JP3097453B2 - 遮水シートの管理システム - Google Patents
遮水シートの管理システムInfo
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Description
池等の貯留施設の底面に敷設される、内部気密状態の多
数の区画に分割された二重構造の遮水シートの管理シス
テムであって、該シートの破損箇所を特定するととも
に、その破損箇所からの汚水の地下浸透を防止するため
の遮水シートの管理システムに関する。
ば埋立形の廃棄物処分場では、廃棄物から漏出する汚水
の地下浸透による環境汚染を防止するために、用地底面
に予め遮水工を実施することが義務付けられている。か
かる遮水工としては、従来より経済性や遮水性の面か
ら、軟質合成樹脂系あるいはゴム系の遮水シートを敷設
することが行われている。また、ゴルフ場のウォーター
ハザード、簡易貯水池、溜池若しくはプール等の凹所に
水を貯留する施設の底面には、貯留水等の漏出を防止す
べく、廃棄物処分場と同様に遮水シートが敷設される。
れ、汚水や貯留水が流出して周囲環境を汚染する問題が
生じた。この種の問題に対応して遮水シートの2層張り
を行ない、1層目が破れても、2層目の遮水シートによ
り汚水の流出を防止し、安全性を高めることが考えられ
ている。
本出願人は例えば特開平6−63525号公報、同63
526号公報などに示すように、二重構造の遮水シート
を複数の区分に水密に区画しておき、一ケ所の区画が破
れても他の区画の水密性を確保し、かつ各区画に水の検
出手段を設けることにより当該シートの破損部位を特定
するとともに、特定された区画内に固化材を注入するこ
とにより補修を行なう方法を提案した。
水シートのみとし、破損箇所のみに止水材を注入すれば
良いため、広大な敷地面積における止水材の使用量が限
定され、より経済的な維持が可能である。
の方法においても、実際には、かかる遮水シ−トの破損
やこれの補修を管理するための体系化された管理システ
ムが確立されていなかった。また、廃棄物処分場や貯水
池等の貯留施設の敷地は広大であり、遮水シートの敷設
面積も広大であるため、以上の管理を人手で行なうには
莫大な手数がかかり、反ってランニングコストが高いも
のとなる。したがって、該種方法を実施化する上での具
体的な管理システムが望まれていた。
ものであって、二重構造の遮水シートを敷設した廃棄物
処分場や貯水池等の貯留施設において、該シートの破損
箇所を特定するとともに、その特定された箇所に止水材
を送ることで破損箇所からの汚水の地下浸透を防止する
作業工程を容易に管理することのできる遮水シートの管
理システムを提供することを目的とする。
基づきなされたものであって、その要旨とするところ
は、廃棄物処分場や貯水池等の貯留施設の底面に敷設さ
れる、内部気密状態の多数の区画に分割された二重構造
の遮水シートの管理システムであって、前記各区画内に
負圧をかける手段と、該負圧による真空状態を監視し、
真空度がある時間内でどの程度低下したかを演算し、そ
れが設定範囲を越えていた場合には破損と見なし、真空
状態が破れた区画を自動的に特定する手段と、該特定手
段からの指令に基づき、該破損区画に止水材を圧送する
手段とを備えたことを特徴とする遮水シートの管理シス
テムにある。
とも下層シートと上層シートとからなる二重構造の部分
を含んでいるものであれば良い。
区画に分割する手段としては、熱圧着,接着などにより
内部を袋状の気密状態に区画する手法が取られ、この単
位区画面積は処分場等の用地の敷地面積や管理のし易さ
等に応じた面積に設定される。例えば破損時の補修効
率,破損の早期発見の面からは小面積とすることが望ま
しく、施工性や経済性の面からは大面積とすることが望
ましい。
の水を採取する手段を備えることが望ましい。
部に加圧空気を圧送して該破損区画内への滲出水圧力に
対抗する手段を備えることができる。
遮水シートの破損の有無は常時自動的に監視することが
でき、また真空状態が破れた区画は自動的に特定するこ
とができ、この結果に基づき破損区画に止水材を圧送す
ることにより、その破損区画のみを容易に止水すること
ができる。
出により、廃棄物や貯留水等からの滲出水であるのか、
地下滲出水であるのかが分かり、これによって上層の遮
水シートが破れたのか、下層の遮水シートが破れたのか
が特定される。
て該破損区画内への滲出水圧力に対抗させることで、永
久止水材の充填作業以前の段階で、臨時の漏洩防止を行
なうことができる。
細に説明する。
分場に採用した場合の一例を示す概略断面図、図2は同
平面図である。図における廃棄物処分場1は、例えば山
間部などにおける広大な敷地を凹状に掘削し、整地する
