JP5541957B2 - 積層型二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、積層型二次電池に関する。
近年、民生用の携帯電話機やポータブル電子機器、携帯情報端末などの急速な小型軽量化および多機能化に伴い、その電源である電池に対して、小型軽量で高エネルギー密度かつ長期間繰り返し充放電が可能な二次電池の開発が強く要求されている。これらの要求を満たす二次電池として、他の二次電池に比べてエネルギー密度が高いリチウムイオン二次電池が最も有望であり、より優れたリチウムイオン二次電池を開発すべく、種々の研究が推進されている。
また、近年では、地球温暖化などの環境問題を踏まえて、電力貯蔵用途にリチウムイオン二次電池が利用されるようになってきている。さらに、二酸化炭素(CO2)削減やエネルギー問題への対策として、低燃費で低排気ガスのハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)や電気自動車(EV:Electric Vehicle)の普及に期待が高まっており、車載用電池をターゲットにしたリチウムイオン二次電池の開発および製品化も進められている。
このようなリチウムイオン二次電池は、一般的に、正極活物質層が形成された正極と負極活物質層が形成された負極とが、セパレータを挟んで対向するように配された状態で外装体(収納容器)内に収納された後、非水電解液が注液されることにより形成されている。そして、正極と負極との間でリチウムイオンを移動させることにより充放電が行われる。なお、このようなリチウムイオン二次電池の一例が、たとえば、特許文献1および2に記載されている。
特許登録第3482604号公報 特開2000−149960号公報
上記のように、リチウムイオン二次電池は、携帯電話機などの携帯機器のみならず、電気自動車などの大型の動力用としての需要も高まっている。そして、リチウムイオン二次電池の需要の高まりに伴い、大容量、かつ、500サイクル以上といったより長い寿命が求められるようになってきている。
しかしながら、このようなリチウムイオン二次電池では、充放電時における活物質層の膨張収縮などによって、活物質層からの活物質の剥離や脱落により内部短絡が発生する場合があり、この内部短絡の発生により電池寿命が低下するという不都合が生じる。これにより、寿命特性や信頼性が低下するという問題が生じる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、寿命特性に優れた信頼性の高い積層型二次電池を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による積層型二次電池は、正極活物質層を含む正極と、負極活物質層を含み、正極と対向するように配された負極と、正極および負極が交互に積層された積層体と、積層体を収納する収納容器とこの収納容器を封口する封口体とを含む外装容器と、外装容器内に配され、電解液に対して膨潤性を有する膨潤性樹脂とを備えている。そして、上記積層体は、電解液が外装容器内に注液されることにより膨潤した膨潤性樹脂によって、積層方向に押圧力が加えられている。
この一の局面による積層型二次電池では、上記のように、電解液に対して膨潤性を有する膨潤性樹脂を外装容器内に配することによって、外装容器内に電解液を注液することにより、上記膨潤性樹脂を膨潤させることができる。そして、電解液の注液により膨潤した膨潤性樹脂によって、外装容器内に収納された積層体に押圧力を加えることができる。これにより、外装容器内において上記積層体を固定することができるので、積層体の位置ずれを抑制することができる。したがって、電池の充放電に伴う活物質層の膨張収縮時などにおいて、積層体に位置ずれが生じることに起因する内部短絡の発生を抑制することができる。その結果、サイクル特性を向上させることができる。
また、一の局面では、電解液が外装容器内に注液されることにより膨潤した膨潤性樹脂によって、上記積層体に押圧力を加えることができるので、この押圧力によって正極と負極とを密着させることができる。このため、これによっても、サイクル特性を向上させることができる。
したがって、一の局面による積層型二次電池では、上記のように構成することによって、寿命特性および信頼性を向上させることができる。
上記一の局面による積層型二次電池において、好ましくは、正極および負極は、それぞれ、縁部を有するとともに、縁部の少なくとも一部を除く、正極活物質層および負極活物質層の領域に押圧力が加えられている。このように構成すれば、電極縁部に発生するバリ突起などに起因して、正極と負極とが電気的に短絡するという不都合が生じるのを抑制することができる。これにより、電池組立時における内部短絡の発生を抑制することができるので、歩留まりを向上させることができる。また、歩留まりを向上させることによって、大容量の積層型二次電池を製造する際に、容易に、製品価格の低減を図ることができる。また、このように構成すれば、電池の充放電に伴う活物質層の膨張収縮時において、電極の縁部(端部)で内部短絡が生じるのを効果的に抑制することができる。これにより、効果的に、サイクル特性を向上させることができる。加えて、信頼性をより向上させることができる。
上記一の局面による積層型二次電池において、好ましくは、正極および負極は、それぞれ、正極活物質層の縁部および負極活物質層の縁部を除く領域に、押圧力が加えられている。ここで、正極活物質層および負極活物質層を塗布により形成した場合、塗布始端および塗布終端に盛り上がり部分(突出部)が形成される場合がある。この場合、盛り上がり部分(突出部)に押圧力が加えられると内部短絡が生じる場合がある。しかしながら、上記のように構成すれば、このような盛り上がり部分(突出部)に押圧力が加わるのを抑制することができるので、盛り上がり部分(突出部)で内部短絡が発生するのを抑制することができる。これにより、短絡の発生を効果的に抑制することができるので、より容易に、歩留まりを向上させることができる。
上記一の局面による積層型二次電池において、好ましくは、正極活物質層および負極活物質層の少なくとも一方には、膨潤性樹脂が分散されている。このように構成すれば、外装容器内に電解液を注液することにより、膨潤性樹脂を分散させた活物質層を膨潤させることができる。そして、電解液の注液により膨潤した活物質層によって、外装容器内に収納された積層体に押圧力を加えることができる。これにより、容易に、サイクル特性を向上させることができる。
上記一の局面による積層型二次電池において、好ましくは、封口体と積層体との間および収納容器と積層体との間の少なくとも一方には、膨潤性樹脂からなる板状部材が配されている。このように構成すれば、外装容器内に電解液を注液することにより、膨潤性樹脂からなる板状部材を膨潤させて、容易に、外装容器内に収納された積層体に押圧力を加えることができる。
この場合において、好ましくは、板状部材は、正極活物質層の縁部および負極活物質層の縁部を除く活物質層の領域に対応する大きさに形成されている。このように構成すれば、容易に、正極活物質層の縁部および負極活物質層の縁部を除く領域に押圧力を加えることができるので、内部短絡の発生を効果的に抑制することができる。これにより、サイクル特性を向上させながら、信頼性および歩留まりを向上させることができる。
上記一の局面による積層型二次電池において、正極と負極との間に配されるセパレータをさらに備え、セパレータを上記膨潤性樹脂から構成してもよい。このように構成すれば、外装容器内に電解液を注液することにより、セパレータを膨潤させて、容易に、外装容器内に収納された積層体に押圧力を加えることができる。なお、上記セパレータを、正極と負極との間以外にも配し、正極と負極との間以外に配したセパレータを膨潤させて、外装容器内に収納された積層体に押圧力を加えるように構成してもよい。
この場合において、好ましくは、積層体は、正極、セパレータおよび負極をそれぞれ複数有し、正極、セパレータおよび負極が順次積層されることによって積層体が構成されており、複数のセパレータのうちの少なくとも一部は、他のセパレータとは異なる厚みを有している。このように構成すれば、積層体に加える押圧力を調整し易くすることができるので、所望の押圧力を積層体に加えることができる。
上記一の局面による積層型二次電池において、好ましくは、積層体における正極および負極が、封口体および収納容器によって、積層方向に押圧力が加えられている。このように構成すれば、より容易に、積層体(正極および負極)に押圧力を加えることができる。
上記一の局面による積層型二次電池において、膨潤性樹脂は、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、プロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルから選択される少なくとも一種類を含んでいるのが好ましい。
上記一の局面による積層型二次電池において、電解液が注液される前には、封口体と積層体との間または収納容器と積層体との間に隙間が形成された状態となっていてもよい。この場合、隙間の間隔Cは、0mm<C<5mmに設定されているのが好ましい。
上記一の局面による積層型二次電池において、好ましくは、正極および負極における押圧力が加えられる領域は、正極活物質層の外縁から1mm以上内側の領域、または、負極活物質層の外縁から1mm以上内側の領域である。このように構成すれば、容易に、内部短絡の発生を抑制することができる。
上記一の局面による積層型二次電池において、好ましくは、正極活物質層は、負極活物質層よりも小さい平面積を有しており、正極および負極における押圧力が加えられる領域は、正極活物質層の外縁から1mm以上内側の領域である。このように構成すれば、より容易に、内部短絡の発生を抑制することができる。
上記一の局面による積層型二次電池において、好ましくは、正極活物質層および負極活物質層の外縁から5mm以上内側の領域に、押圧力が加えられている。このように構成すれば、さらに容易に、内部短絡の発生を抑制することができる。
上記一の局面による積層型二次電池において、収納容器および封口体は、それぞれ、金属材料から構成することができる。
上記一の局面による積層型二次電池において、好ましくは、正極および負極は、封口体と対向するように配されているとともに、収納容器は、正極および負極と対向する底面部を含み、封口体および収納容器の底面部の少なくとも一方には、正極および負極に向かって突出する凸部が形成されている。このように構成すれば、容易に、正極および負極の縁部の少なくとも一部を除く、正極活物質層および負極活物質層の領域に押圧力を加えることができる。
この場合において、好ましくは、上記凸部は、正極活物質層の縁部および負極活物質層の縁部を除く活物質層の領域に対応する、略平面状の押圧面を有している。このように構成すれば、より容易に、正極および負極の縁部の少なくとも一部を除く、正極活物質層および負極活物質層の領域に押圧力を加えることができる。なお、略平面状の押圧面で積層体に押圧力を加えることによって、押圧力が一点に集中するのを抑制することができるので、押圧力が一点に集中的に加わることに起因して、活物質層にクラックが形成されるという不都合が生じるのを抑制することができる。これにより、クラックが形成されることに起因するサイクル特性の低下を抑制することができる。また、たとえば、凸部の先端が急峻な場合には、内部短絡が発生し易くなるという不都合が生じる一方、上記のように押圧面を略平面状とすることにより、上記不都合を回避することができる。
