JP3163642B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JP3163642B2
JP3163642B2 JP11211891A JP11211891A JP3163642B2 JP 3163642 B2 JP3163642 B2 JP 3163642B2 JP 11211891 A JP11211891 A JP 11211891A JP 11211891 A JP11211891 A JP 11211891A JP 3163642 B2 JP3163642 B2 JP 3163642B2
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electrolyte secondary
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非水電解液二次電池に
関するものであり、特にその負極の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術のめざましい進歩は、電
子機器の小型化・軽量化を次々と実現させている。それ
に伴い、移動用電源としての電池に対しても益々小型・
軽量且つ高エネルギー密度のものが求められている。従
来、二次電池としては鉛電池,ニッケル・カドミウム電
池等の水溶液系二次電池が主流であった。しかし、これ
らの電池はサイクル特性には優れるものの、電池重量や
エネルギー密度、自己放電の点では十分満足できるもの
とは言えない。
【0003】そこで、最近、上述のニッケルカドミウム
電池等に代わる二次電池としてリチウムあるいはリチウ
ム合金を負極に用いた非水電解液二次電池の研究・開発
が盛んに行われている。この非水電解液二次電池は高エ
ネルギー密度を有し、自己放電も少なく、しかも軽量で
あるという移動用電源として適した特徴を有するもので
ある。
【0004】しかしながら、この非水電解液二次電池に
おいては、充放電サイクルの繰り返しに伴ってリチウム
が充電時にデンドライト状に結晶成長し、この結晶成長
したリチウムが正極に到達して内部ショートを引き起こ
す可能性を有しているため、十分なサイクル寿命が得ら
れず、このことが実用化への大きな障害となっている。
【0005】そこで、高エネルギー密度でしかもサイク
ル寿命の長い非水電解液二次電池として、負極に炭素材
料を使用した非水電解液二次電池が提案されている。こ
の非水電解液二次電池は、リチウムの炭素層間化合物が
電気化学的に容易に形成できることを利用したものであ
り、このような非水電解液二次電池に対して充電を行う
と、予め炭素材料に担持させたリチウム,正極活物質の
結晶構造中のリチウムあるいは電解液中に溶解している
リチウム等が負極の炭素層間へドープされる。そして、
リチウムがドープされた炭素材料はリチウム電極として
機能し、放電に伴ってリチウムを炭素層間から放出する
こととなる。
【0006】この炭素材料を負極とする非水電解液二次
電池は、高エネルギー密度であるとともに上述のリチウ
ムを負極とする非水電解液二次電池と異なり、リチウム
の結晶成長が生じないため、充放電サイクルの繰り返し
に耐える。このため、実用化へ向けて開発が進められて
おり、たとえばビデオ・カメラや携帯用パーソナルコン
ピュータ(いわゆるラップ・トップ・パソコン)等の比
較的消費電流が大きい機器の電源として対応すべく、電
池構造として渦巻式電極構造のもの等が提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
なビデオ・カメラ等に使用される機器用電源としては、
保存に伴う容量低下をできるだけ少なくすることが重要
となる。しかしながら、炭素材料を負極とする非水電解
液二次電池はリチウムあるいはリチウム合金を負極とし
て使用した非水電解液二次電池と比較して自己放電が大
きく、保存性の点において十分満足のいくものとは言え
なかった。そこで、本発明はこのような従来に実情に鑑
みて提案されたものであり、サイクル寿命が長く、高エ
ネルギー密度であるとともに自己放電率が高く保存性に
優れた非水電解液二次電池を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の非水電解液二次電池は、酸素を含む官能
基が10〜20重量%導入された出発原料が焼成処理さ
れてなり、(002)面の面間隔が3.65Å以上,真
密度が1.70g/cm3 未満であり、且つ示差熱分析
において複数の発熱ピークを有するとともに700℃以
上に少なくとも1つの発熱ピークを有する炭素質材料を
負極とすることを特徴とするものであり、さらには、上
記出発原料が、不活性ガス雰囲気中、温度1200℃〜