ことによって造成したもので、該凹部底面にはその傾斜
に沿って一面に遮水シート2が敷設され、この遮水シー
ト2上に順次廃棄物が埋立てられる。
すように、敷地面側に敷設される下層シート2aと、下
層シート2a上に配置された上層シート2bからなる二
重構造のシートであり、いずれもが軟質合成樹脂、ゴム
系シートであり、上層シート2bは下層シート2a上に
敷設された後、その縦横を溶着などによって接着2cさ
れ、袋状の多数の区画1〜Nに気密に区画されている。
なお、この各区画の袋状内部には不織布等からなるシー
ト状保護マット3が充填されているとともに、それぞれ
の区画には管理ホース4の一端が接続されている。な
お、各区画の単位面積は処分場用地の敷地面積や管理の
し易さ等に応じた面積に設定される。例えば破損時の補
修効率,破損の早期発見の面からは小面積とすることが
望ましく、施工性や経済性の面からは大面積とすること
が望ましい。
配管され、この発明にかかる管理システム10に接続し
ている。
して描かれているが、処分場1の用地形状に沿って全面
に敷設されたものを前述のごとく縦横碁盤目状の多数の
区画に気密に区画し、その各区画1〜Nに対応する管理
ホース4の列を一ケ所に順列配管している。
で、遮水シート2の各区画1〜Nと接続する管理ホース
4の他端はコネクタ12を介して管理配管14の列に接
続している。各管理配管14には先端から順に負圧セン
サ16、電磁切替バルブ18が設けられ、さらに切替バ
ルブ18の後部で一本の吸引管20に一本化されてい
る。
集水タンク24及びメインバルブ26などを介して真空
ポンプ28に接続している。
兼用するもので、他端側切替端は高圧ホース30を介し
て一時的止水のためのコンプレッサ32が接続され、切
替バルブ18の切り替え操作により各区画1〜Nの各別
に圧縮空気を送ることができるようにしている。
材の注入ポンプ34に接続した圧送用ホース36の先端
に設けたコネクタ38に随時切替え接続できるようにな
っている。
であり、上部には液面センサ40が配置され、下部には
検査液採取と排出を兼ねたバルブ42が設けられてい
る。
た管理用コンピューター44に制御盤46を介して随時
入力される。コンピューター44はキーボード44a,
ディスプレイ44b,プリンタ44cなどを備えたもの
であり、予め前記各区画1〜Nと対応した登録がなさ
れ、ディスプレイ44bには、登録された区画1〜Nに
応じたグラフィック表示(図2参照)がされ、後述する
破損区画が一目で特定できるようにしている。
ード44aからの入力状態に応じて、前記各バルブの切
替え及び開閉、真空ポンプ28用駆動制御部28aの稼
働,停止、コンプレッサ32用駆動制御部32a稼働,
停止、及び固化材注入ポンプ34用駆動制御部34aの
稼働,停止を指令する。
ムの処理手順を示すもので、まず図4は応急補修までの
処理手順を示し、遮水シート2を敷設し、各区画1〜N
の気密性を確認した後に、コンピューター44を起動
し、キーボード操作などにより各切替バルブ18を真空
ポンプ28側に切替え、真空ポンプ28を駆動させる
(ステップ111)。
れ、内部は真空状態となる。そして、メイン負圧センサ
22の指示する値が予め設定されている真空度になった
時点でポンプ28は停止する。なお、遮水シート2が正
常であっても次第に真空度が低下するので、メイン負圧
センサ22の指示する値が下限値まで低下したら再度真
空ポンプ28を駆動する作業が適宜間隔をおいて自動的
に繰り返される(ステップ112〜114)。以上の監
視動作が起動状態となった以後処分場内部への廃棄物の
投棄が順次開始される。
範囲である場合には正常と見なされるが、一部の区画が
破損した場合には急激にその区画の真空度が低下するの
で、コンピュータ44はある時間内でどの程度低下した
かを演算し、それが設定範囲を越えていた場合には破損
したと見なし(ステップ114)、警報を発生する(ス
テップ115)。
負圧センサ16によって検出され、破損区画も特定され
る。これはグラフィック化された画面表示によってどの
区画であるかが判定される(ステップ116)。
画のみ真空ポンプ28側に接続した状態を維持し、その
他の切替バルブ18を閉じ、真空ポンプ28を駆動す
る。これによって破損区画内に滲出する水は集水タンク
24内に集められてここに溜る。液面センサ40により
十分な量の検査水が供給されたと判断されると、ポンプ
28は停止する(ステップ117〜120)。
宜取り出され、別途水質検査により廃棄物から滲出した
水か、地下水かが判断される。
過すると該当破損区画の切替バルブ18がコンプレッサ
32側に切替わってコンプレッサ32が駆動され、該当
破損区画に圧縮空気を送ることによって滲出する水圧に
