JP5648498B2 - 遮水構造の水抜き装置及び水抜き方法 - Google Patents

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Description

本発明は、遮水構造の水抜き装置及び水抜き方法に関し、特に、二重遮水構造の廃棄物処分場に有効な遮水構造の水抜き装置及び水抜き方法に関する。
産業廃棄物や一般廃棄物を埋立処分する廃棄物処分場においては、廃棄物から浸出する有害物質等を含む汚水が地盤内に浸透し、地下水脈等に混入して周囲の環境を汚染するのを防止するため、処分場の地盤上に遮水構造を施工し、廃棄物から浸出する汚水が地盤側に浸透するのを防止する必要がある。
このため、例えば、図10に示すように、処分場31の地盤32上に、下層の保護マット36(例えば、不織布)、第1遮水シート(以下、下層の遮水シート37とする。)、上層の保護マット38、第2遮水シート(以下、上層の遮水シート39とする。)、及び最上層の保護マット40を下からこの順に5層に敷設して二重遮水構造35を構成し、この二重遮水構造35によって廃棄物45からの浸出水が地盤32側に浸透するのを防止している。
ところで、上記のような構成の二重遮水構造35を施工する場合、上層の保護マット38を敷設した後、その上部に上層の遮水シート39を敷設するまでに、数ヶ月の期間そのままの状態に放置されることが多い。
このため、上層の遮水シート39の敷設が完了するまでの間、下層の遮水シート37の上部に溜った雨水等の水を排水ポンプで吸い上げて処分場31外に排水させているが、その水は、一部が下層の遮水シート37の上部の上層の保護マット38に吸収されて保水されるため、下層の遮水シート37の上部に溜った雨水等の水を完全に取り除くことができない。
このような状態で、上層の遮水シート39を敷設し、その上部に最上層の保護マット40を敷設して二重遮水構造35の施工を完了させると、下層の遮水シート37と上層の遮水シート39との間に雨水等の水が保水されたままの状態となる。そして、この雨水等の水が処分場31の傾斜に沿って低い方向に流れて最低部33付近に集められることにより、その付近の上層の遮水シート39に膨らみが生じ、この膨らみが時間の経過に伴って次第に大きくなり、廃棄物45の重みによって破裂するおそれが生じる。
このため、廃棄物45を掘削して上層の遮水シート39の膨らんだ部分を露出させ、膨らんだ部分から水分を抜く作業が必要になる。この作業は、廃棄物45の埋立が完了するまでの間、必要に応じて、一定の期間ごとに行わなければならず、非常に手間がかかることになる。
上記のような問題に対処するため、特許文献1に記載の技術を適用することが考えられる。特許文献1に記載の技術は、上側遮水シートと下側遮水シートとの間に砂等からなる保護層を設け、この保護層を粘性土等からなる区画堰堤によって複数の区画に分割し、各区画と集水ピットとの間にそれぞれ個別に排水管を敷設し、各区画の水分を各区画の排水管を通じて個別に集水ピットに排水させるように構成したものである。
特許文献1に記載の技術によれば、定期的に集水ピット側から各排水管を通じて各区画内を真空吸引することにより、各区画内に浸入した廃棄物からの浸出水や、各区画内に保水されている施工時の雨水等の水を吸い出し、集水ピット側に排水させることができる。
特開平7−75765号公報
しかし、特許文献1に記載の技術を適用した場合には、各区画内を真空吸引のみによって吸引することによって各区画内から水を吸い出すことになるため、各区画内から効率良く、短時間で水を吸い出して集水ピットに排水させることができず、従って、上側遮水シートに膨らみが生じるのを完全に防止することができない。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、二重遮水構造の第1、第2遮水シート間に溜っている水を効率よく、短時間で排水させることができる、遮水構造の水抜き装置及び水抜き方法を提供することを目的とする。