上記凸部を備えた構成において、好ましくは、上記凸部は、封口体および収納容器の底面部の少なくとも一方に一体的に形成されている。このように構成すれば、容易に、封口体および収納用域の底面部の少なくとも一方に凸部を形成することができる。加えて、上記凸部を形成した場合でも、部品点数が増加するのを抑制することができる。
上記一の局面による積層型二次電池において、好ましくは、収納容器および封口体の少なくとも一方は、その電池内部側の面に高分子ラミネート材がコーティングされている。なお、高分子ラミネート材によるコーティングは、電池内部側および電池外部側の両面に施されていてもよい。
上記一の局面による積層型二次電池において、好ましくは、収納容器は、角形に形成されているとともに、最も面積の大きい面が底面部となっており、正極および負極が、底面部と対向するように、外装容器内に収納されている。このように構成すれば、容易に、大容量の角形二次電池を得ることができる。また、このように構成すれば、収納容器に電極(正極および負極)を収納する際の作業性を改善することができる。
以上のように、本発明によれば、寿命特性に優れた信頼性の高い積層型二次電池を容易に得ることができる。
本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の全体斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の平面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の構成を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の正極の構成を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の正極の構成を示した平面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の負極の構成を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の負極の構成を示した平面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の外装缶の構成を示した断面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の外装缶の構成を示した平面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の封口板を裏面側から見た平面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池を模式的に示した断面図(非水電解液の注液前の状態を示した図)である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池を模式的に示した断面図(図3のA−A線に沿った断面図)である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池を模式的に示した断面図(図3のB−B線に沿った断面図)である。 本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。 本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池を模式的に示した断面図(図3のA−A線に沿った断面に対応する図)である。 本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池を模式的に示した断面図(図3のB−B線に沿った断面に対応する図)である。 本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。 実施例1によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図(非水電解液の注液前の状態を示した図)である。 実施例1によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図(非水電解液の注液後の状態を示した図)である。 実施例2によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図(非水電解液の注液前の状態を示した図)である。 実施例2によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図(非水電解液の注液後の状態を示した図)である。 実施例3によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図(非水電解液の注液前の状態を示した図)である。 実施例3によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図(非水電解液の注液後の状態を示した図)である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、積層型二次電池の一例である積層型のリチウムイオン二次電池に本発明を適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
図1および図2は、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の全体斜視図である。図4は、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の平面図である。図5〜図15は、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池を説明するための図である。なお、図4では、リチウムイオン二次電池の内部がわかるように、本来設けられている封口板80を取り除いた状態を示している。まず、図1〜図15を参照して、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100について説明する。
第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100は、図1〜図4に示すように、角形扁平形状(図3参照)を有しており、正極10(図1参照)および負極20(図1参照)を含む電極群50(図1および図2参照)と、この電極群50を非水電解液とともに封入する金属製の外装容器60とを備えている。
電極群50は、図1および図5に示すように、正極10と負極20との短絡を抑制するためのセパレータ30をさらに備えている。そして、正極10および負極20が、セパレータ30を挟んで互いに対向するように配されている。また、電極群50は、正極10、負極20およびセパレータ30をそれぞれ複数備えており、正極10、セパレータ30および負極20が順次積層されることによって、積層構造(積層体50a)に構成されている。なお、正極10および負極20は、1つずつ交互に積層されている。また、上記電極群50は、隣り合う2つの負極20の間に、1つの正極10が位置するように構成されている。さらに、上記電極群50における最も外側には、セパレータ30が配されている。
具体的には、上記電極群50は、たとえば、正極10を24枚、負極20を25枚、セパレータ30を50枚含んで構成されており、正極10および負極20がセパレータ30を挟んで交互に積層されている。
電極群50を構成する正極10は、図6および図7に示すように、正極集電体11の両面に、正極活物質層12が担持された構成を有している。
正極集電体11は、正極活物質層12の集電を行う機能を有している。この正極集電体11は、たとえば、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄などの金属箔、または、これらの合金からなる合金箔から構成されており、約1μm〜約500μm(たとえば約20μm)の厚みを有している。なお、正極集電体11は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔が好ましく、その厚みは、20μm以下であるのが好ましい。
また、正極集電体11は、上記以外に、たとえば、導電性および耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いてもよい。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。また、銅とアルミニウムのクラッド材、ステンレス鋼とアルミニウムのクラッド材、あるいは、これらの金属を組み合わせたメッキ材などを用いてもよい。2つ以上の金属箔を貼り合わせた集電体を用いることもできる。さらに、上記正極集電体11は、箔状以外に、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などの形状であってもよい。
正極活物質層12は、リチウムイオンを吸蔵・放出しうる正極活物質を含んで構成されている。正極活物質としては、たとえば、リチウムを含有した酸化物が挙げられる。具体的には、LiCoO2、LiFeO2、LiMnO2、LiMn24、および、これら酸化物中の遷移金属を一部他の金属元素で置換した化合物などが挙げられる。中でも、通常の使用において、正極が保有するリチウム量の80%以上を電池反応に利用し得るものを正極活物質に用いるのが好ましい。それにより過充電などの事故に対する二次電池の安全性を高めることが可能となる。このような正極活物質としては、たとえば、LiMn24のようなスピネル構造を有する化合物や、LiMPO4(Mは、Co、Ni、Mn、Feから選択される少なくとも1種以上の元素)で表されるオリビン構造を有する化合物などが挙げられる。中でも、MnおよびFeの少なくとも一方を含む正極活物質がコストの観点から好ましい。さらに、安全性および充電電圧の観点からは、LiFePO4を用いるのが好ましい。LiFePO4は、全ての酸素(O)が強固な共有結合によって燐(P)と結合しているため、温度上昇による酸素の放出が起こりにくい。そのため、安全性に優れている。
なお、上記正極活物質層12の厚みは、20μm〜2mm程度が好ましく、50μm〜1mm程度がより好ましい。
また、上記正極活物質層12は、正極活物質を少なくとも含んでいれば、その構成は特に制限されるものではない。たとえば、正極活物質層12は、正極活物質以外に、導電材、増粘材、結着材などの他の材料を含んでいてもよい。