1600℃で焼成処理されてなることを特徴とするもの
である。
【0009】本発明の非水電解液二次電池においては、
長サイクル寿命を得るとともに自己放電率の低減を図る
ために、負極として、(002)面の面間隔が3.65
Å以上、好ましくは3.70Å以上、真比重1.70g
/cm3 未満であり、且つ空気気流中における示差熱分
析で発熱ピークが複数個存在し、少なくとも1個が70
0℃以上に存在する炭素材料を使用する。
【0010】このような性質を有する炭素材料として
は、有機材料を焼成等の手法により炭素化した炭素質材
料が挙げられる。炭素化の出発原料となる有機材料とし
ては、フルフリルアルコールあるいはフルフラールのホ
モポリマー又はコポリマーよりなるフラン樹脂が好適で
ある。具体的には、フルフラール+フェノール、フルフ
リルアルコール+ジメチロール尿素、フルフリルアルコ
ール、フルフリルアルコール+ホルムアルデヒド、フル
フリルアルコール+フルフラール、フルフラール+ケト
ン類等よりなる重合体が挙げられる。これらフラン樹脂
を適当な温度で焼成すると、上述の性質((002)面
の面間隔が3.65Å以上、真比重1.70g/cm3
未満であり、且つ空気流中に於ける示差熱分析で発熱ピ
ークを複数個持ち、少なくとも1個が700℃以上に存
在する)を有する炭素質材料が得られ、この得られた炭
素質材料は、電池の負極材として非常に良好な特性を示
す。
【0011】あるいは、原料として水素/炭素原子比
0.6〜0.8の石油ピッチを用い、これに酸素を含む
官能基を導入し、いわゆる酸素架橋を施して酸素含有量
10〜20重量%の前駆体とした後、焼成して得られる
炭素質材料も好適である。さらには、前記フラン樹脂や
石油ピッチ等を炭素化する際にリン化合物、あるいはホ
ウ素化合物を添加することにより、リチウムに対するド
ープ量を大きなものとした炭素質材料も使用可能であ
る。
【0012】一方、上記非水電解液二次電池に使用され
る正極材料としては、十分なリチウムを含んだ材料を使
用するのが好ましく、たとえば一般式LiMO2 (ただ
しMはCo、Niの少なくとも一種を表す。)で表され
る複合金属酸化物や、リチウムを含んだ層間化合物等が
使用される。特に、LiCoO2 、LiCo0.8 Ni
0.2 2 は、高電圧、高エネルギー密度,良好なサイク
ル特性を得る点で望ましい。
【0013】また、電解液としては、たとえばリチウム
塩を電解液とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用
いられる。ここで、有機溶媒としては、特に限定される
ものではないが、たとえばプロプレンカーボネート、エ
チレンカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−
ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブ
チロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエ
ーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル等の単独もしくは二種類以上の混
合溶媒が使用できる。電解質も従来より公知のものがい
ずれも使用でき、LiClO4 ,LiAsF6 ,LiP
6 ,LiBF4 ,LiB(C6 5 4 ,LiCl,
LiBr,CH3 SO3 Li,CF3 SO3 Li等があ
る。
【0014】
【作用】炭素質材料を負極とする非水電解英二次電池に
おいて、(002)面の面間隔が3.65Å以上,真密
度が1.70g/cm3 未満であり、且つ示差熱分析に
おいて複数の発熱ピークを有するとともに700℃以上
に少なくとも1つの発熱ピークを有するという条件を満
たす炭素質材料を使用すると、大放電容量,長サイクル
寿命が得られるとともに、自己放電率が低減する。
【0015】これは以下の理由によるものと推測され
る。すなわち、リチウムをドープした炭素は、その層間
距離〔(002)面の面間隔〕d002 が3.65Åであ
ると、リチウムをドープする際に層間距離が拡大するこ
とになる。したがって、d002 <3.65Åの炭素質材
料では、層間を拡げなければならない分だけリチウムの
ドープが困難になるものと考えられ、これによってドー
プ量が少なくなるものと考えられる。一方、真密度ρ
は、前記層間距離と密接な関係にあり、ρ>1.70g
/cm3 となると前述の層間距離を確保することが難し
くなり、やはりドープ量が減少する。上記非水電解液二
次電池において使用される炭素材料は、(002)面の
面間隔が3.65Å以上,真密度が1.70g/cm3
未満とされている。したがって炭素層間にリチウムが多