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、遮水対象の内面に第1、第2遮水シートが二重に敷設された遮水構造の水抜き装置であって、前記遮水対象の最低部に設置され、内部に気密状態の集水空間が設けられるとともに、下端近傍の側面に、前記集水空間の内外を連通する複数の孔又はスリットからなる通水部が設けられ、該通水部を介して前記集水空間が前記第1、第2遮水シート間に連通される集水と、前記集水空間内に設けられ、下端が閉塞され、上端が開口され、側面が前記通水部と向かい合い、かつ上端が前記通水部よりも上方に位置し、下端が前記集水空間の底面よりも上方に位置するポンプ室と、前記遮水対象の少なくとも1箇所に設置されるとともに、下端が前記第1、第2遮水シート間に連通され、上端が大気開放され、又は内部に大気圧以上の圧力の気体が導入される気体導入と、前記集水空間を減圧させることにより、前記第1、第2遮水シート間から水を前記集水空間に集水させ、該水を吸い上げて前記集水空間外に排水させる排水手段と、を備え、前記排水手段は、前記集水空間内に集水された水を吸い上げて前記集水空間外に排水させる排水ポンプと、前記集水空間内を減圧させる真空ポンプとからなり、前記ポンプ室内に前記排水ポンプが設けられていることを特徴とする。
本実施の形態の遮水構造の水抜き装置によれば、気体導入により、第1、第2遮水シート間に大気又は大気圧以上の圧力の気体を導入し、排水手段により、集水部内を減圧させることにより、第1、第2遮水シート間と集水部内との間に圧力差を生じさせることができ、この圧力差と廃棄物等の重みとにより、第1、第2遮水シート間に溜っている水を遮水対象の最低部の集水空間内に集水させることができる。そして、排水手段により、集水空間内に集水させた水を吸い上げ、集水空間外に排水させることができる。
従って、廃棄物等の重みのみによって第1、第2遮水シート間から水を抜く場合や、真空吸引のみによって第1、第2遮水シート間から水を抜く場合に比べて、効率良く、短時間で第1、第2遮水シート間から水を抜くことができる。
本発明の遮水構造の水抜き装置によれば、気体導入管を介して第1、第2遮水シート間に大気又は大気圧以上の圧力の気体を導入し、真空ポンプにより、集水空間内を減圧させることにより、第1、第2遮水シート間と集水空間内との間に圧力差を生じさせることができる。そして、この圧力差と廃棄物等の重みとにより、第1、第2遮水シート間に溜っている水を遮水対象の最低部の集水空間内に集水させることができる。そして、集水空間内に集水させた水を、排水ポンプによって吸い上げ、集水空間外に排水させることができる。
本発明の遮水構造の水抜き装置によれば、第1、第2遮水シート間に溜っている水は、集水管の通水部を通じて集水空間内に流入し、集水空間内からポンプ室内に流入し、ポンプ室から排水ポンプによって吸い上げられて集水空間外に排水されることになる。
さらに、本発明において、前記第1、第2遮水シート間の内部に大気圧以上の圧力の気体を導入するための前記気体導入管に大気圧以上の圧力の気体を供給する加圧手段を設けたことを特徴とする。
本発明の遮水構造の水抜き装置によれば、加圧手段により、気体導入管の内部に大気圧以上の圧力の気体を導入することにより、第1、第2遮水シート間に大気圧以上の圧力の気体を導入することができ、第1、第2遮水シート間と集水空間内との間の圧力差を大きくすることができる。
さらに、本発明において、前記遮水対象の最低部には、他の部分よりも一段低い凹部が設けられ、該凹部内に前記集水管の下端部が挿入されていることとしてもよい。
本発明の遮水構造の水抜き装置によれば、第1、第2遮水シート間に溜っている水は、遮水対象の最低部の凹部内に集水され、凹部内から集水管の通水部を通じで集水空間内に流入することになる。