導電材は、正極10の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト(天然黒鉛、人造黒鉛)、炭素繊維などの炭素質材料や導電性金属酸化物などを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性および塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。
増粘材としては、たとえば、ポリエチレングリコール類、セルロース類、ポリアクリルアミド類、ポリN−ビニルアミド類、ポリN−ビニルピロリドン類などを用いることができる。これらの中で、増粘材としては、ポリエチレングリコール類、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース類などが好ましく、CMCが特に好ましい。
結着材は、活物質粒子および導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリビニルピリジン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系ポリマー、スチレンブタジエンゴムなどを用いることができる。
正極活物質、導電材、結着材などを分散させる溶剤としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。
上記した正極10は、たとえば、正極活物質、導電材、増粘材および結着材を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合剤としたものを、正極集電体11の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成される。
また、上記正極10は、図7に示すように、平面的に見て、矩形形状を有しており、4つの縁部14(X方向の2つの縁部14a、Y方向の2つの縁部14b)を有している。なお、第1実施形態では、上記正極10は、Y方向の幅w1が、たとえば、約146mmとされており、X方向の長さg1が、たとえば、約208mmとされている。また、正極活物質層12の塗布領域(形成領域)は、Y方向の幅w11が、正極10の幅w1と同じ、たとえば、約146mmとされており、X方向の長さg11が、たとえば、約196mmとされている。このため、塗布領域に形成された正極活物質層12は、平面的に見て、矩形形状に形成されており、4つの縁部13(X方向に沿った2つの縁部13a、Y方向に沿った2つの縁部13b)を有している。
また、上記正極10は、X方向の一端に、正極活物質層12が形成されずに正極集電体11の表面が露出された集電体露出部11aを有している。この集電体露出部11aには、外部に電流を取り出すための、後述する集電リード5(図4および図13参照)が電気的に接続される。なお、正極活物質層12における4つの縁部13は、Y方向に沿った2つの縁部13bのうちの一方側(集電体露出部11a側の縁部13b)を除き、上記正極10における縁部14と一致している。
電極群50を構成する負極20は、図8および図9に示すように、負極集電体21の両面に、負極活物質層22が担持された構成を有している。
負極集電体21は、負極活物質層22の集電を行う機能を有している。この負極集電体21は、たとえば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、鉄、ニッケルメッキ層などの金属箔、または、これらの合金からなる合金箔から構成されており、約1μm〜約100μm(たとえば約16μm)の厚みを有している。なお、負極集電体21は、銅またはステンレス鋼からなる金属箔が好ましく、その厚みは、4μm以上20μm以下であるのが好ましい。
また、上記負極集電体21は、箔状以外に、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などの形状であってもよい。
負極活物質層22は、リチウムイオンを吸蔵・放出しうる負極活物質を含んで構成されている。負極活物質としては、たとえば、リチウムを含む物質、あるいは、リチウムの吸蔵・放出が可能な物質からなる。また、高エネルギー密度電池を構成するためには、リチウムの吸蔵/放出する電位が金属リチウムの析出/溶解電位に近いものが好ましい。その典型例としては、粒子状(鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状、粉砕粒子状など)の天然黒鉛もしくは人造黒鉛が挙げられる。なお、負極活物質として、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末などを黒鉛化して得られる人造黒鉛を使用してもよい。また、非晶質炭素を表面付着させた黒鉛粒子を使用することもできる。さらに、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物、遷移金属酸化物および酸化シリコンなども使用可能である。リチウム遷移金属酸化物としては、たとえば、Li4Ti512に代表されるチタン酸リチウムを使用すると、負極20の劣化が少なくなるため、電池の長寿命化を図ることが可能となる。
なお、上記負極活物質層22の厚みは、20μm〜2mm程度が好ましく、50μm〜1mm程度がより好ましい。
また、上記負極活物質層22は、負極活物質を少なくとも含んでいれば、その構成は特に制限されるものではない。たとえば、負極活物質層22は、負極活物質以外に、導電材、増粘材、結着材などの他の材料を含んでいてもよい。なお、導電材、増粘材、結着材などの他の材料は、正極活物質層12に用いることが可能なものを用いることができる。
上記した負極20は、たとえば、負極活物質、導電材、増粘材および結着材を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極合剤としたものを、負極集電体21の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成される。
また、上記負極20は、図9に示すように、平面的に見て、矩形形状を有しており、4つの縁部24(X方向の2つの縁部24a、Y方向の2つの縁部24b)を有している。また、上記負極20は、正極10(図7および図8参照)よりも大きい平面積に形成されている。なお、第1実施形態では、上記負極20は、Y方向の幅w2が、正極10の幅w1(図7参照)よりも大きい、たとえば、約150mmとされており、X方向の長さg2が、正極10の長さg1(図7参照)より長い、たとえば、約210mmとされている。また、負極活物質層22の塗布領域(形成領域)は、Y方向の幅w21が、負極20の幅w2と同じ、たとえば、約150mmとされており、X方向の長さg21が、たとえば、約200mmとされている。このため、塗布領域に形成された負極活物質層22は、平面的に見て、矩形形状に形成されており、4つの縁部23(X方向に沿った2つの縁部23a、Y方向に沿った2つの縁部23b)を有している。
また、上記負極20は、正極10と同様、Y方向の一端に、負極活物質層22が形成されずに負極集電体21の表面が露出された集電体露出部21aを有している。この集電体露出部21aには、外部に電流を取り出すための、後述する集電リード5(図4および図13参照)が電気的に接続される。なお、負極活物質層22における4つの縁部23は、Y方向に沿った2つの縁部23bのうちの一方側(集電体露出部21a側の縁部23b)を除き、上記負極20における縁部24と一致している。
ここで、第1実施形態では、電極の活物質層中に、非水電解液に対して膨潤性を有する膨潤性樹脂が分散されている。このため、第1実施形態のリチウムイオン二次電池100は、非水電解液の注液後に、膨潤性樹脂が分散された活物質層が膨潤するように構成されている。
なお、上記膨潤性樹脂は、正極活物質層12および負極活物質層22の両方に分散されていてもよいし、正極活物質層12および負極活物質層22のいずれか一方に分散されていてもよい。また、上記膨潤性樹脂は、複数の活物質層のうちの一部の活物質層に分散されていてもよい。
活物質層に分散される膨潤性樹脂は、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、プロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルから選択される少なくとも一種類を含んで構成されているのが好ましい。
電極群50を構成するセパレータ30は、強度が十分でかつ電解液を多く保持できるものがよく、そのような観点から、厚みが10μm〜50μmで空隙率が30%〜70%のポリエチレン、ポリプロピレン、またはエチレン−プロピレン共重合体を含む微多孔フィルムや不織布などが好ましい。
また、セパレータ30は、上記以外に、たとえば、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド)、セルロース(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステルなどの高分子からなる微多孔フィルムなどを用いることができる。さらに、これらの微多孔フィルムを重ね合わせた多層フィルムを用いることもできる。
セパレータ30の厚みとしては、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜30μmであればより好ましい。また、セパレータ30の空隙率としては、30%〜90%が好ましく、40%〜80%であればより好ましい。セパレータ30の厚みが5μmより小さくなるとセパレータ30の機械的強度が不足し、電池の内部短絡の原因となる。一方、セパレータ30の厚みが100μmより大きくなると正極負極間の距離が長くなり、電池の内部抵抗が高くなる。また、空隙率が30%より低いと、非水電解液の含有量が減り、電池の内部抵抗が高くなる。一方、空隙率が90%より高いと、正極10と負極20とが物理的な接触を起こしてしまい、電池の内部短絡の原因となる。また、セパレータ30は、厚みと空隙率により、機械的強度や非水電解液の含有量や電池の内部抵抗や電池の内部短絡のし易さなどを考慮し、複数枚重ねて使用することも可能である。
また、上記セパレータ30は、正極活物質層12の塗布領域(形成領域)および負極活物質層22の塗布領域(形成領域)よりも大きい形状を有している。具体的には、上記セパレータ30は、たとえば、縦方向の長さ(X方向に対応する方向の長さ)が約154mm、横方向の長さ(Y方向に対応する方向の長さ)が約206mmの矩形形状に形成されている。
上記した正極10および負極20は、図1および図5に示すように、正極10の集電体露出部11aと負極20の集電体露出部21aとが互いに反対側に位置するように配され、正極負極間にセパレータ30を介在させて積層されている。
外装容器60内に電極群50とともに封入される非水電解液は、特に限定されるものではないが、溶媒として、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどのエステル類や、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタンなどのエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチルなどの極性溶媒を使用することができる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して混合溶媒として使用してもよい。