量にドープされることとなり、これにより、電池の長サ
イクル寿命,大放電容量が達成されるものと推測され
る。また、上記炭素材料は示差熱分析で発熱ピークを複
数有し、このうち少なくとも1つが700℃以上にあ
る。非水電解液二次電池において、その自己放電率は、
負極となる炭素材料の構造に影響されるものと考えられ
る。そして、示差熱分析での発熱ピークの少なくとも1
つが700℃以上に有るような構造を有する炭素材料を
使用すると、炭素材料にドープされたリチウムが放出さ
れ難くなる等の理由により、自己放電率が低減し、高い
保存性が得られるものと推測される。
【0016】
【実施例】本発明の好適な実施例について実験結果の基
づいて説明する。
【0017】実施例1 本実施例は、(002)面の面間隔が3.75Å,真比
重が1.58g/cm3 示差熱分析での発熱ピークが6
69℃と705℃にある炭素材料を負極とする非水電解
液二次電池の例である。
【0018】先ず、図1に示す非水電解液二次電池を作
成するために、負極1を次のようにして作製した。
【0019】出発原料として石油ピッチを用い、これに
酸素を含む官能基を10〜20重量%導入(いわゆる酸
素架橋)した後、不活性ガス気流中1200℃で焼成し
て、ガラス状炭素に近い性質を持った炭素質材料を得
た。この材料について、X線回折測定をおこなった結
果、(002)面の面間隔は3.75Åであり、ピクノ
メータ法により真比重を測定した結果、真比重は1.5
8g/cm3 であった。また、空気気流中で示差熱分析
を行ったところ、669℃と705℃に発熱ピークが存
在した。この炭素材料を粉砕し、平均粒径10μmの炭
素材料粉末とした。
【0020】このようにして得た炭素質材料粉末を負極
活物質担持体とし、これを90重量部、結着材としてポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部を混合し、
負極合剤を調製した。この負極合剤を、溶剤であるN−
メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー(ペース
ト状)にした。そして、負極集電体として厚さ10μm
の帯状の銅箔を用い、この集電体の両面に負極合剤スラ
リーを塗布し、溶剤を乾燥後、ローラープレス機により
圧縮成形して、これを幅41.5mm、長さ700mm
にスリット帯状負極1とした。
【0021】次いで正極2を下記に示す如く作製した。
炭酸リチウム0.5モルと炭酸コバルト1モルを混合
し、900℃の空気中で5時間焼成して正極活物質とな
るLiCoO2 を得た。そして、このLiCoO2 を9
1重量部、導電剤としてグラファイト6重量部、結着剤
としてポリフッ化ビニリデン3重量部を混合し、正極合
剤とした。この正極合剤をN−メチルピロリドンに分散
させてスラリー(ペースト状)にした。
【0022】次に、正極集電体として厚さ20μmの帯
状のアルミニウム箔を用い、この集電体の両面に均一に
正極合剤スラリーを塗布し、溶剤を乾燥後、圧縮成形し
て帯状正極2を作製した。なお、電極の幅は39.5m
mとした。
【0023】上述のようにして作成された帯状負極1、
帯状正極2及び厚さ25μm、幅44mmの微多孔性ポ
リプロピレンフィルムより成るセパレータ3を負極、セ
パレータ、正極、セパレータの順に積層し、厚さ0.4
mmの積層体とした。この積層体を渦巻型に多数回巻回
し、最外周セパレータ最終端部をテープ20で固定し、
電極を作製した。なお、この渦巻式電極の、中心部の中
空部分の内径は3.5mm、外径は19.7mmであっ
た。
【0024】上記渦巻式電極を、ニッケルめっきを施し
た鉄製電池缶5に収納した。そして渦巻式電極上下両面
には絶縁板4を配設し、アルミニウム製正極リード12
を正極集電体から導出して電池蓋7に、ニッケル製負極
リード11を負極集電体から導出して電池缶5に溶接し
た。この電池缶5の中にプロピレンカーボネートと1,
2−ジメトキシエタンとの等容量混合溶媒中にLiPF
6 を1モル/lの割合で溶解した電解液を注入した。最
後に、アスファルトで表面を塗布した絶縁封口ガスケッ
トを介して電池缶5をかしめることにより、電池蓋7を
固定して電池内の機密性を保持し、直径20mm、高さ
50mmの円筒型非水電解液二次電池(実施例電池1)
を作成した。
【0025】実施例2 本実施例は、(002)面の面間隔が3.73Å,真比
重が1.58g/cm3 示差熱分析での発熱ピークが6
80℃と726℃にある炭素材料を負極とする非水電解
液二次電池の例である。
【0026】実施例1と同様に石油ピッチを酸素架橋し
た後、不活性ガス気流中1300℃で焼成し、ガラス状
炭素に近い性質を持った炭素材料を得た。この材料のX
線回折測定を行った結果、(002)面の面間隔は3.