さらに、本発明は、遮水対象の内面に第1、第2遮水シートが二重に敷設された遮水構造の前記二重に敷設された遮水シート間に溜った水を、請求項1から3のいずれか1項に記載の遮水構造の水抜き装置を使用して抜く水抜き方法であって、前記遮水対象の最低部に気密状態の集水を設置して、該集水を前記第1、第2遮水シート間に連通させ、前記遮水対象の少なくとも1箇所に気体導入を設置して、該気体導入により前記第1、第2遮水シート間に大気、又は大気圧以上の圧力の気体を導入可能とし、前記集水空間を減圧させることにより、前記第1、第2遮水シート間から水を前記集水空間に集水させ、該水を吸い上げて前記集水空間外に排水させることを特徴とする。
以上、説明したように、本発明の遮水構造の水抜き装置及び水抜き方法によれば、二重遮水構造の第1、第2遮水シート間に溜っている水を、効率良く、短時間で抜くことが可能となる。
本発明による遮水構造の水抜き装置の第1の実施の形態の全体を示した平面図である。 図1の断面図である。 図2の部分拡大図であって、水抜き装置の不作動状態を示した説明図である。 図3の水抜き装置の作動状態を示した説明図である。 図3の部分拡大図である。 本発明による遮水構造の水抜き装置の第2の実施の形態の全体を示した断面図である。 図6の部分拡大図であって、水抜き装置の不作動状態を示した説明図である。 図7の水抜き装置の作動状態を示した説明図である。 本発明による遮水構造の水抜き装置の変形例を示した断面図である。 従来の遮水構造の一例を示した断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図5には、本発明による遮水構造の水抜き装置の第1の実施の形態が示されている。本実施の形態の遮水構造の水抜き装置1は、二重遮水構造35を備えた遮水対象としての廃棄物処分場30に適用したものであって、二重遮水構造35の第1、第2遮水シート37、39(以下、下層の遮水シート37、上層の遮水シート39とする。)間から水を抜くのに有効なものである。
二重遮水構造35を備えた廃棄物処分場30は、例えば、図2〜図4に示すように、一方から他方(図中左から右)に向けて次第に深くなるように形成された凹状の処分場31の地盤32に、下層の保護マット36、下層の遮水シート37、上層の保護マット38、上層の遮水シート39、及び最上層の保護マット40を下からこの順に5層に敷設することによって構成され、このような構成の二重遮水構造35の廃棄物処分場30に本実施の形態の水抜き装置1(以下、水抜き装置とする。)が適用される。なお、図中、43は擁壁である。
本実施の形態の水抜き装置1が適用される処分場31の最低部33には、図2〜図4に示すように、他の部分よりも一段低い凹部34が設けられ、この凹部34内にも、凹部34の内面を覆うように、下層の保護マット36、下層の遮水シート37、上層の保護マット38がそれらの順に敷設され、この凹部34内に後述する集水部2の集水管3の下端部が挿入される。
上層の遮水シート39の凹部34に対応する部分には、図3及び図4に示すように、上方に立ち上がる筒状の挿入部41が一体に設けられ、この挿入部41内に後述する集水部2の集水管3が挿入された状態で、集水管3の下端部が凹部34内に挿入される。この場合、集水管3の外周面は、挿入部41の内周面に接着剤等によって一体に接合され、これにより両者間が気密にシールされている。
本実施の形態の水抜き装置1は、図1、図2に示すように、処分場31の最低部33に設けられる集水部2と、集水部2に設けられる排水手段14と、処分場31の少なくとも1箇所に設けられる気体導入手段25とから構成されている。
集水部2は、図3、図4に示すように、処分場31の凹部34内に立設されるとともに、内部に気密状態の集水空間6が設けられる集水管3と、集水空間6内に設けられる排水手段14としての排水ポンプ15と、処分場31外に設けられるとともに、集水空間6内を減圧させる排水手段14としての真空ポンプ20とから構成されている。なお、本実施の形態においては、排水ポンプ15として水中ポンプを用いているが、水中ポンプの代わりに揚水ポンプを用いてもよい。