また、非水電解液には、電解質支持塩が含まれていてもよい。電解質支持塩としては、たとえば、LiClO4、LiBF4(ホウフッ化リチウム)、LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)、LiCF3SO3(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム)、LiF(フッ化リチウム)、LiCl(塩化リチウム)、LiBr(臭化リチウム)、LiI(ヨウ化リチウム)、LiAlCl4(四塩化アルミン酸リチウム)などのリチウム塩が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
なお、電解質支持塩の濃度は、特に限定されるものではないが、0.5mol/L〜2.5mol/Lが好ましく、1.0mol/L〜2.2mol/Lがより好ましい。電解質支持塩の濃度が、0.5mol/L未満の場合には、非水電解液中において電荷を運ぶキャリア濃度が低くなり、非水電解液の抵抗が高くなるおそれがある。また、電解質支持塩の濃度が、2.5mol/Lより高い場合には、塩自体の解離度が低くなり、非水電解液中のキャリア濃度が上がらないおそれがある。
電極群50を封入する外装容器60は、大型の扁平角形容器であり、図1〜図3に示すように、電極群50などを収納する外装缶70と、この外装缶70を封口する封口板80とを含んで構成されている。また、電極群50を収納した外装缶70は、封口板80で二重巻き締め封口されている。なお、外装缶70は、本発明の「収納容器」の一例であり、封口板80は、本発明の「封口体」の一例である。
外装缶70は、たとえば、金属板に深絞り加工などを施すことによって形成されており、底面部71と側壁部72とを有している。また、図10および図11に示すように、外装缶70の一端(底面部71の反対側)には、電極群50(図13参照)を挿入するための開口部73が設けられている。また、上記外装缶70は、角形缶に形成されており、最も面積の大きい面が底面部71となっている。
外装缶70の内径サイズは、電極群50が、その電極面が底面部71と対向するようにして収納することが可能な大きさとなっている。具体的には、上記外装缶70は、たとえば、縦方向の長さ(図11のY方向の長さL)が約164mmに形成されており、横方向の長さ(図11のX方向の長さW)が約228mmに形成されている。また、図13に示すように、外装缶70の深さDは、たとえば、約20mmに形成されている。
また、図10および図11に示すように、上記外装缶70は、Y方向の一方側の側壁部72に、電極端子74が形成されている。さらに、外装缶70の開口部73における周縁には、二重巻き締め封口を行うための容器折り返し部75が設けられている。
封口板80は、たとえば、金属板をプレス加工することによって形成されている。この封口板80は、図12に示すように、外装缶70の開口部73を塞ぐ略平板状のパネル部81と、パネル部81の外周端に連なり上方に延びるチャックウォール部82と、チャックウォール部82の外周端に連接された折り返し部83とを有している。さらに、図1および図12に示すように、X方向の一方側に非水電解液を注液するための注液孔84が形成されている。この注液孔84は、たとえば、φ2mmの大きさに形成されている。
なお、外装缶70および封口板80は、たとえば、鉄、ステンレススチール、アルミニウムなどの金属板や鉄にニッケルメッキを施した鋼板やアルミメッキを施した鋼板などを用いて形成することができる。鉄は安価な材料であるため価格の観点では好ましいが、長期間の信頼性を確保するためには、ステンレススチールやアルミニウムなどからなる金属板または鉄にニッケルメッキを施した鋼板やアルミメッキを施した鋼板などを用いるのがより好ましい。また、上記以外に、金属板の表面を高分子材料でラミネートした高分子ラミネート材(ラミネート板)を用いることもできる。この場合、少なくとも、電池内部側となる面にコーティング処理が施されているのが好ましい。なお、金属板の厚みは、たとえば約0.4mm〜約1.2mm(たとえば約1.0mm)とすることができる。
また、図4、図14および図15に示すように、上記した電極群50は、正極10(図1参照)および負極20(図1参照)が、外装缶70の底面部71と対向するようにして、外装缶70内に収納されている。収納された電極群50は、正極10の集電体露出部11a(図7参照)および負極20の集電体露出部21a(図9参照)が、それぞれ、集電リード5を介して、外装缶70の電極端子74と電気的に接続されている。なお、集電リード5には、集電体と同材質のものを用いることが可能であるが、異なる材質でもかまわない。また、正極10および負極20に、それぞれ、集電極(集電部材)を接続し、この集電極を介して、電極群50と電極端子74とが電気的に接続されるように構成されていてもよい。
そして、図14および図15に示すように、外装缶70の開口部73が上記封口板80で二重巻き締め封口されている。具体的には、封口板80の折り返し部83の先端部分が、外装缶70の容器折り返し部75に巻き込むように圧着されることによって、封口板80が外装缶70に取り付けられている。
また、封口板80のパネル部81は、チャックウォール部82によって、外装缶70の開口部73における周縁より所定距離だけ下側(底面部71側)に位置している。
また、第1実施形態では、図13に示すように、非水電解液の注液前の状態において、封口板80と電極群50とは接しておらず、封口板80と電極群50との間には隙間部95が形成された状態となっている。この隙間部95の間隔Cは、5mmより小さくなるように構成されているのが好ましい。すなわち、第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100においては、上記間隔Cが、0mm<C<5mmを満たすように設定されているのが好ましい。また、非水電解液の注液前に、外装容器60内に収納された電極群50の位置ずれが生じるのを抑制するために、電極群50を外装容器60内で固定しておくのが好ましい。この際、電極と接続される集電極(集電部材)などを用いて、電極群50を固定してもよい。
非水電解液は、外装缶70の開口部73が封口板80で封口された後に、注液孔84から、たとえば、減圧注液されている。そして、注液孔84とほぼ同じ直径の金属球90(図3参照)を注液孔84に設置した後、抵抗溶接やレーザ溶接などにより、注液孔84が封口されている。
なお、第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100では、過充電時や高温状態において、電池内圧が上昇した場合、電池の爆発等の危険を避けるために、電池内圧を開放するための安全弁(図示せず)が設けられている。そして、この安全弁が作動する前に外装容器60が開かないように、封口部分の耐圧が安全弁の動作圧以上となる封口強度で封口板80が取り付けられている。
ここで、第1実施形態では、外装缶70の開口部73が封口板80で封口された後に、非水電解液が注液されることにより、膨潤性樹脂が分散された活物質層が膨潤し、この活物質層の膨潤によって、図14および図15に示すように、電極群50(正極10、負極20)に押圧力が加えられている。すなわち、第1実施形態では、非水電解液の注液後に、外装缶70と封口板80とによって、電極群50に積層方向(外装缶70の深さ方向;Z方向)の押圧力が加えられるように構成されている。
正極10および負極20における押圧力が加えられる領域は、図7および図9に示すように、正極活物質層12の外縁から距離a(a1〜a4)だけ離れた正極活物質層12の内側の領域15内、または、負極活物質層22の外縁から距離b(b1〜b4)だけ離れた負極活物質層22の内側の領域25内とされている。正極10における正極活物質層12の外縁からの距離aおよび負極20における負極活物質層22の外縁からの距離bは、それぞれ、1mm以上であるのが好ましく、5mm以上であればより好ましい。なお、第1実施形態では、負極20に比べて、正極10の方が平面積が小さいため、正極10および負極20における押圧力が加えられる領域は、正極活物質層12の外縁から5mm以上の距離aだけ離れた正極活物質層12の内側の領域15内であるのが好ましい。このように構成すれば、負極20においても、負極活物質層22の外縁から5mm以上の距離bだけ離れた負極活物質層22の内側の領域25内に押圧力が加えられる。
また、第1実施形態では、図14および図15に示すように、正極10の縁部(端部)14および負極20の縁部(端部)24を除く、正極活物質層12および負極活物質層22の領域に押圧力を加えるために、封口板80に凸部85が形成されている。
具体的には、第1実施形態のリチウムイオン二次電池100では、上記封口板80が電極(正極10および負極20)と対向するように構成されており、封口板80のパネル部81に、電極群50(正極10および負極20)に向かって(Z方向に)突出する上記凸部85が形成されている。この凸部85は、プレス加工などによって封口板80と一体的に形成されており、略平面状の押圧面85aを有している。そして、凸部85の押圧面85aで、電極群50が積層方向(Z方向)に押圧され、正極活物質層12の4つの縁部13および負極活物質層22の4つの縁部23を除く、正極活物質層12の領域15内および負極活物質層22の領域25内に押圧力が加えられている。このため、第1実施形態では、図14および図15に示すように、凸部85によって押圧力が加えられている領域Pが、負極活物質層22の形成領域Mおよび正極活物質層12の形成領域Nの内側に位置している。
上記凸部85の押圧面85aは、図13に示すように、平面的に見て、略矩形形状を有しており、正極活物質層12(図7参照)の平面積よりも小さい平面積に形成されている。なお、上記押圧面85aのX方向の長さL11は、正極活物質層12のX方向の長さg1(図7参照)よりも小さい、たとえば、約194mmに形成されている。また、上記押圧面85aのY方向の長さL12は、正極活物質層12のY方向の幅w1(図7参照)よりも小さい、たとえば、約144mmに形成されている。
また、第1実施形態では、上記凸部85によって、正極活物質層12の外縁から距離aだけ離れた正極活物質層12の内側の領域15または負極活物質層22の外縁から距離bだけ離れた負極活物質層22の内側の領域25のほぼ全面に押圧力が加えられている。なお、正極10および負極20における押圧力が加えられる領域の面積は、正極活物質層12の平面積の10%以上99%以下であるのが好ましく、20%以上98%以下であればより好ましい。