73Åであり、ピクノメーター法による真比重は、1.
58g/cm3 であった。また空気気流中での示差熱分
析では、発熱ピークが680℃、及び、726℃に存在
した。この炭素質材料を粉砕し、平均粒径10μmとし
た。このようにして得た炭素材料粉末を負極活物質担持
体とすること以外は、実施例1と同様にして、直径20
mm、高さ50mmの円筒型非水電解液二次電池(実施
例電池2)を作成した。
【0027】実施例3 本実施例は、(002)面の面間隔が3.71Å,真比
重が1.58g/cm3 示差熱分析での発熱ピークが6
91℃と737℃にある炭素材料を負極とする非水電解
液二次電池の例である。
【0028】実施例1と同様に石油ピッチを酸素架橋し
た後、不活性ガス気流中1400℃で焼成し、ガラス状
炭素に近い性質を持った炭素材料を得た。この材料のX
線回折測定を行った結果、(002)面の面間隔は、
3.71Åであり、ピクノメーター法による真比重は、
1.58g/cm3 であった。また、空気気流中での示
差熱分析では、発熱ピークが691℃、及び、737℃
に存在した。この炭素質材料を粉砕し、平均粒径10μ
mとした。このようにして得た炭素質材料粉末を負極活
物質担持体とすること以外は、実施例1と同様にして、
直径20mm、高さ50mmの円筒型非水電解液二次電
池(実施例電池3)を作成した。
【0029】実施例4 本実施例は、(002)面の面間隔が3.67Å,真比
重が1.59g/cm3 示差熱分析での発熱ピークが7
04℃と758℃にある炭素材料を負極とする非水電解
液二次電池の例である。
【0030】実施例1と同様に石油ピッチを酸素架橋し
た後、不活性ガス気流中1600℃で焼成し、ガラス状
炭素に近い性質を持った炭素材料を得た。この材料のX
線回折測定を行った結果、(002)面の面間隔は、
3.67Åであり、ピクノメーター法による真比重は、
1.59g/cm3 であった。また、空気気流中での示
熱差分析では、発熱ピークが704℃、及び758℃に
存在した。この炭素質材料を粉砕し、平均粒径10μm
とした。このようにして得た炭素質材料粉末を負極活物
質担持体とすること以外は実施例1と同様にして、直径
20mm、高さ50mmの円筒型非水電解液二次電池
(実施例電池4)を作成した。
【0031】比較例1 本比較例は、(002)面の面間隔が3.79Å,真比
重が1.58g/cm3 示差熱分析での発熱ピークが6
39℃にある炭素材料を負極とする非水電解液二次電池
の例である。
【0032】実施例1と同様に石油ピッチを酸素架橋し
た後、不活性ガス気流中1000℃で焼成し、ガラス状
炭素に近い性質を持った炭素材料を得た。この材料のX
線回折測定を行った結果、(002)面の面間隔は、
3.79Åであり、ピクノメーター法による真比重は、
1.58g/cm3 であった。また、空気気流中での示
差熱分析では、発熱ピークが639℃に存在した。この
炭素質材料粉末を粉砕し、平均粒径10μmとした。こ
のようにして得た炭素材料粉末を負極活物質担持体とす
ること以外は、実施例1と同様にして、直径20mm、
高さ50mmの円筒型非水電解液二次電池(比較例電池
1)を作成した。
【0033】比較例2 比較として、(002)面の面間隔が3.62Å,真比
重が1.60g/cm3 示差熱分析での発熱ピークが7
98℃にある炭素材料を負極とする非水電解液二次電池
の例である。
【0034】実施例1と同様に石油ピッチを酸素架橋し
た後、不活性ガス気流中1800℃で焼成し、ガラス状
炭素に近い性質を持った炭素材料を得た。この材料のX
線回折測定を行った結果、(002)面の面間隔は、
3.62Åであり、ピクノメーター法による真比重は、
1.60g/cm3 であった。また、空気気流中での示
差熱分析では、発熱ピークが798℃、に存在した。こ
の炭素質材料粉末を粉砕し、平均粒径10μmとした。
このようにして得た炭素材料粉末を負極活物質担持体と
すること以外は、実施例1と同様にして、直径20m
m、高さ50mmの円筒型非水電解液二次電池(比較例
電池2)を作成した。
【0035】以上のように作成された実施例電池1〜4
および比較例電池1,2について、充放電を100サイ
クル行った後の容量維持率および自己放電率について検
討を行った。なお、容量維持率は、充電上限電圧を4.