集水管3は、鋼管、塩ビ管等の管状部材を材料として、この管状部材の上下端を上蓋4及び下蓋5によって閉塞することにより、内部に気密状態の集水空間6を形成したものであって、処分場31の凹部34内に垂直に立設されている。
集水管3の下端近傍の側面には、集水管3の内外を貫通する複数の孔又はスリットからなる通水部7が全周に亘って設けられ、この通水部7が設けられた集水管3の下端が処分場31の凹部34内に挿入されている。
なお、前述したように、集水管3の外周面と上層の遮水シート39の挿入部41の内周面との間が気密にシールされていることにより、凹部34の内部は、外気から遮断された状態で下層の遮水シート37と上層の遮水シート39との間に連通され、この凹部34の内部に、凹部34内に下端が挿入された集水管3の集水空間6が通水部7を介して連通される。
集水管3の下端近傍の側面には、通水部7の周囲を覆うように網目状のストレーナ8が取り付けられ、このストレーナ8によって凹部34内に集水された水内に含まれる塵芥等の固形物が除去され、固形物が水46と一緒に集水空間6内に流入するのが防止される。
図5により詳細に示すように、集水管3の集水空間6内の底部にはポンプ室9が設けられ、このポンプ室9内に排水ポンプとしての水中ポンプ15が設けられている。ポンプ室9は、例えば、鋼管、塩ビ管等の管状部材10を材料として、この管状部材10の下端を下蓋11によって閉塞することにより構成したものであって、集水管3の内面及び底面との間に所定の間隙が形成され、かつ上端が集水管3の通水部7よりも上方に位置するように、外径寸法、高さ寸法が設定されている。なお、図中12は、ポンプ室9を集水空間6の底部に支持する支持脚である。
水中ポンプ15は、下端の吸込口16とポンプ室9の底面との間に所定の間隙が形成されるように、ポンプ室9内に設けられている。水中ポンプ15の吐出口17には排水管18が接続され、この排水管18は、図3及び図4に示すように、集水管3の上蓋4を貫通して処分場31外に引き出されている。
水中ポンプ15を作動させることにより、下層の遮水シート37と上層の遮水シート39との間に溜っている水46が、両遮水シート37、39間から凹部34内に流入し、凹部34内から通水部7を介して集水空間6内に流入し、集水空間6内からポンプ室9内に流入し、ポンプ室9内から吸い上げられて排水管18を介して集水空間6外に排水される。
図3、図4に示すように、真空ポンプ20は処分場31外に設置されている。真空ポンプ20の吸気口21には、吸気管22が接続され、この吸気管は22、集水管3の上蓋4を貫通して集水空間6内に挿入されている。
真空ポンプ20を作動させることにより、集水空間6内の空気47が吸入されて集水空間6外に排気され、集水空間6内が大気圧よりも低い圧力に減圧される。集水空間6内の減圧の度合いは、使用する真空ポンプ20の種類、数量等を適宜設定することにより、適宜の値に調整することができる。
なお、本実施の形態においては、集水空間6内を減圧する手段として真空ポンプ20を用いているが、真空ポンプ20に限らず集水空間6内を大気圧よりも低い圧力に減圧できるものであればよい。
図1及び図2に示すように、気体導入手段25としての気体導入管26は、処分場31の少なくとも1箇所(本実施の形態では6箇所)に垂直に立設されている。各気体導入管26は、鋼管、塩ビ管等の管状部材を材料として構成したものであって、下端開口が下層の遮水シート37と上層の遮水シート39との間に連通され、上端開口が大気開放されるように、処分場31の各所に立設されている。
図2に示すように、各気体導入管26は、下端が上層の遮水シート39に設けた上層の遮水シート39を貫通する挿入孔42内に挿入され、この状態で下端の周面が挿入孔42の周縁部に接着剤等によって一体に接合されている。これにより、各気体導入管26の内部が下層の遮水シート37と上層の遮水シート39との間に連通される。