また、活物質層に分散される膨潤性樹脂の分散量(含有量)は、非水電解液が注液されて活物質層が膨潤した際に、封口板80と電極群50との間の隙間部95を埋めて電極群50が封口板80と接するととともに、さらに、封口板80と外装缶70とで活物質層の膨潤が抑制されて電極群50(正極10、負極20)に積層方向の押圧力が加わるような量に設定されている。また、電極群50に加えられる押圧力は、封口板80および外装缶70による拘束率(活物質層が自由に膨潤した際の電極群50の厚み(正極10、負極20、セパレータ30の合計厚み)に対する、封口板80および外装缶70によって活物質層の膨潤が抑制された量の割合)によって制御されており、所望の押圧力が得られるように、活物質層の膨潤率(膨潤性樹脂の含有量(分散量))および隙間部95の間隔Cが調整されている。なお、活物質層の膨潤率(分散量)および隙間部95の間隔Cは、電極群50の拘束率が、3%〜30%程度(たとえば10%程度)となるように調整されているのが好ましい。
第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100では、上記のように、正極活物質層12および負極活物質層22の少なくとも一方に、膨潤性樹脂を分散させることによって、外装容器60内に非水電解液を注液した際に、膨潤性樹脂を分散させた活物質層を膨潤させることができる。そして、非水電解液の注液により膨潤した活物質層によって、外装容器60内に収納された電極群50(正極10、負極20)に積層方向の押圧力を加えることができる。これにより、外装容器60内において、電極群50(正極10、負極20)を固定することができるので、電極群50(正極10、負極20)の位置ずれを抑制することができる。その結果、電池の充放電に伴う活物質層の膨張収縮時などにおいて、電極群50(正極10、負極20)に位置ずれが生じることに起因する内部短絡の発生を抑制することができる。
また、第1実施形態では、正極10および負極20に押圧力を加える際に、正極10の縁部(端部)14および負極20の縁部24を除く、正極活物質層12および負極活物質層22の領域に押圧するように構成することによって、正極10の縁部14および負極20の縁部24に押圧力が加わるのを抑制することができる。
ここで、上記正極10および負極20は、いずれも長尺の帯状集電体シートを用い、これらの集電体シートに正極活物質層12または負極活物質層22を所定の方法で塗布した後に、個々の電極分の長さに切断することによって作製される。この集電体シートへの活物質層の塗布には、たとえば、1個分の電極形成に必要な長さ分だけ塗布した後に、活物質層を塗布しない集電体露出部11aおよび21aを設け、さらに次の電極分の活物質層を塗布するという操作を繰り返して塗布する、いわゆる間欠的に塗布する方法(以下、「間欠塗布法」と呼ぶ)が用いられる。また、他の塗布方法として、たとえば、集電体露出部11aおよび21aを長手方向と直交する側の一端に位置させて連続して塗布する塗布法(以下、「連続塗布法」と呼ぶ)が用いられる場合もある。
上述のような連続塗布法を採用した場合、長尺の集電体シートを切断する際に、活物質層および活物質層を支持する集電体が同時に切断されることになる。そのため、集電体の切断面にはバリ突起が発生するとともに、切断時の衝撃によって活物質層の切断面および切断面付近は不安定な状態となるので、活物質層の端部において、活物質層の一部が滑落し易くなる。
一方、間欠塗布法を採用した場合には、集電体露出部11aおよび21aで切断が行われるため、活物質層の滑落の問題は発生し難くなる。しかしながら、間欠塗布法の場合には、合剤ペーストの粘度等にもよるが、活物質層の塗布始端および塗布終端に盛り上がり部分が形成される場合がある。すなわち、活物質層の端部(縁部)に突出部が形成される場合がある。また、集電体の無塗工部(集電体露出部)と活物質層との境界部分に、段差が生じる場合もある。
したがって、第1実施形態では、上記のように、正極10の縁部(端部)14および負極20の縁部(端部)24に押圧力が加わらないように構成することにより、正極10および負極20の形成工程(切断工程)において、正極10および負極20の切断面にバリ突起が発生している場合でも、このバリ突起によって正極10と負極20とが短絡するのを抑制することができる。また、切断時の衝撃によって活物質層の切断面および切断面付近が不安定な状態となり、活物質層の端部において、活物質層の一部が滑落し易くなっていたとしても、このような部分に押圧力が加わるのを抑制することができるので、活物質の滑落などを抑制することができる。これにより、滑落した活物質がセパレータ30を貫通することに起因する内部短絡の発生を抑制することができる。その結果、電池組立時などにおいて、内部短絡の発生を抑制することができるので、大容量のリチウムイオン二次電池100を高い歩留まりで得ることができる。
また、第1実施形態では、非水電解液が外装容器60内に注液されることにより膨潤した膨潤性樹脂によって、上記電極群50に押圧力を加えることができるので、この押圧力によって正極10と負極20とがセパレータ30を介して密着された状態にすることができる。これにより、サイクル特性などの寿命特性を向上させることができる。また、正極10および負極20に押圧力を加えることによって、電極の位置ずれを抑制することができるので、これによっても、サイクル特性を向上させることができる。したがって、上記のように構成することにより、寿命特性および信頼性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、外装缶70および封口板80によって、それぞれ、正極活物質層12の4つの縁部13および負極活物質層22の4つの縁部23を除く、正極活物質層12の領域15内および負極活物質層22の領域25内に押圧力を加えることによって、活物質層の塗布始端および塗布終端に突出部が形成されている場合でも、このような突出部に押圧力が加わるのを抑制することができる。加えて、集電体露出部と活物質層との境界部分に段差が生じている場合でも、この段差部分に押圧力が加わるのを抑制することができる。このため、突出部や段差などが形成されている領域に押圧力が加えられることに起因して、セパレータ30が損傷するという不都合が生じるのを抑制することができる。これにより、セパレータ30の損傷に起因する正極活物質層12と負極活物質層22との接触を抑制することができるので、これによっても、内部短絡の発生を抑制することができる。
さらに、第1実施形態では、上記のように構成することによって、正極10の縁部14および負極20の縁部24に押圧力が加わらないように構成することができるので、電池の充放電に伴う活物質層の膨張収縮時において、電極の縁部(端部)で内部短絡が生じるのを抑制することができる。したがって、これによっても、サイクル特性を向上させることができる。加えて、信頼性を向上させることもできる。
このように、第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100では、寿命特性および信頼性を向上させることができることに加えて、歩留まりを向上させることができるので、大容量で電池寿命の長いリチウムイオン二次電池100を低価格で提供することができる。
また、第1実施形態では、外装缶70の開口部73を封口する封口板80に、正極10および負極20に向かって突出する凸部85を形成することによって、この凸部85により、容易に、正極10の縁部(端部)14および負極20の縁部(端部)24を除く、正極活物質層12および負極活物質層22の領域に押圧力を加えることができる。
また、第1実施形態では、上記凸部85を、封口板80に一体的に形成することによって、容易に、封口板80に上記凸部85を形成することができる。加えて、封口板80に凸部85を形成した場合でも、部品点数が増加するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記凸部85を、略平面状の押圧面85aを有するように形成することによって、封口板80の凸部85(押圧面85a)で押圧力を加える際に、押圧力が活物質層の一点に集中して加わるのを抑制することができる。このため、押圧力が一点に集中的に加わることに起因して、活物質層にクラックが発生するという不都合が生じるのを抑制することができる。これにより、活物質層にクラックが発生することに起因するサイクル特性の低下を抑制することができる。なお、凸部の先端が急峻な場合(たとえば、凸部の先端が尖っている場合など)には、内部短絡の発生が生じやすくなる一方、上記のように、凸部85の押圧面85aを略平面状とすることによって、内部短絡の発生を抑制することができる。
上記のように構成された第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100は、長寿命が要求される定置用の電力貯蔵用蓄電池として好適に用いることができる。また、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)などの車載用の蓄電池としても好適に用いることができる。また、第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100は、単電池容量が10Ah以上の蓄電池に適しており、特に、単電池容量が50Ah以上の大容量蓄電池により適している。
(第2実施形態)
図16は、本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。図17および図18は、本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池を模式的に示した断面図である。次に、図6〜図9、図13および図16〜図18を参照して、本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池200について説明する。なお、各図において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
この第2実施形態によるリチウムイオン二次電池200では、図16に示すように、電極群50と外装缶70の底面部71との間に、板状またはシート状の樹脂部材210が配されている。この樹脂部材210は、非水電解液に対して膨潤性を有する樹脂材料から構成されている。なお、樹脂部材210は、本発明の「板状部材」の一例である。また、樹脂部材210を構成する膨潤性樹脂は、上記第1実施形態で示した膨潤性樹脂と同様、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、プロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルから選択される少なくとも一種類を含んで構成されているのが好ましい。
また、第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、電極の活物質層には膨潤性樹脂が分散されない構成となっている。すなわち、第2実施形態では、活物質層の膨潤により電極群50に押圧力が加えられるのではなく、図17および図18に示すように、電極群50と外装缶70の底面部71との間に配された樹脂部材210の膨潤により、電極群50に積層方向(外装缶70の深さ方向;Z方向)の押圧力が加えられるように構成されている。
