非水電解液量が電池の放電容量1mAh当り3.0
    μlを超えかつ4.5μl以下であることを特徴とする
    非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】前記炭素質材料は、(002)面の面間隔
    が3.70Å以上、真密度1.70g/cm3 未満であ
    りかつ空気気流中における示差熱分析で700℃以上に
    発熱ピークを有していないことを特徴とする請求項1記
    載の非水電解液二次電池。
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