なお、気体圧導入管26の上端には、上端を開閉させる蓋27が着脱可能に設けられ、上下の遮水シート39、37間から水を抜くときには、蓋27を取り外して上端を開放させ、上下の遮水シート39、37から水を抜かないときには、蓋27を取り付けて上端を閉塞する。このように構成することにより、雨水等が大気圧導入管26を通じて上下の遮水シート39、37間に浸入するのを防止できる。
なお、気体導入管26は、鋼管、塩ビ管等の硬質の管状部材に限らず、フレキシブルな材料からなる管状部材によって構成してもよい。気体導入管26をフレキシブルな材料で構成し、丸めた状態としておくことにより、処分場31内への廃棄物45の埋め立ての進行に伴って、気体導入管26を少しずつ引き延ばしていくような使い方をすることができる。
そして、上記のように構成した本実施の形態の水抜き装置1の気体導入管26の上端から蓋27を取り外して、気体導入管26の上端を大気開放させると、気体導入管26を通じて下層の遮水シート37と上層の遮水シート39との間に大気が導入される。そして、この状態で真空ポンプ20を作動させて集水空間6内を減圧させると、上下の遮水シート39、37間と集水空間6内との間に圧力差が生じ、この圧力差と廃棄物45の重みとにより、下層の遮水シート37と上層の遮水シート39との間の上層の保護マット38に保水されている水46が、処分場31の傾斜に沿って最低部33の方向に流れ、最低部33の凹部34内に集水される。また、凹部34内に集水された水46は、通水部7を通じて集水空間6内に流入し、集水空間6を介してポンプ室9内に流入し、ポンプ室9内に貯留される。そして、ポンプ室9内の水中ポンプ15を作動させることにより、ポンプ室9内に貯留されている水46を排水管18を通じて集水空間6外に排水させることができる。
この場合、水中ポンプ15を作動させるタイミングは、気体導入管26を通じて上下の遮水シート39、37間に導入された大気の圧力と廃棄物45の重みとにより、上下の遮水シート39、37間の水46が凹部34内に集水され、凹部34から集水空間6内に流入し、集水空間6内からポンプ室9内に流入して、ポンプ室9内から溢れ出し、集水空間6内の水位がポンプ室9の上端よりも上方の所定の位置まで上昇したときとする。また、真空ポンプ20の作動のタイミングは、水中ポンプ15を作動させて、集水空間6内の水位が次第に低下してポンプ室9の上端付近に達したときとする。
このようなタイミングで水中ポンプ15及び真空ポンプ20を作動させることにより、集水空間6内の水位と上下の遮水シート39、37との圧力差を大きくとることができるので、効率良く上下の遮水シート39、37間から集水空間6内に水46を流入させることができる。
さらに、集水空間6内の水位がポンプ室9の上端付近まで低下すると、それ以降はポンプ室9内の水位が低下するが、ポンプ室9の外面と集水空間6の内面との間の水位は、ポンプ室9の管状部材10によって仕切られているために低下しない。これは、ポンプ室9内の水46が全量吸い上げられても同様である。また、上下の遮水シート39、37間から集水空間6内に水46が流入してきても、ポンプ室9の外面と集水空間6の内面との間の水位は、ポンプ室9の上端よりも高くはならない。これは、集水空間6内に流入した水46は、集水空間6内の負圧によって吸い上げられて、ポンプ室9の上端を越えてポンプ室9内に流入し、水中ポンプ15で吸い上げられるからである。
さらに、ポンプ室9内から水46を水中ポンプ15で吸い上げる際には、ポンプ室9の外面と集水空間6の内面との間の水46の上面に負圧が作用するので、この部分の水46の水位をポンプ室9の上端の高さに維持することができ、ポンプ室9からの水46の吸い上げ力を安定化させることができ、上下の遮水シート39、37間から集水空間6内への水46の流入を安定化させることができる。