また、第2実施形態では、図13に示したように、非水電解液の注液前の状態において、封口板80と電極群50とは接しておらず、封口板80と電極群50との間には隙間部95が形成された状態となっている。なお、隙間部95の間隔Cは、上記第1実施形態と同様、0mm<C<5mmを満たすように設定されているのが好ましい。
また、図16〜図18に示すように、封口板80のパネル部81には、上記第1実施形態と同様の凸部85が形成されている。
また、電極群50と外装缶70との間に配される樹脂部材210は、平面的に見て、略矩形形状を有しており、正極活物質層12よりも小さい大きさに形成されている。すなわち、第2実施形態の樹脂部材210は、図7に示した正極活物質層12の外縁から距離aだけ離れた正極活物質層12の内側の領域15内、および、図9に示した負極活物質層22の外縁から距離bだけ離れた負極活物質層22の内側の領域25内に収まる大きさに形成されている。具体的には、上記樹脂部材210は、たとえば、封口板80に形成された凸部85の押圧面85a(図13参照)と略同一形状に形成されている。
このように構成された第2実施形態のリチウムイオン二次電池200では、上記樹脂部材210を介して、電極群50が積層方向(Z方向)に押圧されており、この樹脂部材210および封口板80の凸部85によって、正極活物質層12(図6および図7参照)の4つの縁部13(図6および図7参照)および負極活物質層22(図8および図9参照)の4つの縁部23(図8および図9参照)を除く、正極活物質層12の領域15(図6および図7参照)内および負極活物質層22の領域25(図8および図9参照)内に押圧力が加えられている。このため、第2実施形態では、上記樹脂部材210の膨潤によって押圧力が加えられている領域Pが、負極活物質層22の形成領域Mおよび正極活物質層12の形成領域Nの内側に位置している。
なお、第2実施形態では、電極群50(正極10、負極20)に加えられる押圧力が所望の押圧力となるように、上記樹脂部材210の厚みおよび隙間部95の間隔C(図13参照)が調整されている。樹脂部材210の厚みは、膨潤による厚みの増加などを考慮して、電極群50(正極10、負極20)に所望の押圧力が加わるように決めればよい。
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、封口板80と電極群50との間に、膨潤性樹脂からなる樹脂部材210を配することによって、外装容器60内に非水電解液を注液することにより、膨潤性樹脂からなる樹脂部材210を膨潤させて、容易に、外装容器60内に収納された電極群50(正極10、負極20)に押圧力を加えることができる。
また、第2実施形態では、樹脂部材210を、正極活物質層12の縁部13を除く正極活物質層12の領域15内および負極活物質層22の縁部23を除く負極活物質層22の領域25内に収まる大きさに形成することによって、容易に、正極活物質層12の縁部13および負極活物質層22の縁部23を除く領域に押圧力を加えることができるので、内部短絡の発生を効果的に抑制することができる。これにより、サイクル特性を向上させながら、信頼性および歩留まりを向上させることができる。
また、第2実施形態では、樹脂材料からなる樹脂部材210を、外装缶70と電極群50との間に配することによって、外装缶70と電極群50との短絡を抑制することができる。
なお、上記樹脂部材210は、外装缶70の底面部71に予め固定しておいてもよい。このように、樹脂部材210を外装缶70の底面部71に予め固定しておけば、樹脂部材210の位置ずれを抑制することができるので、より容易に、この樹脂部材210を介して、正極活物質層12の領域15内(図7参照)および負極活物質層22の領域25内(図9参照)に押圧力を加えることができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図19は、本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。次に、図13および図19を参照して、本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池300について説明する。なお、図19において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
この第3実施形態によるリチウムイオン二次電池300は、上記第1実施形態および上記第2実施形態を組み合わせた構成となっている。具体的には、図19に示すように、電極群50(積層体50a)と外装缶70の底面部71との間に、板状またはシート状の樹脂部材210が配されている。また、電極の活物質層中には、非水電解液に対して膨潤性を有する膨潤性樹脂が分散されている。このため、第3実施形態では、活物質層の膨潤と樹脂部材210の膨潤とにより、電極群50に積層方向(外装缶70の深さ方向;Z方向)の押圧力が加えられるように構成されている。
なお、第3実施形態では、電極群50(正極10、負極20)に加えられる押圧力が所望の押圧力となるように、活物質層に分散される膨潤性樹脂の分散量、樹脂部材210の厚みおよび隙間部95の間隔C(図13参照)が調整されている。
第3実施形態のその他の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。また、第3実施形態の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
この第4実施形態によるリチウムイオン二次電池では、上記第1〜第3実施形態とは異なり、セパレータの膨潤によって、電極群に積層方向の押圧力が加えられるように構成されている。すなわち、この第4実施形態では、セパレータが、非水電解液に対して膨潤性を有する膨潤性樹脂から構成されている。なお、膨潤性樹脂としては、第1〜第3実施形態と同様の膨潤性樹脂を用いることができる。
また、上記セパレータは、膨潤性樹脂の構成を変えることによって、複数のセパレータの一部のセパレータが、他のセパレータとは異なる膨潤率となるように構成してもよい。また、複数のセパレータの一部のセパレータを膨潤性樹脂で構成することにより、そのセパレータに、電極群に押圧力を加える機能を持たせてもよい。さらに、複数のセパレータの一部のセパレータを、他のセパレータとは異なる厚みにすることによって、膨潤による厚みの増加量が異なるように構成してもよい。
具体的には、たとえば、電極群の最も外側に配されるセパレータの膨潤率が他のセパレータに比べて大きくなるように構成してもよいし、電極群の最も外側に配されるセパレータの厚みが他のセパレータに比べて大きくなるように構成してもよい。さらに、たとえば、電極群の最も外側に、複数枚のセパレータを重ねて配するように構成してもよい。
第4実施形態のその他の構成は、上記第1〜第3実施形態と同様である。なお、上記第1〜第3実施形態の構成に、第4実施形態の構成を組み合わせてもよい。
第4実施形態では、上記のように、セパレータを膨潤性樹脂から構成することによって、膨潤性樹脂からなるセパレータを膨潤させて、容易に、外装容器内に収納された電極群(正極、負極)に押圧力を加えることができる。
なお、上述したように、厚みや膨潤率などを一部のセパレータについて変更することにより、電極群に加わる押圧力を調整し易くすることができる。
第4実施形態のその他の効果は、上記第1〜第3実施形態と同様である。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
上記第1〜第3実施形態にそれぞれ対応する実施例1〜3のリチウムイオン二次電池と、比較例1によるリチウムイオン二次電池とを作製した。図20および図21は、実施例1によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図であり、図22および図23は、実施例2によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図である。また、図24および図25は、実施例3によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図である。なお、図20、図22および図24は、非水電解液の注液前の状態を示しており、図21、図23および図25は、非水電解液の注液後の状態を示している。
〈実施例1〉
実施例1では、図20および図21に示すように、電極の活物質層に膨潤性樹脂を分散させることによって、非水電解液の注液後に電極の活物質層を膨潤させ、この活物質層の膨潤が封口板80と外装缶70とで抑制されることにより、電極群50に押圧力が加わるように構成した。すなわち、実施例1では、以下に示す電極の活物質層中に、さらに膨潤性樹脂を追加で分散した。また、実施例1では、封口板80に凸部85を形成することによって、正極活物質層の4つの縁部および負極活物質層の4つの縁部を除く、正極活物質層の領域および負極活物質層の領域に押圧力が加わるように構成した。具体的には、正極活物質層の外縁から2mmの距離だけ離れた正極活物質層の内側の領域に押圧力が加わるように構成した。なお、活物質層に分散する膨潤性樹脂には、ポリエチレンオキシドを用いた。また、自由に膨潤させた場合に、膨潤による電極群50の厚みの増加が、約3mmとなるように、上記膨潤性樹脂を、負極活物質層に分散させた。また、電極群50と封口板80との間の隙間部95の間隔Cは、約2mmに設定した。
〈実施例2〉
実施例2では、図22および図23に示すように、膨潤性樹脂からなる樹脂部材210を電極群50と外装缶70との間に配し、樹脂部材210の膨潤により、電極群50に押圧力が加わるように構成した。また、樹脂部材210は、ニトリルブタジエンゴムを用いて形成した。さらに、樹脂部材210は、正極活物質層の外縁から3mmの距離だけ離れた正極活物質層の内側の領域と対応する大きさに形成した。なお、封口板80には、実施例1と同様の凸部85を形成した。樹脂部材210の厚みを約1mmにし、電極群50と封口板80との間の隙間部95の間隔Cは、約1.5mmに設定した。
〈実施例3〉
実施例3では、図24および図25に示すように、電極の活物質層に膨潤性樹脂を分散させるとともに、膨潤性樹脂からなる樹脂部材210を電極群50と外装缶70との間に配した。そして、活物質層および樹脂部材210の膨潤により、電極群50に押圧力が加わるように構成した。なお、活物質層に分散する膨潤性樹脂には、実施例1と同様、ポリエチレンオキシドを用いた。この膨潤性樹脂は、すなわち、実施例3では、以下に示す電極の活物質層中に、さらに膨潤性樹脂を追加で分散した。また、樹脂部材210は、実施例2と同様、ニトリルブタジエンゴムを用いて形成した。また、封口板80には、実施例1と同様の凸部85を形成した。膨潤による電極群50の厚みの増加が、約2mmとなるように、上記膨潤性樹脂を、負極活物質層に分散させた。また、樹脂部材210の厚みは約0.5mmにし、電極群50と封口板80との間の隙間部95の間隔Cは、約1.5mmに設定した。
〈比較例1〉