1V、充電電流を1Aに設定し、2.5時間の定電圧定
電流充電後、6Ωの定負荷で、終止電圧2.75Vまで
放電させる充放電サイクルを繰り返し、10サイクル目
(初期容量)及び、100サイクル目の放電容量を記録
し、これらの値から算出した。また、自己放電率は、1
01サイクル目に充電上限電圧を4.1V、充電電流を
1Aに設定し、2.5時間の定電圧定電流充電後、22
℃の温度下に720時間保存し、その後、6Ω定負荷
で、終止電圧2.75Vまで放電して得られた容量を1
00サイクル目の放電容量と比較することによって算出
した。
【0036】各電池の容量維持率および自己放電率の測
定結果を表1に示す。
【表1】
【0037】表1に示すように、実施例電池1〜実施例
電池4は、比較例電池1,2に比べて自己放電率が低
く、保存による放電容量低下が非常に小さい。また、初
期容量も大きくしかも容量維持率が高い。したがって、
これらの結果から、(002)面の面間隔が3.65Å
以上、真比重1.70g/cm3 未満であり、且つ空気
気流中に於ける示差熱分析で発熱ピークが複数個存在
し、少なくとも1個が700℃以上に存在するという条
件を満たす炭素材料を使用することにより、大容量,長
サイクル寿命,低自己放電率が達成されることが示され
た。また、容量維持率が実施例電池1,2,3,4の順
に優れることから、(002)面の面間隔が3.70Å
以上の炭素材料を使用した場合に、特に放電容量の優れ
る非水電解液二次電池が得られることがわかった。
【0038】そして、たとえば示差熱分析での発熱ピー
クのすべてが700℃未満に存在する炭素材料を使用し
た場合(比較例電池1)には、自己放電率が大きくなっ
て、十分な保存性が得られなくなり、一方(002)面
の面間隔が3.65Å未満の炭素材料を使用すると(比
較例電池2)、容量および容量維持率が不足することが
わかった。
【0039】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の非水電解液二次電池は、負極に使用する炭素材料の
形態的パラメータを所定の範囲に規定しているので、大
放電容量,長サイクル寿命が得られるとともに自己放電
率の低減を図ることが可能である。したがって、ラップ
・トップ・パソコン,ビデオ・カメラ等,比較的消費電
力の大きい機器に対しても十分な電力量を供給すること
ができ、しかもサイクル寿命,保存性に優れるので、実
用性の点でも優れた機器用電源となる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒型非水電解液二次電池の構成例を示す断面
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−84872(JP,A) 特開 昭61−277157(JP,A) 特開 平2−256174(JP,A) 特開 昭62−55875(JP,A) 特開 平2−66856(JP,A) 特開 昭62−90863(JP,A) 特開 昭63−69155(JP,A) 特開 昭60−170163(JP,A) 特開 昭59−3806(JP,A) 特開 昭58−69234(JP,A) 特開 昭63−193462(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 4/02 H01M 4/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素を含む官能基が10〜20重量%導
    入された出発原料が焼成処理されてなり、 (002)面の面間隔が3.65Å以上,真密度が1.
    70g/cm3 未満であり、且つ示差熱分析において複
    数の発熱ピークを有するとともに700℃以上に少なく
    とも1つの発熱ピークを有する炭素質材料を負極とする
    ことを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 上記出発原料が、不活性ガス雰囲気中、
    温度1200℃〜1600℃で焼成処理されてなること
    を特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
JP11211891A 1991-04-18 1991-04-18 非水電解液二次電池 Expired - Lifetime JP3163642B2 (ja)

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