さらに、ポンプ室の上端は、通水部7の上端よりも上方に配置されているので、通水部7付近における水46の水位がポンプ室9の上端以下になった場合であっても、ポンプ室9の上端と通水部7の上端との間に存在する水46が、空気を浸入しにくくするシールの機能を発揮する。つまり、上下の遮水シート39、37間から流入してくる水46が空気の浸入をブロックする。これにより、上下の遮水シート39、37間の水46の水位が通水部7の上端に達しても、集水空間6内には、上下の遮水シート39、37間の空気が時折気泡状態となって浸入する程度で、多量の空気が連続して入り込むようなことはく、集水空間6内の減圧状態を維持することができる。これにより、上下の遮水シート39、37間の水を集水空間6内に安定して流入させることができる。
そして、上記のような水抜き作業を連続して行うことにより、下層の遮水シート37と上層の遮水シート39との間から凹部34の方向に流れる水46の量は次第に減少し、集水空間6内に大量の空気を含む水46が流入すると、集水空間6内の真空度に変化が生じる。そして、この真空度を真空ポンプ20側で逐一検出して、真空度が設定された値に達したときに、気体導入管26から上下の遮水シート39、37間に導入された大気が集水空間6内に流入したものとして、真空ポンプ20及び水中ポンプ15の作動を停止させる。
そして、このような作業を定期的に行うことにより、下層の遮水シート37と上層の遮水シート39との間に溜った水46を効率よく、短時間で抜くことができ、下層の遮水シート37と上層の遮水シート39との間に溜った水46によって処分場31の最低部33付近の上層の遮水シート39に膨らみが生じるのを防止でき、上層の遮水シート39が破裂するのを防止できる。
上記のように構成した本実施の形態の水抜き装置1にあっては、上下の遮水シート39、37間と集水空間6内との間に生じさせた圧力差と、廃棄物45の重みとにより、上下の遮水シート39、37との間に溜った水46を処分場31の最低部33の凹部34内に集水させて、凹部34から集水空間6外に排水させることができるので、廃棄物の重みのみによって水を抜く場合や、上下の遮水シート間を真空吸引して水を抜く場合に比べて、効率良く、短時間で水を抜くことができる。
図6〜図8には、本発明による水抜き装置の第2の実施の形態が示されている。本実施の形態の水抜き装置1は、中心部が最も低くなる凹状の処分場31を備えた廃棄物処分場30に適用したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
そして、本実施の形態の水抜き装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する。
なお、前記各実施の形態においては、集水部2及び排水手段14を最低部33に1つ設けたが、2つ以上設けてもよい。また、最低部33と、最低部33よりも高い部分の両方に設けてもよい。
また、前記各実施の形態においては、気体導入管26の下端を上下の遮水シート39、37間に連通させ、上端を大気開放させることにより、気体導入管26を介して大気を上下の遮水シート39、37間に導入したが、図9に示すように、遮水構造の地表に連続する部分に上下の遮水シート39、37間に連通する孔28を少なくとも1箇所に設け、この孔28を介して上下の遮水シート39、37間に大気を導入してもよい。この場合、孔28を開閉する蓋を設けてもよいし、孔28にフレキシブルな材料からなる管状部材29を接続してもよい。
また、前記各実施の形態においては、気体導入手段25を処分場31の周縁部の複数箇所(6箇所)に設けたが、処分場31の周縁部以外の部分に気体導入手段25を設けてもよいし、周縁部と、その他の部分の両方に設けてもよい。
さらに、前記各実施の形態においては、気体導入管26の上端を大気開放させて、気体導入管26を介して下層の遮水シート37と上層の遮水シート39との間に大気を導入したが、図示はしないが、気体導入管26にコンプレッサー等の加圧手段を接続し、加圧手段により、気体導入管26の内部に大気圧以上の圧力の気体を供給するように構成してもよい。