比較例1では、電極群に、封口板および外装缶によって押圧力が加えられていない点以外全て同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製した。
〈実施例1〜3および比較例1共通〉
[正極の作製]
まず、活物質のLiFePO490重量部と、導電材のアセチレンブラック50重量部と、結着材のポリフッ化ビニリデン5重量部とを混合した後、N−メチル−2−ピロリドンを適宜加えて分散させることによって正極合剤スラリーを調整した。次に、この正極合剤スラリーを、1mmの厚みを有する発泡アルミニウム集電体(正極集電体)に均一に塗布、乾燥させた後、500μmの厚みまでロールプレスで圧縮した。最後に、所望の大きさに切断することにより、実施例1〜3および比較例1の正極(正極板)を作製した。正極の活物質層を塗布する領域の大きさは、縦146mm、横196mmとし、正極(正極集電体)の大きさは、縦146mm、横208mmとした。
[負極の作製]
天然黒鉛(中国産天然黒鉛)90重量部と、ポリフッ化ビニリデン10重量部とを混合した後、N−メチル−2−ピロリドンを適宜加えて分散させることによって負極合剤スラリーを調整した。次に、この負極合剤スラリーを、1mmの厚みを有する発泡ニッケル集電体(負極集電体)に均一に塗布、乾燥させた後、500μmの厚みまでロールプレスで圧縮した。最後に、所望の大きさに切断することにより、実施例1〜3および比較例1の負極(負極板)を作製した。負極の活物質層を塗布する領域の大きさは、縦150mm、横200mmとし、負極(負極集電体)の大きさは、縦150mm、横210mmとした。
[非水電解液の作製]
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを、30:70の容積比で混合した混合液(溶媒)に、LiPF6を1mol/L溶解することにより非水電解液を作製した。
[二次電池の組立]
正極板および負極板枚を、正極板、セパレータ、負極板、セパレータ、・・・の順に、正極板と負極板との間にセパレータが入るように積層することにより、電極群(積層体)を形成した。このとき、正極板に対して負極板が外側に位置するように、正極板を24枚、負極板を25枚用いた。また、セパレータを50枚用いることにより、電極群(積層体)の最も外側にはセパレータが位置するように構成した。
セパレータには、20μmの厚みを有する微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。セパレータの大きさは、正極板および負極板の活物質層が塗布されたサイズよりも大きくなるように、縦154mm、横206mmとした。
外装容器は、ニッケルメッキを施した約1.0mmの厚みを有するスチール板を加工することにより、外装缶と封口板とを形成した。なお、外装缶の内径サイズは、縦164mm、横228mm、深さ20mmとした。そして、この外装缶に電極群(積層体)を収納した後、封口板を載せ、二重巻き締めにより電池を封口した。
続いて、封口板に予め設けられたφ2mmの注液孔から所定量の非水電解液を減圧注液した。注液後、注液孔とほぼ同じ直径の金属球を注液孔に設置し、抵抗溶接により、注液孔を封口した。このようにして、実施例1〜3および比較例1の電池を30個ずつ作製した。なお、実施例1〜3では、非水電解液の注液により膨潤性樹脂が膨潤し、電極群に押圧力が加わっているのに対し、比較例1では、電極群に押圧力が加わっていない。
上記のようにして作製した実施例1〜3および比較例1によるリチウム二次電池電池について検査を行い、不良電池と良品電池とを選別した。電池製造時(電池組立時)の時点で電圧が0Vであった場合、内部短絡が生じていると考えられるため、このような電池は不良電池として除外した。そして、良品と判断された電池に対して、特性評価を行った。
具体的には、不良電池を除外した残りの電池に対して、3.5Vまで5時間の定電流定電圧充電を行い、その後、2Vまでの定電流放電を行うことにより、電池容量(初回電池容量)を測定した。そして、この電池を用いて、45℃の温度環境下で、上記充放電条件にてサイクル試験を行った。その後、200サイクル後の放電容量を測定し、その時の電池容量を初回の放電容量(初回電池容量)で除した割合(容量保持率)を評価した。
さらに、サイクル試験を行った電池を用いて、振動試験を行い、振動試験後の容量保持率を算出した。具体的には、200サイクル後の放電容量を測定した電池に対して、再度充電を行うことにより、満充電状態にした。そして、満充電状態にした電池を加振装置に取り付け、周波数10Hz〜55Hzの条件で、一方向(長手方向;X方向)に8時間振動を加えた。その後、電池の放電容量を測定し、充電容量で除した割合を容量保持率(%)として算出した。
これらの結果を、以下の表1に示す。なお、表1中における200サイクル後の容量保持率は、サイクル試験を行った電池の平均値を示している。また、振動試験後の容量保持率は、振動試験を行った電池の平均値を示している。
Figure 0005541957
上記表1に示すように、膨潤性樹脂の膨潤により正極(正極活物質層)および負極(負極活物質層)に押圧力が加えられた実施例1〜3では、押圧力が加えられていない比較例1に比べて、不良電池の発生個数が少なくなることが確認された。具体的には、実施例1では、不良電池個数が1個、実施例2および3では、不良電池個数が0個であったのに対して、比較例1では、不良電池個数が5個と実施例に比べて非常に多く発生する結果となった。
これは、実施例1〜3では、電極群(正極、負極)に押圧力が加えられる際に、正極活物質層の縁部および負極活物質層の縁部を除く領域に押圧力が加えられることによって、バリ突起などに起因する内部短絡の発生が抑制されたためであると考えられる。なお、比較例1では、電極群に押圧力が加えられていないため、正極活物質層の縁部および負極活物質層の縁部にも押圧力が加えられていない一方、電極群に押圧力が加えられていないことによって、電極群(正極、負極)の位置ずれが生じ易くなっているものと考えられる。そして、電池組立時に、電極の位置ずれが生じることによって、電極の位置ずれに起因する内部短絡の発生が生じ易くなる。その結果、不良電池個数が実施例1〜3に比べて多くなったものと考えられる。
また、実施例1〜3では、比較例1に比べて、200サイクル後の容量保持率も向上することが確認された。具体的には、実施例1では、200サイクル後の容量保持率が93%、実施例2では、200サイクル後の容量保持率が92%、実施例3では、200サイクル後の容量保持率が91%と、いずれも90%以上の高い容量保持率が得られた。このように、実施例1〜3で高い容量保持率が得られた理由としては、正極活物質層および負極活物質層に押圧力が加えられることによって、正極(正極活物質層)および負極(負極活物質層)が互いに密着するとともに、電極の位置ずれが防止されたためであると考えられる。これに対し、比較例1では、容量保持率が84%と非常に低い結果となった。これは、電池の充放電に伴う活物質層の膨張収縮時に、正極および負極の位置ずれが生じ、電極の縁部(端部)などで内部短絡(微小短絡)が発生したためではないかと考えられる。すなわち、比較例1では、実施例とは異なり、電極群(正極、負極)に押圧力が加えられていないので、正極および負極の位置ずれが生じ易くなっているために200サイクル後の容量保持率が低くなったものと考えられる。
さらに、実施例1〜3では、比較例1に比べて、振動試験後の容量保持率も向上することが確認された。具体的には、実施例1では、振動試験後の容量保持率が98%、実施例2では、振動試験後の容量保持率が96%、実施例3では、振動試験後の容量保持率が95%と、いずれも95%以上の高い容量保持率が得られ、ほとんど容量低下が見られなかった。これに対して、比較例1では、振動試験後の容量保持率が86%と、振動による容量保持率の低下が顕著に認められた。これは、実施例1〜3では、電極群に押圧力が加えられることによって正極および負極が外装容器内で固定されているために、振動に対して電極の位置ずれが生じ難くなっているためであると考えられる。一方、比較例1では、電極群に押圧力が加えられていないために、振動に対して電極の位置ずれが生じ、これによって、容量保持率が低下したものと考えられる。
以上のように、非水電解液の注液により膨潤性樹脂を膨潤させて、電極群(正極、負極)に押圧力を加えることによって、寿命特性および信頼性を向上させることが可能となることが確認された。また、押圧力を加える際に、正極活物質層(正極)の縁部および負極活物質層(負極)の縁部を除く領域に押圧力を加えることによって、電池組立時の内部短絡を抑制して、歩留まりを向上させることが可能となることが確認された。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、積層型二次電池の一例であるリチウムイオン二次電池(非水電解質二次電池)に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、リチウムイオン二次電池以外の非水電解質二次電池に本発明を適用してもよい。また、非水電解質二次電池以外の二次電池に本発明を適用してもよい。さらに、今後開発される二次電池においても、本発明を適用することができる。
また、上記第1〜第4実施形態では、正極活物質層の4つの縁部および負極活物質層の4つの縁部を除く、正極活物質層の内側の領域および負極活物質層の内側の領域に押圧力が加わるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、電極群に対して押圧力を加える領域は、正極の縁部の少なくとも一部または負極の縁部の少なくとも一部を除く、活物質層の領域であればよい。たとえば、正極活物質層の3つの縁部および負極活物質層の3つの縁部を除く、正極活物質層の内側の領域および負極活物質層の内側の領域に押圧力が加わるように構成してもよい。この場合、たとえば、正極活物質層におけるY方向に沿った2つの縁部のうちの一方側(集電体露出部側の縁部)に押圧力が加えられていてもよい。同様に、たとえば、負極活物質層におけるY方向に沿った2つの縁部のうちの一方側(集電体露出部側の縁部)に押圧力が加えられていてもよい。さらに、たとえば、正極および負極において、縁部の一部に押圧力が加えられていてもよいし、4つの縁部のうちの少なくとも1つの縁部に押圧力が加えられていてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、集電体の両面に活物質層を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、集電体の片面にのみ活物質層を形成してもよい。また、集電体の片面にのみ活物質層を形成した電極(正極、負極)を電極群の一部に含むように構成してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、外装缶の開口部を封口板で二重巻き締め封口した例を示したが、本発明はこれに限らず、外装缶の封口方法は、二重巻き締め封口以外の方法であってもよい。たとえば、封口板を外装缶に溶接することによって外装缶の封口を行ってもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、正極(正極活物質層)よりも負極(負極活物質層)の方が大きくなるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、正極(正極活物質層)と負極(負極活物質層)とが同じ大きさになるように構成してもよいし、負極(負極活物質層)よりも正極(正極活物質層)の方が大きくなるように構成してもよい。この場合、電極(電極群)に対して押圧力が加えられる領域は、正極および負極のうちの小さい方の電極の外縁から1mm以上離れた領域であるのが好ましい。また、正極に対して負極の方が小さい場合、押圧力が加えられる面積は、負極活物質層の塗布面積に対して10%以上99%以下とすることができる。