対抗させ、次いで設定圧力となった時点でポンプ32を
停止させる状態を繰返すことによって破損時における応
急補修がなされることになる(ステップ121〜12
5)。
バルブ18が真空ポンプ側に切替えられて(ステップ1
26)元のステップ111に戻り、同一手順で監視動作
が繰り返される。
下水である場合、すなわち下層シート2aのみが破損
し、コンプレッサ32の駆動停止間隔が長く、その破孔
もごく小さいと判断されたならば、以上の状態のままと
し、補修を先送りする。
(上層シート2bの破損)と判断されたり、コンプレッ
サ32の停止間隔が短く、破孔が大きいと判断された場
合には、図5に示すように、補修のための処理が直ちに
実行される。
切替バルブ18を閉鎖し、人手により該当破損区画のコ
ネクタ12を外し、注入ポンプ34のコネクタ38と接
続する。この接続を確認した後、遠隔操作により注入ポ
ンプ34を駆動し、該当破損区画の面積等に応じた所定
量の止水材34を注入した後ポンプ34を停止する。次
いでコネクタ38を外し、該当破損区画の補修の終了を
キイボード44bを用いて登録することで補修作業を完
了する(ステップ211〜217)。
等のセメント系の固化材やウレタン樹脂、高吸水性樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂系の固
化材等を用いることができる。
処理動作のほか、各区画1〜Nの圧力変化などの負圧状
況を常時監視し、その変化率等も演算するとともに、時
間経過等と併せた日報,月報として記録または表示し、
その記録内容を随時プリンタ44cに出力する。
力空気を送り水圧と対抗させ、次いで水質検査に応じて
破損区画を固化材で固める手法を取っている。これは破
損した場合には直ちに止水するための応急対策が必要で
あることと、破損箇所や破損の程度によっては補修対策
に緊急を要することがない場合を想定したものである
が、破損を検出したら直ちに該当破損区画に止水材を注
入するようにしても良いことは勿論である。
設した遮水シートの管理システムについて記載したが、
この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ゴ
ルフ場のウォーターハザード、簡易貯水池、溜池若しく
はプールなどの貯留施設等に敷設した遮水シートについ
ても採用することができる。
係る遮水シートの管理システムにあっては、二重構造の
遮水シートを内部気密状態の多数の区画に分割して底面
に予め敷設した廃棄物処分場や貯水池等の貯留施設にお
いて、前記各区画内に負圧をかける手段と、該負圧によ
る真空状態を監視し、真空度がある時間内でどの程度低
下したかを演算し、それが設定範囲を越えていた場合に
は破損と見なし、真空状態が破れた区画を自動的に特定
する手段と、該特定手段からの指令に基づき該破損区画
に永久止水材を圧送する手段とを備えたものであるか
ら、遮水シートの破損は常時容易に監視され、また真空
状態が破れた区画は容易に特定され、その破損区画のみ
永久止水できるので、監視に人手を要することがなく、
また破損の際の補修作業も簡単に行なうことができる。
出により、廃棄物からの滲出水があるのか、地下滲出水
であるのかが分かり、これによって上層の遮水シートが
破れたのか、下層の遮水シートが破れたのかが特定さ
れ、この特定によってその後の対応策を容易に判別する
ことができる。
て該破損区画内への滲出水圧力に対抗させることで、永
久止水材の充填作業以前の段階で、臨時の漏洩防止を行
なうことができ、補修までの応急処置として好適であ
る。
処分場の一例を示す概略断面図である。
る。
示すフローチャートである。
フローチャートである。
Claims (3)
- 【請求項1】 廃棄物処分場や貯水池等の貯留施設の底
面に敷設される、内部気密状態の多数の区画に分割され
た二重構造の遮水シートの管理システムであって、 前記各区画内に負圧をかける手段と、該負圧による真空
状態を監視し、真空度がある時間内でどの程度低下した
かを演算し、それが設定範囲を越えていた場合には破損
と見なし、真空状態が破れた区画を自動的に特定する手
段と、該特定手段からの指令に基づき、該破損区画に止
水材を圧送する手段とを備えたことを特徴とする遮水シ
ートの管理システム。 - 【請求項2】 前記破損区画内の水を採取する手段を備
えたことを特徴とする請求項1記載の遮水シートの管理
システム。 - 【請求項3】 前記破損区画の内部に加圧空気を圧送し
て該破損区画内への滲出水圧力に対抗する手段を備えた
ことを特徴とする請求項1または2記載の遮水シートの
管理システム。
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