さらに、前記の説明においては、上下の遮水シート39、37間が一連に形成されている二重遮水構造35を対象としたが、上下の遮水シート39、37間が複数のブロックに区画されている二重遮水構造に本発明を適用してもよい。その場合には、各ブロック毎に集水部、排水手段、及び気体導入手段を設け、各ブロック毎に、上下の遮水シート間から水を抜くように構成すればよい。
さらに、前記の説明においては、遮水対象としての廃棄物処分場30の二重遮水構造35に本発明を適用したが、廃棄物処分場30以外の遮水対象に本発明を適用してもよい。
1 遮水構造の水抜き装置
2 集水部
3 集水管
4 上蓋
5 下蓋
6 集水空間
7 通水部
8 ストレーナ
9 ポンプ室
10 管状部材
11 下蓋
12 支持脚
14 排水手段
15 排水ポンプ(水中ポンプ)
16 吸込口
17 吐出口
18 排水管
20 真空ポンプ
21 吸気口
22 吸気管
25 気体導入手段
26 気体導入管
27 蓋
28 孔
29 管状部材
30 遮水対象(廃棄物処分場)
31 処分場
32 地盤
33 最低部
34 凹部
35 二重遮水構造
36 下層の保護マット
37 第1遮水シート(下層の遮水シート)
38 上層の保護マット
39 第2遮水シート(上層の遮水シート)
40 最上層の保護マット
41 挿入部
42 挿入孔
43 擁壁
45 廃棄物
46 水
47 空気

Claims (4)

  1. 遮水対象の内面に第1、第2遮水シートが二重に敷設された遮水構造の水抜き装置であって、
    前記遮水対象の最低部に設置され、内部に気密状態の集水空間が設けられるとともに、下端近傍の側面に、前記集水空間の内外を連通する複数の孔又はスリットからなる通水部が設けられ、該通水部を介して前記集水空間が前記第1、第2遮水シート間に連通される集水と、
    前記集水空間内に設けられ、下端が閉塞され、上端が開口され、側面が前記通水部と向かい合い、かつ上端が前記通水部よりも上方に位置し、下端が前記集水空間の底面よりも上方に位置するポンプ室と、
    前記遮水対象の少なくとも1箇所に設置されるとともに、下端が前記第1、第2遮水シート間に連通され、上端が大気開放され、又は内部に大気圧以上の圧力の気体が導入される気体導入と、
    前記集水空間を減圧させることにより、前記第1、第2遮水シート間から水を前記集水空間に集水させ、該水を吸い上げて前記集水空間外に排水させる排水手段と、を備え、
    前記排水手段は、前記集水空間内に集水された水を吸い上げて前記集水空間外に排水させる排水ポンプと、前記集水空間内を減圧させる真空ポンプとからなり、
    前記ポンプ室内に前記排水ポンプが設けられていることを特徴とする遮水構造の水抜き装置。
  2. 前記第1、第2遮水シート間の内部に大気圧以上の圧力の気体を導入するための前記気体導入管に大気圧以上の圧力の気体を供給する加圧手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の遮水構造の水抜き装置。
  3. 前記遮水対象の最低部には、他の部分よりも一段低い凹部が設けられ、該凹部内に前記集水管の下端部が挿入されていることを特徴とする請求項1または2に記載の遮水構造の水抜き装置。
  4. 遮水対象の内面に第1、第2遮水シートが二重に敷設された遮水構造の前記二重に敷設された遮水シート間に溜った水を、請求項1から3のいずれか1項に記載の遮水構造の水抜き装置を使用して抜く水抜き方法であって、
    前記遮水対象の最低部に気密状態の集水を設置して、該集水を前記第1、第2遮水シート間に連通させ、前記遮水対象の少なくとも1箇所に気体導入を設置して、該気体導入により前記第1、第2遮水シート間に大気、又は大気圧以上の圧力の気体を導入可能とし、
    前記集水空間を減圧させることにより、前記第1、第2遮水シート間から水を前記集水空間に集水させ、該水を吸い上げて前記集水空間外に排水させることを特徴とする水抜き方法。
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