また、上記第1〜第4実施形態では、正極の集電体露出部と負極の集電体露出部とが互いに反対側に位置するように正極および負極を配した例を示したが、本発明はこれに限らず、正極の集電体露出部と負極の集電体露出部とが同じ側に位置するように正極および負極を配してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、集電体の一端に集電体露出部を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、上記集電体露出部は、たとえば、集電体の両端に形成されていてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、封口板に凸部を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、封口板には凸部を形成せずに、外装缶の底面部の方に凸部を形成するようにしてもよい。また、封口板および外装缶の底面部の両方に凸部を形成するようにしてもよい。
なお、上記第1〜第4実施形態において、凸部の形状、大きさ、突出量などは適宜変更することができる。また、外装容器の大きさや形状等についても種々変更することができる。
また、上記した第1〜第4実施形態の構成を適宜組み合わせることもできる。
また、上記第1〜第4実施形態では、封口板に凸部を一体的に形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、上記凸部を別体で形成することもできる。外装缶の底面部に凸部を形成する場合についても、上記と同様、別体で凸部を形成することができる。また、外装缶の底面部に凸部を一体的に形成することもできる。
また、上記第1〜第4実施形態では、封口板に1つの凸部を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、封口板に2つ以上の凸部を形成してもよい。外装缶の底面部に凸部を形成する場合についても、上記と同様、2つ以上の凸部を形成することができる。
また、上記第2および第3実施形態では、電極群と外装缶の底面部との間に、膨潤性樹脂からなる樹脂部材を配した例を示したが、本発明はこれに限らず、上記樹脂部材は、電極群と封口板との間に配することもできるし、電極群と外装缶の底面部との間および電極群と封口板との間の両方に配することもできる。
なお、上記第2および第3実施形態において、封口板に凸部を形成しない構成にすることもできる。
また、上記第2および第3実施形態において、電極群と外装缶の底面部との間に、膨潤性樹脂からなる樹脂部材を複数枚重ねた状態で配するようにしてもよい。さらに、複数の樹脂部材を並列にして、電極群と外装缶の底面部との間に配するようにしてもよい。電極群と封口板との間に樹脂部材を配する場合も、同様に構成することができる。
10 正極
11 正極集電体
11a 集電体露出部
12 正極活物質層
13、14 縁部
20 負極
21 負極集電体
21a 集電体露出部
22 負極活物質層
23、24 縁部
30 セパレータ
50 電極群
50a 積層体
60 外装容器
70 外装缶(収納容器)
71 底面部
72 側壁部
73 開口部
74 電極端子
75 容器折り返し部
80 封口板(封口体)
81 パネル部
82 チャックウォール部
83 折り返し部
84 注液孔
85 凸部
85a 押圧面
90 金属球
95 隙間部
100、200、300 リチウムイオン二次電池(積層型二次電池)
210 樹脂部材(板状部材)

Claims (18)

  1. 正極活物質層を含む正極と、
    負極活物質層を含み、前記正極と対向するように配された負極と、
    前記正極および前記負極が交互に積層された積層体と、
    前記積層体を収納する収納容器と、前記収納容器を封口する封口体とを含む外装容器と

    前記外装容器内に配され、電解液に対して膨潤性を有する膨潤性樹脂とを備え、
    前記積層体は、電解液が前記外装容器内に注液されることにより膨潤した前記膨潤性樹
    脂によって、積層方向に押圧力が加えられ
    前記封口体と前記積層体との間および前記収納容器と前記積層体との間の少なくとも一
    方には、前記膨潤性樹脂からなる板状部材が配され、
    前記板状部材は、前記正極活物質層の縁部および前記負極活物質層の縁部を除く活物質
    層の領域に対応する大きさに形成されていることを特徴とする、積層型二次電池。
  2. 前記正極および前記負極は、それぞれ、縁部を有するとともに、前記縁部の少なくとも
    一部を除く、前記正極活物質層および前記負極活物質層の領域に押圧力が加えられている
    ことを特徴とする、請求項1に記載の積層型二次電池。
  3. 前記正極および前記負極は、それぞれ、前記正極活物質層の縁部および前記負極活物質
    層の縁部を除く領域に、押圧力が加えられていることを特徴とする、請求項1または2に
    記載の積層型二次電池。
  4. 前記正極活物質層および前記負極活物質層の少なくとも一方には、前記膨潤性樹脂が分
    散されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層型二次電池。
  5. 前記正極と前記負極との間に配されるセパレータをさらに備え、
    前記セパレータが前記膨潤性樹脂から構成されていることを特徴とする、請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の積層型二次電池。
  6. 前記積層体は、前記正極、前記セパレータおよび前記負極をそれぞれ複数有し、
    前記正極、前記セパレータおよび前記負極が順次積層されることによって前記積層体が
    構成されており、
    前記複数のセパレータのうちの少なくとも一部は、他のセパレータとは異なる厚みを有
    することを特徴とする、請求項5に記載の積層型二次電池。
  7. 前記積層体における前記正極および前記負極が、前記封口体および前記収納容器によっ
    て、積層方向に押圧力が加えられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の積層型二次電池。
  8. 前記膨潤性樹脂は、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメ
    チルセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイ
    ド、プロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルから選択される少なく
    とも一種類を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層型二次電
    池。
  9. 電解液が注液される前には、前記封口体と前記積層体との間または前記収納容器と前記
    積層体との間に隙間が形成された状態となっており、
    前記隙間の間隔Cが、0mm<C<5mmであることを特徴とする、請求項1〜8の
    いずれか1項に記載の積層型二次電池。
  10. 前記正極および前記負極における押圧力が加えられる領域は、前記正極活物質層の外縁
    から1mm以上内側の領域、または、前記負極活物質層の外縁から1mm以上内側の領域
    であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層型二次電池。
  11. 前記正極活物質層は、前記負極活物質層よりも小さい平面積を有しており、
    前記正極および前記負極における押圧力が加えられる領域は、前記正極活物質層の外縁
    から1mm以上内側の領域であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記
    載の積層型二次電池。
  12. 前記正極活物質層および前記負極活物質層の外縁から5mm以上内側の領域に、押圧力
    が加えられていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層型二次
    電池。
  13. 前記収納容器および前記封口体は、それぞれ、金属材料から構成されていることを特徴
    とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層型二次電池。
  14. 前記正極および前記負極は、前記封口体と対向するように配されているとともに、前記
    収納容器は、前記正極および前記負極と対向する底面部を含み、
    前記封口体および前記収納容器の底面部の少なくとも一方には、前記正極および前記負
    極に向かって突出する凸部が形成されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれ
    か1項に記載の積層型二次電池。
  15. 前記凸部は、前記正極活物質層の縁部および前記負極活物質層の縁部を除く活物質層の
    領域に対応する、略平面状の押圧面を有することを特徴とする、請求項14に記載の積層
    型二次電池。
  16. 前記凸部は、前記封口体および前記収納容器の底面部の少なくとも一方に一体的に形成
    されていることを特徴とする、請求項14または15に記載の積層型二次電池。
  17. 前記封口体および前記収納容器の少なくとも一方は、その電池内部側の面が高分子ラミ
    ネート材でコーティングされていることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項
    記載の積層型二次電池。
  18. 前記収納容器は、角形に形成されているとともに、最も面積の大きい面が底面部となっ
    ており、
    前記正極および前記負極が、前記底面部と対向するように、前記外装容器内に収納され
    ていることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の積層型二次電池。
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